沖縄における新規学卒者の就職状況
比 嘉 輝 幸
〈 目 次 > は じ め に
中学卒の就職状況 高校卒の就職状況 短大卒の就職状況 大学卒の就職状況 む す び
IⅡⅢⅣVⅥ
I は じ め に
沖縄県の失業率は高い。昭和60年も年間平均5.0%で、たびたび指摘されることではあるが、
その年もまた全国平均(2.6%)のほぼ2倍となった。ことに、若年層に失業が集中し、30歳未 満の若年層が全失業者の52.0%を占め、15〜19歳の年齢層では、失業率が18.2%にものぼる。
本稿では、学校を卒業し、新しく労働市場に参入してくる新規学卒者の就職の状況を考察し たい。沖縄の失業問題、とりわけ若年者の高失業問題を考察する手がかりとなると考えるから である。そこでまず、新規学卒者を中学卒、高校卒、短大卒、大学卒、の順に考察し、その後、
新規学卒者全体の就職状況の把握に努めたい。
II中学卒の就職状況
1 中 卒 後 の 進 路
中学卒業後の進路については、通常6種に分類され、統計が処理されている。「進学者」、「就 職者」、「就職進学者」、「教育訓練機関等への進学者」(専修学校や公共職業訓練施設などへすす む者)、さらには「無業者」(前記4項目のいずれにも該当しない者)、そして、「その他」(卒業 後の動向が不明もしくは死亡した者)などである〔1〕。
これら6種に分類された進路(図1、表1)では、卒業生の大多数が「進学者」で、その割 合は過去において上昇した後、近年では90%強で安定しつつある。他の進路は、おしなべて減 少の傾向にあり、ことに「就職者」や「就職進学者」の減少が相対的に大きい。「就職者」と「教 育訓練機関等への進学者」については、昭和55年以前は、「就職者」が相対的に多かったのに対
沖縄における新規学卒者の就職状況 12
し、昭和56年以後は、一昭和57,61年を除き一「教育訓練機関等への進学者」が多くなって いる。
現在(昭和62年3月卒)では、「進学者」90%強、就職関連(「就職者」、「就職進学者」、「教 育訓練機関等への進学者」)約3%、そして「無業者」6%強として、中学卒の進路をおおかた 把握できよう〔2〕。
表1:中学卒後の進路
〈実数:人>
卒 年 月 卒 業 者 進 学 者 昭51/321,75017,384
52/322,37818,359 53/321,54718,431 54/321,67018,616 55/320,81118,392 56/319,66317,925 57/319,20317,551 58/321,53719,578 59/321,95420,106 60/321,36419,615 61/321,57019,670 62/321,82819,783
教育訓練機関 等への進学者
725 639 486 498 366 362 356 379 370 417 332 411
就 職 進 学 者 255 185 130 131 78 49 70 40 34 27 32 9
無 業 者 2,226 2,017 1,680 1,741 1,379 850 739 1,049 1,016 944 1,125 1,371
そ の 他 294 312 269 173 176 162 114 131 70 82 75 7 就職者
866 866 551 511 420 315 373 360 358 279 336 247
〈構成比:%>
卒 年 月 卒 業 者 昭51/3100.0
52/3100.0 53/3100.0 54/3100.0 55/3100.0 56/3100.0 57/3100.0 58/3100.0 59/3100.0 60/3100.0 61/3100.0 62/3100.0
教 育 訓 練 機 関 等への進学者
3.3 2.9 2.3 2.3 1.8 1.8 1.9 1.8 1.7 2.0 1.5 1.9 就 職 進 学 者
1.2 0.8 0.6 0.6 0.4 0.2 0.4 0.2 0.2 0.1 0.1 0.0
者208063896423業皿97864344456
鉦︿
その他
1.4 1.4 1.2 0.8 0.8 0.8 0.6 0.6 0.3 0.4 0.3 0.0 進 学 者
79.9 82.0 85.5 85.9 88.4 91.2 91.4 90.9 91.6 91.8 91.2 90.6
就 職 者 4.0 3.9 2.6 2.4 2.0 1.6 1.9 1.7 1.6 1.3 1.6 1.1
出所:『学校基本調査報告書』(文部省)より作成。
注1:調査は5月1日現在。
注2:昭和50年以前は、昭和51年以後と統一された昭和51年以後と統一された調査項目ではないため、資料は削除した。
図1:中卒後の進路(構成比)
100 90 80 70 60
