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大学における生活科教育の教材開発 と実践

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BulletinofFacultyofEducation,NagasakiUniversity:CurriculumandTeachingNo.47(2007)5771

大学における生活科教育の教材開発 と実践

富山 哲之 *

(平成18年10月31日受理)

A

StudyofTeachingMaterialsDevelopmentandPracticeof LifeEnvironmentalEducationinaUniversity

NoriyukiTOMIYAMA *

(ReceivedOctober31,2006)

1.はじめに

今か ら17年前,1989年 (平成元年) の学習指導要領 の改訂 において,小学校低学年 の 理科 と社会科が廃止 されて新 たに生活科 が設置 された。 この ことは我が国の小学校教育史 上画期 的な出来事 であ った。生活科では,子供達が身近 な人 々,社会及 び 自然 と直接 関わ る具体 的 な活動 や体験 を通 して学習す る こ と等 を重視 してい る それ に必要 なこ ととし て,遊 び も学習活動 と認めてい るこ とは,新学習指導要領 1)に記 されてい る通 り論 を待 たない。以来,幼稚 園 と小学校 の連携 を一層緊密化 してい る 学習の場 を子供 たちの生活 圏であ る地域 に求 め, その方法 と して, 町探検 学習,栽培学習,観察学習, フィール ド ワーク等の直接体験 を取 り入れて地域 との関わ りを重視 した様 々な手法2)が見 られ る

1992年度改訂 の教 育課程 に基 づいて生活科 の学習経験 のある子供達 は今 や大学生 の年 齢 に達 している 筆者 は,本学 の生活科 関連の講義の中で将来教 師 を目指す学生達 に対 し て活動や体験 を取 り入れた授業 を行 ってお り,科学的な探求の視 点か ら,身近 な自然体験 や物作 り教材 の有効性 について拙稿 で考察す る ここでは 「作 る ・遊ぶ ・学ぶ」 とい う言 葉で表現 される体験活動 を主体 に した大学生のための生活科 の教材 開発 を行 い実践 した。

本稿 では,大学構 内の樹木の調査,身近 な物の形 と強 さの秘密,子供の遊 びに応 える等 の教材 としての有効性や学生達の反応 と学習の効果 を調べ た結果 について述べ る

2.開発 した教材の概要 2・1 大学構 内の樹木の調査

2・1・1大学構 内の樹木 を対象 に したネイチ ャーゲーム [A]フィール ドビンゴゲームの要領

アメ リカのナチュラ リス トであるジ ョセ フ ・コ‑ネル(JosephB.Cornell)はネイチ ャー ゲーム を考案3)した。 これは五感 を使 って 自然や環境 について直接体験 ・理解す る野外活 動 の プログラムであ り,現在,多 くの種 類 の活動が知 られてい る 四季 折 々に子供達が

*長崎大学教育学部理科

(2)

58 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47(2007年)

ゲームを通 じて自然 と触れ合い何かに気付 き,みんなが振 り返 りなが ら,また,楽 しみな が ら自然 を学び,体験で きるとい うものである

我々が普段見過 ごしている樹木で も季節の変化 を追 って観察することで,樹木の変化や 成長について興味や関心 を引 き出す ことがで きる 身近な樹木の多様性 に気付 き,その理 由を考え,生活上の関連 を認識する切 っ掛 けにもで きる 自然界の植物 は,昼間に酸素 を 放出 し二酸化炭素 を吸収するので動物の生命維持 はもとより人間の健康維持 に役立ってい る 都市圏では,公園や道路沿いの樹木の役割 として交通騒音が軽減で きる また,火災 による延焼防止, 自然災害の防止効果等 も期待で きる

長崎大学‑の通学路 には,プラタナスやクロガネモチ,ナ ンキンハゼ等の色 々な種類の 街路樹が植栽 されている 大学構内には,長崎の樹木の特徴 ともいえる中国か ら渡来 した ナ ンキンハゼ, トウネズ ミモチ,メタセコイア等がある ナンキンハゼが長崎 に渡来 した のは江戸時代の享保年間の こと 長崎の大浦地区に昭和10年頃我が国で最初 に街路樹 と

して植 えられた といわれている

ここでは,身の回 りの自然 との触れ合いを樹木 を対象 にフィール ドビンゴを行 うことに よ り,樹木 に親 しみ,その中には様 々な樹木の姿,形があることを実感 したい。生木や花 を無闇に手折 ることは慎 んで木々との対話 を心掛 けたい。また, 自分のお気 に入 りの木 を 探 してその木の良 さを見付 ける

[B]ゲームの進め方

(ア)各 自は, ビンゴカー ド (ビンゴカー ドを資料 1に掲載) に1‑36までの数字 を続 けて自由に記入 し, 自分 だけのオ リジナルなカー ドを作 る この数字 は樹木 リス ト (樹木 リス トを資料2に掲載)の通 し番号である

(イ)6名ずつのグループを構成す る 所定時間45分間で各 グループは計画 した経路で 大学構 内を巡る グループ内で協力 しなが ら目当ての木 を探す。

(ウ) 目当ての木 を観察するときには,その木の落ち葉や木の実等 を拾い ビニール袋に集 める 後での確認に役立てる

(エ)樹木 リス トに記 された ものを探 し当てた ときは各 自の ビンゴカー ドの番号 を○で囲 む。

(オ)所定時間45分間内に縦 ・横 ・斜めの どれで も多 くの列 (ビンゴ) を揃 える

(カ)一度集合 し,グループごとにビンゴゲームの結果 を発表する また,樹木 リス トの 樹木の所在場所 を明 らかにする

2・1・2 メタセコイアと樹木の高さ [Ⅰ]メタセコイアの由来

長崎大学構 内に 「生 きている化石」 と呼 ばれる落葉性 のメ タセ コイア [Metasequoia glyptostroboides](和 名 はアケボノスギ,̲中国名 は水杉)が ある セ コイア [sequoia]

