北海道企業の活性化方策に関す る実証研究
一 企 業 属 性 に応 じた成 功 要 因分析 一
李 濟 民
は じ め に
本 稿 で は,北 海 道 産 業 を構 成 す る企 業 群 を,経 過 年 数,人 員 規 模,業 種 とい っ た企 業 属 性 に注 目 し,こ れ らに よっ て 規 定 さ れ る 個 々 の セ グ メ ン ト分 類 した う え で,そ れ ぞ れ に固 有 の 経 営 成 功 要 因 な ど を 明 らか にす る こ と を 目的 と し て い る。 この 意 味 に お い て,本 稿 は 「北 海 道 企 業 の活 性 化 方 策 に 関 す る実 証 研 究 一経 営 成 功 要 因 と変 革 へ の対 応 方 策 一」(以 降 「経 営 成 功 要 因 と変 革 へ の 対 応 方 策 」)1)を補 完 す る もの で あ る。
なお,本 稿 で 用 い て い るデ ー タは 全 て,「経 営 成 功 要 因 と変 革 へ の 対 応 方 策 」 と 同様 に,道 内 企 業5219社 を対 象 に した ア ンケ ー ト結 果(1996年 実 施)2)を 用 い て い る 。
1.分 析 の 手 法
「経 営 成 功 要 因 と 変 革 へ の 対 応 方 策 」 で は,北 海 道 企 業 全 体 を1つ の セ グ メ ン ト と し た 分 析 か ら,以 下 の 経 営 成 功 要 因 を 抽 出 し て い る 。
KFS2:マ ー ケ テ ィ ン グ機 能 の重 要 性KFS3:北 海 道 に と ら わ れ な い 経 営
KFS6:民 間 市 場(民 需)KFS7:情 報 活 用 技 能
KFS8:人 的 技 能KFS10:そ の 他 の 経 営 成 功 要 因
KFS11:新 商 品 開 発 に よ る 差 別 化
こ の 中 で 特 に 重 要 な 項 目 と し て,KFS6(民 間 市 場),KFS11(新 商 品 開
〔123〕
124 商 学 討 究 第49巻 第1号
発 に よ る 差 別 化),KFS2(マ ー ケ テ ィ ン グ 機 能),KFS8(人 的 技 能), KFS3(北 海 道 に と ら わ れ な い 経 営),KFS7(情 報 活 用 技 能)に 注 目 し,
変 革 時 の 具 体 的 対 応 策 と して,研 究 開 発 強 化,新 規 市 場 開発 が 有 効 に 機 能 す る こ と を明 らか に して い る 。 しか し,こ の 分 析 結 果 は,前 述 の 通 り北 海 道 の 企 業 群 を 細 か くセ グ メ ン ト化 せ ず に1つ の セ グ メ ン トと した結 果 なの で,全 般 的 な 傾 向 と しか 言 え ない 。 した が っ て,経 過 年 数,人 員 規 模,業 種 と い っ た 企 業 属 性 で 規 定 さ れ る 個 々 の セ グ メ ン トで は,上 記 した 一 般 的 傾 向 が 成 立 しな い 場 合 や,別 の 経 営 成 功 要 因 を秘 め て い る 可 能 性 が あ る 。
本 稿 で は こ れ を明 らか に して い く こ と を 目的 と して い る が,そ の た め の 分 析 手 法 と し て,上 記 したKFS(「 経 営 成 功 要 因 と変 革 へ の 対 応 」 に お い て合 成 変 数 と して 定 義)を 構 成 して い る個 別 の 全 変 数 を そ の ま ま独 立 変 数 とす る 重 回 帰 分 析 を 用 い る こ と と した 。 な お,従 属 変 数 は 「経 営 成 功 要 因 と変 革 へ の 対 応 方 策 」 と同 様 に売 上,利 益,積 極 さ に基 くパ フ ォー マ ンス を示 す 合 成 変 数 を用 い て い る 。 この よ う な分 析 方 法 を採 用 した 理 由 は,次 の2点 で あ る。
第1に,KFSを 構 成 した 各 変 数 は 全 て 売 上,利 益,積 極 さ に 基 くパ フ ォー マ ン ス に対 して 何 らか の 相 関 を示 して い るの で,こ れ らの 変 数 の 妥 当性 は い な め な い。
と こ ろ が,第2の 理 由 と し て は,合 成 変 数 化 したKFSに よ る 分 析 で は,そ れ ぞ れ のKFSの 影 響 度 の 分 析 と な る た め,本 稿 で 分 析 対 象 と して い る比 較 的 小 さ な セ グ メ ン ト固 有 の 特 質 を 明 らか に す るの に は 適 して い な い(そ れ ぞ れ の 特 質 が 表 面 化 し に くい)と 考 え られ る た め で あ る。
具 体 的 な 分析 の 手 順 は 図 表1の 通 りで あ る。
図 表 に示 した 通 り,経 過 年 数,従 業 員 規 模,業 種 な ど に よ っ て規 定 さ れ る セ グ メ ン トに対 して,先 に紹 介 したKFSを 構 成 して い る全 変 数 を投 入 候 補 と し た ス テ ップ ワ イズ 方 式 の 重 回帰 分析 を適 用 す る。 こ の 際,変 数 の投 入F確 率 は 0.05,除 去 確 率 を0.1と す る。 こ う して 得 られ た重 回 帰 分 析 結 果 の 中 で,適 合 度 を示 す 調 整 済 みR2に 注 目 し,値 が 大 きけ れ ば,当 該 セ グ メ ン トの もつ 特 質 の 傾 向 は,全 体 の 傾 向 と一 致 して い る と判 断 す る。 逆 に値 が 小 さ い場 合 は,何
北海 道 企業 の活性 化方 策 に関す る実 証研 究 125 経 過 年 数 、規 模 、 業種
な ど に よる セ グ メ ン ト の設 定
全 変 数 を投 入 した ス テ ップ ワイ ズ方 式 の 重 回帰 分 析
調 整 済 みR2の 値 小 一→
当該 セ グメ ン トに対 して擾 乱 を 与 えて い る と考 え られ る要 素 の
削 除
※削 除 され た要 素 が 当該 セ グ メ ン トの特 徴
原 則 的 に 当該 セ グメ ン トの構 造 は全 体 の 構 造 にほ ぼ一 致 して い る
図表1分 析 の手順
らか の擾 乱 を もた らす 要 素 が 当 該 セ グ メ ン トに は含 まれ て い る と考 え られ る。
