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国連 に お け る多国籍 企 業 の 行 動 基 準 の作成 過 程 につ い て

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国連 に お け る多国籍 企 業 の 行 動 基 準 の作成 過 程 につ い て

小 原 喜 雄

1は じ め に

多 国籍 企 業 は,国 際 的 直 接 投 資 を 通 じて,資 本 ・技 術 お よび 人 的 資 源 の 国 家 間 に お け る効 率 的 な 利 用 に 寄 与 す る こ とに ょ っ て,受 入 国 お よび 国際 経 済 関 係 に 多 大 な 利 益 を 斉 らす こ とが で き る。 しか し,多 国籍 企 業 の 国 境 を 越 え る活 動 の組 織 化 の 進 展 は,経 済 力 の 集 中 の濫 用 お よび 受 入 国 また は 本 国 の 政 策 目標 と の衝 突 を 斉 らす 可能 性 が あ る。,(1)

この 多 国籍 企 業 に よ る経 済 力 の 集 中 の濫 用 お よび 国 家 の 政 策 目標 との 衝 突 は

'第 一 次 的 に は,受 入 国 の 法 令 に よ り,補 完 的 に は 本 国 の 法 令 に よ っ て 規 制 さ れ る 。 し か し,受 入 国 の う ち 開 発 途 上 国,就 中,後 発 開 発 途 上 国 に は,そ れ を 規 制 す る 法 令 を 制 定 し執 行 す る 能 力 ま た は 多 国籍 企 業 と交 渉 す る 能 力 に 欠 け て い る 国 が 多 い 。 他 方,多 国 籍 企 業 の 本 国 が,そ の 企 業 の 海 外 の 事 業 活 動 に 対 し 自 国 の 法 令 を 適 用 す る こ と は,受 入 国 の 主 権 と の 抵 触 を 生 じ,・同 国 民 の ナ シ ョ ナ

原 稿 受 領 日1980年12月1日

(1)OECD,σ 癖4θ」勿 θ8プbア厩%」彦初 α'のπσJE窺 〃 ρアゴsθs,para.1,邦 訳 ・福 田博 編 『多 国籍 企 業 の行 動 指 針 一 〇ECD宣 言 解 説 』(時 事 通 信 社,1976)215頁 以下 に所 収,ILO,7■ 吻 α7痂 θDθ σ1σ7α廊o%o!Pγ 勿 σ2ρθsσoπ067"ぎπ9屈%」 ≠伽 α・

'勿πα1E窺 〃 ρ7歪8召3α%4SooゴαJPo1吻,art.1,邦 訳 『多 国籍 企 業 及 び社 会 政 策 に関 す る原 則 の三 者 宣 言 』(国 際 労 働 事務 局東 京 支 局,1979)7頁 参照 。

[103]

(2)

104商 学'討 第31巻 第3・4号 (2)

リズ ムを 高 揚 さぜ る可 能 性 が あ る。 この よ うに 国 内法 に よ る多 国籍 企 業 の規 制 (3)

は 不 十 分 で あ る の で,国 際 機 関 に よる 規制 が 必 要 とな る。 しか し,国 際 機 関 の 加 盟 国 の 間 で,多 国 籍 企 業 が 加 盟 国 の 経 済 お よび 国際 経 済 関 係 に お い て 果 す 役 割 に 関 す る評 価 が 鋭 く対 立 し,・多 国籍 企 業 に 対 す る国 際 的 規 制 に つ い て コン セ ソ サ ス が 得 難 いた め,条 約 で は な くて,ガ イ ドラ イ ソ,原 則 の宣 言 また は 行 動 基 準 とい う規 範 形 式 が 採 られ て い る。1976年6月21日,OECD閣 僚 理 事 会 は,

「国 際 投資 及 び 多 国籍 企 業 に 関 す る宣 言 」 お よび そ の宣 言 の 附 属 書 と して 「多 国 籍 企 業 の 行 動 指 針 」 を,つ い で1977年11月16日,ILO理 事 会 は,「 多 国 籍

(4)

企 業 及 び社 会 政 策 に 関 す る原 則 の 三 者 宣 言 」 を そ れ ぞれ 採 択 した 。 そ してig76 年3月,国 連 多 国 籍 企 業 委 員 会 第2回 会 期 の決 議 に よら て設 置 され た 多 国籍 企 業 の 行 動 基 準 に 関 す る 政 府 間作 業 部 会 は,第1回 会 期(1977年1月10日 〜14日) か ら第11回 会 期(1980年10月13日 〜24日)ま で 審 議 を 重 ね て きた が,.行 動 基 準

の 作 成 が 完 了 す る まで に は さ らに1年 の年 月 を要 す る とい わ れ る。'

筆 者 は,国 連 の 上 記 第9回 会 期(1980年3月17日 〜28日)に 日本 政 府 代 表 の 顧 問 と して 出席 す る機 会 費 与 え られ,・審 議 状 況 を つ ぶ さに み る こ とが で き た 。

本 稿 は,国 連 の 多 国籍 企 業 の 行 動 基 準 が 政 府 間作 業 部 会 議 長 の 草 案 を 基 に して ど の よ うに 作 成 され つ つ あ るか,'な らび に こ の議 長 草 案 また は 国 際 的 合 意 を 得 つ つ あ る行 動 基 準 が,既 述 のOECDお よびILOの ガ イ ドライ ソ また は 原 則 の 宣 言 と対 比 して,ど の よ うな特 徴 を 有 す るか を検 討 し よ うとす る もの で あ る。

(2)翫 麗0初α傭 勉 ση4魏9ル 観 癖 σ'ゴ0ησ!E卿8ゆ ガ36S‑Lθgσ 」,Eσ0%0禰0α πα8P87勿Z∠4sρ θo≠8,ed.byH.R.Hahloetal(SijthofF,1973);7〃 θ 物'ゴo.

%α 露s解o∫'ノ 吻 」廊πσあoπ α」3初Pθ ノゴヵ乃e7σ∫Eごoπo〃 露θs,ed.byエFaunde2

&S.Picciotto(MacmillanPress,1978);入 江 猪 太 郎 編 『多 国 籍 企 業 一12人 の 経 済 学 者 が え が く未 来 像 』149‑161頁(ダ イ、ヤ モ ン ド社,1974),『 多 国 籍 企 業 と ナ シ ョ ナ リ ズ ム 』(日 本 経 済 調 査 協 議 会,1978)。

(3)D,Wallaqe,Jr.,1物7π σ'δo%σJRθg吻 ゴoπo/M勿Z吻 σ'伽 σ」Ooノ ρoノα砿 oπs(Praeger,1976);R.Hellmann,Tη%ε πσ'づoηαZCo%〃oZoノ ♂'勿α'ゴo・

%αJCo7ρoア σ'勿%s(Praeger,1977).有 賀 ・小 宮 対 談 「多 国 籍 企 業 の 国 際 的 規 制 」

『季 刊 現 代 経 済 』14号(1974)108頁 以 下b

(4)注(1)参 照 。 前 老 の ガ イ ドラ イ ン の 評 価 に 関 し て は,丁 加OEODG⑳46∫ 初 θ3!b7 1臨"げ 〃σ'20勿σ」・厘〃'6ゆ7づ363:∠4β%3初 θ∬ ノljりρグ〃夢3θ1・ed.byFLCoo1量dge,

G.CSpina&aWallace,(TheInstituteforIhternationalandForeign TradeLaw,GeorgetownUniversityLawCenter,1977);R.Blanpain, TheOECDGuidelinesforMultinationalsandLabourRelations1976‑

1979:ExperienceandReview,(Kluwer,1979)参 照 。

(3)

