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米国私営退職年金制度の基本的諸事項(二)

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米国私営退職年金制度の基本的諸事項(二)

その他のタイトル Basic Features of Private Pensions in America (2)

著者 川元 英二

雑誌名 關西大學商學論集

巻 3

号 5

ページ 425‑445

発行年 1958‑12‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00021785

(2)

‑425 

米国私営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

米国私営退職年金制度の基本的諸事項

妥当な年金額水準 年金制度の底流にある主な目的は︑雇主が老朽被用者を道義的にまた社会的に是認され得

るような方法で︑給料簿から除去できるようにするにあるといえる︒この目的達成への方法の基盤になるものは︑

OASI 年金額と合せ︑退職労働者とその被扶養者に相当の生活をなし得るよう︑充分大きい所得を継続して得ら

れるようにすることである︒被用者の生活水準は大体勤務の最後の支給金に応じたものになっているから︑年金額

はこの支給金に合理的な関係を持っていることが重要である︒理想的には退職時の賃金俸給の相当充分な部分が継

続することであろう︒しかし実際上はそれは不可能であって︑被用者が勤務の全期間中或いはその或る期間中に得

ていた賃金に対し︑或る程度合理的な関係にある年金額を与えることがむしろ目標になっている︒合理的という観

念は明らかに主観的なものであるが︑年金の技術家によりその適当な金額は OASI 年金を含め︑退職前五

1 0

② 

年間の平均所得の%ー½と一般的に認められて来ている。しかし個々の場合により、退職が満足に行われるために

年 金

(1)

( 二 )

J

I 

(3)

‑426 

年所得三

000

ドル︑年令三

0

オの被用者の終身年金額︵六五オ開始︶をみるにその所得の一〇彩︑すなわち三

③ 

00

ドルの負担金に対し購入される年金額は一カ年七八・九五ドル︵保証期間なし︶となる︒同じくー︱

1 0

0

ド ル の

負担金に対し︑三一オでは年金額は七六・三一ドル︑四

0

オでは五九・七六ドルと減少してゆく︒すなわち一般的

に同一負担金額で購入される年金額は︑購入年令の進むとともに減少する︒また同︱一時払保険料により購入され

た据置年金額は性・到達年令および標準退職年令によって差異を生ずる︒前掲の例の場合年令の進むとともに︑普

通もちろん所得も増加するものであり︑このことは年令の増加による上記の影響を或る程度緩和する︒

或る団体での負担金建方式制度の負担金は︑給料名簿の数字︵所得最高限で調整︶に所定の率を乗じて得る︒負

担金建では負担金が容易に分るので︑これに充当する資金を注意深く予算により支出し︑年金制度への支出額を予

知する必要のある会社に︑同方式は好都合である︒同方式は公的退職制度や非営利施設︵大学・病院・慈善機関等︶ 五

00

ドルと種々あるが︑

10 00

0

ドルというものさえある︒ 年金額決定方式 退職年金制度の年金額決定方式は二種類に大別できる︒負担金建方式と年金建方式とである︒

負担金建方式

( m o n e y p u r c h a

p l a n )

負担金建方式では麗主︵醸出制のときは被用者とも︶の負担金が先

ず定められ︑年金額はその結果として定まる方法である︒或る特定の被用者のための毎年の負担金は︑普通その被

用者の所得に全被用者均一の或る率を掛けたものである︒その率は普通一〇彩以上一五彩以下となっている︒大多

数の負担金建方式は麗主が被用者と同額︑時には被用者の或る倍数を払込むものになっている︒その典型的な制度

では麗主被用者とも五%である︒同上率の掛けられる所得には最高限が設けられ︑それには五

000

ドル或いは七

2  は

0

彩以上に増す必要があるかも知れない︒ 米

国 菰

営 退

職 年

金 制

度 の

基 本

的 諸

事 項

口 ︵

川 元

(4)

27

て決定し︑負担金はそれによって定まる方法である︒同方法を細かにみるとき頗る幣しい種類がある︒

0

年に設定された三四六の団体年金に対する連邦保障庁の研究で一六六の相異なる年金額建種類があった︒ B 

米国弘営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

の後年金建方式に変更されて来ている︒ 式年金の場合保険会社が︑

一 九

四 六

i

で広く用いられている︒また同方式は産業会社で︑被用者の自発的醸出に基づく年金額建方式︵次項詳述︶ととも

負担金建方式は複利の作用により比較的より大きいウェートが︑勤務期間後半における高給料に基づく負担金に

対するよりも︑前半の低給料への負担金に強くかかるので︑年金額がインフレ期に特に不足するものとなり︑被用

者の立場から取りわけ望ましくない点がある︒同方式は︑負担金が低年令の被用者に適当な大きさである場合︑す

なわち所得への割合が少なく三五ヵ年或いは四〇カ年加入し勤務の各年に付年金を購い適当な退職年金額となるよ

うな割合の場合︑老令の加入者に不適当な年金額を生むものである︒同方式は年金額の計算や表示も容易でない︒

なお雇主が負担金建を択ぶとき︑普通雇主負担金を加入者の所得の一定割合として氷結することを望むが︑被保険

一定の所得に対する一定割合である負担金が以前より少ない年金しか買えぬ事態になる

とき︑保険料率を増加するを必要とするであろう︒この場合もしも一雇主の負担金が増加されないならば被用者は頗

る困却することになる︒団体年金の保険料率は平均寿命の増加と利率の低下により過去において著しく昂騰し︑ 囚 五年前に適当と考えられた率での年金額もいまや不充分になっている︒

