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今日の臨床サポート - 直腸脱・粘膜脱症候群 - 評価・治療例

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薬剤の保険適⽤ ご確認のお願い

□ 「評価・治療例(詳細)」ページの薬剤に、保険適⽤表記を追記させていただきましたので、ご確認をお願いします。 □ 疾患に対して、記載されている薬剤処⽅は保険適⽤があるのかないのか、また、⽤量内なのかを読者が確認できるようにすることを⽬的としていま す。 □ この保険適⽤情報は、エルゼビアの責任として、レセプトチェックソフトなどを参考に案を作成しておりますが、先⽣のコンテンツに掲載すること から、違和感がないかなど、公開前に先⽣に内容をご確認いただけたらと考えております。 □ 添付⽂書記載の保険適⽤の内容が査定の現場の内容と異なることがあります。例えば、筋緊張型頭痛は、厳密にはロキソニンの保険適⽤外です。し かし、慣習的に⽤いられており査定対象にならないことがあります。このような場合には、“筋緊張型頭痛は厳密にはロキソニンの適⽤外だが、査 定の対象とならないこともある”のような記載を付け加えられたらと考えています。このような記載が必要かどうかについて、先⽣の現場の感覚に てご指導を御頂戴できたら幸いです。

注釈 

「評価・治療例(詳細)」の下に、以下のような注釈を掲載 薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載⽇時にレセプトチェックソフトなどで確認し 作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適⽤の査定において保険適⽤及び保険適⽤外と判断されることを保証するもので はありません。また、検査薬、輸液、⾎液製剤、全⾝⿇酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適⽤の記載の⼀部を割愛させていただいています。

疾患のコンテンツの例:⾚芽球癆

疾患のコンテンツについての表現⼀覧

記載(〇〇には病名が⼊ります) 意味 [適⽤内/⽤量内/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤あり。⽤量も範囲内 [適⽤内/⽤量適宜増減2倍以下㊜ ○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤あり。⽤量は添付⽂書量を超えるが2倍以内で、添付⽂書の適宜増減の記載 により⽤量内になりえる [適⽤内/⽤量適宜増減2倍超㊜ ○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤あり。⽤量は添付⽂書量の2倍超で、添付⽂書に適宜増減の記載はあるが、 ⽤量外になる可能性あり [○○では適⽤外/他適⽤⽤量内/㊜ ○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤がなく、他の病名をつける必要がある。その病名で、⽤量は範囲内 [○○では適⽤外/他適⽤⽤量適宜 増減2倍以下/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤がなく、他の病名をつける必要がある。⽤量は添付⽂書量を超えるが2倍以 内で、添付⽂書の適宜増減の記載により⽤量内になりえる [○○では適⽤外/他適⽤⽤量適宜 増減2倍超/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤がなく、他の病名をつける必要がある。⽤量は添付⽂書量の2倍超で、添付 ⽂書に適宜増減の記載はあるが、⽤量外になる可能性あり

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[適⽤内/⼩児⽤量内/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤あり。⼩児⽤量も存在し、その範囲内 [適⽤内/⼩児⽤量外/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤あり。⼩児⽤量は存在するが、その範囲外 [適⽤内/⼩児⽤量記載無/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤あり。⼩児⽤量が存在せず、成⼈での⽤量範囲内 [○○では適⽤外/他適⽤⼩児⽤ 量内/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤がなく、他の病名をつける必要がある。その病名で、⼩児⽤量が存在し、 その範囲内 [○○では適⽤外/他適⽤⼩児⽤ 量外/㊜○○] 薬剤が、想定した病名に適⽤がなく、他の病名をつける必要がある。その病名で、⼩児⽤量が存在し、 その範囲外 [薬価未収載] 海外の薬剤など

症状のコンテンツの例:全⾝浮腫

症状のコンテンツについての表現⼀覧

記載(〇〇には病名が⼊ります) 意味 [⽤量内/㊜××] 薬剤の⽤量が、病名××に対する⽤量として⽤量内である [⽤量適宜増減2倍以内/㊜××] 薬剤の⽤量が、病名××に対する添付⽂書量を超えるが2倍以内である。添付⽂書に適宜増減などの記載 がある [⽤量適宜増減2倍超/㊜××] 薬剤の⽤量が、病名××に対する添付⽂書量の2倍超で、添付⽂書に適宜増減の記載はあるが、⽤量外に なる可能性ある [⼩児⽤量内/㊜××] 薬剤の⽤量が、病名××に対する⼩児⽤量として⽤量内である [⼩児⽤量外/㊜××] 薬剤の⽤量が、病名××に対する⼩児⽤量の範囲外である [⼩児⽤量記載無/㊜××] 薬剤の⽤量が、病名××に対する成⼈での⽤量範囲内であり、⼩児⽤量は存在しない [薬価未収載] 海外の薬剤など

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直腸脱・粘膜脱症候群

井上靖浩 藤川裕之 廣純⼀郎 楠正⼈ 三重⼤学 消化管・⼩児外科学

■評価・治療例(詳細)

#1534 初診時、フォローアップ時 対象患者・コメントを隠す/表⽰する ※下記は、⼀部を除き、執筆者が過去に診た20⼈の患者で2⼈以上に⾏った事を羅列して頂いています。実際の1⼈の患者に ⾏った内容は、下記の⼀部分であることを了解下さい。 評価⽅針 問診、ならびに視診、肛⾨直腸診にて、完全直腸脱か不完全直腸脱かを診断する [ID0603]。 不完全直腸脱なら、内痔核やMPSなどの鑑別へ移⾏する(参照: [[痔核]])。 完全直腸脱なら、根治⼿術を念頭に脱出の程度などの精査を進める。 緊急対応 陥頓、腸管壊死、出⾎ 対象: 陥頓、出⾎あるいは疼痛(会陰痛、腹痛)を伴う患者(推奨度1) バイタルサイン ⾎圧、体温、脈拍 対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度1) コメディカルへの依頼 ⽣活・排便習慣指導(MPSでは、⻑時間排便、いきみなど禁⽌) 対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度2) 診 察 肛⾨直腸視診 対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度1) 検体検査

CBC, Na, K, Cl, BUN, Cr, Glu(⾎清), CRP, TP, Alb, AST, ALT, γ-GTP, ALP, LDH, T-Bil

対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度2) ⽣理・画像検査 ⼤腸内視鏡検査による⽣検 対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度2) 特に直腸前壁に隆起病変や潰瘍などを認める場合 コメント: MPSでは⽣検による評価が重要[ID0604] 肛⾨鏡検査 対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度2) 脱出程度が強い完全直腸脱患者は除く 腹部単純X線検査 対象: 完全直腸脱患者(推奨度2) コメント: 腸閉塞の除外、腸管ガス像・宿便の確認。 ⼤腸内視鏡検査 対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度1) コメント: 癌など他疾患の合併、直腸脱に伴う⾮特異的炎症の範囲を確認する。 MPSでは⽣検による評価が重要[ID0604] 排便造影(defecography)[ID0621] 対象: 完全直腸脱患者(推奨度2)

