『
釋
摩
訶
衍
論
』に
お
け
る
「迴
向
遍
布
門
」に
つい
て
関
悠
倫
『釋摩訶衍 論』における 「迴向遍布 門」につ い て (関) 一は
じ
め
に
『釋
摩 訶 衍論
』 ( 以 下 『 釋 論 』 ) と いう
論書
が あ る 。 こ の 論 書 は 『 大 乗 起 信論
』 ( 以 下 『 起 信 論 』 ) の 注 釈 書 で あり
、 そ の 内容
に つ い て し ば し ば 特徴
的 で あ る と の 指 摘 が な さ れ て い る 。 こ れ ら の資
料 は 『 釋論
』 を 考 察す
る 上 で 、 重 要 な見
解 で あ り 、読
解
の 難 解 さ を 解 決 す る た め の手
立 て と し て大
変
有
用 で あ る と 言 え る 。筆
者
は 以 上 を 踏 ま え て 、 そ の 独 特 な 解釈
に 至 っ た経
緯 と 、 内 容 自 体 の 理 解 を 同 時 に 抽 出 す る こ と を 目 標 と し て い る 。 本 論文
で は 、 『釋
論
』 所 説 「 迴 向 遍 布 門 」 に つ い て考
察
を 試 み る も の で あ る 。 「迴
向
遍布
門 」 と は 、 『起
信論
』所
説
「 迴向
頌 」 を 解 釈 し た も の で あ る 。 「 迴向
頌
」 に つ い て は 、 「帰
敬 頌 」 に 対 し著
さ れ る性
格
で 、 自身
( 『 起 信 論 』 ) の 論 書 が後
世 に 流布
し 迴向
さ せ た い と す る作
者 の 祈 念 が込
め ら れ た文
で あ る 。 こ れ ら の 性 質 や 成 立 に つ い て は 、す
でT
> に先
行 研 究 に お い て 述 べ ら れ て お り 、 本 論文
で は 立 ち 入 ら な い こ と と す る 。本
論 文 に お け る 目 的 は 、 『 釋 論 』 が 「 三 十 三 法 門 」 を 中 心 に 「 迴 向 頌 」 を 解釈
し論
説 し て い る 点 に つ い て 理 解 を 深 め た い こ と に あ る 。 そ も そ も 「 三 十 三法
門 」 と は 、 周 知 の よう
に 、 「 立義
分 」 解釈
上 に 説 示 さ れ た 思 想 で 、 「 三 十 二法
門 」 と 「 不 二摩
CHISAN-KANGAKU-KAI 智 山学報 第六十輯 訶 衍
法
」 を 総 称 し た も の で あ る 。 こ れ ら の 思 想 を 「 迴 向 頌 」 解釈
上 に 説 示 す る こ と事
態 、 『 釋 論 』 の何
ら か の 意 図 が 予 想 さ れ る の で あ る 。本
考
察 を 進 め る に あ た り 、 「 迴 向 遍 布 門 」 の 思想
理 解 を 目 的 とす
る た め、 本 論 『 起 信論
』本
文 に あ た る箇
所
は 、 『 釋 論 』 中 よ り 引 用 し 考 察 を 行う
こ と とす
る 。 ま た 、 論 考 に 登 場 す る 、 「 立 義 分 」 ・ 「 迴 向 頌 」 の文
言
は 、 『 起信
論 』 を指
す こ と を 前 提 と し 、 上 記 以外
に つ い て は 『 釋 論 』 或 い は 『 起 信論
』 の 名 を 付 し て 述 べ て い く こ と と す る 。 二「
迴
向
遍
布
門
」に
つ いて
『 釋論
』 は巻
第 十 で 、 「 迴 向 頌 」 を 「迴
向 遍布
門 」 と い う 門 を命
名
し解
釈 し て い る 。 「 迴 向 頌 」 の 文 体 は 、 わ ず か 「 七 言 四句
」 と いう
少 量 で 著 さ れ た も の で 、前
述 の 如 く 「帰
敬頌
」 に 対 す る 、 論 説 の 締 め く く り と し て功
徳
や 利 益 を 「 迴向
」 し 、 後 世 に伝
え よう
と し て 著 し た頌
で あ り 、 『 釋 論 』 は そ れ を何
倍
も の 量 を 費 や し 解釈
を施
し て い る 。 まず
、 「 迥向
頌
」 解釈
冒 頭 、 『 釋論
』 は 「攝
前 所 諡 總 結 門 」 ・ 「 展 舒功
徳
令
廣 門 」 ・ 「施
於 衆 生普
利 門 」 の 、 三 門 を 設〔 2 ) 定 し
独
自 の 思 想 を 展 開 す る 。 こ の 場 合 に おけ
る 門 の 設定
は 「 迴向
頌 」 の み の 論 説 に 限 る も の で はな
く
、 『 釋論
』 の 独 特 な 手 法 の 一 つ で あ る 。 「 迴 向 遍布
門 」 上 、 こ の 門 の役
割 は 、 こ れ か ら解
釈 を 行う
際 の出
だ し 的 役割
を 担う
た め に 説 示 さ れ た 門 で あ る と 推察
さ れ る 。 初 め の 門 で あ る 「 攝 前所
読 總 結 門 」 に つ い て で あ る が 、 「 迴 向 頌 」 中 「諸
佛 甚 深廣
大 義 」 を 解 釈 す る際
の 説 示 と〔 3 } し て 設
定
さ れ て い る 。 さ ら に そ こ か ら 、 「 通總
攝
前 所 説 門 」 ・ 「 顯 示 能 詭 字 相 門 」 の 二 門 を 立 て 、前
者
を 「 諸 佛 甚 深 廣 大義
」 の 解 釈 に 配 当 し 、 「 諸 佛 甚 深 廣 大 義 」 と 「 諸 佛 」 、 「 甚 深 」 、 「廣
大
義
」 の 四 つ に 分類
し て い る 。 そ の 内 容 に つ い て は左
の 図 の よう
に な る 。『釋摩訶 衍論 』に お け る 「迴向遍布門」につ い て (関)
ー
ー
阜
贈塗
灘
蹴
「 立 義 分 」 解 釈 上 説 示 さ れ る コ ニ 十 三 法 門 」 を 、 「 迴向
頌 」 所 説 「 諸 佛 甚 深廣
大
義
」 に 「 三 十 三 法 門 」 、 以 下 に 分 割 さ れ る 文 言 に 「 両 重 八 種 摩 訶衍
法
」 あ る い は 「 両 重 能 入 門 」 、 あ る い は 「 不 二摩
訶 衍法
」 を 配 当 し て い る 。 「 不 二 摩 訶衍
法
」 と 「 諸佛
」 の 関 連 性 を 考 え る と 、 こ こ で の 「 諸 佛 」 と 、 一 般 的 な 「諸
佛
」 と は 『釋
論
』 に と っ て 捉 え方
が異
な り、 「 不 二摩
訶
衍
法
」 と 同 視 ・ 解 釈 す る こ と で 「 功 徳 」 や 「 性 徳 」 と い っ た 性質
を 統 合 し た 世 界 が 「 不 二 摩 訶 衍法
」 と いう
「 独尊
」 な る 「 法 」 で あ る こ と を 強 調 し て い る と推
察
で き る 。〔 4 〕 ま た 、 以 上 の 理 解 を
論
証
