• 検索結果がありません。

附属小学校市 附属中学校川

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "附属小学校市 附属中学校川"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

65

音楽科における教育実習の現状と問題点

附属小学校市 附属中学校川

音楽科研究室 柳

子光久辰寿

村崎橋

1 附属小学校の立場から

 附属小学校としては,基本実習というたてまえから考えてみると,全教科の実習経験をすることが大切 なことは言うまでもない。しかし2週間の昏睡と週2時間の音楽の授業で誰もが経験することはむずかし

いこどである。このようなことから,結局小誌音楽科の学生が2週間の実習の中で,2時間〜3時間の音

楽の授業を実習している現状である。ここで考えられることは,小専音楽科の学生が平均毎回の実習期間

に3無位であることは,非常にきびしいことであり,今後の教育界にも影響されることは,現在までにも いろいろと問題が残されている。そこで附属としては,できるだけ低学年〜中学年生に配当された実習生 には,1時間は,音楽の授業を経験させるよう,実習係から又は学級担任から指導計画を立てる時に,音 楽の授業も実習するようにしている。これは地方の小学校の実態から,音楽の専科をおくことは定員の関 係上無理なことであり,どうしても学級担任が音楽の授業を受持つことになる。基本実習の間に1時間な

りとも経験をさせることが,将来のために大事なことであり必要なことであることから,このような考え授業

をさせている。現在までの様子から,低学年では,小禽音楽実習生以外の学生が平均3名は授業の経験

をしている。3〜4年生握当の学生もやはり低学年同様の者が音楽の授業を受持っている。小輪音楽の学 生の配当は,平均3名のたあ,低,中,高に一人の割合であり,これらの学生にはできるだけ時間数を多

くとるよう指導の手を加えている。

 音楽の授業をすることに実習生は非常に関心と興味をもって授業参観しているようである。なぜなら子 ども達が喜んで生き生きと活動している様子を生にみているわけであり,「あのように楽しく臼分たちも 出来るのではないか」といった気持ちを第一に持つよう私たち教宮は工夫をして授業をしている。

 ピアノが弾けなくともできる授業,レコード鑑賞の仕方,合唱や合奏の指導法,リズムあそび,身体表 現や即興表現のさせ方などを,できるだけ実習生にわかるよう示範し,先づ授業を参観したら,第1時は 同じように他の学級で実習するといった方法をとっている。教師の発問,授業の流れ,児童の活動等を考 えて指導案を書く段階で,どう展開していくか,大分頭を痛めている様子がみられる。

 音楽の授業は,みている人も,活動する児童も楽しんで音楽していくことは,音楽科のねらいでもある

「音楽を愛好する心情」を育てることにつながることではあるが,実際に実習生が授業をすると楽しむこ

とより苦痛になってはいないだろうか。全員とは言わないが,ピアノがすばらしく弾けていても,それを

どのように児童の活動の中に役立たせるか,指導の手だてがわからず,美しい伴奏を聴かせないで授業を

していることが多い。又美しい声で歌曲を歌えるにもかかわらず,教材を正しく歌いこんでない為に,脅

(2)

66

茨城大学教育学部教育研究所紀婆,第12号,特集

信をもって指導ができず,範唱も不安気にすることがみられること等,本当に,自分のすばらしいカを授 業の中で生かされないことが多々みられることは,残念なことであり,何が足らないのか,私たち指導教 官として考えなければならない問題ではなかろうか。

 第1に考えねばならないことca ,小学校の児童に何を教え,何を育てるかをはっきり実習生に持たせて いきたい。目標と内容,授業の方法,児童の活動をはっきりと認識し,その為にどのような学習を展開す ればよいかを,授業をする以前に知らなければならないわけである。唯夢中で指導案を書きそれだけを考 え,児童の実態をつかむことは2週間の実習ではむずかしいことではあるが,1時間に何を教えるかを,

はっきり持って授業に望ませていきたいと思っている。そして音楽の学習は,子どもの活動を中心に,美 しさを求め,よい音楽がわかる指導であり,子どもの創造性を育てることを忘れてはならない。このよう な内容,目標を学生自身持っているのだろうか。やXもすると技術的専門家になるおそれもある。態度,