国連におけ る多国籍企業 の行動基準の作成過程 につ いて105

F

こ め 小 論 を 執 筆 す るに 当 り,筆 者 の 同 会 合 へ の 出席 を 可 能 に され た 方 々 お よび 会 議 出 席 期 間 中 に 筆 者 が種 々御 高 配 を賜 った 方 々,就 中,外 務 省 国 際 連 合 局 の 寺 田経 済課 長(当 時)な らび に 国際 連 合 日本 政 府 代 表 部 の谷 口公 便 お よび 原 島 参 事 官 に 対 し改 め て謝 意 を 表 した い。

皿 国連 にお ける多国籍企業問題の検討経緯

多 国籍 企 業 問題 が 国 連 に お い ℃ ど の よ うな 経 緯 で 検 討 され る に 至 った か は, そ こで 作 成 され る行 動 基 準 の 性 格 に 決 定 的 な影 響 を 及 ぼ す の で,検 討 の 経 緯 を 略 述 し よ う。

1970年 に チ リで 社 会 主 義 の ア ジ ェ ソ デ政 権 が 成 立 した とぎ,米 国 系 多 国 籍 企 (5) 業 のITT(国 際 電 話 電 信 会 社)が 大 統 領 選 挙 に 干 渉 しよ う と企 図 した こ と が 1972年 に判 明 し,こ れ 瞠 憤 慨 した チ リ政 府 代 表 ρミ国 連 で 多 国籍 企 業 問 題 を と り あ げ る こ とを要 請 した 。 こ の よ うに 多 国 籍 企 業 に ょ る受 入 国 へ の 内政 干渉 の 阻 止 とい う政 治 的 要 請 か ら,多 国籍 企 業 問 題 が 国連 で と りあ げ られ た こ とは,行 動 基 準 の作 成 に 決 定 的 な 影 響 を及 ぼ す こ とに な る。 上 記 の チ リ提 案 に 対 して, ラテ ソ ア メ リカ諸 国は,多 国籍 企 業 を規 制 す るた め の コー ドを 国 連 で 直 ち に 作 成 す べ きで あ る と主 張 した のに 対 し,西 側 諸 国は,ま ず 多 国籍 企 業 の実 態 を 客 観 的 に把 握 す る こ とが 必要 で あ り,多 国籍 企 業 が 開 発 途 上 国 の 開 発 に も貢 献 し て い るQで,単 に 規 制 の み を 目的 と した コー ドを作 成 して政 府 間 で 直 ち に 規制 す る こ とに 反 対 した 。 両者 の妥 協 策 と して,政 府 間 で の 作 業 に 入 る煎 に 中立 的 な 有 識 者 を 国 連 事 務 総 長 の 諮 問 グル ー プ と して 招 集 し,多 国 籍 企 業 問 題 を 総 合

(6>

的 か つ 客観 的 に 検 討 す る こ とに な った 。 か くて,1972年7月 「,第53回 経 済 社 会 理 事 会 に お い て,国 連 事 務 総 長 に 対 し,「 多 国籍 企 業 が 開 発 過 程 お よび 国際 関

(5)A.Samp60n,丁 勿So露7θ 匁 πS如'60/17T(1973),田 中融二訳r企 業 国家 ITT』(サ イ マル出版会,1974)303頁 以下,小宮隆太郎 「多国籍企業 と低 開発 国 一 国連研究 グル ープの報告書をめ ぐって」r国 際経済学砥究 』(岩 波,1975)292 頁注(4)。

(6)福 田編 ・前掲189頁以下。'

(4)

106 第31巻 第3・4号

係 に 及 ぼ す 影 響 」 を 研 究 す るた め,有 識 者(EminentPersons)グ ル ー プを任 命 し,各 国 の 政 策 お よび 国 際 行 動 の た め の勧 告 を 行 うよ う要 請 す る 旨 の決 議 が 採 択 され た 。 この 決 議 に も とつ い て,国 連 事 務 総 長 は,先 進 国10名,開 発 途 上 国8名,共 産 圏2名 か ら成 る有 識 者 グ ル ∴ プ を任 命 した 。

国連 事 務 局 は,有ゆ(7) 識 者 グ ル ー プ の審 議 を 容 易 に す るた め,1973年8月,『 界 開 発 に お け る 多 国籍 企 業 』 と題 す る報 告 書 を 作 成 した。 こ の報 告 書 は,多 籍 企 業 が 開発 途 上 国 の発 展 に 貢 献 す る反 面,混 乱 や 緊 張 を 惹 起 して い る の で, 国 際 社 会 に対 す る多 国籍 企 業 の責 任 を 果 た さ せ るた め,国 連 を 中 心 とす る 国 際 行 動(そ の一 例 と してGATT型 の多 国籍 企 業 に 関 す る一 般 協 定 の 締 結)を る こ とが 必 要 で あ る と強 調 す る。

,有 識 者 グ ル ー プは,1973年9月 か ら1974年4月 まで4回 にわ た っ て付 託 事 項 に つ い て 討 議 を 重 ね,1974年5月,r多 国籍 企 業 が 開発 お よ び 国際 関 係 に 及 ぼ

(8)

す 影 響 』 と題 す る報 告 書 を 公 表 した 。 こ の 報 告 書 は ∴ 南 北 格 差 の縮 小 が 緊 急 で あ る とい う認 識 に立 ち,多 国籍 企 業 が 開発 途 上 国 の発 展 に 寄 与 す る反 面,多 国 籍 企 業 の経 済 力 と受 入 国 の 国 家 主 権 との 緊 張 ・抵 触 とい う政 治 面 で の弊 害 お よび 投 資 利 益 の受 入 国 に と う不 利 な 分 配 とい う経 済 的 不 利 益 を 指 摘 し53に の ぼ る多 数 の 勧 告 を行 った 。 これ らの 勧 告 の うち,多 国籍 企 業 委 員 会(Comlnissionon TransnationalCorporations)を 経 済 社 会 理 事 会 の も とに設 立 し多 国籍 企 業

セ ソ タ ー(CentreonTransnationalCorporations,以 下CTCと 略 す) を 国連 事 務 局 内 に 設 立 す る こ とが,同 年11月 の経 済 社 会 理 事 会 の決 議 第1913号 に よ って 実 現 した 。 ち な み に,多 国籍 企 業 の表 現 と して,OECDとILOは

(7)UN,1吻1加 α'ゴo%β」Ooア ρo廻'醜3勿 ∬o〃4.0β ρβJoρ〃zθ班(1973),外 務 省 監 訳 『多 国 籍 企 業 と 国 際 開 発 』(国 際 開 発 ジ ャ ー ナ ル 社,1973)。

(8)UN,丁 加1解 卯̀'0/ル ∫%〃勿 σ'げ0紹JCoゆ07σ'ゴ0%ε0π'海6ヱ 加6♂0ρ 耀 π' P706θSε απ40%1鋸 θ㍑ α'̀0ηα置Rθ 」α'60%3'Rの07'0μ 加G70吻0アE〃 吻6π' Pθ グ30%3'05劾 み'加1ヒ ∂1θ0ア1協1'勿 σ〃吻 認00ゆ0剛 β0π1)6〃 θJo伽6%' . 伽40π1〃'θ 〆%癖oπ αZ1〜 θ'漉 伽3(1974).邦 訳 ・『世 界 週 報 』1974年8月20,27

日,9月3日,17日,24日,10月1日,15日 号 。 こ の 国 連 有 識 者 グ ル ー プ の 報 告 書 の 詳 細 な 分 析 に つ い て は,小 宮 教 授(同 グ ル ー プ の 委 員)の 論 文,前 出 ・注(5)305頁 以 下 参 照 。

(5)

国連におけ る多国籍企業 の行動基準の作成過程 について 107 MNE(MultinationalEnterprise)を;国 連 は'MNC(Multinational

