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(1)

縦横比の大きい垂直長方形管内の気液二相流の熱伝達

(昭和51年5月19日 原稿受付)

機械工学教室 安田嘉明        勝原哲治

(大学院)  渡辺伸一

Heat Transfer in Two−Phase Flow of Fluid of Gas and Liquid         in a Vertical Pipe of Rectallgular

        Cross−Section of Large Asp㏄t Ratio

by Yoshiaki YASUDA   Tetsuji KATSUHARA   Nobuichi WATANABE

  This paper deals with a correlation formula on the heat transfer in two−phase flow of the rnixture of gas and liquid in a vertical pipe of rectangular cross・section of large aspect ratio. The experiment has been carried out using air and water under atmospheric pressure.

  The obtained formula has go〔〕d agreement wiしh the re呂ult50f experiments for wide rangs of a5pect ratio and now rate.

 1.緒 言      五:平均ボイド率        ム。:管中心のボイド率  最近・熱交換装置に異形管内の2成分系気液二相流を    躍:丘/ム。

利用するものがあらわれ・かなり好成鞘を得ているカfそ    ロ :気体の重M流量 kg/5

の設計に必要な熱伝達に関する資料はきわめて少い・武     〃、、液体の単相流平均熱伝達係数 kcaレm2h℃

液二相流の研究が円管内の流れを中心として発展してき    1〜叩:二相流の平均熱伝達係数 kcal/m2h℃

たことを考えれば当然のことかも知れない。すでに・筆     κ1形状係数,式㈲

者らは1)・縦横比の大きい垂直長方形管内の気液二相流    N。:ヌセルト数 の流動様式と圧力損失について実験結果を発表した。つ     ,}コ:指数、式② ついて・本文は・その熱伝達に関する裏験結果を報告し    P,。:液体のブラントル数

たものである・         ♪潴数試ω  2.記号        R臣修正レイノルズ数

       1/L己:みかけの液体流速 m/S   /1:定数,式日)

  。,長方形断面の長辺の長さm    ・ ・ト11ガーレペルに設定す刷{直

  占:是方形断面の短辺の長さ m      賑,7ノ・:ブロープ先端が水面より離れたときの電圧値

  C縞数試②         ・・,漣続の1醐1に杜つく 陶流連m/s

  C :係数,式図},{51      X:ロックハルトパラメータ   ゴ,,:水力直径 m      } :α/2

  F.:フルード数=〜{∫/ノ冨      y:管壁よリプロープ先端までの距離 m   ∫宮:局所ボイド率      ガ:y/r

(2)

 β:体積流量比       図1へ実験装置の概略図を示す。装置は水系,空気系,

 γ晶γLl気体および液体の比重量 kg/m3      試験部およびボイド率測定装置より成る.水系は,容量  δ:指数,式㈲      100£の水タンク①,ラインポンプ②水流{鵡十⑤および  レ:気液混合体の動粘性係数 mコ/S         水流量調節弁③よリ成っている。空気系は,空気庄縮機  咋,レL:気体および液体の動枯性係数 mヲ5     ⑪,空気流量計⑬,空気流量調節弁⑫,⑮,流量補正用        水銀マノメータ⑪および管の長辺に千鳥型に0.7φの細 3. 実験装置および実験方法

       孔があけられた気液混合部⑯より成っている。試験部は 3・L@実験装置      図2へその断面構造を示す。長辺は厚さ10輌の銅板⑦        で同時に加熱面でもある。短辺はペークライト板②で作       10

       られており長さは700mmである。加熱法はニクロム線⑤       19。   をマイカ板⑥へ巻いて銅板を加熱するよう作られ・ニク        ロム線の外側へはマイカ板④,石こうボード③をおき,

       。O 。。。。

       さらにガラスウール断熱材,ペークライト板で押えられ       17      ている。ヒータの容量は4柵である。加熱板の壁温は④,

       息◎の部分へ0.3φのCu弍泊熱電対を銅板の巾方向,

      14       厚さ方向へ埋め込んで測定される。その数は30本であ        る。供試管路は流路断面が長辺80㎜,短辺5団田および長        辺80m,短辺15田田の二種類を用いた。管路の寸法,そ

