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水害時における地方自治体の外国人支援施策に関す る調査報告

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(1)

水害時における地方自治体の外国人支援施策に関す る調査報告

著者 正島 美智子, 西城戸 誠

出版者 法政大学人間環境学会

雑誌名 人間環境論集

巻 21

号 1

ページ 85‑127

発行年 2020‑10‑31

URL http://doi.org/10.15002/00023618

(2)

1 はじめに

 周知の通り、近年の日本では、地震、津波、台風や河川の氾濫、斜面崩壊、火 山、大雪などによって様々な災害が発生している。それらの災害の中でも、近年 地球温暖化の進行に伴う気候変動の影響により、台風が巨大化する、またゲリラ 豪雨が頻発するといった様相を呈しており想定を超える降水量によって洪水が発 生する危険性が高っている。図 1 は、全国の 1 時間降水量 50mm 以上の年間発 生回数の経年変化図を示したものである。全国の 1 時間降水量 50mm 以上の年 間発生回数は、統計期間 1976 年~2019 年で 10 年あたり 28.9 回の増加がみられ る。また、最近 10 年間(2010 年~2019 年)の平均年間発生回数は約 327 回であ り、統計期間最初の 10 年間(1976 年~1985 年)の平均年間発生回数が約 226 回 であることから、これらを比較すると平均年間発生回数は、約 1.4 倍増加してお り、洪水の危険性が高まっていることが見いだせる。

 一方で、2018 年末の日本における在留外国人数は 2,731,093 人であり、20 年前

(1998 年末:1,512,116 人)と比較して約 100 万人以上増加し、「約 50 人に 1 人が 外国人」(総人口に占める割合は約 2.0%)という状況となり、今後も増加傾向が 見込まれている(法務省平成 30(2018)年度在留外国人数統計)。また、在留外 国人の多国籍化も進んでおり 10 年前(2008 年)は、中国、韓国・朝鮮、ブラジ ル、フィリピンで全体の 4 分の 3 を超えていたのに対して、近年は留学生や外国

水害時における地方自治体の 外国人支援施策に関する調査報告

正島 美智子・西城戸 誠

(3)

人技能実習生の増加によりベトナム、ネパール、タイ、インドなどが一定の割合 を占め、今後も多国籍化は進んでいくものと考えられる。

 上記の自然現象と社会現象を掛け合わせたとき、自然災害発生時への外国人に 対する対応、防災に対する外国人に対する支援をどのように実施すればよいのか という実践的な関心が生まれてくるだろう。とりわけ地方自治体にとっては、在 留外国人の増加や、国籍の多様化に伴い、どのように防災や自然災害発生時への 対応、支援をより細かく対応するかが問われている。だが、地方自治体の自然災 害に関する外国人支援、施策についての議論の中で、「水害」に対する防災施策、

災害対応は看過されてきた。本稿では、2019 年に実施した「自治体の災害時に おける外国人支援施策に関するアンケート調査」(実施主体:正島美智子(法政 大学大学院公共政策研究科サステイナビリティ専攻・西城戸誠研究室))の結果 を整理し、地方自治体が防災や災害発生時において外国人に対してどのような支 援を行っているのか、その実態を明らかにすることにしたい。

 以下、2 節では調査方法について述べ、3 節では本調査結果の集計結果を項目 別に整理する。最後に本調査研究で得られた知見と今後の研究課題について指摘 する(4 節)。

図 1 全国の 1 時間降水量 50 mm 以上の年間発生回数の経年変化(1976~2019 年)

出典:気象庁 HP より筆者(正島)作成

(4)

2 調査方法と調査項目

2

-

1 調査方法

 本調査研究の対象は、外国人住民が居住し、最近 5 年間(2015 年~2019 年)

に水害被害にあった地方自治体 1,030 団体である。水害の有無は、2015 年~2017 年は国土交通省「水害統計」を基に、2018 年~2019 年は都道府県庁防災課から 水害被害のあった基礎自治体を抽出した。調査時期は 2019 年 5 月 7 日~2019 年 6 月 15 日である。調査票を郵送し、一部の自治体は電子メールによっても調査 票を回収し、有効回収数は 422 件、有効回収率は 41.0%となった。なお、表 1 は、

地域ブロック(1)別の対象(送付数・回収数)である。

表 1 地域ブロック別対象自治体数(送付数・回収数)

地域 北海道 東北 関東 北陸 中部 近畿 中国 四国 九州

沖縄 無回答

発送数 72 143 205 35 115 141 84 78 157

回収数 39 63 72 15 49 44 35 37 66 2

(回収率)(54.2%)(44.1%)(35.1%)(42.9%)(42.6%)(31.2%)(41.7%)(47.4%)(42.0%)

2

-

2 調査項目

 本調査は、「外国人住民の防災に関する施策の取り組み状況について」「水害発 生時の取り組み状況について」「外国人住民に関する概況について」「外国人住民 施策の取り組み状況について」と 4 つのセクションにわけ、調査項目は以下の 28 項目である(表 2)。

(1)  地域ブロックは「北海道」(北海道)、「東北」(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形 県、福島県、新潟県)、「関東」(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神 奈川県、山梨県)、「北陸」(富山県、石川県、福井県)、「中部」(長野県、岐阜県、静岡県、

愛知県、三重県)、「近畿」(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)、「中 国」(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)、「四国」(徳島県、香川県、愛媛県、高 知県)、「九州・沖縄」(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、

沖縄県)である。

(5)

表 2 調査項目一覧

Ⅰ 外国人住民の防災に関する施策の取り組み状況について   問 1  自治体に居住する外国人住民への防災対策の現状   問 2  外部団体との連携体制

  問 3  多言語ハザードマップの作成状況   問 4  多言語ハザードマップの配布状況

  問 5  多言語ハザードマップの講習会・説明会の開催状況   問 6  多言語ハザードマップの作成予定

  問 7  自治体における自主防災組織   問 8  自主防災組織の参加

  問 9  外国人住民が立ち上げた自主防災組織

  問 10 自治体における外国人自主防災組織や消防団への支援活動   問 11 自治体における重要度の高い施策または特徴的な施策   問 12 参考にした他の自治体の防災施策

  問 13 外国人住民のための国、都道府県、市区町村、民間事業者・NPO の役割

Ⅱ 水害発生時の取り組み状況について   問 14 近年の水害状況

  問 15 水害発生時の情報発信状況(日本語)

  問 16 水害発生時の情報発信状況(外国語)

  問 17 避難所における外国人住民と日本人住民とのトラブル   問 18 外国人住民の対応に苦労した点

  問 19 外国人住民への支援組織や拠点の設置

  問 20 近隣自治体からの外国人住民への情報提供や支援

Ⅲ 外国人住民に関する概況について

  問 21 自治体に居住する外国人住民の増減動向   問 22 自治体に居住する外国人住民の国籍上位 3 つ

Ⅳ 外国人住民施策の取り組み状況について   問 23 外国人住民に対する新たな施策作成・修正   問 24 自治体における外国人住民に対する施策・取り組み   問 25 自治体における外国人住民への情報提供

