論文の内容の要旨 論文題名
Autophagy prevents osteocyte cell death under hypoxic conditions.
(オートファジーは、低酸素条件下における骨細胞の細胞死を抑制す る。)
掲載雑誌名
Cells Tissues Organs
歯学研究科 歯学専攻(顎顔面口腔外科学) 博士課程 氏名 栗原 舞
内容要旨
【背景・目的】オートファジーとは,細胞が低酸素状態などのストレスの 多い環境から生き残るためのメカニズムである.現在,オートファジーは 様々な疾患に関与することが報告されているが,骨代謝性疾患との関係は 不明な点が多い.そこで本研究では, 低酸素状態での骨細胞の生存に関す る調節メカニズムを明らかにすることを目的とした.
【 方 法 】MLO-Y4 細 胞 株 を 低 酸 素 環 境 に 曝 露 し, MTT assay お よ び caspase3/7の活性測定を行った。次いで、LC3およびp62の発現の解析,MTT assayおよびcaspase3/7の活性測定を行い,アポトーシスの発現を検索し た.オートファジー阻害剤である3-メチルアデニンを添加し同様の実験を 行い,同様の測定を行った.また,エストラジオールおよび活性型ビタミン Dを添加し細胞死に対する抑制効果およびシグナル伝達経路の検索のため にウエスタンブロッドを行った.
【結果】骨細胞では2%の低酸素分圧においてアポトーシス、オートファジ ー、ネクローシスが満遍なくおこっていることが示された。低酸素ストレ スがかかると、LC3 の上昇および p62 の減少を認めた。活性型ビタミン D を添加すると低酸素による細胞死から細胞を保護した。シグナル伝達経路 の検索では、活性型ビタミン D によるオートファジーの誘導は mTOR経路 に非依存的であることが示された。
【考察】低酸素環境下でのMLO-Y4細胞における活性型ビタミンDはmTOR シグナルに非依存的にオートファジーによって細胞死から保護する働き があることが示唆された。