こ の擾 乱 を もた らす 要 素 が,当 該 セ グ メ ン トの特 徴 と も言 え る わ け で あ るが, これ を識 別 す る た め の 方 法 は,擾 乱 の特 徴 を各 変 数 の 度 数 分 布 な ど で確 認 した う え で,当 該 ケ ー ス を そ の セ グ メ ン トか ら除 外 し,再 度,ス テ ッ プ ワ イ ズ 方 式 の 重 回 帰 分 析 を 適 用 す る 。 こ の 時,調 整 済 みR2が0除 外 す る前 の値 よ り大 き な 値 を示 せ ば,除 外 した 要 因 が そ の セ グ メ ン トの特 質 で あ る こ とが 確 認 さ れ た と 判 断 で き る。 な お,調 整 済 みR2の 大 小 を判 断 す る 目安 は,0.25〜0.3程 度 と し た 。 な お,通 常 企 業 経 営 の 特 質 等 に お け る重 回 帰 分 析 時 の 調 整 済 みR2に よ る 有 効 性 の 目安 が 概 ね0.2が 程 度 とな っ て い る場 合 が 多 い こ とか らす る と,本 稿 で 採 用 して い る 目安 の 値(適 合 度)は か な り高 い と考 え られ る 。
2.経 過 年 数 に基 く分析
(1)セ グ メ ン トの 規 定
経 過 年 数 は,ア ンケ ー ト実 施 年(1996年)に お け る そ れ ぞ れ の 企 業 の経 過 年 数 で あ り,具 体 的 に は1996か ら設 立 年 度 を引 い た数 値 を用 い て い る。 経 過 年 数 に
ヱ26 商 学 討 究 第49巻 第1号
基 くセ グ メ ン トを規 定 す る た め の 具 体 的 な 区 分 お よび,そ れ ぞ れ の セ グ メ ン ト の サ ン プル 数,そ れ ぞ れ の セ グ メ ン トに お け るSPAの 分 布 状 態 を 図表2に 示 す 。
(2)重 回 帰 分 析 結 果
図 表2の よ うに規 定 され た セ グ メ ン トに対 す る重 回帰 分析 結 果 を図表3に 示 す 。 図表2経 過年数に基 くセ グメン トの区分 とサ ンプル数な ど
上段:度 数、下段:パ ーセ ン ト 10年
未満
10〜15
15〜20 20〜25 25〜30 30〜35 35〜40 40〜45 45〜5050〜
全体サ ンプ
ル 数 36 77 117 210 205 198 182 172 155 86 1452 SPA111 3
8.3%
5 6.5%
6 5.1%
ユ4 6.7%
12 5.9%
12 6.1%
4 2.2%
6 3.5%
1 0.6%
2 2.3%
664.5
% SPA112 1
2.8%
11 14.3%
9 7.7%
20 9.5%
9 4.4%
14 7.1%
7 3.8%
8 4.7%
2 1.3%
6 7.0%
87 6.0%
SPA121 7 19.4%
7 9.1%
6 5.1%
9 4.3%
12 5.9%
14 7.1%
6 3.3%
8 4.7%
9 5.8%
5 5.8%
83 5.7%
SPA122 7 19.4%
10 13.0%
19 16.2%
25 11.9%
36 17.6%
26 13.1%
33 18.1%
18 10.5%
18 11.6%
7 8.1%
201 13.8%
SPA211 2 5.6%
1 1.3%
5 4.3%
4 1.9%
6 2.9%
5 2.5%
3 1.6%
6 3.5%
2 1.3%
2 2.3%
37 2.5%
SPA212 0 0.0%
3 3.9%
11 9.4%
8 3.8%
11 5.4%
8 4.2%
9 4.9%
8 4.7%
17 11.0%
8 9.3%
85 5.9%
SPA221 2 5.6%
14 18.2%
11 9.4%
23 11.0%
23 11.2%
32 16.2%
24 13.2%
24 14.0%
20 12.9%
15 17.4%
189 13.0%
SPA222 3 36.1%
25 32.5%
41 35.0%
95 45.2%
81 39.5%
74 37.4%
78 42.9%
79 45.9%
79 51.0%
33 38.4%
603 41.5%
凡 例:表 頭 に お け る表記 は、例 え ば10〜15は 、経過 年 数 が10年 以上15年 未満 とい う意 味 で あ る。
注 意=表 中 の サ ンプ ル 数 はデ ー タ欠 損 な どの た めSPAセ グ メ ン トに分 類 で き な い もの も含 ま れて い る。 また 、各 セ ル のパ ー セ ン トは 当該 セ グ メ ン トの 全 数 に対 す る割 合 で あ る。
図 表3の 結 果 よ り,経 過 年 数 が 以 下 の企 業 群 は,全 体 の 傾 向 とは 異 な る特 質 を有 して い る と考 え られ る。 特 に 経 過 年 数 が10年 以 上15年 未 満 の セ グ メ ン トは そ の 傾 向 が極 め て 強 い 。 な お,全 体 の傾 向 と異 な る特 質 を有 して い る と考 え ら れ る セ グ メ ン トを以 降 で は,異 常 セ グ メ ン トと記 す 。
10年 以 上15年 未 満15年 以 上20年 未 満 40年 以 上45年 未 満45年 以 上50年 未 満 50年 以 上
北 海道 企業 の活 性化 方 策 に関す る実証研 究 127 図 表3経 過年 度別 セ グ メ ン トの重 回 帰分 析結 果(調 整済 みR2)と 投 入 され た変数 のBeta係 数
10未 満
10〜15 15〜20 20〜25 25〜30 30〜35 35〜40 40〜45 45〜50 50〜
サ ンプル数
36 77 117 210 205 198 182 172 155 86
調整 済みR2
.7219
一.2337 .3524 .4722
。2867.3465 .2471
。2665.2234
砦
製 品 ラ イ ン ・品 揃 え ・サ ー ビ ス メ ニ ュ ー の 豊 富 さb83
価 格競 争力b84
.2612
。1825流通 チャ ネルの強 さb85
.2674
K F S 3
道外への事業 展開の必要性a5
.3030
生 産 販売 活 動 の 広 が り(道
外)b102
.2360
生 産 販売 活 動 の 広 が り(海 外
)b103
.1315
一.2009国際化 の必 要性F1̀