負担金建方式は産業会社にはあまり広く採用されていない︒またもと同方式によって設置された多数の制度もそ

年金額建方式

( d e f

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e

b e n e

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p l a n

u n ;  

i t   b

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i t   p

l a n )

年金額建方式はその年金額が予め或る基準によっ に︑補助的な年金を与えるために用いられる︒

(5)

428 

の大多数が採用している方法で︑厩用の全期間の平均年所得を基礎に用い︑年金額をこの平均年所得の或る割合に

算入勤務年数を掛けたものと規定している。平均年所得に掛ける率は

0•五i-

―•五形までで一形が多い。なお全

期間平均年所得に或る割合をかけ︑それに勤務年数をかけた年金額は︑毎年の給料の或る割合の年金額を全期間に

わたり合計した総額と結果において等しい︒このようにして毎年購入する年金額が確定するので︑それに対する負 切

全 期 間 平 均 型

( c

a r

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c e

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e )

 

これは年金額を所得に基づくものとしている制度

間に基︑つくべきかが問題である︒ B

a n

k e

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u s

t  

Co .

の最近の研究で一種の年金額建である団体協約型年金制度九七のうちに細別種類二四あるこ

とが見出された︒また同じく年金額建の慣習型制度ニ︱七は事実上全部相異なるも同然のものであった︒しかし年

式は︑頗る広く使用されている︒この方式の長所は被用者の以前の生活標準に関係ある年金額を与えることである︒

この方式の盛んに使用されているのは︑短期勤務の被用者には少額となるけれども︑長期勤務の被用者には退職に

際してより多額の年金を支給することになり︑これは根本的に正しいものと広く思われているからであろう︒

年金額決定方式には所得および勤務の定義を注意深く定めておかねばならない︒また所得と見倣すべき諸項目に

ついて明確にしておかねばならない︒時間外勤務手当・休日手当・疾病手当・賞与金・手数料等の除外或いほ包含

について明記しておかねばならない︒年金額決定方式の見地から最も重要なのは︑所得に考慮されるべき期間の定

義範囲である︒すなわち年金額が全期間の所得に基づくべきか︑扉用の最後の五年或いは一 0 年という択ばれた期 ⑮所得および勤務年数両者に関係ある年金額建方式退職に際し支給の年金額が所得と勤務年数双方に基づく方 金額建方式は大別すれば次の四種に分け得る︒

米国庶営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

(6)

.429 

米国武営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶ 得ス所ク

3表 給 料 ク ラ ス 別 年 金 額 建 方 式 の 一 例

(将来の勤務に対するもの)

勤 務 各 一 年 に 対 し 毎 年 収 の 年 金 額

12ドル 17  22  27  32 

37 

42  52  62  年 所 得

1 2 3 4 5 6 7 8 9  

1450ドル未満 1450  1 949  1950  2449  

2450  2949  

2950〜 四9 3450  3949  

3950  4449  

0 4949  

4950  5449  

クラス(9)を 超 え る 各 ク ラ ス は 500ドル増す毎に

10ドルを加う。

K. Black:  ibid., p. 66 

間のこのような毎年の年金額の合計である︒

額が与えられるのである︒

0

ドルであり︑購入の年金額は二七ドルとなるわけである︒被用者 担金も毎年決定する︒そして各被用者のこの毎年の給料に或る割合をかけて得た年金額は︑被保険式である団体年 金では据置年金の形で毎年保険会社から購入される︒そして各被用者の退職以後の所得は︑その認められた勤務期

所得をその水準によって四クラスに分け︑各クラスに相異なる率を用いることもある︒多数の場合に OASI に 6  おける所得ベース最高限四二

00

ドルまでの金額に或る率を用い︑これを超える所得に他の率︵普通前者の二倍

y

を用いている︒また通常過去の勤務と将来のそれとに区別され︑前者にはより低い率が適用されている︒管理事務

簡単化のために︑賃金或いは所得に應々クラスが設けられ︑方式に

各クラスの年所得中央値のうち四二

00

ドルまでのものに対しては︑

これに一彩を掛けた金額がなり︑同金額を超えたクラスの所得中央

値に対しては超過分に二形を掛けた金額がなるのである︒例えば年

所得二五

00

ドルの被用者はクラス④に入り︑その中央値は二七〇

の所得がクラス④二四五

O

二九四九ドルにある限り︑同様の年金

全期間平均所得型は或る被用者の退職前にインフレが起るとき︑ 第 3 表は将来の勤務に対する方式の一例で毎年購入の年金額には︑ おける率はその各クラスの中央値に対して適用される︒

(7)

430 

用され︑この有利性が失われているものもある︒ インフレはとにかくその年金開始前に蓄えた金額の価値を減少する︒もっともその程度は所得のインフレ物価水準 を反映した程度により︑またこれを反映した期間の長さ等々により異なるものである︒またこの制度ではその特別

⑧ 

な経験と資格のため高年令で雇用された有能の士に適当な年金額が与えられぬ欠点を持っている︒

最終平均型︵巴

n a l

p a

y   a

v e

r a

g e

y p   t

e )  

