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文書提出義務に関する判例について(一)

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(1)

文書提出義務に関する判例について(一)

その他のタイトル Die Rechtsprechung zur Vorlegungspflicht der Urkunde im Zivilprozes (1)

著者 上野 泰男

雑誌名 關西大學法學論集

巻 47

号 5

ページ 798‑864

発行年 1997‑12‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00024517

(2)

一はじめに 1

2

文書提出義務に関する規定の変遷

①明治民事訴訟法︵明治二三年法律第二九号︶

②大正民事訴訟法︵大正一五年法律第六一号︶

③明治民事訴訟法改正作業

国﹃民事訴訟法修正案﹂

閲﹃民事訴訟法案﹂および﹃民事訴訟法改正案﹂

調

本資料の対象

回﹃民事訴訟法中改正法律案﹂

3新民事訴訟法︵平成八年法律第一0

m

文書提出義務に関する規定

②民事訴訟法平成改正の経過

国﹃民事訴訟手続に関する検討事項﹂

⑯﹁民事訴訟手続に関する改正要綱試案"

4

二文書提出義務に関する判例の紹介とコメント

︹ ー ー

18

本稿は︑文書提出義務に関する判例の事実と要旨とを紹介し︑それに私の簡単なコメントを付したものである︒取

文書提出義務に関する判例について

(

 

泰男

(3)

③  ② 

(2)  (1) 

判評二

0

六号︵判時八

0

り上げた判例は一九六五年︵昭和四

0

年 ︶

から一九九五年︵平成七年︶までのもので︑判例の検索は判例タイムズ社

の判例年報(‑九六五年

11

昭和四

0

年度版︑判タ一八六号から一九九七年

11

平成八年度版︑判夕九三

0

号まで︶に

よった︒判例目録は本稿末尾に掲載する予定であるが︑この間の各年の判例数は次の表のとおりである︒

一九八六年頃までの文書提出義務に関する判例については︑法務省訟務局編・文書提出命令関係裁判例集︵法曹会

一九八七年︶があるが︑要旨の整理にとどまるので本稿にも一定の意味があろう︒なお︑文書提出義務に関する判例

(2 ) 

については︑これまで次の研究がある︒

博﹁文書提出義務﹂︵判例研究︶民商七四巻五号八

0

(

竹下守夫

11

野村秀敏﹁民事訴訟における文書提出命令﹂口②完(‑九七六年︶

判評二

0

小林秀之﹁文書提出命令をめぐる最近の判例の動向﹂

m i

④完(‑九八

0

年 ︶

~

度 件 数

昭和

40

( 1 9 6 5

41

( 1 9 6 6

42

( 1 9 6 7

43

( 1 9 6 8

3  44

( 1 9 6 9

1  45

( 1 9 7 0

1  46

( 1 9 7 1

1  47

( 1 9 7 2

2  48

( 1 9 7 3

3  49

( 1 9 7 4

5 0

( 1 9 7 5

3  5 1

( 1 9 7 6

3  52

( 1 9 7 7

7  53

( 1 9 7 8

1 2   5 4

( 1 9 7 9

1 6   55

( 1 9 8 0

4  56

( 1 9 8 1

5  5 7

( 1 9 8 2

8  58

( 1 9 8 3

8  5 9

( 1 9 8 4

7  60

( 1 9 8 5

7  6 1

( 1 9 8 6

4  62

( 1 9 8 7

5  6 3

( 1 9 8 8

平成0 1

( 1 9 8 9

02

( 1 9 9 0

1  03

( 1 9 9 1

04

( 1 9 9 2

05

( 1 9 9 3

06

( 1 9 9 4

07

( 1 9 9 5

(4)

( 3)  

一九七五年︵昭和五

0

年︶頃までの判例三一件を研究対象とするものであり︑②は︑いわゆる伊方原発訴訟 を本案とする文書提出命令事件︵本稿︹

1 4

1 5 ︺︶をきっかけとする判例研究で︑文書提出義務に関する詳細な比較

一九七五年︵昭和五

0

年︶以降一九七九年︵昭和五四年︶末までの判例研究である︒

※私は︑﹁文書提出義務に関する判例総合研究﹂という研究テーマにより︑平成八年度(‑九九六年度︶関西大学学術研究

奨励基金による︵奨励研究︶助成金の交付を受けた︒本稿はこの助成金に基づく研究成果の一部である︒記して研究助成に

(1

)