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薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る コメント: S状結腸過⻑、脱出の程度、先進部を確認する。[ID0621] 直腸肛⾨内圧検査 対象: 完全直腸脱患者(推奨度2) コメント: 括約筋機能を評価する。 CT/MRI 対象: 完全直腸脱患者(推奨度2) コメント: ⾻盤底筋群の異常や、直腸瘤、膀胱脱、⼩腸脱、⼦宮脱などの合併の有無を確認する。 経肛⾨的超⾳波内視鏡検査 対象: 完全直腸脱患者(推奨度2) コメント: 括約筋損傷の程度などを評価する。 transit time検査 対象: 強度の便秘を合併している患者(推奨度2) コメント: 腸管通過時間を測定する。[ID0622] 治療⽅針 保存的治療(不完全直腸脱):排便習慣改善 外科療法:脱出程度、全⾝状態に合わせた術式選択:[ID0020] 薬 剤 下剤(塩類) マグラックス錠[330mg] 3〜6錠 分3 毎⾷後 [直腸粘膜脱、直腸脱は適⽤外/他適⽤⽤量内/㊜便秘症] (編集部注:本ページで想定する適⽤病名「直腸粘膜脱、直腸脱」/2015年11⽉) 対象: 便秘患者(推奨度2) コメント: マグラックス錠とプルゼニド錠をいずれか1つを⽤いるか、もしくは併⽤する。 下剤(⼤腸刺激性) プルゼニド錠[12mg] 1〜2錠 分1 就寝前 [直腸粘膜脱、直腸脱は適⽤外/他適⽤⽤量内/㊜便秘症] 対象: 便秘患者(推奨度2) コメント: マグラックス錠とプルゼニド錠をいずれか1つを⽤いるか、もしくは併⽤する。 ⽌痢(整腸薬) ラックビー微粒N 1回1〜2g  分3 毎⾷後 対象: 排便コントロールとして(推奨度2) コンサルト 消化器外科 対象: 下⾎が持続する場合(推奨度1) 脱出腸管の陥頓、壊死などが疑われる場合(推奨度1) 指 導 排便習慣の改善指導(いきみ、⻑時間のトイレなど禁⽌) 対象: 直腸脱・粘膜脱症候群を疑う患者(推奨度2) 再診・⼊院の指⽰ 完全直腸脱なら、諸検査予約のうえ、再診 対象: 完全直腸脱患者(推奨度1) コメント: 術式を決定し、⼊院予約へ 推奨度1:明らかに利益が害やコストよりも上回る。必ず⾏う必要があり得る⾏為。

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最終更新⽇ : 2016年5⽉31⽇ <<ページ末尾:#situationDetails6.aspx?DiseaseID=1534&situationno=1>> 推奨度2:害、コストよりも、利益が上回る可能性が⾼い。半数以上の状況で⾏われ得る⾏為。 推奨度3:利益よりも、害、コストが、上回る可能性が⾼い。半数以下の状況で⾏われ得る⾏為。 推奨度4:明らかに利益が害やコストよりも下回る。医学的に原則禁忌といわれている⾏為。 (詳細はこちら参照) ※薬剤中分類、⽤法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独⾃に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。 尚、⽤法は添付⽂書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。 ※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載⽇時にレセプトチェッ クソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適⽤の査定において保険適⽤及び保険 適⽤外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、⾎液製剤、全⾝⿇酔薬、抗癌剤等の薬 剤は保険適⽤の記載の⼀部を割愛させていただいています。 (詳細はこちらを参照)

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直腸脱・粘膜脱症候群

監修:杉原健⼀ 東京医科⻭科⼤学⼤学院 井上靖浩 藤川裕之 廣純⼀郎 楠正⼈ 三重⼤学 消化管・⼩児外科学

■トップページ

#1534 概要 疾患のポイント: 直腸の全層が脱出する病態を完全直腸脱と呼び、内痔核などを基点とし粘膜のみ脱出する不完 全直腸脱とは病態が異なる。

不完全直腸脱なら、内痔核や粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome、MPS)などの鑑別 へ移⾏する。(参照:[[痔核]]) 完全直腸脱なら、根治⼿術を念頭に脱出の程度などの精査を進める。 いきむところを直接観察する怒責診断などで、実際に直腸脱を確認し、完全直腸脱か不完全直 腸脱かを診断するのが最も⼤切である。[ID0603](成⼈直腸脱の治療⽅針[ID0701]) 診断:[ID0011] 肛⾨に腫瘤を触れる、お尻に何か挟まって歩きにくい、など特有の症状を訴える場合、完全直 腸脱を想起する。特有の症状に加え、直腸脱の誘因とされる精神疾患や分娩、便秘などを認め た場合、原因疾患として完全直腸脱を想起する。 患者に怒責をさせて、実際の脱出を確認し、完全直腸脱か不完全直腸脱かを診断する。 不完全直腸脱の原因として、内痔核を基点に粘膜脱を来していることが多い。内痔核が原因の 場合、内痔核治療(保存的治療、外科治療)に準ずる。 他の原因として、排便習慣が誘因となるMPSがある。 排便造影(defecography)、⼤腸内視鏡検査、直腸肛⾨内圧検査、CTおよびMRI検査、経肛 ⾨的超⾳波内視鏡検査を⾏い、鑑別疾患の評価と、⾻盤底筋群の異常や、直腸瘤、膀胱脱、⼩ 腸脱、⼦宮脱などの合併を確認する。 重症度・予後:[ID0013] 病因が異なるので、治療選択の観点からも、完全直腸脱と不完全直腸脱の⾒極めが⼤切であ る。臨床分類としてはAltemeir分類やTuttle分類がある。(完全直腸脱の分類[ID0605]) 治療:[ID0014] 不完全直腸脱には、いきみの禁⽌や緩下薬などによる排便コントロールをまず試みる。また、 内痔核を原因とする場合は内痔核の治療を⾏う。 完全直腸脱であれば、外科治療を前提に精査を進める。完全直腸脱の⼿術は、経腹的アプロー チと会陰式アプローチの2つに分類される(完全直腸脱の代表的⼿術:[ID0606])。会陰式ア プローチは、経腹的アプローチよりも再発率は⾼いが、⼿術侵襲が少ない。(⼿術追加情報: [ID0020]) ⼩児直腸脱の治療は、排便コントロールなど基本的に保存的治療である。保存的治療が無効な 場合、硬化療法や⼿術を考慮する。 専⾨医相談のタイミング:[ID0017] 完全直腸脱においては、⽣理学的な諸検査が必要なこと、専⾨性の⾼い術式の選択・施⾏が必 要なことから、基本的には⼤腸肛⾨外科領域の専⾨医に相談すべきである。 臨床のポイント: 治療法の決定には完全直腸脱か不完全直腸脱かの鑑別が重要である。 完全直腸脱の場合、⼤腸肛⾨外科の専⾨医に相談する。 評価・治療の進め⽅ ※選定されている評価・治療は⼀例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。 ■不完全直腸脱の患者で⾏う検査例

内痔核や粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome、MPS)の確認のため肛⾨直腸診、肛⾨鏡 検査、⼤腸内視鏡検査を⾏う。

