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平成23年度受験対策

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Academic year: 2021

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「正解肢を見つける裏ワザ」

① 4 肢択一試験はこのように解け!

試験には、○×試験、択一試験、論述試験など様々な形式があります。試験に合格するためには、学習 を始める前に、その試験の「特徴」を押さえることが重要です。では、宅建試験ではどうでしょうか? こ の試験は「4肢択一」の試験です。つまり、4つの選択肢の中から「1つだけ選ぶ」ことができれば、点 数を獲得できるのです。では、ここでみなさんに4肢択一試験を具体的に体験していただくために、下記 の問題を解いてみてください。 日本の首都は、下記のうちどれか選びなさい。 1 大 阪 × 2 名古屋 × 3 福 岡 × 4 東 京 ○ 上記の問題は宅建ではありませんが、当然4の東京を選ぶことができたと思います。なぜ4を選ぶこと ができたのでしょうか? それは、1~4のすべての肢を知っていたからであり、また、これらのことは 知らなければならない事項です。では、下記の問題はどうでしょうか? 日本の首都は、下記のうちどれか選びなさい。 1 レイキャビク ? 2 ダブリン ? 3 バクー ? 4 東 京 ○ これも正解は4の東京です。しかし、今度は選択肢のうち、おそらく1~3はどこの国の首都か知らなか ったのではないでしょうか? けれどもみなさんは4を選んだはずです。それは日本の首都が東京であると いうことを知っているからです。したがって、他の選択肢がわからなくても正解肢は4だと判断できるので す。もし間違えた人がいるのであれば、それは1~3を知らなかったからではなく、4の知識がなかったか らです。では、下記のような問題はどうでしょう? アイスランドの首都は、下記のうちどれか選びなさい。 1 大 阪 2 名古屋 3 レイキャビク 4 東京

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- 1 - できましたか? 今度の正解は3ですね。ではみなさんはなぜ3を選んだのでしょうか? おそらくレイ キャビクがアイスランドの首都だということを知って答えた人は少なかったと思います。もし、記述試験で あれば、レイキャビクを知っていなければ正解することはできません。しかし、「4択」なので、大阪、名 古屋、東京ではないということを知っているので3を知らなくても正解を導き出せたと思います。つまり、 1、2、4ではないなら3が正解であると確信したはずです。 このように4肢択一というのは、すべての知識がなければ正解を選ぶことができないというものではない のです。

② 宅建試験に当てはめよう!

不動産取得税(事例1) では、今度は宅建の過去に出題された問題を当てはめてみましょう。下記の問題は、2年に1度は 出題されているという不動産取得税です。この問題は比較的やさしい内容ですが、まだ税金の学習を していない方もいると思いますので、今から説明することだけ覚えてください。いいですか? では 始めます。そもそも税金の計算式は、課税標準×税率=税額となります。 例えば、所得税であれば所得に対して税率をかけて計算します。不動産取得税も同様に不動産の価 額に税率をかけて計算します。しかし、不動産取得税では「宅地」の場合、「課税標準を2分の1」に するという特例があります。では、この知識をもとに、下記の平成 18 年度の問題を解いてください。 ヒント 宅地の課税標準は2分の1である。 (※ 一部改正 平成 18 年度 問 28) 不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 住宅以外の家屋を取得した場合、不動産取得税の標準税率は、100 分の3である。 2 宅地を取得した場合、当該取得に係る不動産取得税の課税標準は、当該宅地の価格の2分の1の額とされ る。 3 不動産取得税は、不動産の取得に対して、当該不動産の所在する都道府県が課する税であるが、その徴収 は特別徴収の方法がとられている。 4 床面積が 250 ㎡である新築住宅に係る不動産取得税の課税標準の算定については、当該新築住宅の価格か ら 1,200 万円が控除される。 解けましたか? 正解は「宅地を取得した場合、当該取得に係る不動産取得税の課税標準は、当該 宅地の価格の2分の1の額とされる。」という2が正解となります。もし間違えたのなら、それは1、 3、4の選択肢はわからないからではなく、2が正しいということがわからなかったからです。 つまり、重要な内容を押さえておけば、わからない選択肢があっても答えは導き出せるのです。 なお、この2の内容は平成8年度、10 年度、12 年度、16 年度、18 年度、24 年度にも出題され ている重要なポイントです。