なお︑判例年報が収録対象とした判例集は︑平成八年度版でみると︑最高裁判所判例集︑高等裁判所判例集︑労働関係民

事裁判例集︑行政事件裁判例集︑知的財産関係民事・行政裁判例集︑家庭裁判月報︑判例時報︑金融法務事情︑金融・商事

判例︑判例タイムズの各誌であり︑法務省訟務局編・文書提出命令関係裁判例集︵法曹会一九八七年︶に採録されたもの

と比較すると︑訟務月報に掲載された判例が収録されていないことに留意しなければならない︒しかし︑文書提出義務に関

する判例の傾向を知ることはできよう︒

(2

)

なお︑本間義信﹁文書提出義務﹂山木戸克己編・手続法の理論と実践︵吉川大二郎博士追悼論集︶︵下︶一九一頁は︑一

0年︵昭和五五年︶頃までの利益文書および法律関係文書に関する判例研究を含む︒

(3

)

それによると︑一九六五年︵昭和四0年︶より前の判例は︑わずか一三件に過ぎないが︑このことに関連して興味深いの

は︑民事訴訟法の大正改正の際の議論である︒大正民訴法=二九条︵平成民訴法二二六条︶本文︵﹁﹁書証ノ申出ハ第三︱︱

条ノ規定二拘ラス文書ノ所持者二其ノ送付ヲ嘱託セムコトヲ申立テテ之ヲ為スコトヲ得﹂︶は︑明治民訴三四六条一項︵﹁挙 研究もされている︒③は︑

(4)  (3)  (2)  (1) 

判評二六八号︵判時九九八号︶

0

判評二六七号︵判時九九五号︶

0

判評二六六号︵判時九九二号︶一四七頁 判評二六五号︵判時九八九号︶

一四四頁

︵ 八

00

)

(5)

文書提出義務に関する判例について曰

文書提出義務については︑

( 1 )  

2

証者其使用セントスル証書力官庁又ハ公吏ノ手二存スル旨ヲ主張スルトキハ書証ノ申出ハ証書ノ送付ヲ官庁又ハ公吏二嘱託 セラレンコトヲ申立テテ之ヲ為ス﹂︶を改正したものであるが︑﹃民訴法改正調査委員会議事速記録﹄︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺④︵日本立法資料全集

1 3 )

0頁︑九一頁︶によると︑当初︑﹁官庁︑公署﹂と

字句の訂正だけが予定されていたところを︑文書提出義務のない場合であっても︑﹁裁判所から言うてやれば出す人が随分 ある﹂ということから︑﹁官庁︑公署又ハ第三者﹂と改められたものである︒政府委員の提案理由︵﹃第五一回帝国議会審議

録』、松本ほか•前掲民訴法大正改正編④五三二頁)にも、「直接に当事者が掛け合っても、それを貸すというわけにいかぬ

けれども︑裁判所の嘱託があるというときには︑それは見せてやってもよい︑ということは頗る多いのでありますから︑や はり裁判所からの嘱託と言うことも一っ加味して置く方が宜しい⁝⁝︒﹂そして︑このような方法で文書の提出が見込める のであれば︑﹁わざわざ︑高飛車に裁判所から命令を出すに及ぶまい⁝⁝︑そういう場合には︑命令というような角たった

ことをしないで︑嘱託でもってする⁝⁝︒﹂という説明がみられる︒

明治民事訴訟法︵明治二三年法律第二九号︶

0

(4 ) 

び︑三四三条の三ヶ条をおいていた︒条文は次のとおりである︒

9 9

~相手方ハ左ノ場合二於テ証書ヲ提出スル義務アリ ,

. 

