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周辺噴流型エアクッション技術に関する実験的研究

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Academic year: 2021

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(1)

周辺噴流型エアクッション技術に関する実験的研究

(第二報、周辺スカート形状による浮揚動力特性)

*道 満 理 正 **安 富 善三郎

An Experimental lnvestigation into the Air Cushion Technology for a peripheral Jet,

(Part 2 , Characteristics of Hovering Performance by Peripheral Skirt configuration.)

Masatada DOHMAN, Zensabro YASUTOMI

      Abstract

 The configuration of the nozzle exit of the peripheral skirt of A. C. V. has hitherto been desingned mainly in view of the hydrodynamic contact drag and the seaworthiness characteristics, and this has brought succesful re−

sults.

 At the present stage of development, however, it seems to be worthwhile to analize the nozzle configuration in view of the hovering performance of A. C. V.. The present study experimental analizes the effect of the configura−

tion of nozzle exit on the hovering performance.

1.ま え が き

 周辺噴流の地面効果を利用した,輸送機械がHover craftの名で公開されて以来,荷重が全底面に分布する特 徴を生かして,空気浮揚車,GETOL機などの陸,海、

空の乗物や,パレット,コンベアー,プリー等の機械要素 に広く応用され1>2>,又,無接触型の張力計,荷重計, 間ゲージのようなセンサーとしての使用3),直接ジェッ ト・カーテンで制御する流体制御4)への応用等広範囲な用 途への利用が進められている。

 このうち特に輸送機械の分野に属するものを総称してA CV(Air Cushion Vehicle)と呼ばれているが,周知の ようにこれらACVに対して今日のような実用化を可能に したのは周辺スカート(flexible skirt)の発明であった。

 その周辺スカートを装着すると,ノズル出口部の実質浮 揚高さが小さくてもスカートの柔軟性により有効浮揚高さ を大きくすることができ,浮揚動力の大幅な軽減が計られ,

最適な浮揚動力特性値は無次元浮揚高で1.1〜1.5あたりに 存在することは既に報告したとおりである5)。

 *津山工業高等専門学校

**大阪府立大学工学部

 発明の極く初期に於いては従来の周辺ノズルの単なる延 長として二枚の平行壁よりなるフレキシブル・ノズルが用 いられたが,その後,艇周辺にフレキシブル・スカート・

バッグを装着し,その下縁にフレキシブル・ノズルをとり つけたいわゆるBHC型ジェット・スカートが採用され た。これらのスカートはいずれも,ACVが発明された当 初の周辺噴流型を踏襲したものであるが,その後,水面ま たは地面形状の変化に対する追従性にすぐれ,接触抵抗の 小さいスカートの開発が進むに従って実質浮揚高を小さく するために生ずる不具合(水面または地面との接触による 前進抵抗の増大,水上におけるりょう波性の劣等化)が著

しく改良されたため,浮揚性能を犠牲にしても構造,工作 の容易な形状のスカートが採用されるようになり,周辺ス カートは初期の周辺噴流型からはなれて,いわゆるプリナ ム・チャンバー型に近いものへと移行していった7>。

 このような経過を経てBHC型フィンガー・スカートは 現在の周辺スカートの主流の一つをなすものとなったが,

最近では,一旦犠牲にした浮揚性能を若干なりとも改良す るため,フィンガー・スカートの一部に周辺噴流形式をと

りいれたものも実用化されている。

 以上のように周辺スカートは主として推進性能,りょう 波性能に関する現実的な要求や構造,工作上の便宜にもと

(2)

ついて経験的に改良されてきたが,浮揚性能の面からこれ らを調べた実験的な検討を加えた発表は未だなく,あらた めて検討することは意義あることと思われる。

 そこで筆者等はこのような問題を調べる初めての試みと しておこなったもので,現在採用されている周辺スカー.ト のノズル出口付近の形状をモデル化し固体壁で置きかえる ことによってスカート形状と浮揚性能との関係を実験的に 調べた。

D且qL      CChPPPP  e   a mΩRしVVVy

z

ηθαβ

     2.記

:無次元動力係数

:.流量係数

:浮揚高

:局所圧力

:クッション圧力

弓長さ当たり)