      一回   の他を表1へ乱た。

表1供試管の賭要目

1   2    3      ロ    11       郁   類

①水タンク   ⑪空気圧縮機

②ラインープ  聰⑮空端鯛餅   断面寸法㎜

③水流量調節弁  ⑬空気流五1計

④バイパス弁   ⑪水銀マノメータ   辺 長 比α拍

⑤水流量計   ⑯気液混合部    水力π正径mm

⑥助走管   ⑰樹ド軸定麹   流路断而積㎜・

誘U駆〃一タ菖篭1鷲「プ 水漸こ1辻k・/11

⑨上部管   ⑪熱電対(出口}   空気流1 {kg/11

⑪気水分離槽      平均ボイド率

図1 実験装置概略図       一

     郁  類

v  目 1 II

α     80 80 断 面 寸 法㎜

占     5 15

辺  長  比α拍 16.0 5.33

水 力 π正 径mm 9.41 25.26

流路断而積㎜コ 400 ユ200 水 流 量kg/11 72〜1440 240〜3600 空気流1 {kg/11 0.1−−2.8 o.5〜7.o

平均ボイ ド率 0.05〜0.51 0.05〜0.54

伝 熱 面 韻Inコ 0,112 0,112

伝熱而長さmm 700 700

熱負荷kcal/m3h 3000〜23GOO 6000〜32000

      3.2. 実験方法

      図1においてタンク①内の水はポンプ②により流丑計

、 3、,、占, ㌶㌫㌶㌫綴灘璽≧

       弁を軽て流量計⑬へ導かれ,流量調節弁⑫,⑮で流量を

離工7ト板㍍㌘鵠  綻蹴のち気液齢部⑯より水中へ吹込まれる・ま

 ③石こうボード  ⑦銅  板      た,空気流量を補正するため水銀マノメータ⑪で空気圧  ④マイカ板  ⑧耐火セメント   を測る。気液混合部で気液二相流となり肋走区聞を経た     図2 艮験部断面構造         のち試験部⑦で電気加熱される。ここでの伝熱量は電気

(3)

入力から求められた。試験部から上部管⑨を経て分廷槽

⑩に達すると空気と水は分離される。管内のボイド率は

点電極法により測定された。その装置の栖成を図3に示   ≡      ・一液相 す。点電極プロープ(以下プロープと呼ぷ)、発振器②,   昌       ・一気相 抵抗③および他方電極板④を直列に配i置する。プロープ   ▲

先端を空気がおおったとき、①、④問の電気抵抗は,水

00 1 4 23   5      6

0 0

O000 000 0

OOOOO@ KC

が来たときに比べて大きくなり,抵抗の端子電圧に変化    _.時間 を生じる。検出された電圧変化はシンクロスコープ⑤で

       図4 相検出波形の例 観測される。図4は搬送波5kHzの変調によって、液相か

ら気相,さらに気相から液相へとブロープの接触が移り

変わる様子が認められる。図4より明らかなように,気    4.実験結果およびその考察 相より液相への変化は明りょうであるが、一液相より気相    4.1.予備実験結果

への変化は時問軸に対して傾斜しており、気液の境界が    二相流の実験に入る前に水の単相流における圧力損失 不明確である。このことは本m田らおよび飯田3}らにより   および熱伝達の実験を行い従来より知られた値と比較し 餌決されている。それらによると,検出電圧がぴ一〃κ)  実験装置および測定法の信頼性を確認した。レイノルズ  /(こ々一〜ノ∂=0.72 のとき,気液の境界而であること   数4×103〜5×104の範囲にわたり試験部の摩擦圧力損 から,シンクロスコープ波形より液相、気相の電圧値を   失を測定した結果より摩擦係数を算出したところ Bla・

読みとりユニパーサルカウンタ⑥のトリガーレベルを設   siusの式とよく一致した。熱流束3×10 〜2.4×10↓

定して,プロープ先端が気相中にある時間割合をn二出し   kcal/『n2hの範囲で熱伝達の実験を行いMcAdamsの式 て各点の局所ボイド率を求める。プロープは管断面の長   と比べたところ±15%の範1田内で合致した。これらのこ 辺方向へ5mm間隙でトラパースしその断而の平均ポイド   とから実験装{㍑と測定については信頼がおけるものと認 率みを求めた。プロープは直径が0.3mmのホルマル銅  め二相流の実験に入った。