の名称 はアメ リカの先住 民 チ ェロキー族 の酋長 の名 を記念 した とい われ る この名 が付 くもの に,常 緑 性 の セ コイ ア メス ギ [SequoiaseTnPerUirens], セ コイ アオス ギ [Sequoiadendron]がある アメリカ西海岸 の ヨセ ミテ国立公園のセコイアの樹林 は有名 である

メタセコイアは,1941年 (昭和 16年),古生物学者の三木 茂氏が近畿地方の化石植物 の研究を進めてい く中で,ヌマスギヤセコイアとは異 なる特徴 をもつ新属新種 の化石植物

(3)

富山哲之 :大学における生活科教育の教材開発 と実践 59 を発見 しその名 を与 えた。数年後の1945年 (昭和20年),中国の四川省 と湖北省 の省境 付近で無名の木が発見 された。図 らず もそれがメタセコイアであった。化石か ら先 に発見 された後,その実在が明 らかにされると, この樹木は 「生 きた化石」 として学界で広 く知 れ渡 り,世界各地の流行樹 となる 中国ではセコイアに世界爺の語句 を当てる この樹木 は長寿であ り生長すると世界で最 も高い樹高に達することの意味 も含んでいる

メタセコイアは植物学者の外 山三郎氏が1957年 (昭和32年)頃に苗 を入手 して長崎大 学構 内に植 えた と述べている4)。 また,セコイアメスギ も3本植 えた とある 昭和39年 頃には50本ばか りのメタセコイアがあった とい うが,現在 は何本残 っているのであろう か。

ここでは,構 内で身近 な樹木の一つであるであるメタセコイアを調査対象 とする この 樹木は円錐形の樹形で高 く成長 しているので樹の頂点の位置が良 く分かる 受講生達各 自 が作成 した高度計でメタセコイアの高 さを測 ることを通 してこの樹木に対す る理解 を深め る

[Ⅱ]高度計の作 り方

樹木の高 さを測 る方法 として次のような方法が考 えられる。 (あ)木の根元 に人 を立た せてお き,離れた所 にいる別の一人が木のそばに立つ人の高 さを指の幅 にとり木の頂点 まで何倍あるか を求めて木のおお よその高 さが分かる。 (い)1mの長 さの棒 を地面に垂 直に立てたときの影の長 さと,高 さを測 りたい木の影の長 さを測 り,比例式で高 さを求め る。 (う)大 きな直角三角形の定規, または二等辺三角形の定規 を使 う場合,定規 の角の 一端 に錘 をつけた糸 をセロテープで貼 り付 けて測定器具 を作 る 高 さを測 りたい木か ら 徐 々に離れなが ら,定規の斜辺の延長線上 に木の頂点が見通せ る所 に立 って仰角 を測 る

この とき水平線 に対する定規の水平及び垂直の状態 に保持する また,仰角 を測 った地点 と木 までの水平距離 を巻尺で測 る この場合,測定者の 目の位置 までの高 さを水平距離 に 加 えて木の高 さが分かる。 (え)基本的には前述の (う) と同 じであるが三角定規 の代わ りに分度器 を使 う方法である 対象物 を見渡せ る所であればどの位置か らで も測ることが で きる

ここでは,前項 (え)で高度計 を作成する 分度器 を用いた作 り方,及び取 り扱い方 を 次に示す。

(a)配布 した分度器 目盛紙の余白をハサ ミで切 り取 り, これを厚紙 またはベニヤ板 に糊 で貼 り付 けて分度 器 目盛板 を作 る

(b)分度器 目盛板の半円の中心に針先で小 さな穴 をあける これに錘 をつけた下げ振 り の糸 を結ぶ。

(C)分度器 目盛板の中心線 に平行 にス トローをセロテープで貼 り付 ける

(d)測定は二人共同で行 う 一人が室内で天井 に近い対象物 をス トローの穴 を通 して 目 標 を定める 別の一人が下げ振 りの角度 を読み取 りノー トに記録する

(e)測定者の 目の高 さ,及び測定者か ら対象物 までの水平距離 を巻尺で測る

(f)前項 (d),(e)の操作 を繰 り返 し,同一の測定 を数回行 って平均値 を求める

(g)電卓でtan値 (正接の其数値), または配布 した三角関数表か らtan値 を求める

(h)計算 により床か ら天井の対象物 までの高 さを求める

(i)天井 までの高 さは巻 き尺で実測で きるか らこの実測値 と前項 (h)で求めた値 とを

(4)

60 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47(2007年)

比べ る

[Ⅲ]大学構 内の樹木の高 さの測 り方

構 内で樹木 をよ く観察 してみると幹の太 さや枝 の伸 び方,葉の茂 り方が針葉樹 と広葉 樹,または落葉樹 と常緑樹 とでは異 なっていることに気付 くであろう ここでは,作製 し