○ 不完全直腸脱では1)2)を⾏い、MPSを疑う場合は診断を確定するために3)を⾏う。 1)肛⾨直腸視診

2)肛⾨鏡検査 3)⼤腸内視鏡検査

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開⽰: 井上靖浩:未申告 廣純⼀郎:特に申告事項無し 藤川裕之:未申告 監修:杉原健⼀:講演料(中外製薬) 最終更新⽇ : 2016年5⽉31⽇ <<ページ末尾:#searchDetails4.aspx?DiseaseID=1534>> 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る ■不完全直腸脱の原因に合わせた保存的加療 保存的治療(不完全直腸脱):排便時間など排便習慣を改善させる。 便秘症の患者では便秘の治療を⾏う。 痔核を認める患者では痔核の治療を⾏う。(参照:[[痔核]]) ○ 便の性状に応じて1)または3)を選択し、便秘が改善しない場合は2)を追加する。 1)マグラックス錠[330mg] 3〜6錠 分3 毎⾷後 [直腸粘膜脱、直腸脱は適⽤外/他適⽤⽤ 量内/㊜便秘症](編集部注:想定する適⽤病名「直腸粘膜脱、直腸脱」/2015年11 ⽉) 2)プルゼニド錠[12mg] 1〜2錠 分1 就寝前 [直腸粘膜脱、直腸脱は適⽤外/他適⽤⽤量 内/㊜便秘症] 3)ラックビー微粒N 1回1〜2g  分3 毎⾷後 ■完全直腸脱の患者で⾏う検査例 完全直腸脱なら、根治⼿術を念頭に脱出の程度、括約筋の機能などを評価する。 ただし、脱出程度が強い完全直腸脱患者では、肛⾨鏡検査は⾏わない。 ○ 1)2)に加え、⼿術を⾏う場合は術式選択のために3)〜7)を⾏う。 1)肛⾨鏡検査 2)腹部単純X線検査 3)⼤腸内視鏡検査 4)排便造影(defecography)[ID0621] 5)直腸肛⾨内圧検査 6)CT/MRI 7)経肛⾨的超⾳波内視鏡検査 追加情報ページへのリンク 直腸脱・粘膜脱症候群に関する詳細情報 直腸脱・粘膜脱症候群に関する評価・治療例(詳細) (1件) 初診時、フォローアップ時 直腸脱・粘膜脱症候群に関するエビデンス・解説 (10件) 直腸脱・粘膜脱症候群に関する画像 (21件) ※薬剤中分類、⽤法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独⾃に作成した薬剤情報であり、  著者により作成された情報ではありません。  尚、⽤法は添付⽂書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。 ※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載⽇時にレセプトチェッ クソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適⽤の査定において保険適⽤及び保険 適⽤外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、⾎液製剤、全⾝⿇酔薬、抗癌剤等の薬 剤は保険適⽤の記載の⼀部を割愛させていただいています。 (詳細はこちらを参照)

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直腸脱・粘膜脱症候群

井上靖浩 藤川裕之 廣純⼀郎 楠正⼈ 三重⼤学 消化管・⼩児外科学

■詳細情報

#1534

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態) [ID0001] 完全直腸脱: 直腸の全層が脱出する病態を完全直腸脱と呼び、内痔核などを基点とし粘膜のみ脱出する不完 全直腸脱とは病態が異なる。 完全直腸脱の病因論として、①直腸の重積説と、②ダグラス窩の滑脱ヘルニア説とがあり、と きには両者が併存する。 ⼆次的な誘因として⾻盤底筋群の弛緩、肛⾨挙筋の離解、括約筋機能障害、⾻盤内臓器の下 降、直腸・S状結腸過⻑症、不適切な排便習慣などが挙げられる。[ID0601] ⾼齢⼥性に多く、便失禁との関連が50〜70%にみられる。 ⼩児の直腸脱は成⼈とは異なる病因が考えられている。[ID0602] 不完全直腸脱:

不完全直腸脱の代表疾患である粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome、MPS)は1983 年、du Boulayらにより提唱された概念である[1]。

MPSは肛⾨縁から7〜10cm付近の直腸前壁に好発する⾮特異的潰瘍を主体とする病態であり、 歴史的には孤⽴性潰瘍症候群(solitary ulcer syndrome)や深在嚢胞性⼤腸炎(localized colitis cystica profunda)などとしても知られてきた。

MPSの成因として直腸粘膜の下垂・脱出が関与しているとされていることから、両者を総称し た診断名がMPSとされる。 問診・診察のポイント [ID0002] 排便時、安静時における症状の詳細を問診する。 例:肛⾨に腫瘤を触れる、お尻に何か挟まって歩きにくい、便が漏れる、下着が汚れる、 痛みがある、など 排便、排尿障害の有無を確認する。 例:不規則な排便、排便時間、排便時不快感、残便感、しぶり腹、便失禁、尿失禁 実際に直腸が肛⾨から脱出することを確認する。 視診ではっきりしない場合、怒責診断を⾏う。⾃宅で写真を撮ってもらうのも有効である。 同⼼円状の粘膜ひだを有する全層性の出腸管を確認すれば完全直腸脱と診断できる。 [ID0603] 粘膜⾯の外⾒が放射状の溝を呈するならば、不完全直腸脱と診断する。[ID0603]

診断⽅針

0:想起 [ID0010] 排便、排尿障害を主訴に外来受診されたとき、肛⾨に腫瘤を触れる、お尻に何か挟まって歩き にくい、など特有の症状を訴える場合、完全直腸脱を想起する。 特有の症状に加え、直腸脱の誘因とされる精神疾患や分娩、便秘などを認めた場合、原因疾患 として完全直腸脱を想起する。 ⾎性粘液の排泄を訴える患者で、いきみの程度が強く、排便時間(15分以上)が⻑い場合、不 完全直腸脱としてのMPSを疑う。 1:診断 [ID0011] いきむところを直接観察する怒責診断などで、実際の脱出を確認し、完全直腸脱か不完全直腸 脱かを診断する。 不完全直腸脱の原因として、内痔核を基点に粘膜脱を来していることが多い。内痔核が原因の 場合、内痔核治療(保存的治療、外科治療)に準ずる。他の原因として、排便習慣が誘因とな るMPSがある。 特に不完全直腸脱の場合、肛⾨直腸診、肛⾨鏡にて、内痔核や腫瘍の有無を確認する。 排便造影(defecography)により、S状結腸過⻑、脱出の程度、先進部を確認する。 ⼤腸内視鏡検査により、癌など他疾患の合併、直腸脱に伴う⾮特異的炎症の範囲を確認する。

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直腸肛⾨内圧検査にて括約筋機能を評価する。 CTおよびMRI検査にて、⾻盤底筋群の異常や、直腸瘤、膀胱脱、⼩腸脱、⼦宮脱などの合併を 確認する。 経肛⾨的超⾳波内視鏡検査にて、括約筋損傷などを評価する。 強度の便秘を合併する場合、腸管通過時間(transit time)を測定する。 ⽣検にて、間質における平滑筋・線維組織の増⽣が、MPSの特徴的所⾒として認められる。 MPSを疑う場合、検体提出時のコメントに線維筋症(fibromuscular obliteration)の有無を確 認してもらうよう記載することが⼤切である。[ID0604] 2:疾患の除外 [ID0012] 実際に直腸が全層で脱出されるのが認められない場合、完全直腸脱は除外される。 ただし、診察時に脱出が認められないことも多く、⾃宅での写真を参考にしたり、排便造影な ど⼗分な精査を⾏うべきである。

治療⽅針

3:重症度・予後 [ID0013] 病因が異なるので、治療選択の観点からも、完全直腸脱と不完全直腸脱の⾒極めが⼤切であ る。 臨床分類としてはAltemeir分類やTuttle分類がある。[ID0605] 脱出腸管の⻑さは、術式選択の参考にすべきである。 成⼈完全直腸脱の基本治療は⼿術であるが、術式が多く存在し、再発率にも幅があるため、⼗ 分なインフォームドコンセントが必要である。 4:治療 [ID0014] 不完全直腸脱であれば、保存的治療を開始する。 完全直腸脱であれば、外科治療を前提に精査を進める。 ⼩児直腸脱の治療は、排便コントロールなど基本的に保存的治療である。保存的治療が無効な 場合、硬化療法や⼿術を考慮する。 5:⼿術適応・⼿術の選択 [ID0020] 不完全直腸脱には、いきみの禁⽌や緩下薬などによる排便コントロールをまず試みる。ただ し、内痔核を原因とする場合は内痔核の治療に準ずる。 完全直腸脱の⼿術は、経腹的アプローチと会陰式アプローチの2つに分類される。[ID0606] 経腹的アプローチでは全⾝⿇酔を⽤いて、⾻盤底を修復する、直腸を固定する(rectopexy)、 腸管を切除するなどの⽅法がある。Rectopexyの再発率は5%前後と低い。[ID0607] 会陰式アプローチでは全⾝⿇酔のほか腰椎⿇酔や局所⿇酔を⽤いて、主に脱出腸管に対する処 置を⾏う。経腹的アプローチよりも再発率は⾼いが、⼿術侵襲が少なく、術後疼痛も軽微なた め、⾼齢者や全⾝⿇酔リスクの⾼い患者にはよい適応となる。 〈主な術式〉 直腸脱の歴史は古く、19世紀からさまざまな⼿術法が開発され、100〜150以上もの術式があ るとされる。術式がこれほど多岐にわたる理由として、直腸脱の成因に多くの因⼦が関与する こと、また⾼齢患者が多く低侵襲⼿術が求められることなどが挙げられる。現在⾏われている 術式は⼤きく分けて、会陰⼿術と経腹的直腸固定術(rectopexy)からなる。 会陰アプローチ: 腰椎⿇酔や局所⿇酔で可能なものが多く、⾼齢者などハイリスク患者に対する低侵襲⼿術 として選択されることが多い。 Thiersch法:[ID0608] 肛⾨周囲⽪下にナイロン⽷やテフロンテープなどを通して肛⾨管を狭くして脱出 を防⽌する術式である。完全直腸脱においては次のGant-Miwa法に付加される ことが多い。 肛⾨縁において12時と6時に⼩切開を置いて、太めのナイロン⽷を誘導する。締 め付ける程度は⽰指⼤といわれているが、締めすぎると排便障害や肛⾨痛の原因 となるため、症例に応じて調整する。合併症としてときに縫合⽷の感染や、⽪膚 や肛⾨管にナイロン⽷などが露出したり、同時に括約筋を損傷することがある [2]。 Gant-Miwa法:[ID0609]

