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メトロニダゾールゲル 0.75% 毒性試験の概要文 目次 1 まとめ 単回投与毒性試験 ( 申請者試験及び文献データ ) 反復投与毒性試験 ( 申請者試験及び文献データ ) 反復経皮投与毒性試験 ( 申請者試験 )

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目次

1 まとめ ... 5 1.1 単回投与毒性試験(申請者試験及び文献データ) ... 9 1.2 反復投与毒性試験(申請者試験及び文献データ) ... 9 1.2.1 反復経皮投与毒性試験(申請者試験) ... 9 1.2.2 反復経口投与毒性試験(文献データ) ... 10 1.2.3 非経口投与による反復投与毒性試験(文献データ) ... 10 1.3 メトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤 、メトロニダゾール ゲル 0.75%(処方 変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])及びメトロニダゾール 1%含有ゲル 製剤の局所忍容性試験(申請者試験) ... 10 2 単回投与毒性試験 ... 11 2.1 ラット経口投与急性毒性試験(申請者試験) ... 11 2.1.1 材料と方法 ... 11 2.1.2 結果 ... 11 2.1.3 結論 ... 11 2.2 文献データ ... 11 3 反復投与毒性試験 ... 12 3.1 マウス ... 13 3.1.1 マウスにおける経口投与慢性毒性試験 ... 13 3.2 ラット ... 14 3.2.1 経皮投与(申請者試験) ... 14 3.2.1.1 材料と方法 ... 14 3.2.1.2 結果 ... 14 3.2.1.3 結論 ... 15 3.2.2 経口投与 ... 15 3.2.3 非経口投与 ... 16 3.2.3.1 静脈内投与 ... 16 3.2.3.2 皮下投与 ... 16 3.3 ウサギ ... 17 3.3.1 経皮投与(申請者試験) ... 17 3.3.1.1 材料と方法 ... 17 3.3.1.2 結果 ... 17 3.3.1.3 結論 ... 17 3.4 イヌ(文献データ) ... 18 3.4.1 イヌを用いた慢性経口投与毒性試験 ... 18 3.5 サル(文献データ) ... 18 3.5.1 サルを用いた経口投与毒性試験 ... 18 3.5.2 サルを用いた静脈内投与毒性試験 ... 19 3.6 ミニブタ ... 19

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2 3.6.1 経皮投与(申請者試験) ... 19 3.6.1.1 材料と方法 ... 19 3.6.1.2 結果 ... 19 3.6.1.3 結論 ... 21 4 遺伝毒性試験 ... 21 5 がん原性試験 ... 21 6 生殖発生毒性試験 ... 21 7 局所忍容性試験 ... 21 7.1 ウサギを用いたメトロニダゾール0.75%含有ゲル製剤及びクリーム製剤の皮 膚一次刺激性評価(正常皮膚及び 擦過皮膚)(申請者試験) ... 21 7.1.1 材料と方法 ... 21 7.1.2 結果 ... 22 7.1.3 結論 ... 22 7.2 ウサギを用いたメトロニダゾール0.75%含有ゲル製剤及びローション製剤の 皮膚一次刺激性評価(正常皮膚及び 擦過皮膚)(申請者試験) ... 23 7.2.1 材料と方法 ... 23 7.2.2 結果 ... 23 7.2.3 結論 ... 24 7.3 ウサギを用いた眼一次刺激性試験(申請者試験) ... 24 7.3.1 材料と方法 ... 24 7.3.2 結果 ... 24 7.3.3 結論 ... 24 7.4 メトロニダゾール1%含有ゲル製剤の皮膚感作性試験 (Maximization Test) (申請者試験) ... 25 7.4.1 材料と方法 ... 25 7.4.2 結果 ... 25 7.4.3 結論 ... 25 7.5 メトロニダゾール1%含有ゲル製剤の Maximization 感作性試験(ISO)(申 請者試験) ... 26 7.5.1 材料と方法 ... 26 7.5.2 結果 ... 26 7.5.3 結論 ... 27 8 考察及び 結論 ... 27 9 図表 ... 28 10 参考文献 ... 29

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3

表目次

1 メトロニダゾールゲル 0.75%の組成 ... 6 2 メトロニダゾールゲル製剤を用いて実施した毒性試験(申請者試験) ... 8 3 マウスにおけるメトロニダゾールの急性毒性 ... 12 4 ラットにおけるメトロニダゾールの急性毒性 ... 12 5 申請者が実施した反復経皮投与毒性試験(GLP 試験)のリスト ... 13 6 ミニブタを用いたメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤の 3 ヵ月反復経皮投与毒性試 験( 試験)におけるTK データ ... 20 7 皮膚一次刺激指数 ... 22 8 皮膚一次刺激指数 ... 23

図目次

1 メトロニダゾールの構造式 ... 5

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略号一覧

略称・略号 省略していない表現又は定義

BLQ Below the LOQ 定量限界未満

Cmax Maximum plasma (or serum) concentration 最高血漿中(又は血清中)濃度 CTD Common technical document コモン・テクニカル・ドキュメント DNCB 1-chloro-2,4-dinitrobenzene 1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン ECG Electrocardiography 心電図

EP European pharmacopeia 欧州薬局方

ESI Electrospray ionization エレクトロスプレーイオン化(法) FCA Freund’s complete adjuvant 完全フロイントアジュバント

GLP Good laboratory practices 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実 施の基準

HPLC High performance liquid chromatography 高速液体クロマトグラフィー ICH International conference on harmonization 日米EU 医薬品規制調和国際会議 ISO International Organization for Standardization 国際標準化機構

LD50 Lethal dose 50% 50%致死量

LOQ (LLOQ) Limit of quantification (lower LOQ) 定量限界(定量下限) MS Mass spectrometry 質量分析(法)

TK Toxicokinetics トキシコキネティクス

v/v volume/volume 容量/容量

w/v weight/volume 重量/容量

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5

1 まとめ

メトロニダゾールゲル0.75% w/w(75 mg/g)(以下、メトロニダゾールゲル 0.75%)は、がん性 皮膚潰瘍に伴う悪臭の軽減を目的とした局所治療に 1 日 1~2 回塗布適用する外用剤である。本 適応症に対して、本剤は 1 日 1 回又は 2 回の投与で 2 週間以内に効果が現れることが示されてい る(CTD「2.7.3 臨床的有効性」の [2.1] 項参照)。なお、本剤の治療対象はがん性皮膚潰瘍に伴 う悪臭のある進行がん患者であり、その投与期間は、一部では 1 年を超えて使用される症例もあ るが、多くは1ヵ月から 3 ヵ月程度と考えられる(CTD「2.5 臨床に関する概括評価」の [4.5.2] 項参照)。また、2 週間の治療期間内に効果が認められない場合、他の選択肢の治療法が用いら れる。 メトロニダゾール(2-(2-メチル-5-ニトロ-1H-イミダゾール-1-イル)エタノール)の構造式を以 下に示す(図 1)。 図 1 メトロニダゾールの構造式 ガルデルマ社は、メトロニダゾールを含有する多くの局所治療用外用剤を開発しており、現在、 酒さ治療剤が米国及びヨーロッパで認可、販売されている。それらには、MetroGel®(Topical Gel, 0.75%及び 1%)、MetroCream®(Topical Cream, 0.75%)、MetroLotion®(Topical Lotion, 0.75%)、 Rozex® Gel(0.75% metronidazole)、 Rozex® Cutaneous Emulsion(0.75% metronidazole)及 び Rozex® Cream(0.75% metronidazole)がある。英国では 1994 年より Metrogel®(Topical Gel, 0.75%)が、がん性悪臭の適応症で認可を受けている。今回日本で申請するメトロニダゾールゲ ル 0.75%(ロゼックス® ゲル 0.75%) は、上記 Rozex® Gel(0.75% metronidazole)と同一の製剤 である。一方、メトロニダゾールの数種の経口剤、静注剤、及び経腟剤が、嫌気性細菌及び原虫 感染症の治療剤として、世界中で認可されている。日本で既に市販されているメトロニダゾール 含有医薬品は、メトロニダゾール 250 mg を含有する内服錠(フラジール® 内服錠 250 mg[塩野 義製薬]及びアスゾール錠 250 mg[富士製薬工業]、効能効果:トリコモナス症[腟トリコモ ナスによる感染症]、嫌気性菌感染症、感染性腸炎、細菌性腟症、ヘリコバクター・ピロリ感染 症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫感染症)、及びメトロニダゾール 250 mg を含有する腟錠 (フラジール® 腟錠 250 mg[塩野義製薬]、効能効果:トリコモナス腟炎、細菌性腟症)である。 日本では、メトロニダゾールの局所用外用剤は、上記腟錠以外には認可されていない。 本申請に係るメトロニダゾールゲル 0.75%の申請区分は、医療用医薬品(3) 新投与経路医薬品 である。