す る た め 「 不 二摩
訶 衍 法 」 に つ い て 、 『 大 本 華嚴
契
經 』 ・ 『 分 流 華 嚴 契 經 』 を引
く こ と で 、 権 威性
の 強 調 を施
す 体 裁 で あ る と言
え る 。〔 5 > こ こ で は 、 『
釋
論 』 に と っ て 「 不 二 摩 訶 衍 法 」 の 立 場 を 再 説 す る 必要
性 の も と 説 か れ た も の と伺
え 、 同時
に 、 『 釋 論 』 に と っ て 「 不 二 摩 訶 衍 法 」 は 「諸
佛
」 と いう
圓 滿 な る 海 であ
り
、 『 華 嚴 経 』 の 教 主 「盧
舍 那 佛 」 より
も 上 位 に 位 置す
る こ と を宣
言 し た い こ と にあ
る と 推察
さ れ る で あ る 。〔 6 〕 一
方
の 門 で あ る 「 顯 示能
詭 字 相 門 」 に つ い て は、 「 我今
随 分 總 持 説 」 を 解釈
す
る 際 に 設定
さ れ て い る 。 そ の 内 容 に つ い て 図 に す る と 次 の よう
に な る 。 我 今 隨 分 總 持 説1
↓
總 −τ
摩 訶 衍 論袈
論 摩 訶 衍 者 總1
↓
總 「 我 今 隨 分 総持
説 」 の 「 總 」 を 「摩
訶 衍 者 總 」 の 「 總 」 と 同 視 し て い る 。 『釋
論
』 に お け る 『起
信 論 』 「 立義
分 」CHISAN-KANGAKU-KAI 智 山学報 第 六 十 輯 所 説 「 摩 訶 衍
者
總 」 の 捉 え 方 は 、 =切
種種
説 」 と いう
三 十 二種
の 法 門 を 指 し て い る と 推察
で き る 。 さ ら に所
説
の 「 摩 訶 衍 論 如意
論
」 は 、 『起
信 論 』 を 「 如 意 論 」 で あ る と いう
こ と を 顕 示 す る こ と が 『 釋 論 』 の 目 的 であ
り
、 「 不 二摩
訶
衍 法 」 を 除 く 「 三 十 二法
門 」 が 『起
信論
』 よ り導
き
出 さ れ た 法 門 で あ る こ と を 強 調 し て い る こ と に な る 。 「 通 總 攝前
所 読 門 」 と 「 顯 示 能 読字
相 門 」 の 二 門 は 、 『 釋 論 』 に と っ て 、 「 立 義 分 」解
釈 上 の 構 造 再説
を 目 的 と し 、 二 門 が 「 迴向
頌 」 解釈
上 設 定 さ れ る 三 門 の う ち 「 前 摂 所 説 總 結 門 」 と いう
、構
造
全 体 の説
明 が な さ れ る 最 初 の 門 よ り 展 開 さ れ て い た 、 い わ ば 代表
的 な 部 分 を 説 示 ・ 表 明 し て い る 。 こ の こ と か ら 以 下 に 説 示 さ れ る 三 門 中 二 門 の 性 質 は 、 「 三 十 三 法 門 」 の 構 造 が 前 提 と し て 解 釈 さ れ る こ と へ の 『 釋論
』 独 自 の意
思 の 表 れ で あ る と 推 察 で き る の で あ る 。 ヱ で は 次 に説
か れ る 「 展 舒 功 徳令
廣
門 」 と は 、 「 迴向
頌
」 中 「 迴 此 功徳
如
法
性 」 の解
釈す
る 際 に 説 示 さ れ て い る 。 さ き に そ の 内 容 を 図 に し て み る 。 迴 此 功 徳 如 法蠧
川
輻
蠶
∵
向 ・ 一 處 こ こ で も 、 「 諸佛
甚
深廣
大義
」 と 同様
、 分割
解
釈 を 行 っ て い る 。 「 如 」 は 「真
如
」 、 「法
」 は = 心 法 」 、 「 性 」 は 「 本覺
佛 性 」 であ
る と 説 い て い る 。 『 釋 論 』 は 『 起 信 論 』 の 説 く 「 一 心 」 ・ 「 二 門 」 構 造 を 応 用 し 、 変 換 を行
い 、 以 上 の 三種
が 迴 向 の 対象
で あ る と 解 釈 し て い る 。 前 の考
察 に お い て 『 釋 論 』 が 『 起 信 論 』所
説 の 内 容 を 「 三 十 二法
門 」 な い し 「 不 二 摩 訶衍
法
」 と の 関係
性 を説
示 し て い る こ と は 概 ね 理 解 で き た 、 こ こ で は さ ら に 延 長線
上 と し て = 心 」 ・ 「 二 門 」 よ り 展 開す
る 「 三大
」 ま で を 法180
『釋 摩訶衍 論』に お け る 「迴 向遍布門」につ いて (関) 門 の 構
造
に 援 用 す る こ と を 見 越 し 、 本来
『起
信
論 』 所説
の 「 真 如 門 」 ・ 「 生 滅 門 」 と いう
「 二 門 」 の み で あ る 差 別 的 な 構 造 を分
解 し、 「 三 十 二 法 門 」 に お い て 「 二 門 」 の 平等
性 を認
め る 必 要 が あ っ た と推
察 さ れ る の で あ る 。〔 旦 「 一 心 」 ・ 「 二 門 」 ・ 「 三 大 」
構
造 に お け る 『 釋論
』 の解
釈
に つ い て は既
に先
行
研 究 に お い て 述 べ ら れ て お り 、 こ う し た 『釋
論
』 の 「 迴 向 頌 」 上 解釈
ま で 「 三 十 三 法 門 」 の 思 想 が 関 係 す る の に は 「 立 義 分 」由
来 の 一 貫 し た 独自
の 理解
で あり
大
き な 特徴
と 言 え る 。 『 起 信 論 』 と 『 釋 論 』 の 差 異 に つ い て 、 『起
信
論 』 = 心 」 ・ 「 二 門 」 ・ 「 三大
」 の 構 造 を 、 『釋
論 』 に 置 き 換 え て み る と 「 二 門 」 ・ 「 三 大 」 の 配 当 が大
き
く
異 な る 。 ま ず 『 起信
論 』 の 構 造 を 図 に 表 す と 左 の よ う に な る 。 摩∴
衆隼
.宀
補
曜
『 起信
論 』 は 、 まず
「 法 」 と 「義
」 が あ り 、 「法
」 よ り 「衆
生 心 ( 一 心 ) 」 、 以 下 に 「 真 如 門 」 に 「 体 」 、 「 生 滅 門 」 に 「自
体
相
用 」 を 展 開 す る 。 「義
」 か ら は 「 体 相 用 」 を 展 開 す る 。 こ の構
図 を 『 釋 論 』 は 次 の よう
に解
釈
す
る 。 本 来 で あ れ ば コ ニ十
二 法 門 」 の構
造
を 『 起 信論
』 の 構 造 に 無 理 矢 理 配 当 し な お す こ と 自 体、 相 応 し く な い が 双方
の 差 異 を捉
え る た め 図 に し て み る 。 あき
ら か に 、 『釋
論 』 の と は 一致
し に く く 、 構 造 上無
理 な よう