Corporations)を 用 い て き た が,1974年8月,第57回 経 済 社 会 理 事 会 の 夏 会 期 に お い て,77力 国 グ ル ー プ は,MNCの 概 念 が 不 明 確 で あ る か らTNC

(TransnationalCorporations)に 変 更 す べ き で あ る と主 張 し,先 進 国 側 も こ れ を 了 承 した の で,爾 来,国 連 で はTNCの 表 現 が 用 い ら れ る こ と に な っ

(9)

た 。 多 国 籍 企 業 を 構 成 す る 子 会 社 が,親 会 社 の 属 す る 本 国 の 法 律 に 基 づ い て 設 ・ 立 さ れ る 場 合 に は,子 会 社 の 国 籍 は 親 会 社 の そ れ と同 一 と な り,多 国 籍 で は な

く な る の で,MNCか らTNCへ の 用 語 の 変 更 は,法 律 学 の 観 点 か ら 首 肯 さ

れ る 。 な お,TNCの 訳 語 と し て は,「 国 際 企 業 」 お よ び 「準 超 国 家 企 業 」 が あ る が,慣 用 上,「 多 国 籍 企 業 」 を 用 い る こ と に す る 。 以 下,国 連 に つ い て は TNC,OECDとILOに つ い て はMNEの そ れ ぞ れ の 略 称 を 用 い る 。

TNC委 員 会 は,経 済 社 会 理 事 会 が 選 出 す る48力 国 の 代 表 に よ っ て 構 成 さ れ る 同 理 事 会 の 諮 問 機 関 で あ る 。1975年3月 に ニ ュ ー ヨ ー クで 開 催 さ れ た 同 委 員 会 第1回 会 期 の 討 議 に お い そ,先 進 国(以 下DCと 略 す)と 開 発 途 上 国(以 LDCと 略 す)と の 商 、。は 下 記 の 、 うな 主 張 の 対 立 、、あ 。た とい わ れ 課

(1)DCは,TNC問 題 を 政 治 的 立 場 を 離 れ て,本 国 お よ び 受 入 国 双 方 の 立 場 (9)福 田 ・前 掲209頁 注(1),宮 崎 繁 樹 「多 国籍 企 業 の法 構 造 」 『多 国籍 傘 業 の 法 的 研

究 』(入 江 啓 四 郎 先 生 追 悼)(成 文堂,1980)3頁 注(1)。

この設 立 準 拠 法 主 義 の ほ か に,会 社 の国籍 決定 の基 準 と して,本 店 所 在 地 主 義, 経 営 支配 者 主 義 お よび経 営 意思 決 定 中 心 地 主義 が あ る。 江川 英 文 『国 際私 法 』(有 斐 閣 全書,1951)175頁 以下,大 野 実 雄 「会 社 の 国籍 一 多 国籍 企 業 との 関連 に お

い て」 中 京 法 学14巻4号(1980)1頁 以下,奥 島 孝康 「多国 籍 企業 と会社 法 」 『多 国籍 企 業 の法 的 研 究 』478頁 以下 。

小 宮 ・前 掲299頁 。

多 務 省 監 訳 ・前 掲148頁 。 同書 は,SupranationaiFirmを 「超 国 家企 業 」 と訳 す の で,TNCの 訳 語 を 準 超 国 家企 業 とす る。,

ア フ リカ12力 国,ア ジ ア11力 国,ラ テ ソ ア メ リカ10力 国,東 欧5力 国 な らび に 西 欧,北 米 お よび オ セ ア ニ ア10力 国 か ら成 る。丁肋CTCRの07'〃,vo1.1,no.1

(Dec.1976),p.2.日 本 以 外 の先 進 諸 国 が 地 域 的 に西 欧,北 米 お よび オ セ ア ニ ア に 属 す るの に対 して,・わ が 国 は ア ジ ア地 域 か ら選 出 され た 唯 一 の先 進 国で あ る とい

う意 味 で特 異 な立 場 にお か れ て い る。

⑭UN,,ComissiononTNC,ReportoftheFirstSession,p.9,E/C.10/6,

(1975);丁 加OTORβ ρ07'67,0p.ciしp.10.福 田 ・前 掲197頁 以 下 。

(6)

108 第31巻 第3・4号

か ら検 討 す べ き で あ る と主 張 す る の に対 じ,「LDCは,こ の 問題 を 「新 国際 経 済 秩 序 樹 立 に 関 す る宣 言 」 射 よび 「諸 国 家 の 経 済 権 利 義 務 憲 章 士2条 に則 って 処 理 す べ きで あ る と反 論 す る。

(2)LDCは,TNCの 行 動 基 準 の作 成 を 本 委 員 会 の 最 優 先 事 項 とす る の に対

し,DCは,そ の 作 成 が 優 先 事 項 で は あ る が,十 分 な 調 査 検 討 の 後 に 取 り組 む べ き で あ る か ら,TNCの 政 治 的,経 済 的,社 会 的 側 面 の 研 究 お よ び 情 報 収 集 シ ス テ ム の 完 備 を 優 先 事 項 とす る 。

(3)LDCは,行 動 基 準 に 法 的 拘 束 力 を も た せ,そ の 対 象 をTNCの み に 限 定 す る の に 対 し,DCは,行 動 基 準 がTNCの み な らず 受 入 国 お よ び 本 国 の 政 府 を も 対 象 と す る 自発 的 性 格 を も つ べ き で あ る と反 論 す る 。

上 記 の よ う なTNCの 行 動 基 準 の 性 格 を 廻 る 南 北 間 の 意 見 の 対 立 は,TNC 委 員 会 の そ の 後 の 会 合 お よ びTNC行 動 基 準 に 関 す る 政 政 間 作 業 部 会 の 会 合

に お い て も み られ る 。 こ のTNCの 行 動 基 準 に 関 す る 政 府 間 作 業 部 会 の ほ か

に,腐 敗 行 為(CorruptPractices)に 関 す る 政 府 間 作 業 部 会,会 計 報 告 の 国

oの

際 的 基 準 に 関 す る 専 門 家 会 合 お よ び 不 正 支 払 防 止 協 定 に 関 す る 委 員 会 が 国 連 で 活 動 し て い る 。 国 連 に お い て は,以 上 概 観 した よ う なTNC問 題 の 検 討 と い う 縦 糸 に 対 して,横 糸 と して 「天 然 資 源 に 対 す る 恒 久 主 権 」(1962年12月14日 17回 総 会 決 議 第1803号),.「 新 国 際 経 済 秩 序(NIEO)樹 立 に 関 す る 宣 言 」(19 74年5月1日,第6回 特 別 総 会 決 議 第3201号)お よ び そ の 樹 立 に 関 す る 行 動 計 画(同 上,決 議 第3202号),な ら び に 「諸 国 家 の 経 済 権 利 義 務 憲 章 」(1974年12

『多 国 籍 企業 と南北 問 題 一 行 動憲 章(CodeofConduct)確 立 のた め の基 本 調 査 ・研 究 』(日 本 総 合 研 究 所,昭52),有 賀 美 智子(TNC委 員会 の 日本政 府代 表) '「多 国 籍 企業 の 行動 基 準 策 定 作業 の状 況 」r商 事法 務 』839号(1979)24頁 以 下

,小 島 清(同 委 員会 のExpertAd▽iser)「 国 連 で の 『多 国籍 企 業 行 動 規 範 』作 り一 新 国 際 経 済 秩 序 の『宣 言 』に と ど まるか 」『世 界 経 済 評 論 』21巻8号(1977)4頁 以下 参照 。

丁勿CTORθ ρ07'67,vo1.1,no.4(Apri11978),p.7.

⑰UN.,∫%'〃 πα'ゴo撫JS'α%4σ7δsoア ∠4000%漉%9α%4Rのoノ 醜8ノ 加 丁7α・

%3π ゐ'づo%α」Oo7ρoノα彦δo多zs,E/Cゼ10/33,180ct.1977.