N

N

CH

2

CH

2

OH

CH

3

O

2

N

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6 毒性試験プログラムの概略 申請者が実施した試験及び文献データを含む毒性試験の一覧表を概要表 [2.6.7.1.A]、[2.6.7.1.B]、 [2.6.7.1.C]、及び [2.6.7.1.D] に示す。試験報告書は CTD 第 4 部に提出する。個々の評価資料の詳 細な毒性データ概要表は、CTD「2.6.7 毒性試験の概要表」 に示す。 申請する市販予定メトロニダゾールゲル0.75% 製剤の組成を 1に示す。 表 1 メトロニダゾールゲル 0.75%の組成 成分名 含量 (% w/w) 機能 規格 主薬 メトロニダゾール 0.75 有効成分 日局(EP) 添加物 エデト酸ナトリウム水和物 安定化剤(キレート剤) 日局(EP) カルボキシビニルポリマー (カーボマー 980) ゲル化剤 薬添規(EP) プロピレングリコール 溶媒(湿潤剤) 日局(EP) パラオキシ安息香酸メチル 保存剤 日局(EP) パラオキシ安息香酸プロピル 保存剤 日局(EP) 水酸化ナトリウム 適量 ( pH ~ に調整) pH 調整剤 日局(EP) 精製水 適量 溶媒 日局(EP) 全量 100.00 EP:欧州薬局方 メトロニダゾールゲル 0.75%に含まれる添加物はすべて日本薬局方収載品又は医薬品添加物とし て同等以上の濃度での使用前例が確認されているものであり、外用(皮膚塗布)ゲル製剤での使 用 は 安 全 で あ る と 考 え ら れ る 。 ラ ッ ト 経 口 投 与 急 性 毒 性 試 験 (1.CG.03.SUM.0441 試 験 [4.2.3.1.1] ) 、 ラ ッ ト 4 週 間 経 皮 投 与 毒 性 試 験 ( 1.CG.03.SRE.8163.GDL 試 験 [ 評 価 資 料 4.2.3.2.1])、ウサギ 13 週間経皮投与毒性試験(1.CG.03.SUM.0371 試験 [評価資料 4.2.3.2.2])、 及びウサギ眼一次刺激性試験(1.CG.03.SUM.0440 試験 [評価資料 4.2.3.6.3])において「Rozex Gel」 又は「metronidazole gel 0.75%」という名称で使用された被験製剤の組成は、ゲル化剤(カルボキ シビニルポリマー)が、残留ベンゼンを含有するカーボポール 940 であったこと以外は、申請す る市販予定製剤とほぼ同一であった。すなわち、市販予定製剤では、ゲル化剤(カルボキシビニ ルポリマー)を上記被験製剤で用いたカーボポール 940( %)からベンゼンフリーのカーボ マー980 に変更すると同時に、同等の粘度を確保するためその濃度が %に変更された。この 軽微な変更は、市販予定製剤の安全性評価に重大な影響を与えるものではないと考えられる。以 下 、 こ の 「2.6.6 毒 性 試 験 の 概 要 文 」 で は 、 ゲ ル 化 剤 が 処 方 変 更 前 の カ ー ボ ポ ー ル 940Carbopol 940)である製剤を「処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)」と記載する。

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7 メトロニダゾールゲル 0.75%の安全性プロファイルを評価するための情報を提供するものとして 最も適切と考えられる試験を評価資料とした。これには、本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)で実施された GLP 準拠試験が含まれる。参考資料の試験では本剤の市販予定製剤は 使用されていないが、 これらは、メトロニダゾールの毒性プロファイルをより明確にするため の追加の支援情報を提供するため、又は情報開示の目的で提出する。さらに、公表文献から入手 可能であったデータも文献データとして提出する。参考資料及び文献データについては、CTD 2.6.7 毒性試験の概要表」に個別の詳細なデータ概要表は作成していない。 皮膚一次刺激性試験の2 試験(1.CG.03.SUM.0432 試験 [参考資料 4.2.3.6.1]、1.CG.03.SUM.0436 試 [参考資料 4.2.3.6.2])では Rozex Gel と記録された 0.75%ゲル剤が用いられた。しかしながら、 製剤組成の記録がないため市販予定製剤や処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)ではない可 能 性 を 否 定 で き な い こ と か ら 、 参 考 資 料 と し た 。 ラ ッ ト 4 週間反復経皮投与毒性試験1.CG.03.SRE.8163.GDL 試験 [評価資料 4.2.3.2.1])、及びウサギ 13 週間反復経皮投与毒性試験1.CG.03.SUM.0371 [評価資料 4.2.3.2.2])は処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)を用いて 実施した。さらに、市販予定製剤より高濃度で適用されたメトロニダゾールの安全性についての 情報を加えるため、メトロニダゾールを 1%含有するゲル製剤( の製剤)で実施したミ ニブタ 3 ヵ月経皮投与毒性試験( 試験 [参考資料 4.2.3.2.3])及びモルモット皮膚感作性 2 試験( 試験 [参考資料 4.2.3.6.4]、 試験 [参考資料 4.2.3.6.5])も参考資料として提 出する。表 2に示すように、毒性試験で通常用いられる動物種及び系統のいくつかの試験系が使 用 さ れ た ( ラ ッ ト 、 ウ サ ギ 、 モ ル モ ッ ト 、 ミ ニ ブ タ ) 。 ラ ッ ト 経 口 投 与 急 性 毒 性 試 験 (1.CG.03.SUM.0441 試験 [評価資料 4.2.3.1.1])とウサギ眼一次刺激性試験(1.CG.03.SUM.0440 試 [評価資料 4.2.3.6.3])(両試験とも処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤]を使用)以外は 臨床投与経路と関連のある経皮投与で実施された試験である。 遺伝毒性試験に関しては、申請区分が(3) 新投与経路医薬品であることに基づき、本申請では 資料の提出を省略する。 がん原性試験については、本剤の適用対象が、がん性皮膚潰瘍に伴う悪臭のある進行がん患者で あること、また、その投与期間は、一部では 1 年を超えて使用される症例もあるが、多くは1ヵ 月から 3 ヵ月程度と考えられる(CTD「2.5 臨床に関する概括評価」の [4.5.2] 項参照)ことを勘 案すると、本剤の適用により安全性上の懸念が生じる可能性は低いと考えられることから、本申 請では資料の提出を省略する。 生殖発生毒性試験については、本剤の適用対象ががん性皮膚潰瘍に伴う悪臭を有する進行がん患 者であることを考慮すると、本申請における意義は高くないと考えられる。さらに、患者の治療 のためにメトロニダゾールゲル 0.75%を局所塗布投与したときの全身曝露量が、既に市販されて いるメトロニダゾール内服錠 250 mg を既承認 1 日最大投与量(2250 mg[1 回 750 mg を 1 日 3 回])で経口投与した場合の全身曝露量を超えることはないと考えられる(CTD「[2.5] 臨床に関 する概括評価」参照)。以上を勘案すると、臨床における本剤の使用状況下で生殖発生毒性に関 する安全性上の懸念が生じる可能性は低いと考えられることから、本申請では資料の提出を省略 する。