‑第一挙証者力民法ノ規定二従ヒ訴訟外二於テモ証書ノ引渡又ハ其提出ヲ求ムルコトヲ得ルトキ

i~第二証書力其旨趣二因リ挙証者及ヒ相手方二共通ナルトキ

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 ,

︵ 八

01

)

(6)

の改正により︑右規定は一ニーニ条にまとめられた︒その条文は次のとおりであり︑明治

(5 ) 

民訴法と対比すると︑文言の修正を受けているが︑文書提出義務の範囲に変更はなかった︒

=二ニ条~左ノ場合二於テハ文書ノ所持者ハ其ノ提出ヲ拒ムコトヲ得ス

~一当事者力訴訟二於テ引用シタル文書ヲ自ラ所持スルトキ

~二挙証者力文書ノ所持者二対シ其ノ引渡又ハ閲覧ヲ求ムルコトヲ得ルトキ

i

三文書力挙証者ノ利益ノ為二作成セラレ又ハ挙証者卜文書ノ所持者トノ間ノ法律関係に付作成セラレタルトキ

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 , '  

②大正民事訴訟法︵大正一五年法律第六一号︶ (4

) 

三三七条

︵ 八

0二 ︶

相手方ハ其手二存スル証書ニシテ其訴訟二於テ挙証ノ為引用シタルモノヲ提出スル義務アリ準備書面中ニノミ引用シタ

ルトキト雖モ亦同シ

第三者ハ挙証者ノ相手方二於ケルト同一ナル理由二因リ証書ヲ提出スル義務アリ然レトモ強テ証書ヲ提出セシムルコト

ハ訴ヲ以テノミ之ヲ為スコトヲ得

条文は︑松本博之

1 1

河野正憲

1 1徳田和幸編・民事訴訟法︹明治三六年草案︺①︵日本立法資料全集

4 3 )

関 法 第 四 七 巻 第 五 号

(7)

る ︒

文書提出義務に関する判例について日

(5

)

民事訴訟法大正改正法の理由書である︑﹃民事訴訟法中改正法律案理由書﹄は︑三︱二条につき︑﹁本条ハ文書ノ所持者カ之ヲ提出スヘキ義務アル場合ヲ定ム現行法第三三六条及第三四三条卜略其ノ趣旨ヲ同シクス﹂と︑改正理由を説明している

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺④︵日本立法資料全集

1 3 )

また︑次の③国で取り上げる﹃民事訴訟法修正案﹄三一五条二項がその旨の解釈規定をおいていたことや︑明治民訴法三三六条二号についての解釈︵例えば︑岩田一郎・民事訴訟法原論︵訂正第二二版大正一0

1 1

﹁証書力其旨趣二因リ挙証者及ヒ相手方二共通ナルトキ﹂とは︑﹁証書ノ旨趣力当事者相互ノ法律関係ヲ記載セルモノ又ハ

証書ヵ当事者双方若クハ挙証者ノ利益ノ為メニ作成セラレタルモノ其他証書ノ旨趣力当事者二利害関係アルモノヲ謂フ﹂としていた︶からも明らかである︒

明治民事訴訟法改正作業 ちなみに︑明治民事訴訟法の改正作業の過程における文書提出義務に関する規定の変遷の概略は︑次のとおりであ 明治民事訴訟法の改正作業は︑既に一八九五年︵明治二八年︶から︑司法省に設置された民事訴訟法調査委員会に

(6 ) 

おいて開始されたようであるが︑その最初の成果ともいうべき﹃民事訴訟法修正案﹄では︑次のような条文となって

(7 ) 

し t

三一五条

﹃民事訴訟法修正案﹄

相手方ハ左ノ場合二於テ書面ヲ提出スル義務ヲ有ス

第一相手方力其手二存スル書面ヲ証拠トシテ援用シタルトキ準備書面ノミニ於テ之ヲ援用シタルトキ亦同シ

(3) 

︵ 八

0

三 ︶

(8)

正して

ま ︑

9 ̲ ,

'  

⑯﹃民事訴訟法案﹄および﹃民事訴訟法改正案﹄

調

0

︵ 八

四 ︶

第二挙証者力法律ノ規定二従ヒテ書面ノ引渡又ハ閲覧ヲ求ムルコトヲ得ルトキ

第三書面力其旨趣二因リテ挙証者及ヒ相手方二共通ナルトキ

数人ノ利益ノ為メニ作リタル書面︑数人ノ間ノ相互ノ法律関係ヲ記載シタル書面又ハ法律行為二付キ其当事者間若クハ

其一人卜仲立チヲ為シタル者トノ間二於ケル協議ヲ記載シタル書面ハ共通ノモノトス

︱ ‑

=  

10

9 9 9 9 ,. 