丁勿CTCRθ ρ07'〃,vol.1,no.5(Sept.1978),p.13f.;no.7(Autumn 1979),p.10五

(7)

,

国連 におけ る多国籍企業の行動基 準の作成過程 につい て109

月12日,第29回 総 会 決 議 第3291号)が 存 す る。TNC委 員 会 第1回 会 期 の討 議 に み られ る よ うに,LDCは,こ の 横 糸 をTNCの 行動 基 準 に色 濃 く織 交 ぜ る ・

こ とを 主 張 し続 け て き て い る。

国連における多国籍企業の行動基準の作成過程

TNCの 行 動 基 準 に 関す る政 府 間 作 業 部 会 第5回 会 期(1978年9月18日 〜29 日)に お い て,ニ ク.ラッ セ ソ 議 長 は,同 部 会 第4回 会 期(同 年3月20〜31日)お よび 第5回 会 期 で 討 議 され た こ とに 基 づ い て,行 動 基 準 草 案 を 準 備す る よ う要 請 さ れ た 。 こ の 要 請 に 応 じ て,謙 長 は,第6回 会 期(1974年1月8日 〜19日)に58

項 か ら成 る議 長 草 案 を 提 出 した 。 本 節 は,こ の議 長 草 案 の各 項 毎 に,ま ず そ れ が どの よ うな 背 景 か ら作 成 され た か を 知 るた め,層 際 機 関 の 決 議,ガ イ ドライ ソ, 条 約 等 と対 比 し,つ ぎに 議 長 草 案(以 下,項 の番 号 を 付 して 引用 す る)の 問 題 点 が

⑲NIEOに 関 す る 文 献 は 枚 挙 に い と ま が な い が,%θ 飽 ωZ窺 θ7%αあoπα'Eoo・

ηo〃z乏60/4〃'Library,16vo1亀 ノed.byE.Laszlo&J.Lozoya(Pergalmon

Pr6ss),安 藤 勝 美 編 『新 国 際 経 済 秩 序 と 恒 久 主 権 』(ア ジ ア経 済 研 究 所,1979),山 岡 喜 久 雄 編 『新 国 際 経 済 秩 序 の 基 礎 研 究 』(早 大 出版 部,ユ979)等 が あ る。TNCと NIEOに つ い て は,加 留 博 「新 国 際 経 済 秩 序 と 多 国 籍 企 業 」 『新 国 際 経 済 秩 序 の 基 礎 研 究 』184頁 以 下,落 合 淳 隆 「多 国 籍 企 業 の 国 際 的 規 制 」 『多 国 籍 企 業 の 法 的 研 究 』 81頁 以 下,堀 部 博 之 「国 連 と 多 国 籍 企 業 」 同 上95頁 以 下 等 参 照 。

こ れ に 関 す る基 礎 的 文 献 と し て は,U凡,T7σ πS%α'勿 παZCOゆ07σ'勿%S:18S粥3 1御oZ砂 θ4 、伽 彦加Fo㈱ 〃 嬉o%oノ ・4Co4θo/Coπ 伽 麗:Rの07'oノ S667θ 如7ゴα',E/C,10/17,20July1976.邦 訳 『国 連 報 告 書 多 国 籍 企 業 と 行 動 綱 領 』『(ミ ネ ル ヴ ア,1977);U,N.,7〆 σ〃5勿認 勿 ησ」Ooノ ψ07θ'勿%33Mσ'6ガ π13 R6」 θびα%"0漉 θ ・Fo7〃Z%」α'ぎ0η0∫ ∠1004θ0アCO〃4Zκ ≠:Rθ ρ07渉0!漉 θ 560〆6彪 擁 認,E/C.10/18,10Dec.1976参 照 。

⑫1)U,N.,T7σ%5π α翻o%αZOoゆ07σ 勿%3:Co4θo∫Ooπ4%c"1707〃z%」 σ'δo%s6y 協 θC肱 〃 彿 砺,E/C.1G/AC.2/8,ヱ3Dec.1978;7■ 加,01℃Rθ ρ07'θ ア,voI.1, no.6(April1979),p.5f.議 長 草 案 の 各 項 の 説 明 に 際 し て こ の 文 献 の 頁 数 を 逐 一 引 用 す る こ と は 煩 雑 で あ る の で 略 す 。

⑳U.N.,T7σ%3解 σあo勿JCoゆoア α≠ゴoπ3:T6撹sRθ θ槻 短 ま04π ∠4渤o渉 α'θ4 0擁1初 θS%99θs'θ4δ ツ 魏 ¢Cゐ αゴ7祝朋oノ'加1雇 θ780び67η ηzθ鋭 αZ1γo飛 初9L O70⑳o%訪 θco4θoアCo%4%σ',EIC.10/AC.2/3,26Jan.1978.

(8)

ヱヱ0σ 第31巻 第3・4号

統 合 草 案 一(以下 」 で 示 す)で ど の よ う に 解 決 さ れ た か,ま た は 未 解 決 の ま ま に 終 っ て い る か を 検 討 し,さ ら に 統 合 草 案 に 問 題 点 が 残 っ て い る 場 合 に は そ れ を 指 摘 し よ う と す る も の で あ る 。

1多 国籍 傘 業 の 諸 活 動 A一 般 酌 ・政 治 的 問 題

国 家 の 主 権 尊 重 並 び に 国 内 の法 令 及 び 行 政 慣 行 の 遵 守

1多 国 籍 企 業 は,投 資 受 入 国 の 主権 並 び に そ の領 土 内 の資 源 及 び 経 済 活 動 に 対 す る恒 久 主 権 を 行 使 す る各 国 の権 利 を 承 認 し,尊 重 す べ き で あ る。

自国 領 土 内 の 天 然 資 源 ・富 また は 経 済 活 動 に 対 す る 国 家 の 恒 久主 権 の 観 念 は, 天 然 資 源 に 対 す る恒 久 主 権 に 関 す る 国連 総 会 決 議 第1803号 第1条(天 然 の 富 お よび資 源),諸 国 家 の 経 済 権 利 義 務 憲 章 第2条1項(富,天 然 資 源 お よび 活 動), NIEOの 樹 立 に 関 す る宣 言 第4条e項(天 然 資 源 お よび 経 済 活 動),UNIDO(国 連 工 業 開 発 機 構)の リマ 宣 言 第29条,34条(天 然 資 源)等 の 多 くの 国 際 文 書 で 主 張

さ れ て きた 。 議 長 草 案 は,LDCの 主 張 を 反 映 して,TNCは 領 土 内 の 天 然 資 源

の み な らず 経 済 活 動 に 対 して も恒 久 主 権 を尊 重 す べ き で あ る と規 定 して い るが DCの 代 表 は 経 済 活 動 に 対 す る恒 久 主 権 を認 め ず,ま た 天 然 資 源 に 対 す る恒 久 主 権 を も 国際 法 に 従 って 行 使 す る よ うに 限定 し よ う と した 。 か か る双 方 の 主 張

を括 弧 書 き で 並 記 した 統 合 草 案 ほ,次 の よ うに 起 案 さ れ た 。

「多 国籍 企 業 は,投 資 受 入 国 の 主 権 並 び にそ の 領 土 内 の 天 然 資 源 〔富及 び 経 済 活 動 〕 に 対 して 〔恒 久 主 権 を 〕 〔国 際 法 に 従 っ て〕 〔二 国 間及 び多 数 国 間 の 協 定 に 従 っ て 〕 行 使 す る各 国 の権 利 を 尊 重 す べ き で あ る/し な け れ げ な らな ,