%::
30 20 10
0
圏 進 学 者 圏 就 職 者 圏 就 職 進 学 者
囲教育訓練機関等への進学者 脇 無 業 者
図 そ の 他
515253545556575859606162 卒 年
出所:表lに同じ。
2 中 学 卒 の 就 職 状 況
公共職業安定所の窓口を通した中学卒の就職状況(表2)は、求職者の数に対して、県内企 業からの求人数はきわめて少なく、求人倍率も低い。ところが、県外企業からの求人は多く、
その結果、全体的にみた求人倍率(「計」参照)は、「1」をはるかに超す高い数値となってい る。そして、就職先も県外がほとんどを占めている。
ところで、「学校基本調査」における就職者数(「就職者(1)」、表3)は、『職業安定行政年 報』で示された就職者数(「就職者(2)」、同表)よりはるかに多い。中学卒就職者では、公共 職業安定所(公的ルート)を通して就職する数よりも、卒業生の両親や知人あるいは親戚など
(私的ルート)を通して就職する数が多いことを示唆する。(「公的ルート比率」、同表)〔3〕。
表2:中学卒の就職状況
就職者比率(%)
県 内 県 外 6.993.1 7 . 1 9 2 . 9 1.798.3 1.698.4 0.999.1 1.298.8 0.0100.0 0 . 7 9 9 . 3 2.897.2 11.588.5 7.592.5 0.0100.0 充足率(%)
県 内 県 外 94.19.2 82.910.4 55.69.2 44.410.5 1 5 . 4 8 . 8 100.08.0 0.012.6 8 . 3 8 . 7 60.013.8 68.815.1 77.818.6 0.012.7 就職率(%)
計 48.5 99.8 76.1 80.5 88.4 83.3 81.5 64.2 62.7 79.3 73.2 64.7 就 職 者 ( 人 )
県 内 県 外 計 3 2 4 3 3 4 6 5 3 4 4 4 5 4 7 9 5 2 8 8 2 9 3 4 2 5 2 2 5 6 2 2 1 9 2 2 1 2 1 6 7 1 6 9 0 2 1 2 2 1 2 1 1 3 7 1 3 8 3 1 0 3 1 0 6 1 1 8 5 9 6 7 8 6 9 3 0 4 4 4 4 求 人 倍 率
県 内 計 0.044.94 0.098.97 0.028.17 0.037.56 0.0510.02 0も0110.35 0.056.53 0.067.42 0.034.45 0.134.78 0.073.71 0.075.18 (人)
計 4,739 4,305 3,145 2,403 2,505 2,102 1,699 1,595 752 578 471 352
内弘虹99323256951111求県
人 県外 4,705 4,264 3,136 2,394 2,492 2,100 1,686 1,583 747 562 462 347 卒 年 月 求 職 者 ( 人 )
昭51/3 52/3 53/3 54/3 55/3 56/3 57/3 58/3 59/3 60/3 61/3 62/3
90580305917858815061622694332222111
出所:『職業安定行政年報』(沖縄県商工労働部)より作成。
注:調査は4月末日現在。
沖 縄 に お け る 新 規 学 卒 者 の 就 職 状 況 14
さらには、「学校基本調査」による就職者全体をみると、近年は県外就職者よりもむしろ県内就 職者が多くなっている(「<構成比:%>」、同表)。
表3:中学卒の就職先
卒年月 昭51/3
52/3 53/3 54/3 55/3 56/3 57/3 58/3 59/3 60/3 61/3 62/3
〈 実 数 : 就職者(1)県内
1,121600 1,051574 681319 642370 498246 364156 443199 400251 392275 306200 368253 256191
人>
県 外 521 477 362 272 252 208 244 149 117 106 115 65
<構成比:%>
県 内 県 外 53.546.5 54.645.4 46.853.2 57.642.4 49.450.6 42.957.1 44.955.1 62.837.3 70.229.8 65.434.6 68.831.3 74.625.4
<実数:人>
就職者(2)
465 479 293 256 221 169 212 138 106 96 93 44
〈構成比:%>
公的ルート比率 41.5 45.6 43.0 39.9 44.4 46.4 47.9 34.5 27.0 31.4 25.3 17.2