{第三者ハ第三一五条第二号及ヒ第三号二掲ケタルモノト同一ノ原因二基キテ書面ヲ提出スル義務ヲ有ス

‑第三者力任意二書面ヲ提出セサルトキハ訴二依リテノミ之ヲ提出セシムルコトヲ得

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 , .

(6

)

﹃民事訴訟法中改正法律案理由書﹄には︑﹁現行民事訴訟法ハ明治二三年制定セラレ翌二四年実施セラレタルモノナルカ

手続煩瑣二亙リ実際ノ運用上不備ノ点紗カラサルヲ以テ夙二改正ノ議アリ明治二八年司法省二民事訴訟法調査委員会設置セ

ラレ其ノ改正に着手シタ﹂との記述がみられる︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸絹・民事訴訟法︹大正改正編︺田︵日本立

法資料全集

1 3 )

一 四

八 頁

参 照

︶ ︒

(7

)

条文は松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹明治三六年草案︺①︵日本立法資料全集

4 3 )

用︒なお︑﹃民事訴訟法修正案﹄作成の経過については︑松本ほか編・前掲書三以下参照︒

一八九九年︵明治三二年︶︳︱‑月の法典調査会規則の改正により︑それまで民法︑商法等の調査審議のため設置され ていた法典調査会において︑民事訴訟法の改正の審議も行われることになり︑それ以後︑明治民事訴訟法の改正作業

(8 ) 

0

三年︵明治三六年︶まで︑法典調査会を舞台に続けられ︑まず﹃民事訴訟法案﹄が︑次いでその字句を修

﹃民事訴訟法改正案﹄︵旧法典調査会案︶が作成された︒文書提出義務に関する規定は︑﹃民事訴訟法案﹄では

法 第 四 七 巻 第 五 号

︱ ︱ 八

(9)

文書提出義務に関する判例について曰

三八四条および三九

0

条︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹明治三六年草案︺③︵日本立法資料全集

4 5 )

調では三八八条および三九四条︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和

幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺①︵日本立法資料全集認︶七五頁以下︶

民事訴訟法案三八四条

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 1 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 , '

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 , '

~相手方ハ左ノ場合二於テ書面ヲ提出スル義務ヲ有ス

~一相手方ヵ其手二存スル書面ヲロ頭弁論又ハ準備書面二於テ証拠方法トシテ援用シタルトキ一

{ 二 挙 証 者 力 法 律 ノ 規 定 二 従 ヒ テ 書 面 ノ 引 渡 又 ハ 閲 覧 ヲ 求 ム ル コ ト ヲ 得 ル ト キ 一

i

三書面力其趣旨二依レハ挙証者ノ利益ノ為二作成セラレタルトキ

~四書面ヵ挙証者卜相手方トノ間ノ法律関係二付キ作成セラレタルトキ

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 , ,

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

0

相手方ハ左ノ場合二於テ書面ヲ提出スル義務ヲ有ス

一相手方力所持スル書面ヲ準備書面又ハロ頭弁論二於テ証拠方法トシテ引用シタルトキ

挙証者力法律ノ規定二従ヒテ書面ノ引渡又ハ閲覧ヲ求ムルコトヲ得ルトキ

︵ 八

0五 ︶

民事訴訟法改正案︵旧法典調在会案︶三八八条

(10)

起草委員会は︑ 一五︑六人の主査委員で構 れたので 明治民訴法の改正作業は︑その後︑法典調査会が廃止され(‑九

0

三年

11

明治一二六年︶︑法律取調委員会が設置さ

0

七年

11

0

明治四年︶︑法律取調委員会︵第二部︶において取り扱われることとなった︒法律取調委

の委員は委貝長一人と五

0

人以内の委員で構成されたが︑審議の方法は︑

成される主査委員会︑主査委員の中から指名された起草委員︵三人乃至六人︶をメンバーとする起草委員会を組織し︑

(9 ) 

こ ︒

起草委員会の起案した原案を主査委員会の議に付し︑さらに委員総会で議決するというものであっ

一九︱二年︵明治四五年︶五月五日から一九一四年︵大正三年︶六月二二日まで︑合計一

0

九回の

( 10 )  