い 。 」

この よ うに統 合 草 案 の 各 項 に お い て,「 す べ きで あ る(should)/し な け れ

ば な ら な い(sha11)」 が 繰 返 さ れ る が,前 老 は,こ の 行 動 基 準 を 自 発 的 な 性 格

㈱UN.,障o嬬1Rθ1σ'θd'o漉 θFo7〃 ¢〃 α彦Jo%o/ノ1Co4θo!Coπ4π6':Rθ ρ07' 0!彦 勿1窺678.0θ θ7%駕 θ%'αZ膨07雇 πgGl70ゆ0〃 ∠4CO4θofCOπ4%C'0π ゴ'3 研9窺 乃,ハ κπ2飾 σ%4T9〃 魏Sθss60〃3,E/C.10/62,9June1980.統 合 草 案 の 各 項 の 説 明 に 際 し て こ の 文 献 の 頁 数 を 逐 一 引 用 す る こ と は 煩 雑 で あ る の で 略 す 。

(9)

国連 におけ る多国籍企業 の行動基準 の作成過程拓つい て ヱ11

の もの に し よ うとす るDCの 主 張 で あ り,後 者 は,基 準 に法 的 拘束 力 を もた せ よ う とす るLDCの 主 張 で あ る。

2多 国籍 企 業 は,投 資 受 入 国 の法 令 及 び 行 政 慣 行 を 遵 守 しな け れ ば な らな いo

TNCに よ、る 受 入 国 の 法令 遵 守 の 要 請 は,ILOの 三 者 宣 言8項 お よびOECD ガ イ ドライ ソ7項 に 規 定 され て い る こ とが 示 す よ うにDqに よ って も,当 然 の こ と と して 承 認 され て層 る。 尤 も行 政慣 行 に つ い て は,受 入 国 に よ って は,必 ず し も明 示 的 に 宣 言 さ れ て い な い 場 合が あ るの で,遵 守 義 務 を 「明示 的 に 宣 言 さ れ た 」 行 政 慣 行 に 限 定 す る修 正 動 議 が な さ れ た 。ア フ リカ,ラ テ ン ア メ リカお よ び ア ジ ア ・グ ル ー プのLDCの 報 告 書 ま た は ポ ジ シ ョソ ペ ー パ ー は,さ らに,投' 資 紛 争 を 解 決 す るた め,TNCが 受 入 国 の 国 内裁 判 所 の 排 他 的 管 轄 権 に服 す べ き で あ っ て,第 三 国 の 仲 裁 また は 国 際裁 判 に 依 拠 しては な らな い と主 張 す る。

この よ うな 双 方 の主 張 を 並 記 した 統 合 草 案 は,次 の通 りで あ るσ

「 〔多 国籍 企 業 〕 〔多 国籍 企 業 の 構 成 体(Entities)〕 は,投 資 受 入 国 の法 令 〔管 轄 権 〕 及 び 〔行 政慣 行 〕 〔明示 的 に 宣 言 され た 行 政 慣 行 〕 〔を 遵 守 し な け れ ば な らな い/す べ き で あ る〕 〔に 服 す る〕。 〔多 国籍 企 業 の構 成 体 は, 投 資 受 入 国 の 国 内 法 が 要 請 す る範 囲で,当 該 国 の 管 轄 権 に 服 す る〕。 」

3多 国 籍 企 業 は,各 国 が,そ の 領 土 内 で 事 業 活 動 す る,そ の 構 成 体 の 活 動 を 規 制 し,監 視 す る 権 利 を 尊 重 す べ き で る 。

OECDガ イ ドラ イ ソ7項 は,そ の 管 轄 内 でTNCが 事 業 活 動 す る 条 件 を 定 め る 各 国 の 権 利 を,国 際 法 お よ び 国 際 条 約 に 服 さ せ るが,DCの 代 表 は,国 家 の 規 制 権 に か か る 制 約 を 課 す る こ と を 要 求 せ ず,「 規 制 」 の 枠 内 で の 「監 視 」 で あ る こ と を 明 確 に す る た め,「 監 視 す る 」(scrutiny)の 後 に(訳 文 で は 前 に な る が)「 そ れ に 応 じ て 」(accordingly)の 文 言 を 挿 入 す る だ け で,議

.⑳U .N。,E/C.10/AC.2/3,0Fcit.p,17丘

(10)

112商 討 究 第31巻 第3・4号

草 案 に 同 意 した も 本 項 は,双 方 が 括 孤 な しで合 意 した 最 初 の規 定 で あ る一 も他 の項 と同 様 に,「 す べ き で あ る/し な け れ ば な らな い 」 の選 択 詞 は あ るが 。

経 済 目標 並 び に 開発 の 目的,政 策 及 び 優 先 順 位 の 尊 重

4多 国籍 企 業 は,そ の 事 業 活 動 の 活 力(viability)を 維 持 す る 必要 性 と矛 盾 しな い陛 り,そ の 諸 活 動 が,投 資 受 入 国 の経 済 目標 及 び 開発 目的 の達 成 と 両 立 し,そ れ に 積 極 的 に 寄 与 す る こ とを 保 障 す るた め 効 果 的 な 措 置 を と らな け れ ば な らな い 。 そ の た め,多 国籍 企 業 は,投 資 受 入 国,就 中,開 発 途 上 国 の 開 発 努 力 を 支 持 し,国 家 レベ ル,適 当 な場 合 に は,地 域 的統 合 計 画 の枠 組 内 で の 地 域 レベ ル に お け る開 発 努 力 に 効 果 的 に参 加 す べ き で あ る。 この 関 連 で1多 国 籍 企 業 猛,開 発 過 程 へ の寄 与 を極 大 化 し,受 入 国 との 互 恵 関係 を 確 立 す る方 途 に つ い1(,適 当 な 場 合 に,政 府 当 局 と協 議 し,協 力す べ きで あ る。

TNCが 投 資 受 入 国 の一 般 的 な 政 策 目的,経 済 目 標 また は 開 発 目的 を 尊 重 す べ き で あ る と の要 請 は,NIEOの 樹 立 に 関 す る行 動 計 画V(b),ILO三 宣 言10項,UNIDOの リマ宣 言42項 お よびOECDの ガ イ ドライ ン の 一 般 方 針 に 関 す る1・2項 で 要 請 され て い る。 つ ぎに,TNCの 事 業 活 動 を 投 資 受 入 国 の 明示 的 な優 先 順 位 と両 立 させ る べ き こ と につ い て,UNCTAD(国 連 貿 易 開発 会 議)第4回 総 会 は,TNCめ 活 動 とLDCの 製 品 の 輸 出拡 大 を リソ クす る 決 議 を

㈲...

採 択 して い る。DCの 代 表 は,こ の 協 力 義 務 を 努 力 目標 に トー ン ・ダ ウソ し よ うと し,さ らに 一 定 の 制 約 を課 し,明 確 な 開 発 目的 に 限 定 す べ き で あ る と主 張 した 。 か よ うなDCの 主 張 を 括 孤 内 に挿 入 した 統 合 草 案 は,次 の 通 りで あ る 。

「多 国籍 企 業 は,投 資 受 入 国 の 〔に よ っ て確 立 され た 〕 〔宣 言 され た 〕 〔確 立 し 顔 〕開 発 政 策,目 的 及 び優 先 順 位 に適 合 して そ の事 業活 動 を 実 施 す る 〔よ うに 努 力 す る 〕 べ き で あ る/し な け れ ば な らな い 。 〔そ の 財 務 的,技 術 的 及 び 経 営 的 資 源 及 び 能 力 と両 立 す る限 り〕〔そ の 事 業 活 動 の 性 質,目 的 及 び 範 囲 と両 立 す る 限 り〕 多 国籍 企 業 〔の構 成 体 〕 は,国 家 レベ ル,適 当 な 場 合 に は,地 域 的

㈱UNCTAD,resolution97(V),31May1976,citedinIbid.,p.22.