た高度計で樹木の高 さを測 る 対象物 としてメタセコイアの円錐形の樹形は木の高 さを測 るのに適 している

(i)地面か ら鉛直に成長 した木 を見つけてその頂点 を見通せ る木 を選ぶ。

(ii)近い所では中央図書館 の西側 に植栽 してあるメタセコイアの5本の樹高 を測る

(iii)木の幹周 り (胸高直径)は成長過程 を知る上で必要な要素である 環境省が定めた 方法に倣 って,幹周 りの長 さを地面か ら1.3mの高 さで測 る

(iv)測定の要領 は前項の練習の ところで述べたように同 じ木 について同 じ場所で数回測 り, 自分のノー トに記録する

(Ⅴ)次回の授業 までに各 自はレポー トを作成 し,次回,グループごとに結果 を発表す る

2・2 身近な物の形 と強さの秘密

樹木では, ヒノキのように高 く直立 した ものや同 じヒノキ科 だがハ イビャクシン (長崎 県壱岐島 ・辰 ノ島群生地 ;天然記念物指定)のように地面 を這 って水平に枝 を広げるもの がある どれ も自然の厳 しさに耐えて進化 し無駄のない合理的な姿 をしている 人 も生 き るために自然物の形 を模倣 して多種多様な人工物 を作 り出 した。現代では,人工物 を生み 出す行為が 自然環境 を破壊 しているといって も過言ではない。

2・2・1 紙パ ックを利用 した筆立て作 り

子供達が生活や遊びの中で必要な遊具 ・用具,固定遊具の安全 な使い方 を習得すること は安全教育の面で大切である 生活科の学習活動では,ハサ ミ,カッターナイフ,移植ベ ラ,スコップ等 を頻繁に使用する 校庭や公園で様 々な遊具 を使 って遊ぶ機会が多い。物 の構造特性 をよく理解 した上で必要最小限の力 を加 えて物 を上手に利用することが安全 に

も繋がる

授業では,導入時に,細い部材で作 った折 り尺で四辺形 を作 り, 自由に動か して変形 し て示す。 この後,四辺形の対角線 に鉛直部材 を入れて三角形 を二つに した構造 にすると動 きは止 まる この考 え方 を トラスに応用 したのが橋梁や送電塔の構造物であることを理解 させる 長崎には力学上大変優れた工法 を取 り入れた歴史的建造物がある 国内最古級の トラス式鉄橋 である出島橋 ,アーチ式石橋 の眼鏡橋等 は力学的に大変丈夫 な構造物であ る

ここでは,牛乳パ ック,清涼飲料等の廃品の紙パ ックを使い, これを三角柱 にして組み 合 わせた六角形の筆立てを製作する

2・3 子供の遊びに応える

2・3・1 作ろう ・回そう ・飛ばそう

子供の好奇心は非常に旺盛である 子供の鋭い気付 きや発見 をしっか り受け止めて手助 けするには,子供達 と同 じ目線で一緒に遊びを楽 しむ という姿勢は欠かせない。

(5)

富山智之 :大学における生活科教育の教材開発 と実践 61

授業では,道具が要 らない遊 びや身の回 りの廃材 を用いて作 った遊具 まで,以下 に示す 8つの課題の中か ら2,3を自由に選んで作 り,遊 び,学ぶ とい うものである

(1) 1枚 の西洋紙 は何 回折れるであろ うか。その折れ 目で区分 けられた小 さい面 はい く つで きるか。

[調べ方 ]1枚 の西洋紙 または新聞紙 を半分 に折 り (1回 冒),それをさらに半分 に折 り (2回 目), ・とい う作業 を何 回 目まで続 けることがで きるか を調べ る その都皮,紘 を広 げて折れ 目で区分 された小 さな面の数 を数える

(2)季節の木の実や花 を調べ よう

[調べ方]校庭 や近 くの公 園の樹木等 を観察 し,冬季であれば,冬の木の実や花 を探す。

セ ンダンの実,マツポ ックリの実,クチナシの実, ビラカンサスの実,ツバキの花, ビワ の花,サザ ンカの花等 を見 ることがで きる 採集で きる ものを集めて画用紙 にスケ ッチを する 実や花 の形は正確 に表す。

(3)紙の輪で飛ぶ飛行機 (リング ・プ レー ン) を作 ろう

[作 り方]広告紙等 の厚 さの紙 と太 目のス トローで作 る 画用紙 を用いて大 きい紙 の輪 (寸法 ;1.5cm x20cm,1個) と小 さい紙 の輪 (1.5cm xlOcm,1個) を作 る 飛行機 の胴体 にあたるス トローに,先端か ら5cm位 の ところに大 きい紙 の輪 をセロテープで固 定す る 先端 には小 さなクリップを付 けてお く 小 さい紙の輪 は尾翼 にす るのでス トロー の他端か ら2cm位の ところにセ ロテープで固定す る 普通の紙飛行機 を飛 ばす ように し てス トローの中央部 を持 ち前方 に飛 ばす。

(4)紙 トンボを飛 ばそ う

[作 り方]厚紙 を使 って,紙 トンボを作 る 翼 の大 きさは2cm xlOcm程度 にす る 軸 は竹串またはス トロー を使い を紙の翼の中央 に取 り付 ける うま く飛ぶ ように,翼の端 に 近い方 に折れ 目を入れてひね りを付 けると良い。

(5)糸電話 を作 ろう

[作 り方]紙 コップの底 に小 さな穴 をあけて糸 を通す。糸が穴か ら抜 けない ようにマ ッチ 棒 または爪楊枝 を折 った ものに糸 を結 んでお く 数名分の糸電話 を蜘妹の巣の ように放射 状 に張れば糸電話のネ ッ トワークである 糸電話の糸 をどこまで長 くで きるか。何人で聞

けるであろうか。

(6) ヒネリゴマ を作 ろう

[作 り方] コマは,回転軸の爪楊枝 を円板面の中心 に垂直 に通 してある 長 く回 り続ける コマ を作 るためには,重心の位置が回転軸の中心 にあって回転の慣性 を大 きくしなければ ならない。

( 7

) ブンブンゴマ を作 ろう

[作 り方]糸 を指にかけて,空 中で回す コマである 回る とき音が出るのでこの名が付い ている 形 は丸い ものの他 に四角形,五角形で も良い。糸 を通す穴の間隔は中心 を挟 んで

