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ダイコンの肥大要因の解明に向けた試験管内培養系の利用

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2019年210

ダイコンの肥大要因の解明に向けた試験管内培養系の利用

生物資源科学専攻 作物生産生物学講座 作物生理学 數田 直也

1.はじめに

ダイコン (

Raphanus sativus)

はアブラナ科ダイコン属の越年草であり, 日本において広く 栽培されている作物の一つである。ダイコンは根において著しい肥大成長が認められ, この肥大 様式は収量・品質を決定する上で重要な要素となる。しかしながら根の肥大メカニズムに関して は未解明な部分が多い。本実験ではハツカダイコンの試験管内培養系において根系の肥大を誘導 させる条件を確立した。また

, 網羅的発現解析により発現遺伝子の比較を行った。

2.方法

ハツカダイコン品種 ‘アイシクル’の種子を

10% (v/v)

次亜塩素酸ナトリウム溶液で殺菌 後

, 寒天培地にて明所で2

日間培養し, 発芽させた。1%

, 5%, 10% (w/v) スクロースを含む MS

寒天培地又は, 5% (w/v) スクロースと

10-6 M

のジベレリン生合成阻害剤・ウニコナゾール を含む培地

(ウニコナゾール), 5% (w/v) スクロースと10-6 M

のサイトカイニン・ベンジルア デニンを含む培地 (ベンジルアデニン) に

,

発芽した植物体を移植し

,

明期

16

時間/暗期

8

時 間の条件下で

4

週間培養した。その後, 根系の最大直径, ならびに部位の断面積および高さを測 定し, 各部位の平均直径を算出した。また, 培養系において

2

週間培養したハツカダイコン根系 から

RNA

を抽出し, RNA-seq に供した。得られたリードは

Raphanus sativus Genome DataBase (Kitashiba

ら, 2014, http://radish.kazusa.or.jp)を用いてマッピングした。この結果を基に 各遺伝子について

FPKM (fragments per kilobase of exon per million mapped reads) 値を算

出し, 発現量とした。

3.結果と考察

培地中のスクロース濃度が

1%, 5%の場合にはハツカダイコン根系の肥大は認められなかっ

たが, 10%の場合には肥大が認められた。肥大が認められなかった

5%スクロース濃度の培地に

おいて

, 10-6 M

ウニコナゾール又は

10-6 M

ベンジルアデニンが存在する場合には肥大が認めら れた。根系の肥大組織は, 10%スクロース, ウニコナゾール, サイトカイニンでそれぞれ異なっ た。網羅的発現解析において

, 5%スクロース条件での発現量に対して, 10%スクロース, ウニ

コナゾール

,

サイトカイニンの各条件で

5

倍以上または

1/5

倍以下の発現量を示した遺伝子を 抽出した。

5

倍以上の発現を示した遺伝子のうち, 各条件で共通するものは

68

個であった。一

, 1/5

倍以下の発現を示した遺伝子のうち, 共通するものは

154

個であった。

4.まとめ

本実験では組織培養系におけるハツカダイコンの肥大条件を検討した。スクロース, ジベレリ

ン生合成阻害剤, サイトカイニンはハツカダイコンにおいて異なる部位の肥大を誘導すること

が示された。また

, 網羅的発現解析により, 肥大する条件で共通して発現が変動する遺伝子を抽

出した。

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