退職前過去五年或いは一

0

年間の平均所得に基づく最終乎均型は増

加して来ている︒事実上米国の初期における重要な制度︑例えば石油工業・ベル・ベスレヘム鋼鉄・国際刈入機の

一 九

0

年代の不況は全期間乎均型への移動を促し︑この傾向は第

一九四五年以来のインフレはこの傾向をくつがえし︑旧い型への復帰を促している︒

常態では最終平均型は全期間平均型よりも多い年金額を生み出すものである︒多くの場合所得は退職直前の年々

に最高に達するからである︒なおこの型では雇主の︵醸出制では被用者もともに︶払う負担金は年々のその時々の

給料に直接に関連を持つものである︒また被用者への年金額は上記のような将来の最終平均所得の或る一定割合で

あるが︑これは保証されている︒若干の制度では最高給料の五カ年の平均が用いられている︒最終平均型は産業お

よび官公雇用に広く見出される最も重要な制度の︱つである︒なお最終平均型が前述のように最高所得となる年々

の所得に甚づき︑被用者に有利になる傾向を持つものであるが︑最近所得に乗ずべき率には以前より低いものが採

最終乎均型の重要な特徴は価格水準の変動その他の経済的進展に︑

ンフレ期に賃金騰貴の傾向があるので︑インフレ期所得を最終乎均型に用いられた被用者は︑明らかにより大きい

年金額を受ける︒それで最終平均型はインフレに対して或る程度防禦になるように思われる︒現在雇主は被用者お 二次世界大戦まで続いたが︑ ような制度ではこの最終乎均型が用いられた︒

( 口

米国瓶営退職年金制度の基本的諸事項は︵川元︶

よりよく対応しているという事実である︒イ

..... 

(8)

‑431 

米国私営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

れども年金権利の付与される年金額を決定することが︑困難である欠点がある︒

制度設定前の過去の勤務

よび労働組合にこのような方法を採用するよう促がされている︒もちろん不況の時期には無修正では反対の方向に

作用するであろうが︑︵前述の若干制度の最高給料である五ヵ年平均は別︶︑長期的観点からいえばこの方式は︑米

国の物価と賃金の周期的傾向により︑全期間平均型よりも多額の年金を生み出すであろう︒その物価と賃金の周期

最終平均型ではその据置年金に利用されるに際し︑全期間平均型とは違い︑毎年或る金額の負担金が払われるけ

所得および勤務年数両者を因子とする年金建方式の勤務年数については︑ただ﹁継続的勤務﹂のみが考慮される

もので︑それは雇用日から退職日までの期間と定義されている︒それで年金規定には継続的勤務の中断︵それ以前

o l  

の勤務年数は計算から除外される︶となる行為の種類について規定しておかねばならない︒

雇主がその事業の初期に退職年金制度を設置するのは頗る異例であり︑普通退職の

問題が注意されるに至るのは相当年数を経て︑多数の被用者が退職年令に近づいたときである︒それで同制度が設

定されたときそれが妥当なものであるためには︑過去の勤務を認めねばならない被用者が相当存在するときである︒

これ等老令の被用者はしばしば雇主の事業の発展に非常に貢献した人々である︒雇主はこれに認識を与えることを

一般に適当と感じているようである︒実際上大多数の制度は過去の勤務に若干の認識を与えており︑過去の勤務に

ついての規定は︑若しも同制度がその実際設定前に実施されていたならば各被用者が獲得していたであろう年金額

を︑与えることにしている︒なお稀な場合を除いて過去の勤務への年金は無醸出制で行われ︑死亡および離職給付

nu  

︵後述︶は何等与えられない︒また過去の勤務に全面的考慮を与えるものは比較的僅少で︑大多数の制度は種々の 四 的傾向は上向いているからである︒

(9)

‑432 

②雇用の最初の数年間︑例えば五年間の勤務 形の制限を付している︒最も普通の形は次のものを除外した制度である︒すなわち

前になされたあらゆる勤務 ①特定の年令︑例えば三

0

⑧最大限年数の超過部分︑例えば一〇

年・一五年・ニ

0

年或いは二五年を超えたすべての勤務である︒そのほか①と②の合したものの除外︵三

0

オ前且

つ麗用最初の五年間のあらゆる勤務除外︶もある︒①或いは②或いはその合したものの除外は︑古い被用者の過去

の勤務を新被用者の将来の勤務と同じ基礎の上におく目的を一般的に持っている︒また①でコストの低下を計るた

めに特定年令を三五才或いは四

0

オにすることもある︒これは年令のまだ老令でない︑退職まで期間のある被用者

は︑将来の勤務で適当な年金額を取得できるとの見地に立つものである︒⑧の主な目的はそのコストがつねに雇主

の負担となる過去の勤務の年金コストを制限するためのものである︒このほかに過去の勤務に対して与うべき年金

権利に充当すべき負担金額に制限をおくこともできる︒

過去の勤務のうち規定で認められた部分については一般にその各ご午の所得に対し特定の率をかけたものだけ年

金権利が与えられる︒従って一般にはこれに対して︑所得と勤務年数の考慮される年金額建方式が使用される︒も

っともこの場合若干の制度ではこの勤務各一年に対して所定の一定金額︵ドル表示︶が与えられている︒管理上過

去の勤務への年金額は普通同制度実施日の報酬或いはこれに先立つ或る期間の報酬に甚づくものとなっている︒こ

れは過去の全勤務期間に対する報酬を甚礎にしようとしても資料の点から不可能だからである︒もしも制度が最終

平均型であるならば︑同じ報酬ペースが過去および将来の勤務に対して適用されるようである︒この場合通常同一

率で年金権利が与えられることもある︒しかし将来の勤務に全期間平均型が使用されるのであれば︑過去の所得に︑

将来に対してよりも低い率︵%形が定型的である︶が適用される︒それは多くの被用者に対する報酬は︑制度を実

米国忠営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

(10)