.1904
蒼
民 間か らの安 定的 な受注a61
.2342 .1807 .1768
新 規顧 客開拓 力a66
.1906 .2384 .1683 .3566 .2601
マ ー ケ テ ィ ン グ情 報c101
K F S 7
情 報収 集能力a77 業 界内 での情 報流 通a68 社 外の専門家 のア ドバ イスc3
情 報化 教育 の必要性Cgl
.1673
情 報 化 教 育 の 適切 な教 育 内 容c92
情 報化 担 当セ ク シ ョンの設 置c93
一,2365情 報 化 教 育 の 社 外 セ ミナー へ の参加c94
PCを ワープ ロと して現 在利 用c64 .3354
PCを 表計算として現在利用c65
.2008
PCをDBと して現在利用c66
.2182
中 型,大 型 コ ン ピ ュ ー タ を 現 在 利 用c67
イ ン タ ー ネ ッ トや パ ソ コ ン
通 信 の 活 用c7 .3125 .1363
K F S 8
営 業力 の強 さb81 。3641
.1951 .3126
技 術開 発力a63
製 品 ・サ ー ビ スの 企 画 力a64 .6878 .2014
従 業 員 の 新 規 事業 展 開 や 経 営 への積 極 的参加d1
社 内研 修d21
.1838
社 外研 修d22
.3591
従 業員 の社外 活動d3
.2004
K F O
緻 密 な計画力a72 生 産 販 売 活 動 の 広 が り(道
内)b101
.1373
官公庁か らの安定的な受注a62
新 規事 業の展 開d709
.1772
最 終利 用状 況の把 握b7 。2592
組 織的 な顧客 防衛b92
.4806 公 的 機 関 な ど の対 面 式 コ ンサ ル テ ィ ング,カ ウ ンセ リ ングc25
一.3369
ワー プロ専 用機 の 活用c63
公平 さa76 。2368
人材の 登用d710
.1782
合理化 され た業務 運営a65 一.3032
K F 11
商品や サー ビスの差 別化b82
.1906 .2649 .2078
マ ー ケ テ ィ ン グ情 報(商 品,
サ ー ビ ス 情 報)c12 .1930
社 長 の リー ダ ー シ ッ プg3
新 規市 場開拓d78 研 究 開発の 強化d75128 商 学 討 究 第49巻 第1号 (3)各 セ グ メ ン トの 特 性 分 析
(2)で抽 出 され た異 常 セ グ メ ン トの 特 質 を 明 らか にす る た め,経 過 年 数 に よ っ て 規 定 さ れ るセ グ メ ン ト別 に ア ンケ ー ト結 果 の 変 数 の 度 数 分 布 を 吟 味 した 。 図 表4に 主 な 変 数 の度 数 分 布 を示 す 。
図 表4経 過年 数 の異 常 セ グ メ ン トに影響 を及 ぼ して い ると思 わ れ る主 な変 数 の度 数分 布 (表側の括弧内の値はアンケートの回答値,セ ル中の上段の値は度数,下段の値はパーセン ト) 変 革の要 因
A61民 間からの安定的な受注
10年未満 10〜15 15〜20 20〜25 25〜30 30〜35 35〜40 40〜45 45〜50 50〜
全体 非常 に強 い(D 925.0% 29 37.7% 23
19.7% 52 24.8% 47
22.9% 50 25.3% 34
18.7% 37 21.5% 31
20.0% 16 18.6% 328
22.8%
や や 強 い(2)
15 41.7%18 23.4%
43 36.8%
68 32.4%
65 31.7%
62 31.3%
65 35.7%
49 28.5% 46
29.7%
24 27.9%
455 31.6%
ど ち ら と も い え な い(3}
6 16.7% 1515.5%
36 30.8% 46
21.9% 53 25.9% 37
18.7% 38 20.9% 40
23.3% 35 22.6% 26
30.2% 332 23.1%
や や 弱 い(4)
3 8.3% 56.5% 3 2.6%
12 5.7% 17
8.3% 14 7.1% 14
7.7% 20 11.6% 24
15.5% 10 11.6% 122
8.5%
非 常 に よ わ い(51
1 2.8% 56.5% 9 7.7% 24
11.4% 13 6.3% 21
10.6% 21 11.5% 16
9.3% 10 6.5% 4
4.7% 124 8.6%
A63技 術 開発力
非 常 に 強 い(1)
3 8.3%7 9.1%
7 6.0%
14 6.7%
16 7.8%
12 6.1%
11 6.0%
9 5.2%
7 4.5%
1 1.2%
87 6.1%
や や 強 い(2)
U 30.6% 2532.5% 28 23.9% 47
22.4% 41 20.0% 44
22.2% 29 15.9% 34
19.8% 31 20.0% 17
19.8% 307 21.3%
ど ち ら と も い え な い(3)
14 38.9%25 32.5%
48 41.0%
78 37.1%
78 38.0%
78 39.4%
68 37.4%
62 36.0%
61 39.4%
38 44.2%
550 38.2%
や や 弱 い{4}
1 2.8% 911.7% 12 10.3% 30
14.3% 30 14.6% 22
11.1% 28 15.4% 21
12.2% 27 17.4% 11
12.8% 191 13.3%
非常 によわ い(5) 4 11.1% 2
2.6% 13 11.1%
23 11.0%
20 9.8% 24
12.1%
30 16.5%
25 14.5% 14
9.0%
9 10.5% 164
11.4%
A64製 品 ・サ ー ビス の企 画 力 非 常 に 強 い(1)
513.9% 11 14.3% 9
7.7% 18 8.6% 17
8.3% 16 8.1% 9
4.9% 19 11.0% 7
4.5% 5 5.8% 116
8.1%
や や 強 い(2)
18 50.0%24 31.2%
37 31.6%
64 30.5%
53 25.9%
56 28.3%
49 26.9%
53 30.8%
42 27.1%
26 30.2%
422 29.3%
ど ち ら と も い え な い(3>
7 19.4% 2228.6% 43 36.8% 73
34.8% 70 34.1% 67