=tVm/り:

:ノズル幅

:噴流の速度

 1参照)

eushion region

   び._⊥._一._一

U

The Atmosphere

ノズル出口部に於ける噴流の全圧

AC装置を浮揚させるに要する浮揚流体動力(単

        了          L80 l

ノズル出口部における噴流流量(単位長さ当たり)

    ノズル出口部におけるレイノルズ数

ノズル出口部における噴流の大気側の速度 ノズル出口部における憤流の平均速度

ノズル出口部で大気側を原点とする座標(Fig一

Hon臼ycomb

Soτ賢en 停hgー

A1

B包Oe plat配

1.L.

1

一」ト.一 引 1

εnd PL謡e 1.

Rec巳ss 司100 θ

↓盤 1 y

r頃gion t

02乞19

h 一3

@卜

Ground Plaしe Spaoeヒ

1

一・¥・一 1 一・P一一一

        oz 一

Fig. 1 Testing device.

:ノズル出口部で大気側を原点とする水平方向座標  (Fig−1参照)

:クッション圧力係数 p。/Pt

:外側ノズル取付角度(Fig−2参照)

:内側ノズル取付角度(Fig−2参照)

:ノズル出口断面角度(Fig.2参照)

μりρ

      Ground level

Fig. 2 Structure of variational nozzle exit,

:流体の粘性係数

:流体の動粘性係数

:流体の密度

添字,opt.:最適値, d(Cp)/d(h/t)=0のときの値

        3.特性式の表示

 二次元周辺噴流型ACVの浮揚特性に関する主な変数は 次の8個である。つまり,浮揚高h,ノズル幅t,ノズル 取付角度θ,クッション圧力p。,ノズル出口部の噴流平 均速度Vm,および油圧Pt,密度ρ,粘性係数μ,であり,

それらの間には1つの関係がある。

f(h, t, e, p., V., p,, P, Ft)=O

π定理を適用して無次元数を導入すると,

f(n1, rr 2, rr 3, rr 4, T s) = O

のように5個の無次元数が得られる。ここに,

  z1=t/h, rr,=tV. P/pt,

  n3=Vk × P fp. n 4==Vft × P /p   rts== e

πrπ5はある特定のAC装置に対する定数である,

(3)式を整理すると次の諸式が得られる。

  n i=h/t, n 2=t V./ v =R.,

  π 3=tVm/t》πフマ『

   =9/tpmp, =Cq,

  rr 4= 7r 3/ 7r 4=P.fPt = 7 p, lr s= 0

π Pは無次元浮揚高,πノ2はレイノルズ数,

(1)

(2)

〈3)

(4)

       π 3は流量係数,

π・Sはクッション圧力係数である。浮揚動力に関する無次 元数は(4)式を用いて得られる。

 π急     Ω・P,

n 堰in 4)i 5−h.p..pmp

(3)

      P

       =h.恥.》可=C・  (5)

 Cpは無次元動力係数であって,その意味を次に説明す

る。

 一般にAC装置は浮揚すべき壁面の状熊によって浮揚高 が設定される。また装置の重量と大きさよりクッション圧 力も定まる。いま,ノズル幅とその取付角度がt,θなる 周辺噴流型ACにおいて,浮揚高とクッション圧力がh,

p。なるときの浮揚動力をPとすると,同一のh,p.の圧 力室型ACの浮揚動力との比をCpがあらわしている。こ の圧力室型ACはPt=p。のように理想化しており,これ はh→0の場合に相当する。このCpによってAC装置の 浮揚動力特性を評価することができると共に,理想化され た圧力室型ACの浮揚動力との比較が可能である。

      4.実験装置および実験方法  4−1実験装置

 実験装置は周辺フレキシブル・スカートを厚さ20mmのア クリル板の固体壁に置きかえた二次元であり,2枚の側板 にはさまれたノズル部,下板,クッション室上板,奥耳に よって構成されている。空気の供給系は吸込側にバルブを 設けたプロワーからオリフィスを経てノズル部に入り,