  問 26 自治体における外国人住民への情報提供方法   問 27 「やさしい日本語」の情報発信

  問 28 他の自治体の外国人住民への情報提供や支援

 以下の 3 節では、回答自治体のプロフィール(3-1)、回答自治体による外国 人住民に対する支援、情報提供の概要(3-2)、外国人住民に対する防災施策の 取り組み(3-3)、ハザードマップに関する防災対策(3-4)、災害に関する自治体 施策について(3-5)、外国人住民のための国、都道府県、市区町村、民間事業・

(6)

NPO の役割(3-6)、自主防災組織と外国人住民とのかかわり(3-7)について 調査結果を提示する。続く 4 節では、水害発生時における外国人への情報発信

(4-1)、水害時における外国人支援の実態(4-2)、水害発生後の外国人住民施策 の変化(4-3)について述べる。最後に 5 節で本調査の知見の整理と今後の調査 の課題を提示する。なお、以下の調査結果について、自由回答については、一 部、省略した回答もある。

3 調査結果

3

-

1 回答自治体のプロフィール

⑴ 地域ブロックと人口規模

 回答自治体の地域ブロックは、「関東」(17.1%)が最も多く、次いで「九州・

沖縄」(15.7%)、「東北」(14.9%)となっている(図 2)。なお、表 1 で示されて いるように「関東」と「関西」は都市部であるためか回答率が他のブロックより も低いことに留意する必要がある。また、回答自治体の人口規模は、「1 万人以 上 5 万人未満」(41.0%)が最も多く、次いで「5 万人以上 10 万人未満」(17.5%)、

「1 万人未満」(15.9%)となっている(図 3)。

図 2 回答自治体地域ブロック

(n=422)

図 3 回答自治体の人口規模

(n=422)

(7)

⑵ 回答自治体の水害の状況

 回答自治体における過去 5 年間(2014 年~2018 年)の水害被害(図 4)は、

2018 年が床下浸水(17.1%)、床上浸水(10.2%)と最も多く、同年 7 月に発生 した「平成 30 年 7 月豪雨(西日本豪雨)」による影響が大きいと考えられる。次 いで、2017 年が床下浸水(14.5%)、床上浸水(7.8%)であり、同年 7 月に発生 した「九州北部豪雨」によるものと考えられる。

図 4 回答自治体の水害被害状況(2014~2018 年)

問 14 貴自治体では、近年(2014 年~2018 年)どの程度の水害被害がありましたか。

床下浸水又は床上浸水の被害があった年に○をつけてください。

⑶ 外国人住民数と外国人住民比率について

 回答自治体の外国人住民数は、「100 人以上 1,000 人未満」(42.7%)が最も多 く、次いで「100 人未満」(25.6%)、「1,000 人以上 5,000 人未満」(20.4%)となっ ている(図 5)。また、回答自治体の全住民に占める外国人住民の比率は、「1%

未満」(49.5%)が最も多く、次いで「1%以上 5%未満」(47.2%)となっており、

ほとんどの自治体が 5%未満である(図 6)。ただし、図 7 をみると、外国人住民 数は、3 年前と比較すると「増加」と回答する自治体が 7 割を超え(72.7%)、さ らに外国人の国籍は多様化している(図 8)。具体的には、中国が 1 位を占める 自治体が 46.8%と最も多く、次いでベトナム(20.8%)、フィリピン(10.2%)と なっている。国籍 2 位においても、中国、ベトナム、フィリピンが多く、多くの

(8)

図 5 回答自治体の外国人住民数 図 6 回答自治体の外国人住民数

問 21 貴自治体にお住まいの外国人住民は 3 年前(2016 年)と比較して増加あるい は減少していますか?あてはまる番号 1 つに○を付けてください。

72.7%

6.5%

20.9%

増加 減少 わからない

(n=417)

図 7 自治体に居住する外国人住民の増減動向

問 22 貴自治体にお住まいの外国人住民にはどの国籍の方が多くいますか。多いもの から順に、あてはまる番号を 3 つ解答欄にご記入ください。

図 8 外国人住民の国籍の状況 46.8

25.7

15.9

8.9

18.1

17.7

6.6

1.7

7.1

10.2

20.9

22.1

0.8 1.4

2.4

0.8

1.4

2.4

20.8

21.8

23.3

1.7

3.1

3.8 1.7

3.1

3.8

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1位

2位

3

中国 韓国・朝鮮 ブラジル フィリピン タイ インドネシア ベトナム アメリカ イギリス ペルー その他

(n=422) (n=422)

(9)

自治体においてこれらの国籍が上位を占めている。これらの背景には技能実習生 の受入れが関与していると考えられる。さらに、その他の国籍としては、イン ド、ネパール、ミャンマー、カンボジア、モンゴル、スリランカ、マレーシア、

スペイン、オーストラリア、ロシアの回答があった。全国的に外国人住民が増加 し、多国籍化していることが確認できる。

3

-

2 回答自治体による外国人住民に対する支援、情報提供の概要

⑴ 平時における外国人住民に対する取り組み

 図 9 は、平常時、外国人住民に対しどのような施策・取り組みが行われている かを尋ねた結果である(複数回答)。「各種文書・表示・案内の多言語化」(13.8%)

が最も多く、次いで「特にない」(13.4%)、「日本語の習得支援」(11.4%)となっ ている。

図 9 平時における外国人住民に対する施策

9.6 13.8

0.6 11.4 2.8 7.7 2.2 2.2 1.7 6.6 4.2 11.1 1.9 2.5

2.7 5.7 13.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

各種文書・表示・案内の多言語化 コミュニケーション支援(通訳・翻訳派遣など)

日本語の習得支援 母国語の習得支援 子供の就学・教育支援 就労・労務相談 地縁団体(自治会等)への参加促進 外国人住民コミュニティの形成支援 外国人住民との協働(合同のイベント開催等))

外国人住民による市民会議・懇談会の設置 防災対策(防災訓練、案内の多言語表示など)

医療・保健・福祉支援(医療通訳等)

住宅情報の紹介 多文化共生に関する施設の設置 多文化共生に関する外郭団体の設置 その他 特にない

(%)

(n=1,126)

問 24 平常時、貴自治体では外国人住民に対し、どのような施策・取り組みを展開し ていますか。あてはまる番号すべてに○を付けてください。

⑵ 平時における外国人住民に対する情報提供の内容と方法

 図 10 は、平常時、多言語提供している情報の内容について複数回答で尋ねた 結果である。「日常生活関連情報(医療、ごみ収集の情報等)」(24.0%)が最も 多く、次いで「地域の防災に関する情報(避難所情報等)」(20.1%)、「催事情報、

外国人向け日本語教室や技能学習等の情報」(16.9%)であった。また、「その他」

(10)

(10.9%)の回答内容は、「市の広報誌の内容」、「観光に関する情報」、「避難所標 識」などがあった。

 図 11 は、平常時における外国人住民への情報提供の方法である。「インター ネット、ホームページ」(40.9%)が最も多く、次いで「新聞、広報誌、貼り紙」

(19.7%)、「SNS(ツイッター、Facebook など)」(12.2%)であった。「その他」

の回答としては、「勤務先を通じた情報提供」や「エリアメール」、「市の窓口で の対応」などの回答があった。

 また、図 12 は、外国人住民への情報発信に際して、外国人住民が理解しやす

図 10 平時における外国人住民への多言語による情報提供の内容

4.5 20.1

4.2 5.3

24.0 2.6 16.9

5.6 5.9 10.9

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

地域の防災に関する情報(避難所情報等)