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発⽣誘因となっている直腸粘膜を補正する術式である。直腸粘膜および粘膜下層 から⼀部筋層にかけて多数刺通結紮を⾏い、脱出する直腸粘膜を縫縮させ還納す るものである。脱出腸管の先端より、絹⽷を⽤いて⻭状線に向かって結紮を密に 進めていく。ただし疼痛の原因となるため、⻭状線近くには結紮を作らないこと が⼤切である。また同⼼円状に結節を形成すると狭窄を来すことがあるため、注 意が必要である[3][4]。 (Thiersch法+Gant-Miwa法)⼿術侵襲が少なく、合併症も低率であることか ら、Thiersch法+Gant-Miwa法はわが国で広く⾏われている。ただし、欧⽶で はほとんど⾏われていない。 Delorme法:[ID0610] 脱出した直腸粘膜のみを完全に切除し、筋層以下の直腸壁を折りたたみ縫縮する 術式である。脱出する腸管粘膜を切除することから、粘膜縫縮のGant-Miwa法 と⽐較してより根治性が⾼く、欧⽶では広く⾏われる。直腸を脱出させた状態で 粘膜下にボスミン加⽣理⾷塩⽔を局注する。⻭状線より約2㎝離れた部位から全 周性に粘膜剝離を⾏う。脱出腸管の2倍ほどで、剝離した粘膜が肛⾨縁の⾼さに ⾄る程度を⽬安に⾏う。剝離した粘膜を切離後、粘膜断端と⻭状線近くの粘膜と を縫合する。この際、直腸の固有筋層を折りたたみ縫合短縮させる[5]。 Altemeier法:[ID0611] 経肛⾨的に直腸、S状結腸を切除し縫合する術式である。脱出させた直腸の⻭状 線より約1〜2㎝⼝側に切開を置き、腸管全層に全周切開し、腹膜を露出する。 腹膜を切開開腹し、⼝側の脱出腸管を露出させ、引き出したS状結腸の腸間膜を 処理する。さらに直腸、S状結腸を⼗分に引き出し、切離する。肛⾨外で⻭状線 付近の肛⾨管と⼝側の結腸を全層1層で縫合する。Delorme法と⽐較して⻑く腸 管を切離できるため、より根治度が⾼い[6][7]。 PPH法:[ID0612] 環状⾃動縫合器を⽤いて、余剰直腸粘膜を全周切除して吻合する術式である。 procedure for prolapse and hemorrhoids(PPH)は痔核⼿術に対する⼿術法 として1998年Longoにより開発された術式であるが、Delorme法と同じ原理で 直腸脱にも応⽤される。Hayashiらは、⻭状線から4cmと6cmの粘膜下に2列の ⼱着縫合を置き、余剰直腸粘膜を切除、Thiersch法を付加する⽅法を低侵襲な 術式として報告している[8][9]。 経肛⾨的直腸粘膜硬化療法: 内痔核に対する硬化療法として⽤いられるALTA(硫酸アルミニウム・タンニン酸 注射液)を脱出する直腸粘膜下に0.5〜1.0mlずつ均等に局注し、粘膜下の硬化を 図り直腸の反転を予防する⽅法である。侵襲が⼩さく、⾼齢者など全⾝⿇酔の適 応困難なハイリスク症例でよい適応と報告されているが、⼿技は難しく、術者に より根治度も⼀定していない[10]。 経腹的アプローチ: 腹腔内から直腸を固定して(rectopexy)、脱出を防ぐ術式である。会陰アプローチと⽐較 して再発率が低く、全⾝⿇酔に問題のない患者にはよい適応となる。また、最近では腹腔 鏡下のrectopexyも多く報告されるようになり、経腹的アプローチは⼀概に侵襲が⾼いと はいえなくなっている。プロリンメッシュなどの⼈⼯物を⽤いて直腸を仙⾻に固定する⽅ 法が代表的であり、Ripsteinらに代表される直腸前壁を固定する⽅法とWellsらに代表さ れる直腸後壁を固定する⽅法がある。⼈⼯物を⽤いず直接固定する⽅法やS状結腸過⻑に 対し、結腸切除を加えることもある。最近では腹腔鏡下の固定術も広く⾏われるように なっている。 Ripstein法:[ID0613] メッシュを⽤いて直腸に巻き付けて固定した後に、そのメッシュを挙上して岬⾓ 仙⾻前⾯に縫合固定する。直腸を前壁から固定するため、ときに固定部分の直腸 で通過障害を来すことがある[11]。 Wells法:[ID0614] スポンジなどを仙⾻前⾯に固定して、これに直腸の両側を逢着する。直腸の前壁 がスポンジで完全に覆われないことが、Ripstein法と異なる。最近では、腹腔鏡 下⼿術での報告も多い[12]。 腹腔鏡下直腸固定術: 腹腔鏡を⽤いて経腹的に直腸を仙⾻前⾯に固定する術式である。Ripstein法や Wells法に準じて直腸の剝離を⾏い、プロリンメッシュを⽤いて直腸を仙⾻前⾯ に固定する。固定は縫合⽷あるいはヘルニアステープラーで⾏われる。S状結腸

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を追加する場合は始めに結腸切除を⾏った後、直腸の固定を⾏う[13][14]。 6:フォローアップ⽅針 [ID0015] 不完全直腸脱に対する保存的治療であれば、治療法に合わせて数週間〜数カ⽉ごとに再診す る。 完全直腸脱であれば、根治術後に術式に合わせた再診を⾏う。 7:難治症例の治療 [ID0019] 根治術後の再発例では、直腸脱の程度を含め再度精査を⾏い、再⼿術の術式について⼗分な検 討を⾏う。 8:治療の中⽌ [ID0016] 根治⼿術が⾏われても、再発の可能性があるため排便習慣の指導は継続して必要である。 9:⼊院適応 [ID0018] 嵌頓を来している場合、ただちに⼊院処置を考慮する。 10:専⾨医相談のタイミング [ID0017] 完全直腸脱においては、⽣理学的な諸検査が必要なこと、専⾨性の⾼い術式の選択・施⾏が必 要なことから、基本的には⼤腸肛⾨外科領域の専⾨医に相談すべきである。 イメージ [ID0601] 直腸脱の病態 完全直腸脱の誘因 1: 著者提供 [ID0602] ⼩児直腸脱病因