能力を伸ばしていきながら,豊かな人間性を養う心情面の音楽教育であることを考えながら,音楽の授業 を実習することが大切なことであろう。

 第2は,子ども申心の教材をもっと研究することである。そこには基本的な要素の深いものは勿論,子 どもが生き生きと活動できる内容を持って,発展性のある教材の研究をしなければならない。教師は常に 子どもの側に立って共に創造していくよう工夫することが,生きた音楽教育であることを実践していくよ う,学生自身の創意工夫が望まれる。これは決して学生の問題のみでなく,わたし達の音楽観と,大学に 於ける先生方にも(大変失礼な言い方ではあるが)授業内容を再検討していただければ,非常に有難いこ とであり,今後の音楽教育に新しい方向と質的向上がみられるのではないかと思われる。現在までに教育 実習生(特に音楽授業者)は,どのような問題を考えているか。次のように感想を述べている。

。実践の現場については,まだくわしくはわからないが,実習する前にもっと現場の実践の経験を,多く  聞いておきたかった。大学の授業での理論のみでは何の意味がない。教師は子どもの中にとけこんで没  頭できるような姿勢でありたい。その為には,子どもの実態を現場に企て知りたい。そして何のために  音楽教育をしなければならないかという問題をもっと考えるべきである。教師側に先づ音楽する心がな  ければ音楽教育はできるものではない。楽しい音楽の授業,音楽に興味をもたせる授業,ほめることの  効用などを他の教科にも広げて実践し,今後研究していきたい。

。教師として必要なことは良い指導法だと思う。大学生の自分すら勉強しているという意識なしに,多く  を学んではいるが,実習を通して,先生方の指導法のすばらしさにひかれていったのではなかろうか。

 ひとつの教材をつかってアレジ法,合唱指導,不得意な児童に対する扱い方などを学んだ。大学では,

 楽典や和声,対位法,ピアノなど自分の技術を高めたり,頭につめこんだりはしているが,それを教材  と結びつけて,どう教えるかと言うことに関しては,日頃は全然考えられなかった。教える立場になる  と,伴奏ひとつ取ってみても難しく,ただ弾くだけなら容易であるが,教える立場になってブレスを考

 え,テンポを考えて歌わせるなど,1対1ならともかく40人の児童にどのように,ひとりひとりに目

 を向けていくのかあせってしまった。

。中学で学んだことは,基礎として大切なことではあるが,それをどう生かしどのように教えるかを十分

 に研究してなかった。子どもの発達段階をふまえた上で現状に適した指導が望まれるが,実習を経験す

 る前にはわからないが,具体的な指導方法の示範授業により教材研究の仕方や,楽しい音楽の授業をす

 るには,まず教師自身が音楽が大好きであり,そして授業を楽しんで行なわなければならないと思った。

(3)

柳橋 音楽科における教育実習の現状と問題点 67

 唯技術的な問題としてはピアノの伴奏ができるようにすることや,音楽の授業のできる教師になる為に,

 歌う楽しさ音楽の楽しさを十分味わえることのできるように,大学の授業を今後は受講していきたい。

。低学年の音楽の授業は,身体表現を通して学習していることがわかり,学習するのは教師ではなく児童  であり,そのためには児童が楽しく思えるものでなければならない。となれば授業を楽しくするために  児童を指導する際に教師は童心にかえり,その気になって取り組む必要がある。要因は体を動かすとい  つたごく身近かなところにあるわけで 音楽の授業を楽しくするためには,教師は身近かなところに気  を配るべきということを知った。又音楽は先生が,きらっていては,子どももきらいになってしまうの  ではないかと思われる。自分がまず音楽をすると楽しくなったり嬉しくなるんだという気持ちを持って  いなければ,児童に音楽の楽しさなんて教えられない気がする。

 以上何人かの実習生の感想にも書かれているように,音楽の授業の楽しさ,心情的な面の大切なことを 身をもって経験し,今後の研究へと新しい希望と熱意が伺われる。ある一部の実習生の声ではあるが,

私たちも一人でも多くの学生が音楽の授業にとび込んでいけることを願っているわけである。大学のシス テムについては,教育養成に於ける音楽教育の問題になるわけであり,いろいろな改定や単位の問題,内 容など言うべきことではないが,せめて4年間に,小学校教員として養成の中に音楽科指導を重く考える

ことも,現実の小学校教育の中の情操面,豊かな人間性を育てるに必要な音楽科の特性と必要性からも,

今後考えていかなければならない問題である。

1[附属中学校の立場から

      1 は じ め に

 附属中学校音楽科において基本実習をする学生は,前期・後期それぞれ4〜5名配当されているのが現 状である。本校の学級数は各学年4学級であり,週単位の授業時数は1・2年が2時限,3年が1時限だから合計 20時限になる。従って実習生一人当りの実地授業時数は平均4〜5時限ということになる。しかし,示範授 業等の観察に当てる時数を差し引くと,実際は3〜4時限程度になっている。実地授業を数多く経験する