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- 2 - 特定住宅瑕疵担保履行法(事例2) (平成 23 年度 問 45) 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託又は住宅販売 瑕疵か し担保責任保険の締結(以下この問いにおいて「資力確保措置」という。)に関する次の記述のうち、正し いものはどれか。 1 宅地建物取引業者は、自ら売主として建設業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住 宅を引き渡す場合、資力確保措置を講じる必要はない。 2 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る 資力確保措置の状況の届出をしなければ、当該基準日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を 締結することができない。 3 自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託をする場合、当 該住宅の売買契約を締結するまでに、当該住宅の買主に対し、供託所の所在地等について記載した書面を 交付して説明しなければならない。 4 住宅販売瑕疵か し担保責任保険契約は、新築住宅の買主が保険料を支払うことを約し、住宅瑕疵か し担保責任保険 法人と締結する保険契約であり、当該住宅の引渡しを受けた時から 10 年間、当該住宅の瑕疵か しによって生 じた損害について保険金が支払われる。 この問題の正解は、3の「自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵か し担保保証 金の供託をする場合、当該住宅の売買契約を締結するまでに、当該住宅の買主に対し、供託所の所在地等につ いて記載した書面を交付して説明しなければならない。」ですね。 このように択一試験というのは、すべてがわからなくても正解肢を選ぶことができるのです。近年、宅建試 験では「正しいものはいくつあるか?」という問い方をする問題があります。この場合はすべての選択肢がわ からなければ正解できませんが、このような問題は全体の1割程度であり、また、内容はすべてわかるような 基本問題が大半です。 今度は平成 22 年度から毎年1問ずつ出題されている「特定住宅瑕疵担保履行法」を例として、解いて みましょう。この法律は、簡単に言えば宅建業者が「新築住宅」を販売して、その住宅に瑕疵があった 場合、その宅建業者がたとえ倒産しても、消費者(買主)を救済できるようにするため、販売する新築 住宅数に応じて、宅建業者に一定額を「供託」させたり、「保険」に加入させることにより「資力確保」 を義務づけさせるというものです。 ここで先ほどと同じように1つだけ覚えてください。この法律では、新築住宅を販売する場合、「契約 が成立するまで」に「書面」で「供託所の説明」を新築住宅の買主に説明しなければならないと定めてい ます。この知識をもとに、下記の平成 23 年度の正解肢を選んでください。 ヒント 供託所の説明は「契約成立まで」に「書面」を交付して説明しなければならない。

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③ 組合せ問題に当てはめよう!

都市計画法(事例1) (平成 19 年度 問 20) 土地の区画形質の変更に関する次の記述のうち、都市計画法による開発許可を受ける必要のないものの 組み合せとして、正しいものはどれか。 ア 市街化調整区域内における庭球場の建設の用に供する目的で行う 5,000 ㎡の土地の区画形質の変更 イ 市街化調整区域内における図書館の建築の用に供する目的で行う 3,000 ㎡の土地の区画形質の変更 ウ 市街化区域内における農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う 1,500 ㎡の土地の区画形質の変更 1 ア、イ 2 ア、ウ 3 イ、ウ 4 ア、イ、ウ 正解は1になりましたか? つまり、ウは「市街化区域内における農業を営む者の居住の用に供する 建築物の建築の用に供する目的で行う1,500 ㎡の土地の区画形質の変更」ですから開発行為の許可が必要 ですね。そうすると、この問題は開発行為の「許可が必要ない」ものの組合せを選ぶものなので、ウが入 っている選択肢は誤りになります。したがって、正解は下記のように1になります。 もし間違ったのであれば、それはアやイがわからなかったから正解肢を選べなかったのではなく、 ウの開発行為は「市街化区域内」では「1,000 ㎡」から必要になるという基本中の基本を理解してい なかったからです。しかし、受験生の中には「ウくらいは知っていたが、アやイがわからなかったか ら間違えた」ということを平気で言う人もいます。残念ながら、このような人は合格することは難し いと思います。 1 ア、イ ○ 2 ア、ウ × 3 イ、ウ × 4 ア、イ、ウ × 各種の試験において「組合せ問題」が出題されるケースがよく見受けられます。宅建試験におい ても近年よく出題されています。しかし、これらの問題もやはり選択できる基本的知識さえ身に付 けておけば正解肢を選ぶことはできます。択一試験であることには変わりありません。 都市計画法において、毎年出題されている「開発行為」についての問題を例にとってみましょう。 そもそも開発行為とは、「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土 地の区画形質の変更」をいいます。例えば、山を削って(=土地の形質の変更)建物を建築するよ うな行為です。このような開発行為をするに当たっては、知事の許可を必要とします。これが開発 行為の許可制度です。ここでも1つみなさんに覚えてもらうことを説明します。それは、この開発 行為は「市街化区域内」では「1,000 ㎡」から必要になるということです。では、平成 19 年度の 下記の問題を解いてみてください。 ヒント 開発行為をする場合、市街化区域内では1,000 ㎡から知事の許可が必要である。

