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都市における水面・緑地の暑熱緩和に関する調査研 究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

都市における水面・緑地の暑熱緩和に関する調査研 究

北山, 広樹

九州大学総合理工学研究科熱エネルギーシステム工学専攻

https://doi.org/10.11501/3090246

出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第6章 都市における土地利用分布と気温分布

1 . はじめに

前章までに都市における風の海陸風的特徴、 風の通り道としての河川や街路の 機能、 池や緑地の冷却効果などを個別に調査解析してきた。 本章では、 調査対象 を都市全域に拡大し、 風および水面 ・緑地などの暑熱緩和効果について考察する。

都市における日中の海風が、 気温上昇の緩和効果をもたらすことは既に述べた。

この緩和効果は、 海岸からの距離によって異なるものと考えられるが、 それを実 証するデータは非常に少ない。 海風の主風向に沿う3つの観測点を設置し、 風向

・風速および気温の常時測定を行い、 海風の気温上昇緩和効果を海岸からの距離 の違いにより定量的に明らかにする。 また、 地被材料の相違による気温の分布に 関しては、 多くの研究例1. 2. 3)により示唆されている。 最近では、 地域的な熱環 境評価を地被状況に基づく熱フラヅクスなどにより検討したもの4)や、 土地利用 の変化と気象要素の変化から月、 年平均気温などの推定を試みたもの5)、 リモー トセンシングデータを利用して、 土地被覆と気温分布との関係を示したもの6)な どがみられるが、 複雑な現象の定量的な解析のためには未だ充分とは言い難い。

そこで気温分布に及ぼす風向 ・ 風速や土地利用状況の影響を定量的に検討するた めの実測調査を行う。 類似の調査が浦野ら7)により10年以上も前に行われてい るが、 測定点数、 測定方法などと土地利用の状況が本実測とは大幅に異なってい る。

2 . 実測対象地域の概要

図6.1に示す東西約15km、 南北約20kmに広がる領域を実演tl対象とす る。 図中のRl--R4は、 福岡市の大気環境常時測定点8)を、 Pl-P3は次節 で述べる筆者等の設定した長期観測点を、 Mは福岡管区気象台を示しており、 こ れらの測定点を常時観測点と呼ぶ。 同図は、 実測対象地域を含む福岡市を中心と する地域の地形状況について、 国土地理院が提供する国土数値情報9)の標高デー タを基に作成したものである。 福岡市はほぼ標高50m以下の地域が大部分で、

その中に80--100m前後の小高い圧が存在する。 また、 福岡市を挟むように 2つの山地があり、 これらの地形が地域の風系に影響を及ぼしている7)。

(3)

標高値(単位 m) サ9

100 - 199

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(海水域) 図6.1 実測対象地域の地形状況と常時測定点

国土数値情報の土地利用データは、 100mメヅシユごとの卓越する土地利用 を1 5のカテゴリーに分類して数値イじしたものである9)。 本章ではこの1 5分類 を、 さらに7分類にまとめて使用する。 この1 5および7分類の詳細を表6. 1 に示す。 以後、 土地利用分類を単に数字で表記する場合は、 同表の7分類に付記 した番号に従うものとする。 図6.2は、 1976年度と1990年度のデータ を利用して作成した福岡市とその周辺の土地利用状況を比較している。 この10 数年の聞に、 高層建物用地が福岡市の中心から郊外へとわずかながら拡大してお

り、 特に福岡市沿岸部での高層建物用地の増加が顕著である。 これと同時に市内 の緑地(森林、 樹林、 田畑)がわずかに減少している。 また、 低層建物用地が山間 部の開発、 造成に伴い拡大している。 これら土地利用の変化を図6.3に示す。

- 114 -

(4)

対象地域内に占める 同図上部は対象地域内の土地利用の頻度を比較したもので、

1990年は下段とし て 1976年は上段に、

各土地利用のメヅシュの個数を、

比較 して示している。空地、 海浜 の減少と、 高層建物用地 の増加が顕著である。

同図下部に土地利用の転用状況を 示してい この傾向をさらに明確にするため に、

わずかである がその他 る。空地・ 海浜から高層建物用地への転用が顕著であり、

このように空地、 海浜からの 高 の用地からも高層建物用地への転用がみられる。

図6.2に みられるように福岡市の博多湾沿いの沿岸部 層建物用地への転用は 、

におい て顕著である。

土地利用の分類

本章で の分類 国土数値情報による分類

1 . 森林・樹林・田畑

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桑広果し樹畑葉ゅ-空樹園ろ・地茶林科畑*樹1 針・林そ葉の・樹は他林いの松・竹樹 地 木林畑・

森林

2.空地 ・ 海浜 荒地 岩空海し地浜の田万地・年そ・荒雪他・湿・・地が2の 地 1,7採・鉱地

海そ浜の他 の用地

3. 高層建物用地 建物用地A 総高建摘層物類建建似物 築の村事3建・田独住築宅立物 建団物地・ (大ド4

4. 低層建物用地 建物用地B 独2立以建物上のま(小れ家)屋・ ・ 樹林戸 に囲 た居住地 5. 幹線交通用地 幹線交通用地 鉄道・道路

6. 湖沼・ 河川用地

湖河河川川沼 地地 ((AB) ) 湖河河沼川川敷敷・池内の人工用地

7. 海水域 海水域 海水域

表6.1

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(5)

図6.2 土地利用状況の比較

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空地海浜

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幹線交通用地

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森林樹林-田畑

46

空地海浜

643

高層建物用地

805

低層建物用地

73

幹線交通用地

48

単位.メッシュ数(個)

図6.3 実測対象地域における土地利用の変化

- 116 -

(6)

3 . 陸風から海風への変化に伴う気温の変化に関する3地点同時観測

3.1 観測概要

観測点の位置および海岸からの距離等を図6.4に示す。 P1は、 福岡市中心 部に位置する福岡市役所別館屋上に設置されており、 測定高さは地上約45mで ある。 P2は、 福岡市中部に位置する九州芸術工科大学の建物屋上に設置され、