433 

米国冦営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

⑪所得にも勤務年限にも関連なき年金建方式 の勤務は将来の勤務と同じような権利を与えられている︒ 施した現在の方が︑そのときまでの平均額よりも高いという理由によるものである︒

勤務年数のみに関連ある年金額建方式

この種類の方式は一九四九年における鋼鉄および自動車工業にお これは退職年金制度全般をみたとき若干の制度で採用の方式であり︑勤務

年数に関係なく報酬への特定率のみの退職年金が与えられるものである︒この基礎となる報酬は普通退職直前のも

のであるが︑退職前の或る一定期間の平均或いは全期間平均が用いられることもある︒上記の特定率の大きさは種々

で︑広い範囲にわたっている︒同制度の顕著な特長はその率が同一であり︑勤務の年月の経過とともに変化しない

ということである︒もっとも年金受給資格は例えば二

0

年という最小限度の勤務期間を条件としているから︑勤務

年数が全然無視されているわけでもない︒過去の勤務もこの要件の年数に算入される権利を与えられていることが

ある︒このような制度の理念は二

0

年︵或いはその他の所定期間︶勤務した被用者はより長い勤続者と同じ考慮を

受くべきであるということである︒もっともより長い勤続者の所得は漸くにしてその資格を得た人よりも高い傾向

があり︑それだけこのような人々は年金額も多くなるであろう︒この方式は利用されることが少ない︒

この種類の方式はむしろ団体交渉型制度で普及されて来ている︒この

方式は例えば最長三

0

年まで年金権利が付与された勤務年数の各一年に対して六五オでニードルが与えられるもの

で︑従って退職に際して年金額は最高一年に六三

0

ドルとなっている︒この制度の多くは二五年勤務後の標準退職

に対し最低年金額を規定し︑社会保障制度の OASI 年金を含め一カ月一

00

ドルを支給することにしている︒ま

た 0ASI を除き権利付与勤務各一年につき三

0

ドルの年金を与えるものも若干存在する︒これ等の制度では過去

(c) 

⑮所得のみに関連ある年金額建方式

(11)

34

(a) 

3  金額︑例えば三五

00

ドル或いは四

00

0

ドルを超えた部分についてほ超過所得額に基づき︑さらに年金を与える

また前記⑱の変種ともいうべきものであるが︑同上型の年金額に︑さらに全期間平均所得或いは最終平均所得の

或る一定額︑例えばその二

0

%を加えたものである︒この場合基本算式で平均所得に掛けられる率ほ然らざれば使

用されたであろうものよりも自然小さい率となるであろう︒この方式は同上型の欠点︑すなわち特別な経験や資格の

必要なため高令でしかし高給で麗用された被用者に対しては︑加入期間が短期のため不適当な年金額となる欠点を

d  

補 う

た め

に ︑

E . S .

Ch ur ch il l

により考慮されたもので︑チャーチル方式といわれている︒

最低年金額および最高年金額

最低年金額 最近年金制度に最低年金額を盛り込む傾向がある︒もちろん団体交渉型の均一年金額と同様の性

質を持っている︒これを採用している規定の分類はほとんど不可能に近い︒しかし分類の基準を︑ドル表示の最低 も

の が

あ る

@ そ の 他

ほ実働時間の数によって計られている︒ 金

月 額

00

ドルを与えられるが︑ ける団体交渉から生じたもので︑それ以来多くの団体交渉型制度で採用されている︒この場合勤務年数二五年或い は

OASI を含み︑均一年金額を与えられている︒この種類の基礎的方式では勤務二五年の後年 三

0

年の退職者は

︱二五ドルのものも少数存在している︒被用者が年金に考慮される勤務の最低

期間は典型的なものは一

0

年或いは一五年︵後者はより一般的︶であるが︑この最低勤務年数に充たないときには

何の年金も支給されない︒年金付与勤務については注意深く定義され︑労働者がただ副業的に雇われた湯合の期間

⑪方式の変種というべきもので︑最低年金額として均一年金額を支給するとともに︑所得のうち所定

米国冠営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

1 0

 

(12)

35 

米国私営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

の傾向は他の調査によっても確認されている︒

( i n t

e g r a

t i o n

)  

ほとんど例外なしに私営退職年金制度は連邦老令 年金額が OASI 基本年金額を含むか否かにおくとき大きく二つに分類することができる︒そして OASI を最低

金額に含める傾向が見られる︒最もしばしば行われる規定では OASI を含み︑二五年勤務後に一年につき最低一

00

ドルの金額を約束し︑これより短い勤務年数に対してほ減額している︒ OASI を含み一年一五

00

ド ル の

年金を保証している制度もある︒ OASI を除外する制度の最低金額は一年二

00

ドルから八

00

ドルに及んでい

る︒なお過去の勤務について年金を与えていない制度では︑退職に際して普通最低金額を保証している︒

団体交渉型制度の均一年金額は性質上一面最低年金額であり︑また一面最高年金額でもある︒ま

た多くの慣習型制度にも年金額は最高金額の限度が付されている︒この最高金額は直接にドル表示の年金額の形を

とることもあり︑或いは年金算式に用いられる報酬額への制限としての形をとることもある︒ドル表示年金額の制

限は普通頗る寛大であって︑四

00 00

ドルという高額のものも若干存在するが︑最も普通の最高金額は一

00 0

0

ドルであろう︒もっとも一年三

00

ドルという低い最高金額も僅かながら存在する︒

報酬面で行われる制限ではその算式で得られる年金額はドル表示年金額ほど寛大にならない傾向がある︒連邦保

障庁による研究によれば年金制度三四六の報酬の中位数では一

00 00

ドルで︑最高は三

00 00

ドルである︒こ

上記の最高年金額を寛大にし或いはこれを全く取除く傾向のあることは重要視すべきであろう︒

連邦老令遺族年金制度

( O

A S

I )