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8 投与された動物の全身曝露を評価し、種間の作用比較を可能とするために、トキシコキネティク ス的モニタリングを、反復経皮投与毒性試験で実施した(概要表 [2.6.7.2] 及び [2.6.7.3] 参照)。 血漿中メトロニダゾール濃度は、ラット血漿及びミニブタ血清について HPLC/ESI-MS/MS 法 (定量限界:0.025 ng/mL)により測定した(CTD「2.6.4 薬物動態試験の概要文」の [2] 項参照)。 メトロニダゾールゲル製剤を用いて実施した毒性試験を表 2に示す。 表 2 メトロニダゾールゲル製剤を用いて実施した毒性試験(申請者試験) 試験番号 試験の種類 (GLP 適用・非適用の別) 本剤の処方変更前 製剤(Carbopol 940 含有製剤)の 使用・不使用の別 本概要 文中の 収載項 評価資料、 参考資料の 別 0.75% 製剤を用いた毒性試験 1.CG.03.SUM.0441 ラット経口投与急性毒性試験GLP 適用) 使用 2.1 評価資料 [4.2.3.1.1] 1.CG.03.SRE.8163.GDL ラットGLP 適用) 4 週間経皮投与毒性試験 使用 3.2.1 評価資料 [4.2.3.2.1] 1.CG.03.SUM.0371 ウサギGLP 適用) 13 週間経皮投与毒性試験 使用 3.3.1 評価資料 [4.2.3.2.2] 0.75% 製剤を用いた局所忍容性試験

1.CG.03.SUM.0432 Rozex Gel 及び Cream を用いたウサギ皮膚一次刺激性試験 (GLP 適用)

不使用 7.1 参考資料 [4.2.3.6.1]

1.CG.03.SUM.0436 Rozex Gel 及び Lotion を用いたウサギ皮膚一次刺激性試験 (GLP 適用) 不使用 7.2 参考資料 [4.2.3.6.2] 1.CG.03.SUM.0440 ウサギ眼一次刺激性試験GLP 適用) 使用 7.3 評価資料 [4.2.3.6.3] 1% 製剤を用いた試験 Hanford ミニブタを用いたメトロニ ダゾール1%含有ゲル製剤の 3 ヵ月 経皮投与毒性試験 (GLP 適用) 不使用 3.6.1 参考資料 [4.2.3.2.3] モルモットを用いたメトロニダゾ ールゲル 1%含有ゲル製剤の皮膚感 作性試験 (GLP 適用) 不使用 7.4 参考資料 [4.2.3.6.4] モルモットを用いたメトロニダゾ ールゲル 1%含有ゲル製剤の皮膚感 作性試験 (GLP 適用) 不使用 7.5 参考資料 [4.2.3.6.5]

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9 皮膚潰瘍を有する進行がん患者のがん性悪臭をメトロニダゾールゲル 0.75% の 1 日 1~2 回局所 塗布投与で治療するのに要する本剤の使用量は、1 日 100 g に上る可能性が考えられる。この用 量は、患者1 人あたり 1 日 750 mg のメトロニダゾール、すなわち、体重 50 kg の患者では約 15 mg/kg/day に相当する。

1.1 単回投与毒性試験(申請者試験及び文献データ)

ラット単回経口投与毒性試験(申請者試験)では、メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製 剤[Carbopol 940 含有製剤])5 g/kg(メトロニダゾールとして 37.5 mg/kg)の単回投与後に一般 状態に毒性徴候は認められず、死亡もなかった。また、文献報告されたデータでは、マウスとラ ットにおけるメトロニダゾールの LD50の最も低い値は、経口投与でそれぞれ 3500 mg/kg と≥ 5000 mg/kg、静脈内投与でそれぞれ 1169 mg/kg と 1574 mg/kg、腹腔内投与でそれぞれ 3650 mg/kg と5000 mg/kg であった。したがって、メトロニダゾールの急性毒性は低いものと考えられる。

1.2 反復投与毒性試験(申請者試験及び文献データ)

申請する適応症に対して臨床適用される場合、メトロニダゾールゲル0.75% の大部分は皮膚潰瘍 部位に塗布投与されるが、本 CTD では臨床使用状況下での安全性評価との関連性を考慮し、ラ ット、ウサギ、ミニブタを用いたメトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])及びメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤の経皮投与毒性試験データ(申請者試験) を中心として提示する。

1.2.1 反復経皮投与毒性試験(申請者試験)

ラットにおけるメトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])、2 mL/kg/day の 4 週間経皮投与毒性試験では、局所及び全身的無毒性量はいずれもメトロニダゾー ルとして15 mg/kg/day(試験に用いた最高用量)であった。 ウサギにおけるメトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])(最 高投与容量1.77 mL/kg/day)の 13 週間経皮投与毒性試験では、局所及び全身的無毒性量はいずれ もメトロニダゾールとして13 mg/kg/day(試験に用いた最高用量)であった。 ミニブタにおけるメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)の 3 ヵ月経皮投与毒性 試験では、メトロニダゾールとして 1 mg/kg/day までの用量で、毒性学的に意義のある局所的毒 性作用は認められなかった。 以上、メトロニダゾールはラット(投与容量 2 mL/kg)及びウサギ(投与容量 1.77 mL/kg)で製 剤中濃度0.75%まで、ミニブタで製剤中濃度 1%(製剤投与量 100 mg/kg)までの経皮投与で局所 的に良好な忍容性を示した。また、これら忍容性を示す最高投与容量及び濃度を局所的に投与し たとき、組織病理学的に標的器官は特定されなかった。

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10

1.2.2 反復経口投与毒性試験(文献データ)

全身毒性については文献データを利用してまとめた情報を提示する。 マウスでは、メトロニダゾール 600 mg/kg/day を混餌で 78 週間投与したとき、CD-1 マウスの雄 で精子形成低下と精巣萎縮及び体重増加率の低下がみられたが、これらの所見は同用量で 92 週 まで投与された CF-1 マウスでは観察されなかった。これらの試験では、生存率に影響はなかっ た。 ラットでは、メトロニダゾール 400 mg/kg/day を混餌で 8 週間投与したとき、受精率の低下が観 察された。また、ラットに300 mg/kg/day までのメトロニダゾールを混餌で 18 週間与えたとき、 精巣重量の低下と精子形成低下、及び中等度の体重増加の減少が認められた。メトロニダゾール 600 mg/kg/day を混餌で 13 週間与えたときにも同様の所見が観察されており、加えて前立腺萎縮 がみられた。混餌投与を 80 週まで延ばした場合、メトロニダゾールは試験で用いた最高用量の 300 mg/kg/day で同様の作用を示し、投与終了後 4 週間の休薬期間中に精巣の回復は認められなか った。 イヌ慢性毒性試験では、メトロニダゾール 150 及び 225 mg/kg/day の経口投与で認められた主な 毒性所見は、中枢神経系関連の臨床徴候(失調性歩行、筋硬直、虚弱)であった。 サルでは、メトロニダゾール225 mg/kg/day を 14 週間強制経口投与したとき、肝毒性がみられた。 150 mg/kg/day で 52 週間までの慢性強制経口投与では、嘔吐、体重増加の減少、及び肝毒性が報 告された。

1.2.3 非経口投与による反復投与毒性試験(文献データ)

ラットにおける 300 mg/kg/day までの 4 週間静脈内投与では、投与に関連する明確な毒性は認め られなかった。 ラットにおける 180 mg/kg/day までの 16 週間皮下投与では、中枢神経系、末梢神 経系に何ら毒性は観察されなかった。 サルにおける2 週間の静脈内投与試験では、240 mg/kg/day で肝毒性が認められた。

1.3 メトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤 、メトロニダゾール ゲル 0.75%(処方変

更前製剤[

Carbopol 940 含有製剤])及びメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤の

局所忍容性試験(申請者試験)

メトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤(製剤組成不明)の皮膚一次刺激性、及びメトロニダゾー ルゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])の眼一次刺激性をウサギを用いて検 討した。いずれについても刺激性は認められなかった。また、0.75%製剤とは基剤処方の異なる メトロニダゾール 1%含有製剤で実施したモルモット皮膚感作性 2 試験において、皮膚感作性は 示されなかった。