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- 4 - 都市計画法(事例2) では、ここでもう一問開発行為についての問題を解いてみてください。ここでもヒントを1つ差し上げ ます。土地の区画形質を変更して建築物等を建築する場合、この建築物が「図書館」であれば、どの地域 でも、どんなに大きくても開発行為の許可は不要となります。 ヒント 図書館を建築するための開発行為は許可が不要である。 (平成 24 年度 問 17) 次の記述のうち、都市計画法による許可を受ける必要のある開発行為の組合せとして、正しいものはどれか。 ただし、許可を要する開発行為の面積については、条例による定めはないものとする。 ア 市街化調整区域において、図書館法に規定する図書館の建築の用に供する目的で行われる 3,000 ㎡の開発 行為 イ 準都市計画区域において、医療法に規定する病院の建築の用に供する目的で行われる 4,000 ㎡の開発行為 ウ 市街化区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行われる 1,500 ㎡の開発行為 1 ア、イ 2 ア、ウ 3 イ、ウ 4 ア、イ、ウ 今度は開発許可が「必要なもの」の組合せはどれか? という問題です。そこで、アに着目してく ださい。「市街化調整区域において、図書館法に規定する図書館の建築の用に供する目的で行われる 3,000 ㎡の開発行為」。これは開発行為の許可は不要ですね。ということは、アが入っている選択肢は誤りという ことになります。したがって、正解は下記のように3となります。 1 ア、イ × 2 ア、ウ × 3 イ、ウ ○ 4 ア、イ、ウ × このように、選択肢を選ぶために、すべての知識が必要というわけではありません。また、合格率が 50%以上あるというような検定試験とは異なり、テキストのどこかに記載されている中からすべての 選択肢が構成されているとも限りません。したがって、正解肢を選択できるようになるためには、何 を理解し、覚える必要があるのかを見つけることができれば、合格することができます。そのために 過去問題を分析する必要があります。

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④ 過去問題に答えがある。

民法(事例1) 私は、宅建試験に合格できるかどうかは、「過去問題を解いたかどうかにかかっている」と学生によく 話しています。授業の最初に、前回の授業についての過去問題を解かせます。 これは、何問正解したかを見るのではなく、自分は「どの選択肢を理解できて、どの選択肢を理解で きていないのか」を把握させるためです。正解できなくてもいいのです。ただし、同じことを問われた ら、今度は正確に答えることができるようにしなければいけません。例えば、下記の問題を見てくださ い。民法で最初に学習する制限行為能力者の問題です。 (平成 11 年度 問1) 次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1 満 20 歳に達した者は、成年とされる。 2 満 15 歳に達した者は、父母の同意を得て、婚姻をすることができる。 3 未成年者が婚姻をしたときは、成年に達したものとみなされる。 4 満 15 歳に達した者は、父母の同意を得なくても、遺言をすることができる。 正解は2となります。つまり、未成年者は「男 18 歳、女 16 歳」でなければ婚姻することはできな いので、15 歳では婚姻はできません。 今まで説明したように、本試験であれば、その選択肢を選べればそれでいいのですが、過去問題を解 く場合においては、もし、みなさんが2を選択できたとしても、それで平成 11 年度の過去問を解いた とはいえません。例えば、選択肢の3がわからなかったとします。この3は「未成年者が婚姻すれば 成年者となる」。つまり、未成年者であれば契約を取消しできるのですが、未成年者が婚姻すれば成年 者となり、契約等は取消しできなくなるという内容です。 もし、この3の選択肢を知らずに学習を続けたとします。そうすると、下記の平成 15 年度の2、平 成 17 年度の4、平成 20 年度の2もわからないはずです。逆にその知識を理解できれば、その後の試 験では大いに役立つのです。 (平成 15 年度 問1) 意思無能力者又は制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはど れか。 1 意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば、 取消しの時点から将来に向かって無効となる。 2 未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合、その未成年者が婚姻をしていても、親権者が当該意思 表示を取り消せば、意思表示の時点に遡って無効となる。 3 成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、成年後見人は、当 該意思表示を取り消すことができる。 4 被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、保佐人は、当該意思表示を 取り消すことができる。