ことも必要だが,それ以上に重要なのは1時限1時限を内容の充実した授業を展開することである。その 為には,事前の教材研究に十分な時間を確保しなければならない。ちなみに1人の実習生の指導にかける

時間を1時間としても,5人いれば延べ5時間ということになる。教育の現場では,学級担任としてある

いは特別活動等の指導というN常業務との兼ね合いからして,指導教官1入に対する実習生の数は3名位が 限界であろう。また,仮に実習生1人の指導にかける時間を実地授業の事前に1時間としたが,実際には 大学における単位の履習状況からみてそれをはるかに上まわることが多い。教科教育法を履遺草である学 生が殆んどであることからも理解できよう。

 次に実習生の教科指導に関する意識の問題をあげてみる。特に実習当初において,自分の専門(ピアノ

が得意である,声楽が得意であるなど)を強く意識し,自ら壁をつくってしまう傾向が見受けられるので

ある。得意な分野を持つことそれ自体は良いとしても,その意識が実地授業の中に色濃く表われてしまう

なら問題と言わなければならない。「歌唱」の指導を例にとってみるならば,ピアノを得意とする実習生

は「歌う」という活動を極力さけようとし,ピアノに頼って歌唱指導をしていこうとする。つまり,歌わ

ずして歌わせようとしているのである。これでは生徒に活発な活動を期待することはできない。指導法の

(4)

68

茨城大学教育学部教育研究所紀要,第12号,特集

基本として十分におさえていかなければならない問題である。

      2 r歌唱』指導における現状と問題点

Q) 「固定ド」唱法と「移動ド」唱法

  小・中学校での読譜(視準)は「移動ド」唱法を原則としている。文部省の学習指導要領でも,「移  動ド」唱法を原則とし,「固定ド」唱法も取り入れてよいと述べられている。実習生の小・中学校での  学習経験を調査してみても全員がそうである。しかし,ピアノ教室や大学での講座では「固定ド」唱法  なのが実状である。これにはいろいろな論もあろうし意義も認めるが,実習生自身が混乱しているとこ  ろに問題がありはしないか。絶対音感を身につけた状態での「固定ド」ではなく,読み方は「固定ド」

 感覚としては「移動ドjであり,言葉を変えれば「ハ調読み」と言うべきである。次の面素によって実  験してみたところによると,とっさに「固定ド」唱法で読譜をする実習生が大半である。続いて「移動  ド」唱法で幽幽をさせてみたところ,自信のない歌い方をする。どちらの場合も不確かな音程の部分は

 同じである。(譜例1)

      (譜馴一※・印の音程棚・音1こ

         囑一円   ラ レ ドレ ラフ.レ ミフ.ソ ラ     なってしまう。

         「鰯ド」  ・ラソ・ ミドラ 。F。 ミ

  このようなことから,ついピアノに頼った読譜指導になりがちであり,指導者自身が歌って聴かせる  という場面が少なくなってしまう為に,生徒達の歌声も小さくなってしまうのである。

(2)指導過程における伴奏の工夫

  「歌唱」指導において,読譜から表現に至るまでの過程の中でピアノ伴奏を工夫していくことは,評  価や音に対する感覚を育てていく上で重要な指導の手だてのひとつである。実地授業では,どの過程で  も教科書又は指導書の伴奏譜を忠実に弾き,しかも譜面だけを注視しながら伴奏をするのである。「生  徒の動きや表情を観察しながら伴奏できる」ことをめあてにしているのだが,仲々むずかしいようであ  る。これは暗譜をすることで容易に解決できょうが,指導内容に応じたいろいろな弾き方は,編曲や演  奏技能との関連で努力を要することである。しかし,少なくとも次に示すような3段階をふまえた伴奏の  仕方を工夫することは必要であり可能なはずである。先づはじめの読譜の段階では,評価の側面からこ  のような和声とリズムのみによって伴奏をしてみるならば,確かに音程を把握できたかどうかをチエッ

(教科書の伴奏譜)