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2 単回投与毒性試験

2.1 ラット経口投与急性毒性試験(申請者試験)

1.CG.03.SUM.0441 試験(評価資料 [4.2.3.1.1]、概要表 [2.6.7.5]) メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])の経口投与による急 性毒性が検討された(GLP 準拠)。

2.1.1 材料と方法

体重 237~283g の SD ラット雌雄各 5 匹に、メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤Carbopol 940 含有製剤])を用量 5 g/kg(メトロニダゾールとして 37.5 mg/kg)で単回強制経 口投与した。臨床徴候及び死亡について、投与1、2.5、4 時間後、及びその後は 14 日間連日(臨 床徴候については 1 日 1 回、死亡については 1 日 2 回)観察した。体重については、投与前、及 び投与7 日及び 14 日後に測定、記録した。試験終了時、肉眼的剖検を実施した。

2.1.2 結果

特記すべき臨床徴候も死亡も認められず、体重はすべての動物で試験期間中順調に推移した。

2.1.3 結論

メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])は、ラットに 1 日 1 回強制経口投与したとき、5 g/kg で毒性を示さなかった。LD50は測定されなかったが、5 g/kg を 超える量と考えられた。

2.2 文献データ

Bost 1977 [文献4.3.4.1] マウス及びラットへのメトロニダゾール単回経口、静脈内、腹腔内の投与による急性毒性が報告 されている。 マウスでは、強制経口投与、静脈内投与、及び腹腔内投与による 50%致死量(LD50)が報告され ており(Bost 1977 [文献4.3.4.1])、以下の 3にまとめて示す。

(12)

12 表 3 マウスにおけるメトロニダゾールの急性毒性 性 投与経路 LD50 (mg/kg) 文献に記載なし 強制経口 4350 文献に記載なし 強制経口 4350 雄 強制経口 3500 ± 400 a 雄 静脈内 1169 ± 78 a 雌 静脈内 1260 ± 88 a 雄 腹腔内 3650 ± 325 a a: 値は平均値 ± SE ラットでも強制経口投与、静脈内投与、及び腹腔内投与による LD50値が報告されており(Bost 1977 [文献4.3.4.1])、以下の 4にまとめて示す。 表 4 ラットにおけるメトロニダゾールの急性毒性 性 投与経路 LD50 (mg/kg) 文献に記載なし 強制経口 5000 雄 強制経口 > 5000 雄 静脈内 1574 ± 137 a 雌 静脈内 1575 ± 142 a 雌 腹腔内 5000 a: 値は平均値 ± SE 結論として、メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])は経口 投与で重大な急性毒性を示さない。このことは、原薬メトロニダゾールは、げっ歯類における経 口投与で急性毒性が低く(LD50は約5 g/kg)、次に腹腔内投与となり(LD50は約3.6~5 g/kg)、 静脈内投与では中等度の毒性が認められた(LD50は約 1.2~1.6 g/kg)という文献データからも裏 付けられている。

3 反復投与毒性試験

メトロニダゾールゲル 0.75%は、臨床的には皮膚の潰瘍病変部に適用されるが、潰瘍を取り巻く 損傷のない皮膚にも塗布される。このことから、臨床における使用状況下での安全性評価に資す ることを眼目として、本剤の処方変更前製剤(Carbopol 940 含有製剤)を用いて実施したラット 及びウサギにおける反復経皮投与毒性試験、及びメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)を用いたミニブタ反復経皮投与毒性試験を提示する。このミニブタでの試験は、市販予 定製剤より高濃度のメトロニダゾールが局所的に塗布されたときにも良好な安全性を示すことを 提示するための参考資料として提出するものである。これらの試験はいずれも GLP 準拠試験で ある(表 5)

(13)

13

5 申請者が実施した反復経皮投与毒性試験(GLP試験)のリスト

試験表題 投与製剤 試験番号

Sub-chronic (4 weeks) toxicity study by the cutaneous route in the Sprague-Dawley strain of rat

of Rozex® lotion and Rozex® gel containing metronidazole at 0.75% (w/w) Rozex® lotion 0.75%, Rozex® gel 0.75%(処方変 更前製剤[Carbopol 940 含 有製剤]) 1.CG.03.SRE.8163.GDL (評価資料 [4.2.3.2.1])

13-Week dermal toxicity study in rabbits Rozex® gel 0.75%(処方変 更前製剤[Carbopol 940 含 有製剤])

1.CG.03.SUM.0371 (評価資料 [4.2.3.2.2])

A 3-month dermal toxicity study of metronidazole gel

(1%) in Hanford minipigs メトロニダゾールゲル製剤 1%含有の製 剤) (参考資料 [4.2.3.2.3]) さらに、文献から反復投与毒性試験のデータを入手し得たが、概して GLP が確立する前の 1960 年代~70 年代に実施されたものであった。そのため、経口又は静脈内投与で実施された重要と 思われる試験のみを提示する。一般に、経口及び静脈内投与による試験は、経皮投与による試験 に比し、より高い全身曝露下での毒性プロファイルを評価することができるものと考えられる。 なお、これらの試験のGLP 適合状況については、論文では報告されていない。

3.1 マウス

マウスを用いて実施された反復経皮投与毒性試験に関する資料はない。

3.1.1 マウスにおける経口投与慢性毒性試験

Bost 1977([文献4.3.4.1]、概要表 [2.6.7.6])

CD-1 系 ICR Swiss マウス(雌雄各 40 匹/群)にメトロニダゾール 75、150、600 mg/kg/day を混餌 で78 週間投与した試験の報告がある(Bost 1977 [文献4.3.4.1])。投与はマウスが約 28 日齢のと きに開始された。この試験では、いずれの用量でも生存率に有害な作用は認められなかった。対 照群と比較して有意な所見として、体重増加率の減少が全用量で雌雄ともにみられた。また、精 巣相対重量(比体重)が高用量群の雄で有意に減少、精嚢相対重量(比体重)も中用量群と高用 量群の雄で減少し、高用量群の雌では子宮相対重量(比体重)が減少した。組織学的検査では、 精子形成低下に分類される精巣活動の変化がみられ、各群の発生率は対照群雄の 12%、低用量群 雄の 26%、中用量群雄の 23%、及び高用量群雄の 53%であった。精巣の萎縮も高用量群雄の 23%に観察された(対照群では 5%)。 同論文では、75、150、600 mg/kg/day を約 28 日齢の CF-1 系マウス(雌雄各 40 匹/群)に混餌で 92 週間投与した試験についても報告している(Bost 1977 [文献4.3.4.1])。上記 CD-1 マウスとは 対照的に、対照群と比較してメトロニダゾール投与群の体重増加率に有意な変化はみられなかっ

(14)

14 た。雌で認められたのは、高用量群における心臓相対重量(比体重)の減少のみであった。雄で は、中及び高用量群で心臓重量(比体重)が減少し、3 用量の全群で前立腺相対重量(比体重) が減少した。この試験では、精巣活動の変化は観察されず、生存率にも影響は認められなかった。

3.2 ラット

3.2.1 経皮投与(申請者試験)

1.CG.03.SRE.8163.GDL 試験(評価資料 [4.2.3.2.1]、概要表 [2.6.7.7.A], [2.6.7.3]) OFA SD ラットを用いた 4 週間経皮投与毒性試験(GLP 準拠)が実施された。 本試験の目的は、反復経皮投与により、Rozex® Lotion(メトロニダゾールローション 0.75% w/w)Rozex® Gel(メトロニダゾールゲル 0.75%の処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])の局 所及び全身的忍容性及びトキシコキネティクスについて評価し、比較することであった。