地域の防犯に関する情報 交通機関の運営情報 電気、ガス、水道の運営情報 日常の生活関連情報(医療、ごみ収集の情報等)

催事情報、外国人向け日本語教室や技能学習等の情報 道路事情に関する情報 学校、保育園などの運営の状況 国レベルの統一的な制度・共通情報 その他

(%)

(n=622)

問 25 平常時、貴自治体において多言語提供している情報の内容はどのようなもので すか。あてはまる番号すべてに○を付けてください。

図 11 平時における外国人住民への情報提供の手段

2.6 40.9

6.1 12.2 2.2 3.9

2.9 19.7 0.2 0.0

9.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

電話、FAX インターネット、ホームページ SNS(ツイッター、Facebookなど)

電子メール(メーリングリスト)

コミュニティFM、AM放送 テレビ放送 新聞、広報誌、貼り紙 説明会、懇談会 避難所の巡回 海外メディア その他

(%)

(n=543)

問 26 平常時、貴自治体において外国人住民への情報提供はどのようにして行われて いますか。あてはまる番号すべてに○を付けてください。

(11)

いことば「やさしい日本語」を使った発信を行っているかどうかを尋ねた結果で ある。「やさしい日本語」を発信している自治体は全体の 18.0%で、発信を行っ ていない自治体は 82.0%であった。「やさしい日本語」を使った発信を行ってい る自治体では、具体的な事例として生活ガイドブック(暮らしの情報)、防災ガ イドブック、ハザードマップ、市の広報誌、市の HP、チラシ、日本語教室の案 内、メーリングリストなどの回答がみられた。

 なお、「これまで他の地域での災害時に、そこに居住する外国人住民への情報 提供や支援を行ったことがありますか」(問 28)という設問に回答した自治体は、

6 自治体(1.2%)であった(2)

3

-

3 外国人住民に対する防災施策の取り組み

⑴ 災害時における外国人支援に関する先行研究

 在留外国人が日本語に不自由であったり、地域生活に慣れていなかったりする

(2)  新潟県長岡市が「長岡市国際交流センターの羽賀センター長が、中越沖地震、東日本大 震災、熊本地震等で外国人被災者の支援を実施」、茨城県つくば市が「2017 年 9 月関東豪 雨の際、茨城県常総市に居住する外国人に対して避難所開設の支援を行った」、岡山県総 社市が「通訳の派遣」、福岡県福岡市「平成 28 年熊本地震において(公財)福岡よかトピ ア国際交流財団の職員を熊本市国際交流振興事業団が運営する国際交流会館に派遣し、避 難している在留外交人を支援」、福岡県北九州市が「熊本地震の際、地域国際化協会の呼 びかけにより、(公財)北九州国際交流協会の職員や通訳ボランティアの派遣を行った」

という回答があった。

問 27 貴自治体では、外国人住民が理解しやすいことば「やさしい日本語」を使った 情報発信を行っていますか。あてはまる番号 1 つに○を付けてください。また、

「1. はい」と回答された方は、どのようなものか具体的な事例をご記入ください。

18.0%

82.0%

はい いいえ

(n=400)

図 12 やさしい日本語による情報提供の有無

(12)

ことや災害に関する知識がないという問題に対して、地方自治体による情報提供 の実施への支援を行うクレア(一般財団法人自治体国際化協会)がある。クレア は、多言語支援体制の構築に活かす「災害時の多言語支援のための手引き」や、

多言語による文字情報の提供が可能な「多言語表示シート作成ツール」の提供な ど、災害時外国人支援のための情報を発信している(3)。このクレアに所属する横 田(2018)は、災害時における外国人支援状況の経験(表 3)から、災害時の外 国人住民が直面する課題を 4 点指摘している。第一に、外国人住民には日本にお ける災害経験がなく知識がないこと、第二に災害の実態や避難についての情報を 伝えるメディアへアクセスができないこと、第三に災害時の情報の中で普段使用 しない専門用語が使われ、それが理解できないこと、第四に日本人の知り合いや 地域社会の人々などの「つながり」が少ないことや、外国人同士のコミュニティ に参加していないということである。

 また、田中(2014)は、2014 年に首都圏在住の中国人、韓国人、日系ブラジ ル人、フィリピン人に対するグループインタビューを行い、首都直下地震が発生 し被災者になることを想定した時、メディア利用と情報行動、今後に向けたメ ディアに対する要望に関する調査を行っている。その結果、災害の初動段階では

「どう行動していいのかわからない」「避難所の場所がわからない」など、具体的 な避難行動がイメージできない不安を共通して抱えていることを指摘している。

 以上のように、外国人住民は、地震や水害の経験が少ないため、災害発生前に どのような準備をすべきか、災害発生後どのような行動をすべきかわからないこ とが多いため、日頃から防災訓練など災害への知識をつけておく必要があるとさ れる。また、災害発生時は、自治体への HP へのアクセスがつながりにくく情報 を得ることが難しく、メールでさえつながりにくくなるため、地域内でのコミュ ニティ(NPO や日本語学校)、同国人や近隣住民との付き合いが重要とされる。

 また、災害発生時に普段使用しない災害・防災用語が使用されることで外国人 には理解が難しい。そのため、自治体は、外国人が理解しやすい「やさしい日本 語」によるガイドブックやハザードマップを作成し配布しておくことが重要と

(3)  http://www.clair.or.jp/j/multiculture/tagengo/saigai.html (2020 年 8 月 29 日アクセス)。

(13)

表 3 これまでの災害時における外国人支援の状況

災 害 発生年 外国人支援活動(主な概要) 参考~災害時の経験等を 踏まえたクレアの取組~

新潟県中 越地震

2004 年 ・長岡市において外国人避難者のニー ズの把握、情報提供を目的とした避 難所巡回活動が実施された。

災害時多言語表示シート 等外国人に対する多言語 情報提供支援ツールを開 発、クレア HP 上で公開

(2006 年(H18))

新潟県中 越沖地震

2007 年 ・新潟県が外国人住民の支援を行う

「災害多言語支援センター」を設置 した。

・全国各地の地域国際化協会職員等が 柏崎市に応援に駆け付けた。

全国に所在する地域国際 化協会間の広域支援の枠 組(広域支援協定)を整 備

東日本大 震災

2011 年 ・仙台市と茨城県が「災害多言語支援 センター」を設置した。

・NPO(多文化共生マネージャー全 国協議会)が「東北地方太平洋沖地 震多言語支援センター」を滋賀県に 設置、翻訳等を行った。

・FM ラジオやインターネットを通じ た多言語での情報提供が行われた。

「東北地方太平洋沖地震 多言語支援センター」に おいて多言語で配信され た外国人向け災害支援情 報から、今後の災害時に も有用な情報を抽出、一 般化して編集の上、クレ ア HP 上で公開 関東・東

北豪雨

2015 年 ・東日本大震災までは「支援される 側」として位置付けられることが多 かった外国人住民が高齢者を救助し たり、1 人で避難生活を送る高齢者 に声をかけ元気づけたりと「支援す る側」に回ったことが認識された。