測定高さは地上約32mである。 P3は福岡市郊外に位置する九州大学筑紫地区 内の建物屋上に設置しであり、 測定高さは地上約30mである。 各測定点の周囲 の状況は、 図6.2によれば、 P 1は周囲が建物密集地域で市 内で最も繁華な中 心部にある。 P2は、 P1よりも内陸に約5kmほどのところにあり、 周囲には 中低層の建物や住宅地が混在するが、 P1のように密集地区ではない。 P3は、

P2よりもさらに5kmほど 内陸に位置し、 周囲は郊外の住宅地で山間部に近い。

これらの測定点は、 海風時の主風向に沿ってほぼ一直線上に並んでおり、 博多湾 から広がる平野が郊外に向かうに従い両側にせまる山地により狭くなっていく地

掃 海岸からの概算距離 S

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図6.4 観測点の概要と夏季の海陸風日の風配

(7)

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解析対象期間(

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 1 0月

図6.5 P 3における気温の7日間移動平均値の変動(1988年)

1 1月

形状況にある。 従って博多湾から侵入する海風は、 海岸から内陸の方向ヘ山地の 影響で収束するように吹走する。 3地点において風向 ・ 風速および気温を10分 間隔で収録し、 特にP3では、 その他の気象要素を含めた総合気象観測を行って いる。

3.2 夏季期間と海陸風日の選定

1988年度のP3における気温の7日間移動平均値の変動を図6.5に示す。

第2章での夏季期間の選定法を適用すれば、 1988年の3地点に共通の解析対 象期間は図に示す5月26日---10月5日となる。 この解析対象期間における3 地点の風向 ・ 風速および気温のデータとP3で測定される水平面全天日射量(以 後、 日射量と略記)から、 1988年度の3地点における海陸風日の選定を行う。

選定には以下のような条件を設定し、 条件に該当する日のみを解析データとして 採用する。

条件:①解析対象期闘が数カ月に亘るために、 日射量の絶対値ではなく、 日 射量の日変化から晴天日と思われる日のみを測定値のグラフ出力か ら目視により確認して晴天日の判定を行う

②正午前後を中心に、 日中の降雨がないこと(これは、 P3の気象デ ータに基づく)

③全測定点において、 正午前後を中心に風向が陸側から海側ヘ変替し、

この風向の変化にともない風速が増加することを測定値のグラフ出 力から確認する

④海風前線の通過を確認するために、 風向の変化時に特に気温の変動 - 118 -

(8)

がみられること

以上のような条件をもとに判定作業を行い、 全観測点において海陸風日と考え られる日のみを選定する。 抽出されたデータは、 4カ月の解析対象期間の約25

%に相当する33日である。 海風前線や陸風前線の侵入速度と勢力、 これらに影 響を及ぼす気圧傾度等から、 必ずしもP3まで海風が観測されない場合もあるこ と、 欠測等によりデータが入手出来ないこと等を考えれば、 現実にはもう少し高 い確率で海陸風は出現していると考えられる。

選定された海陸風日の観測例を図6.6に示す。 P 1では、 午前中に陸風から 海風ヘ変化し、 風速も増加する。 この風向の変化にともない各点の気温が低下し、

海風前線が次々に通過したことが伺える10)。 また、 海風前線が通過した後の気 温の上昇は認められず、 P 1とP3との気温差は最大約50Cに及び、 沿岸部のP

1における気温が低く抑えられている。

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1988年8月4日

14

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19t58年9月1 8日

時刻|

図6.6 海陸風日における観測例

6 18 24

時刻

3.3 海陸風ベクトル成分と気温

海陸風日のデータを対象に、 海随風の主軸および海陸風ベクトル成分を、 第2 章の解析法と同様に図6.7に示すように定義する。 この図は海陸風日における P 1の風配を示しており、 海風の主風向を考え、 NNW--SSEを結ぶ軸を海陸 風の主軸と考える。 図6.4に示す風配から求まる3地点の海風の主風向はすべ

(9)

3地点はこの主軸に沿って位置する。

てNNWとなり、

1 0分ごとの海陸風ベクトル成分を算出 海陸風日のすべてのデータについて、

これらの時刻別の平均値から、 各地点ごとの海陸風ベクトル成分の平均的 する。

同様に海陸風日の時刻別の平均 また、 気温についても、

な日変動が求められる。

値を各地点ごとに求めて日変動を得る。 求められた海陸風ベクトル成分と平均気 データ収録が1 0分間隔のため平均化するデ

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海陸風ベクトル成分 温の日変動を図6.8 (a)に示す。

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海陸風の主軸と海陸風ベクトル成分

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図6.7

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(a)平均的日変動 (b)日中の拡大図 図6.8 海陸風ベクトル成分と気温の平均的な日変動

24 時刻

120 -

(10)

ータ数が少ないこと等から細かい変動はみられるが、 各地点の海陸風ベクトル成 分の日変動は明確に区別され、 マイナスからプラスに変化する時間にも差が生じ ている。 先の観測例にみられたように、 内陸に行くほどこの時聞は遅れる傾向に

ある。

この状況の詳細を調べるために日中の8時""15時を取り出し、 拡大したもしつ を同図(b)に示している。 風向の変化にともなう気温の変化の様子がさらに明確 となり、 P1とP3の気温差は最大2. 70Cに及ぶ。 この気温差は海風の強さが 大きな15時頃まで持続され、 その後徐々に小さくなっていく。

3. 4 時間帯分類による風の特性

3地点の海陸風ベクトル成分の日変動から、 第2章と同様に海風時間帯および 陸風時間帯を決め、 これら時間帯の風向 ・風速の特徴を図6.9に示す。 各測定 点の時間帯は図中上部に表として示している。 卓越風向が明確となり、 日中のそ

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図6.9 時間帯分類による各地点の風配と風速頻度分布

(11)