で あ る が 、 『 釋 論 』 が 「 三 十 二法
門 」 用 に 『 起 信 論 』 の構
造
を 応 用 し て い る と 言え
る 。 ま た 、当
然
の 如 く 「 不 二 摩 訶 衍 法 」 は 登場
し な い 。 こ の こ と か ら も 『 起 信 論 』 上 か ら 導 き 出 さ れ た も の で は な い こ と が伺
え る 。 「能
入 門 」 よ り 展 開 さ れ る 「 十 六 所 入法
」 に 、 = 心 」 ・ 「 二 門 」 ・ 「 三 大 」 を 配 当 し 、 十 六 種 の 「法
」 そ れ ぞ れ に 「 二 門 」 な い し 「 三大
」 を 認 め て い る 。厳
密 に は 、 『 起信
論 』 の 「法
」 と 「 義 」 の 全 体 を 包 含 し 、 さ ら に 分解
し 再 配CHISAN-KANGAKU-KAI 智山学報 第六 十輯 前 重 法
怨
一
後 重 法怨
宀
真 如 門 生 滅 門 真 如 門 一 者 一 體 摩 訶 衍 三 者 無 量 無 邊 諸 法 差 別 不 増 不 減 摩 訶 衍 五 者 如 來 藏 功 徳 摩 訶 衍 七 者 能 生 一 切 世 間 因 果 摩 訶 衍 用 相 体 一 大 大 大 心 生 滅 門 豆当
し た こ と で 「 十 六所
入法
」或
い は 「 三 十 二法
門 」 を 導 き 出 し て い る と 言 え る 。 「 迴 此 功 徳如
法
性
」 に お け る 『釋
論
』 の解
釈
は 、 迴向
の 対象
が 三種
あ る こ と を 説 示 し 、 三 種 そ の も の が 「 三 十 二法
門 」 全体
に 通 じ る こ と を 暗 に示
し て い る 。 で は次
に 、 「普
利 一 切衆
生 界 」 に つ い て検
討 す る こ と と す る 。 こ こ で は 三 門 中 最後
の 門 に あ た る 「 施於
衆 生普
利182
『釋摩 訶衍論』にお ける 「迴 向遍布門」につ い て (関) 〔 10 〕 門 」 を 立 て て
解
釈 を 施 す 。 こ こ で の 特徴
は 、 『釋
論
』 独 自 の 頌 が 説 示 さ れ て い る 点 に あ る 。 こ れ が 『 釋 論 』 に と っ て 造 論 し た 趣 旨 、 い ま ま で 力説
し た 内容
に つ い て 凝 縮 し た も の で あ る と 推 察 さ れ る の であ
る 。 そ の 内 容 に つ い て 常 の 如 く 図 に し て み る と 左 の よう
に な る 。 普 利 一 切 衆 生 界 五十四の頌/
謂 舉 廣 大 圓 滿 功 徳 。 周 遍 利 益 衆 生 界 故 。\
歡 喜 大 士 至 心 勸 無 量 佛 子 衆 海 中 ( 中 略 ) 總 有 一 百 洛 叉 數 如 是 諸 經 真 實 法 無 量 無 邊 差 別 義 摩 訶 衍 論 立 義 中 ( 中 略 ) 當 依 斯 論 應 修 行 捌 當 願 此 勸 遠 流 布 遍 於 重 重 不 説 刹 實 不 可 生 不 信 心 誹 謗 甚 深 大 乘 「 普 利 一 切衆
生界
」 は、 字 の如
く 「 衆 生 」 に対
し 圓 滿 で あ る功
徳 を 利 益 す る こ と を指
示 し て い る 。=
切 衆 生 」 の 「衆
生 」 と は、 「 立 義 分 」解
釈
上 で 説 示 さ れ る 通 り 、 「 衆 」 を = 切 如 来 衆 」 ・ 「 一 切菩
薩 衆 」 ・ 「 一 切 聲 聞 衆 」 ・ コ 切 縁覚
衆
」 の 四 種 、 「 生 」 を 、 「 卵 生 」 ・ 「 胎 生 」 ・ 「 濕 生 」 ・ 「 化 生 」 の 四 種 、計
八 種 を指
し 、 こ れ ら に 迴向
し 利益
す
る も 〔 11 〕 の と考
え ら れ る 。 ま た、 図中
の 傍 線 を 引 い た 箇所
は 、 『 起 信論
』 か ら 『 釋 論 』 造 論 に ま つ わ る事
柄 に つ い て 説 い た 特徴
的 な 頌 で あ る と 推 察 で き 、 こ れ に つ い て は 、後
に 問 題点
を 設定
し 検 討 し て み る こ と と す る 。 こ れ ま で 「 迴向
遍 布 門 」 に お け る 、 「 迴 向 頌 」 所 説 の 「 七 言 四句
」 の 逐 語解
釈 に つ い て ま と め る と 、 『 釋論
』 が 殊 更 「 三 十 三法
門 」 を 中 心 と し た 論 を 展 開 し て い た こ と が挙
げ ら れ る 。 言 い換
え る な ら 、 「 三 十 三 法 門 」 を 述 べ る た め に 「 迴向
頌
」 に 特 異 な 解釈
が な さ れ た も の と 言 え る 。 最後
に 、 「 迴 向 遍 布 門 」 全 体 の 構 造 を 『 起 信 論 』 の 文 言 と 一 緒 に 図 に し て み る と次
の よ う に な る 。CHISAN-KANGAKU-KAI CH 工SAN −KANGAKU −KA 工 智 山学 報第六 十輯 「 鄲一一一一一一幽一一一■■■■一■■■一一一■一一 ■ 厂”一”一”一” ”一”一”一”一tt『鹽’一’9− ”一”一” 1 ’ 1 111 ■ 1 ■ l lli 鯲 衆 生 普 利 門
lll
i
■ l l , 1 普 利一切 衆 生 界 ll I ■ l llI 講 獻 瞞 贓 醐 利 益 衆生職 I I ■ l IlI一
購
甥 羆 委
鵲
ll
贐 鸚
欝 磐
欝
I L.. 捧 於 本 釋 之 明 鏡 臨 七 識 散 慮之 面 1 見 六 塵 境 界 之 垢 洗 法 執 人我 之 咎 1 汝等佛子若 如是 法身應化之 三身 1 如 舒 伊 字圓 現前 常 樂 我 淨 之四徳 II 如 入 達 池 具 出 生 我 從 匹王 自在 處 1 下 入 大 海 龍 宮 殿 雕 分 窺 諸 契經 海 1 纏 有一百 洛 叉 歟 如 是 諸 經 真實法 1 無 量 無邊差 別義 摩訶衍論立義中 1 該 攝 安 立具 足 諡 有 善 男子善 女人 ■ 1 若 自手 捧 斯 論 卷 名 捧 百 洛 叉経 者 ■ 若 自口經 誦 本 分 名 誦 百 洛 叉 經 者 1 此 人所 得 之 功 徳 十方世 界 微鹿數 1 諸 佛 及大 菩 薩 衆 各 出微 塵 數 舌 相 1 如 是 微 塵欺 劫 中 不 息 稱 誼 不 能 盡 11 何 況 観 察其 義 理 思 惟 文 下 之所 詮 ■ 有 善男 子 善 女人 生不 信心磅斯 論 1 此 人所 得 之 罪 業 十 方 世 界微 塵 敷 1 諸 佛 及 大菩 薩 衆 各 出徹 塵 數 舌 相 ■ 如 是 微 塵 數 劫 中 不 息 諱 過 不 能 盡 II 是人往罪減無所 一切諸佛不 能 救 1 是 故 行 者歸 本 原 當 依 斯 論 應 修 行 匚 貿 不 可 生不 信 心 誹 謗 甚 深 大 乘 教 1 當願此勸遠 流布 遍 於重重 不 説刹 lllll ■ 1 ■ ■ 1L ■ 一 一 r大乗起信論1 諸 佛 甚 深 廣 大 義 我 今 随 分 縞 特 覘 迴 此 功 徳 如 法 性 普 利一切衆生 界 『釋摩訶 衍 論亅 迴 向 遍 布 門 就此一.・頌 中即有三種門 展 舒功徳令廣門 躡前所読総結 門 願 示 能 読 字 相 門 通 總 掻 前 所 説 門 迴 此 功 徳 如 法 性 我 今 随 分 組 持 睨 謂 自所 作 之 功 徳 迴 向三處 故 性 法 如↓ ↓ ↓