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- 6 - (平成 17 年度 問1) 自己所有の土地を売却するAの売買契約の相手方に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、 正しいものはどれか。 1 買主Bが被保佐人であり、保佐人の同意を得ずにAとの間で売買契約を締結した場合、当該売買契約は当 初から無効である。 2 買主Cが意思無能力者であった場合、Cは、Aとの間で締結した売買契約を取り消せば、当該契約を無効 にできる。 3 買主である団体Dが法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意の団体であった場合、Dが Aとの間で売買契約を締結しても、当該土地の所有権はDに帰属しない。 4 買主Eが婚姻している未成年者であり、当該婚姻がEの父母の一方の同意を得られないままになされたも のである場合には、Eは未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる。 (平成 20 年度 問1) 行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。 1 成年被後見人が行った法律行為は、事理を弁識する能力がある状態で行われたものであっても、取り消す ことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。 2 未成年者は、婚姻をしているときであっても、その法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、取り消 すことができる。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではない。 3 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき、4親等内の親族から補助開始の審判の 請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められるときは、本人の同意がないときであっても同審判 をすることができる。 4 被保佐人が、保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした土地の売却は、被保佐人が 行為能力者であることを相手方に信じさせるため詐術を用いたときであっても、取り消すことができる。 平成 15 年度 問1 1× 2× 3○ 4× 平成 17 年度 問1 1× 2× 3○ 4× 平成 20 年度 問1 1○ 2× 3× 4×

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- 7 - 特定住宅瑕疵担保履行法(事例2) では、過去問題を理解していれば、正解肢を選ぶことができるかどうか考えてみましょう。 先ほど住宅瑕疵担保履行法を見ましたね。覚えていますか? この法律は平成 22 年度から毎年1問 出題されていますので、平成 26 年度までの合計は5問です。 特定住宅瑕疵担保履行法は、新築住宅を販売する宅建業者は供託や保険の加入等の資力確保をしな ければならないという法律でした。先ほどは、供託所の説明は「契約成立するまで」に「書面」を交 付して行わなければならない、ということを覚えてもらいました。ここではもう1つ、資力確保の義 務は「宅建業者間取引」の場合は不要であり、また、宅建業者が代理・媒介するときも不要というこ とを覚えてください。では、平成 22 年度の下記の問題を見てください。 1、2、3が誤りで4が正解となりますね。 (平成 22 年度 問 45) 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託又は住宅販 売瑕疵か し担保責任保険契約の締結(以下この問において「資力確保措置」という。)に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。 1 宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、 当該住宅を引き渡す場合、資力確保措置を講ずる義務を負う。 2 自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託をする場合、宅 地建物取引業者でない買主に対して供託所の所在地等について記載した書面の交付及び説明を、新築住宅 を引き渡すまでに行えばよい。 3 宅地建物取引業者は、自ら売主として新築住宅を販売する場合だけでなく、新築住宅の売買の媒介をする 場合においても、資力確保措置を講ずる義務を負う。 4 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日ごとに、 当該基準日に係る資力確保措置の状況について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け 出なければならない。 平成 23 年度の問題を解いてみよう 今度は翌年の平成 23 年度の問題を見てください。正解は3となります。つまり、前年の平成 22 年度 の2がなぜ誤りかを把握していれば正解できたはずです。供託所の説明は、「売買契約が成立するまでに 書面を交付して行う」。前年度は「引渡しまでに行う」で誤りでしたが、平成 23 年度は正しい記述で出 題されたのです。 (平成 23 年度 問 45) 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託又は住宅販売 瑕疵か し担保責任保険の締結(以下この問いにおいて「資力確保措置」という。)に関する次の記述のうち、正し いものはどれか。 1 宅地建物取引業者は、自ら売主として建設業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住 宅を引き渡す場合、資力確保措置を講じる必要はない。 2 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る 資力確保措置の状況の届出をしなければ、当該基準日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を 締結することができない。

