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学生と図書館
わたしの好きな昔話( 8 )
(ちりめん本)
佐藤 清香
今回、私が紹介するのは『ねずみのよめいり』
というお話です。このお話は、題名のとおり、
ねずみたちが結婚するまでのお話が描かれてい ます。私が小さい頃にこの話を聞いた時はそれ 程ねずみの結婚に疑問を抱きませんでした。寧 ろ、そういった話に登場してくる動物達に親近 感を抱き、私の身の周りにいる生き物も人間と 同じように会話をし、生活しているのではない かと夢を膨らませたりしました。しかし、今に なって考えてみると動物が人間と同じような結 婚式を挙げるといった発想はとてもユニークな 発想ではないか、と感じるようになりました。
日本の昔話には、人間と動物の結婚の話も数多 く残されています。有名な話では『鶴の恩返し』
もそういった話の一つとしてあげられます。こ の事を考えると、昔の人は動物達を現代の私達 よりも身近に感じ、動物も人間と同じような感 情があり、同じ様に生活をしていると、どこか で考えていたのかもしれません。
また、この話はちりめん本で紹介されたこと によって、更に重要な役割を果たしたと私は考 えています。この話の内容はねずみの嫁入りの 話だと前述しました。では、どういった嫁入り
の話なのか。それは、昔の日本の嫁入りの風景 そのものです。見合いをし、縁談がまとまると 結納を交わす。互いに結婚に必要な道具を送る 様子、婚礼の準備を行う様子、花嫁行列の様子、
式の様子、といった結婚までの一部始終がこの 話では紹介されているのです。このちりめん本 によって、世界に日本の婚礼がどのようなもの であったか、紹介する事ができるのです。そし て、忘れてはならないちりめん本のもう一つの 魅力が挿絵です。この『ねずみのよめいり』の ちりめん本には、花嫁が箱で運ばれる様子や婚 礼の様子が細かく描かれています。文章による 説明だけでなく、絵があることによって更に嫁 入りの様子を詳しく知ることができるのではな いでしょうか。
このように、昔話は私達に昔の人の考え方、
風習を分かりやすく教えてくれるものだと私 は思います。そして、それを少しでも世界の人 にちりめん本を通して知ってもらいたいです。
ユーモアたっぷりなこのような日本の昔話を海 外の人々に紹介してみてはいかがでしょうか。
さとう きよか(2010年度日本語学科卒業生)