1cm位 にす る ひき糸の長 さは50cm 〜 60cm位 にす る

(8) シャボン玉 を作 ろう

[作 り方] シャボ ン液 の組成 は,食器用洗剤 と洗濯糊 (PVA合成糊) と水 である これ らを容器の中で,1:5 :10の割合 で混合す る ス トローや針金 の輪 を使 い大 きなシャ ボン玉 を作 り,水膜の色 の変化やシャボ ン玉の合体 を観察す る

(6)

62 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47(2007年)

3.開発 した教材を用いた授業実践 3・1 授業実践の概略

実施時期 :2006年6月〜 7月 対象 :本学教育学部1年生他75名 実施時間 :初等生活科教育

学習テーマ :「楽 しい生活科教材の開発」

単元 :1.大学構内の樹木の調査 (2時間) 2.物作 り教材 (2時間)

内容 :(第1時間 目)大学構 内の樹木 を対象 に したネイチ ャーゲーム 《作業 レポー トⅠ》

(第 2時間 冒)メタセコイアと樹木の高 さ 《作業 レポー トⅡ≫

(第3時間 目)紙 ックを利用 した筆立て作 り 《作業 レポー トⅢ≫

(第4時間 目)子供の遊びに応 える〜作 ろう ・回そう ・飛ばそう〜 《作業 レポー トⅣ≫

3・2 評価方法

受講生全員 を対象 として,各授業終了時にそれぞれの教材 に関する作業 レポー トを作成 し,アンケー トに回答 した。 この内の作業 レポー トは,主に,ゲームで使 ったビンゴカー ドの写 し,樹木の高 さの測定値,作 品のスケ ッチ等 を記録するものである

4.授業実践の結果 と考察

授業実践で行 った教材 に関するア ンケー トの質問項 目,及 び回答の集計結果等 を4

・ 1 ,

4・2,4・3に示す。

4・1 大学構内の樹木の調査

4・1・1 大学構内の樹木を対象に したネイチャーゲーム 大学構内で見 られる樹木の例 を図 1,図2に示す。

1 キョウチク トウ 図2 ホル トノキ

受講生各 自は,グループ別に大学構 内でビンゴゲームを行 った後,一度集合 し次のアン

(7)

富山智之 :大学における生活科教育の教材開発 と実践 63

ケ‑ トに回答 した。 ア ンケー トの質問項 目と集計結果 を次 に示す。

(1) ビンゴゲーム開始前 に知 っていた樹木 (樹 木名 と実物 との対応がで きた) は何種類 か。

《集計結果≫樹木の種類数 ;平均8.2本 (樹木 リス ト中22.8%)

(2) ビンゴゲームを通 して知 ることがで きた樹 木 (樹木名 と実物 との対応がで きた) は 何種類 か。

《集計結果≫種類数 ;平均 9.4本 (樹 木 リス ト中26.1%) (3)前項 の (1), (2) を合計 した樹 木 は何種類 か。

《集計結果》種類数 ;平均 17.6本 (樹木 リス ト中48.9%)

(4) ビンゴゲーム中に探す樹 木 に関 して どの ような気付 きが得 られたか。

《集計結果≫

・樹木の葉 の形 ・葉の色 ・葉の厚 み等様 々であった。 (9名)

・大学構 内には思 った よ りも多 くの樹木があった。 (8名)

・樹木の名前 を知 らないのが多い。 (6名)

・樹木 に名札が付 け られていない と名称 の特定が薙 しい。 (4名)

・普段 はまった く気 に していなか ったが,ゲームを通 して,身近 に様 々な樹 木があることを認識 した。 (1名)

・樹木 を一つ見つ けることがで きた らもっ と見つけたい と思 うので積極 的に 動 ける活動 になる。 (1名)

・樹高の低 い木 には 目立つ花が多い気が した。 (1名)

・葉の形でかな りの種類 の判別がで きると思 った。 (1名)

・樹木 は生 きて呼吸 してい ることを意識で きた。 (1名)

・その他 (省略)

(5)今 回の樹 木 を題材 に した ビンゴゲームは,ゲーム開始前 に樹木 リス トの樹木 と実物 の葉 っぱや木の実,花等 を対応 させ ておいてゲームに臨んだ方が効果的である

そ う思 う人は○印 を記入 ( )

《集計結果≫53名 (71%)

(6)既 に実施 した通 り,樹 木 リス トの説 明書 を参考 に して, また, グループ内で話 し 合 って 目当ての樹木 を探す のが良い。

そ う思 う人は○ 印を記入 (

《集計結果≫58名 (77%)

(7)小学校 の生活科 の授業 においで この ようなゲーム方式で 自然体験学習 を取 り入れる とすれば どの ような題材 にす るか。

《集計結果≫

・花 または昆虫 を用 いた ビンゴゲーム。(12名)

・草花 または昆虫のマ ップ作 り。 (7名)

・落 ち葉,木 の実 を拾 って きて遊 び道具 を作 った りして, グループで遊ぶ。

(2名)

・学校周辺でオ リエ ンテー リングをす る。 (2名)

・集めた花 な どで押 し花作 りをす る。 (2名)

(8)

64 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47 (2007年)

・小学1,2年生の 目線 では,樹木 を探すのは大変だ と思 うので草花 を題材 に した方が良い と思 う また,見分けるのが難 しいので説明 と写真が載 っ た図鑑 を持 ち歩けばよい と思 う。(1名)

前項の

( 1)

,

( 2)

,

( 3)