れはすべての測定点で海陸風の主軸に一致する。 P2においては、 日中と夜間の 風向はともに海陸風の主軸に位置し、 P1およびP3においてはずれている。

これは、 P1が市街地の建物等が密集する位置にあり、 夜間の風速が弱く、 風上 側の建物等の影響を受けていると考えられ、 P3においては周囲の山地の影響で、

陸風が2つの山地の谷間から吹き込むためと考えられる。 なお、 風速は日中の海 風時での各点の風速頻度にあまり差はないが、 夜間には内陸部での風速が大きく、

沿岸部でのそれは小さい。

3.5 異なる年度の海陸風ベクトル成分と気温の関係の比較

1988年度の観測データを用いて夏季期間を選定し、 この期間中の3地点に おける海陸風日の海陸風ベクトル成分と気温の関係を示した。 これらの関係を年 度の異なるデータによる解析結果と比較するために、 1989年度のデータを同 様に解析する。 1989年度の観測データで夏季期間中の海陸風日が選定できる のは7、 8、 9月の3カ月のみであったことから、 両年度の比較に利用する海陸 風日のデータをこの3カ月から抽出する。 1988年度の海陸風日は夏季期間の 33日の内でこの3カ月におけるもののみを用いる。 両年度において、 7"-'9月 に海陸風日として抽出されたデータの日数は20日前後である。 両年度の海陸風 日における風配、 風速頻度分布を比較して図6.10に示す。 風向および風速の 分布は、 P1の風配やP2の風速頻度分布に多少の違いはみられるものの、 両年 度においでほぼ一致している。

次に、 両年度の海陸風ベクトル成分と気温との関係を比較して図6.11に示 す。 陸風から海風ヘ変化する時間帯に多少の相違はみられるが、 各地点の風向の 交替は明確である。 海陸風ベクトル成分の相対的な強さは、 1989年度の方が やや大きい。 また、 陸風から海風への風向の変化に伴う気温の低下は、 1988 年度の方が1989年度より多少大きく、 これは風向が交替する時聞が平均的に 1989年の方が早いこともこの理由のひとつと考えられる。 しかし、 両年度に おいてP1-P3に至る風向 ・ 風速と気温の関係は概ね一致している。

- 122 -

(12)

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各地点の風配および風速頻度の比較 図6.10

(13)

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海陸風ベクトル成分と気温の関係の年度による比較

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20

124 -- 図6. 1 1

(14)

4. 土地利用と気温分布に関する実測調査

4.1 実測調査の概要

図6.1に示す地域に全部で8つのコースを設定し、 8台の自動車を使って気 温の移動測定を行う。 測定は日中と早朝に行い、 1回の測定で各コースを2周す る。 予め設定したコースを試走した上で、 日中は12:30に測定を関始して約 3時間で、 早朝は4:30に測定を開始して概ね2時間で2周できるようなコー スを最終的に決める。 測定データと土地利用とを対応させるために、 隣接する測 定点の間隔を100m以上になるようにする。 8コースの全測定点は958点と なり、 それらの分布の状態を図6.12に示す。 同図は対象地域を100mメッ シュに分割し、 各メッシュに該当する測定点をプロットしたものである。 全測定 点における土地利用の割合は、 低層建物用地が44%で最も多く、 次いで高層建 物用地の24%であり、 残り32%がその他の土地利用である。

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図6.12 対象地域における全測定点の概要

(15)

気温の測定には直径約2mmのトランジスタセンサーを受感部とする熱式微風 速計を使用する。 同時に風速の測定も行う。 測定車の放射の影響や気流性状を考 慮し11)、 それの屋根部より約30cmの高さに受感部を設置する。 さらに受感 部は放射の影響を考え、 円筒により日射遮蔽を施し、 塩ピ管を介して延長コード により車内の記録計に接続する。 屋根部には、 厚さ約10cmの長方形の断熱材 を固定し、 この中に塩ピ管を埋め込み、 高さ30cm程度に立ち上げる。 これら の測定装置の概要を図6.13に示す。

この測器は、 記録 ・ 印刷機能を有しており、 測定点を通過する際に、 気温と風 速を同時に自動記録し、 プリンター出力も行う。 原則として自動車の走行中(時 速40km以上)に測定を行うということ以外には測定時の走行速度を制限して いない7)。 各測器の気温と風速の関係を前もって較正しておく。 1台に2人が同 乗し、 一人が機器操作や記録を行い、 運転者が測定点の確認と通過時刻の申告を 行い、 テープレコーダーに録音する。 以上のような方法で早朝および日中ともに 3日間測定を行っており、 それらの概要をまとめて表6.2に示す。

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図6.13 測定装置の概要と設置状況

- 126 -

(16)

移動測定の概要 表6.2

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移動測定(気温・風速)

常時観測点(気温・風向・風速・日射量) 測定項目

測定が数時間に亘る移動測定であることから、 測定データの時間補正を行う必 早朝の各コース2周分のデータには、 各測定点において気温の経 要がある12)。

常時 日中のデータは、

時変化がほとんどみられないため補正を行わない。 一方、

観測点の実測時間帯における気温の経時変化の傾向がどこもほぼ同じであるとと (福岡管区気象台)における14:00の気温を基準に時間 常時観測点M

から、

こうして得られた各コース2周分のデータを平均して早朝および日 補正を行う。

それぞれ3日分を合わせて6つのデータが各測定点において得 中のデータとし、

られる。

実測期間中の気象状況 4.2

P2およびP3における実測日の気象状況を図6.14に示す。

常時観測点M、

8月 日中の測定は7月25日、

7日に、

8月6日、

7月26日、

早朝の測定は、

日中の移動測定中は日射 7月25日は晴天であり、

6日に行っている。

5日、

全 7月25日と26日の両日は、

も大きく気温はいずれも300Cを越えている。

域で終日陸寄りの風が卓越しており、 晴天の7月25日にも海陸風の発達はみら 7月26日の気温は300C前後と高い。

れない。

どの常時観測点においても日中の気温は300Cを越える 8月5日,....".,7日には、

8月5日の日中の測定以降、

しかも日を追って低下する傾向にある。

ことはなく、

早朝の風速は弱いけれども7月とは逆の海寄りの風が終日卓越している。 このよ

夏季晴天日にみられる海陸風 うに実測期間中は極端な2つの風向が終日卓越し、

の発達は必ずしも明確ではない。

(17)

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8 m/s

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8月5日 8月6日 実測期間中の気象状況

8月7日時刻

- 128 -

(18)