審議を重ね︑﹁旧法典調査委員会ノ起草二係ル改正案二基キ審議ヲ為シ其全部ヲ議了シタ﹂ようである︒

一九一四年︵大正三年︶六月二二日︑審議の最後に︑具体的な法案の起草に先立って︑﹁主査委員

( c )  

第三者ハ挙証者力相手方二書面ノ提出ヲ求ムルコトヲ得ルト同一ノ原因二基キテ書面ヲ提出スル義務ヲ有ス 第三者力任意二書面ヲ提出セサルトキハ訴二依リテノミ之ヲ提出セシムルコトヲ得

(8

)

以上については︑松本博之

1 1

河野正憲

1 1徳田和幸編・民事訴訟法︹明治三六年草案︺

m

4

3)

書面ヵ其趣旨二依レハ挙証者ノ利益ノ為二作成セラレタルトキ 書面力挙証者卜相手方トノ間ノ法律関係二付キ作成セラレタルトキ

関 法 第 四 七 巻 第 五 号

︱ 二

0

( 八

〇 六

(11)

( 17 )  

この条文は︑その後︑﹃民事訴訟法改正起草委員会決議案︵第一案︶﹄︵二六一条︶︑﹁民事訴訟法改正案︵起草委員

( 1 9 ) ( 2 0 )  

1 0

条 ︶

0

( 21 )

2 2

)  

『改正民事訴訟法案(第四案)』(三―二条)、『民事訴訟法改正案(議会提出•第五案)』(三―二条)、でもそのまま

, ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

(9

) 

文書提出義務に関する判例について日

( 11 )  

会二提出スル﹂問題二四項目の決議をし︑これを﹃議民乙第一号問題

( 13 )  

員会に提出した︒しかし︑証拠調べについては︑﹁職権主義ヲ加味スヘキャ﹂との問題が取り上げられただけで︑文

( 14 )  

起草委員会は︑その後︑主査委員会および委員総会での審議を経て︑起案会を設置し︑起案会は︑﹃民事訴訟法改

( 15 )  

正案起案会決定案﹄を作成した︒﹃民事訴訟法改正案起案会決定案﹂における文書提出義務に関する規定は第二六〇

( 16 )  

条で︑その条文は次のとおりであるが︑若干の字句の違いを無視すれば︑大正民訴法における文書提出義務に関する

左ノ場合二於テハ文書ノ所持者ハ其提出ヲ拒ムコトヲ得ス

一当事者力訴訟二於テ引用シタル文書ヲ自ラ所持スルトキ 二 挙 証 者 力 文 書 ノ 所 持 者 二 対 シ 其 引 渡 又 ハ 閲 覧 ヲ 求 ム ル コ ト ヲ 得 ル ト キ

︱ 三文書力挙証者ノ利益ノ為二作成セラレ又ハ挙証者卜文書ノ所持者トノ間ノ法律関係に付キ作成セラレタルトキ一

9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9

9 9 9

以上につき︑松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺①︵日本立法資料全集

1 3 )

四頁以下参照︒な

0

規定と同一であることがわかる︒ 書提出義務に関しては問題とされていない︒

︵ 八

0七 ︶ ( 1 2

)  

民事訴訟法改正二関スル問題﹄として主査委

(12)

︵ 八

0八 ︶

お︑﹃民事訴訟法中改正法律案﹄作成までの経過についても︑松本ほか編・前掲大正改正編①四頁以下参照︒

( 1 0 )

大正三年︱一月一八日の第二回主査委員会日誌︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺

m

立法資料全集

1 3 )

六二五頁の資料四六

0)

参照︒そして︑その審議の内容は︑﹃民事訴訟法改正起草委員会審議録﹄︵松本博

11

河野正憲

11

徳田和幸綱・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日本立法資料全集

1 3 )

三︱一頁以下の資料六ニー三五九︶によ

り知ることができるが︑残念ながら文書提出義務に関する部分は資料に出てこないようである︒

( 1 1 )

この決議は︑松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺田︵日本立法資料全集

1 3 )

六一三頁の資料四

( 1 2 )

これは︑松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺①︵日本立法資料全集

1 3 )

六一九頁の資料四五四

( 1 3 )

起草委員会がこのような取り扱いをしたのは︑大正三年︱一月一八日の第二回主査委員会日誌︵松本博之

11

河野正憲

11

田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺

m

︵日本立法資料全集

1 3 )