によれば,このビンゴゲームを通 して知 ることがで きた樹木 の種類数は一人当た りの平均8.2本か ら17.6本 に倍増 しているが樹木 リス トの半数で しか ない。 このゲームを通 じて発見 したこと感 じたこと,樹木の場所等 を,ゲーム後に皆で振 り返 ることが より効果的である。 (4)では,身近 に多 くの種類の樹木があ り,その形態 も多種多様であることに気付いている。 (5), (6) によれば,予め,木の葉や木の実等 の ヒン トを与 えてゲームに臨むことも良い,本時の方法で も良い とす るのが70%以上 を 占める 何 れ も肯定的に捉 えている。 (7)では,花や昆虫 を使 ったゲームやマ ップ作 り のアイディアが多 く見 られる 普段見過 ごされがちな樹木であるがゲームを取 り入れた自 然体験活動 を通 して様 々な気付 きが得 られたことが分かる この ようなゲームの活動 は,

グループで協力 して進めることで,他者 と自分 との関わ りを通 して自然環境 に対する姿勢 を形成することに繋がると考 える 身近な自然観察のためにフィール ドビンゴを行 うにあ た り,大学構内で名札の付いた樹木 は僅か数本であった。長崎市の多 くの小学校では,樹 木や草本類 に 「和名」

,

「科名

を記 した名札 を付 けている ある小学校では,名札 を付 け た樹木は40種類 に達する。大学で も樹木類 に名札 を付 けてお くことは有意義なことである 4.1.2 メタセコイアと樹木の高さ

受講生各 自が高度計 を作成 した。屋外では,1クラスを12グループに分 けてグ)V'‑プ 内で協力 して測定 を行 った。高度計で測定 されたメタセコイアの高 さの平均値 は次の通 り である 樹木A ;23.4m,樹木B ;24.5m,樹木C ;22.4m,樹木D ;24.8m,樹木E ; 21.3mが得 られた。各 グループか ら出された計算値 のば らつ きの範囲はお よそ ±10%で ある このばらつ きが大 きい原因は樹木に接近 して仰角 を測 ったグループがあったためで ある

大学構内のメタセコイアを図3,図4に示す。製作 した高度計 を図5に示す。

図3 メタセコイア 図4 落葉 したメタセコイア

(9)

富山哲之 :大学における生活科教育の教材開発 と実践

授業 を終えて受講生か ら寄せ られた感想 は次の通 りである

「今 回は高度計 を作 って,それを用いて 木の高 さを測定 した。 こんなに簡単 に作れるものだ と思った。実際に計算 して値 をだ したが,高校の数 学はす っか り忘れて しまっていた。友だちと協力 し て,なん とか結果 を出 した

」,「複雑 な計算 は小学 校低学年の児童 にはで きない し,そ もそ も角度 自体 が何 なのか を子供達 に どんなふ うに理解 させ た ら

よいのかを感 じた。やは り最初 は高度計 を作 ってい

65

図5 高度計

ろんな ものの角度 を測 ってみて,楽 しみ を感 じて もらうことか ら入 るのが一番 なのか と 思 った

」,「一つの長 さだけで,残 りの長 さを求め られることに驚いた。 自分たちが学校 で学んで きた簡単な三角比 を用いて樹木の高 さを求め られることに数学学習の意義 を感 じ た。」

,

「自分の 目と,中学 ・高校 で習った三角関数の理論 と高度計一つで野外の大 きな樹 木の高 さを測れることに驚いた。」

,

「この高度計 を使い大学内のメタセコイアの樹高調査 を通 して,構 内の様 々な樹木 に 目を向けることがで きた。」

,

「樹木の歴史 に触れることが で き,中国か ら伝来 して きた渡来植物 な どの理解 も深 まった

。 」 ,

「小学校 の授業で活用す るときは,学校校内,周辺にある様々な樹木の葉 などを採集 して,歴史や特性,種類 など を子供たちと調べなが ら理解 を深め更に身近な植物 に関心が持てるような授業 を展開 した い と思 う。」

,

「今 回のテーマは小学生 にとっては難 しい もの と思 うが,将来教師を 目指す 立場 にあるもの として科学の原理や法則 を知 っておいて,それを利用 して子供たちに自然 のお もしろさや科学の不思議 さを伝 えられた らよい と思 った

。 」 ,

「実際に, 自分たちの手 で高度計製作 を行い,構 内の ものの高 さを計測 したが,初等教育 に置いて子供たちにこう いった活動体験 をさせ る上で,参考 となる体験がで きた

」,「この ような活動の中で,班

として行動 し,協力 して一つの問題に取 り組む。 さらに,学校内の自然 にふれあうという 体験活動がで きることになると思 う。」

,

「身近にある樹木 を学習 に活用で き,同 じ種類で も高 さの違いがあることか ら生命力 を感 じ, 自然学習の一環であると感 じた

。 」 ,

「最初 は 何のためなのか よくわか らなかったが,説明を聞いてい く中で理解で きた。 このように し て ものの高 さを求めるのは, まさに知恵だと思 う このような必要性のために大昔の数学 者が三角関数 を考 え出 したのか と思 う そ うい うところはまさに生活科 だ と思 う。」,「高 度計は生 まれて初めて作 った。定規やメジャーなどで測 ることので きない ものはもっと高 度な技術が必要 だ と思 っていた。 しか し,分度器 のように角度がわかるものさえあれば,

どんな高 さで も測 って求めることがで きることに驚いた。」

,

「樹木の高 さが知 りた くて も 直接木 に登 り,測定することは困難である しか し,今回のように自分の 目の高 さまでの 高 さと高度計,三角関数表 さえあれば,簡単 に計算 によって樹木の高 さがだせ る 数学 と して しか三角関数 を見ていなかったのだが,今回のようにとて も実用的に用いることがで きるとは新 たな発見である とて も興味深 く感 じた