者 一 心 法 者 本 覺 佛 性 者 真 諸 佛 甚 深 廣 大 義 如 所 謂 通 攝三十三種本 數 法故Il
為 欲 自 所 作 功 徳 令 廣 大 故 迴 向 一 心 為 欲 自 所 作 功 徳 令 明 了 故 迴 向 本 覺 為 欲 自 所 作 功 徳 令 平 等 故 迴 向 真 如 謂 以 總 字 通 持 一 切 種 種 説 故 。 立 義 分 中 摩 訶 衍 者 總 。 即 是 此 焉 歟。 何 故 一 字 通 持 諸 説。 為 欲 顯 示 摩 訶 衍 論 如 意 論 故。 廣 甚 諸 大 義 深 1 ー ー ー 壷 兩 重 八 種 摩 訶 衍 之 本 法 111 ⊥ ▼ 雨 重 能 入 門 法 1 ■ o l ■ − 1 一 「 一 隔 調 画圈
圃1
佛 IIII − ▼ 不 二 摩 訶 衍 法 ____一___一_______________」 一184
一「釋摩訶衍論』に おける 「迴向遍布門」につ い て (関)
三
「
迴
向
遍
布
門
」と
「三
十
三
法
門
」 の関
係
次 に 、 「迴
向
遍 布 門 」 と 「 三 十 三法
門 」 の 関係
に つ い て 考 察 を行
う
。 問 題点
は 先 の傍
線 を付
し た 箇 所 で、 以 下 の 三 点 で あ る 。「
普
利 一 切衆
生 界 」 に おけ
る 「 歡喜
大
士 」 、「 普 利 一
切
衆 生 界 」 に お け る 「 總 有 冖 百 洛 叉 數 」 、「 我
今
隨 分總
持 説 」 に お け る 「摩
訶 衍 者 總 」 、 以 上 の 三 点 を 設 定 し考
察 を 行う
。 まず
に つ い て で あ る が 、 「 普 利 一 切 衆 生 界 」 の
解
釈
に お い て 説 示 さ れ た 頌 の 一 文 で あ る 。 こ こ で注
目 す べ き点
は 、 「 歡喜
大
士 」 と は誰
を 示 唆 し て い る の か と いう
事 にあ
る 。 本 来 、自
説
の 頌 で あ れ ば 『釋
論 』 作者
自 身 の こ と を 指 す も の と考
え る 。 も し 、 作者
自 身 が龍
樹 造 とす
る体
裁 に対
す る 将 来 的 な 真偽
が 取 り 立 た さ れ る こ と へ の 配 慮 を 想 定 し て い る と す る な ら ば 、 「歡
喜
大 士 」 が 「 迴向
頌 」 解釈
上 に 説 示 さ れ る の に は 、作
者
の 意 図 が 色濃
く 強 調 さ れ て い る と 推 察 す る の で あ る 。 そ れ で は そ の説
示 さ れ て い る と考
え ら れ る 関係
箇所
を挙
げ て み る 。i
「 頂 禮 圓 滿 覺覺
所
證 法 藏并
造 論 大 士及 諸 賢 聖 衆
欲 開 隔
檀
門 權 顯 往向
位利 益 諸 衆 生
分
報
師
恩 抛 」〔 13
i
「或
親
聽 二受
阿世
耶 一故
。 有 二如
レ是
等 因 縁 蛤 所 以 須 レ 造 レ 論 。 」 … m 「 論 日 。馬
鳴
菩薩
若
剋 二其
本 一 大光
明 佛 。 若 論 一 一 其 因 一第
八 地内
住
位菩
薩
。 西 天 竺 誕 生 。 盧 伽 為 レ 父 瞿 那 為 レ 母 。〔 14 〕 同 生
利
益 。 過 去 世中
有
二 一 大 王 明名
日 一 一 輪 陀 →有
二千
白 鳥 一皆
悉
好
聲 。 」i
は 、 「 圓滿
覺 」 ・ 「法
藏 」 ・ 「 造 論大
士 及 諸 聖 衆 」 と あ る よう
に 三 宝 に対
す る帰
敬 を 説 い て い る 。 「 圓滿
覺 」 は龍
樹
が佛
に 対す
帰
敬 を あ らす
こ と か ら 佛宝
を 指 し、 「 法 藏 」 は法
宝
を指
し 、 「造
論
大 士 及諸
聖 衆 」 は 『 釋論
』 の 本論
で あ185
CHISAN-KANGAKU-KAI 智山学報 第六 十輯 る 『
起
信
論
』 を 造 論 し た 馬鳴
と菩
薩
衆
に 対す
る 僧 宝 を 指 し て い る 。 次 に・ 11 は 、 親 し く 阿 世 耶 を 親 聽 し た と いう
趣
旨 の箇
所 で 、 阿 世 耶 つ ま り 意 楽 であ
り
、 本 論 『起
信 論 』作
者
で あ る 馬 鳴 よ り造
論
の意
を 賜 っ た こ と を説
い て い る 。 … m は 、馬
鳴 が 本 は 「 大 光 明 佛 」 で 、 因 位 と し て は 「 第 八 地 」 の 菩 薩 で あ る と 説 い て い る 。 つ ま り 、i
か ら … 皿 は 、 『 釋論
』 の論
説
が 、馬
鳴
の こ と を 「造
論
大 士 」 と し て帰
敬
す る こ と で 、馬
鳴 に対
す る 敬 意 を は ら う と同
時 に、 本 は 「 大光
明 佛 」 で あ っ た と いう
前提
を 展 開 す る こ と で、 龍 樹 の と い う名
を 使 用 す る名
目 を 獲 得 し、 馬鳴
か ら直
々 に 、 『 起信
論 』 に ま つ わ る趣
旨
を 承 っ た と いう
継 承 の 正 統 性 を 主 張 す る 思 惑 と考
え ら れ る 。 さ ら に、 『釋
論 』 に と っ て 『 起信
論 』 は 、絶
対
的
優
位
な 価 値 を持
た せ る こ と で 、 そ の 内容
を 完璧
に解
釈 し た の は龍
樹 の 『釋
論 』 で あ る と 主 張 し た い こ と に あ る と 類 推 す る の で あ る 。結
果 と し て 、 『 釋論
』 は 以 上 の 問 題 点 を提
起 ・解
決 す る こ と で 、 『 起 信 論 一 「 迴向
頌 」 を 解釈
す
る 想 定 を 装う
形 を と り な が ら、 自 説 の 偈 頌 を 組 み 立 て 、 作 者 つ ま り 龍樹
が 『釋
論 』 を 著 し た こ と を 暗 に強
調 し て い る と 見 る こ と が で き る 。 よ っ て 「 歡 喜 大 士 」 と は 著 者 自 身 (龍
樹 ) を指
し て い る と 言 え る 。に つ い て は 、 『 起
信
論 』 を著