ρ

(11)

国連における多国籍企業 の行動基準 の作成過程につ いて 113

統 合 計 画 の 枠 組 内で の地 域 レベ ル に お け る 投資 受 入 国 の.〔確 立 した 〕 〔宣 言 され た 〕 経 済 開発 目標 の達 成 に 対 して積 極 的 な 寄 与 をす る 〔よ う努 力 す 〕 べ き で あ るb多 国籍 企 業 は,開 発 過 程 へ のそ の寄 与 を 極 大 化 し,そ れ に よ って 投 資 受 入 国 と の互 恵 関 係 を樹 立 す るた め,当 該 国 の 政 府 当 局 と協 議 し,協 力 す る 〔用 意 が あ る〕 べ き で あ る/し な け れ ば な ち な い 。 」

5契 約 の全 当 事 者 が 自 由に 締 結 した 限 り,多 国籍 企 業 は,か か る契 約 を 尊 重 し,遵 守 す べ き で あ る。 再 検 討 又 は再 交 渉 を 規 定 す る契 約 条 項が 欠 落 して い る場 合,多 国籍 企 業 は,強 迫 の下 で若 し くは 当事 者 間 の 明 白に 不 平 等 な 状 況 下 で 政 府 若 し くは 政府 機 関 と契 約 が 締結 され た とき は,、又 は か か る契 約 が 依 拠 した 事 情が 根 本 的 に変 化 した 結 果,当 事 者 関 係 に 予 見 しなか った 著 し い 歪 が 生 じ,そ の 契 約 が 当事 者 の い ず れ か に と って 不 公 正 な 若 し ぐは 不 当 な

もの と な る と きは,当 該 契 約 の 再 検 討 若 し くは 再 交 渉 の要 求 に 積 極 的 に 対 応 す べ きで あ る。当 該 当 事 者 の 凡 て に と って の 公 正 を 確 保 す るた め,か か る状 況 下 に お け る再 検 討 又 は 再 交 渉 は,適 用 され る法 原 則 及 び 一 般 的 に 承 認 され た 法 慣 行 に 従 って9行わ れ るべ きで あ る。

TNCを 当事 者 とす る契 約 の再 交 渉 に つ い てNIEOの 樹 立 に 関 す る行 動 計 画V(b)は,投 資 受 入 国 に お け る多 国籍 企 業 の活 動 の 規 制 と 関 連 して,必 要 な 場 合 に は,こ れ ま で に 締 結 さ れ た 取 決 め の 再 検 討 お よび 再 交 渉 を 容 易 に す る よ うなTNCの 国際 的 行動 基 準 を作 成 し,採 択 し,実 施 す るた め に 凡 ゆ る努 力 を 払 うべ き で あ る と述 べ て い る。これ を 受 け て,ア フ リカ ・グル ー」プ の報 告 書 はTNC がNIEOに 適 合 しな い協 定 を 投 資 受 入 国 の 開 発 目的 に 適 合 させ る よ9うに 再 交 渉 す る こ と を 受 諾 す べ きで あ る と主 張 す 観 ア ジ ア ・グル 「 プの ポ ジ シ ョン ・ ペ ー パ ー も,TNCに よ る海 外 直 接 投 資 の 費 用 と便 益 が 時 間 の 経 過 に 伴 って 重 大 な 変 化 を 蒙 る と きは,契 約 を 再 交 渉 す べ き で あ る と述 べ て い る。

議 長 草 案 に 関 して,契 約 の 再 交 渉 を 申 し出 る こ とが で き る の は,投 資 受 入 国

㈱Ibidりp.22f.

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ヱヱ4 第31巻 第3・4号

政 府 に 限 られ る の か,そ れ と もTNCも そ うす る こ とが で き るの か,(2)再 交 渉 り 対 象 とな る契 約 は,(a)TNCが 受 入 国 の 政府 また は 政 府 機 関 と締 結 した 契 約 に 限 られ るの か,そ れ と も藁 入 国 の 民 間企 業 との 契 約 を も含 む のか ・(b)植 民 地 時 代 に 強 迫 等 の下 に 締 結 され た 契 約 に重 点 を お くのか 一 も し もそ の よ う に 限 定 す れ ば,強 迫 は 契 約 の取 消 原 因 で あ って(日 本 民 法96条1項 参 照),再 交 渉 の 事 由 に な らな い の で は な い か 一 そ れ と も契 約 締 結 後 の事 情 の変 更 に 限 る の か,(3)契 約 の再 検 討 また は 再 交渉 を 行 う場 合 の 準 拠 法 は,受 入 国 の法 律 ま た は 政 策 であ る の か,.そ れ と も一 般 に承 認 され た 法慣 行 で あ る のが,な ど解 決 す べ き 問 題 が 多 い 。これ らが 未 解 決 で あ るた め,統 合 草 案 は起 草 され て い な い 。

社 会=文 化 的 な 目 的 及 び 価 値 の 尊 重

6'多 国 籍 企 業 は,投 資 受 入 国 の 社 会 的 及 び 文 化 的 な 目.的及 び 価 値 を 尊 重 す べ き で あ る 。 こ の た め,多 国 籍 企 業 は,経 済 開 発 及 び 新 技 術 の 導 入 又 は 発 生 が 必 然 的 に 随 伴 す る も の を 越 え て,基 本 的 な 文 化 類 型 に 歪(distortion)を 生 ぜ し め,当 該 国 に よ っ て 望 ま し く な い と 考 え られ る社 会=文 化 的 影 響 を 及 ぼ す 慣 行,製 品 又 は 役 務 を 回 避 す る た め,政 府 と 協 議 す べ き で あ る 。 TNCの 進 出 は,通 常,受 入 国 に 経 済 開 発 の み な らず 社 会=文 化 的 価 値 の 変 革 を も 斉 ら す 。 両 老 は ト レ イ ド・オ フ の 関 係 に あ るが,受 入 国 に 対 す る 社 会 的 ・ 文 化 酌 衝 撃 を 最 少 限 に す る た めILOの 三 者 宣 言10項 が 要 請 す る よ う に,TNC

は,そ の 事 業 活 動 が 受 入 国 の 社 会 目 的 と 調 和 す る よ う に 努 力 す べ き で あ ろ う。

議 長 草 案 で は,TNCが 受 入 国 の 文 化 類 型 お よ び 社 会=文 化 的 日 的 に 及 ぼ す 影 響 が 有 害 で あ る か 否 か を 判 断 す る 権 限 が 当 該 国 の 政 府 に 限 られ る の か,は 明 瞭

で な か っ た が,統 合 草 案 で は 下 記 の よ うに 明 規 さ れ て い る 。

ル勧1'勿 σ廊oπαJCoゆo鵤 廊o%3σ%4Sooづ αJC乃σ%gθ,ed.byD.E。Apter&

L.W.Goodman(Praeger,1976);S.エKorbin,.Fo7θ6g%D地o'1初6s'窺6窺,

1〃d%ε〃̀α1甜α'20πα〃4Sooゴ σ1C肋 πg6,(JAIPress,1977),村 山元 英 「文化 摩 擦 と経 営移 転 一 イ ン ボ ネシ ヤで の実 験 」 『世 界経 済 評 謝24巻1号(1980)94頁 以 下,2号72頁 以 下 。

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国連におけ る多国籍企業 の行動基 準の作成過程につ いて ヱ15