との総合

遺族年金制度と相ともに実施されている︒多くの雇主がその制度の加入範囲および年金額を連邦制度のものと総合

することに努めているが︑それは年金額︑従って負担金のあまり増加するのを雇主が避けようとしてであり︑また ⑮

(13)

436 

あらゆる賃金俸給階層を公平に取扱おうとしてである︒公平に取扱うことは法令上からも迫られている︒すなわち

退職年金制度が一九五四年の国内歳入法第四

0

一条下に所得税の上で恩典を受ける資格を取得するためには︑役員・

株主・監督者・高給被用者を差別的に優遇することが禁ぜられているのである︒財務省の指令に従えば私営退職年

金制度は社会保障の OASI 年金と総合されたものでなければならない︒総合とは簡単にいえば︑ある制度におい

て︑あらゆる高給被用者の退職年金に OASI 年金を加えた金額の俸給への割合が︑如何なるより低俸給被用者に

対するそれよりも︑大きいものであってはならないということである︒この総合に関して財務省が詳細な諸要件を

度の実施に際してはこの財務省の指令に調和するように設計しなければならない︒

私営退職年金制度と OASI 年金制度とを総合するには次の三方法が一般的に用いられる︒

OASI 年金額の控除 である︒退職年金制

総合の最も筒単な方法は退職に際して若しそうでなければ私営退職年金制度下に支給

されるであろう年金額から︑連邦制度で支給される年金額を除くものである︒この方法は財務省の規定では﹁差引

方 式

﹂ ︵

O

se t

P

l a

n )

と称せられている︒同方法は多数の団体交渉型制度やかなり多数の慣習型制度で用いられて

いるが︑個別保険年金契約団体取扱および据置団体年金では実行し得ないものである︒反面退職まで基金を個々の

被用者に割当てない非被保険式制度および団体年金の或る種類では利用し得る方法であるが︑醸出制殊にその負担

金建方式では実行し得ないものである︒もっとも OASI 甚本年金を私営制度の基本年金から差引かない多数制度

では︑おそらく私営制度で保証しているであろう最低年金額の一部としてこれを考えていることであろう︒

財務省の規定によれば︑ OASI で支給の補足的年金および遺族年金を考慮して︑退職前および退職後の死亡に

(a) 

規定した法令が︑ 一 九 五 一 年 の

M i

m e

o g

r a

p h

66 41  

(

M i

m e

o g

r a

p h

 

5

53 9, 1  94 3

の 改

正 法

米 国

私 営

退 職

年 金

制 度

の 基

本 的

諸 事

項 口

︵ 川

元 ︶

(14)

437 

米国私営退職年金制度の基本的諸事項口

( J I

I 元 ︶

は何等給付を与えない無酸出制では︑

職後に死亡給付を与える制度にはより小額の控除が許されている︒実際上は最高限の控除はあまり適用されず︑多

数制度では多くともOASI

基本年金の一

00~を差引いているにすぎない。

差引方式は若干の制度︑殊に均一金額を支給する制度で実際上採用されているが︑多数年金専門家に批判されて

来た︒私営退職年金をより低額とし︑

I

年金の半分は被用者自らの保険料によるものであることも考慮すべしと批判するものもある︒

なる所得の中で︑

方 式

( E

x c

e s

s

Pl an ) 

OASI 甚本年金の一三

0

形を控除することを許している︒退職前或いは退

OASI 年金をそれに付加する方法の方がよいというものもあり︑また

O A

総合の他の一方法は︑もしもこの方法を採らなければ私営退職年金制度の年金計算の基礎に

OASI のそれと重複するであろう所得の部分を除外することである︒社会保障法の一九五

0

の改正以来この部分は所得の最初の三六

00

ドル︵一九五六年四二

00

ドルに改正︶を意味する︒同方法は﹁超過

と称せられている︒同方式で所得が三六

00

ドルを超える被用者への年金額は︑三六

00

ドル以下の所得の被用者が OASI で受ける年金額よりも比例的にみて多くなることを許されない︒

財務省の法令によれば︑その総合に関する諸規則の底に横たわるものは OASI で受ける年金の評価である︒法

令では OASI の全年金額として月︱二

0

ドル︑すなわち平均賃金月額の四

0

%が六五オから支給され︑また年金

受給者が自ら払った最低の保険料は平均賃金月額のニ・五%と仮定している︒そして勤務年限一五年以上・標準退

職年令男子六五才女子六

0

オを条件とする無醜出制純粋終身年金を基準として︑所得のうち三六

00

ドル超過分に 対する年金額の割合が三七•五彩または三三%%(場合により相異)以内であれば、超過式による制度が総合され

ているものとした︒なお他の種々なる年金支給形態では︑同上率を基準として同上率に所定の率︵支給形態で異な ⑮

(15)

438 

( 4 )   ( 5 )  

( 3 )  

( 1 )  

(2 ) 

D. M.   ¥: f c G i l l :

  ibid••pp.