す
た め に所
依 と し た 経 典 が 百 洛 叉 あ っ た と推
察
さ れ 、 こ の 問題
は 『釈
論
』 に と っ て 、 造 論 す る 上 で処
理 す る 必要
の あ る大
き な 課 題 で あ る こ と が 伺 え る 。 そ の た め 、 「 迴 向頌
」 解釈
上 に 論 説 し た も の と 予 想 さ れ る の で あ る 。 そ れ に 関係
す る と考
え
ら れ る箇
所
に 、 「 論 日 。凡
集 一 二代
種 種 諸經
】有
二 一 百 億部
叩 如 レ是
諸經
總
十 二 部 攝 。 云何
十 二 。 一 者 修多
羅 。 ( 中 略 )十
二 者優
波
( 15 )
提
舍 。是
名
為 二 十 二 4摩
訶
衍
論
所依
本
經
。 或 通 或 別 。 通 謂 總 通 。 別 謂 簡 別 。摩
訶
衍論
文
狹
句
少
甚極
微
少 。 」 と あ る 。 こ の 箇所
の 「 一 百 億部
」 と は 「 百落
叉 」 を 、 「 摩 訶 衍 論 」 と は 『釋
論
』 で は な く 「 迴 向 編 布 門 」所
説
「摩
訶 衍 論 如 意論
」 と 同様
『起
信論
』 を 指 し 、大
分 な 経 典 が 『 起 信 論 』 に 凝 縮 さ れ て い る と 説 示 し て い る 。 ま た 、 『釋
186
『釋 摩訶衍 論』にお ける 「迴向遍布門」につ い て (関) 論 』 は 「 回
向
遍 布 門 」 の 最 後 の 偈頌
に お い て次
に よ う に説
い て い る 。 そ こ に は、 「 隨 レ 分 窺 二 諸 契 經 海 一 總 有 二 一 百 洛 叉 數 「 如 レ 是 諸 經真
實
法
無 量 無
邊
差 別 義摩 訶 衍 論 立
義
中 該 攝 安 立 具 ( 16 } 足 論 」 と あ り 、大
分
な 経 典 を 『 起 信 論 』 所 説 「 立義
分
」 に 集約
し た も の であ
る と 説 い て い る 。 こ の こ と か ら も 『釋
論 』 は 「 立義
分 」 と 、 そ の 解 釈 よ り 展 開 さ れ た コ ニ 十 三 法 門 」 の 思 想 の 重 要 性 を 強 調 し て い る と 推察
で き る 。 つ ま り、 『 釋論
』 は 「 立義
分 」 の 思 想 背 景 に 組 み 込 ま れ て い る と 理 解 し た 「 三 十 三 法 門 」 と 、 「 立 義 分 」 自 体 の 評 価 と を 、 双方
の 立 場 の優
位 性 を 図 る こ と を 目 的 と し て い た と 考 え ら れ る 。 結 果 と し て 「 迴 向 頌 」 解 釈 上 の 「 百 洛 叉 」 と は、 以 上 に お け る 内 容 の 再 説 が 中 心 に 据 え ら れ て お り 、 『起
信論
』 そ の も の と 、 と り わ け 「 立 義 分 」 に 重 き が 置 か れ た も の で あ る と 言 え る 。 最後
には 、 「
我
今
隨 分 總 持 説 」 に お け る 「摩
訶 衍 者總
」 の 解 釈 に つ い て考
察 す る 。 周知
の よ う に 『 釋 論 』 所 説 「 三 十 三 法 門 」 の 説 示 は 『起
信 論 』 「 立義
分 」 中 「 摩 訶 衍 者 總 説 有 二 種 … … 」 云 々 の 文 言 を独
自 の 解釈
よ り 読 み 進 め て い る 。 『 釋 論 』 に お い て 『 起信
論 』 の 註 釈 書 と し て 特 異 な 読 解 ( コ ニ + 三 法 門 」 ) の 理由
は 、前
述 の考
察 に つ い ても
断
片 的 に 説 示 さ れ た 思 想 の み で 明確
化
さ れ て お ら ず、 「 迴向
頌 」解
釈 上 か ら そ れ ら の 思 想 を 寄 せ集
め て い く こ と で 、 「 摩 訶 衍 」 と いう
語 の 理解
に 特 異 性 が あ る こ と に起
因 し て い る と 推 察 さ れ る の で あ る 。 つ ま り 、 「 摩訶
衍 」 を 「總
」 と 置 き 換 え 、 『 起 信 論 』 と 『 釋 論 』 の 立場
の 相違
を 明 瞭 に す る 意 図 が あ っ と 思 わ れ る で あ る 。 そ の こ と が 結 果 と し て 、 『 釋 論 』 の 内 に 『 起 信 論 』 を 丸 ご と 一 つ の 論 書 と し て 介 在 さ せ解
釈 の 領 域 を 拡 大 〔 17 〕 さ せ る 思 惑 が あ っ た と 推 察す
る の で あ る 。 ま た 、 「 三 十 三 法 門 」 の構
想 に直
結
し、 「 總 」 に大
乗 の 本 質 が凝
縮 さ れ て い る と い う 独 自 の 解釈
が な さ れ た と考
え る の で あ る 。CHISAN-KANGAKU-KAI 智 山学報 第六 十輯 さ ら に 、 「 摩 訶 衍 論
如
意論
」 を 『起
信
論 』 で あ る と 説 示す
る こ と は 、 「 總 」 の 範 囲 に 「 不 二摩
訶 衍 法 」 以外
の 「 三 十 二法
門 」 を捉
え て い る こ の こ と か ら も 、 「總
」 に 対 す る 『釋
論 』 の独
自性
が読
み 取 れ る 。 一 方 で 、 『 釋論
』 上 「 摩 訶 衍 者 總 」 が 登 場 す る の は、 「 立 義 分 」 と 「 迴向
頌 」 解 釈 上 だ け であ
り、 『釋
論
』自
体 の 「 摩 訶 衍 」 に対
す
る 特 別 な 思想
の 表 れ とす
る 側 面 も当
然 あ る と 考 え ら れ 、 な ぜ こ の よう
な論
説 に 至 っ た の か を検
討 す る 必 要 が あ る と 思う
。四
「
三
十
三
法
門
」 の性
質
先 の 「 迴 向頌
」 に お け る 「 釈 論 』 の 解 釈 を 検 討 し た こ と に よ り 、 「 立義
分 」 解 釈 上説
示
さ れ る 「 三 十 三法
門 」 と 密 接 に 関 係 し て い る こ と を 知 る こ と が で き た 。 そ こ で 、 こ こ で は 「 立義
分 」 上 で 説 示 さ れ る 「 三 十 三法
門 」 に つ い て 「 迴 向 遍 布 門 」 の 内 容 を 頼 り に 内 容 を 整 理 し そ の 性質
を捉
え て み た い 。 まず
、 「 立義
分
」 上 に お い て 「 三 十 三法
門 」 は 、 「 三 十 二法
門 」 と 「 不 二 摩 訶衍
法
」 を 総 称 し た も の で 、 前者
に つ い て 、 「 何 故 八 種本
法 從 二 因 縁 一 起 。 應 二 於機
一故