六二五頁の資料四六

0)

によれば︑これらの問題は︑﹁愈

云成文ノ起草ヲ為スニ方リ起草委員会二於テ決議ヲ為スモ後二改正セラレルヘキ虞アル問題﹂︑﹁主査委員会ノ決議ヲ先ツ求

メテ置ク必要アル問題﹂であると考えられたからのようである︒

( 1 4 )

大正四年(‑九一五年︶︱二月八日の第一︱二回起草委員会において︑委員︱一人︵松岡正義と山内確三郎︶からなる起案会 が条文を起草し︑これを起草委員会が審議してその決議を主査委員会に提案し︑さらに主査委員会の決議を委員総会にかけ

ることが決定された︒﹃民事訴訟法改正調査委員会議事速記録︹前半︺﹄第二回︵大正一0年︱二月一五日︶︵松本博之

11

野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺③︵日本立法資料全集

1 3 )

( 1 5 )

起案会は︑大正四年(‑九一五年︶三月︱二日の第一回から大正八年(‑九一九年︶六月一=︱‑日の第一︱

0二回まで会議を

重ね︑順次条文を起案した︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺③︵日本立法資料全集

1 3 ) 一 三 頁の小山委員の説明参照︶︒この当初起案された条文のうち︑第一編総則と第四編再審とは︑﹃民事訴訟法改正起案会︵仮決

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日本立法資料全集

1 3 )

二三頁以下の資料四七三︑

四七四︶により知ることができる︒﹃民事訴訟法改正案起案会決定案﹄は︑この﹃民事訴訟法改正起案会︵仮決定案︶﹄を叩

き台にして作成されたものである︒以上につき︑松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺①︵日本立

(13)

文書提出義務に関する判例について曰 法資料全集13)七頁︑同民事訴訟法︹大正改正編︺②‑三頁参照のこと︒なお︑一九一九年︵大正八年︶七月九日︑突然︑法律取調委員会が廃止され︑その仕事は同年七月一八日︑司法省内に設置された︑民事訴訟法改正調査委員会に引き継がれた︵この点につき︑松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸絹・民事訴訟法︹大正改正編︺m

1

3)

したがって︑﹃民事訴訟法改正案起案会決定案﹄中︑第四編再審︵三九0条以下︶の途中からは︑民事訴訟法改正調査委員

会の起草委員会内の起案会の手になるものである︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正絹︺②︵日本

13

)

( 1 6 )

条文は︑松本博之

1 1河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日本立法資料全集13)八五頁より引用した︒

(17)この﹃民事訴訟法改正起草委員会決議案︵第一案︶﹄︵松本博之

1 1河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺②

1

3)

10

一頁以下の資料四七六︶は︑﹃民事訴訟法改正案起案会決定案﹄に基づき︑これに修正を加えて︑大正五年(-九一六年)九月ないし一0

月頃までに作成されたものである(松本ほか•前掲書一三

0頁参照)。

( 1 8 )

この﹃民事訴訟法改正案︵起草委員会案︶﹄︵松本博之

11

河野正憲

11

徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日本立法

資料全集13)一四一二頁以下の資料四七八︶は︑起草委員会が︑起案会から︑﹁民事訴訟法改正起草委員会決議第一案二対ス ル起案会修正案﹂の提出を受けたので︑この修正案をふまえて第一案に修正を加えて作成したものである︵作成年月日不 明)。以上につき、松本ほか•前掲書一四頁参照。

(19)この﹃民事訴訟法改正案︵第一案・議案︶﹄︵松本博之

1 1河野正憲

1 1徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日本立法

13

)

0頁以下の資料四七九︶は︑﹃民事訴訟法改正案︵起草委員会案︶﹄に若干の修正を加えて︑起草委員会が

0年(‑九ニ︱年︶五月までに︑民事訴訟法改正調査委貝会総会に提出する議案として作成したものである︵松本ほ

か編・民事訴訟法︹大正改正編︺①︵日本立法資料全集13)七頁︑同・民事訴訟法︹大正改正編︺②‑四頁参照︶︒

(2

0)