3 4 4 8

を 主

と し

て 資

料 と

し た

Bl ac

k

﹁ 心

よ く

退 職

さ せ

る た

め に

は 退

職 前

l‑0

年 間

平 均

給 料

の 四

O

五 0

% が

一 般

に 必

要 と

考 え

ら れ

て い

る ﹂

と 述

べ て

い る

( K .

B la c k "

i bi d . ,  p .  

65 ) 

こ の

数 字

の 計

算 の

基 礎

に は

生 命

表 と

し て

19 37

St an da rd   An nu it y  T ab le

が ︑

予 定

利 率

と し

て ニ

・ 五

% が

︑ ま

た 付

加 率

と し

て 総

保 険

料 の

八 彩

が 使

用 さ

れ て

い る

(D .M .M cG il l"

ib id .,   p .  

35 ) 

K .  

Black"ibid••p.

6 8  

Blackほこの給料に対する割合は普通―•五し11%であると記しているが、同氏は主として団体年金を取扱っているので、

述の超過方式として取扱うことができ︑すべてその規定に従う︒ す

る ︶

を ︑

︱つは特定水準超過の報酬に対しより高率のそれを与える方法である︒基本的部分である前者は総合に

ついて問題を引起さない︒それは同一支給形態で均一年金率をあらゆる報酬に対して与えるからである︒後者は前 この方式は二つの部分からできている︒ 年金算式の段階的調整 この方法は被用者全員に 0ASI 年金を補うと同時に同年金算式が低所得被用者に有

利に偏よっているのを除こうとするとき用いられる︒この方法は法令では﹁段階式給付方式﹂︵

St ep pe d up Be ne fi ts  

Plan) と称されている。この方式は例えば過去の勤務の各年に対して年報酬の最初の三六

00ドルの0•五彩に、

これを超過する金額の一•五形を加えた金額を退職年金として与え、また将来の勤務に対してはそれぞれ

0•五彩

に二彩を加えた年金を与える制度である︒

(c) 

︱つはあらゆる報酬に対して低率の年金︵これは低雇主保険料率を意味 る︶をかけた数字以内であれば︑総合されているものとした︒

米 国

冠 営

退 職

年 金

制 度

の 基

本 的

諸 事

項 口

︵ 川

元 ︶

一 四

(16)

439 

米国私営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

命保険会社との契約によるものであるならば︑

(11) 

( 1 2 )   ( 1 3 )   (1 4)

  K .  

B l a c k :  i b i d . ,   p .  

70 

日本生産性本部︑同上書︑五二七頁 本稿﹁はしがき﹂参照 Mi me og ra ph  

6641は一九五

0

年の社会保障法改正に基ついたもので︑

のではない︒しかし資料の関係上前者によって説明した︒

年金支給の形態

退職年金が退職被用者の生存中支給されるということはどんな年金制度でも存在する規定である︒この約束が生

一五

一生の所得が或る種の年金の形で与えられるであろう︒その制度が

一九五二年および一九五六年の改正によったも

このような差異が出て来るのかも知れない︒

( K .

B la c k "

i bi d . ,  p .  

6 6 )  

( 6 )

日本生産性本部︑同上書︑五二七頁 (7 )D .M .  M c Gi l l ,  e d . :   P en s i on s ,  P ro br em s  a nd   Tr en ds ,  p .  

141 

( 8

)

日本生産性本部︑同上書︑五二七頁 (9 )D .M .  M c Gi l l ,  e d .

i b i d . ,   p .  

1 4 3  

( 1 0 ) 継続的勤務の中絶として計算から除外される主な事項には︑次のようなものがみられる︒

い正当な理由で辞職し或いは解雇されたとき︒

回会社に無断で賃金計算期間全部を欠勤したとき︒

り賜暇の終期に勤務すべき旨の報告をなすことを怠ったとき︒

呂業務上の傷害により規定の期間を超えて欠勤し︑または廃疾によって二年を超えて欠勤したとき︒

悧一時解雇により二年を超えて欠勤するとき︒

︵日本生産性本部︑同上書︑五二九頁︶

(17)

440 

( イ

(b) 

純 粋 終 身 年 金

( s t r

a i g h

l i f

t

e  

a n

n u

i t

y )

 

通常この種類は単生終身年金で︑その純粋の形のものは年金受取人 の生存する間︑年金が支給されることを共通の性質とする︒

の原則により計算されるからである︒ れて保険会社から支給されることもあり︑或いは直接に信託会社によって支払われることもある︒ 自家年金で信託会社により取扱われるものであれば︑その年金はおそらく被用者の退職時に︑保険会社から購入さ