線で,先端が線軸に直角に切断されたものである。試験    つぎに,ボイド率分布が熱伝達に影響を及ぼすことが 部の壁温および流休の入口,出口温度は熱電対を使用し   報告されているのでu.試験部の出入口において分布状 て求めた。       態を測定した。図5は,気ほう流領域における長辺方向        のボイド率分布を示したものである。縦横比のあまリ大       きくない長方形管では佐藤5)の実験があり,これでも短        辺方向にはするどいくら形分布をしているが艮辺方向に        3  5     6     はそれほどのするどさはない。比較的よく似ている。図       6は、スラグ流領域のボイド率分布である。

      4.2.熱伝達係数および係数比

      図7は、ダクト1で得られた熱伝達係数と空気流量の        関係でパラメータには水流II(がとられている。図8は,

       二相流の熱伝達係数と単相流のそれとθ)比と平均ボイド        率の関係をとった1例でこれも水流111二をパラメータとし

  8麟㌫プぽ跳㌧プ ている.いずれも肺・場合と燃櫃示している・

  ③可変抵抗器  ⑥ユニパーサルヵウンタ   4.3.ロックハルトパラメータによる整理

      従来、2成分系気液二相流では熱伝達{系数比を次の形

       図3点聴法繊図    式で蜘したもの纏い。

完一A(±y      (1)

(4)

 図9は,熱伝達係数比とロックハルトパラメータの関   相流の実験を行い,いすれの断而の管についても共通的 係をとったものである。それぞれの管についてはこの方   に適用できる整理式を求めたことがある。川その ポ導に 法による整理が可能であることがわかる。Aおよび♪の   あたって,まず,気液二相流においてもDittusBoelter形 値は,円管に対しては多くの実験値により示されている   の整理式克成り立つこと.液体が伝熱の主媒体であると が実験条件によりかなりの差異があることが知られてい   仮定し水力直径ぬをもった円管におきかえて考えると る.が▲また,遼者のひとりか異形断面管内の気液二相流   次の式が導ける。

の熱伝達を求めた実験の報告では式ωによる整理は個々     ∧㌧/P雷二αf吋m〔(1_τ,)。・5∫〜:㌍      ② の管に対しては可能であるがすべての管に対して共通的    ただし

に用いることは困雅であることも明らかにされてい     ノ?:=H払/p

る㌔)図9においても空気流品ごとに整然としているが,        .ん古  ローみ)九       レ=一りぱ十      PL 断面の縦横比が違ってくるとAもPも値を異にするため        γ    γ この方法では統一的な整理はしにくい。      平均比重趾γは

4.4.強蹴流形式によ確理      ・=五・・斗{トム)・・

 筆者のひとりは,異形断面をもつ垂直菅路内の気液二   である。

1.5

1.0

苦m

0.5

fロ=0.125 白=0・206 VLO=O・15

ロ  fg=O・04  日=0・07  VLO=0・50

fg=0・04 0=0.04 VLO=0・75

fg=0.029 B;0・037 VLO=1・0

0      0.5      1・0 0      〔15      1・O O      O・5      1・00      05      1.O

      y*

図5{n)ボイド率分布(気ほう流)

1.5

1.0

苦σ1

 0・5

0

fg=0.09 n=0・265 VLO=01167

fロ=0・13 日=0・167 VLO=0・3058

fg=0・09 白=0・107 VLO=O・50

fg=0・05 白 =0・067 VLO=0・833

0       0.5      1.O O       O−5      1・0 0       σ5      1.0  0       0・5      1・O

       y*

       図5(b) ボイド率分・布{気,ほう流)

(5)

1.0

       o

  O5 f,・0.45  。f,・0.40  f、・0.36

        日= 0・911        0=0・774        白=0・63         VLo=0・05        VLo=0・15         VLo=0・30    0

   0      0・5     1・00      0・5     1,0 0      0.5     1.0 苦印

  1.0

0 5 @f、・0・31  f、・0.3・  ㌔・0.31

      「〕=0・509        B=0・406        自=0・339       VLo=0・50         VLo=0・75      VLo=1、0  0

 0      0・5     1・00      0.5     1.0 0      0.5     1.O       y*

      図6何ボイド率分布(スラグ流)

1.0

  0・5

         fg=σ36        fg=0・28        fg=0・30          日=0・818         0=0・603         「ヨ=0・453          VLo=0・0556        VLo=0・1667        VLo=O.3058