出所:『学校基本調査報告書』(文部省)、『職業安定行政年報』(沖縄県商工労働部)より作 成。
注1:就職者(1)は『学校基本調査報告書』の就職者十就職進学者、就職者(2)は『職業安定行 政年報』の就職者。
注2:公的ルート比率=就職者(2)/就職者(1)。
III高校卒の就職状況
1 高 卒 後 の 進 路
高校卒業後の進路についても、中学卒と同様に6分類がなされている。高卒者の場合(図2、
表4)は、「進学者」、「就職者」、「教育訓練機関等への進学者」、「無業者」の4進路が主要な構 成をなしている。そのうち、「進学者」の推移はほぼ一定しているのに対し、「教育訓練機関等 への進学者」が、漸次、増加している。その結果、近年は、「教育訓練機関等への進学者」が「就 職者」よりも多い。このような高校卒の「教育訓練機関等への進学者」の増加は、先述した中 学卒の場合とともに、近年における雇用構造の変化、つまり、労働力の需給両面による技術志 向への変化を示すものと理解される。ところで、高校卒の「就職進学者」の割合は小さく、そ れはまた減少の傾向にもある。
現在(昭和62年3月卒)では、「無業者」(33.7%)、「教育訓練機関等への進学者」(24.9%)、
表4:高校卒後の進路
〈実数:人>
卒 年 月 卒 業 者 昭51/316,280
52/316,780 53/317,152 54/317,808 55/318,204 56/317,704 57/317,859 58/317,409 59/316,747 60/316,004 61/318,012 62/318,568
〈構成比:%>
卒 年 月 卒 業 者 昭51/3100.0
52/3100.0 53/3100.0 54/3100.0 55/3100.0 56/3100.0 57/3100.0 58/3100.0 59/3100.0 60/3100.0 61/3100.0 62/3100.0
進 学 者 就 職 者 3,522 3,216 3,393 3,240 3,098 3,364 3,366 3,504 3,266 3,507 3,962 3,546
5,052 5,166 5,490 5,736 6,331 6,079 5,933 5,417 5,111 4,261 4,084 3,969
就職進学者
576 462 192 212 381 281 243 221 292 244 223 147
進 学 者 就 職 者 就 職 進 学 者
2 1 . 6 3 1 . 0 3 . 5 1 9 . 2 3 0 . 8 2 . 8 1 9 . 8 3 2 . 0 1 . 1 1 8 . 2 3 2 . 2 1 . 2 1 7 . 0 3 4 . 8 2 . 1 1 9 . 0 3 4 . 3 1 . 6 1 8 . 9 3 3 . 2 1 . 4 2 0 . 1 3 1 . 1 1 . 3 1 9 . 5 3 0 . 5 1 . 7 2 1 . 9 2 6 . 6 1 . 5 2 2 . 0 2 2 . 7 1 . 2 1 9 . 1 2 1 . 4 0 . 8
教育訓練機関 等への進学者
1,405 1,612 1,884 2,289 2,356 2,613 2,750 3,287 3,610 4,149 4,596 4,631
教 育 訓 練 機 関 等への進学者
8.6 9.6 11.0 12.9 12.9 14.8 15.4 18.9 21.6 25.9 25.5 24.9
無業者 4,443 5,103 5,084 5,673 5,102 4,645 5,115 4,537 4,380 3,828 5,115 6,261
無 業 者 27.3 30.4 29.6 31.9 28.0 26.2 28.6 26.1 26.2 23.9 28.4 33.7
その他 1,282 1,221 1,109 658 936 722 452 443 88 15 32 14
その他 7.9 7.3 6.5 3.7 5.1 4.1 2.5 2.5 0.5 0.1 0.2 0.1
出所:『学校基本調査報告書』(文部省)より作成。
注1:調査は5月1日現在。
注2:昭和50年以前は、昭和51年以降と統一された:昭和50年以前は、昭和51年以降と統一された調査項目ではないため、資料は削除した。
沖縄における新規学卒者の就職状況 16
図2:高卒後の進路(構成比)
100
翻 進 学 者 鰯 就 職 者
霊就職進学者
雲 萎 欝 機 関 等 へ の 進 学 ゞ
000987
60
% 501 00000432
515253545556575859606162 卒 年
出所:表4に同じ。