。 順 二 於 読 一 故 。 何故
應 レ 機 。 有 ;機
根 一故
。如
レ 是 八 種 本法
諸 佛 所 レ 得 耶 。 〔 18 )諸
佛 所 レ 得 。 於 二 諸 佛 得 一 不 故 。菩
薩
二乘
一 切異
生 亦復
如
レ 是 。修
行種
因 海 是焉
。 」 と あ り 、 「 八 種 本法
」 ( 「 + 六 能 入 門 」 よ り 開 か れ た 「 十 六 所 入 法 」 ) は機
に 応 じ、説
に 順ず
る と いう
因
に よ る も の で あ る と 説 き 、 「 修行
種 因 海 」 と い う修
業 の 階梯
的段
階 が 「 八 種 本法
」 で あ る と し て い る 。 「 三 十 三 法 門 」 中 「 三十
二 法 門 」 は 「 十 六 能 入 門 」 が 入り
口 と いう
「 門 」 的 や く わり
を 担 い 、 「 十 六 所 入 法 」 は 果 に赴
く た め の 修 行 法 的 側 面 の 強 い 「 教 法 」 で あ る と 推 察 で き る 。 さ ら に、 後者
で あ る 「 不 二 摩 訶 衍法
」 に つ い て 見 て み れ ば 、 一188
一『釋摩訶衍論』にお ける 「迴向遍布門」につ い て (関) 「
何
故
不
二摩
訶
衍法
無
一因
縁 耶 コ 是法
極妙
甚 深獨
尊
。 離 = 機根
一故
。何
故 離機
根 。 無 二 機根
一故
。何
須
二建
立 の非
二建
( 19 ) 立 一
故
。 是摩
訶
衍法
諸 佛 所 得 耶 。 能得
二 於 諸 佛 諸 佛 得 不 故 。菩
薩 二 乘 一 切 異 生 亦復
如
レ 是 。性
徳 圓 滿 海 是焉
。 」 と あ る こ と か ら 、前
者
に 対 し 、 対 照 的 な 表 現 が な さ れ て お り 、 「性
徳
圓 滿海
」 と あ る こ と か ら も 性質
が 異 な る と 言 え る 。 厳 密 に 言え
ば 、 「 不 二摩
訶 衍 法 」 は 「 門 」 が無
い た め 「 三 十 三法
門 」 と し て 「 三 十 二法
門 」 と 一 緒 に 総称
し て 括 ら れ る も の で は な い と 理 解 で き る 。 で は な ぜ こ の よう
な説
示 な さ れ る の か を 考 え る と 、 「 迴向
頌
」 で説
示
さ れ る 「 諸 佛 甚 深廣
大
義
」 の 解 釈 に起
因 し て い る た め と考
え
ら れ る の で あ る 。 『 釈論
』 は 「 立 義 分 」解
釈 上 の 最後
に お い て 、 「 謂微
塵 數 過去
諸佛
。 微 塵 數 現在
諸 佛 。 微塵
數
未 來諸
佛
。皆
悉 乘 二 此 三 十 二種
。 甚 深安
車 司 達 二 於 清 淨無
上 一 地 故 。{ 20 ) 十 方 三
世
一 切 菩薩
亦復
如
レ 是 。 此 中 菩薩
言 通 二 取 三聚
一 切衆
生 司所
以 者 何 。 無 レ 有 丁衆
生 而 不 丙 通 達 乙如
來 地 甲 故 。 」 と あ る ご と く 、 「修
行種
因 海 」 で あ る 「 三 十 二 法 門 」 を 理解
し 證得
す る こ と に よ り 「如
来 地 」 と いう
「 清 浄 無 上 地 」 に 、菩
薩 (諸
佛 ) を 諸佛
た ら し め る こ と が 最 大 の 目 的 と し て 説 い て い る 。 そ の こ と が 「諸
佛
甚
深廣
大
義 」 の 七 字 に 「 三 十 三 法 門 」 を 投影
し 、 「諸
佛 」 で あ る 「 不 二摩
訶 衍 法 」 に 背 景 的 に 裏付
さ れ と推
察
さ れ る の であ
る 。 「 迴 向 頌 」 解 釈 上 で の 、 「 諸佛
」 と は 「 不 二 摩 訶 衍法
」 を説
示 し て い る も の の 「 諸 佛甚
深
廣 大 義 」 の 七 字 全体
の 解釈
に お け る 「 諸 佛 」 は 「 三 十 二法
門 」 ( 菩 薩 ( 諸 佛 ) ) も そ の 範 囲 内 に 予想
さ れ て い る と 言 え る 。 そ れ で も 、 『 釈 論 』 と し て は 説 明 が 不 十 分 と考
え、 さ ら に 「 立義
分 」 解釈
上 で の 論 説 の範
囲 を 逸 脱 し な い よう
に 配慮
し な が ら、 「 不 二 摩 訶 衍法
」 の 性質
を説
示 す る た め に 、 『 大 本 華 嚴 契 經 』 ・ 『分
流 華 嚴契
經 』 を 引 用 し 、 「 不 二 摩 訶 衍法
」 の性
質
が 三種
世 間 を身
心 と す る 「 盧舍
那 佛 」 よ り も 徳 が優
れ て い る こ と を捕
捉 と し て い る こ と か ら も 伺 い 知 る こ と が で き る 。189
CHISAN-KANGAKU-KAI 智 山学報 第六十輯 ま た 、 「 諸 佛 甚 深
廣
大義
」 以 下 の解
釈 の姿
勢 か ら も 、 「 三 十 三法
門 」 を 再 説 し た い が た め に 独 特 な解
釈
が な さ れ 、最
初 の 体 裁 を 崩 さ な い た め に 施 さ れ た も の で あ る と類
推
す る の で あ る 。 コ ニ 十 三 法 門 」 の性
質
は 、 『 釈 論 』 に と っ て 論 全体
の 締 め く くり
に 再度
主 張 し た い 程 の 価値
あ る も の であ
っ た と 同時
に 修 行 の 階 梯 的 段 階 の 教法
で あ る 「 因 」 と 到 達 地 で あ る 「 果 」 の 両方
を 「 三 十 三 法 門 」 に見
出 し た も の で あ る と い え る 。五
ま
と
め
こ れ ま で、 「 迴 向 頌 」 に お け る 『釋
論
』 の 解 釈 を検
討
し て き た 。現
段 階 に お い て 知 り得
た結
果 を整
理す
る と 、 以 下 の 四 点 が 挙げ
ら れ る 。 一 、 『 釋論
』 は 「 諸佛
甚 深廣
大義
」 ・ 「 迴 向功
徳
如法
性 」 の 内 、 「諸
佛 」 ・ 「甚
深
」 ・ 「廣
大義
」 と 「 如 」 ・ 「法
」 ・ 「 性 」 と 分割
解
釈 し て い た 。 そ の背
景 に は 、 「 立 義分
」解
釈 上 で説
示 さ れ た 「 三 十 三法
門 」 再 説 を 目 的 と し て い た 。 前者
は 、 本論
説
示 の 「 諸佛
」 を、 衆 生 の た め に 開 か れ た 「 三 十 二法
門 」 か ら 、 「 圓滿
」 な境
地 であ
る、 「 諸 佛 」 と いう
「 不 二 摩訶
衍
法 」 の 立場
に 昇 華 さ せ る こ と を 目 的 と し た と 推察
さ れ る 。後