33.8% 62 34.1% 55
32.0% 57 36.8% 35
40.7% 491 34.1%
や や 弱 い(4)
4 11.1%10 13.0%
8 6.8%
30 14.3%
27 13.2%
28 14.1%
26 14.3%
13 7.6%
25 16.1%
10 11.6%
181 12.6%
非常 に よわい㈲ 1 2.8% 2
2.6% 7 6.0% 9
4.3% 14 6.8% 14
7.1% 22 12.1% 15
8.7% 13 8.4% 4
4.7% 101 7.0%
A71新 しい ア イ デ ア の受 入
非常 に重 要(1) 1747.2%
47 61.0%
49 41.9%
86 41.0% 89
43.4%
91 46.0% 84
46.2%
62 36.0%
46 29.7% 34
39.5%
605 42.1%
やや重要 ② 11 30.6% 24
31.2% 44 37.6% 83
39.5% 71 34.6% 76
38.4% 66 36.3% 74
43.0% 74 47.7% 36
41.9% 559 38.9%
ど ち ら と も い え な い(3)
6 16.7%2 2.6%
18 15.4%
29 13.8%
30 14.6%
20 10.1%
19 10.4%
24 14.0%
26 16.8%
13 15.1%
187 13.0%
や や重要 で ない(4) 0 0.0% 0
0.0% 0 0.0% 3
1.4% 4 2.0% 1
0.5% 4 2.2% 6
3.5% 4 2.6% 0
0.0% 22 1.5%
重 要 で な い(5)
0 0.0%0 0.0%
0 0.0%
1 0.5%
1 0.5%
1 0.5%
1 0.5%
0 0.0%
1 0.6%
1 1.2%
6 0.4%
北 海 道企 業 の活性 化方 策 に関す る実証研 究 129 A73統 率 力
非 常 に重 要{1} 20
55.6% 40 51.9% 69
59.0% 112 53.3% 102
49.8% 106 53.5% 98
53.8% 85 49.4% 82
52.9% 47 54.7% 761
52.9%
や や重 要2) 13
36.1%
26 33.8%
35 29.9%
65 31.0%
62 30.2%
58 29.3%
55 30.2%
54 31.4%
56 36.1%
28 32.6%
452 3L4%
どち らと もいえな い纈 2 5.6% 6
7.8% 9 7.7% 26
12.4% 22 10.7% 24
12.1% 21 11.5% 19
11.0% 16 10.3% 8
9.3% 153 10.6%
や や重要 で ない㈲ 0
0.0%
1 1.3%
1 0.9%
1 0.5%
5 2.4%
0 0.0%
2 1.1%
3 L7%
1 0.6% 0
0.0%
14 1.0%
重 要 で な い 〔5)
00.0% 0 0.0% 0
0.0% 0 0.0% 0
0.0% 1 0.5% 1
0.5% 0 0.0% 0
0.0% 0 0.0% 2
0.1%
D87社 員技 能 の 向上,活 性化(P
17 47.2% 33
42.9% 55 47.0% 91
43.3% 85 41.5% 80
40.4% 73 40.1% 60
34.9% 57 36.8% 32
37.2% 583 40.5%
EA209生 産 能 力 の 拡 大 〔1}
6 16.7% 1924.75% 23 19.7%
40 19.0%
40 19.5%
40 20.2%
34 18.7%
29 16.9%
26 16.8%
10 11.6%
267 18.6%
図 表4に 示 した 各 変 数 の 度 数 分 布 よ り類 推 した仮 説 は 以 下 の 通 りで あ る 。 仮 説1:10年 以 上15年 未 満 の セ グ メ ン トで は,「 お ご り」 が 蔓 延 し て い る
と考 え られ る。要 す る に,自 社 の 製 品 を 強 さ を過 信 して い る た め, 市 場 の 拡 大 は可 能 で あ り,そ の 分 増 産 を す べ き とす る考 え方 で あ る。 ア ンケ ー ト結 果 で は,生 産 能 力 の増 大,民 間 か らの 安 定 的 な 受 注(非 常 に 強 い),技 術 開 発 力(非 常 に 強 い),製 品 ・サ ー ビス の 企 画 力(非 常 に 強 い)に そ の 結 果 が 現 れ て い る と考 え られ る 。 なお,同 様 の 傾 向 は10年 未 満 の セ グ メ ン トに もや や み られ る よ う で あ る 。
仮 説2:40年 以 上45年 未 満 の セ グ メ ン トは,製 品 ・サ ー ビ ス の 企 画 力(非 常 に強 い)が,特 に 大 きな値 と な っ て い る 。 こ の変 数 は仮 説1で 述 べ た様 に,10年 以 上15年 未 満 の セ グ メ ン トに も現 れ て い る 結 果 で あ る が,仮 説1で 現 れ て い る他 の 変 数 に つ い て は,さ ほ ど強 い 結 果 に な っ て い な い 。 したが っ て,企 画 力 に 対 す る過 信 の み が, 40年 以 上45年 未 満 の セ グ メ ン トにつ い て は 大 き く出 や す い と考 え
られ る。
仮 説3:15年 以 上20年 未 満 の セ グ メ ン トで 特 筆 す べ き傾 向 は統 率 力 が 非 常 に 重 要 とす る考 え 方 で あ る。 他 の セ グ メ ン トとの 比 較 な ど に お い て,高 い値 と な っ て い る。 した が っ て,本 セ グ メ ン トで は統 率 力 に 過 度 に頼 っ た経 営 に な っ て い る と考 え られ る。
ヱ30
仮説4
商 学 討 究 第49巻 第1号
45年 以 上50年 未 満 及 び50年 以 上 経 過 して い る企 業 は,経 営 に対 す る 「硬 直 的 」 な 考 え方 が 懸 念 され る。 具 体 的 に は,新 しい ア イ デ ア の受 入 に対 す る 重 要 度 の減 少 で あ る。 さ ら に,社 員技 能 の 向上 や 活 性 化 の 率 が 低 くな っ て い る こ と も懸 念 され る。 この 傾 向 は, 40年 以 上45年 未 満 の セ グ メ ン トで も見 られ る。