4 .3 実測結果の概要

早朝および 日中に得られた6つのデータの概要を表6.3に示す。 気温の平均 値は7月の実測では早朝、 日中ともに300Cをこえ ており、 8月の実測では早朝、

日中ともに300Cを越えない。 気温の標準偏差は、 8月7 日の早朝において約1

。C程度であり、 その他の実測では1 oCよりも小さい。

土地利用に対する各実測における気温の頻度分布を図6.15に示す。 同図は 3種類の土地利用に ついて7月25 日、 26日、 8月6日および7日の測定気温 のO.50C刻みごとの出現頻度を示している。 図中の3種類の土地利用で、 高層 建物用地は958の全測定点で約24%、 低層建物用地が約44%、 森林・樹林

・田畑が約13%を占める。 各実測により表6.3に示すように横軸の気温の値に 違いはあるが、 森林・樹林・田畑の土地利用では低温部の出現頻度が大きく、 高層 建物用地では高温部のそれが大きくなる。 また、 低層建物用地はこれら2 つの土 地利用の中間にある。 しかし、 これらの傾向は実測 日や日中と早朝により必ずし も同じではない。 な お、 図中には各土地利用ごとの平均気温を示している。 森林

・樹林・田畑の土地利用における平均気温は低く、 高層建物用地ではそれが高くな る。 一方、 低層建物用地では常にそれらの中間の値を示している。

表6.3 実測データの概要 実デー測タ データ 平(均℃値) 標(準℃偏)差

号宅宇 科手

957 30. 0 O. 48 31. 5 28. 4

957 23. 0 O. 42 28. 4 22. 0

8 95 21. 0 1. 01 23. 7 18. 9

8 7 255日日 日日 958 34. 7 O. 89 38. 3 32. 2

958 28. 2 O. 6 6 3 O. 5 26 . 5

8.1=] 6日 日 958 26. 5 O. 73 29. 4 24. 4

(19)

40

*-30

並区 緊120

�‘

ヨヨ 1 0

28

ポ30

生当 緊;2 0

ヨヨ1 0

森林樹林 田畑一日ー ベト高層建物用地 一平均:29. 50C

I I

平均:30. 30C

50

森林 樹林 田畑吾 平均:34. OoC 50

7月26日(早朝)

40

4一低層建物用地

|平均:34. 60C

4一高層建物用地 平均:35.1 oC

7月25日(日中)

0...

30

世話 緊20

1 0

29 30 3 1

気温, oC

32 32 33 34 3 5 3 6 37

気温, oC

50 -8-森林樹林 田畑

|

平均:20. lOC

低層建物用地+

8月7日(早朝) 平均:21. OoC

高層建物用地-e­

平均:21. 70C

R

1 8月6日(日中)

50 -8-森林樹林 田畑

平均:26.1 oC -A-低層建物用地

平均:26.4 oC

40 40

ポ30

性起 源20

�' 1 0

18 19 20 21 22 23 24 気温, oC

24 2 5 26 27 28 29 気温, oC

(a)早朝の実測結果 (b)日中の実測結果 図6.15 土地利用に対する気温の頻度分布

- 130 -

(20)

測定データの類別と気温分布 4. 4

表6. 3に示す各実測の気温の平均値および標準偏差を用い、 各測定点の気温を 基準化する13)。 基準化に際しては、 各実測における測定値の 次式により中心化、

母分散の検定を予め行っておく。

pu nu'

値偏 ' 差

均準

平標のの温温気気るる

度 温℃おお けけ 化

ここ

準温点点基気定定

のの、測、測

点点のの定定88

各各99 測測55

R

\/

t

、ottσ 申」

/\

七一く七〉

θR- びt

得られた基準化 上式で得られた値を基準化温度と呼ぴ以後ÐRの記号で示す。

度数の階級をm(==8)項目、 実測回 温度ÐRの度数分布を各実測ごとに求め、

この表を基に、 各実測間 (== 6 )組とするmXn分割表14)を作成する。

数をn

x2検定(危険率は5%および10 % ) 14) の度数分布に関する適合度に関し、

まず組数nを2として各実測聞の検定を総当たり を行いデータの類別を試みる。

その結果から、

これらの結果を基に組数nを任意に変えて検定を行う。

で行い、

それら実測時の状況をまとめると表6. 4の 度数分布の特徴が類似する実測と、

ようになる。 表では類別されたグループをA--Dとしてそれぞれのグループに該 当する実測データを示している。 表中の各グループは実測時の風向や風速および 測定時間帯の違いにより特徴づけられる。 気温分布に対して風向や風速および測 Cグループには日 定時間帯などの相違が影響を及ぼしていることが推察される。

図6.15に示す気象状況からみて8月5 中と早朝の測定結果が属しているが、

測定時間中の風速も比較 このような結果になったと考えられる。

日午後から8月6日にかけて海寄りの風が終日卓越し、

的大きな状況であるため、

類別された実測データと実測時の状況

データの種別 測定日の状況

実測日 測定時間帯 風向 風速 A 7月2 5日 日中 陸寄り 比較的大 ーーー一 ーーーーーーー一一一一ーー ーーーーーー一一ー一一一ー 一ーーーーーーー ーーー一一ーーーーーーー

B 7月26日 早朝 陸寄り 比較的大 - -・ーー ーーーー一一一ーーーーーー ーーーーーーーーーーーーー ーー一一一一ー一 ーーーーー ーーーーーーー

8月6日 早朝 海寄り 比較的大

C ーー一ーーーー一ーー一ーー 一一一一一一ー一ー-ー一ー ーーーーーーーー ーーーー一ーーーーーーー

88 月月65 日日 日中 海寄り 比較的大

ーーーー 一ーー一一ーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーー一ーーー ー

D 8月7日 早朝 海寄り 非常に小

表6. 4

(21)