11

河野正憲

徳田和幸絹・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日本立法資料全1 1

集13)二八一頁以下の資料四八二︶は︑民事訴訟法改正調査委員会総会における審議において提出された問題点を整理し︑

同総会︹後半︺の再審議の資料とするため作成された﹃民事訴訟法改正案︵第二案・議場用︶﹄︵これは松本ほか編・前掲書 ニ四一頁以下の資料四八一で︑﹃民事訴訟法改正案︵第一案・議案︶﹂に﹁赤インキで新に修正したものを書加えて修正した もの﹂である︒なお︑松本ほか編・前掲民事訴訟法︹大正改正編︺④︵日本立法資料全集13)三頁参照︶中︑赤インキによ

~

︵ 八

0九 ︶

(14)

る修正部分を本文に組み込み︑枝番号をなくすなどの所作を加えて︑一九二四年︵大正一三年︶九月に作成されたものである︒この﹃民事訴訟法改正案︵第三案︶﹄︵三

0

0条︶から︑条文は大正民訴法三︱二条と全く同一となった︒

( 2 1 )

この﹁改正民事訴訟法案︵第四案︶﹄︵松本博之

1 1河野正憲

1 1徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日本立法資料全

1 3 )

三五八頁以下の資料四九九︶は︑﹃民事訴訟法改正案︵第二案・議場用︶jや︑委員総会の審議に対応して起草委員会

の第二次整理会が作成した﹃民事訴訟法案中修正案﹄︵松本ほか編・前掲民事訴訟法︹大正改正編︺②三二八頁以下の資料四八三•四八四•四八六•四八九参照)などをもとに、作成されたものである。(22)この『民事訴訟法中改正案(議会提出•第五案)

(

11

河野正憲

1 1徳田和幸編・民事訴訟法︹大正改正編︺②︵日

本立法資料全集

1 3 )

三九九頁以下の資料五

00

)

は︑﹃改正民事訴訟法案︵第四案︶﹄に法制局が字句の修正を加えて作成したものである(松本ほか•前掲書一八頁参照)。

新民事訴訟法︵平成八年法律第一

0

周知のように︑日本の新民事訴訟法︵平成八年法律第一

0

九号︶は︑

ニニ

0

一九九八年︵平成一

0

年 ︶ 提出義務に関する規定︵ニニ

0

条︶は︑次のとおりである︒

次に掲げる場合には︑文書の所持者は︑その提出を拒むことができない︒

一当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき︒

二挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき︒

三文書が挙証者の利益のために作成され︑又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき︒

一九九六年︵平成八年︶六月一八日に成立し

( 23 )  

一月一日から施行される予定である︒平成民事訴訟法における文書

︵ 八

0)

(15)

文書提出義務に関する判例について曰 前三号に掲げる場合のほか︑文書︵公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し︑又は所持する文書を除く︒︶が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき︒イ文書の所持者又は文書の所持者と第一九六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載

されている文書

ロ第一九七条第一項第二号に規定する事実又は同項第一ー一号に規定する事項で︑黙秘の義務が免除されていないもの

が記載されている文書

ハ専ら文書の所持者の利用に供するための文書

なお︑四号カッコ書きによって除外された公務文書︵公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し︑又は

所持する文書︶

行われている検討と並行して︑総合的な検討を加え︑新法公布後二年を目途として︑必要な措置を講ずるものとされ

( 2 4 )  

この規定からも明らかなように︑新民事訴訟法︵平成民訴法︶は︑従来の限定列挙主義を捨て︑文書提出義務を︑

証人義務同様︑

( 2 3 )

新民事訴訟法三条は︑﹁この法律に定めるもののほか︑民事訴訟に関する手続に関し必要な事項は︑最高裁判所規則で定める︒﹂旨規定しているが︑新民事訴訟規則は︑一九九六年︵平成八年︶︱二月一七日に公布された︵平成八年最高裁判所

( 2 4 )

公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し︑又は所持する文書︵公務文書︶については︑政府提出の民事訴訟0条四号口に規定があり︑それによれば︑公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出について監督官庁が承認しないものが︑文書提出義務の対象文書から除外されていた︒そして︑この規定を受けて︑政府提出の民事訴訟法案ニニニ

一般義務とした︒

の取り扱いについては︑附則二七条により︑行政機関の保有する情報を公開するための制度に関して

(16)