「就職者」(21.4%)、「進学者」(19.1%)、の順に多い。「無業者」が最も多く、高校卒のほぼ 3分の1を占めているが、そのなかには大学受験に失敗した浪人生も含まれているからでもあ ろう。また、この数値については過大推定の可能性が指摘されている〔4〕。
2 高 校 卒 の 就 職 状 況
公共職業安定所を通した高校卒への県内企業からの求人(表5)は、中学卒の微少とは対象 的に、絶対数としては少なくなく、昭和54年以後は千人以上を維持している。しかしながら、
表5:高校卒の就職状況
卒年月求職者(人) 求 人 ( 人 ) 県 内 県 外 計
62730,10430,731 81225,31526,127 75218,34019,092 1,43119,84221,273 1,53825,48127,019 1,23929,28430,523 1,32428,71330,037 1,71019,55621,266 1,56411,95513,519 1,47210,75212,224 1,44610,47911,925 1,2417,2788,519
求 人 倍 率 県 内 計 0.083.97 0.113.59 0.092.38 0.172.58 0.193.32 0.174.11 0.194.25 0.242.96 0.252.18 0.282.31 0.262.18 0.251.72
就 県内 817 640 705 1,255 1,401 1,264 1,286 1,686 1,338 1,179 1,124 1,085
職 者 県外 3,327 3,712 3,943 3,935 4,030 4,118 4,071 3,089 2,833 2,276 2,159 1,802
(人) 計 4,144 4,352 4,648 5,190 5,431 5,382 5,357 4,775 4,171 3,455 3,283 2.887
就職率(%)
計 53.5 59.8 57.9 63.0 66.7 72.5 75.9 66.4 67.2 65.2 60.0 58.4
充足率(%)
県 内 県 外 130.311.1
78.814.7 93.821.5 87.719.8 91.115.8 102.014.1 97.114.2 98.615.8 85.523.7 80.121.2 77.720.6 87.424.8
就職者比率(%)
県 内 県 外 19.780.3 14.785.3 15.284.8 24.275.8 25.874.2 23.576.5 24.076.0 35.364.7 32.167.9 34.165.9 34.265.8 37.662.4 昭51/3
52/3 53/3 54/3 55/3 56/3 57/3 58/3 59/3 60/3 61/3 62/3
7,749 7,282 8,023 8,240 8,143 7,425 7,061 7,193 6,210 5,303 5,475 4,942
出所:『職業安定行政年報』(沖縄県商工労働部)より作成◎
注1:調査は4月末日現在。
注2:昭和51年と56年の場合、県内求人の充足率は100%を超えているが、それは、公共職業安定所で の受付求人数と学校側から報告された就職者数の不一致によるものである。
高卒求職者の絶対数も多く、求人倍率は、中学卒ほどではないにしろ、低い。ところが、県外 企業からの求人も含めると、中学卒と同様に、求人倍率は「1」をはるかに超してしまう。そ
して、就職者比率も県外が県内を常に上回っている。
「学校基本調査」による資料(表6)でも、就職者の県外比率は高い。その比率は年々低下 しているとはいえ、例年(昭和62年3月卒を除く)、県外就職者の比率が県内就職者の比率を上 回っている。高校卒の場合は、県外への就職者が多く、それは公的ルートの高い割合(70〜80%
代)にも示唆的である。
表6:高校卒の就職先
卒年月 昭51/3
52/3 53/3 54/3 55/3 56/3 57/3 58/3 59/3 60/3 61/3 62/3
〈 実 数 就職者(1)
5,628 5,628 5,682 5,948 6,712 6,360 6,176 5,638 5,403 4,505 4,307 4,116
県内 2,086 1,588 1,475 1,898 2,410 2,078 1,937 2,370 2,485 2,035 2,047 2,077
人>
県外 3,542 4,040 4,207 4,050 4,302 4,282 4,239 3,268 2,918 2,470 2,260 2,039
<構成比:%>
県 内 県 外 37.162.9 28.271.8 26.074.0 31.968.1 35.964.1 32.767.3 31.468.6 42.058.0 46.054.0 45.254.8 47.552.5 50.549.5