表6. 4のように類別されたグループごとに実測地域の基準化温度ÐRの分布を σt刻みの等値線で示したものが図6.16である。 Cグループの実測データにつ いては3つの値の平均を示している。 図中の風ベクトルは、 常時観測点における 測定時間中の風向 ・風速を示している。 日中の測定結果の場合は時間補正の基準 とした14 : 0 0における常時観測点の風向 ・風速を示している。 また、 早朝の 場合には、 実測時間中の常時観測点における風向 ・風速の変化は小さく安定して いること、 時間補正を行っていないことから実測中の2時間における最多風向お よび平均風速を示している。 複数の実測結果が属するCグループについては、 各 実測時の風ベクトルが比較的類似していることから、 これらをさらに平均して示 している。

A、 BおよびDグループの分布では局所的な高温部や低温部が存在するが、 等 値線の高温部は沿岸部の高層建物用地(図6.2参照)の境界とほぼ一致し、 低 温の等値線は内陸の方ヘ広がり、 その状況は図6.2に示す土地利用分布と類似 している。 この傾向は風速が非常に小さいDグループにおいてより顕著である。

一方、 Cグループでは局所的な分布もみられるが、 等値線はほぼ風向に沿って内 陸へ延び、 基準化温度θRは海岸より内陸まで一様化する傾向がみられる。

図中に散在する局所的な高温部や低温部の土地利用は図6.15を考慮すれば、

比較的建物が密集する地域や主要な交通幹線用地および水面や緑地などである。

- 132 -

(22)

C[J

N A斗l

見 ム

l↑4m/s I l↑4 m/s I

(b)Bグループ(7月26日)

....

N パ汁

十 ぺ

(a) Aグループ(7月25日)

l↑4m/s I

(c) cグループ(8月5, 6日) (d)Dグループ(8月7日) 図6. 16 各グループの基準化温度8Rの分布

(23)

4.5 分散分析による気温分布の影響因子に関する検定

6回の実測による気温分布は、 x2検定を行った結果、 表6.4に示す4つのグ ループに類別された。 ここでは土地利用および風向や風速が気温分布に及ぼす影 響を分散分析によって明らかにする。 この検定についてのみ、 実測ごとに各測定 点の気温をt-く七〉により中心化した値を用いる。

図6. 1 7に示すように、 級として実測回数を、 群として956の測定点にお いて中心化された値を配置し、 級間および群間のデータにおける有意差の検定を 行う。 検定は二元配置による乱塊法1 5}により行う。 気温の全測定点は958個 であるが、 6回の実測におけるデータ数を等しくするために欠測データを取り除 いた956個を利用する。 群聞に配置されるデータは各測定点における土地利用 の相違を、 級聞に配置されるデータは実測時の天候や風向 ・ 風速などの相違を意

味する。

検定の結果得られた分散分析表を表6.5に示す。 同表より群間に有意差が認 められる。 このことは気温分布に対する影響因子として測定時の風向や風速より も、 各測定点の土地利用の方が重要であることを示唆している。 表6. 4のCグ ループに含まれる日の実測データに対し同様な検定を行ったところ、 やはり土地

利用問の有意性が認められるという結果を得た。 同じ土地利用の測定点における 気温を抽出し、 これらを級として同様な検定を行ったところ、 測定時の状況の違 いに有意性が認められるという結果が得られた。 以上の結果は、 気温分布に影響 を及ぼす因子としては実測時の風向 ・ 風速よりも土地利用の方が有意であること を示している。

m

. n

X i j (気温)

i=l""'n (n=6, 6回の実測データ)

j=l""'m (m=9 5 6, 各測定点のデータ

配置する気温は次式による 七一く七〉

七:958個の測定気温, OC く七>: 958個の気温の平均値, 。C 図6. 1 7 分散分析におけるデータの配置

一134 -

(24)

間間差要一群級誤

表6.5 分散分析表

偏差平方和;自由度;分散;分散比:確率 1478.5 : 955: 1. 55: 4.81 : 1. 00

1.8 5 :0.36: 1.12 :2.21 1548.5 4775: 0.32 :

全体 3028.8 5735; ;

(群閥、 級閣の有意差は、 分散比>確率により判定される)

4.6 土地被覆率と気温の関係

分散分析の結果、 気温分布に対し土地利用の影響が大きいことが示された。 こ こでは、 メッシュ間隔を変化させた際の、 土地被覆率と基準化温度ÐRの関係を 考察する。 図6.12に示す実測対象地域を1kmメヅシュに分割し、 この中に 含まれる測定点のÐRをすべて平均する。 また、 この中に含まれる100mメッ シユごとの土地利用区分から建物用地や幹線交通用地の人工地被と水面や緑地の 自然地被の2つに大別して16)それぞれの被覆率を算出する。 この土地被覆率と θRの平均値との関係を示せば図6.18のようになる。 同図(a)"'" (d)は表6.

4に示す4つのグループごとに示したものであり、 図中の直線は全データを最小 2乗法により回帰させたものである。

A""'Dグループにおいて人工地被率の増加に伴うÐRの上昇、 自然地被率の増 加によるそれの低下の傾向が認められる16)。 特に全域で風が非常に弱い8月7 日早朝の(d)図では回帰直線の勾配と相関係数の絶対値が他のグループの値に比 較して大である。 表6.3に示す標準偏差は8月7日早朝においでほぼ1ocであ り、 図中の直線の傾きから自然地被率が0%と100%の場合で約30Cの気温差 に、 人工地被率が0%と100%の場合で約2.70Cの気温差に対応する。 また、

陸寄りの強い風が吹く(a)および(b)図を比較すると、 人工地被および自然地被 における直線の傾きの絶対値は早朝の(b)図の方がやや大きくなり、 これらの値 は(d)図のそれらに最も近い。 このことは、 図6.2の土地利用状況と図6.16 (b)、 (d)での分布状況からも推察される。 一方、 海寄りの強い風が吹く(c)図 では、 人工地被率や自然地被率の増加に対するÐRの変化量は最も小さい。 図6.