上 記 した4つ の仮 説 を検 証 す る た め,オ リ ジナ ル セ グ メ ン トか らの 変 数 の 除 去 基 準(除 去 の た め の 論 理 式)は 図 表5の 通 りとす る。
図 表5仮 説 に 基 く 変 数 除 去 基 準
表 中 の変 数 名 は,図 表4の 表側 に示 した変 数 に対応,「1=」 はNotEqualの 意 の 表記
除 去 基 準
仮 説1 EA2091=landA611=1andA631=1andA641=1 仮説2 A641=1
仮説3 A731=1
仮説4 A711=3andA711=4andA711=5andD891=1
図 表5に 基 い て 異 常 セ グ メ ン トに 影 響 を及 ぼ して い る と思 わ れ る サ ン プ ル 除 去 後 の 重 回 帰 分 析 結 果 を 図 表6に 示 す 。
図表6異 常 セ グ メン トに対 す る悪 影響 サ ン プル 除去 後 の重回 帰分 析の 結果
10年未満 10〜15 15〜20 20〜25 25〜30 30〜35 35〜40 40〜45 45〜50 50〜
オ リジナル サ ンプ ル数
36 77 117 210 205 198 182 172 155 86
調整 済みR2
.7219
一 。2337 。3524.4722 .2867 .3465 .2471 ,2665 .2234
仮 説1お ご り
サ ンプ ル数
17 2s 61 104 97 96 98 83 85 49
調 整済みR2
.8547 .2857 .2807 .5708 .2523
。3591.2039 .3224 .4495
影響度 ○ ◎ △ △ △ △ ◎
仮 説2企 画 力 に対す る 過信
サ ンプ ル数
30 58 95 176 164 165 159
136137 75
調整 済みR2
.6963 .2157 .2545 .3044 .4709 .3098 .3357
.3王34.2453 .4367
影響度 ◎ △ △ △ ◎
仮 説3統 率 力 の過度 な 尊 重
サ ンプ ル数
15 33
鱒92 89 83 79 76 73 36
調整 済みR2
.8254 .6029 .3973 .3208 .4894 .3045 .1513 .2655 .3995 2980
影響度 ◎ () △ △ △ ○ △
仮 説4経 営 に対 す る硬 直化
サ ンプ ル数2
11 34 38 87 83 87 79 80
敬 齢調整 済みR 1.0※1
.4710
.4243 .3118 .2479 .5457 .2391
影響度 ◎ △ △ ○ △ '@ @
鳥 欝 難 轟灘 嬉雛 ・ 獲 髪 驚 瓢 畿の 螺難 樵 がYE、 、
NOで ある ことが原 因 と考え られる ため,度 外視す る。
北 海道 企業 の活性 化 方策 に関す る実 証研 究 ヱ3ヱ (4)経 過 年 数 別 分 析 に 対 す る 考 察
昨 今 日本 の 経 済 は,い わ ゆ る バ ブ ルが は じけ て か ら長 い 不 況 の トン ネ ル に 入 っ て,な か な か そ の 出 口 が 見 い だ され ぬ ま ま苦 しん で い る 。 しか も企 業 を取 り 巻 く環 境 は グ ロー バ ル化 ・高 度 情 報 化 の さ らな る進 展 に よっ て,極 め て 複 雑 か つ 多 様 性 を増 し て い る 。 この よ う な 「大 競 争 時 代 」 を生 き抜 くた め に は,ど の 時 点 にお い て,ど の様 な 経 営 戦 略 が 必 要 な の か をい ち早 く分 析 し,適 合 か つ タ イ ム リー な 策 を先 手 に打 って い く こ とが 重 要 に な る。
上 記 の 分 析 で 明 らか に な っ た こ と は,先 ず 全 体 的 に見 て 経 過 年 数 別 の セ グ メ ン トを①10年 未 満 ②10〜20年 未 満 ③20〜40年 未 満 ④40年 以 上 の4つ の グ ル ー プ に 分 け られ る こ と で あ る 。 す な わ ち 経 過 年 数 の どの 段 階 に い るか に よ って,打 つ べ き有 効 な経 営 策 は変 わ っ て く る。 以 下,そ れ ぞ れ の フ ェー ズ の特 徴 及 び考 え られ る経 営 上 の 有 効 策 につ い て検 討 す る。
①10年 未 満(突 進 期)
ス タ ー トア ップ か ら10年 未 満 の 幼 い企 業 の 特 徴 は,企 業 起 こ しの 原 動 力 と な っ た ベ ンチ ャ ー 精 神 に溢 れ,研 究 心 旺 盛 で,が む し ゃ らに前 進 す る ス タ イ ル で あ る。本 稿 で は この ス タ イ ル に該 当 す る期 聞 を 「突 進 期 」と呼 ぶ 。 この フ ェ ー ズ に要 求 され る経 営 成 功 要 因 は 企 画 力 につ きる 。 こ れ は,図 表 3のa64のBeta係 数 が0.6878と 極 端 に高 くな っ て い る点 か ら明 らか で あ る。
②10〜20年 未 満(ブ ラ ック ホ ー ル 期)
創 業 か ら概 ね10年 目 に分 岐 点 を迎 え る。 つ ま り企 画 力 や ベ ンチ ャー 精 神 だ け で は乗 り越 え な い 壁 が 現 れ る。 そ れ ど こ ろか 自社 製 品 や サ ー ビス に対 す る過 信 や 「お ご り」 が 現 在 の 未 熟 な フ ェ ー ズ か ら抜 け 出 して 次 の フ ェ ー ズ へ と ブ レー クス ル ー す る た め に大 きな 障 害 と な りう る 。 恐 ら く この よ う な 時 期 は,企 業 が 成 長 し発 展 して い く段 階 に お い て,ほ ぼ 必 ず1度 は 通 過 しな けれ ば な ら な い と考 え られ るの で,本 稿 で は 「ブ ラ ッ ク ホ ー ル 期 」 と 名付 け る。 ブ ラ ック ホ ー ル期 を乗 り越 え,企 業 が さ らな る 躍 進 を す る た め に は,「 お ご り」 の 要 素 を取 り除 く経 営 手 段 を用 い る こ とが 必 要 で あ る。
と りわ け ブ ラ ッ ク ホ ー ル期 の後 半 に顕 著 に現 れ る現 象 と して,経 営 者 の過
132 商 学 討 究 第49巻 第1号