者 は 、 衆 生 の た め の 「 三 十 二法
門 」夫
々 の法
門 を獲
得 さ せ る こ と を 意 図 し た 「 所 入法
」 ・ 「能
入 門 」 を 再 説 し て 〔 21 ) おり
、諸
佛 の素
養
に 応 じ た迴
向 が 可 能 であ
る と 説 い て い る と考
え ら れ る 。 二 、 「 迴 向 遍 布 門 」 は 、 「 立 義 分 」 以 降 の 「解
釋
分 」 等 の 関 係 よ り も 、 「 立義
分 」 の ほ う に 深 い 直 接 性 を 持 っ て い た 。 し か し、 断片
で は あ る が 思 想 が 介 在 し て い る た め そ の 把握
は 必 要 と い え る 。 三 、 「 迴向
頌 」 解釈
上 に 登 場 す る 「 不 二 摩訶
衍
法 」 は 、經
典
の引
証
に よ る 説 示 を 中 心 と し て い る 。 『 釋 論 』 に と っ190
一『釋 摩訶衍論 』における 「迴 向遍布 門」につ い て (関) て 「 不 二 摩 訶 衍
法
」 は 、 『起
信 論 』 よ り導
き 出 し た も の で な い こ と を 強 調 す る と 同 時 に 、 衆 生 が 「甚
深
」 な る法
と 「廣
大 義 」 な る 門 に 到 達 し 獲 得 し た 境 地 で あ る 「 諸 佛 」 と いう
能
詮 の 立 場 を 「 不 二摩
訶
衍 法 」 で あ る と 主 張 し た い も の と推
察 さ れ る の で あ る 。 ま た 、 「 不 二 摩 訶衍
法 」 に 諸佛
の あ り 方 を 認 め た と 理 解 で き る 。 四 、 「迴
向 遍布
門 」 最後
の 頌 に お い て 、 「 摩 訶 衍論
立義
中 」 と論
説
さ れ る の は 、 『 釋 論 』 が 『 起信
論 』 を 重 要視
し 、 本 論 の 価値
を 強 調 す る 体 裁 を 装 い な が ら 、 実 は 『 起信
論
』 全 体 の 本 意 、 つ まり
「摩
訶 衍 」 の 内 容 を 理 解 し た の は 『 釋 論 』 で あ る と 暗 に 説 示 し て い る と 推察
す る 。今
後
の 課 題 に つ い て は 、 「 迴向
遍布
門 」 を検
討
す る こ と に よ り 、 『 釋 論 』 が 主 張 し た い 内容
を 整 理 す る こ と が で き た 。 そ れ に 伴 い コ ニ 十 三法
門 」 以 外 の 思 想 を 断 片 的 で あ る が確
認 で き た 。今
後
は、 さ ら に 『 釈 論 』 そ の も の に対
す る読
み 込 み を 深 め 思 想 の 解 明 に 努 め て 行 き 、 本 考 で は 検 討 し な か っ た コ ニ 十 三法
門 」 と の 関係
が 指 摘 さ れ て い る 「 四 種 法熏
習 」 に お け る 解釈
を 考 察 し た い と 考 え て い る 。 以 上 の 作業
に よ り 『 釋 論 』 全 体 の 構 想 を把
握 で き 、 意 図 す る本
意 を 理 解 で き る と考
え て い る 。 注 (1
) 丹 治 昭 義 「 『 起 信 論 』 と 『 義 記 』 の 一 考 察 − 序 分、 発 起 序 に 関 連 し て ー 」 ( 井 上 克 人 編 著 『 「 大 乗 起 信 論 」 の 研 究 』 所 収 二 〇 〇 一 年 ) (2
) 論 日 。 就 二 此 一 頌 中 一 即 有 三 二 種 門 司 云 何 名 為 二 三 種 門 一 耶 。 一 者 攝 前 所 詭 總 結 門 。 二 者 展 舒 功 徳 令 廣 門 。 三 者 施 於 衆 生 普 利 門 。 是 名 為 レ 三 。 ( 『 釈 摩 訶 衍 論 』 大 正 三 二 巻 六 二 八 頁 上 ) (3
) 諸 佛 甚 深 廣 大 義 者 。 即 是 通 總 攝 前 所 読 門 。 所 レ 謂 通 攝 二 三 十 三 種 本 數 法 故 。 此 義 云 何 。 言 二 諸 佛 一 者 。 則 是 不 二 摩 訶 衍 法 。 所 以 者 何 。 此 不 二 法 形 二 於 彼 一 佛 其 徳 勝 故 。 ( 中 略 ) 言 甚 深 者 。 即 是 兩 重 八 種 摩 訶 衍 之 本 法 。 以 二 何 義 一 故 名 為 二 甚 深 → 如 レ 是 兩 重 摩 訶 衍 法 。 能 入 門 望 極 甚 深 故 。 以 二 此 義 一 故 立 二 甚 深 稱 → 應 二 審 思 擇 刃 言 二 蹟 大 義 一 者 。 即 是 兩 重 能 入 門 法 。 以 二 何 義 一 故 名 二191
CHISAN-KANGAKU-KAI 智山学 報第六 十 輯 廣 大 義 司 如 レ 是 兩 重 能 入 門 法 。 皆 悉 各 各 能 廣 二 自 法 幻 能 大 二 自 法 一。 能 為 二 自 法 司 作 二 名 義 一 故 。 ( 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 六 六 八 頁 上 ) (
4
) 此 不 二 法 形 於 彼 佛 其 徳 勝 故 。 大 本 花 嚴 契 經 中 作 如 是 論 。 其 圓 圓 海 得 諸 佛 勝 。 故 其 一 切 佛 不 能 成 就 圓 圓 海 劣 故 。 若 爾 何 故 分 流 花 嚴 契 經 中 作 如 是 論 。 盧 舍 那 佛 三 種 世 間 為 其 身 心 。 三 種 世 間 攝 法 無 餘 。 彼 佛 身 心 亦 復 無 有 所 不 攝 焉 。 盧 舍 那 佛 雖 攝 三 世 間 。 而 攝 不 攝 故 。 是 故 無 過 。 ( 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 六 二 八 頁 上 ) (5
) 『 大 本 花 嚴 契 經 』 に お け る 解 釈 に つ い て は 既 に 石 井 公 成 博 士 の 指 摘 が な さ れ て い る 。 石 井 公 成 著 『 華 厳 思 想 の 研 究 』 一 九 九 六 年 (6
) 言 二 我 今 隨 分 總 持 諡 一 者 。 即 是 顯 示 能 読 字 相 門 。 謂 以 二 總 字 冖 通 持 二 一 切 種 種 諡 一 故 。 立 義 分 中 摩 訶 衍 者 總 。 即 是 此 焉 歟 。 何 故 一 字 通 持 二 諸 説 司 為 レ 欲 三 顯 三 不 摩 訶 衍 論 如 意 論 一 故 。 ( 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 六 六 入 頁 中 ) (7