1 6 (c)の分布をみると、 海寄りの強い風が吹く場合に沿岸部の市街地高温部が 周囲に広がり地域内でのÐRの分布が一様化されており、 このことが被覆率の変 化に対するÐRの変化量を小さくしている原因と考えられる。

以上のように、 自然地被率の増加による基準化温度θRの低下および人工地被

(25)

率の増加によるぞれの上昇傾向は明確になり、 特に風が非常に弱い場合や陸寄り の風が卓越する場合にこの傾向は顕著となる。

くb

3

2

-2

-3

自然地被

Y=-O.023X+O.464 R=-O.538

20 40 60

被覆率, %

3,自然、地被

2卜由

Y=-O.029X+O.572 R=-O.65\

、4〆

80

(a)

3

2

Y=O.016X-l.077 * R=O.413

p::

cb

-2

100

- 3

20 40 6 0

被覆率, % Aグループ[7月25日(日中)]

3 人工地被

Y=O.023X-l.5t18

2

R=O.549 *

〉ド

4 0 開栴逼i J

〉ド 一一一 qコp::

-l�林

平干〉ド

-2卜

* *

J

-3

20 4 0 60

被覆率, %

ト\

-2

80 100

-3

20

(b) Bグループ[7月26日(早朝)]

40

60

被覆率, %

80 100

*

80 100

図6.18 lkmメッシュ内の土地被覆率と基準化温度θRの平均値の関係

136 -

(26)

3 3 2 Y=-O.014X+O.246

R=-O.386 2

ハHU

--4

0:

-2 -2

-3

o 20 40 60 80 100 被覆率, %

�3 o 20 40 60 80 100

被覆率, % (c) cグループ[8月う日(日中).6日(早朝P日中)]

3r白肘仙拙 3

Y=-O.030X+O.595

2 r- 0ー ハ以A 2

。 一一

持-r

、-米一一一一一一一一 0:

むぽ

ド*司不芦bk

〉ド小'ト � ... )刻ド< ,ド

- 1

��

* * * *

iアれ

ヰ( ,ド〉ド ヰ〈〉ド〉ド

ォミド

-2 -2

-3 -3

。 20 40 60 80 100 。 20 40 60 80 100

被覆率, % 被覆率, %

( d ) Dグループ[8月7日(早朝)J

図6.18 1kmメヅシュ内の土地被覆率と基準化温度()Rの平均値の関係

(27)

次に気温に及ぼす土地利用の面積効果を考察するため、 500mおよび300 mのメッシユの中に占める自然地被、 人工地被の被覆率を図6.19に示す方法 で算出する。 被覆率の算出方法は、 同図に示すように測定点を含む100mメッ シユを中心にした場合と風向を考慮して風上側のメッシユを考える場合の2種類 とする。 A---Cグループについては同図(b)に示すように、 陸寄りの風向の場合 にメッシュを南側に移動して、 風向が海寄りの場合には逆にそれを北側に移動し て被覆率を算出する。 風速が非常に小さなDグループでは、 測定点を中心とした 同図(a)による被覆率のみを算出する。 このようにして算出された被覆率が等し い測定点の基準化温度8Rの平均値を算出する。

以上から求められる500mメッシュの場合の、 人工地被率と8Rの平均値と の関係を図6.20(a)および(b)に示す。 同図(a)は測定点を中心に500m のメッシュを考えた場合で、 (b)図はA---Cグループの測定時の風向を考慮して 測定点の風上側の500mメッシュをとった場合である。 両図ともに、 人工地被 率の増加によるθRの上昇傾向がみられ、 両者の関係には被覆率の算出法の違い による影響はみられない。

同様に300mメッシュの人工地被率と8Rの関係を図6.21 (a)、 (b)に示 す。 人工地被率の増加に対する8Rの増加傾向は図6.20の500mメッシュの 場合と同様であるが、 この傾向は300mメッシュの場合がより明確である。 ま た、 被覆率と8Rの関係に対して、 被覆率を算出する際のメヅシュの取り方によ る影響は図6. 20同様にみられない。

55 1 1HJ

3∞m 5∞m

1

・:船内まれる最小メソシユ 以下のように被覆率を算出する 同一土地利用のメッシュ数 Xl∞z

メッシュの総偶数

く〉支氾mのメッシュであれば総個数は9 05∞mのメッシュで・あれば総個数は25

( a)測定点を中心にメッシュを考える場合 (b)測定点より風よ側でメッシュを考える場合 図6.19 土地被覆率の算出方法

- 138 -

(28)

直一 差均差偏平偏

T中ム 「|||」1

直一 差均差偏平偏

Tφ1- 「Illl「

+直 轄艇 Tφー一 「|卜

値差均差 偏平偏 十人V4

「 ト

ー?

O

i

円ノ{】 円〆白 円/』

0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 3

j

20 40 6F0 810 100 30 20 40 60 80 100

被覆率, % 被覆率, % 被覆率, %

( a)測定点を含むメ ッシユを中心に被覆率を算出した場合

3 3r

E寵値 f 寵値

2

1 r

T

TTTTT

- 2

Aグループ[7月25日(日中)] 1[8月ち日(日中).6日(早朝,日中)]

i

qコ 0

円ノι

被覆率, % 被覆率, %

(b)測定点より風上側のメ ッシユで被覆率を算出した場合 図6.20 人工地被率と基準化温度θRの関係(500mメッシユt土地利用区分3, 4, 5)

(29)

3 3 3

I!!f直 E 偏差 平均値 偏差 Tφム 差均差偏平偏 直 T中ム 差均差偏平偏 直

2 2 2 2

丁ーームY」!上T↓γi Till 了--Lφ111上 TLlムγーームT4Aγーーム

Tl寸|①llli

ナ+上Tfl­

卜」|14lt -- ー‘nu

Nhも TIllAV--→4 Tbt T↑i TlIlei---一 TTl φll­ T寸||φllli寸llよV|!よ一γllムVl--4 γ占li トト 「 -AハU 11 円ノム

T|φ1i

T↓下i 日

T!?i

朝 1

1「i 伊

TJ 中 T--ーホVl--上 LU I 口】

T 十 ゐ|i 中 li p nノし日 ハU T十!?i-N泊iゐ|lじ明トーーLIT-φl十「[ →但

T+1 朝 T14十上

得 T1 4|上 回 - 今ノU 了ーーんV||上 同月

一 寸l T十ムvーー

よ「L

| 干|中 | ムル - i- b T1 プ

下1i配T寸ー↑lト F トk

円/】 Aグループ[7月25日(日中)