信 や 方 向違 い の リー ダ シ ップ が 問 題 点 と して 指 摘 で きる 。
③20〜40年 未 満(安 定 成 長 期)
この 時 期 の 企 業 に 共 通 的 に言 え る こ とは,総 括 的 に い う と安 定 的 な成 長 軌 道 に入 っ て い る点 で あ る。 我 々 は こ の 時期 を 「安 定 成 長 期 」 と呼 ぶ 。 と
ころ が 「安 定 成 長 期 」 とや い う もの の,そ の 中 身 は か な り異 質 的 の 集 ま り で あ る こ と が 図 表6の 結 果 か ら うか が え る。 つ ま り,図 表6に お け る 調 整 済 みR2の 値 の 変 化 か ら,想 定 した4つ の 仮 説 が 主 と した対 象 と して い ない この 時 期 の企 業 に対 して 有 効 で あ る場 合 が 多 く見 受 け られ るが,統 一 性 や 全 般 的 な傾 向 が 見 られ な い た め で あ る。 とい う こ とは,こ の 時 期 に 利 く汎 用 的 な経 営 上 の 特 効 薬 は なか な か挙 げ る こ とが 難 しい とい う こ とに な り,
強 い て 言 え ば 「経 営 成 功 要 因 と変 革 へ の 対 応 方 策 」 で 明 らか に した研 究 開 発 強 化 お よ び新 規 市 場 開 発 が 重 要 とい う こ とに な る。
④40年 以 上(硬 直 期)
この フ ェ ー ズ の 企 業 の 特 徴 は従 来 の や り方,過 去 の 成 功 要 因 に 囚 わ れ す ぎて 経 営 環 境 の 変 化 に つ い て い け な くな る危 険性 が 大 きい こ と に集 約 され る。 した が っ て,ブ ラ ッ クホ ー ル期 同 様 さ らな る ス テ ップ ア ッ プ を 目指 す た め に は,い か に過 去 の 成 功 要 因 か ら決 別 して 新 た な競 争 上 の 優 位 を確 立 させ る か が 重 要 課 題 とな る 。 経 営 者 に は方 向転 換 の 舵 取 り と と もに,そ の 重 要 性 や 必 要 性 を組 織 の 末 端 ま で に浸 透 させ る か,す な わ ち 価 値 の 共 有 の
た め の 意 識 改 革 が な に よ りも大 事 な 経 営 成 功 要 因 と な る。
3。 従 業 員規 模 に基 く分 析
(1)セ グ メ ン トの規 定
従 業 員 規 模 に基 くセ グ メ ン トの 規 定 は 次 の 様 に行 っ た 。 ア ンケ ー ト対 象 選 定 時 に入 手 した 企 業 デ ー タ に お け る従 業 員 数 にお い て10人 以 上 の 企 業 を対 象 と し た が(さ ら に そ の 中 か ら乱 数 に基 く無 作 為 抽 出 も行 っ て い る が)1),実 際 の 従 業 員 数 は相 当 に変 化 し て い る こ とが 予 想 され た た め,従 業 員 数 に関 す る 設 問 も 設 定 して お り,今 回 の セ グ メ ン トは そ の 結 果 を用 い て 規 定 した 。 した が っ て,
北 海道 企業 の活性 化 方策 に関 す る実 証研 究 ヱ33 当 初 の ア ン ケ ー ト送 付 先 は従 業 員 数10人 以 上 の 企 業 とい う こ と に な っ て い る が,実 際 の セ グ メ ン ト化 に際 して は,従 業 員 数10人 以 下 の 企 業 も含 まれ て い る。
な お,従 業 員 規 模 に よ る 区 分 は,各 国 に お け る 中小 企 業 等 の 定 義 区分3)を 参 考 に しつ つ,組 織 内 の 階 層 数 を想 定 して行 っ た 。 参 考 に した 各 国 の 中 小 企 業 の 定 義 を 図 表7に,想 定 した 組 織 階 層 数 を 図 表8示 す 。 また,実 際 の セ グ メ ン ト に お け る サ ンプ ル数 お よ び そ れ ぞ れ の セ グ メ ン ト内 のSPAの 分 布 状 態 な どを 図 表9に 示 す 。
図表7従 業 員規 模 と組織 構造 にお ける階層 数 の想定
国 名 名 称 ・ 定 義
オ ー ス ト ラ リ ア 小 企 業 二従 業 員 数0〜99人 中 企 業:〃100〜499人
ベ ル ギ ー 小工業 企業:雇 用者50人未満
デ ン マ ー ク
小 企 業:① 製 造 業1雇 用 者50人 未 満
② 建 設 業
③ 商 業
・サ ー ビ ス業 ・修 理 業 手 工 業 フ ィ ン ラ ン ド 小 企 業:雇 用 者100人 未 満
中 企 業:〃500人 未 満
フ ラ ン ス 中 小 企 業:製 造 業 ・サ ー ビ ス業 で従 業 員11〜500人 未 満 手 工 業:従 業 員10人 未 満
ド イ ツ
小 企 業:製 造 業 ・サ ー ビ ス業 で雇 用 者49人 以 下 年 売 上1百 万 マ ル ク以 下
中 企 業:製 造 業 ・サ ー ビ ス業 で雇 用 者50〜499人 年 売 上1百 万 〜1億 マ ル ク以 下
ギ リ シ ャ 中小 企 業:雇 用 者10〜99人
オ ラ ン ダ 中小 企業:雇 用者100人未満の私企業 ア イ ル ラ ン ド 中小 企 業:雇 用 者50な い し100人 以 下
イ タ リ ア 小 工 業:従 業 員100人 未 満
中 小 工 業:従 業 員500人 以 下,投 下 資 本15億 リ ラ以 下
ノ ル ウ ェ ー
中小 製 造 企 業:雇 用 者100人 未 満小 工 業:雇 用 者20人 未 満 ポ ル ト ガ ル 中小 工 業:従 業 員6〜500人
ス ペ イ ン 小 企 業:雇 用 者50人 未 満
中 企 業:〃50〜499人
ス ウ ェ ー デ ン
中 小 企業:雇小 企 業 用 者200人 未 満:ク50人 未 満
ス イ ス 小 企 業:製 造 ・商 ・サ ー ビ ス業 で 雇 用 者50人 未 満 中 企 業:〃50〜499人
英 国
小 企 業:① 製 造 業 で は従 業 員 数200人 未 満
② 建 設 業 ・鉱 業 で は,従 業 員 数25人 未 満
③
小 売 業,年 売 上18.5万 ポ ン ド未 満
④
卸 売 業,年 売 上73万 ポ ン ド未 満
ア メ リ カ