熊本地震 2016 年 ・ 熊 本 市 が「 災 害 多 言 語 支 援 セ ン ター」を設置した。

・熊本市国際交流振興事業団が熊本市 と連携して、異文化に配慮ある食事 や物資を配置した「外国人対応避難 所」を設置、日頃から各種事業等を 通じて培ってこられた「つながり」

を生かして外国人コミュニティの支 援を得ながら、被災した外国人も安 心した避難生活が送れるようなサ ポートが行われた。

災害時多言語表示シート の改良を行ったほか、災 害時用ピクトグラム(絵 文字)、体調や食材のピ クトグラムが記載された 避難者登録カードを整 備、クレア HP 上で公開

出典:横田(2018: 45)を一部加筆

(14)

なる。

 さらに、外国人住民が災害時に混乱に陥らないようにするには、人による呼び かけや口コミ、電話などを通じての伝達が大きな役割を果たす。人による伝達 は、同国人の人間関係や近隣のコミュニティを通じて行われることで緊急事態に も機能し得る柔軟性を持ち、安心感を与えることができる。また、それは母国語 を用いて伝達されるとより効果的であるといえる。これらの点を踏まえて、以 下、本調査の結果を見ていこう。

⑵ 自治体に居住する外国人住民への防災対策の現状

 外国人住民への防災対策について複数回答で尋ねたところ(図 13)、「防災パ ンフレット・ハザードマップの配布」(21.9%)、「防災訓練」(11.2%)、「講習会・

講演会」(7.6%)となっているが、自治体で外国人住民を対象とした防災対策へ の活動を「実施していない」という回答が 48.1%とあるように、半数の自治体で は外国人住民を対象とした防災活動の実施がなされていないことが見いだせる。

 一方、防災訓練を行っている自治体は、年に 1 回の頻度で行われている自治体 が最も多かった。また、「その他」の回答には、「多言語による防災メール配信

(登録制)」が最も多くみられた。この他では、「HP の多言語化」、「避難看板の 多言語表記」、「防災アプリ」、「防災イベントの開催」などがあった。

図 13 外国人住民への防災対策の現状

21.9

11.2 7.6 0.6 0.6 1.4

8.7

48.1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

防災パンフレット・ハザードマップの配布 防災訓練 講習会・講演会 図上訓練 ワークショップ 防災リーダーの育成 その他 実施していない

(%)

(n=516)

問 1 貴自治体では外国人住民を対象に、防災対策として現在行っている活動があり ますか。あてはまる番号すべてに○を付けてください。

(15)

 次に、外国人住民への防災対策と地方自治体の人口規模、および外国人比率と の関連について見ていこう。図 14 は自治体の人口規模別にみた防災対策の実施 数を示したものである。人口規模が小さいほど外国人住民に対する防災対策が実 施されていないことが見いだせる。今回の調査結果では人口 5 万人未満の自治体 では、外国人住民を対象とした防災対策への活動を「実施していない」が 8 割を 超えている。一方、人口 30 万人以上の自治体では、「防災パンフレット・ハザー ドマップの配布」が半数以上の自治体で行われている。人口規模が小さい自治体 は、財源や人材、ノウハウの不足といった課題があるため、ハザードマップの配 布ができていないことが予想される。

図 14 人口規模別にみる防災対策

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

100万人以上 50万人以上100万人未満 30万人以上50万人未満 10万人以上30万人未満 5万人以上10万人未満 1万人以上5万人未満 1万人未満

無回答

防災パンフレット・ハザードマップの配布 防災訓練

講習会・講演会 図上訓練

ワークショップ 防災リーダーの育成

その他 実施していない

(自治体)

 また、図 15 は外国人比率別にみた防災対策の実施との関連をみたものである。

外国人比率が低い自治体ほど、外国人に対する災害対策の必要性が低いと考える ためか、防災対策をしていない自治体が多いことが見いだせる。今回の調査結果 で外国人比率 1%未満の自治体では、外国人住民を対象とした防災対策への活動 を「実施していない」が 6 割を超えている。

(16)

⑶ 外国人住民施策に関する外部団体との連携体制

 一方で、外国人住民に対する施策に関して、外部団体との連携体制について 尋ねた(図 16)。特に連携していないと回答した自治体は 61.8%であり、何らか の外部団体と連携している自治体は 38.2%であった。具体的な連携先をみると、

「日本人主体の市民団体・NPO」との連携体制を構築している自治体が 17.6%と 最も多い。一方で、「地縁団体(自治体など)」や「宗教団体」との連携は 3.0%

以下と少なくなっている。また、「その他」の回答としては、国際交流協会が最 図 15 外国人比率別にみる防災対策

0 50 100 150 200 250 300

5%以上

1%以上5%未満

1%未満

無回答

(自治体)

防災パンフレット・ハザードマップの配布 防災訓練

講習会・講演会 図上訓練

ワークショップ 防災リーダーの育成

その他 実施していない

図 16 外部団体との連携体制

17.6

3.7 2.6 0.0

4.6 9.7

61.8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

日本人主体の市民団体・NPO 外国人主体の市民団体・NPO 地縁団体(自治会など)

宗教団体 民間事業者 その他 特に連携していない

(%)

(n=455)

問 2 貴自治体では、外国人住民に関する施策・取り組みについて、どのような外部 の団体と連携していますか。あてはまる番号すべてに○を付けてください。

(17)

も多くみられた。この他では、都道府県や市町村、高校、専門学校、大学等の教 育機関、観光協会や日本語学校、ボランティアセンターなどの回答がみられた。

3

-

4 ハザードマップに関する防災対策

⑴ 外国籍住民向けのハザードマップに関する先行研究の知見

 全国の地方自治体が住民に対して実施する具体的な防災対策の一つとして、さ まざまな災害を対象としたハザードマップがある。このうち水害に対するハザー ドマップの効果については、金井ら(2017: 233)が片田ら(2004)の研究を整理 する形で、ハザードマップを閲覧することで災害や被害の発生に対する意識、住 民の居住地域の危険性の認識などの向上を図る効果(災害意識効果)、災害の危 険性を認識することで災害発生時に備えた平常時の行動を促す効果(被害軽減行 動効果)、得られた情報をもとに災害発生時に迅速かつ確実な避難行動を促す効 果(避難行動効果)があると指摘している。

 一方で、ハザードマップは、外国人向けに多言語されたものも作成され、公表 又は配布されている。片岡(2016: 291)は、現状ハザードマップや防災マップ 等は日本の地図を多言語に翻訳したままのものが非常に多く、これら地図を「読 図」という部分から考えると多くの課題が残ると指摘している。つまり、「都市 計画基本図」が基図として多く使われるハザードマップの場合、その基図をその まま多言語に翻訳することでは、外国籍住民が読図できにくいのである。また、

日本の住居表示は街区方式であるが、多くの国の住居表示は道路方式であり、道 路名を手がかりに場所を特定という形が一般的である。そして防災マップ等の多 言語地図の表記でも住居表示システムが異なり、道路に名前が付されていないこ との多いため、外国籍住民が地図上で位置を特定するのは困難を伴うとされる。

 そもそもハザードマップの閲覧率は決して高いものではなく、保管している割 合も高くはない。また、上述のように外国籍住民用のハザードマップのあり方に も課題があるとされる。では、水害被害があった自治体における外国人向けのハ ザードマップの準備状況はどのようになっているのだろうか。