3.2.1.1 材料と方法

OFA SD ラット雌雄各 5 匹からなる 2 群のうち、1 群をローション投与群とし、他の 1 群をゲル 投与群とした。投与を受けない第 3 の同様の群を対照群とした。各製剤 2 mL/kg/day を体表面積 の約10%に相当する部位に 1 日 1 回、28 日間、塗布部位を被覆保護することなく 1 日約 6 時間塗 布された。これは、メトロニダゾールとして15 mg/kg/day の投与量に相当する。一般状態観察を 少なくとも 1 日 1 回実施し、試験終了時に剖検を行なった。血液学的検査及び血液化学的検査用 の採血は、剖検の少なくとも4 日前に行った。 血漿中メトロニダゾール濃度測定用の血液サンプルは、試験終了時(Day 28)、最終塗布後の異 なる時間(投与 2、4、8、24 時間後)に各動物から採取した。剖検では、主要器官の肉眼検査及 び組織学的検査を詳細に実施した。 サテライト群24 匹中 20 匹の SD ラットには、ローション又はゲル製剤のいずれか(各 10 匹、雌 雄各 5 匹ずつ)を単回経皮投与(2 mL/kg)し、残り 4 匹(雌雄各 2 匹)を無処置の対照群とし た。Day 1 の投与 4 時間後に血漿中メトロニダゾール測定用の採血を行った。

3.2.1.2 結果

試験中、死亡も臨床徴候も認められなかった。体重増加と摂餌量は投与群と対照群で同様であっ た。いずれの群でも皮膚刺激の徴候は観察されなかった。週平均の刺激指数は、雌雄とも全群で 0 であった。 白血球数の有意な減少が、ローション又はゲル製剤を投与された雌で認められたが、毒性学的意 義のない変化と考えられた。

(15)

15 各製剤を投与された動物の血液化学検査値に種々の変化が観察された。両製剤を投与された雄に みられたアルカリホスファターゼ及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの減少は統計学 的に有意ではあるが毒性学的意義のない変化と考えられた。同様に、ゲル製剤を投与された雄の トリグリセリド値の減少も変化の程度が小さく、毒性学的意義ある変化とは考えられなかった。 投与期間終了時のその他の血液化学所見として、ローション又はゲル製剤を投与された雄、及び ローション製剤を投与された雌における有意な血中カリウム値の低下とローション又はゲル製剤 を投与された雄におけるナトリウム値の上昇があった。 ゲル製剤を投与された雌で、肝重量が増加したが、相対重量(比体重)は正常であった。 ゲル製剤(メトロニダゾールとして15 mg/kg/day)の単回塗布 4 時間後(Day 1)におけるメトロ ニダゾールの平均血漿中濃度は雄で 75 ng/mL、雌で 84 ng/mL であった。反復投与後、平均メト ロニダゾール濃度の最高値は雌雄とも投与 2 時間後に観察され、4 時間後の平均濃度は雄で 559 ng/mL、雌で 705 ng/mL であった(概要表 [2.6.7.3])。

3.2.1.3 結論

いずれの投与群においても皮膚刺激徴候は認められず、観察されたわずかな変化も毒性学的意義 のないものと考えられた。無毒性量はメトロニダゾールとして 15 mg/kg/day と判断された。

3.2.2 経口投与

Bost 1977([文献4.3.4.1]、概要表 [2.6.7.6])、 McClain et al. 1989([文献 4.3.4.3]、概要表 [2.6.7.6]) メトロニダゾール25 mg/kg/day 及び 50 mg/kg/day を 4 週間経口投与されたラット(文献に系統の 記載なし)では、対照群に比し、体重、血球数、腎及び肝機能になんら変化は認められなかった (Bost 1977 [文献4.3.4.1])。 雄性Crl:CD (SD) BR ラット(1 群 10 匹)にメトロニダゾール 0、25、100、400 mg/kg/day が混餌8 週間投与された。受胎能の低下が高用量群(400 mg/kg/day 群)で投与 6 週間後に観察された。 投与 8 週間後に屠殺された高用量群の雄ラットでは、精巣及び精巣上体重量の顕著な減少、精巣 の精子細胞数と精巣上体精子数の顕著な減少が観察された。高用量群のラットでみられた精巣上 体精子の大部分は形態学的に異常であった。組織学的には、精上皮の重度の変性が、高用量群の 精巣で観察され、精細管は、概して一次又は二次精母細胞及び精子細胞を欠いていた(McClain et al. 1989 [文献 4.3.4.3])。 メトロニダゾール600 mg/kg/day を混餌で 13 週間投与されたラット(文献に系統の記載なし)で は、体重増加率の顕著な低下とともに、高頻度で精巣ジストロフィーと前立腺萎縮がみられた (Bost 1977 [文献4.3.4.1])。

(16)

16 メトロニダゾール 75、150、300 mg/kg/day を混餌で 18 週間投与されたラット(文献に系統の記 載なし)では、中等度の成長の低下(6~10%)がみられた。精巣重量の減少が高用量群の雄で 観察された。組織学的検査でも、高用量群の数匹の雄で精子形成低下がみられた。他に投与関連 の影響はみられなかった(Bost 1977 [文献4.3.4.1])。 ラット(文献に系統の記載なし)にメトロニダゾール 75、150、300 mg/kg/day を混餌で 80 週間 投与した試験では、生存率に影響は認められず、体重増加率は概して減少した。いずれの用量で も一貫性のある投与関連の検査所見は観察されなかった。300 mg/kg/day で精巣ジストロフィー が周期的にみられ、28 週間の回復期間に回復はみられなかった(Bost 1977 [文献4.3.4.1])。

3.2.3 非経口投与

3.2.3.1 静脈内投与

Bost 1977([文献4.3.4.1]、概要表 [2.6.7.6]) メトロニダゾール塩酸塩を用いて、ラット(文献に系統の記載なし)に 60、150、300 mg/kg/day の静脈内投与を 4 週間行ったところ、血圧、血液学的所見、血液化学的検査所見に大きな変化は みられなかった。また、体重及び体重増加は対照群と同等であった。剖検所見にも顕著な変化は みられなかった。

3.2.3.2 皮下投与

Bradley et al. 1977([文献 4.3.4.2]、概要表 [2.6.7.6]) メトロニダゾールの末梢神経毒性作用を検討するため、Wistar ラットにメトロニダゾール 90 mg/kg 及び 180 mg/kg を 1 日 1 回皮下投与した(6 匹/群)。メトロニダゾールは生理食塩水に溶 解した 0.5%溶液として投与された。対照群(4 匹)には、同じ投与容量の生理食塩水が皮下投与 された。投与は 16 週間継続して行なわれた。大脳半球、小脳、脳幹、頸髄、腰髄、後根神経節、 坐骨神経(大腿部及び足首の位置)、長趾伸筋、及び内臓の組織切片が調製された。筋肉内神経 をふくめ、中枢及び末梢神経系に何ら変性性の変化はみられなかった。さらに、高用量(180 mg/kg)群ラット 3 匹、低用量(90 mg/kg)群 3 匹、対照群 3 匹を用いて、3H-チミジンと 14C-ウ リジンでの 1 時間のパルス標識により、脳、脊髄、後根神経節における DNA、RNA 合成を測定 した。メトロニダゾール投与群と対照群の動物で、放射能の取り込みに有意差はみられなかった。

(17)

17

3.3 ウサギ

3.3.1 経皮投与(申請者試験)

1.CG.03.SUM.0371 試験(評価資料 [4.2.3.2.2]、概要表 [2.6.7.7.B]) ウサギを用いた13 週間反復経皮投与毒性試験(GLP 準拠)が実施された。 本試験では、メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])の反復 経皮投与による、局所及び全身的忍容性が評価された。

3.3.1.1 材料と方法

若年のHra:ニュージーランド白色 SPF ウサギ(雌雄各 5 匹/群)に、3 用量のメトロニダゾールの 経皮投与を週 5 日、13 週間以上行なった。3 用量は、メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前 製剤[Carbopol 940 含有製剤])0.017、0.18、1.77 mL/kg/day で、それぞれメトロニダゾール 0.13、1.3、13 mg/kg/day に相当する。基剤対照群にはゲル基剤 1.77 mL/kg を投与した。これらの 被験物質は剪毛した皮膚(体表面積の約 10%)に開放塗布し、約 24 時間毎に拭き取り除去した。 なお、柔軟なプラスチック・カラーが試験中連続的に装着された。一般状態観察及び皮膚刺激性 のスコア化を1 日 1 回行った。体重と摂餌量は週 1 回測定した。所定項目の血液学的検査及び血 液化学的検査は投与前と予定の屠殺時に実施した。全動物を屠殺し、肉眼観察を実施した。器官 重量測定は、脳、腎臓、肝臓、及び精巣(精巣上体付き)について実施した。対照群と高用量群 の動物の所定組織につき、顕微鏡観察を行なった。