小 企 業:① 製 造 業,一自動 車 製 造般 に従 業 員500人 未 満 ,1000人 以 下 航 空 機
i製造,1500人 以 下
霧小 売 ・サ ー ビ ス業,一 般 に 年 売 上8百 万 ドル以 下 卸 売 業,一 般 に年 売上22百 万 ドル 以 下
④ 建 設 業,一 般 に年 売 上9.5百 万 ドル以 下
⑤ 農 業,年 売 上1百 万 ドル 以 下
134 商 学 討 究 第49巻 第1号
図表8従 業 員数 によ る区分 と想 定 した組 織階層 数
従 業 員 数 想 定 した組織 階層 数 備 考
20人 未 満 1 社長 と従 業員
20人 以 上50人 未 満 2 社長 と部 長 と従業 員
50人 以 上100人 未 満 3 社長 と部 長 と課長 と従 業員
100人 以 上300人 未 満 4 社長 と部 長 と課長 と係 長 と従業 員
300人 以 上 4以 上
図 表9従 業 員 数 に 基 く セ グ メ ン トの 区分 と サ ン プ ル 数 な ど
上 段:度 数,下 段:パ ー セ ン ト 20人 未 満 20人 以 上
50人 未 満
50人 以 上 100人 未 満
100人 以 上
300人 未 満 300人 以 上 全体
サ ンプ ル数 332 520 250 258 92 1452
SPA111 6 1.8%
20
3.8% 11
4.4% 21
8.1% 8
8.7% 66 4.5%
SPA112 18 5.4%
28 5.4%
18 7.2%
12 4.7%
11 12.0%
87 6.0%
SPA121 11 3.3%
23 4.4%
16 6.4%
24 9.3%
9 9.8%
83 5.7%
SPA122 48 14.5%
65
12.5% 43
17.2% 36 14.0%
9
9.8% 201 13.8%
SPA211 8
2.4% 11
2.1% 9
3.6% 6
2.3% 3
3.3% 37 2.5%
SPA212 17
5.1% 26
5.0% 14
5.6% 22
8.5% 6
6.5% 85 5.9%
SPA221 30 9.0%
58 11.2%
33 13.2%
48 18.6%
20
21.75% 189 13.0%
SPA222 166 50.0%
242 46.5%
90 36.0%
83 32.2%
22 23.9%
603 41.5%
注 意:表 中 の サ ン プ ル 数 は デ ー タ欠 損 な ど の た めSPAセ グ メ ン トに 分 類 で き な い も の も 含 ま れ て い る 。 ま た,各 セ ル の パ ー セ ン トは 当 該 セ グ メ ン トの 全 数 に 対 す る 割 合 で あ る。
(2)重 回帰 分 析 結 果
図 表9の よ うに規 定 され た セ グ メ ン トに対 す る重 回 帰分 析 結 果 を 図表10に 示 す 。 図 表10の 結 果 よ り,総 じて そ れ ほ ど強 い異 常 セ グ メ ン トは 見 当 た ら ない が, 人 員 規 模 が20人 以 上50人 未 満 の企 業 群 が,全 体 の 傾 向 とは や や 異 な る特 質 を 有 して い る と考 え られ る 。
北 海 道 企 業 の 活 性 化 方 策 に 関 す る 実 証 研 究 ヱ35
図 表10従 業 員規模 別セ グメ ン トの重 回帰分 析結果(調整 済 みR2)と 投入 され た変数 のBeta係 数 20未 満
20〜50 50〜100 100〜300 300〜
サ ン プ ル 数
332 520 250 258 92
調 整 済 みR2 。3102
.2579 .2808 .3535 .2954
K2
製 品 ラ イ ン ・品揃 え ・サ ー ビス メニ ュー の豊 富 さb83
価 格 競 争 力b84
.4327
流 通 チ ャ ネ ル の 強 さb85
.1748 .2852
K F S 3
道 外 へ の 事 業 展 開 の必 要性a5
.1881 .1611
生 産 販 売 活 動 の広 が り(道 外)b102
生 産 販 売 活 動 の広 が り(海 外)b103
.1326
国 際 化 の 必 要 性F1 K
6
民 間 か らの 安 定 的 な受 注a61
.2621 .3230
新 規 顧 客 開 拓 力a66
.1817 .2398 .2062
マ ー ケ テ ィ ン グ 情 報c101
K F S 7
情 報 収 集 能 力a77
.1405
業 界 内 で の 情 報 流 通a68 社 外 の 専 門 家 の ア ドバ イ スc3 情 報 化 教 育 の必 要 性c91
情 報 化 教 育 の 適 切 な教 育 内 容c92
.1950
情 報 化 担 当 セ ク シ ョ ンの設 置c93 情 報 化 教 育 の 社 外 セ ミナ ーへ の 参 加c94
PCを ワー プ ロ と し て現 在 利 用c64
.1375
PCを 表 計 算 と し て現 在 利 用c65 PCをDBと し て現 在 利 用c66
中 型,大 型 コ ン ピ ュ ー タを 現 在 利 用c67
イ ン ター ネ ッ トや パ ソ コ ン通 信 の 活 用c7
.1894
K F S 8
営 業 力 の 強 さb81 技 術 開 発 力a63
製 品 ・サ ー ビ ス の 企 画 力a64 、2913
従業員の新規事業展 開や経営への積極的参加d1
社 内 研 修d21
.1605
社 外 研 修d22
従業員の社外活動d3
.1348
K F 10
緻 密 な 計 画 力a72
.1035
生 産 販 売 活 動 の 広 が り(道 内)b101
.1326
官 公 庁 か らの 安 定 的 な 受 注a62
一1337
新 規 事 業 の 展 開d709
最終利用状況 の把握b7
.1794
組 織 的 な 顧 客 防 衛b92
公的 機 関 な どの対 面 式 コ ンサ ル テ ィ ング,カ ウ ンセ リ ングc25
ワ ー プ ロ専 用 機 の活 用c63公 平 さa76
.1758 .1069
人 材 の 登 用d710 合 理 化 され た業 務 運 営a65 K
F 11
商 品 や サ ー ビ ス の差 別化b82
.1433 .1058 .3232
マ ー ケ テ ィ ン グ情 報(商 品,サ ー ビ ス情 報)c12 社 長 の リー ダー シ ップg3
新 規 市 場 開拓d78
.1688
研 究 開 発 の 強 化d75