(a) 

﹁民事訴訟手続に関する検討事項﹄

条は︑公務文書について承認の手続をとるべきこと︵一項︶︑および︑監督官庁は︑公共の利益を害し︑又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き︑承認を拒むことができないことを規定していた︵二項による新法一九一条二項の準用︶︒公務員の職務上の秘密についての証人尋問については︑従来から︑監督官庁の承認がなければ尋問できず︵旧

法︵大正民訴法︶二七二条乃至二七四条

11

新法一九一条一項︶︑裁判所は承認拒絶の当否について判断することができないものとされていた︵旧法二八三条

ところが︑これらの規定によれば︑裁判所は︑公務員の職務上の秘密に関する文書については︑監督官庁の承認がない限 言拒絶権の取り扱いにならったものである︒ 1 1新法一九九条︶︒公務文書についての右取り扱いは︑公務員の職務上の秘密に関する証

り︑文書提出命令を発することができず︑しかも︑承認拒絶の当否については裁判所が審査することができないので︑国民に対する行政庁の資料隠しに手を貸すことになるとの批判が巻起こり︑結局︑この部分を削除して新民事訴訟法が成立した(以上につき、中野貞一郎・解説新民事訴訟法(-九九七年有斐閣)五六頁、同•新民事訴訟法の成立に寄せて」(下)N

B

令﹂法学教室一九二号二八頁︑西口元﹁証拠収集手続①ー文書提出命令﹂塚原朋一ほか編・新民事訴訟法の理論と実務 L0九号八頁以下︑竹下守夫﹁新民事訴訟法と証拠収集制度﹂法学教室一九六号一四頁以下︑高田昌宏﹁文書提出命

0三頁︶など参照︶︒なお︑原案および修正案の条文の対比については︑

0

民事訴訟法平成改正の経過

民事訴訟法平成改正作業の過程における文書提出義務の取り扱いの概略は︑次のとおりである︒

今次の民事訴訟法の改正作業は一九九

0

年︵平成二年︶七月から始まったが︑

一九九一年︵平成三年︶︱二月︑それ

( 2 5 )  

までの調査審議の結果をとりまとめた︑﹃民事訴訟手続に関する検討事項﹄が公表され︑関係各界に意見照会がされた︒

( 26 )  

この﹃民事訴訟手続に関する検討事項﹄において︑文書提出義務に関しては︑次のような検討事項の指摘があった︒

(17)

文書提出義務に関する判例について曰

日文書提出命令

m

文書提出義務ア文書の所持者は、①引用文書(第一—二ニ条第一号)及び挙証者が引渡し又は閲覧を請求することができる文

書︵同条第二項︶等について提出義務を負うものとするほか︑②その他の文書についても︑証言の拒絶事由

0条及び第二八一条︶と同様の事由がある場合等一定の拒絶事由がある場合を除き︑提出義務を負う

ものとする考え方

イ文書提出義務の列挙主義は維持しつつ︑第三︱二条第一号から第三号までの文書に加え︑挙証者と所持者と

の間の法律関係と密接な関係を有する事項を記した文書についても提出義務を負うものとする等提出義務を負

う文書の範囲を第三︱二条第三号の文書との関連で拡張するものとするとの考え方

このような検討事項が示されたのは︑﹃民事訴訟手続に関する検討事項補足説明﹄︵二九頁︶によると︑﹁︵旧︶=ニ

二条の規定により提出義務を負うものとされている文書の範囲が狭く︑証拠が一方の当事者に偏在している事件にお

ける証拠収集手段としては十分ではないとの指摘﹂があること︑および︑特に︵旧︶三︱二条﹁第三号のいわゆる利

益文書及び法律関係文書の意義につき︑裁判例及び学説の解釈が区云に分かれているのは︑法的安定性の見地から問

題があるとして︑この問題を立法的に解決すべきであるとの指摘﹂があることの二点が理由となっていたようである︒

この検討事項に対しては︑各界から寄せられた意見の大多数が文書提出義務を負う文書の範囲を拡張することに賛

成であり︑その方向については︑アの考え方に賛成の意見が多かったが︑イの考え方に賛成する意見も相当数の団体

( 27 )  

等から寄せられたようである︒

︵ 八 ︱ ︱

︱ ‑

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