3.3.1.2 結果

対照群と比較して、メトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤]) 投与群の動物に投与関連の皮膚所見はみられなかった。体重及び体重増加率は対照群と同等であ った。血液学的及び血液化学的検査データにも薬物投与関連の影響は認められず、最終的な体重 及び臓器重量にも影響はみられなかった。さらに、肉眼的、顕微鏡的病理所見にも薬物関連の変 化は観察されなかった。

3.3.1.3 結論

試験結果から、本試験における無毒性量は使用した最高用量の13.0 mg/kg/day と判断された。

(18)

18

3.4 イヌ(文献データ)

イヌを用いた反復投与毒性試験は実施していない。また、イヌの反復経皮投与毒性試験に関して 利用可能な文献は特定されなかった。

3.4.1 イヌを用いた慢性経口投与毒性試験

Bost 1977([文献4.3.4.1]、概要表 [2.6.7.6]) イヌを用いた慢性毒性試験(文献に動物の系統及び投与期間の記載なし)において、メトロニダ ゾール(ゼラチンカプセルに充填)が、75、 110、150、225 mg/kg/day の用量で経口投与された。 その結果、150 及び 225 mg/kg/day で中枢神経系に対する明確な影響が認められた。すなわち、失 調性歩行、筋硬直、及び振戦の徴候があり、その後重度の虚脱がみられた(Bost 1977 [文献 4.3.4.1])(CTD「2.6.2 薬理試験の概要文」の [4.1.4] 項参照)。 第2 の試験では、225 mg/kg/day を投与されたイヌ(文献に系統及び投与期間の記載なし)の脳の 病理組織学的検査において、観察された失調性歩行、筋硬直、及び振戦を説明できるような形態 学的変化は認められなかった。それらの症状は、明らかな症状として出現後、投与中止により消 失するもののようであった。回復に要する期間は約 1 週間であった(Bost 1977 [文献 4.3.4.1])CTD「2.6.2 薬理試験の概要文」の [4.1.4] 項参照)。

3.5 サル(文献データ)

サルを用いた反復投与毒性試験は実施していない。また、サルの反復経皮投与毒性試験に関して 利用可能な文献は特定されなかった。

3.5.1 サルを用いた経口投与毒性試験

Bost 1977([文献4.3.4.1]、概要表 [2.6.7.6]) サルを用いた 14 週間の試験(文献に系統の記載なし)では、雌雄の動物に 45、100、225 mg/kg/day が強制経口投与された。体重増加、血液化学的検査値、血液学的検査値は概して生理 学的変動の範囲内にあった。組織学的には、肝臓において、高用量群で淡染性の細胞質と若干の 肝細胞肥大がみられた。その他に毒性徴候は観察されなかった (Bost 1977 [文献4.3.4.1])。 サルを用いた 52 週間の試験(文献に系統の記載なし)では、メトロニダゾール 75、150 mg/kg/day が週 6 日、強制経口投与された。メトロニダゾール投与群において嘔吐が散発的にみ られ、体重増加の減少もみられた。サルを用いた亜慢性試験の場合と同様に、薬物関連の有害所 見は、肝細胞の大きさの変化、肥大肝細胞核の存在、多核肝細胞の存在といった、肝臓の組織学 的変化のみであった。これらの変化は、細胞の再生を示すものである可能性が示唆される(Bost 1977 [文献4.3.4.1])。

(19)

19

3.5.2 サルを用いた静脈内投与毒性試験

Bost 1977([文献4.3.4.1]、概要表 [2.6.7.6]) サル(文献に系統の記載なし)を用いた 2 週間静脈内投与試験(メトロニダゾール塩酸塩使用) では、60、120、240 mg/kg/day の用量が投与された。唯一の有害な組織学的所見として、初期の 変性変化と散発的な肝細胞壊死を伴う肝臓の小葉中心性~びまん性の腫脹が高用量群の 4 匹中 3 匹で観察された。サルにおけるメトロニダゾールの毒性作用は肝臓における顕微鏡的変化に限ら れ、関連する血清中酵素濃度の変化は伴わないものと思われた(Bost 1977 [文献4.3.4.1])。

3.6 ミニブタ

3.6.1 経皮投与(申請者試験)

試験(参考資料 [4.2.3.2.3]、概要表 [2.6.7.6], [2.6.7.3]) Hanford ミニブタを用いたメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)の3 ヵ月反復経 皮投与毒性試験(GLP 準拠)が実施された。

3.6.1.1 材料と方法

Hanford ミニブタ(雌雄各 4 匹/群)の 3 群に、1 日 1 回、メトロニダゾールとして 0.1、0.3、1 mg/kg/day に相当する メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)10、30、100 mg/kg/day を経皮投与(局所塗布)した。 同様の第 4 の群には、ゲル基剤を高用量群と同じ投与 容量で投与した。塗布後、その部位は非閉塞性の包帯とメリヤス編みの保護スリーブで保護され た。次からの毎回の塗布前に、塗布部位を生理食塩水に浸したガーゼで優しく拭き取った。毒性 評価項目は、一般状態、皮膚症状、体重、血液学的検査、血液化学的検査、眼科学的検査、心電 図(ECG)、及び死後検査とした。さらに、トキシコキネティクス評価のために、投与期間終了 時に採血を行った。

3.6.1.2 結果

薬物投与関連の死亡及び全身毒性の臨床徴候はなかった。比較的軽度の臨床所見は数多く認めら れたが、投与に関連してはいなかった。皮膚所見は、高用量群(100 mg/kg/day)の 3 匹(計 6 事 例観察された雄 2 匹と計 1 事例の雌 1 匹)における一過性のグレード 1(非常に軽度)の紅斑に 限られていた。その他の皮膚所見はすべて、紅斑も浮腫もグレード 0 のスコアとなった。平均絶 対重量や体重の変化については、群間に被験薬に関連する差は認められなかった。統計学的有意 差は、14~21 日目における低用量群(10 mg/kg/day)の雌における体重増加の上昇と 84~90 日目 における10 mg/kg/day 群の雄における体重減少についてのみ認められた。試験終了時の体重は、 中用量群(30 mg/kg/day)と高用量群(100 mg/kg/day)の雄で、対照群に比し、9~10%低く、低 用量群の雄と全メトロニダゾール投与群の雌では減少はみられなかった。

(20)