。 」 ,

「このような計算 は小学生 には困 難だと思 うが,小 さな高度計 を使 って大 きな樹木の高 さがわかるなんて不思議であ り,ま た, とて も驚 くのではないだろうか。」等である 受講生各 自の レポー トにはこの ように 多 くの記述があ り,受講生の関心の高 さが見 えて くる これ らの意見か ら,授業 を通 じて 数学で学習 した三角関数の知識が蘇 り樹木 を一層身近 な存在 と考 えていることが窺 える

(10)

66 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47 (2007年)

ここで述べた三角定規や分度器 を使 う方法は小学校の生活科 にそのまま使 えるわけではな い。小学校4年の算数で角度の測 り方や三角形の性質 を学習 した後に展開で きる事例であ る

4・2 身近な物の形 と強さの秘密

4・2・1 紙パ ックを利用 した筆立て作 り

バルサ材で製作 した トラス模型 を図6に示す。製作 した筆立てを図 7に示す。

図6 トラス構造模型 図7 筆立て

紙パ ックの筆立て作 りのアンケー トの質問項 目と集計結果 を次に示す。

(1)製作 中に思ったこと 該当す る項 目 ( )にチェックマークを記入する (複数可)。

・ゴミに対す る意識が高 まる

Reduce(ゴミの発生抑制 ・減量) Reuse(ゴミの再資源化 ・再使用) Recycle(ゴミの再生 ・再利用)

・頑丈 に作 っていつまで も大事 に使いたい。

・見栄 えよく装飾 して丁寧に作 りたい。

70名 (93%) 34名 (49%) 43名 (61%)

61名 (83%) 61名 (81%) 66名 (88%)

・小学校の生活科教材 と図工科教材の違いを認識 した。

28名 (37%)

・身近な物の形 と強 さとの関係 を認識 した。 35名 (47%)

・この形 をもとに生活 にもっと役立つ ものを作 りたい と思った。

24名 (32%)

具体的に作 りたい ものの名称 を記入 [椅子等 ] (2)反省事項 [該当する項 目の ( )にチェックマークを記入する ]

・材料 の準備 を忘れていた。 5名 (6.7%)

・必要なものをすべて準備 してな く製作 に支障 した。

18名 (24%)

・パ ックの三角柱 を6個貼 り付 けた段階までで きた。

18名 (24%)

(11)

富山哲之 :大学における生活科教育の教材開発 と実践 67

・外形が整 い装飾用の布や色紙 を半分 くらい貼 り付 けることがで きた。

28名 (37%)

・装飾用の布や色紙 を使 って授業時間内に完成 した。

34名 (45%)

受講生 はこの製作 を通 して,前項 (1) によれば, ゴミに対す る意識が93%の高い率 である 中で も3Rの リサイクルへの意識が高い。 また,製作す るか らには厳格 に作 りた い とい う思いがある。 (2)では,1単位 時間内で製作が完了 した者 は45%である これ に対 して事前 に材料 を準備で きない者が数名見 られる この製作活動 については,2週間 前 に準備 してお くものを通知 しているので事前の準備 と製作 プランを立てておけば時間内

に終 え られる筈 である

授業 を終 えて受講生 か ら寄せ られた感想 は次の通 りである

「筆立て作 りで,三角柱 を 六つ合 わせて六角柱 を作 ることによって強度 を高めることがで きることを学 んだ。身近 に み る トラス型の橋 な どの構造 に も共通 している部分があることに気付 いた。」,「筆立て作 りは とて も面 白 く,予想以上 にうま くで きた ような気がす る 材料 もきちん と用意 して き たので不備 もな く完成 した。 もの作 りが久 しぶ りで楽 しかった。」,「鉛筆立てを作 ってみ て, とて も楽 しかった。思 った よりも簡単 にで きる し,費用 も余 りかか らず にで き,オ リ ジナルの ものがで きるので子供 も作 りやすいのではないか と思 った。算数 などの教科や リ サイクルにも関係 しているので,作 りなが ら学べ るところがあった。 もの作 りが久 しぶ り で楽 しかった。」

,

「身近 にある普段 ゴミになる もの もこの ような使 い方次第で宝物 となる と感 じた。」,「身近 な もの を再利用で きることに気づいた。 もの を作 るにあたって, どこ どこの強度 を大 きくすればよいか, また,その使 う目的によって どこの強度 を大 きくすれ ばよいか考 えることも重要だ と感 じた。 この作 品 を作 ったことは将来,子供たちに教 える 立場 になった とき, とて も役立つ と思 った し,いい経験 になった。」等である。 これ らの 意見か ら,授業 を通 じて構造物 の強 さを実感で きる筆立て作 りを通 じて物の力学的な特性

を把握 で きたようである

4・3 子供の遊びに応える

4・3・1作ろう ・回そう ・飛ばそう

受講生が授業で選んだテーマの分布状況 を示す。

(1)1枚 の西洋紙 は何 回折れるであろうか。その折れ 目で区分 け られた小 さい面 はい く つで きたか。5回 (5名),6回 (50名),7回 (19名),8回 (1名) 計75名 (2)季節の木の実や花 を調べ よう 花 のスケ ッチ (18名),実のスケ ッチ (15名) (3)紙の輪で飛ぶ飛行機 (リング ・プ レー ン) を作 ろう 40名

(4)紙 トンボを飛 ばそ う 21名 (5)糸電話 を作 ろう 25名 (6) ヒネ リゴマを作 ろ う 35名 (7) ブンブンゴマを作 ろう。24名 (8) シャボ ン玉 を作 ろう 30名