<実数:人>
就職者(2) 4,144 4,352 4,648 5,190 5,431 5,382 5,357 4,775 4,171 3,455 3,283 2,887
〈構成比:%>
公的ルート比率 73.6 77.3 81.8 87.3 80.9 84.6 86.7 84.7 77.2 76.7 76.2 70.1
出所:『学校基本調査報告書』(文部省)、『職業安定行政年報』(沖縄県商工労働部)より作成。
注1:就職者(1)は『学校基本調査報告書』の就職者十就職進学者、就職者(2)は『職業安定行政年報』の 就職者。
注2:公的ルート比率=就職者(2)/就職者(1)。
Ⅳ 短 大 卒 の 就 職 状 況
1 短 大 卒 後 の 進 路
短大卒と大学卒の場合には、卒業後の進路は5種に分類され、統計が処理されている。「進学 者」、「就職者」、「就職進学者」、「無業者」、そして、「その他」などである。
このような5分類に基づく短大卒の進路(図3、表7)では、「就職者」比率が上昇し、「そ の他」の比率は、逆に、低下し、「無業者」比率がほぼ一定した推移を示している〔5〕。
ちなみに、昭和61年3月卒では、「就職者」51.0%、「無業者」26.2%、「その他」20.7%、そ
沖縄における新規学卒者の就職状況 18
表7:短大卒後の進路
〈実数:人>
卒 年 月 卒 業 者 昭54/31,117
55/31,223 56/31,187 57/31,282 58/31,376 59/31,418 60/31,476 61/31,430
者学9週6岨加鮒訂師進
就 職 者 359 433 471 527 645 766 752 729
就職進学者 5 2 0 1 2 2 3 4
無業者 230 195 192 441 266 295 324 374
そ の 他 514 580 518 301 443 327 360 296
〈構成比:%>
卒 年 月 卒 業 者 昭54/3100.0
55/3100.0 56/3100.0 57/3100.0 58/3100.0 59/3100.0 60/3100.0 61/3100.0
進 学 者 0.8 1.1 0.5 0.9 1.5 2.0 2.5 1.9
就 職 者 32.1 35.4 39.7 41.1 46.9 54.0 50.9 51.0
就 職 進 学 者 0.4 0.2 0.0 0.0 0.1 0.1 0.2 0.3
無業者 20.6 15.9 16.2 34.4 19.3 20.8 22.0 26.2
その他 46.0 47.4 43.6 23.5 32.2 23.1 24.4 20.7
出所:『学校基本調査報告書』(文部省)より作成。
注:調査は5月1日現在。
図3:短大卒後の准路
0000000000009876543211
%
圏 進 学 者 鰯 就 職 者 鬮 就 職 進 翻 無 業 者 鰯 そ の 他
就 職 准 学 者 無業者 その他
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5 4 5 5 5 6 5 7 5 8 5 9 6 0 6 1 卒 年
出所:表7に同じ。
して「進学者」1.9%、「就職進学者」0.3%となっている。
2 短 大 卒 の 就 職 状 況
短大卒への県内企業からの求人数の推移(表8)は、増加の傾向にあり、かつ、昭和58年3 月卒以降は、県内求人が県外求人を上回るようになっている。(ただし、求人に関する統計は、
各短大からの報告を県が集計したものであるため、一求人が複数の短大に提出された場合には、
同求人が重複して計上される可能性がある。そこで、当求人統計では、個々の数値の解釈は避 け、その趨勢を参考にする程度にとどめたい)。
短大卒の就職率(表8)は、20〜40%の間で推移している。また、就職者総数のなかで県内 就職者の占める割合は9割弱以上と高く、県外就職者はきわめて少ない。(ただし、『学校基本 調査報告書』(5月1日現在)に基づいて就職率を試算すると、『職業安定行政年報』(3月31日 現在)の公表数値よりはるかに高くなる。たとえば、昭和61年3月卒の場合、『職業安定行政年 報』での公表数値29.1%に対し、『学校基本調査報告書』に基づく試算は52.1%となる。しかも、
この試算には「その他」も含めているので、過小推定でもある)。
表8:短大卒の就職状況 卒 年 月 求 職 者 ( 人 )
昭54/3 55/3 56/3 57/3 58/3 59/3 60/3 61/3 62/3
898 789 986 1,042 1,109 1,129 1,130 1,074 1,044
求 人 県内
403 370 617 667 842 1,042 1,107 1,081 1,216