支給形態の分類 年金制度の年金額およびそのコストは或る特定の年金支給形態が採用されるものとの仮定に

基づき計算される︒そして数種の支給形態が年金に利用できる︒大別すれば単生終身年金と連生年金とがあり︑ま

たこの各々に対し無返還形態と返還金付形態とがある︒なお自家年金制度下の年金も被保険式制度と本質的には同

様の形態で支給される︒年金が保険会社から購入されないとしても同制度の規定にある年金額は同一の保険計理上

単生終身年金 その名称の示すように単生終身年金はただ一人の生命に関係のある年金であって︑退職被用者

が生存する限り続きその死亡とともに終る年金であり︑普通月払の所得の形で支給される︒何の返還金も無いので︑

単生終身年金のうちで掛金︑すなわち保険料一ドル当り月所得は最も大きい︒無醸出制度では純粋終身年金が最も

多く採用されている︒もっとも次項切の使用が異例というわけでもない︒

返還金付単生終身年金

保証期間付終身年金 返還金付単生終身年金の種類とは︑年金購入価格の一部或いは全部を或る方法の下に返

還することを保証するものである︒これは年金月額の一定数を年金受取人の生死にかかわらず支給することを約束

するものである︒この場合受取人が或る保証期間を超えて生存してももちろん支給が続く︒この種の年金は保証期 ー

米国私営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

一六

(18)

'  

米国冦営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

⑱ 連 生 終 身 年 金 ( j o i

l i f

n t

e  

a n n u i t y )  

B 連生年金

現金返還付年金年金受給者の死亡に際して受給者の遺産或いほ指定年金受取人に年金購入価格と既払年金月

額合計額との差額︵もしある場合︶を一括して支払うことになっている種類がある︒これは現金返還付年金或いは

全額現金返還付年金

( c a s r h e f u n d   a n n u i t y ;   f u l l   c a s h   r e f u n d   a n n u i t y )

と称されている︒回およびりの種類

④ 

は単生年金の種類のうちで最も高価なもので︑特に現金返還付年金は幾分利息を喪失するのでより高価である︒

修正現金返還付年金

( m o d i f i e c d a s h   r e f u n d   a n n u i t y )

この年金はもしも被用者が死亡の時までに支給の年

金額が利息付或いは無利息の被用者醸出負担金の蓄積額︵団体年金では退職直前の死亡給付額︶に達しないときに

は︑醸出金額と支払年金額との差額が遺産またほ指定受取人に一括して返還されるもので︑醸出制で普通採用され

る も

の で

あ る

て い

る ︒

( 口 ) 間付終身年金

( l i f e

a n n u i t y   c e r t a i n   a n d   c o n t i n u o u s )  

1

ニ 四

0

の保証月額を選択することができる︒年金コストは保証月額の数の増加とともに高くなる︒な討醸出制団体

② 

年金では保証期間付が最もしばしば用いられ︑他の醸出制でも五年或いは一

0

年の保証期間付が若干見られる︒

返還金付年金の中には︑もしも退職被用者が年金の購入価格と同額になるるよう 購入価格分割払保証付年金

③ 

な年金月額の数を受取る前に死亡すならば︑その全購入価格が回収されるまで指定年金受取人に年金の支給が続け

られる約束のものもある︒この種類の年金は購入価格分割払保証付年金

( i n s t a l m e n t r e f u n d   a n n u i t y )

として知

これは二人以上の生命に基づくもので︑契約に指定の年金受取人︵二人 と称せられる。年金受取人は六

O·―二0•一八O·

(19)

442 

2  準的形態としては稀に用いられるに過ぎない︒ 以上︶がともに生存している限り或る一定金額を与え︑最初の年金受取人の死亡のときこれを中止する形のもので ある︒理論的にはこの種の年金も返還付とすることができるが︑これを実施する制度はない︒連生終身年金の適用 性は限られ︑ほとんど次の連生最終生残者年金が使用されている︒

連生生残者年金 ︵正確には連生最終生残者年金︶︵

j o i n t a n d   l a s t   s u r v i v o r   a n n u i t y )  

上のうち一人が生存している限り一定金額が支給されるものである︒連生年金のうちでこの種類は最もコストが高

い︒この種類の契約は夫および妻に対して老令所得を与えるのに理想的である︒正規の連生生残者年金はひどく退

職年金額を減少するので多数の制度で生残者により小額︵例えば最初の半分︶の年金を与える制度となっている︒

これはまた最初の受取人が死亡したとき従来の所得を必要としないためでもある︒しかし多くの制度で団体年金を

含み︑退職被用者が死亡のときだけ所得が減ずることに定めている︒団体年金をみるにこの形態は︑年金支給の標

支給形態への選択権 年金制度には特定の標準的支給形態の年金が規定されているけれども︑通常被用者は退

職に際して違った形態の支給方法を選ぶ権利を与えられている︒この場合別に保険料が付加されはしない︒また選

択的形態下に支払わるべき年金の価値は︑保険計理的に標準的形態で支給さるべき年金の価値に等しいものである︒

またこのような選択をするには︑少なくとも団体年金では健康の証明が必要である︒もっとも退職の或る一定期間

通常五年前に選択が行われているならば別である︒この選択を広い範囲で許す制度も若干あるが︑かなり制限する

ものもある︒従来において既述の年金支給形態のどれもが選択を許された︒しかし最もしばしば利用された種類は

連生生残者年金選択権と社会保障調整選択権に限られているようである︒もちろん許されている融通性は個々の場

(b) 

米国忠営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

一八

この種類は二人以

(20)

443 

(a) 

第4表 米国私営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

男子椋準的退職年金額に対する 連 生 生 残 者 選 択 権 で 支 給 の 年 金 額 の 割 合 ( 標 ・ 退 ・ 年 令65オ)