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病因が成⼈と異なり、解剖学的⾒地から仙⾻の直⽴化、S状結腸の固定不良、直腸粘膜の筋層に対 する固定不良、Houston弁の消失などが、関与すると考えられている。 [ID0603] 完全直腸脱と不完全直腸脱の鑑別 同⼼円状の粘膜ひだを有する脱出腸管を確認すれば完全直腸脱、粘膜⾯の外⾒が放射状の溝を呈す るならば不完全直腸脱と診断する。 a:完全直腸脱 b:不完全直腸脱

1: L.Goldman & A.I.Schafer: Goldman: Goldman's Cecil Medicine, 24th ed.; Chapter 147 - Diseases of the Rectum and Anus.2011 Saunders, An Imprint of Elsevier

[ID0604] MPSと病理組織所⾒

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⽣検にて、間質における平滑筋・線維組織の増⽣(fibromuscular obliteration)が、MPSの特徴的 所⾒として認められる。MPSを疑う場合、検体提出時のコメントに線維筋症(fibromuscular obliteration)の有無を確認してもらうよう記載することが⼤切である。

1: Mark Feldman, Lawrence Friedman, Lawrence Brandt: Sleisenger and Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease, 9th ed.2010 Saunders, An Imprint of Elsevier

[ID0605] 完全直腸脱の分類 Altemeir分類とTuttle分類がある。 1: 今充ほか:直腸脱の分類と発⽣メカニズム.⽇本⼤腸肛⾨病会誌1982;35:454. [ID0606] 完全直腸脱の代表的⼿術

(14)

低侵襲を特徴とする会陰アプローチと、再発率の低い経腹的アプローチがある。

1: 梅枝 覚:直腸脱の診断と治療.臨床外科 2008;63(11):329-338.

[ID0607]

直腸脱の主な術式と再発率

経腹的rectopexyは会陰アプローチと⽐較して再発率が低い。

1: Rectal prolapse: a historical perspective.

PMID 19577675 Curr Probl Surg. 2009 Aug;46(8):602-716. doi: 10.1・・・

[ID0608] Thiersch法

肛⾨管周囲にナイロン⽷などを留置して肛⾨管を縫縮させる。

参考⽂献:Corman ML, Allison SI, Kuehne JP: Handbook of Colon and Rectal Surgery. Lippincott Williams & Wilkins, 2001.

[ID0609] Gant-Miwa法

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脱出する直腸粘膜を縫縮し還納する。 [ID0610] Delorme法 a:脱出直腸の粘膜を環周切離する b:直腸粘膜を筋層から分離する c:直腸の固有筋層を縫縮する d:縫縮された筋層を粘膜で被覆する [ID0611] Altemeier法

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会陰式直腸・S状結腸切除術。 a:脱出する直腸壁を1層切離する b:前壁の肛⾨挙筋を縫縮する c:余剰直腸を切離する d:⼝側結腸と肛⾨を吻合する [ID0612] PPH法 環状縫合器を⽤いた直腸脱⼿術:オリジナルのPPH法に準じて、直腸粘膜を2周にわたり環状縫合 ⾏い、より多くの余剰直腸粘膜を環状切除する。 [ID0613] Ripstein法

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a:Ripstein法(1963)、グラフトを膀胱から仙⾻にわたり広く固定したうえで、直腸に巻きつけて 固定した。 b:Ripstein法(1965)、テフロン性のグラフトを直腸に巻き、直腸後⽅で仙⾻に固定した。 [ID0614] Wells法 ポリビニルアルコール性のメッシュを⽤いた直腸固定術(Well法)。メッシュは仙⾻に固定し、直 腸はトンネル状に包む(a)、あるいは直腸壁に縫合固定する(b)。 ページ上部に戻る アルゴリズム [ID0701] 成⼈直腸脱の治療⽅針

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完全直腸脱の場合、主に脱出の程度により術式が決められる。

[ID0702]

再発直腸脱の治療⽅針

根治術後の再発に対しては、腸管切除を伴う、あるいは直腸固定による修復術が検討される。

1: Vernava AM, Beck DE: Rectal Prolapse. The ASCRS Textbook of Colon and Rectal Surgery:Pp665-677, Springer, 2007

[ID0703]

⼩児直腸脱の治療⽅針

⼩児直腸脱の基本治療は保存治療である。

1: Management of rectal prolapse in children.

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不完全直腸脱: 内痔核 粘膜脱症候群(MPS) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. ページ上部に戻る 鑑別疾患 ページ上部に戻る エビデンス/解説 会陰式直腸・S状結腸切除術は、⾼齢者完全直腸脱患者における初回⼿術のみならず、 再発直腸脱に対しても安全かつ有効である。 詳しく⾒る ⾼齢者完全直腸脱に対する腹腔鏡下⼿術は、会陰式直腸・S状結腸切除術に⽐較し、⼿ 術時間の延⻑はみられるが、安全で有⽤な⼿術選択になり得る。 詳しく⾒る 肛⾨挙筋形成術(levatoroplasty)は会陰式直腸・S状結腸切除術における再発予防に 有⽤である。 詳しく⾒る 完全直腸脱に対するrectopexyは再発を有意に低下させる。 詳しく⾒る 腹腔鏡下の直腸固定術(rectopexy)は臨床成績だけでなく、医療コストにおいても 他の⼿術アプローチより優れる。 詳しく⾒る 腹腔鏡下のrectopexyは開腹術と⽐較して、再発率、術後排便機能ともに同等で、安 全な術式である(メタ解析)。 詳しく⾒る 腹腔鏡下のrectopexyは245例の解析においても効果・安全性に優れる。 詳しく⾒る 腹腔鏡下のrectopexyにおいてメッシュ関連合併症は2%に留まり、安全な術式であ る。 詳しく⾒る 腹腔鏡下のrectopexyは⻑期成績においても効果・安全性に優れる。 詳しく⾒る

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10.腹腔鏡下のrectopexyは⾼齢者にも適応となりうる。 詳しく⾒る ページ上部に戻る 症例検索 [https://clinicalsup.jp/jpoc/SearchExternal.aspx? s=%E7%9B%B4%E8%85%B8%E8%84%B1%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4 症例くん]での検索(直腸脱症候群) [https://clinicalsup.jp/jpoc/SearchExternal.aspx? s=%E7%B2%98%E8%86%9C%E8%84%B1%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4 症例くん]での検索(粘膜脱症候群) (「症例くん」は⽇本内科学会地⽅会の症例報告の検索システムです。⽇本内科学会のID、パ スワードにてアクセスしてください。) ページ上部に戻る

1: Mucosal prolapse syndrome--a unifying concept for solitary ulcer syndrome and related disorders.

PMID 6630576 J Clin Pathol. 1983 Nov;36(11):1264-8.

2: Thiersch's operation for anal incontinence. PMID 18872171 Proc R Soc Med. 1948 Jul;41(7):467.

3: S.G. Gant. Procidentia ani, recti, and sigmoidae. In:Diseases of the Rectum, Anus and Colon, Including the Ileocolic Angle, Appendix, Colon, Sigmoid Flexure, Rectum, Anus, Buttocks, and Sacrococcygeal Region.Philadelphia: Vol IIW.B.Saunders, Co,1923; 22–57. chapter

XXXVII.

4: Mucosal plication (Gant-Miwa procedure) with anal encircling for rectal prolapse--a review of the Japanese experience.

PMID 14530665 Dis Colon Rectum. 2003 Oct;46(10 Suppl):S94-9. doi: 10.・・・

5: Delorme.Sur le traitement des prolapsus du rectum totaux, par l'excision de la muqueuse rectale ou recto-colique. Bull Mém Soc Chir Paris, 1900;26 :499–518.

6: Treatment of extensive prolapse of the rectum in aged or debilitated patients. PMID 14932600 AMA Arch Surg. 1952 Jul;65(1):72-80.

7: Nineteen years' experience with the one-stage perineal repair of rectal prolapse. PMID 5578808 Ann Surg. 1971 Jun;173(6):993-1006.