(18)

⑵ 多言語ハザードマップの作成状況

 図 17 から、外国人住民に対し、多言語で作成されたハザードマップを作成し ている自治体は 17.1%、作成していない自治体は 82.9%であった。また、多言語 ハザードマップの作成の有無と地方自治体の外国人比率との関連をみると(図 18)、外国人比率が高い自治体の方が多言語ハザードマップを作成していること が見いだせる。

 また、図 19 は、「外国人住民に対し、多言語で作成されたハザードマップを作 成していない」と回答した自治体に対し「今後多言語のハザードマップを作成す る予定があるか」と尋ねた結果である。その結果、外国人住民に対し、今後、多 言語で作成されたハザードマップを作成する予定がある自治体は 14.5%のみで、

図 17 多言語ハザードマップの作成の有無

17.1%

82.9%

多言語で作成されたマップを作成している 多言語で作成されたマップを作成していない

(n=421)

問 3 貴自治体では外国人住民に対し、多言語で作成されたハザードマップを作成し ていますか。あてはまる番号 1 つに○を付けてください。

図 18 多言語ハザードマップの作成の有無と外国人比率

8.3

1.7

72.2

41.8 19.4

55.9 0.0

0.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

多言語で作成されたマップを 作成している

多言語で作成されたマップを 作成していない

(%)

5%

以上

1%

以上

5%

未満

1%

未満 無回答

(n=422)

(19)

作成する予定はない自治体が 85.5%であった。さらに外国人比率とハザードマッ プ作成予定との関連をみると(図 20)、外国人比率が低い自治体の方が作成する 予定がないことも見いだせる。

 上述したように、本調査の対象は、最近 5 年間に水害にあった自治体を対象と している。だが、8 割以上の自治体が多言語で作成されたハザードマップが不在 であり、そのハザードマップが不在である自治体の中でも 8 割以上の自治体が作 成予定もないという結果となった。また、外国人住民に対する災害対応有無は、

自治体規模や外国人比率との関連が見いだされるものの、例えば、外国人住民が 多く、外国人防災に力を入れている東京都新宿区、北区、世田谷区、中野区、福 岡県北九州市などでも作成されておらず、また作成する予定はないと回答してい る事例もある。

図 19 多言語ハザードマップの作成状況

14.5%

85.5%

作成する予定である 作成する予定はない

(n=346)

問 6 貴自治体では外国人住民に対し、今後多言語で作成されたハザードマップを作 成する予定はありますか。あてはまる番号 1 つに○を付けてください。

図 20 多言語ハザードマップの作成意思の有無と外国人比率

16.0

2.0

58.0

39.2 42.0

58.1 0.0

0.7

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

作成する予定である

作成する予定はない

(%)

5%以上 1%以上5%未満 1%未満

無回答

n=422

(20)

⑶ 多言語ハザードマップの配布と説明会・講習会の開催について

 「外国人住民に対し、多言語で作成されたハザードマップを作成している」と 回答した自治体に対して、ハザードマップの配布状況と、ハザードマップに関す る説明会・講習会の開催の有無について尋ねた。図 21 から、外国人住民に対し 多言語で作成されたハザードマップの配布状況は「配布している」(67.1%)が 最も多く、次いで「HP 上でのみ公表している」(30.0%)であることがわかる。

つまり、多言語で作成されたハザードマップを作成した自治体は、ほぼ外国人住 民に対し周知している。一方で、図 22 は、多言語ハザードマップの説明会や講 習会、ワークショップを行っているかを示したものであるが、実施している自治 体は 12.3%であり、多言語ハザードマップをより積極的に防災対策として使用し

図 21 多言語ハザードマップの配布状況

67.1%

2.9%

30.0%

0.0%

多言語で作成されたマップを 配布している

多言語で作成されたマップは 配布していない

多言語で作成されたマップを HP上でのみ公表している 今後配布予定である 配布予定はない

(n=70)

問 4 貴自治体では外国人住民に対し、多言語で作成されたハザードマップを配布し ていますか。あてはまる番号 1 つに○を付けてください。

図 22 多言語ハザードマップの講習会・説明会の開催状況

12.3%

83.1%

4.6%

行っている 行っていない 今後行う予定である

(n=65)

問 5 貴自治体では外国人住民に対し、多言語で作成されたハザードマップの説明会 や講習会、ワークショップなどを行っていますか。あてはまる番号 1 つに○を 付けてください。

(21)

ている自治体は少数派であることが見いだせる。

3

-

5 災害に関する自治体の施策について

⑴ 各自治体における災害に関する具体的、特徴的な施策

 各自治体における災害に関する特徴的な施策について尋ねた(問 11)ところ、

59 自治体 93 施策の回答が得られた(巻末・付録 1 参照)。その内容を 8 つの分 類に分け施策内容を整理したものが、表 4 である。「防災教育、防災講習会」が 最も多く行われており、次いで「防災訓練」、「多言語化による情報発信、メー ル・アプリ配信」となっている。しかし、回答数は 59 自治体のみであり、外国 人住民への防災施策を行っていない自治体が多く、地域差がみられた。

表 4 外国人住民対する防災施策

内 容 施策数

1 防災教育、防災講習会 25

2 防災訓練 20

3 多言語化による情報発信メール、アプリ配信 15 4 外国語によるハンドブック、広報誌の作成

多言語ハザードマップの作成、配布 14

5 避難所の整備、看板設置 9

6 防災多言語支援センターの整備

コールセンターの整備 5

7 防災フェスタの開催 3

8 その他 2

⑵ 参考にした他の自治体の防災施策

 自治体で取り組んでいる外国人住民への防災分野の施策のうち参考にした他の 自治体の施策について尋ねた(問 12)が、回答した自治体は、広島県広島市の みであった。広島市は、岡山県総社市が実施している「外国人防災リーダー養成 講座」や「多言語防災カード」を参考にしたと回答している。

(22)

3

-

6 外国人住民のための国、都道府県、市区町村、民間事業者・NPO の役割

 各自治体に対して「外国人住民のために国、都道府県、市区町村、民間事業 者・NPO の役割」をそれぞれ自由回答で尋ねた(問 13)。なお、自由回答の詳 細は付録 2 を参照されたい。

 国に求める役割は、自治体への財政支援や多言語化対応の財政支援等の財政支 援・予算措置に関する意見が多い。また、災害時の支援体制の省内体制の整備、

入国時に日本で起き得る災害についての説明が必要などの意見も比較的多くみら れた。

 都道府県に求める役割は、県内外関係機関間の協力体制の支援、連絡調整など

「都道府県庁内体制の整備」が重要と回答するものが最も多かった。次いで、「市 町村における取り組み支援」や「財政支援」などの回答も多くみられた。

 市区町村に求める役割は、市町村内の部署間の連携、管内の企業や民間企業と の連携など役所内体制の整備に対する意見が多くみられた。また、多言語による ハザードマップの作成、多言語の情報提供、防災教育についての意見も多くみら れた。

 民間事業者・NPO に求める役割は、通訳サポートのほか、行政との連携・協 働、外国人就労者への防災教育に対する意見が多くみられた。また、外国人住民 が防災訓練への参加や意識啓発に取り組むべきとの意見もあった。