この製作活動 で気付 いたこととして,「芽の出方,花 び らの重 な り方等 の規則性 に気づ いた。」,「重心 の位置 とバ ランスが大事 であ る。」,「糸 を ピンと張 る とよ く聞 こえた。」,

(12)

68 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47(2007年)

「爪楊枝 の下の方 に円板 をつ ける とよ く回った。」

,

「糸 を短 くす るとよ く回った。」,「シャ ボ ン玉が合体 した ときの境界面 は平 らであった。」

,

「シャボ ン玉 に映 る周 りの風景 は逆 さ まであった。」

授業終了時の感想 を集約す る と次の ようになる

「楽 しみ なが ら行 える (33名)」

,

「身 近 な材料 で作 れ る (17名)」

,

「手作 りのお もち ゃであ る (13名)」

,

「作 る過程が分 か る (8名)」

,

「子供の頃の遊びが多 く懐か しい (8名)」

,

「創造性 と好奇心 を伸 ばす (10名)」,

「発見で きる遊 びである (6名)」,「将来教材 として使 いたい (5名)」

,

「ていねいに工夫 して作 るべ きだった (4名)」,その他 (省略)

(1) で は,紙 を折 る回数 と現 れ る面 の数 との関係 をグラフに措かせ て規則性 を証 明 で きる。 (2)では,スケ ッチ をす ることに よ り,植物 の規則性 に気付 くことに繋が る

(3),(4),(6),(7)については,重心の位置が重要 な要素であることを認識で きる

遊 びの本質 として面 白さが指摘5)されてい る 生活科 の教材 開発 で必要 な要素 は面 白 さ を取 り入れることにあるのではないか と考 える

受講生達が物 を作成 し遊ぶ中で見 出 した疑問については,極力その授業時間内に答 える ように している 次はその一例である シャボン玉作 りで2個のシャボ ン玉の接合状態 に 疑問を抱いた者が数名いた。2つの玉の接合 では,等 しい大 きさのシャボン玉の合体, ま たは異なる大 きさのシャボ ン玉の合体がある 両方のシャボ ン玉が同 じ大 きさであれば内 部の圧力 も等 しいか ら,接合面 を両側か ら押す力は釣 り合い,接合面 はどち らにも押 し込

まれないので平面 を保つのである

5.おわりに

本研究で開発 した教材 による授業実践 を通 して,受講生達が授業 に臨む積極 的な姿勢 を 見 ることがで きた。 レポー ト及び作 品によれば,対象物 と五感 を使 って触れ合 うことによ り,気付 きを一層多面的な ものにす ることがで きた ようである この ような活動や体験 を 通 して,身近な自然環境への関心 を持たせ, 自然保護の大切 さを考 える機会 を持つ ことが で きる また, リサ イクル とは資源 を大切 にす ることが 目的であることや身近 な もので 自 分達の遊 びや生活 に必要 な物 を作 り,作 った物で遊ぶ,遊びの.本質は面 白さであることを 認識 し,物や遊びの様子 を絵 や言葉で表現 し,新たな物 を創造す る過程 において科学的な 探求心が培 われる, といった ことが期待 される

附記

本稿 は, 日本生活科 ・総合 的学習教育学会第15回全 国大会 (2006年6月, とや ま ・射 水大合)の発表資料 に加筆 ・修正 を行い作成 した ものである

参 考 文 献

1)文部科学省 :小学校学習指導要領解説生活編 (平成 11年5月)10.

2)例 えば,小宮 山潔子 :生活科教育の展開,学文社 (1996)46.

3)Cornell,J.:SharingNaturewithChildren,DownPublications(1979)ll.

4)長崎史談会編 :長崎談叢,第42輯 (昭和39年)18.

5)小川純正 :東洋大学経営研究所論集,第26巻 (2003)99.

(13)

富山哲之 :大学における生活科教育の教材開発 と実践

【資料1】

[ビンゴカー ド]

69

【資料2】

[フィール ドビンゴに使用 した樹 木 リス ト]

1.秋 になる と赤 いサ ンゴの ような実 をつけるサ ンゴジュは生垣 に多 く使 われてい る 子 供の頃, この木の実 を空気鉄砲 の弾 に使 った ことがあるのではないだろ うか。

2.地球上か ら絶滅 した と考 え られていたメ タセ コイアは,化石が発見 された後,昭和 20年 に中国の四川省 の省境付 近で発見 された。それ故 に生 きた化石 と呼 ばれる

3.中国か ら日本 に渡来 したの は明治初年 の こ と わが 国のネズ ミモチの木 よ りも樹高, 葉,果実 ともに一 回 りも大 きい トウネズ ミモチ は長崎市内に多 くみ られ る

4.夏 になる とセ ンダ ンの木 にクマゼ ミがた くさん集 まって鳴 き声 を競 っているかの よう であ る この木の成長 は非常 に早 く落葉高木である

5.トウカエ デは中国産で長崎 に江戸 時代 享保 年 間に渡 来,葉 は三裂,秋 の紅葉 は きれ

い。

6.ナ ンキ ンハゼの渡来 は トウカエデ と同 じ頃である 葉 は丸み を帯 びて,秋 には紅葉す る 長崎市 内では街路 に沿 って多 く植栽 されている

7.長崎市 内で は, クロガネモチはナ ンキ ンハゼ と同 じく街路樹 として多 く植栽 されてい る 小 さな赤 い実 をた くさんつけてい る

8.この木,何 の木,気 になる端正 に整 った木 であ る ホル トノキは枝 や葉が生 い茂 っ てい る 常緑 の中に紅葉が点 々 と目立つ。10月末頃には,直径1cm,長 さ1.5cmの楕 円形 の線 の実 をつける 平賀源内が紀州で この木 をオ リーブの木 と誤認 した との説があ る (付記 ;中央 図書館 の南側 に植栽 されていた この大木 は,2006年7月,建物 の新 設工事 のために伐採 された。)