8: Longo A: Treatment of hemorrhoidal disease by reduction of mucosa and hemorrhoidal prolapse with circular suturing device: a new procedure. Rome: Proc 6th World Congr Endoscopic Surgery, 1998;777–790.

9: Simple technique for repair of complete rectal prolapse using a circular stapler with Thiersch procedure.

PMID 12113270 Eur J Surg. 2002;168(2):124-7. doi: 10.1080/11024150252・・・

10: Aluminum potassium sulfate and tannic acid injection in the treatment of total rectal prolapse: early outcomes.

PMID 17899276 Dis Colon Rectum. 2007 Nov;50(11):1996-2000. doi: 10.10・・・

11: Treatment of massive rectal prolapse. PMID 14903331 Am J Surg. 1952 Jan;83(1):68-71.

12: New operation for rectal prolapse.

PMID 13843894 Proc R Soc Med. 1959 Aug;52:602-3.

13: Sutureless laparoscopic rectopexy for procidentia. Technique and implications. PMID 1535309 Dis Colon Rectum. 1992 Jul;35(7):689-93.

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最終更新⽇ : 2016年5⽉31⽇

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14: Focus on abdominal rectopexy for full-thickness rectal prolapse: meta-analysis of literature. PMID 22170252 Tech Coloproctol. 2012 Feb;16(1):37-53. doi: 10.1007/s1・・・

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直腸脱・粘膜脱症候群

井上靖浩 藤川裕之 廣純⼀郎 楠正⼈ 三重⼤学 消化管・⼩児外科学

■エビデンス・解説

#1534 推奨度 3o 推奨度 2o 会陰式直腸・S状結腸切除術は、⾼齢者完全直腸脱患者における初回⼿術のみならず、再発直腸 脱に対しても安全かつ有効である。

平均年齢78歳の完全直腸脱患者136例を対象 (Cleveland Clinic Florida, 2000〜2009)に113例が初回⼿術とし て、また23例は初回⼿術後の完全直腸脱再発に対して、会陰式直腸・S状結腸切除術を施⾏。⾼齢者に対する会 陰式直腸・S状結腸切除術の有⽤性、安全性を、初回⼿術と再発⼿術で⽐較された。再発⼿術 vs. 初回⼿術にお ける合併症率には差を認めないものの(17.4%vs. 16.8%; p=1.00 )、再発率は再発⼿術で有意に⾼かった (39%vs. 18%; p = 0.007)。

1: Perineal rectosigmoidectomy for primary and recurrent rectal prolapse: are the results comparable the second time?

PMID 22595846 Dis Colon Rectum. 2012 Jun;55(6):666-70. doi: 10.1097/DCR.0b013e318250・・・

⾼齢者完全直腸脱に対する腹腔鏡下⼿術は、会陰式直腸・S状結腸切除術に⽐較し、⼿術時間の 延⻑はみられるが、安全で有⽤な⼿術選択になり得る。

Cleveland Clinic Florida , 2000〜2009における腹腔鏡下直腸固定術8例(⼥性8例、平均年齢71歳)と123例 (⼥性117例、平均年齢81歳)の会陰式直腸・S状結腸切除術を⽐較検討した。直腸脱の⼿術既往は腹腔鏡群3例 (37.5%)、会陰式群 29 例 (23.6%) であった。観察期間腹腔鏡群6.9カ⽉、会陰式群12.8 カ⽉において、⼿術時 間は腹腔鏡群で⻑く (166.5分 vs. 73.5 分; p > 0.05)かつ、出⾎量も腹腔鏡群で多かった (101.7 分vs. 31.6分; p < 0.05)。⼀⽅、⼊院期間は同等で (5.4 ⽇vs. 5.3 ⽇; p > 0.05)、合併症にも有意差は認めなかった(腹腔鏡 群;ポートサイトヘルニア12.5%、会陰式群;尿閉4.8%、縫合離解2.4%、尿路感染1.6%、無気肺1.6%)。再発 率では、腹腔鏡群1 例(12.5%)が、会陰群14例(11.4%)より少なかった。

1: Outcome of laparoscopic rectopexy versus perineal rectosigmoidectomy for full-thickness rectal prolapse in elderly patients.

PMID 21479778 Surg Endosc. 2011 Aug;25(8):2699-702. doi: 10.1007/s00464-011-1632-2. ・・・ 1: エビデンス [ID0501] 1 / 10 Altemier法を代表する会陰式直腸・S状結腸切除術は⾼齢者完全直腸癌患者に対して、初回⼿術のみ ならず再発に対する術式としても安全で有⽤である。ただし、再発例に対するセカンド⼿術としては 再々発のリスクは⾼いといえる。 2: エビデンス [ID0502] 2 / 10 従来、直腸脱に対する開腹術(rectopexy)は、⾼齢者に対する⼿術侵襲が問題とされてきた。近 年、低侵襲⼿術(腹腔鏡下⼿術)でのrectopexyが広く⾏われるようになっているが、会陰アプロー チとの⼿術侵襲の⽐較は⼗分なエビデンスは不明であり、establish groupからの貴重な報告であ る。

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推奨度 3C 推奨度 1R 推奨度 2R 肛⾨挙筋形成術(levatoroplasty)は会陰式直腸・S状結腸切除術に おける再発予防に有⽤である。 会陰式直腸・S状結腸切除術におけるLlevatoroplasty付加の有⽤性を検討。 109例の会陰式直腸・S状結腸切除術において、再発率、再発までの期間はlevatoroplastyなし;20.6%、13,3カ ⽉、 p=0.049、levatoroplastyあり;7.7%、 45.5カ⽉、p=0.001と有意差を認めた。

1: Perineal rectosigmoidectomy for rectal prolapse: role of levatorplasty. PMID 15057581 Tech Coloproctol. 2004 Mar;8(1):3-8; discussion 8-9. doi: 10.1007/s101・・・ 完全直腸脱に対するrectopexyは再発を有意に低下させる。 他施設(21か国)の無作為⽐較試験(⾮rectopexy vs. rectopexy)。 エンドポイントは再発率。直腸脱に対し、⼿術既往があるものは除外。⾮rectopexy群;開腹⼿術による直腸受 動、rectopexy群;開腹⼿術による直腸受動とrectopexy。 252例が登録し、⾮rectopexy群116例、rectopexy群136例。両群間で、年齢、性別、肥満度などに差はなし。S 状結腸切除は⾮rectopexy群で有意に多く施⾏された。合併症に差はなく、5年の再発率は有意に⾮rectopexy群 で⾼かった(8.6% vs. 1.5%,p= 0.003)。

1: No rectopexy versus rectopexy following rectal mobilization for full-thickness rectal prolapse: a randomized controlled trial.

PMID 21160310 Dis Colon Rectum. 2011 Jan;54(1):29-34. doi: 10.1007/DCR.0b013e3181fb3・・・

腹腔鏡下の直腸固定術(rectopexy)は臨床成績だけでなく、医療コストにおいても他の⼿術ア プローチより優れる。

費⽤対効果を評価したRCT (laparoscopic vs. open abdominal rectopexy)。

腹腔鏡下⼿術は⼿術時間が51分延⻑するが、平均291ポンド/患者の⼿術コスト、および開腹術より有意に少ない ⼊院期間による⼊院コストを合わせると、患者1⼈あたり平均357ポンドの節約になる。 3: エビデンス [ID0503] 3 / 10 会陰式直腸・S状結腸切除術は⽶国では⾼齢者に広く⾏われている。levatoroplastyが⾏えるので便 失禁例にもよい適応である。 4: エビデンス [ID0504] 4 / 10 数少ないRCTの1つ。 5: エビデンス [ID0505] 5 / 10 オーストラリアからの費⽤対効果報告。

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推奨度 2M

推奨度 2o

推奨度 2o

1: Economic impact of laparoscopic versus open abdominal rectopexy. PMID 15449272 Br J Surg. 2004 Sep;91(9):1188-91. doi: 10.1002/bjs.4643.

