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視覚障害者スポーツにおける位置情報提供システム

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Academic year: 2021

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─ 147 ─ 1.はじめに

昨年度実施したレーザースキャナを用いた視覚障害者ボ ウリング軌跡計測に引き続き,平面レーザースキャナの障害 者スポーツへの利用可能性を探った。各方面より情報収集 をした結果,本学の授業「健康・スポーツ」を担当する天 野和彦准教授より,ボッチャにおけるボールの位置情報提 供に関するニーズを伺うことができた。

ボッチャとは,主に運動能力障害者向けに開発されたパ ラリンピックの正式種目であり,視覚障害者を含め様々な障 害者が参加可能なスポーツである。本学も開催場所になっ ている「三大学連携 ・ 障がい者のためのスポーツイベント」

でも実施され,毎回多くの来場者が楽しんでいる。コートは 6m×12.5m の広さで,2 チームに分かれて競い合う。最 初に投げられた白いジャックボールに対して赤いボールと青 いボールを投げ合い,より近くに寄せた方のチームが勝つと いうルールで進められる。

ボッチャの実際の試合においては,投げる前にコート中に あるボールの状況を確認しなければならない。電動や手動 の車椅子を利用する選手たちは,ジャックボール周辺まで移 動して状況確認する場合もあるということで,手元で位置を 確認したいというニーズがある。また,視覚障害者がボッチャ を楽しむ場合にもボールの位置関係を把握する必要がある ため,なんらかの形で状況を分かりやすく伝える仕組みがあ ると選手たちは助かる。

また,ボッチャは状況の変化が急激ではなく,動作を与え る対象が止まっていることや,どのプレーヤーがアクションを 起こしているのかが明確であるといったことなど,ゲームの 進行速度やルール的に支援システムを構築しやすいスポー ツだと言える。

2.ボッチャのボール位置の計測と提示

以上のような背景から,今回,ボッチャのボールを実際に レーザースキャナで計測し,データの取得可能性について 確認した。更に重度視覚障害者向けに点図ディスプレイ

で表示することを想定し,スキャナライブラリと画像処理ライ ブラリを用いた C#プログラムを作成して,得られた平面距 離画像を点図ディスプレイに表示するシステムを構築した。

図 1 は測定用ソフトウェアを用いたボールの検出結果例で ある。用いたスキャナは 1 度あたり8 点の測定が可能な分 解能を持つため,コートの広さとボールの大きさのバランスか ら,十分検出可能であった。しかし図 1 におけるジャックボー ル右奥の青ボールのように,センサから見て手前の赤ボー ルと位置が重なってしまうと検出できない場合もある。これら の解決のためには,複数のセンサ利用や,継時的な記録 により判別することなどを検討する必要があると考えられる。

図 2 は,計測した情報を点図ディスプレイに提示するシス テムの外観である。センサと点図ディスプレイを駆動するた めに 12Vと5V の出力か可能なバッテリーを用意し,電源 のない環境でも計測と提示ができるようにした。画像処理と しては単純な縮小処理を施しただけだが,ボールの位置が 触覚で認識できることが分かる。今後は様々な画像処理を 適用することで,より点図ディスプレイで理解しやすい情報を 提供するよう改良していきたい。

視覚障害者スポーツにおける位置情報提供システム

小林 真

筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科 キーワード:レーザースキャナ,障害者スポーツ,ボッチャ

筑波技術大学テクノレポート Vol.26 (1) Dec. 2018

図1 ボッチャのボールの検出結果例

筑波技術大学 紀要

 National University Corporation

Tsukuba University of Technology

(2)

─ 148 ─ 謝辞

本研究は筑波技術大学競争的教育研究プロジェクト事 業として実施しました。記して深く感謝します。

図2 距離画像を点図ディスプレイに提示するシステムの外観と2点を表示している様子

筑波技術大学 紀要

 National University Corporation

Tsukuba University of Technology

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