(人) 県外 1,092
753 769 801 639 725 582 826 948
就職者 県 内 県 外 1 9 5 2 9 2 6 2 2 2 2 9 4 2 5 3 3 6 3 9 4 1 4 2 8 3 9 8 2 9 3 9 5 1 8 2 9 1 2 1 3 0 3 1 7
(人) 計 224 284 319 375 442 427 413 312 320
就 職 率 職 安 24.9 36.0 32.4 36.0 39.9 37.8 36.6 29.1 30.7
(%) 試算 32.5 35.8 39.9 41.5 47.6 55.2 52.4 52.1
*
就職者比率(%)
県 内 県 外 87.112.9 9 2 . 3 7 . 7 9 2 . 2 7 . 8 89.610.4 9 3 . 7 6 . 3 9 3 . 2 6 . 8 9 5 . 6 4 . 4 9 3 . 3 6 . 7 9 4 . 7 5 . 3
出所:『職業安定行政年報』(沖縄県商工労働部)より作成。
注1:調査は3月末現在。
注2:短大卒の就職に関するデータは、昭和54年3月卒から、『職業安定行政年報』において公表され
るようになった。
注3:就職率の試算は、『学校基本調査報告書』(文部省)における「就業者」を(「就職者」+「無業者」+
「その他」)で除した数値。
*=未公表。
V大学卒の就職状況
1 大 卒 後 の 進 路
大学卒業後の進路の推移(図4、表9)では、「就職者」比率がほぼ毎年上昇し、逆に、「無
沖縄における新規学卒者の就職状況 20
業者」と「その他」の比率が低下する傾向にある。そして、昭和62年3月卒では、「就職者」59.9%、
「無業者」23.3%、「その他」12.6%、さらには「進学者」4.2%となっている。
表9:大学卒後の准路
〈実数:人>
卒 年 月 卒 業 者 昭54/31,799
55/31,798 56/31,852 57/31,850 58/31,805 59/31,779 60/31,883 61/31,827
進 学 者 14 12 32 37 43 14 65 77
就 職 者 598 752 829 898 939 1,034 1,087 1,094
就 職 進 学 者 1 1 1 1 0 0 0 0
無業者 731 542 577 787 485 485 470 426
そ の 他 455 491 413 127 338 246 261 230
〈構成比:%>
卒 年 月 卒 業 者 昭54/3100.0
55/3100.0 56/3100.0 57/3100.0 58/3100.0 59/3100.0 60/3100.0 61/3100.0
進 学 者 0.8 0.7 1.7 2.0 2.4 0.8 3.5 4.2
就 職 者 33.2 41.8 44.8 48.5 52.0 58.1 57.7 59.9
就職進学者 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0
無業者 40.6 30.1 31.2 42.5 26.9 27.3 25.0 23.3
その他 25.3 27.3 22.3 6.9 18.7 13.8 13.9 12.6
出所:『学校基本調査報告書』(文部省)より作成。
注:調査は5月1日現在。
図 4 : 大 卒 後 の 進 路
Ⅱ卯帥刈帥別仙別別岨01
圏 進 学 者 鰯 就 職 者
■ 就 職 進 学 者 函 無 業 者 鰯 そ の 他
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■
■ ■
%
5 4 5 5 5 6 5 7 5 8 5 9 6 0 6 1 卒 年
出所:表9に同じ。
2 大 学 卒 の 就 職 状 況
大学卒に対する県内企業からの求人(表10)は、ほぼ毎年上昇している。そのうえ、県外企 業からの求人は県内企業からの求人を、毎年、上回っている。(大卒の求人統計も、短大卒と同 様に、各大学での集計がベースとなっている。したがって、その解釈には先述した配慮が必要
となる)。
大学卒の就職率(表10)は、ほぼ毎年(昭和60,62年3月卒を除く)上昇し、就職率の向上 をうかがわせる。また、就職者総数のほぼ3分の2が県内、残りの3分の1が県外となってい る。(大学卒の就職率についても、短大卒と同様に、『学校基本調査報告書』に基づく試算が行 なえる。その結果は、『学校基本調査報告書』に基づく試算が、『職業安定行政年報』の公表値 よりはるかに高くなる。たとえば、昭和61年3月卒の場合、『職業安定行政年報』での公表値54.0%
に対し『学校基本調査報告書』に基づく試算値は62.5%となる)。