腹腔鏡下のrectopexyは開腹術と⽐較して、再発率、術後排便機能ともに同等で、安全な術式で ある(メタ解析)。

PubMed data baseによるメタ解析。rectopexyを腹腔鏡下と開腹術で⽐較した8つの⽐較試験、467患者をメタ 解析(腹腔鏡下192例、開腹275例)。

1: Focus on abdominal rectopexy for full-thickness rectal prolapse: meta-analysis of literature.

PMID 22170252 Tech Coloproctol. 2012 Feb;16(1):37-53. doi: 10.1007/s10151-011-0798-x・・・

腹腔鏡下のrectopexyは245例の解析においても効果・安全性に優れる。

245例の⼤規模コホート研究。完全直腸脱以外に、腸重積やrectocele(直腸瘤)も含まれるが、術式として効 果・安全性に優れ、失禁や便秘は有意に改善された。

1: Laparoscopic ventral rectopexy for rectal prolapse and symptomatic rectocele: an analysis of 245 consecutive patients.

PMID 23406289 Colorectal Dis. 2013 Jun;15(6):695-9. doi: 10.1111/codi.12113.

腹腔鏡下のrectopexyにおいてメッシュ関連合併症は2%に留まり、安全な術式である。 1999〜2013年における国際共同研究(英国、豪州、伊)。腹腔鏡下rectopexy 2,203例中、⼈⼯メッシュが 1,764例(80.1%)に留置された。膣や直腸のびらんなどメッシュ関連合併症を、術後23カ⽉(中央値)で約2%に 認めた。 6: エビデンス [ID0506] 6 / 10 ⼗分なエビデンスにはさらなるRCTが必要であるが、現在わが国でも急速に広がりつつある腹腔鏡下 rectopexyは、効果安全性を含め⼀定の評価を得ていると考えられる。 7: エビデンス [ID0507] 7 / 10 腹腔鏡下のrectopexyは急速に広まりつつあり、単施設での良好な成績が数多く報告されるように なっている。 8: エビデンス [ID0508] 8 / 10

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最終更新⽇ : 2016年5⽉31⽇

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推奨度 2o

推奨度 2o

1: A Multicenter Collaboration to Assess the Safety of Laparoscopic Ventral Rectopexy.

PMID 26163960 Dis Colon Rectum. 2015 Aug;58(8):799-807. doi: 10.1097/DCR.00000000000・・・

腹腔鏡下のrectopexyは⻑期成績においても効果・安全性に優れる。

連続919例の解析で、10年再発率8.2%、メッシュ関連合併症4.6%。排便障害も有意に改善された。

1: Long-term Outcome After Laparoscopic Ventral Mesh Rectopexy: An Observational Study of 919 Consecutive Patients.

PMID 26583661 Ann Surg. 2015 Nov;262(5):742-7; discussion 747-8. doi: 10.1097/SLA.00・・・

腹腔鏡下のrectopexyは⾼齢者にも適応となりうる。

4,303例の腹腔鏡下rectopexyにつき、70歳未満および70歳以上の⾼齢で⽐較検討された。⾼齢者では⾮⾼齢者 と⽐較して、メジャー合併症の発⽣に有意差を認めなかった。

1: Safety of laparoscopic ventral rectopexy in the elderly: results from a nationwide database.

PMID 25664713 Dis Colon Rectum. 2015 Mar;58(3):339-43. doi: 10.1097/DCR.000000000000・・・ ⼈⼯メッシュに関連する合併症をlarge numberで解析した報告。 9: エビデンス [ID0509] 9 / 10 ⼤規模コホート研究により、腹腔鏡下のrectopexyは⻑期成績でも容認される。 10: エビデンス [ID0510] 10 / 10 従来、⾼齢者に対しては会陰アプローチが報告の主流であったが、腹腔鏡下rextopexyも良い適応と なりうることを⽰した最近の報告。

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直腸脱・粘膜脱症候群

井上靖浩 藤川裕之 廣純⼀郎 楠正⼈ 三重⼤学 消化管・⼩児外科学

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#1534 出典欄記述⽅法 ※「作図にあたって参考にした⽂献」「さらに詳しく知るための参考資料」の場合は、出典と区別するために「参考⽂ 献:」とご記述いただけましたら幸いです。 ※画像出典表記についてご了承のお願い 先⽣に元図をご提供いただき、それを元に弊社にてイラストを描き起こしている場合は、エルゼビア作成のイラストとし て、出典を割愛させていただいている場合があります。その点ご了承のほどお願いいたします。 ※他社出版社発⾏物からの転載は、⾼額の場合や許諾が下りない場合は、掲載できない場合がありますので、ご了承くだ さい。 ※説明、出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です ①ガイドライン 【編者名】編:【ガイドライン名】【策定年度】年版、p【掲載】or【図版番号】、【発⾏元】、【出版年】 ②雑誌 著者名:表題. 雑誌名 発⾏年(⻄暦);巻(号):⾴-⾴. 〔例1〕⼭⽥⼀郎:中枢神経の構造的特徴.脳と神経 1998;45(7):12-15.

〔例2〕参考⽂献:Hauenstein EJ, Marvin RS, Snyder AL, et al.: Stress in parents of children with diabetes mellitus. Diabetes Care 1989; 12(1): 18-23. PMID: 2714163

③単⾏本

著者名: 表題. 編者名. 書名. 発⾏所所在地(⽇本の出版社の場合は不要):発⾏所,発⾏年(⻄暦);掲載⾴. 〔例1〕⼭⽥⼀郎: 脳と脊髄への⾎液供給. 吉⽥次郎編. 神経科学.エルゼビア・ジャパン, 2003;125.

〔例2〕参考⽂献:Kettenmann H, Ranson BR: Neuroglia. New York: Oxford University Press,1955; 154. ④その他 「××⼤学●●先⽣よりご提供」等、明記してください。 [ID0601] 直腸脱の病態 完全直腸脱の誘因 1: 著者提供

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[ID0602] ⼩児直腸脱病因 病因が成⼈と異なり、解剖学的⾒地から仙⾻の直⽴化、S状結腸の固定不良、直腸粘膜の筋層に対 する固定不良、Houston弁の消失などが、関与すると考えられている。

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[ID0603] 完全直腸脱と不完全直腸脱の鑑別 同⼼円状の粘膜ひだを有する脱出腸管を確認すれば完全直腸脱、粘膜⾯の外⾒が放射状の溝を呈す るならば不完全直腸脱と診断する。 a:完全直腸脱 b:不完全直腸脱

1: L.Goldman & A.I.Schafer: Goldman: Goldman's Cecil Medicine, 24th ed.; Chapter 147 - Diseases of the Rectum and Anus.2011 Saunders, An Imprint of Elsevier

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[ID0604] MPSと病理組織所⾒ ⽣検にて、間質における平滑筋・線維組織の増⽣(fibromuscular obliteration)が、MPSの特徴的 所⾒として認められる。MPSを疑う場合、検体提出時のコメントに線維筋症(fibromuscular obliteration)の有無を確認してもらうよう記載することが⼤切である。

1: Mark Feldman, Lawrence Friedman, Lawrence Brandt: Sleisenger and Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease, 9th ed.2010 Saunders, An Imprint of Elsevier

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[ID0605] 完全直腸脱の分類

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Altemeir分類とTuttle分類がある。 1: 今充ほか:直腸脱の分類と発⽣メカニズム.⽇本⼤腸肛⾨病会誌1982;35:454.

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[ID0606] 完全直腸脱の代表的⼿術 低侵襲を特徴とする会陰アプローチと、再発率の低い経腹的アプローチがある。 1: 梅枝 覚:直腸脱の診断と治療.臨床外科 2008;63(11):329-338.