]

Dグループ[8月7日(早朝)

]

ハHvq《u 被寝率, % 被覆率, % 被覆率, %

( a)測定点を含むメッシ ュを中心に被覆率を算出した場合

20 40 60 80 100

3

ロHU T I -- のTl寸ム 古¥ 一 早 Tlh γ 十l上 (

! ?i m

TLφーー上

一 ウI

TIllナAY1lil--

一 プ

Ti寸lφーーーよ 一 直 一 ル

差矧 差

- - 「」Ul」 偏平偏 T下 ↑i B T寸 b i - - ゲ

- 寸

||| φ ||| 上

ート|||「|||「l+|トφllrln〈unノ』

円ノト】

Tl中イ上 リ

T|

φ 十| { 中 I 十 i 旧 口u 一 ーすl あ

TIllfφlil-- 同月 一 寸l T斗llhy--よ 一 プ

T11ムVIl-

­ - T ν

寸 i

T十↑|- A トilトど ト 回。 ---円ノ臼 1inu

T9ム 差均差偏平偏 直}

3

丁φム 差均差偏平偏 直

2 2

Tーーφ寸|- 、り 了|ムーー- F T l 千l- 朝 - 早

TーームVIII

/K -

L↑i 侶' J F 、‘,, , T1? l -ペ 中

T」?lル日 工 4 li

y - rkFhノ TTLI-- 朗 いi トト [ 14nu 1A

o 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 0 20 40

被覆率, % 被覆率, %

(b)測定点より風上側のメッシユで被覆率を算出した場合

図6.21 人工地被率と基準化温度θRの関係(300mメヅシユ3土地利用区分3, 4, 5)

(30)

500mメッシュの場合よりも300 このように土地被覆率とÐRの関係は、

300mメッシュにおける人工地 mメッシュの場合により明瞭となる。 そこで、

これらと被覆率との関 被率および自然地被率に対するθRの平均値を取り出し、

図中の各被覆率は測定点を含むメッシュを 係を示せば図6.22のようになる。

平均的な傾向を示 中心にした300mメッシュ内の被覆率を示している。 また、

すために地被率とθRの平均値の回帰直線を示している。

各被覆率の変化に対するÐRの平均値の変化量 (図中の直線の傾きを示す) は、

陸寄りの風が卓越する日中のAグループおよび非常に風が弱い早朝のDグループ その変化量は において大きい。 陸寄りの風が吹く早朝のBグループにおいては、

海寄りの強い風が吹くCグループではその値が最も小さくなる。

陸寄りの風が吹く場合や風が非 測定点周囲の土地利用とθRの平均値の関係は、

やや小さくなり、

分 分 史区支区 的用的用 開品 L -『『v + t hF fl、、 ,+lL F O(+比

2

Q) 0

i

Bグループ

[7月26日(早朝) ]

1 00 40 60 80

被覆率, %

nノ心 ハHv

20

VT-nNH

分 分 皮 区度

断照削用

問清刀捌

自由人

・封

。比+は

2

Q)

Aグループ

[7月25日(日中) ]

100 80 4 0 60

被覆率, %

20 - 2

0

2 ,0自然地被

( 土地利用メ分 1.

6

+人立也

(土地利用区分M 3jcfur - o

014

Y=-Q. 017X-Q. 203 R=-Q.958

Q) 0

分 分 支区 支区

邸畑山川明 撚山川辺山川

2

αは幻は

Q) 0

o

Dグループ

[8月7日(早朝日

Cグループ

[8月5日(日中).6日(早朝,日中) ]

20 - 2

1 00 0 60 80

40 20 -2

0 40 60 80 100

被覆率, % 被覆率, %

土地被覆率と基準化温度ÐRの平均値との関係 図6.22

(31)

常に弱い場合に顕著となる。

特にDグループでは表6.3に示す標準偏差を考慮すれば、 人工地被率および 自然地被率の0%と100%の場合に生じる平均的な気温差は約20Cに対応する。

これは第4章に示した気温と緑被率の関係ともほぼ一致する。 他の報告例との比 較は測定時の状況が不明確で、 風向 ・ 風速等を考慮して気温分布を調査した例が 少ないため難しい。 Dグループのように非常に風が弱い場合の家屋密度と気温の 関係を調査した高橋の報告18)は、 家屋密度を算出する際に対象とするメッシユ が200"'-'400m程度と本測定と類似しており、 その結果はほぼDグループの 気温の変化と一致する。

以 上のように、 測定点の周囲において人工地被率が増加すれば気温が上昇し、

自然地被率が増加すれば気温は低下する。 土地被覆率の相違による気温分布への 影響は、 天候や風向・ 風速などの違いによらずみとめられる。 しかし、 この影響 は風が非常に弱い場合や陸寄りの風が卓越する場合に顕著となる。 海寄りの風が 強い場合には気温が一様化されるために土地被覆率の相違による気温の分布が小 さくなる。

5 . むすび

福岡市とその近郊を対象として、 地域の主風向に沿う3つの観測点の建物屋上 において風向・ 風速および気温の長期観測を行った。 第2章で述べた解析手法を 用いて、 夏季の海陸風の特徴および日中の海風が地域内の気温分布に及ぼす影響 について明らかにした。 また、 対象地域内の土地利用分布の経年変化から緑地の 減少や建物用地の高層・高密化などの都市化の傾向を示した。 さらに、 対象地域 内において気温分布の詳細な測定を行い、 気温分布に及ぼす風向・ 風速と土地利 用の影響について考察した。 結果をまとめると以下のようになる。

(l)夏季日中における陸風から海風への風向の変化に伴う気温の低下は顕著であ る。 海風の侵入後は、 気温上昇が抑制される。 これらの傾向は、 風向の変化す る時間帯や海岸からの距離により異なる。

(2)夏季日中の最高気温は、 陸風から海風への交替が最も早い沿岸部で低く、 交 替が遅く海風の強さも減少する内陸部ほど高くなる傾向にある。 沿岸部と内陸 部の最高 気温の差は平均的に2.70Cに及ぶ。