3

-

7 自主防災組織と外国人住民のかかわり

⑴ 自主防災組織と外国人住民に関する先行研究

 災害対応組織(消防組織)には、常備消防(消防本部・消防署)・非常備消防

(消防団)・自主防災組織の 3 種類が存在する。常備消防を担う消防職員は地方公 務員であり、火災予防、消火、救急、救助等、災害の防除を実施する。非常備消 防を担う消防団員は、他に職業を持つ非常勤特別職の地方公務員であり、火災が 起きた際は、消防職員と協力して消火活動や近隣住民の安全確保などを行う。そ して、住民の自発的な組織である自主防災組織は、近隣地域の災害に対応するた め、住民が自主的に活動し、防災訓練や防災用資機材の共同購入等を実施している。

(23)

 近年、住民の生活様式の多様化、少子高齢社会の進展、核家族化、単身世帯の 増加等、さまざまな要因により地域社会とのつながり、近隣住民との結びつきが 希薄になる一方で、自然災害の多発により地域生活への不安が高まり、地域住民 の地域・近隣とのつながりが再認識されつつある。消防団員が減少傾向にある中 で、地域コミュニティの中で自主防災組織を結成する取り組みが推奨されてい る。自主防災組織は、「自分たちの地域は自分たちで守る」という自覚、連帯感 に基づき、自主的に結成する組織であり、災害による被害を予防、軽減するため の活動を行う組織である。各市町村において地域の実情に応じた組織の結成が進 められることが必要であり、地域において「共助」の中核をなす組織であるた め、自治会等の地域で生活環境を共有している住民等により、地域の主体的な活 動として結成・運営されることが望ましいとされている。

 このように自主防災組織は地域防災の重要なアクターであるが、自主防災組 織と外国人住民はどのようなかかわりがあるのだろうか。片岡(2009: 560)は、

外国籍住民の防災・災害に関する調査を 2006 年 12 月から 2007 年 3 月にかけて 東海地域におけるブラジル人住民に対して実施し、あわせて 2009 年 2~3 月にブ ラジル人住民が居住する自治体に対して外国籍住民の防災に関する調査を実施し ている。その結果を踏まえて、「外国人住民の参加を想定した訓練が実施されて いない」、「外国籍住民に防災訓練の広報を積極的に行っていない」という自治体 が多く、その原因として行政側の防災部門と地域共生に関する部門間での連携が 取れていないことを指摘している。また、片岡(2009)は、外国籍住民が地域コ ミュニティへの参加の度合いが低い背景には、就業形態や言語の壁があることを 指摘しつつも、一定期間長く居住する外国籍住民がキーパーソンとなり、防災を 含めた地域コミュニティに参加する外国籍住民の役割について期待を寄せている。

 以上の点からも、自主防災組織と外国人住民のかかわりの実態を把握すること は、地域防災を考える上で重要な論点であるといえる。

⑵ 外国人住民が関わる自主防災組織

 さて、地方自治体に対して、外国人住民も参加している自主防災組織の有無を 訪ねた(図 23)が、「わからない(把握していない)」(66.6%)が最も多く、次

(24)

いで「ない」(22.8%)、「ある」(10.6%)であった。また、外国人住民に対し自 主防災組織に参加することを積極的に進めている自治体は 9.9%のみで、「勧めて いない」(48.7%)、「わからない(把握していない)」(41.4%)が約 9 割を占めて いる(図 24)。つまり、自主防災組織に外国人住民が含まれているかどうか理解 している自治体も、外国人住民に対して自主防災組織への加入を勧めている自治 体も、ほんの一部に過ぎないということが見いだせる。

 また、外国人住民が立ち上げた自主防災組織や消防団、又は災害に関する勉強 会やセミナー等があるかという設問に対しては、「ある」と回答した自治体は 0.7

%のみであり、「ない」(65.2%)及び「不明(把握していない)」(34.1%)は全 体の 99.3%であった(図 25)。実際に外国人住民が立ち上げた自主防災組織等を 把握している自治体は、長野県茅野市、徳島県鳴門市、岡山県総社市であった。

図 24 外国人住民が参加する自主防災組織への参加奨励

9.9%

48.7%

41.4%

勧めている勧めてはいない

わからない

(把握していない)

(n=413)

問 8 貴自治体では外国人住民が日本人住民と同じ自主防災組織に参加することを積 極的に勧めていますか。あてはまる番号 1 つに○を付けてください。

図 23 外国人住民が参加する自主防災組織の有無

10.6%

22.8%

66.6%

(n=416)

ある ない わからない

(把握していない)

問 7 貴自治体では外国人住民も参加している自主防災組織はありますか。あてはま る番号 1 つに○を付けてください。

(25)

 そして、「貴自治体では外国人による自主防災組織や消防団に対して、どのよ うな支援活動を行っていますか」(問 10)という設問に対して、上記の 3 自治体 は、表 5 のように回答している。

表 5 外国人住民による自主防災組織への支援

自治体名 支援内容

長野県茅野市 ・防災担当職員や防災アドバイザーの派遣による助言・指導

徳島県鳴門市

・活動資金の補助

・防災担当職員や防災アドバイザーの派遣による助言・指導

・研修会や講習会による防災リーダーの育成 岡山県総社市 ・活動支援敷材の現物支給・貸与

・研修会や講習会による防災リーダーの育成

4 水害発生時における地方自治体の取り組み

4

-

1 災害時における外国人への情報発信

⑴ 日本語による情報発信

 水害発生時における日本語による情報発信について、複数回答で尋ねた(図 26)。最も多い回答は「防災行政無線の野外スピーカー」(16.8%)、次いで「行 政の HP」(15.6%)、「携帯メール(メーリングリスト)」(13.6%)であった。「そ の他」(3.3%)では、「IP 告知端末」、「エリアメール」、「登録制メール」、「L ア

図 25 外国人住民による自主防災組織の有無

0.7%

65.2%

34.1%

ある

ない

不明 (把握していない)

(n=419)

問 9 貴自治体では外国人が立ち上げた自主防災組織や消防団、又は災害に関する勉 強会やセミナー等はありますか。あてはまる番号 1 つに○を付けてください。

(26)

ラート」の回答が多数あった。

⑵ 外国語による情報発信

 一方で、水害発生時の外国語での情報発信については、「何もしていない」自 治体が 71.6%であることがわかる(図 27)。外国語による情報提供で行ってい るのは、「行政の HP」(12.8%)、「携帯メール(メーリングリスト)」(5.9%)で あった。「その他」(2.6%)は、「行政 HP が自動翻訳される」、「防災メール(英 語)」などの回答があった。上述した日本語での情報発信と比較すると水害発生 時の外国語での情報発信の手段は限定的であることがわかる。上述したように 災害対策を考えた場合の外国人の課題について、「災害の実態や避難についての 情報を伝えるメディアへのアクセスができない」ことが挙げられていた(横田、

2018)。本調査結果において、水害発生時に外国語での情報発信の方法として最 も多かったのは、「行政の HP」(15.6%)であった(「何もしていない」を除く)。

しかし、水害発生時は、多くの住民が自治体の HP にアクセスし繋がりにくいこ とが考えられ、さらに多言語化された防災情報のページを探しアクセスすること はさらに困難であると思われる。