多 国籍 企 業 は

,投 資 受 入 国 の 社 会 的 及 び 文 化 的 な 目的,価 値 及 び 伝 統 を 尊 重 す べ き で あ る/し なけ れ ば な らな い。 経 済 的 及 び技 術 的 な開 発 は,通 常,社 会 変 革 を 随 伴 す るが,多 国籍 企 業 は,文 化 類 型 及 び 社 会=文 化 的 目的 に 対 し て 有 害 で あ る と政 府 に ょ っ て 決 定 され る影 響 を及 ぼ す 慣 行,製 品 又 は 役 務 を 回 避 す べ き で あ る/し な けれ ば な らない 。 この た め,多 国籍 企 業 は,当 該 政 府 か らの協 議 要 請 に 積 極 的 に 対応 す べ き で あ る/し な けれ ば な らな い 。

人 権 及 び 基 本 的 自 由 の 尊 重

7多 国 籍 企 業 は,人 権 及 び 基 本 的 自由 を 尊 重 す べ き で あ る。

,

8そ の 雇 用 慣 行 に お い て,多 国籍 企 業 は,人 種,皮 膚 の 色,性,宗 教,言 語,社 会 的 出 身 又 は 政 治 上 及 び 他 の意 見 に基 づ い て 差 別 す べ き では な い 。 多 国 籍 企 業 は,機 会 の 均 等 を 拡 大 し よ う とす る政 府 の政 策 を 害 す る こ とな く こ の原 則 を 適 用 す べ きで あ る。

1948年 の 国連 第3回 総 会 に お い て採 択 され た 世 界人 権 宣 言2条1項 は,万 人 の権 利 と 自 由 に つ い て,次 の よう に 高 らか に 宣 言 した 。

何 人 も,人 種,皮 膚 の 色,性,言 語,宗 教,政 治 上 若 し くは他 の 意 見,民 族 的 若 し くは 社 会 的 出 身,財 産,門 地 又 は 他 の地 位 とい う よ うな 如 何 な る種 類 の差 別 も受 け る こ とな しに こ の宣 言 に 掲 げ る 凡 て の 権 利 と 自 由 とを 享 受 す

、 る権 利 を 有 す る 」 と。

ILOの 三 者 宣 言8項 は,全 当事 者が 上 記 の 人 権 宣 言 を 尊 重 す べ き で あ る と 定 め る。 ア フ リカ ・グル ー プの 報告 書 お よび ラ テ ン ア メ リカ ・グ ル ー プの ポ ジ ン ヨン.・ペ ーパ ーは,諸 国 家 の経 済 権 利 義 務 憲 章 の基 本 を な す 人 権 お よび 基 本 的 自 由を 尊 重 す べ き で あ っ て,そ れ を 侵 害 す る行 動 を 差 し控 え な け れ ば な らな

い と述 べ て い る。7項 と8項 と を結 合 す る草 案が 下 記 の通 り起 案 され た。

2鋤UN.,EンC10/AC.2/3,0p.cit.p.25£

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ヱ16̀商 第31巻 第3・4号

魑L

「多 国 籍 企 業 は,投 資 受 入 国 に お け る 人 権 及 び 基 本 的 自 由 を 尊 重 す べ き で あ る/し な け れ ば な ら な い 。 そ の 社 会 及 び 労 使 関 係 に お い て,多 国 籍 企 業 は, 人 種,皮 膚 の 色,性,宗 教,言 語,社 会 的,民 族 的 及 び 人 種 的 出 身 又 は 政 治 上 若 し くは 他 の 意 見 に 基 づ い て 差 劉 す べ き で は な い/し て は な ら な い 。 多 国 籍 企 業 は,機 会 及 び 待 遇 の 均 等 を 拡 大 し よ う とす る 政 府 の 政 策 に 適 合 す べ き

で あ る/し な け れ 幽ば な ら な い 。」

議 長 草 案 に お け る"lntheiremploymentpractices"の 文 言 が,こ の 統 合 草 案 の 第 二 文 で は"Intheir・socialandindustrialrelations"と 修 正 さ れ た 。 こ の 修 正 で は,"social"と"industrial"と の 文 言 が パ ラ レ ル な 修 飾 語 と し て 選 ぼ れ た の か も し れ な い が,̀三industrial"と"relations"と が 結 び つ く と 「労 使 関 係 」 と い う特 定 の 意 味 を も つ(ILOの 三 老 宣 言40項 以 下 参 照)の で,

"industria1"の 文 言 を 削 除 す る か

,ま た は も っ と 広 義 の 文 言 に 再 修 正 す べ き で あ ろ う。

9多 国 籍 企 業 は 南 部 ア フ リカの 少 数 人 種 差 別 政 権 に 協 力 しな い こ と NIEOの 樹 立 に関 す る行 動 計 画V(a)は,人 種 差 別 政 権 と の協 力 を 防 止 す る よ うなTNCの 国 際 的 行 動 基 準 を 策 定 し,採 択 し,実 施 す る た め に 凡 ゆ る駕 力 を 払 うべ きで あ る と述 べ て い る。 「アパ ル トヘ イ ト罪 の鎮 圧 及 び 処 罰 に 関 す る 国 際 条 約 」(1973年11月30日 国 連 第28回 総 会 で採 択)1条 は,ア パ ル トヘ イ トが 人 道 に 反 す る罪 で あ り,国 連 憲 章 の 目的 と原 則 に違 反 し,か つ,国 際 の

平 和 と安 全 に 対 す る重 大 な 脅 威 を 構 庫 す る 犯 罪 で あ る と宣 言 す る。'1976年11月 9日 に 採 択 され た 国連 総 会 決 議 第31/6号 は,'南 部 ア フ リカ の人 種 的 に抑 圧 さ れ た人 々を 搾 取 し続 け,ア パ ル トヘ イ ト政 権 の共 犯 者 で あ るTNCの 事 業 活 .動 が 強 化 され つ つ あ る と非 難 した 。1977年 にTNC委 員 会 は,凡 て のTNCが

芹田健太郎編 『国際人 権条約 ・資料集』(有 信堂高文社,1979)35頁 。

(15)

国連におけ る多国籍企業 の行動基準の作成過程 について 117 南 部 ア フ リカ に さ らに 投 資 す る こ と を 直 ち に 中 止 し,漸 進 的 に撤 退 す る こ と に

よ っ て 国 連 決 議 を 遵 守 し,同 地 域 の 少 数 人 種 葦 別 政 権 との 協 力 を 停 止 す る こ と を 要 求 し,さ らに,TNCの 本 国 が,国 連 決 議 に基 づ い て,TNCと 少 数 人 種 差 別 政 権 との 協 力 を終 らせ る た め の 法 令 を 制 定 しそ の 他 の 措 置 を 採 る こ と寮 要 請

した 。 この 法 律 の域 外 適 用 は 普 遍 主 義 に よ って 正 当 化 され るの で あ ろ うか 。 因 み に 南 部 ア フ リカへ の外 国 直 接 投 資(TNCに よる投 資 に 限 らな い)残 高

G① は,下 表 が示 す よ うに1974年 を ピ ー ク と して 漸 減 傾 向 に あ る。

南部ア フ リカへの外 国直接投資残 高指数 の推移(1971=100),

年'

1971 1972 1973 1974 1975 1976

鵬圃 綿 舞

100 108 124 148 164 179

8FD 9

鵬醐 譜簾

100 108 124 150 173

n.a.

8

FO‑⊥12

15 n.a.

残高醐 譜簾

100 106 121 152 164 173

6468

5

西

残高綱 譜臓

100 112 127 173 223 238

ウ臼6ρ087ー39臼

、(出 所)UN.,Activiti6sofTransnationalCorporationsinSouthern gAf

rica:ImpactonFinancialandSocialStructures(1978),

Tablelatμ10,Table2atp.12よ り作 成 。 .