20 血液学的検査及び凝固パラメータで統計学的有意差が認められたのは、低用量群の雄における平 均細胞ヘモグロビン濃度低値(試験前)、高用量群の雄における活性化部分トロンボプラスチン 時間高値(Day 46)、低用量群と高用量群の雌におけるプロトロンビン時間低値(46 日目)、及 び低用量群の雌におけるリンパ球高値(Day 46 及び Day 90~92)のみであった。これらの差は、 薬物投与には関連しないものと考えられた。血液化学パラメータで統計学的有意差がみられたの は、低用量群の雌におけるアルカリホスファタ-ゼ(Day 90~92)、クレアチニン及びカリウムDay 46)の高値、中用量群の雌における総タンパク低値(Day 46)、及び低用量群、中用量群、 高用量群の雌におけるコレステロール低値(試験前)に限られた。これらの差は薬物投与には関 連しないものと考えられた。 眼の異常はみられなかった。心電図検査では、被験物質に起因する変化はみられなかった。剖検 の肉眼検査では、薬物関連の作用を示唆する所見はみられなかった。器官の絶対重量や相対重量 (比体重)に、群間で統計学的に有意な、もしくは明らかな差は認められなかった。 大部分の動物における血清中メトロニダゾール濃度は、定常状態下での経皮投与後 24 時間まで の各採血時において、定量下限(LLOQ、 5.51 ng/mL)未満にとどまった。低用量群の 8 匹中 1 匹、中用量群の 8 匹中 4 匹、高用量群の 8 匹中 3 匹で、LLOQ を超えるメトロニダゾール濃度が 投与後 24 時間の間に観察された。メトロニダゾールの最高血清中濃度(Cmax)は低、中、高用 量群で同程度であった(表 6)。本試験では、病理組織学的検査は実施しなかった。 表 6 ミニブタを用いたメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤の 3 ヵ月反復経皮投与毒性試験 ( 試験)におけるTKデータ 群 (メトロニダゾ ール投与量、 mg/kg/day) 採血時間 (投与後時間) 血清中メトロニダゾール濃度(ng/mL) 0.5 1 2 4 8 24 基剤群 (0) 雄 BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ 雌 0 BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ 雄 + 雌 BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ 低用量群 (0.1) 雄 2.78 2.22 1.58 BLQ BLQ BLQ 雌 BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ 雄 + 雌 1.38 1.11 0.79 BLQ BLQ BLQ 中用量群 (0.3) 雄 3.37 3.87 5.81 3.05 BLQ BLQ 雌 BLQ BLQ 1.88 BLQ BLQ BLQ 雄 + 雌 1.69 1.93 3.84 1.52 BLQ BLQ 高用量群 (1) 雄 5.52 6.92 6.68 3.26 BLQ BLQ 雌 BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ BLQ 雄 + 雌 2.76 3.46 3.34 1.63 BLQ BLQ 値は平均値(雌雄各n = 4)、BLQ:定量限界未満((LLOQ = 5.51 ng/mL)

(21)

21

3.6.1.3 結論

病理組織学的検査を実施していないため、本試験では明確な無毒性量は決定されなかったが、ミ ニブタにメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)を 3 ヵ月局所塗布したとき、塗 布局所での良好な忍容性が認められ、全身毒性はみられなかった。

4 遺伝毒性試験

該当資料なし

5 がん原性試験

該当資料なし

6 生殖発生毒性試験

該当資料なし

7 局所忍容性試験

メトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤(製剤組成不明)を用いた皮膚一次刺激性試験及びメトロ ニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])を用いた眼一次刺激性試験 が実施された(いずれもGLP 準拠)。 また、メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)を用いて実施された皮膚感作性試 験 2 試験のデータも提示する。これらの皮膚感作性試験は、0.75%製剤では皮膚感作性が評価さ れていないことを考慮し、より高濃度(1%)のメトロニダゾールを含有する製剤でも皮膚感作 性は発現しないことを示すために提出することとした。

7.1 ウサギを用いたメトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤及びクリーム製剤の皮膚

一次刺激性評価(正常皮膚及び

擦過皮膚)(申請者試験)

1.CG.03.SUM.0432 試験(参考資料 [4.2.3.6.1]、概要表 [2.6.7.16]) 本試験では、メトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤(製剤組成不明)と同クリーム製剤、及びそ れぞれの基剤の皮膚一次刺激指数が、正常皮膚及び擦過皮膚について測定された。本 CTD では ゲル製剤に関連する結果のみを詳細に記載する。

7.1.1 材料と方法

ニュージーランド白色ウサギを用い、4 群を設定した(6 匹/群)。各群の動物にそれぞれメトロ ニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤(製剤組成不明)、ゲル基剤、メトロニダゾール 0.75% w/w 含有クリーム製剤、クリーム基剤を投与した。試験開始の 24 時間前に、体幹の背部中央の被毛 を剪毛した。試験開始直前に、脊柱を挟んだ両側に位置する 2 部位を試験部位(投与部位)とし

(22)

22 て選択した。各動物の左側の試験部位は、無擦過のままとし(正常皮膚)、右側の部位は、角質 層を貫通するまで充分に深く、しかし真皮の完全性を損なうほどには深くはない、(すなわち出 血はしない)程度の深さまで縦方向の表皮切開で擦過を行った(擦過皮膚)。各被験物質0.5 mL を、動物毎に正常皮膚の試験部位1箇所と、対称位置の擦過皮膚の試験部位 1 箇所に塗布し、閉 塞固定した。塗布 24 時間後にパッチを除去した。各試験部位を塗布 24 時間及び 72 時間後に検 査し、紅斑と浮腫につきそれぞれ 4 段階の尺度でスコア化した。全スコアの合計を平均して皮膚 一次刺激指数を算出した。被験物質の指数が5 以上のとき、皮膚一次刺激物に分類される。

7.1.2 結果

結果を表 7にまとめて示す。 表 7 皮膚一次刺激指数 被験物質 平均刺激スコア 皮膚一次刺激指数 メトロニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤 正常皮膚 1 0.50 擦過皮膚 1 ゲル基剤 正常皮膚 0.7 0.43 擦過皮膚 1 1.CG.03.SUM.0432 試験(参考資料 [4.2.3.6.1]) メトロニダゾール 0.75% w/w 含有ゲル製剤及びその基剤の皮膚一次刺激指数はそれぞれ 0.50 と 0.43 であり、それぞれ 1.50 と 1.68 を示したメトロニダゾール 0.75%含有クリーム製剤及びその基 剤に比べ刺激性が低かった。メトロニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤及びその基剤の平均刺激 スコアは正常皮膚と擦過皮膚で非常に近い値であった。

7.1.3 結論

メトロニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤及びその基剤の皮膚一次刺激性は、極めて軽度であっ た。

(23)

23

7.2 ウサギを用いたメトロニダゾール 0.75%含有ゲル製剤及びローション製剤の皮

膚一次刺激性評価(正常皮膚及び

擦過皮膚)(申請者試験)

1.CG.03.SUM.0436 試験(参考資料 [4.2.3.6.2]、概要表 [2.6.7.16]) 本試験では、メトロニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤(製剤組成不明)と同ローション製剤、 及びそれぞれの基剤の皮膚一次刺激指数が、正常皮膚及び擦過皮膚について測定された。本 CTD ではゲル製剤に関連する結果のみを詳細に記載する。

7.2.1 材料と方法

ニュージーランド白色ウサギを用い、4 群を設定した(6 匹/群)。各群の動物にそれぞれメトロ ニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤(製剤組成不明)、ゲル基剤、メトロニダゾール 0.75% w/w 含有ローション製剤、ローション基剤を投与した。試験開始の 24 時間前に、体幹の背部中央の 被毛を剪毛した。試験開始直前に、脊柱を挟んだ両側に位置する 2 部位を試験部位(投与部位) として選択した。各動物の左側の試験部位は、無擦過のままとし(正常皮膚)、右側の部位は、 角質層を貫通するまで充分に深く、しかし真皮の完全性を損なうほどには深くはない、(すなわ ち出血はしない)程度の深さまで縦方向の表皮切開で擦過を行った(擦過皮膚)。各被験物質 0.5 mL を、動物毎に正常皮膚の試験部位1箇所と、対称位置の擦過皮膚の試験部位 1 箇所に塗布 し、閉塞固定した。塗布 24 時間後にパッチを除去した。各試験部位を塗布 24 時間及び 72 時間 後に検査し、紅斑と浮腫につきそれぞれ 4 段階の尺度でスコア化した。全スコアの合計を平均し て皮膚一次刺激指数を算出した。被験物質の指数が 5 以上のとき、皮膚一次刺激物に分類される。

7.2.2 結果

結果を表 8 にまとめて示す。 8 皮膚一次刺激指数 被験物質 平均刺激スコア 皮膚一次刺激指数 メトロニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤 正常皮膚 0.5 0.35 擦過皮膚 0.9 ゲル基剤 正常皮膚 0.2 0.10 擦過皮膚 0.2 1.CG.03.SUM.0436 試験(参考資料 [4.2.3.6.2])

(24)