 水害発生時の情報伝達の取り組みは、防災行政無線や携帯メール送信システム 等の改良を伴う必要性があり、自治体の財源やノウハウ不足といった課題が多い

図 26 水害発生時の情報発信状況(日本語)

12.0 16.8 4.7 10.9

13.6 15.6 2.5 8.7

3.3 10.5 1.4

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

防災行政無線の野外スピーカー 市や消防の広報車 水防団、消防団からの声掛け 行政からの電話、FAX 行政のHP 携帯メール(メーリングリスト)

スマートフォンによる防災アプリ SNSTwi�erLINEfacebook テレビ、ラジオ その他 何もしていない

(%)

(n=1,741)

問 15 貴自治体では、日本語で水害発生時の情報をどのように発信しましたか。あて はまる番号すべてに○を付けてください。

(27)

のではないかと推測される。

4

-

2 水害時における外国人支援の実態

⑴ 避難所における外国人住民と日本人住民とのトラブル

 水害による避難所において、外国人住民と日本人住民とのトラブルがあったか どうかを尋ねた(問 17)。だが、実際にトラブルがあったと回答する自治体は 2 自治体(0.5%)であり、大多数はトラブルがないと回答している。例えば、茨 城県常総市は、「外国の方と日本人、いくら平等に扱っても外国人の方が「平等 に扱われた」と納得することはなかった」という点や、食事の配給や居住空間に 関するトラブルがあったと回答している。また、茨城県つくばみらい市において も、「避難所内において、外国人の避難者が避難スペースを占拠していた」「深夜 になっても騒いでいる様子があった」という回答が寄せられた。

⑵ 水害発生時における外国人住民の対応の困難さ

 水害発生時において自治体職員が外国人住民への対応で苦労した点について、

複数回答にて尋ねたところ、図 28 のようになった。「言葉」(31.6%)、「災害後 の手続き関係」(6.4%)が目立っている。「その他」の回答が 49.1%であったが、

最も多かった回答が「外国人の避難なし」、「外国人住民への対応はなかった」で 図 27 水害発生時の情報発信状況(外国語)

0.2 0.9 0.0 0.0

5.9 12.8 1.7 3.8 0.5 2.6

71.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

防災行政無線の野外スピーカー 市や消防の広報車 水防団、消防団からの声掛け 行政からの電話、FAX 行政のHP 携帯メール(メーリングリスト)

スマートフォンによる防災アプリ SNS(Twi�er、LINE、facebook)

テレビ、ラジオ その他 何もしていない

(%)

(n=422)

問 16 貴自治体では、外国語で水害発生時の情報をどのように発信しましたか。あて はまる番号すべてに○を付けてください。

(28)

あった。この回答から敷衍される点は、外国人住民が水害など災害発生時におい て避難所の存在をそもそも知らず、自治体職員が外国人住民に対応する機会が存 在していないという点である。外国人住民が避難所の存在を知らずに被災により 不利益を被ることはあってはならないことであり、外国人住民に対して自然災害 に対応する避難所の存在を周知させる必要があるともいえるだろう。

⑶ 災害時における外国人住民への支援組織の設置

 水害発生時に、外国人住民向けの支援組織や拠点を設置した自治体について 尋ねた(問 19)が、「設置した」と回答したのは 9 自治体(2.3%)のみであり、

「設置していない」(88.3%)「わからない」(9.4%)が全体の 97.7% であった。な お、設置した自治体は、茨城県常総市、栃木県鹿沼市、千葉県市川市、広島県広 島市・安芸高田市、岡山県総社市、熊本県熊本市、福岡県福岡市・北九州市であ り、大規模な水害被害を受けた地域で設置されていることがわかる。

 また、水害発生時、近隣自治体から外国人住民への情報提供や支援を受けたか どうかについて尋ねたが(問 20)、支援を受けた自治体はなかった。つまり、大 規模水害の被害にあった自治体や外国人住民が多く存在する自治体に対しても、

今まで情報提供や支援はまったく行われていないことが見いだせた。

図 28 外国人住民に対して苦労した点

31.6

2.9 2.3 3.5 4.1 6.4

49.1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

言葉 食事 宗教 文化 災害経験の有無 災害後の手続き関係 その他

(%)

(n=171)

問 18 貴自治体では水害発生時、外国人住民の対応に対し苦労した点は何ですか。あ てはまる番号すべてに○を記入してください。

(29)

4

-

3 水害発生後の外国人住民施策の変化

 各自治体に対して、水害発生後に外国人住民に対する新たな施策の作成又は、

既存の施策の修正を行ったかについて尋ねた(問 23)。新たな施策の作成及び、

既存の施策の修正を行ったという回答があった自治体は 20 あった。20 のすべて の自治体は、最近 5 年間(2014 年~2018 年)で水害を経験しており、そのうち 19 自治体は床上浸水の被害も受けている(表 6)。

 例えば、長野県岡谷市と石川県金沢市は、水害を経験する前から「8 か国語の 避難所表示看板を設置」や「避難所多言語対応冊子の作成」の施策を作成してい た。また、ブラジル人が多い静岡県掛川市は、水害を原因とする施策ではない が J アラートの放送文を英語とポルトガル語での運用を開始している。福岡県北 九州市も水害を原因とする施策ではないが、2011 年の東日本大震災後、地域防 災計画において外国人を災害時に要配慮者という位置づけ、多言語支援等を開始 した。また、2018 年に(公財)北九州国際交流協会と災害時の外国人支援に関 する協定を締結し、大規模災害発生時には災害多言語支援センターを設置するこ ととした。岡山県岡山市は、2018 年 7 月に発生した豪雨災害での経緯を踏まえ、

改訂した「岡山市多文化共生社会推進プラン」において、新たな柱として「災害 対応」を追加し、関係団体とのネットワークの構築や情報収集、伝達の仕組みづ くりを新たな施策として追加した。富山県魚津市は、全国で水害が多発している ことを踏まえ「災害にむけて(やさしい日本語)」を作成している。

 その他の自治体は、床上床下浸水を経験後、新たな施策を作成、又は地域防災 計画の修正等を行っており、多言語のハザードマップや防災ガイドブック、避難 カードの作成、防災訓練の参加を促す等の施策を新たに行っている。しかし、外 国人住民に対し新たな施策を作成又は施策の修正を行っている自治体は、上記 19 自治体以外は床上浸水の被害を受けていてもほぼ行われていない状況にある ことがわかった。各自治体の外国人人口の多寡にもよるが、外国人住民への対応 策が積極的に行われていないことがわかる。

(30)