表10:大学卒の就職状況 卒 年 月 求 職 者 ( 人 )
昭54/3 55/3 56/3 57/3 58/3 59/3 60/3 61/3 62/3
1,764 1,865 1,814 1,390 1,397 1,445 1,439 1,188 1,520
求 人 県内 832 874 883 1,097 1,530 2,279 1,976 2,122 1,739
(人) 県外 4,207 1,551 2,171 2,336 2,116 2,302 2,610 2,699 2,386
就職者(人)
県 内 県 外 計 2 1 1 7 9 2 9 0 302119421 280146426 331210541 380195575 484206690 457230687 410232642 519280799
就 職 率 職 安 16.4 22.6 23.5 38.9 41.2 47.8 47.7 54.0 52.6
(%) 試算 33.5 42.1 45.6 49.6 53.3 58.6 59.8 62.5
*
就職者比率(%)
県 内 県 外 72.827.2 71.728.3 65.734.3 61.238.8 66.133.9 70.129.9 66.533.5 63.936.1 65.035.0
出所:「職業安定行政年報」(沖縄県商工労働部)より作成。
注1:調査は3月末現在。
注2:大学卒の就職に関するデータは、昭和54年3月卒から、『職業安定行政年報』において公表され るようになった。
注3:就職率の試算は、『学校基本調査報告書』(文部省)における「就業者」を(「就職者」+「無業者」+
「その他」)で除した数値。
*=未公表。
Ⅵ む す び
新規学卒者相互間の比較などを行いながら、新規学卒労働市場の全体像とその特徴を把握し たい〔6〕。
1 新 規 学 卒 求 職 者 の 構 成
新規学卒求職者の学卒別構成(昭和62年3月卒、図5)は、高校卒が全学卒求職者の過半数
22 沖縄における新規学卒者の就職状況 図5:学卒求職者の構成(昭62年3月卒)
0.9%
13.8%
鯛 中 学 卒
68人
園 高 校 卒
4,942人
掴 短 大 卒
1,044人
鰯 大 学 卒
1,520人
出所:『職業安定行政年報』(沖縄県商工労働部)より作成。
(65.2%)を占め最も多く、次に、大学卒20.1%、短大卒13.8%と続く。中学卒求職者は全求 職者の0.9%と少ない。このような割合で、毎年、新しい労働力が労働市場に参入してくると想 定してよい〔7〕。
2 県 内 企 業 か ら の 求 人
県内企業からの求人(昭和62年3月卒)は、中学卒へは5人と少ないのに対し、高校卒へは 1,241人と多い。しかしながら、県内求人倍率は、中学卒(0.07)、高校卒(0.25)ともにきわ めて低く、いずれも県内では労働力供給が需要を大きく上回っていることに変わりはない。(先 述した理由により、短大卒や大学卒についての求人数の正確な値は不明である。したがって、
その需給バランスについては言及できない。しかしながら、短大卒・大学卒いずれも「無業者」
や「その他」の比率が高いことを考慮すると、中・高卒同様に県内では労働力供給が需要を上 回っていることが十分に予想される)〔8〕。
3 無 業 者
中学卒と高校卒の「無業者」には多数の受験浪人生が含まれていると推察されるので、それ はさておくとして、短大卒と大学卒の場合には、卒業生に占める「無業者」と「その他」の比 率は決して少なくない。たとえば、昭和61年3月卒の場合(表7,9)、短大卒では両項目の合 計は46.9%(「無業者」26.2%、「その他」20.7%)、大学卒では35.9%(「無業者」23.3%、「そ の他」12.6%)となり、それは短大卒のほぼ半分、大学卒のほぼ3分の1に相当する。短大卒 や大学卒のこのように多数にのぼる「無業者」や「その他」は、県内における多数の若年失業 者と、さらには多数の潜在失業者と符合する〔9〕。
4 未 就 職 者
『職業安定行政年報』と『学校基本調査報告書』をもとに、「新規学卒未就職者」の推定を学
卒別に行うことができる。その推定結果(表11)によると、「新規学卒未就職者」は、高校卒に 最も多く、次いで、大学卒と短大卒、そして中学卒と続く。また、「新規学卒未就職者」の総数 は、毎年、3千人以上となっており、その年の完全失業者数の1割以上にも相当する。このよ うな数の「新規学卒未就職者」が、毎年、県内の労働市場に追加されることを考慮すると、県 内の失業問題、ことに若年の失業問題への対処には、大きな阻害要因となっていることは想像
に難くない。
(昭和62年11月23日脱稿)**
表11:「新規学卒未就職者」の推定(単位:人)
年 昭54/3