(譜例2)一簡易な伴奏例

      Gaa

7

クするには簡便な方法であり,表現の段階でも同様な方法が考えられよう。(譜例2)まとめの段階では教科書

の伴奏通りに弾くことがよい。また,変声や朝のように声の出しにくい場合には移調してやる配慮も必

要である。(譜例3)更に工夫を加えるならば,教科書には前奏のない譜も多いことから,いきなり「3ハイj式

の歌わせ方をしてしまう。前奏をっけ音楽の雰囲気や音の動きを感じ取らせ,自然に歌いはじめるよう

(5)

柳橋:音楽科における教育実習の現状と問題点

69

(譜例3)一移調による伴奏例

G

(譜例4)一前奏,後奏の伴奏例 ︷

o

 に仕向けるのである。場合によっては後奏を入れ,音楽の余韻を味わわせるようにもさせたい。(樹下4)

(3)表現指導のあり方

  ひとつの楽曲を味わい深く美しく表現していく為には,いろいろな解釈と演奏の仕方があるはずであ  る。楽譜中に書かれている発想記号・標語を鵜呑みにして指導するだけの構えであってはならない。生  徒と共になぜそのような記号・標語なのかを確かめ合う活動が少ないし,何時も気になることは,

 tempoを例にとってみるとModeratoであるのにAndanteやAllegrettoになってしまい,曲の

 イメージを損なってしまうこと,P・∫,〈 〉のような対比や旋律の抑揚があるはずなのに適切な変  化のみられないこと,つまり,言葉の上での理解はさせていても演奏の場面ではそれが十分に生かされ  ていないのである。指導者である実習生の耳や経験と言ったものが大いに関係していると言えよう。合  唱や合奏等の体験をしている者は比較的具体的に事象をとらえて指導していることは事実である。

       3 お わ り に

 音楽科における教育実習の現状と問題点の一端を述べてきたが,これらは一人一人の実習生にとって今 後の学習課題であると共に,実習生を預る附属の指導教官としての研究課題でもある。

 実習開始時から終了時迄の4週間を教壇に立った実習生の意識と意欲には大きな変容が見られる。履習 簿の文章を紹介してしめくくりとする。(原文のまま)「教育実習に入る前や入ってから授業を実際に経験

してみるまでは,授業とは,指導案さえ立てればできるものという様に考えていましたが,それは大きな

錯覚であることをいやと言うほど痛感しました。授業一学習指導一はまさしく生き物であって,こち

らがどんな準備・予想をしていっても10◎%それができる訳でもなく,そんな意味ではどんなに準備をし てもしすぎるということはないものだということがわかりました。そこで私の授業を振り返えってみると,

指導案で立てた目標,あるいはiつの課題などを実践させるための下準備が足りなかったと思うのです。

つまり「こういうことをさせる」あるいは「これを理解させる」と言った様な指導活動の項目1つ1つは 良いのですが,それを実際生徒にさせるために,あるいはほんとうに理解させるために,どのような方法 を使ったら良いのか,という様な生徒の実態をふまえた指導法の研究が不足していたと思うのです。だか ら授業を終わってみると,指導案通りに進まずに欲張りすぎたかな,などと反省する④ですが,実は指導 法の研究が今1つ的確でなかったためではないかと今になって思っています。」 (教育実習履習簿  教育実習を終って 「学習指導について」)より

皿 学部の立場から

 大学側としては,数多く考えられる教育実習の問題点のうち,いくつか取りあげて見たいと思う。第1

の問題点として,昭和47年に国立大学協会,教員養成制度特別委員会から出された,教員養成制度に関す

(6)

70

茨城大学教育学部教育研究所紀要,第12号,特集

る調査研究報告書の中の,「附属学校と教育実習」の項圏の中に,「すなわち,附属学校は,まさに更気教 育の理論及び実際に関する研究ならびにその実証をおこなう 場であり,教員養成の問題に付随し,副次

的にかかわるのでなく,隻次学として 教育科学の本質的中核的問題に,しかも実地にとりくみ,学部と 協同し,あるいは相互に補いあって,教育の諸問題に原理的かつ具体的にとりくむ組織でなければならな い。その意味では,教育の科学とそれを基盤とする教員養成という共通の命題に対して,大学のなかでの 学部あるいは研究所と附属学校の,それぞれ固有の任務・役割を明らかにし,両者の立つ共通の問題意識 から,それぞれ固有に導かれる相補的認識の深まりに基盤をおいて,附属学校の制度的位置づけを解明し てゆく事が,まず当面の課題となるであろう」。とのべてある。戦前の師範学校では閉鎖的ではあったが,