24 メトロニダゾール 0.75% w/w 含有ゲル製剤及びその基剤の皮膚一次刺激指数はそれぞれ 0.35 と 0.10 であり、それぞれ 1.25 と 1.03 を示したメトロニダゾール 0.75% w/w 含有ローション製剤及 びその基剤に比べ刺激性が低かった。メトロニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤及びその基剤の 平均刺激スコアは正常皮膚と擦過皮膚で非常に近い値であった

7.2.3 結論

メトロニダゾール0.75% w/w 含有ゲル製剤及びその基剤の皮膚一次刺激性は、極めて軽度であっ た。

7.3 ウサギを用いた眼一次刺激性試験(申請者試験)

1.CG.03.SUM.0440 試験(評価資料 [4.2.3.6.3]、概要表 [2.6.7.16]) ウサギの眼にメトロニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])を単回 投与して生じる相対的刺激レベルが検討された。

7.3.1 材料と方法

3 匹のニュージーランド白色ウサギのそれぞれの片側の眼の下眼瞼を反転させ、結膜嚢にメトロ ニダゾールゲル 0.75%(処方変更前製剤[Carbopol 940 含有製剤])0.1mL を点眼した。投与し た製剤の流出を防ぎ、上眼瞼と下眼瞼を1秒間穏やかに合わせ保持した後、解放した。もう片方 の眼は、無処置対照とした。眼は 24 時間洗い流さず、投与 1、24、48、72 時間後に刺激反応を 検査した。投与 72 時間後の検査時に、角膜損傷の可能性を調べるために、フルオレセインナト リウムを使用した。刺激性は、4 段階の尺度を用いてスコア化した。

7.3.2 結果

被験物質の点眼後いずれの動物でも疼痛反応(異常発声)は認められず、角膜や虹彩の刺激徴候 も試験期間中どの動物でもみられなかった。さらに、72 時間時点でのフルオレセインナトリウ ム検査も全動物で陰性であった。点眼の1 時間後に動物 1 匹で通常とは異なる量の澄明な分泌物 がみられた。

7.3.3 結論

本製剤は、ウサギ眼一次刺激性を示さなかった。

(25)

25

7.4 メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤の皮膚感作性試験 (Maximization Test)

(申請者試験)

試験(参考資料 [4.2.3.6.4]、 概要表 [2.6.7.16]) Hartley モルモットにメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)を皮内注射及び局所 塗布の組み合わせで投与したときの、皮膚感作性が評価された。

7.4.1 材料と方法

Hartley モルモット(雌雄各 5 匹/群)の肩甲骨部の被毛を剪毛し、最初の感作処置の 24 時間前に 3 対の皮内注射部位を設定した。動物には、感作処置として次のような皮内注射(各 0.1 mL)を 行なった。すなわち、2 部位に完全フロイントアジュバント(FCA)、2 部位に脱イオン水に溶 解したメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤 (ロット番号 )の 5%溶液、2 部位FCA とのエマルジョンとしたメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤 (ロット番号 )の 5%溶液を皮内投与した。なお、用量設定試験において、このメトロニダゾール 1%含有 ゲル製剤は 5%を超える濃度では刺激性があることが示されていた。Day 6 に、皮内注射部位の 被毛を剪毛し、10% w/w ラウリル硫酸ナトリウム含有ワセリン軟膏 0.5 mL を皮内注射部位に塗 布した。Day 7 に、残存するラウリル硫酸ナトリウムを除去し、各処置部位に、メトロニダゾー1%含有ゲル製剤 (ロット番号 )0.8 mL を塗布した パッチ(2×4 cm) を貼布した。パッチをそのまま 48 時間放置した後、適用部位を最初に脱イオン水で湿したガー ゼで、次に乾いたガーゼで清拭した。最終投与の 2 週間後、誘発処置としてメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤 0.3mL を、25 mm の TMを用いて24 時間右側腹側部に貼布した。 対照群も同様に処置した。部位は、誘発処置 24 時間及び 48 時間後に誘発処置部位の皮膚反応を 観察、評価した。

7.4.2 結果

皮内投与用量設定試験の結果から、脱イオン水に溶解した 5% w/v の被験物質が皮内投与による 感作処置に適切であることが示された。これは、Magnusson と Kligman の試験法に必要な全身毒 性を示さず、投与部位での局所反応のみを生じさせる最も高い皮内投与濃度であった。局所塗布 用量設定試験の結果から、局所塗布による感作処置と誘発処置のいずれについても被験物質の原 液の使用が、適切であることが示された。メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤の原液での誘発処 置後、皮膚反応は試験群及び対照群の全動物で、0~0.5 のスコアに限られていた。皮膚反応の群 平均スコアは、試験群と対照群で同様であった。動物の体重は、感作期間中順調に増加した。

7.4.3 結論

Maximization Test 法で実施した皮膚感作性試験において、メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤 ( の製剤)は非感作性物質と評価された。 *新薬承認情報提供時に置き換え A* A* A*

(26)

26

7.5 メトロニダゾール 1%含有ゲル製剤のMaximization感作性試験(ISO)(申請者

試験)

試験(参考資料 [4.2.3.6.5]、概要表 [2.6.7.16]) Hartley モルモットにメトロニダゾール 1%含有ゲル製剤( の製剤)を皮内注射及び局所 塗布の組み合わせで投与したときの、皮膚感作性が評価された。

7.5.1 材料と方法

主試験で使用する被験物質の濃度を決定するため、用量設定予備試験を実施した。主試験では、 動物は 4 群、すなわち、12 匹の試験群(被験物質投与群)、6 匹の陰性(溶媒)対照群、6 匹の 陽性対照群、及び 6 匹の非感作陽性対照群に分けられた。溶媒対照には注射用水を使用した。陽 性対照には、1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン(DNCB)を使用した。 モルモットはまず、9 日間継続する感作段階において、被験物質と対照物質に曝露された。この 段階では、被験物質と対照物質はまず皮内注射された(0.1 mL/部位)。皮内注射のために、被験 物質は注射用水で希釈し、25% v/v 溶液とした。試験群には一対ずつの部位に、この被験物質 25% v/v 注射用水溶液、被験物質 25% v/v 注射用水溶液と FCA とのエマルジョン、及び注射用水 と FCA のエマルジョンを皮内注射した。陽性対照群には、同様に DNCB(陽性対照物質)、 DNCB と FCA のエマルジョン及び注射用水と FCA のエマルジョンを、また陰性対照群には FCA 単独、及び注射用水と FCA のエマルジョンを、いずれも皮内注射した。皮内注射の 7 日後、無 希釈の被験物質製剤、注射用水、及び陽性対照物質溶液を、各群における皮内注射の部位と同じ 部位に局所塗布した(各物質とも、0.4 mL を 製のパッチを用いて貼布)。 この局所塗布による曝露は48 時間した。 局所塗布による感作処置の14 日後、各物質 0.3 mL を塗布した TMの貼布により 誘発処置を行った。誘発処置には、動物の側腹部の未処置の部位に無希釈の被験物質製剤と対照 物質を貼布、24 時間放置した。貼布チャンバー除去の 24、48、及び 72±2 時間後に誘発処置部位 の皮膚反応を観察し、紅斑と浮腫につきスコア化して評価した。

7.5.2 結果

試験群及び対照群の動物はすべて健康と観察され、試験期間中、毒性徴候は認められなかった。 皮内投与スクリーニングでは、高い方から2 濃度、すなわち注射用水中、100% v/v と 50% v/v で は、組織壊死を起こした。そのため、感作処置のための皮内注射には 25% v/v の希釈液の使用が 選択された。また、局所塗布で検討したどの濃度でも被験物質に対する反応がみられなかったこ とから、感作処置及び誘発処置のいずれについても局所塗布(貼布)のためには 100%の濃度 (すなわち、無希釈)が選択された。被験物質製剤群と陰性対照群の紅斑のスコアは0 と 1 の範 囲内にあり、浮腫反応はなかった。試験期間中、全動物が正常な体重増加を示した。

表  5  申請者が実施した反復経皮投与毒性試験(GLP試験)のリスト

参照

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