Fig.1に示すようにノズル部には整流装置としてハニカ ム,金網が設置されており,その下流で幅80mmから30mmに 絞られている前報と同じものを使用し,ノズル出口部は固 定式平行ノズルからFig−2に示すように出口断面角度が 変えられるように改造した。(α=45。の場合)

 すなわち,ノズルの大気圧側壁の角度θを600に固定し,

クッション室側壁の角度αを30。,45。,600,75。の4種類 とそのそれぞれのαに対してノズル出口の断面角度βを 0。,15。,30。,45。の4種類の計16種,このクッション室 側ノズル壁を差しかえることによってノズル角度とノズル 出口断面角度を変化させた。

 下板は最適な浮揚動力特性値が存在した無次元浮揚高さ 1.55)に固定したためにスペーサーはそのままである。クッ ション室上板は,周辺噴流によって誘起されるクッション 室内の流れ(二次流れ)の影響を避けるためにノズル上方

(recess>100mmの位置に固定されている。またクッショ ン室およびノズル部における内圧による材料のひずみを小 さくするために厚さ20mmのアクリル板を模型全体に使用し ている。

 4−2実験条件

 ノズル幅t=30mm,ノズル長さL= 200mm, recess=

100mm,クッション室長さz=600mm,ノズル出口平行部の 長さ=Omm,ノズル取付角度(大気圧側θ=60。固定,クッ ション室側α=30。,45。,60。,75。),ノズル出口断面角度

β=0。,15。,30。,45。,ノズル出口部に於けるRe=4.8

×lo4一一s.gxlo4  4−3測定方法

 クッション室内の圧力分布はクッション室上板に設けら れた6個所の静圧孔(φ0.5㎜)により測定している。

 ノズル出口部に於ける噴流の速度分布は熱線風速計のプ ローブを0.5㎜ピッチでトラバースさせて測定する。

 ノズル出口部に於ける流量はこの速度分布曲線を積分し て求め,ノズル出口部に於ける浮揚動力は求めた流量およ びノズル部の全圧との積から計算により求める。

 なお,使用した測定器は熱線風速計のほか超精密微差圧 計およびベッツ・マノメータである。

        5.流れの可視化

 ノズル出口部付近に於ける可視化を行ない,レイノルズ 数を2.5×103〜2.8×103と下げ層流状熊にしてからスモー クワイヤー法で流動パラフィンの白煙をトレーサーとして 撮った写真の一部(ノズル断面角度β・30。の場合)を Fig−3に示した。

e

1綱

齢、、懸響野難.讐鐵躍増臓』齪

Fig. 3 Flgw pattern on nozzle exit by tracer.

 これで見るようにノズル出口に於ける噴流のノズル幅面 各点における流速度の方向が同一でなくノズル幅全体に於 いて異なっているので,この流速度の方向をトレーサの位 置七ヶ所でノズル出口断面とのなす角を計測し,その角度 変化の割合を2次曲線に近似した式を用いてノズル出口断 面に直角方向の分速度に置きかえた,その結果のノズル出 口断面に於ける速度分布曲線をFig−4に示す。

 この結果から速度分布は浮揚高さhによって変化した が5>,ノズル断面角度の変化に対して速度分布の変化は殆 んど見受けられない。

       6.実験結果および考察 6−1クッション圧力

 AC装置の浮揚特性の解明において最も基本となるのは クッション圧力の正確な測定であるが,平行ノズルに於け

(4)

v/V.

 1.0

O.75

O.5

O.25

o

   ㍉、

   コロお  

    撫を..

      、幽曳_.

        幽 ニー

lllli;1

OS−450

\一

Mp

1.0

O,75

O.5

o O.5 1.0

y/y.

Fig. 4 Variation non−dimensional flow speed    on nozzle exit.

o

●ロA︶ ●囚σ

g

るこれらの結果については前平で詳しく述べているとおり Fig.5に示す。すなわち,地面板上での平行ノズルの場合 の圧力分布で正確なクッション圧力の測定ができることが.