附属学校は実験実習校として,あるいは教育指導の面で,モデル的性格をもち,本校と一体となって大き な役割を果たし,附属学校としての存在価値及び理由が充分にあった。しかし戦後の附属学校は学部との 関連が不充分となってしまった。それで附属学校の任務が充分に果たせる様に,学部と附属がより一そう 相互に協力し合い,相互の信頼のもとに,教育実習についても,充分考慮される必要がある。

・学部と附属学校の協力のもとに,教育実習に対する態度を確立し,学部の各教官が教育実習に対して,

 より一そう重要視する事。

・「教科教育」等を主体として,附属学校教官と学部教官との,相互研究体制を確立する事。

・出来る限り,附属学校教官と学部教官の人事交流を可能にする事。

以上の3項についての,問題の解決に当る事が急務である。

 第2の問題点として,教育実習の時期及び期間の問題である。現在教育実習は,大学の修業年限3年次,

4年次に於て,学生に課されているが,この時期は,大学における専門の履習に於て最も重要な時期であ ると云わざるを得ない。当学部音楽科では,指揮法・音楽教材研究特講・小学課程音楽・音楽科教育法及 び各種実技科目等は,いつれも基本教育実習の行なわれる3年次に集中しており,この時期は大学に於て 学習上一一as実りのある大切な時期である。この事は音楽科としては致命的な打撃である。

 併し現行制度のもとでは,やむを得ないと考えられるが,教員養成本来の使命にたちかえって,教育実 習を考える時,教育実習は卒業後の一定の期間をとるべきであると思われる。

教育実習の期間については,音楽科教育に於ける教育実習の内容は非常に幅広く,且多岐にわたっている。

つまり鑑賞・表現(歌唱,器楽,創作)の各領域についての実地期間は,相等の期間を必要とすると思わ

れる。       .

 第3の問題点として,教育実習の問題点としては直接的関係はないかも知れないが,どうしても見のが        1

す事の出来ない,しかも非常に解決の困難な問題がある。その事について申しのべて見たいと思う。

それは,小学校音楽科の担任方法についてである。

 小学校は全科握任制が適当か,又は専科制が良いかについては,かるがるしく論じる事はさける事にし て,全科担任制をたてまえとしている本県小学校の現状に出て,どうしても問題になるのが,小学校課程 の音楽選出生以外の学生に対する音楽実技力の問題である。

 戦前の小学校施行規則「唱歌は平易なる歌曲を唱うる事を得しめ,兼て美感を養い徳性の酒養に資する を以て要旨とす」。と戦後の小学校の指導内容である「鑑賞・表現(歌唱,器楽,創作)」とのあいだに は,驚くべき教育内容上の飛躍が存在している。

 戦前の音楽指導内容では,全教科担任制は余り無理ではなかったかも知れないが,今日の子供の音楽能

(7)

柳橋:音楽科における教育実習の現状と問題点 71

力の進展と共に,小学校の音楽教育の内容は,幅広いしかも深い音楽能力を必要としているのである。

 さて教育学部小学課程の音楽選修生以外の,一般学生の現状はどうであろうか。最近教育学部の女子学 生の大量進出で,音楽実技力のすぐれた学生が多くなって来てはいるが,高校に於ける「音楽」は選択科 目であり,音楽能力の皆無な学生が多数入学して来る。たまには音痴の学生も入って来る。それらの学生 に対して,わずか教材研究(半期2単位)と,小学課程音楽(通年2単位)では,小学校の高度な音楽の 授業を受けもたせる事は全く不可能である。

 せめて,音楽選修生をのぞく小学校課程の一般学生に対しては,全科担任制のたてまえから云うと,教 育実習までに,教材研究と小学課程音楽を履習しておく事が最低必要であるが,それも現状では非常に困 難であると云わざるを得ない。

 以上の3点について問題をとりあげた。,

参照

関連したドキュメント

学校に行けない子どもたちの学習をどう保障す

仏像に対する知識は、これまでの学校教育では必

 調査の対象とした小学校は,金沢市の中心部 の1校と,金沢市から車で約60分の距離にある

バックスイングの小さい ことはミートの不安がある からで初心者の時には小さ い。その構えもスマッシュ

これは基礎論的研究に端を発しつつ、計算機科学寄りの論理学の中で発展してきたもので ある。広義の構成主義者は、哲学思想や基礎論的な立場に縛られず、それどころかいわゆ

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

と言っても、事例ごとに意味がかなり異なるのは、子どもの性格が異なることと同じである。その

どんな分野の学習もつまずく時期がある。うちの