ヱ36 商 学 討 究 第49巻 第1号 (3)各 セ グ メ ン トの特 質 分 析
(2)で抽 出 され た異 常 セ グ メ ン トの 特 質 を 明 らか にす る た め,従 業 員 規 模 に よ っ て 規 定 され る セ グ メ ン ト別 に ア ン ケ ー ト結 果 の 変 数 の 度 数 分 布 を吟 味 した 。 図 表11に 主 な 変 数 の 度 数 分 布 を示 す 。
図表11従 業員規模数の異常セグメン トに影響を及ぼ していると思われる主 な変数の度数分布 変革の要因 20未 満 20〜50 50〜100 100〜300 300〜 全体
母数 332 520 250 258 92 1452 D21社 内研 修 の 実 施状 況
あ ま り行 っ て い な い(1) 197 59.3%
280 53.8%
133 53.2%
85 32.9%
18 19.6%
705 49.0%
定期 的 に 行 って い る(2) 55 16.6%
121 23.3%
56 22.4%
80 31.0%
34 37.0%
344 23.9%
必要 に応 じて適宜行 っている(3) 66 19.9%
104 20.0%
58 23.2%
91 35.3%
38 41.3%
353 24.5%
D22社 外 部 研 修 の 実施 状 況
あ ま り行 っ て い な い(1) 197 59.3%
259 49.8%
104 41.6%
79 30.6%
26 28.3%
656 45.6%
道 内 で の研 修 を行 って い る(2) 75 22.6%
163 31.3%
79 31.6%
76 29.5%
16 17.4%
409 28.4%
国 内 で の研 修 を行 って い る(3) 31 9.3%
66 12.7%
53 21.2%
77 29.8%
32 34.8%
256 17.8%
海外 で の砺 修 を行 って い る(4) 18 5.4%
20 3.8%
13 5.2%
23 8.9%
14 15.2%
87 6.1%
D710人 材 の 登 用(1) 40
12.0%
91 17.5%
31 12.4%
31 12.0%
6 6.5%
199 13.8%
図 表11に 示 した 変 数 の度 数 分 よ り類 推 した 仮 説 は 以 下 の通 りで あ る。
仮 説:20人 以 上50人 未 満 の セ グ メ ン ト固 有 の 結 果 が 出 て い る の は,D710 の 人 材 の 登 用 の率 が 大 きい とい う点 の み で あ る。 この こ とは,人 材 の不 足 に 当 該 セ グ メ ン トで は 悩 ん で い る と考 え られ る。 人 材 不 足 に 対 す る対 応 策 は,優 秀 な 人材 を外 部 か ら補 充 す る か,内 部 で の 育 成 で あ る。 と こ ろ が,社 内 研 修(D21)や 社 外 研 修(D22)の 実 施 状 況 の 結 果 をみ る と,従 業 員 の増 加 と と もに減 少 の 傾 向 が 現 れ て お り, 20人 以 上50人 未 満 の セ グ メ ン トに特 別 な特 徴 は見 られ な い。 これ ら の 点 か ら,20人 以 上50人 未 満 の セ グ メ ン トに対 す る擾 乱 は,人 材 育
北 海道 企業 の活性 化 方策 に関す る実証研 究 137 成 が 必 要 に も関 わ らず そ れ を充 分 に行 え て い な い 企 業 に よ っ て与 え られ て い る の で は な い か と考 え られ る。 こ の よ う なサ ン プ ル を 除外 す る た め の 論 理 的 な仮 説 と して,「 人 材 の 登 用 が 行 え て い な い 企 業 は 人 材 が 育 っ て い な い」 と想 定 し,「 人 材 が 育 っ て い な い に もか か わ らず,社 内研 修 や社 外 研 修 を あ ま り行 っ て い ない 」 と して い る 企 業 が 当該 セ グ メ ン トを 異 常 セ グ メ ン トた ら しめ て い る と考 え る。
この 仮 説 に した が っ た 当 該 セ グ メ ン トか らの 企 業 除去 基 準 を論 理 式 で 表 現 す る と以 下 の 通 りで あ る 。
1(D7101=1and(d21=10rd22=1)
とな る。 こ こで1の 記 号 はNot,要 す る に この 記 号 以 降 で指 定 され た 企 業 以 外 とい う意 味 で あ る。
上 記 仮 説 に 基 い て異 常 セ グ メ ン トに影 響 を 及 ぼ して い る と思 わ れ る サ ンプ ル を 除 去 した 後 の 重 回帰 分析 結 果 を 図 表12に 示 す 。
図表12異 常 セ グメ ン トに対 す る悪影 響 サ ンプル 除去後 の重 回帰 分析 の結 果 20人 未 満 20‑50 50‑100 100‑300
300一
オ リ ジ ナ ル サ ンプ ル数 332 520 250 258 92
調 整済 みR2 .3102 .2579 .2808
。3535
.2954 仮説人材 育成 の怠 り
サ ンプ ル数 111 204 107 142 57
調整 済 みR2 .1843 .3666 .2803 .4191 .2104
影響度 ○ △
凡 例:影 響 度 の △,○,◎ は,オ リ ジ ナ ル の 結 果 に 比 べ て 調 整 済 みR2の 値 の 上 昇 の 度 合 い を示 す 。
△:0〜0.1未 満,○:0.1〜0.2未 満,◎:0.2以 上
(4)従 業 員 規 模 別 分析 に対 す る考 察
先 ず 全 体 で 言 え る こ と は,前 段 の 経 過 年 数 別 分 析 同 様,20‑50人 の セ グ メ ン トが 重 回 帰 係 数 が 一 番 低 く,規 模 が 大 き くな る につ れ て 上 昇 し,300人 以 上 に な る とや や 下 が る とい う こ とで あ る。 つ ま り経 営 上 の 処 方 箋 が 最 も必 要 と思 わ れ る セ グ メ ン トが 従 業 員 数2050の 中 一小 企 業 で あ り,次 が300人 以 上 の 中 堅 な い し大 企 業 で あ る。 と こ ろが,本 節 で 用 い た 仮 説 に対 して 反 応 した の は20‑50