55/3 56/3 57/3 58/3 59/3 60/3 61/3
中学卒 62 29 34 48 77 63 25 34
高校卒 3,050 2,712 2,043 1,704 2,418 2,039 1,848 2,192
短 大 卒 744 775 710 742 709 622 684 670
大 学 卒 1,186 1,033 990 914 823 731 731 656
計 5,042 4,549 3,777 3,408 4,027 3,455 3,288 3,552
完 全 失 業 者 割 合 ( % ) 24,00021.0 23,00019.8 25,00015.1 23,00014.8 28,00014.4 26,00013.3 25,00013.2 27,00013.2
出所:『職業安定行政年報』(沖縄県商工労働部)、『学校基本調査報告書』(文部省)、『労働経済指標』
(沖縄県商工労働部)より作成。
注1:中学卒と高校卒の未就職者は、『職業安定行政年報jにおける「求職者」から「就職者」を減じ た値、短大卒と大学卒の未就職者は、『学校基本調査報告書」における「無業者」に「その他」
を加えた値。完全失業者は『労働経済指標』による。
注2:割合=新規学卒未就職者(計)/完全失業者。
【 脚 注 】
*本稿執筆のための資料収集では、本学就職課・新垣全勝課長と高江洲昌信(前)係長か らご助力を得た。また、収集資料の整理では、本学商経学部・渡久地朝明教授のご教示を得た。
諸兄各氏には記して感謝の意を表したい。なお、本稿でのありうる過誤については、むろん筆 者の責である。
〔1〕この6種の分類は「学校基本調査」(文部省)に基づく。ただし、「学校基本調査」
では、「就職進学者」は「進学者」および「就職者」に含まれ、また「教育訓練機関等への進学 者」には「就職している者」も含まれているが、本稿ではこれらの重複する要素を減じて、そ
沖縄における新規学卒者の就職状況 24
れぞれの項目は単一の項目とした。
〔2〕このように中卒後の進路では、「進学者」が大多数で、就職関連への進路者は全卒業 生のなかでもきわめて少ない(約3%)。そこで、中学における進路指導では、進学に大きなウェ イトが占められてしまい、就職指導が手薄になってしまうことがないよう、細心の配慮が必要 と思われる。中学卒就職者の若い年齢、さらには後述するように県外社会での就職者も少なく ないからである。
〔3〕中学卒と高校卒の就職経路(公的・私的ルート)に関する分析は、財沖縄労働経済 研究所において、現在、調査・研究中の「(仮題)沖縄における雇用・失業問題とその対策に関 する研究」に詳しい。
〔4〕前述した「(仮題)沖縄における雇用・失業問題とその対策に関する研究」を参照。
〔5〕「その他」の比率は低下する傾向にあるとはいえ、その多さは、短大卒後の進路を 考察する際、信頼度を低くする、と言わざるをえない。
〔6〕新規学卒者の就職状況の全体像を把握するためには、本来、その就職率についても 論ずべきである。ところが、現行の統計処理のもとでは、就職率の統計は信頼性が高いとは言 えそうにない。したがって、本章では就職率については言及をひかえることにした。
〔7〕この構成比は、公共職業安定所での求職者数を基準にしている。したがって、私的 ルートでの求職者は含まれてなく、全求職者の構成比とはならない。とはいえ、「学校基本調査」
の「就職者」を基準にした場合にも、ほぼ同様の構成比が得られる。そこで、当構成比の信頼 性は高いとみなされる。ちなみに、「学校基本調査」による学卒別就職者の構成(昭和61年3月 卒)は、高校卒65.4%、大学卒17.5%、短大卒11.7%、そして中学卒5.4%となっている。
〔8〕ちなみに、昭和62年3月の短大卒の場合(表8)、県内企業からの求人数(1,216人)
が求職者数(1,044人)を上回っているが、実質の求人数は、短期大学の数(5)で除した243 人位(=1,216÷5)が、より実態に近い数値と思われる。また、昭和62年3月の大学卒の場合
(表10)も、県内企業からの求人数(1,739人)が求職者数(1,520人)を上回っているが、こ の場合も実質の求人数は大学の数(3)で除した580人位(=1,739÷3)と考えられる。した がって、実質的には、短大卒・大学卒いずれも県内では労働力供給が需要を大きく上回ること になる。
〔9〕県内における潜在失業者の数は、完全失業者の数の2倍強にものぼると推定されて いる。しかも、その推定は、狭義の「潜在失業」の定義に基づく、最小限の値でしかない(『季 刊沖縄L+E」Januaryl987、P.46参照)。
**本稿の調査・研究では、本学「特別研究費」の助成を受けた。記して感謝の意を表し たい。