6 水害後外国人住民に対する施策の修正 No

都道 府県

自治体名

床上 浸水 床下 浸水 床上 浸水 床下 浸水 床上 浸水 床下 浸水 床上 浸水 床下 浸水 床上 浸水 床下 浸水 新たな施策を作成また は既存の施策の修正

新たな施策及び修正内容 2018年2017年2016年2015年2014年

2018 年 2017 年 2016 年 2015 年 2014 年

1北海道旭川市役所〇〇〇〇〇2019年3月に英語版洪水ハザードマップを作成 2茨城県常総市役所〇〇〇2015年7月に発生した関東・東北豪雨後、既存の外国人向け生活ガイドブックを 更新した際、新たに「防災」の項目を追加した。 3栃木県小山市役所〇〇〇〇〇〇2015年9月に発生した関東東北豪雨で被災者が多数発生したことを受け、2016年 7月に防災ガイドブックを改訂し、市内全戸配布した。その後、所管課の協力によ り外国語版を印刷(英語・ポルトガル語、スペイン語)して配布している状況 4栃木県鹿沼市役所〇〇〇〇〇〇〇2016年イベントの開催、2017年災害時のための避難カード作成、2018年栃木県総 合防災訓練への参加依頼(実際参加してくれた) 5千葉県柏市役所〇〇〇〇〇〇災害時における外国人の対策について2019年に見直し予定 6千葉県市川市役所〇〇〇〇〇水害発生との関連はないが2016年1月に多言語防災ガイドマップ(英、中、韓)、 2014年8月に防災アプリ(英)を作成 7埼玉県富士見市役所〇〇〇〇〇平成28年8月、平成29年10月の水害後に災害に備えて行ってもらいたいことや 市内避難所マップをまとめた外国人向けの地域防災計画ガイドを作成した。 8静岡県掛川市役所〇〇〇Jアラートの放送文について、平成27年度から訓練放送は英語、ポルトガル語の 運用開始、定型文放送は英語のみを用意。※水害を原因とする施策ではありません。 9長野県岡谷市役所〇〇〇〇〇市内51の避難所に日本語を含め避難所であることを示す8か国語の避難所表示看 板を設置した(日本語、英語、中国語、タガログ語、ポルトガル語、韓国語、イン ドネシア語、タイ語)

。 10富山県魚津市役所〇〇〇全国的に水害が多発していることを踏まえ「災害にむけて(やさしい日本語)」を 作成した。 11石川県金沢市役所〇〇〇避難所多言語対応冊子の作成 12岐阜県高山市役所〇〇〇飛騨高山国際協会緊急対応コミュニケーションサポータ制度(H29.2.14)(市内団体 による) 13広島県府中町役場〇〇平成31年度よりメールサービスの多言語化に取り組み中 14広島県安芸高田市役所〇〇〇〇〇〇〇

市社会福祉協議会及び市国際交流協会と災害時における多言語支援センター設置等 に関する協定を締結した。

15岡山県岡山市役所〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇2018年7月に発生した豪雨災害での経緯を踏まえ、改訂した「岡山市多文化共生社 会推進プラン」において、新たな柱として「災害対応」を追加し、関係団体とのネッ トワークの構築や情報収集、伝達の仕組みづくりを新たな施策として追加した。 16香川県高松市役所〇〇〇〇今年度地域防災計画を修正する予定 17香川県三木町役場〇〇発害発生に伴う防災行政メールに英文を加えて、日本語文、英文の2パターンとし た。 18熊本県益城町役場〇〇〇〇〇〇 地域防災計画において、外国人住民と避難行動要支援者として位置づけ、対象者の 把握や情報伝達体制整備等の改訂を毎年実施している。

19鹿児島奄美市役所〇〇〇平成31年度に改正予定 20福岡県北九州市役所〇〇〇〇〇〇〇〇水害ではないが、2011年の東日本大震災後、地域防災計画において外国人を災害 時に要配慮者という位置づけ、多言語支援等を開始した。また、平成30年に(公財)

北九州国際交流協会と災害時の外国人支援に関する協定を締結し、大規模災害発生 時には災害多言語支援センターを設置することとした。

(31)

5 まとめにかえて

知見の整理と今後の課題

 本稿では、外国人住民が居住し、最近 5 年間(2015~2019 年)に水害被害が あった地方自治体 1030 団体を対象とし、外国人住民に対する水害対策に関する 調査票調査の分析結果を述べてきた。最後に本調査による知見とそれを踏まえ た、外国人住民に対する災害対策についての課題を述べておきたい。

 第一に、外国人住民が存在し、水害経験がある自治体の全国調査の結果から自 治体における外国人住民への水害対策は、一般住民や高齢者、障害者等の災害弱 者を対象とした対策よりも優先順位が低く捉えられていると考えられ、積極的に 行われていないことが見いだせた。特に自治体の外国人住民への水害対策は、何 も行っていない自治体が約半数を占めていた。また、人口規模が小さく、外国人 比率 1%未満の自治体は、水害の予防策の実施率が低い傾向がみられた。一方、

多言語ハザードマップの作成や外国人住民を交えた防災訓練等を積極的に行われ ている自治体もあり、自治体による地域差がみられた。また、先行研究において 多言語ハザードマップは、「読図」の観点から様々な課題が残ると指摘されてい る。だが、本調査では、水害経験をした市区町村でも約 8 割は多言語ハザード マップを作成しておらず、今後も作成する予定がないことが明らかとなり、新た な課題ともいえる。

 第二に、水害発生時の自治体の対応は、日本人住民への「災害情報や避難」情 報発信は積極的に行われているが、外国人住民への多言語による避難勧告などは ほぼ行われていないことがわかった。また、水害後外国人住民への新たな施策の 作成又は既存の施策の修正について、多言語による看板設置や防災ブックの作 成、地域防災計画の修正等を実施する自治体はわずかに存在しているのみであっ た。外国人住民は障がい者や高齢者などと同様に災害時に情報が伝わらない「災 害弱者」と定位されるが、その改善は道半ばであるといえる。水害は、発災前か らどのような被害に遭うかある程度わかることから、事前の注意喚起が重要であ る。水害発生時に多言語による情報提供を行う必要があり、注意喚起の文例で定 型的なものを用い、事前に多言語化する準備をしておくべきであろう。日本語を

表 2 調査項目一覧 Ⅰ 外国人住民の防災に関する施策の取り組み状況について   問 1  自治体に居住する外国人住民への防災対策の現状   問 2  外部団体との連携体制   問 3  多言語ハザードマップの作成状況   問 4  多言語ハザードマップの配布状況   問 5  多言語ハザードマップの講習会・説明会の開催状況   問 6  多言語ハザードマップの作成予定   問 7  自治体における自主防災組織   問 8  自主防災組織の参加   問 9  外国人住民が立ち上げた自主防災組織   問 10
図 5 回答自治体の外国人住民数 図 6 回答自治体の外国人住民数 問 21 貴自治体にお住まいの外国人住民は 3 年前(2016 年)と比較して増加あるい は減少していますか?あてはまる番号 1 つに○を付けてください。 72.7%6.5%20.9% 増加減少 わからない (n=417) 図 7 自治体に居住する外国人住民の増減動向 問 22 貴自治体にお住まいの外国人住民にはどの国籍の方が多くいますか。多いもの から順に、あてはまる番号を 3 つ解答欄にご記入ください。 図 8 外国人住民の国籍の状況4
表 3 これまでの災害時における外国人支援の状況 災 害 発生年 外国人支援活動(主な概要) 参考~災害時の経験等を 踏まえたクレアの取組~ 新潟県中 越地震 2004 年 ・長岡市において外国人避難者のニーズの把握、情報提供を目的とした避 難所巡回活動が実施された。 災害時多言語表示シート等外国人に対する多言語情報提供支援ツールを開 発、クレア HP 上で公開 (2006 年(H18)) 新潟県中 越沖地震 2007 年 ・新潟県が外国人住民の支援を行う「災害多言語支援センター」を設置 した。 ・全国各地

参照

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