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- 8 - 3 自ら売主として新築住宅を販売する宅地建物取引業者は、住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託をする場合、当 該住宅の売買契約を締結するまでに、当該住宅の買主に対し、供託所の所在地等について記載した書面を 交付して説明しなければならない。 4 住宅販売瑕疵か し担保責任保険契約は、新築住宅の買主が保険料を支払うことを約し、住宅瑕疵か し担保責任保険 法人と締結する保険契約であり、当該住宅の引渡しを受けた時から 10 年間、当該住宅の瑕疵か しによって生 じた損害について保険金が支払われる。 平成 24 年度の問題を解いてみよう 今度は、下記の平成 24 年度の問題を見てください。これも前年度の試験問題を学習していれば正解でき るのです。それは前年の平成 23 年度の2の選択肢です。この法律では、「宅建業者が資力確保に関する届出 をしなければ、基準日の翌日から起算して50 日を経過した日以後においては、新築住宅の売買契約しては いけない。」という規定があります。したがって、平成 23 年度の2は誤りです。そうすると平成 24 年度は 2が正解となります。また、選択肢4の供託所の説明は、平成 22 年度、23 年度にも出題されています。 (平成 24 年度 問 45) 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託又は住宅販売 瑕疵か し担保責任保険契約の締結(以下この問において「資力確保措置」という。)に関する次の記述のうち、正 しいものはどれか。 1 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、当該住宅を引 き渡した日から3週間以内に、その住宅に関する資力確保措置の状況について、その免許を受けた国土交 通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。 2 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る 資力確保措置の状況の届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50 日を経過した日以後におい ては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。 3 住宅販売瑕疵か し担保責任保険契約は、新築住宅を自ら売主として販売する宅地建物取引業者が住宅瑕疵か し担保 責任保険法人と締結する保険契約であり,当該住宅の売買契約を締結した日から5年間、当該住宅の瑕疵か し によって生じた損害について保険金が支払われる。 4 新築住宅を自ら売主として販売する宅地建物取引業者が、住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託をした場合、買 主に対する当該保証金の供託をしている供託所の所在地等について記載した書面の交付及び説明は、当該 住宅の売買契約を締結した日から引渡しまでに行わなければならない。 平成 25 年度の問題を解いてみよう 最後に平成 25 年度の問題を解いてみてください。今まで私が説明した過去の問題の解説を理解してい ればできるはずです。つまり、過去の3問さえ解いていれば正解できるのです。 (平成 25 年度 問 45) 宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bに新築住宅を販売する場合における 次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。 1 Bが建設業者である場合、Aは、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託又は 住宅販売瑕疵か し担保責任保険契約の締結を行う義務を負わない。 2 Aは、基準日に係る住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵か し担保責任保険契約の締結の状況につ

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- 9 - いて届出をしなければ、当該基準日から3週間を経過した日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買 契約を締結してはならない。 3 Aは、住宅販売瑕疵か し担保保証金の供託をする場合、Bに対する供託所の所在地等について記載した書面の 交付及び説明を、Bに新築住宅を引き渡すまでに行えばよい。 4 Aが住宅販売瑕疵か し担保保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が 55 ㎡以下であるときは、新築住宅の 合計戸数の算定に当たって、 2戸をもって1戸と数えることになる。 上記の正解は4です。 ・ 選択肢1は、買主は宅建業者ではないので資力確保の義務があります。平成 23 年度の 1 と同じ内容 です。 ・ 選択肢2は、基準日の翌日から起算して 50 日を経過した日以後、新築住宅の売買契約してはいけな いので、「基準日から3週間」が誤りです。平成 23 年度の2、平成 24 年度の2と同じ内容です。 ・ 選択肢3は、供託所の説明は「契約が成立するまで」に「書面を交付して」説明しなければならず、 「引き渡すまで」に行えばよいというのは誤りです。これは平成 22 年度の2、平成 23 年度の3、平 成 24 年度の4と同じ内容です。 ・ 選択肢4は、ほとんどの受験生が知らなかったと思います。また、参考書などにも記載されていませ んでした。しかし、見方を変えると、4がわからなくて答えが出せなかったのではなく、1、2、3 が誤りだということがわからなかった受験生が正解できなかったということです。そして、その1、 2、3が誤りとわかるためには過去の問題を解き、理解していない選択肢を確認することが必要だっ たのです。 宅建試験は過去に問われた内容が非常に重要であり、その知識が備わっていれば、難解な選択肢 があっても、正解肢を選ぶことができることを理解していただけたと思います。 では、よく出題される内容について、次の問題を通して、合格のための知識を確実に身に付けて ください。

参照

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