) 言 二 迴 此 功 徳 如 法 性 一 者 。 即 是 展 舒 功 徳 令 廣 門 。 謂 自 所 作 之 功 徳 迴 二 向 三 處 一 故 。 云 何 為 レ 三 。 一 者 真 如 。 二 者 一 心 法 。 三 者 本 覺 佛 性 。 是 名 為 レ 三 。 以 二 何 義 一 故 迴 ; 向 三 處 → ( 中 略 ) 如 レ 是 迴 向 有 二 何 利 益 司 謂 衆 多 故 。 ( 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 六 六 八 頁 中 ) (8
) 本 多 隆 仁 「 三 十 二 法 門 か ら 不 二 摩 訶 衍 法 へ 」 ( 小 野 塚 幾 澄 博 士 古 稀 記 念 論 文 集 『 空 海 の 思 想 と 文 化 』 所 収 二 〇 〇 四 年 ) (9
) 拙 稿 「 『 釈 摩 訶 衍 論 』 に お け る 「 八 種 本 法 」 に つ い てi
「 三 + 三 法 門 」 を 中 心 に ー 」 ( 「 智 山 学 報 』 第 五 九 輯 所 収二 〇 一 〇 年 ) (
10
) 言 蠢 日 利 一 切 衆 生 界 一 者 。 則 是 施 於 衆 生 普 利 門 。 謂 舉 二 廣 大 圓 滿 功 徳 司 周 遍 利 二 益 衆 生 界 一 故 。 歡 喜 大 士 至 心 勸 無 量 佛 子 衆 海 中 我 已 超 毛 頭 三 角 過 於 生 死 之 四 根 第 一 無 數 粗 滿 訖 第 二 僧 祗 始 入 無 如 宜 汝 等 諸 佛 子 以 於 左 右 之 兩 手 捧 於 本 釋 之 明 鏡 臨 七 識 散 慮 之 面 見 六 塵 境 界 之 垢 洗 法 執 人 我 之 咎 汝 等 佛 子 若 如 是 法 身 應 化 之 三 身 如 舒 伊 字 圓 現 前 常 樂 我 淨 之 四 徳 如 入 達 池 具 出 生 我 從 四 王 自 在 處 下 入 大 海 龍 宮 殿 隨 分 窺 諸 契 經 海 總 有 一 百 洛 叉 數 如 是 諸 經 真 實 法 無 量 無 邊 差 別 義 摩 訶 衍 論 立 義 中 該 攝 安 立 具 足 読 有 善 男 子 善 女 人 若 自 手 捧 斯 論 卷 名 捧 百 洛 叉 經 者 若 自 口 經 誦 本 分 名 誦 百 洛 叉 經 者此 人 所 得 之 功 徳 十 方 世 界 微 塵 數
諸 佛 及 大 菩 薩 衆 各 出 微 塵 數 舌 相 如 是 微 塵 數 劫 中 不 息 稱 設 不 能 盡 何 況 觀 察 其 義 理 思 惟 文 下 之 所 詮 有 善 男 子 善 女 人 生 不 信 心 謗 斯 論 此 人 所 得 之 罪 業 十 方 世 界 微 塵 數
192
『釋 摩訶衍 論』における 「迴 向遍布 門」につ い て (関) 諸 佛 及 大 菩 薩 衆 各 出 微 塵 數 舌 相 如 是 微 塵 數 劫 中 不 息 読 過 不 能 盡 是 人 往 罪 滅 無 所 一 切 諸 佛 不 能 救 是 故 行 者 歸 本 原 當 依 斯 論 應 修 行 實 不 可 生 不 信 心 誹 謗 甚 深 大 乘 教 當 願 此 勸 遠 流 布 遍 於 重 重 不 刹 ( 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 六 六 八 頁 中 − 下 ) (
11
) 論 日 。 衆 有 二 四 種 → 云 何 為 レ 四 。 一 者 一 切 如 來 衆 。 二 者 一 切 菩 薩 衆 。 三 者 一 切 聲 聞 衆 。 四 者 切 縁 覺 衆 。 是 名 為 二 四 衆 幻 生 有 二 四 種 司 云 何 為 レ 四 。 一 者 卵 生 。 二 者 胎 生 。 三 者 濕 生 。 四 者 化 生。 是 名 為 レ 四 生 。 過 數 故 衆 。 受 生 故 生 。 是 一 法 界 心 。 彼 八 處 中 周 遍 圓 滿 。 不 レ 可 } 分 析 二 不 レ 可 二 離 散 → 唯 是 一 體 唯 是 一 相 。 以 冖 一 四 種 衆 一 攝 二 諸 聖 一 盡 。 以 一 四 種 生 二 攝 二 諸 凡 二 盡 。 馬 鳴 論 師 為 レ 顯 二 一 心 廣 大 圓 滿 4 名 為 二 衆 生 の ( 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 六 〇 〇 頁 下 ) A A2120
19
) ) ) A A A ハ A Al8
17
16
15
14
13
12
) ) ) ) ) ) ) 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 「 三 十 三 法 門 」 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 『 釈 摩 訶 衍 論 』 ・ 大 正 三 二 巻 五 九 二 頁 中 五 九 二 頁 中 五 九 四 頁 下 五 九 三 頁 下 六 六 入 頁 中 に お け る 十 種 の 摂 義 論 の あ り 方 が そ れ に 該 当 す る と 考 え ら れ る 。 六 〇 一 頁 下 六 〇 一 頁 下 ⊥ ハ 〇 二 頁 上 以 レ 何 下 依 レ 義 顯 二 因 由 迴 向 一 三 處 即 頌 文 中 如 法 性 字 字 各 當 レ 一 真 如 即 レ 照 之 寂 本 覺 即 レ 寂 之 照 一 心 寂 照 雙 流 又 一 心 是 所 入 本 法 如 覺 即 能 入 門 法 謂 欲 レ 令 一 一 含 識 一 依 レ 門 入 レ 法 故 二 如 是 下 辨 二 利 益 一 中 而 有 三 二 喩 一 謂 一 塵 置 レ 地 皆 為 二 厚 載 之 功 一 一 水 入 レ 海 等 同 二 潤 益 之 徳 一 小 有 合 レ 空 而 無 一芬
量 之 別 一 一 多 即 入 無 礙 融 通 論 主 本 懷 所 レ 存 レ 于 レ 此 。 ( 普 観 撰 『 釋 摩 訶 衍 論 記 』 ・ 卍 蔵 經 七 三 巻 一 五 九 頁 下 ) ま た、 拙 稿 「 『 釈 摩 訶 衍 論 』 に お け る 「 八 種 本 法 」 に つ い て ー 「 三 十 三 法 門 」 を 中 心 に ー 」 ( 『 智 山 学 報 』 第 五 九 輯 所 収 二 〇 一 〇 年 ) に お い て 引 用 し た 、 同 論 の 箇 所 に つ い て 二 句 目 ・ 三 句 目 の 解 釈 に つ い て、 前 者 は 「 後 重 八 門 」 、 後 者 は 「 前 重193
CHISAN-KANGAKU-KAI 智 山学 報第 六十輯 八 門 と 後 重 八 法 」 で あ る 。 こ こ に 訂 正 さ せ て 頂 く 。 「 八 種 總 體 者 下 論 読 レ 有 二 十 六 總 體 一 對 望 別 故 應 レ 作 二 四 句 一 一 唯 總 非 レ 別 初 重 八 法 二 唯 別 非 レ 總 後 重 八 門 三 亦 總 亦 別 初 門 後 法 四 非 レ 總 非 レ 別 即 不 二 法 今 文 所 レ 指 即 當 一