し か しTNCの 一 般 的 普 遍 的 で あ る べ き 行 動 基 準 に,特 定 地 域 の ア パ ル ト' ヘ ィ ト 政 策 反 対 と い う イ デ ナ ロ ギ ー 的 色 彩 の 強 い 規 定 を 設 け る こ と に は 反 対 も あ っ て,未 だ 統 合 草 案 は 起 草 さ れ て い な い 。

国 内 政 治 問 題 へ の 不 干 渉.

10多 国籍 企 業 は,投 資 受 入 国 に おけ る政 治 的 及 び 社 会 的 制 度 に影 響 を 及 ぼ そ う とす る破 壊 活 動 に 依 拠 す る こ とに よ って,当 該 国 の 国 内政 治 問題 に 干 渉 す べ き で は な い。'

㈹UN.,Ao彦 勿 漉 θso∫T7α π8%α'ゴoπαZCoゆ07α ゴoπ3初So%漉 〃"∠4〃 侃 」 加 加0'0π 溺%碑 β瞬 σ忽50̀観5〃 π6'%グ63,Rθ ρ0ノ'0〃 加56〃 E/C.10/30,16March1978,p.9£

(16)

118 第31巻 第3・4号

TNCに よ る 受 入 国 の 内 政 へ の干 渉 の禁 止 は,諸 国 家 の 経 済 権 利 義 務 憲 章2 条2項b号,NIEOの 樹 立 に 関 す る行 動 計 画V(a)お よびOECDの ガ イ ドライ ソ の一 般 方 針 に 関 す る8・9項に よ って要 請 され て い る。しか し有 識 者 グル ー プ の 報 告 書 が,MNCに よ る破 壊 的 政 治 介 入 を 非 難 す る 反 面,受 入 国がMNCの 子 会

81〕

社 の 許 容 され る政 治 活 動 を 明確 に 規 定 す べ き で あ る と勧 告 した こ とが示 す よ う に,ロ ビス ト活 動 の よ うに 合 法 的 な 政 治 活 動 と介 入 が 禁 止 さ れ る政 治 活 動 とを 区 別 す る こ とが 必 要 であ る。 他 方,本 項 の 「破 壊 活 動 」(subvefsiveactivi・

ties)と い う表 現 は ・ チ リのITT事 件 を 念 頭 に お い て 用 い られ た も の で あ ろ うが,許 容 さ れ な い 政 治 的 活 動 を これ の み に 限 定 す る こ とは 狭 す ぎ る と い う危 惧 もあ る。 こ の よ うな 意見 を 反 映 して,下 記 の よ うな 括 孤 付 き の統 合 草 案 が起 草 され た 。

多 国籍 企 業 は,投 資 受 入 国 に お け る 政 治 的 及 び 社 会 的 制 度 を 崩 壊 させ る 〔よ う とす る〕 〔破 壊 的 及 び 他 の 〔不 正 な(illicit)〕 活 動 を 差 し控 え るべ き で あ る〕 〔に 依 拠 す る こ とに よ っ て〕,当 該 国 の 国 内 〔政 治 〕 問 題 に 〔違 法 に〕

介 入 す べ き で は な い/し て は な らな い 。

11投 資 受 入 国 に お い て 善 良 な'corporatecitizensと し て 活 動 し て,多 籍 企 業 は,当 該 国 の 国 内 法 又 は 確 立 し た 慣 行 と 抵 触 す る 政 治 活 動 を 差 し控 え

る べ き で あ る 。

議 長 草 案 に お け る"goodcorpoτatecitizens"と い う表 現 は,カ ナ ダ の

"GuidingPrincip1俘sofGoodCorporateCitizenshipforForeignSubs

idiaries"(1966年,)か ら借 用 し た も の と 思 わ れ る が,法 律 概 念 で は な い か か る 暖 味 な 表 現 を 用 い る こ と に は 問 題 が あ ろ う。 他 方,「 受 入 国 の 国 内 法 又 は 確 立

   

e1)1〜6ρoノ'oノ'乃6070%ρo/E〃2ゴ 〃6勿'・P6/30%3,0pLciし μ29.

舩Cited量nJ.Fayerwether,Fo7θ ゴ9π 乃zガ68'卿 召撹 勿0α πα4σ,̀NewYork, 1973),p.175f。 桜 井 ・石 田 編 『国 際 投 資 ガ イ ドラ イ ソ 集 』,(ア ジ ア 経 済 研 究 所, 1976)73頁 収 録 。 こ の 行 動 基 準 は12項 よ ゆ成 る が,1975璃 こ14項 よ り成 るNew PrinciplesQfInternationalBusinessConduct(GHle叩ie)に よ っ て 取 っ て 代 ら れ た 。

(17)

国連におけ る多 国籍企業 の行動基準 の作成過程 について 119 した 慣 行 と抵 触 す る(inconsistentwith)」 の 「抵 触 す る」 とい う表i現 も不 明 確 で あ る。 か くて,下 記 の よ うな統 合 草 案 が起 草 され た 。

、 「多 国籍 企 業 は,投 資 受 入 国 の法 律 並 び に 確 立 した 政 策 及 び 行 政慣 行 に よ っ て 許 容 され な い 政 治 活 動 に従 事 す べ きで は な い/し て は な らな い 。

政 府 間 関 係 へ の不 介 入

12多 国籍 企 業 は,本 来 的 な 政 府 の 関 心事 項 に 介 入 す べ きで は な い 。 本 項 は,以 下 り13,14,15項 の 各 論 に対 す る総 論 的 な 規 定 で あ る。 「政 府 閲 関 係 」 を 如 何 に 限 定 す るか に つ い て 討 議 が 行 わ れ た結 果,下 記 の よ うな 統 合 草, 案 が 起 草 され た 。

多 国籍 企 業 は,〔 政 府 の 唯 一 の関 心事 で あ る〕 政 府 間 関 係 〔に 関 す る如 何 な る事 項 に も〕 に 介 入 す べ き で は な い/し て は な らな い 。

13多 国 籍 企 業 は,投 資 受 入 国 を 含 む 政 府 間 の 協 力 取 極 に 従 っ て 活 動 し,又 は 国 際 社 会 の 共 同 行 為 に 即 し て 行 動 す る の で な い 限 り,政 府 の 外 交 政 策 推 進 の 手 段 と し て 行 動 す べ き で は な い 。

TNCが 本 国 政 府 の 外 交 政 策 推 進 の 媒 体 で あ る と い う 非 難 は,LDCの み な らず,DCの 中 で そ の 経 済 の 大 部 分 が 米 国 系TNCに よ っ て 支 配 さ れ て い る カ ナ ダ に お い て も 行 な わ れ る 。 確 か に,戦 前 のTNCは 植 民 地 政 策 の 尖 兵 と し て の 役 割 を 果 し た こ と も あ っ た が,戦 後 のTNCと 本 国 政 府 と の 関 係 は,米 国 の 対 共 産 圏 貿 易 を 規 制 す る 敵 対 取 引 法,反 トラ ス ト法 お よ び 海 外 直 接 投 資 規 則 の 域 外 適 用 に よ っ て,緊 張 関 係 に も あ る 。 し か し,か か る 本 国 法 の 域 外 適 用

(3鋤 そ れ 自 体 が,本 国 政 府 の 政 策 を 受 入 国 に 浸 透 さ せ る 「法 律 上 の 帝 国 主 義 」 で あ

ノlFo7擁gπEoo%o漉o、PoJゴcyノ 協61970'ε ∫Hearingsbeforethe SubcomlnitteeonForeignEconomicPolicyoftheJointEconomicCom.

加ittee,CongressoftheUnitedStates‑Part4:TheMultinational

CorporationandInternatiohalInvestment(1970),邦 訳 『多 国籍 企 業 の 将 来 』 199頁(サ イ マ ル 出版 会,1972),M.H.ワ トキ ンス 教 授 の米 国 議 会 合 同経 済 委 員 会 に おけ る証 言 。'

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