9.長崎では,厳冬期 を除けば長期 間にわた り白い小花 を見 ることがで きる このアべ リ アの本当の名 はか な り長 くハナゾノックバ ネウツギ とい う

10.イチ ョウの木 は雌雄異株 である 秋 になると雌株 にギ ンナ ンと呼 ばれ る種子が実 る

ll. アジサ イは 日本原産であるが欧米で改良 された品種 が逆輸入 されてい る 透 けた よう な淡青色 の花 は雨の似合 う街 ・長崎 にふ さわ しい。

12.カイズ カイブキは常緑針葉低木で生垣 に縦長 に仕立 てるのに向いてい る 古 い葉 は刺 状 の ものがあ り手で触 る と痛 い。

(14)

70 長崎大学教育学部紀要 教科教育学 No.47(2007年)

13.ソテツの幹や種子 に有毒成分のサイカシンが含 まれる

14.ナギの木は,マキ科の常緑高木で暖地に自生する,雌雄異株 で雌花 には球形の種子が 実 る ナギの木 もともと日本 に自生 していた植物である

15.クスノキはクス ノキ科 の常緑高木でわが国では樹 高が最大で30m以上 になる 長崎 の諏訪神社の境内には樹齢数百年の高木がある 昔, クスノキを原料 に して樟脳 の精製 が盛 んに行われた。

16.イスノキはマ ンサ ク科の常緑高木である 葉 に嚢状の虫 こぶがで きる

17.マテバ シイはブナ科 の常緑高木,果実は食用 にもなる,シイの実 より大 きいので子供 の頃にコマに して回 したことがあるのではないだろうか。

18.アカメガシワは トウダイグサ科 である 新芽が鮮 やかな赤色 をしている 昔か らダン ゴを包んで蒸す ときに使われる

19.ハマ ヒサ カキはツバキ科 の常緑低木である 葉の表面は光沢がある 菓先が くぼんで 縁が丸い。サ カキの仲間に葉の大 きなサ カキ, ヒサ カキがあ り,神事 に使われる

20.カイコウズは南 アメリカ原産である アルゼ ンチ ンでは国木,パ ラグアイでは国花 に 指定 されている わが国には江戸時代 に渡来 した。漢字で海紅豆 と記す。

21. イヌ ビワはクワ科 である 実 は直径2cm位 である 紫褐色 に熟 したイチ ジク状 の実 は食べ ることがで きる 若木 は比較的早 く成長する

22.クサギはクマツゾラ科である この木の根が畑 に入 りこんで芽 を出 しているのを見か ける 若木は比較的早 く成長す る 葉 をち ぎると独特の臭いがする

23.モ ツコクはツバ キ科である 葉 は厚 くて表面 は滑 らかである 春の新薬 は美 しく庭木 として も植栽 される 西 日本 までの暖地に生育する

24.ナ ンテ ンは南方系の常緑低木であるが耐寒性である これは赤い実 をつけるが白い実 をつける ものはシロナ ンテ ンと呼 ばれる

25.サザ ンカはツバ キ科である 公害や潮風 に強いが ツバキよ り寒 さに弱い。北 日本では 屋外で育てると花が咲かない といわれている

26.ツツジにはサ ツキ と呼ばれるものがある 陰暦の5月に花が咲 くので五月 ツツジ と呼 ばれていたのであるが略 してサツキ となった。

27.キ ョウテク トウはイン ド,ペルシャが原産地である 中国経 由でわが国に渡来 した。

公害に強いが寒 さに弱い。樹液 には有害成分が含 まれる 長崎では平和公園に多数植栽 されている

28.ヒイラギモクセイは, もともとギ ンモクセイ とヒイラギの雑種であるとされる 葉の 周辺が棟状 になるのはヒイラギか ら受 け継 いている。10月頃,良い香 りのす る白い小 花が咲 く。

29.ハナ ミズキは北 アメ リカ原産である。1915年 (大正4年),東京市長であった尾崎行 雄が ワシ ン トンにサクラを贈 りその返礼 としてこの木がわが国に入 って きた。アメリカ 山法師 ともい う ドッグウッ ドとは, この木の皮 を煎 じて犬のノミの駆除に用いたこと に由来す る

30.クチナシはアカネ科である 果実が最後 まで裂開 しないので この名がある

31.マサキはニシキギ科 である 土質 をあま り選ばず公害に強い,生垣用 に多 く使 われて

い る

(15)

富山智之 :大学における生活科教育の教材開発 と実践 71

32.マキの木 にはこけ し状の小 さな実がつ く,丸い緑色 の果実 と赤い花托か らなる 庭木 にされるのはイヌマキかラカ ンマキである 生垣 にされるのは葉の短い方のラカンマキ が多い ようである イヌマキは 日本原産だが ラカンマキは中国渡来植物である

33.ヤツデは大 きな厚い葉が特徴 である 公害や病害 に強い。

34.アオギ リは葉がキ リの木 に似 ていて幹が緑色 を している 緑 陰樹 として利用 される

35.マ ンリョウは常緑 の小低木 である 冬 にか けて濃緑色 の葉 と赤い実が ひ ときわ 目立 つ セ ンリョウとは別種 である

36.キ ンモクセイは中国原産の常緑小高木であ る 彼岸過 ぎか ら10月にかけて樟黄色 の 小花が密集 して開花 し甘 くて強い芳香 を発散す る 花期 の終わ りには花が散 り地面一面 が黄色 くなる

参照

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