(3 )都市内の気温分布は、 天候、 風向・ 風速などの影響を受けるが、 土地利用の の方がより大きい影響を及ぼす。

一142 -

(32)

(4)土地利用の相違による気温の変化は、 海寄りの風速の大きな風が吹く日中や 早朝よりも陸寄りの風が吹く時や風速が弱い場合において顕著となる。

(5 )風速が非常に弱い早朝における周囲300m内の人工地被率および自然地被 率の0%と100%の場合に生じる気温差は約20Cに相当する。 これらの値は 気温と緑被率の関係や家屋密度と気温の関係から示される気温の変化量とほぼ

等しい。

く〉参考文献

1 )山下情二:日本におけるヒートアイランドの特徴とその形成要因について,

日本生気象学会誌, 23 (1), 1986.1., pp.1ト18

2}岡建雄:都市の熱的空気環境, 建築雑誌, Vol. 96, No.1185, 1981. 10.,

pp.35-38

3)河村武:熊谷市の都市温度の成因に関する二、 三の考察, 地理学評論,

37-10, 1964.10., pp.560-565

4)中野芳輔ほか:土地利用形態と熱的環境の評価, 九大農学芸誌, 第43巻,

第1・2号, 1989., pp.69-75

5)鎌田敏ほか:土地利用による気温変化に関する研究, 日本建築学会大会学術講 演梗概集, 1991. 9., pp.112ト1122

6)石原修ほか:熊本地方の気象に関する研究(その9)地表面被覆率の算出およ ぴ気温分布推定への利用, 日本建築学会九州支部研究報告, 第27号,

1983.3. , pp.89-92

7)浦野良美ほか:都市における気象要素の広域分布一福岡地域における気象要素 の実測データによる解析一, 空気調和 ・ 衛生工学会論文集, No.12,

1980.2. , pp.93-103

8}福岡市環境局環境保全部編:平成2年版 福岡市の環境, 福岡市環境局環境保 全部, 1990.12.

9)国土庁計画 ・ 調整局, 建設省国土地理院編:国土情報シリーズ2国土数値情報,

大蔵省印刷局, 1986.5.

10)千葉修ほか:接地気層での海風前線の観測1 -海風前線の侵入時刻と前線幅に ついて一, 天気, Vol. 37, No. 7, 1990.7., pp.415-419

11 )佐橋謙:自動車による気温の移動観測における観測誤差一特に自動車の影響を

(33)

中心に一, 天気, Vo1. 30, No. 10, 1983. 10., pp.2 1-26

1 2)田宮兵衛:小気候 ・ 局地気象一特に移動観測の方法について一, 天気,

Vo1. 26, No. 10, 1979. 10., pp.53-60

13 )柳井晴天ほか:現代人の統計2-多変量解析法 , 朝倉書店, 1977.9.,

pp. 18-32

14 )森口繁一編:新編統計的方法, 日本規格協会, 198 1.

15 )石川栄助編:実務家のための新統計学, 横書店, 1975.

16) Sai to, 1., et a1. : Study on the Effect of Green Areas on the Thermal Environment in An Urban Area, Energy and Buildings, 15- 16, 1990.7.,

17)山田宏之ほか:都市における緑地の気象緩和作用についての実証的研究,

造園雑誌, 52 (5), 1989.5., pp.127- 132

18 )高橋百之:日本の中小都市における気温分布と家屋密度, 地理学評論, 32ーし 1959.6., pp.305-3 13

- 144 -

(34)

第7章 総括

本研究では、 自然エネルギーとしての風および水面・緑地の夏季における暑熱 緩和効果を定量的に明らかにすることを目的として、 夏季の自然風の特徴を統計 的に示し、 市街地の通風促進に重要なオープンスペースとしての河川や街路周辺 および“都市のオアシス" としての水面や緑地とその周辺の熱環境を調査解析し、

都市内の気温分布と土地被覆分布との関係を総合的に検討した。 以下、 各章ごと に得られた知見をまとめて総括とする 。

第1章では、 研究の目的、 既往の研究および本論文の構成について述べた。

第2章では、 気象データを用いて夏季日常的に吹く風の風向・風速の海陸風的 な特徴を統計解析により明らかにした。 まず、 本研究における独自の解析手法の 妥当性を気象学的手法に基づく海陸風の解析結果と比較することにより検証した。

次に本解析法を全国の主要な1 2都市に適用し、 夏季の全データから得られる風 向・風速に関し、 主風向は概ね海陸風のそれに一致し、 平均風速は海陸風のそれ よりも大きく、 海風時の風速は陸風時のそれよりも大きいなどの結果を得た。 さ らに海陸風の強さや安定度が日射量の増加とともに大きくなることから、 この2 つの項目が海陸風の発達の指標として妥当であることを示した。

第3章では、 市街地内の通風経路として重要な連続するオープンスペースであ る河川や街路に着目し、 幅約100mの河川上といくつかの街路上の気温分布、

風速分布および表面温度を比較検討した。 その結果、 日中の陸風から海風への変 化に伴う河川上の気温の低下は最大3.._ 40Cに及び、 この低下量は海岸に近いほ ど大きく、 街路上でも1 .._ 20Cの気温の低下がみられることを確認した。 一方、

海風時の河川上の気温は海からの距離とともに上昇するが街路上に比較して最大 40C低く、 この気温差も海に近いほど大きく、 河川上と街路上の絶対湿度は海か らの距離に伴い小さくなるが、 その値は河川上の方がやや大きくなるなどの結果 を得た。 さらに海風時の街路上では、 風速または河川上に対する風速比が大きく なれば気温は低くなり河川上の値に近づくこと、 街路上と河川上との気温差は舗 装面と水面の温度差に従って大きくなるが これは主に街路上の気温の上昇に起 因することなどを実証した。

第4章では、 都市公圏内の池や緑地の暑熱緩和効果を数種の実測調査を行い検 討した。 日中における池とその周囲の気温分布は、 水面上で最も低く、 そこから 離れるに従って高温になること、 その気温差は池の水面温度と周辺市街地の地表

参照

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