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[ID0607]

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直腸脱の主な術式と再発率

経腹的rectopexyは会陰アプローチと⽐較して再発率が低い。

1: Rectal prolapse: a historical perspective.

PMID 19577675 Curr Probl Surg. 2009 Aug;46(8):602-716. doi: 10.1・・・

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[ID0608] Thiersch法 肛⾨管周囲にナイロン⽷などを留置して肛⾨管を縫縮させる。

参考⽂献:Corman ML, Allison SI, Kuehne JP: Handbook of Colon and Rectal Surgery. Lippincott Williams & Wilkins, 2001.

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[ID0609] Gant-Miwa法 脱出する直腸粘膜を縫縮し還納する。

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[ID0610] Delorme法

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a:脱出直腸の粘膜を環周切離する b:直腸粘膜を筋層から分離する c:直腸の固有筋層を縫縮する d:縫縮された筋層を粘膜で被覆する

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[ID0611] Altemeier法

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会陰式直腸・S状結腸切除術。 a:脱出する直腸壁を1層切離する b:前壁の肛⾨挙筋を縫縮する c:余剰直腸を切離する d:⼝側結腸と肛⾨を吻合する

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[ID0612] PPH法

(34)

環状縫合器を⽤いた直腸脱⼿術:オリジナルのPPH法に準じて、直腸粘膜を2周にわたり環状縫合 ⾏い、より多くの余剰直腸粘膜を環状切除する。

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[ID0613] Ripstein法 a:Ripstein法(1963)、グラフトを膀胱から仙⾻にわたり広く固定したうえで、直腸に巻きつけて 固定した。 b:Ripstein法(1965)、テフロン性のグラフトを直腸に巻き、直腸後⽅で仙⾻に固定した。

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[ID0614] Wells法 ポリビニルアルコール性のメッシュを⽤いた直腸固定術(Well法)。メッシュは仙⾻に固定し、直 腸はトンネル状に包む(a)、あるいは直腸壁に縫合固定する(b)。

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[ID0621] 排便造影(defecography) a:安静時  b:収縮時(完全直腸脱を認める)

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[ID0622] 腸管通過時間 結腸通過検査:腹部のX線画像。この便秘患者は、120時間前に20個の不活性リング型マーカー を、72時間前に20個のキューブ型マーカーを摂取した。⼤半のマーカーが腸管内に残存している ことから、全腸通過時間の遅延が⽰唆される。

1: Mark Feldman, Lawrence Friedman, Lawrence Brandt: Sleisenger and Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease, 9th ed.Chapter18.p273. 2010 Saunders, An Imprint of Elsevier

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[ID0671] 完全直腸脱

同⼼円状のひだを持ち、数cm以上にわたり全層性に脱出する。

1: L.Goldman & A.I.Schafer: Goldman: Goldman's Cecil Medicine, 24th ed.Chapter 147 - Diseases of the Rectum and Anus.2011 Saunders, An Imprint of Elsevier

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[ID0672] 不完全直腸脱 粘膜のひだが同⼼円状でなく放射状であり、脱出の程度も軽度である。 内痔核や粘膜脱症候群(MPS)など、鑑別が必要である。

1: L.Goldman & A.I.Schafer:Goldman: Goldman's Cecil Medicine, 24th ed. Chapter 147 - Diseases of the Rectum and Anus.2011 Saunders, An Imprint of Elsevier

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[ID0701] 成⼈直腸脱の治療⽅針 完全直腸脱の場合、主に脱出の程度により術式が決められる。

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[ID0702] 再発直腸脱の治療⽅針 根治術後の再発に対しては、腸管切除を伴う、あるいは直腸固定による修復術が検討される。

1: Vernava AM, Beck DE: Rectal Prolapse. The ASCRS Textbook of Colon and Rectal Surgery:Pp665-677, Springer, 2007

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最終更新⽇ : 2016年5⽉31⽇ <<ページ末尾:#ImageList4.aspx?DiseaseID=1534>>

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[ID0703] ⼩児直腸脱の治療⽅針 ⼩児直腸脱の基本治療は保存治療である。

1: Management of rectal prolapse in children.

PMID 15981062 Dis Colon Rectum. 2005 Aug;48(8):1620-5. doi: 10.1・・・

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<直腸脱> 直腸が肛門から外に脱出する病気で、出血 や疼痛、排便困難などを伴います。 骨盤の底部を支える筋肉の力が低下するこ となどが原因です。高齢の女性に多くみら れます。 直腸が完全に脱出している完全直腸脱と、 一部が脱出している不完全直腸脱がありま す。 視診で診断がつきます。 <粘膜脱症候群> 排便時に強くいきむことを繰り返している と、直腸粘膜が外に脱出するようになりま す。そのため直腸粘膜の血流が悪くなり、 直腸に潰瘍ができたり、ポリープ状の隆起 ができたりする病気です。 直腸鏡検査や大腸内視鏡検査、粘膜の一 部を採って顕微鏡で調べる生検などで診断 します。 <直腸脱> 治完全直腸脱の場合は、手術で治療します。術式には、開腹して直腸後方を遊離して固定する 直腸後方固定術や、肛門から粘膜を縫い合わせて短くする粘膜縫縮術、粘膜切除術などがあり ます。 不完全直腸脱の治療は、便秘対策や排便習慣の改善が中心となります。水分摂取を増やした り、食物繊維を多くとるなど食生活を変えたり、下剤や浣腸で排便を調節することで症状が改善 することがあります。 初期には、自然に戻ることが多いですが、進行すると排便後も脱出が続きます。放置すると、疼 痛、出血、腫れが悪化し、さらに重症化すると脱出した腸が大きく腫れて容易に戻らなくなるの で、注意が必要です。 <粘膜脱症候群> 便秘対策が治療が中心です。

直腸脱・粘膜脱症候群

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執筆者ご紹介

井上靖浩 三重⼤学 消化管・⼩児外科学 井上靖浩 消化器外科、⼤腸肛⾨外科 ⼤腸癌集学的治療におけるトランスレーショナルリサーチ ⽇本外科学会専⾨医、⽇本⼤腸肛⾨病学会専⾨医、⽇本消化器外科専⾨ 医、⽇本消化器病専⾨医、⽇本がん治療認定機構 がん治療認定医、⽇ 本消化器外科指導医、消化器がん外科治療認定医、⽇本⼤腸肛⾨病学会 指導医 ⽇本外科学会、⽇本消化器外科学会、⽇本臨床外科学会、⽇本⼤腸肛⾨ 病学会、⽇本癌治療学会、⽇本癌学会、⽇本消化管学会、⽇本消化器病 学会、⽇本外科代謝養学会、⽇本内視鏡外科学会、⽇本胃癌学会、⽇本 外科系連合学会、⽇本外科感染症学会、中部外科学会、東海外科学会、 ⽇本消化管学会、東海外科学会評議員、消化器病学会東海⽀部評議員、 ⽇本臨床外科学会評議員、⽇本⼤腸肛⾨病学会評議員、American  Society of Clinical Oncology(ASCO) active member

1993年 三重⼤学医学部卒業

2000年 三重⼤学医学部第⼆外科(現消化管・⼩児外科)助⼿ 2007年 三重⼤学医学部附属病院消化管外科講師

2009〜10年 Department of Colorectal Surgery, John Radcliffe Hospital, Oxford University, UK 留学

現在に⾄る 直腸脱の治療は、完全・不完全の鑑別が第⼀に重要で、第⼆が術式の選 択になります。⽐較的早期での専⾨医受診が患者QOL改善に⼤切です。 お勧め書籍:『⼤腸肛⾨病ハンドブック』辻仲康伸/監修(医学書院) ⼤腸肛⾨外科領域は、解剖、⽣理、腫瘍学など様々な学問の知識を必要 とするため、⾮常に奥の深い領域です。⽣涯の仕事として飽きることが ありません。志のある若⼿外科医がどんどん誕⽣することを期待してい ます。

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