生 残 受 取 人 年 令

標 準 退 戦 年 令65オ に て 支 給 の 年 金 額 の 割 合

男 子 女 子

50 55 60 65 70  

% 

5 7 9 0 5   7 4

8 2

A

5 7 9 0   70 74

(b) 

Black, K. : ibid., p. 74 

合によって違う︒

連生生残者年金選択権

一九

早期退職の場合に利用し得る選択権は所謂﹁社

年令別に示した抜幸表である︒

この選択権が広く採用されているのは︑被用者が年金の保護を妻に延長することを望 むかも知れないと考えられているからである︒なお次の説明の標準的支給形態の年金は単生純粋終身年金である︒

いま被用者が夫で妻だけを生残受取人とした連生生残年金︵妻も夫と同一年金額を支給されるものと仮定︶を考 えてみるのに︑妻が先に死亡した場合にはこの種類を選ばないときと別に変らないが︑夫が先に死亡したときその 配偶者である妻は︑終身間夫と同一金額の年金を与えられる︒この後者の支給部分のため単生終身年金の場合と比 較してもちろんコストが別に必要となって来る︒この場合︑標準的支給形態とされたであろう単生終身年金の価値

︵或いはコスト︶は連生生残者年金のそれと保険計理上相等しくされねばならないから︑上記の必要コストは単生

終身年金の場合の年金額を減少して賄われる︒

第 4

表は上述のような仮定の下で︑単生終身年金額の標準的退職年金額 に対する連生生残者年金額の割合を︑被用者が六五オの時の生残受取人の もしも被用者がさほど長命しそうもない健康不良の状態にあるならば︑

この選択権による給付は彼に頗る価値あるものとなるかもしれない︒

なお極く稀に︑被用者が標準退職年令を超えて働き退職前に死亡する場 合に対しても︑連生生残者年金の選択について規定した制度が見られた︒

社会保障調整選択権

(21)

4

普通採用の若干の年金種類における退職年令別年金月額を第 5 表として示した︒

各場合の同上年金月額は蓄積額各一

000

ドルに対して支給される金額である︒︵注③参照︶ 3  支給諸形態における年金額例

普通採用の年金支給諸形態における年令別年金月額

(対蓄積額 1000ドル 男子被用者)*

退 年

職 令

5 5

6 0

6 5

6 6

6 7

6 8

6 9

7 0

 

証 無

9 1

6 6

6 3

8 7

1 1

3 7

6 5

. 9

5

 

4 5 6 6 7 7 7 7  

保 期

年 間 証

8 6

5 6

4 4

6 5

8 6

0 8

3 2

5 6

 

4 5 6 6 6 7 7 7  

年身

5

7 1

2 8

9 4

0 8

2 2

3 6

5 0

. 6

5  

間証年

 

4 5 5 6 6 6 6 6  

$ 

1 0

0 2

3 8

7 9

8 8

9 7

0 6

1 6

2 6

 

現 逮 金

. .  

額 返 年

・ 全 金 付

4 4 4 4 4 5 5 5

$ 

生 者

④ 残金

5 3

9 0

3 7

4 8

5 9

7 2

8 5

0 0

連 生 年

3 3 4 4 4 4 4 5

$ 

保険料率基礎:1937年標準年金表 利息 2½彩 付加保険料は総保険料の8

連生生残者年金の生残受取人の年令は各場合とも被用者よ りも5オ年少と仮定する。

McGill, D.M.: ibid., p. 57 

* 

④ 

米国私営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

だ含まれている︒ なるに至った︒しかし既契約の大多数のものにはま によって社会保障調整選択権を利用する者が少なく は

0

オを使用しなくなる傾向がみられるが︑これ なお団体年金の場合で︑普通女子の標準退職年令 が用いられている︒ る︒これ等の年金額には計算に便利なように一覧表 標準退職年金と OASI 基本年金から成るものであ るが︑この場合の六五才以後の年金とは減額された 職年金の年金額の一部を定期年金に振替えるのであ まで六五才以後と同額の年金を与えるように標準退 て平準の年金額を与えることにある︒それで六五オ どもこの権利の行使によって︑退職の全期間を通じ 退職年金は六五オまでは利用し得ないけれ OASI 会保障調整選択権﹂である︒この選択権の目的は︑

二〇

(22)

( 4 )  

( 3 )  

( 2 )  

( 1 )  

米国底営退職年金制度の基本的諸事項口︵川元︶

D . M .

  M c G

i l l :

  i b

i d . ,

 

pp. 

536 

K .  

B l a c

k :  

i b i d

. ;  

p

p.

725  

早期退職可能期間における死亡に対しても若千の制度で︑被用者の被扶養者の保護のために︑標準退職年金として六〇或

いは︱二

0

の年金月額を保証している︒この規定は被用者が五五オと六五オとの間︑すなわち早期退職が許されている期

間︵但し実際上退職する前︶における死亡日に退職したものとし︑しかも年金支給を五年或いは一

0

年間保証したもので

ある︒この規定は年金制度において寡婦年金への関心が増加して来たことを表わしている︒

( D

. M

.   M

c G i l

l "

i b i d

. ,  

p . 5 6 )  

﹁年金の購入価格と同額になるような年金月額の数﹂の金額は︑年金月額を受取った数だけ利息を考えずに︑合計したも

のであろう︒

現金返遠付年金とは前項の購入価格分割払保証付年金の特殊な湯合であって︑年金受給被用者の死亡に際して残存確定期

間の年金を一括払いするものである︒

参照

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