確認されている5)。

 本実験に於けるクッション圧力のノズル角度αとノズル 断面角度βによる実験値を圧力係数ηpとしてFig.6に示

す。

 これでみると,ノズル角度αが増すに従って圧力係数は 良くなっているが,ノズル断面角度βが150〜200越えた あたりから減少してゆく傾向がみられる,すなわち,平行 ノズルに近づく程良いと言うことである。

 6−2流 量

 Fig.7に流量係数Cqを示す。ノズル角度αの変化によ る流量:の変化はあまり大きくないがα=45。の時が最も低 く出ている。αが大きく,すなわち,周辺噴流型に近づく 程不利になる傾向がみられる。又,ノズル断面角度βにつ いては理論解析15)によって得られたβ=20。〜400の間に

O  O   O  OO FO  ハU 5qO 4  ハ0 7= = = =αぴ dぴ0ムロ●

Oo lso 30e 450@p

一一一 2.0

十 2.S 十 3.0

Fig. 6 Variation of cushion pressure coefficient    with nozzle exit angle,

Cq

1.0

O.75

O.5

一(〉一 o.s

−a一 1.o

十 1.S

Od−300 Ad−4so

[] es == 600

●ぴ・・ 75。

(e=60e)

P/Ft IVt

畠 象

1.O

n.5

.4

20 s/t

o lso 30e 4so

  p

o s 10 IS

Fig. 5 Distribution of pressure along ground plate.

Fig. 7 Variation of mass flow coefficient with    nozzle exit angle.

最適値が存在するものとも近い値であり角度の増加と共に 若干減少しているがβ=45。以上になる圧力室型より有利 である15)とは言えない。

 つぎに,ノズル角度α=450の場合の実験結果をηp,

CqについてまとめるとFig.8に示すように,ほぼ一個所 に集まっているが,ノズル断面角度が小さい方が運動量理

(5)

np

1.0

O,75

O.5

oL

 o

      O ,ts)= oc       A s==lso       口,6=30「

      e o−4sr・

  〇.5 e.75 1.0 Cq

Fig. 8 Variation Qf cushion pressure coefficient    with mass flow coefficient.

論や指数関数理論に近づいている。

 6−3浮揚動力

 AC装置の浮揚動力特性をあらわす無次元動力係数Cp をFig. 9に示す。ノズル角度αの変化による浮揚動力は,

αの増大と共に小さくなる。すなわち,周辺噴流型に近づ くほど有利になっている。これは6−1で述べたクッション 圧力の特性がそのまま現われている。ノズル断面角度βの 変化による浮揚動力の最適値はβ=15。〜20。の辺りに存 在している。このβの範囲は最:呼値が存在するβの範囲と ほぼ一致しているので流量係数によるものと考える。

cp

1.0

O.75

O.5

o

△﹇ワ Omσ o

Od=300

A d ==4so 口Ci・・=・60・

。L⊥_」=7駅

Oo lso 300 450@B

Fig. 9 Variation of non−dimensional power    coefficient with nozzle exit angle,

あ と が き

 A.C. V.の周辺スカートのノズル出口付近の形状を 模型化しその機何学的形状が浮揚特性におよぼす影響を実 験的に調べ,つぎの結果を得た。

1)ノズル内側の傾斜角αの影響(Fig.6)

  噴流の全圧が一定のとき,得られるるクッション圧力  はαが大きい程大きく有利になる。ノズル内では外壁傾  斜角θの補角をなすαが最大値をとるので,このとき(平  行ノズルの周辺噴流型)が最も有利である。

  流量はα=20。〜400のときに最:小となる15)傾向があ  るとされているが本実験ではα=35a〜50。あたりが最

 ノ」・となった。

2)ノズル出口断面角度βの影響

  浮揚高さが一定であるから,クッション圧力,流量,

 浮揚動力のいずれに対しても外壁先端を内壁先端の上方  に位置させることは当然ながら非常に不利であるので以  下外壁先端部が内壁先端部より常に下にある場合につい  て述べる。

  クッション圧力は,ノズル角度βが小さくなる程良く,

 すなわち,外壁,内壁先端部が地面に平行(β=O)の  場合が最も有利である。

  流:量に対しては,全体的にα,βの影響は小さいが,

 浮揚高さが大きくなった場合は,この実験では不詳であ  る。

  無次元浮揚特性についてはβが増えるに従って悪く,

 最適値はβ=10。〜200辺に存在している。

参 考 文 献

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参照

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