廿口0噂一@  〇      〇.5      1・00      【〕」5     1・00      0・5     1・0

  1.0

0.5      fg=0・28        0  fg=0・245       白=0・336       白=0,260       VLO=0・50       VLO=0・833  0

 0   0・5   1・00   0・5 *1・O

      y      .      図6ω ポイド串分布(スラグ流)

(6)

10x10

3

5貰t㎡

key water 0  1.21 min

 3P0 ●  3.6

Duct I △  7.2

」 12.0 ロ 24、0

t㎡

o o

0

 10

\5

1

 10

』5

1{岬

D凹ctI o O聾  1 rnin

ヨ10

邑oo

口.ヨo

・    轟      △ 口.50

コ屯.60

o  ▲

       1

1       5  10       5  10

       x     図9(a)熱伝連係数比

0      5     10瓦1♂

       

      GG kg∫5       1      5  10   x 5  102   図7 ダクト1の平均熱伝違係数       図9㈲ 熱伝達係数比

15

10

 仕

5

 測定データより凡/PFi∫と (1一九)° 5R:の関係をと ると図10のようになる。ダクトLIIともほぽ0.25の 勾配であるので円やその他の断面の管と同じくm

=025とおける,形状係数の定義より∫ζを求めると次の ようになる。

5

 1『

苫ご

〜5

κニ i丁+÷+2)/・     (3}

      10

       ニ      へ       ま        2    5   10       5   10       5   10       ロさ

       11一も)』

      図101VμψPr㌍と〔1−rρ)・・5Rゼ 1

 0    0・2   0・4    0・6    0・8    1・0

       ち      C の決定にあたっても文献8)と伺L方法をとれば

      図8占硫〜「σ      c=σ㈲8      ω

(7)

式(4)を式(2)に代入し ,π=0.25とおくと      =一一〇・75を得る.したがって式(5)は・

  毒=σκ一㈲㌔一五P・125R:一  ∧㌔=°・°°93ぽ 三5( 一九野』1田ぽ7 P:ご〔6]

       これは,非円形断面に共通する式と同じである.8ぽた,

すなわち       次の近似式も同様で式㈲に最大数パーセントの誤差を許

   ∫㍗一。一謬w・・P悟=σ閨 ㈲す端・

図11は,N。/κ・ (1一ヱ。}・−R:一踏・と鵬   N・=°・°°93尺:F 『:4  {7)

の実験値の関係をとったものである。ただし,図中には   この式は,縦描比の影響を含んでいない。換言すれば気 ダクト1およびII以外の長方形管や環状管の実験値も参   液二相流の熱伝達では縦横比の影響はきわめて小さいこ 考のため入れておいた。この結果よりC =0・0093,δ    とになる。

6

  4

白ゴ

d聾Φ

鵠  2

Ll三

ミミ10

呈8

6

4

2

Key  Duct    dh(mm)0    80−5     9・41

怐@  80−15   25・26

「   16・8−14    15.2

」    44−15    22・4 香@ 64φ_20ぱ 44.0

▲▲

▲ ●

△iL

165 2  4 681♂  2  4 681♂

      Fr声e*

         図11∫Vロμfmコ5〔1− ロ)σ川丑e・n・:5Pr呈・・と」Fr/R♂

 4・5.適用阻界       式固または式(7}の適用限界は筆者のひとりがすでに示  レイノルズ数が大きくなると式{6}あるいは式{7}から計   した方法と全く同じで求まり結果もまた同様となるピ 。 算される熱伝達係数は単相流における式よりも小さな値

      5.結言 となる。実験によるとこのような場合には単相流におけ

る式から計算された値をとる。それ故いかなるレイノル    長辺x短辺が80田阻x5田田,80mmXl5m固の2種の垂ir[

ズ数に対しても式(6〕あるいは式(7〕から計算した熱伝達係   長方形管内に空気と水の混合体を流し平均ボイド率0、

数と単相流に対する式から計算したそれとを比較しその   04〜0.54,鮎負荷3.000〜32,000kcal/m:hの範囲で熱伝 うち大きい値を用いればよい。       達の実験を行い次の結果を得た。

(8)

 (1}熱伝達係数および係数比に及ぽす気体流量の影響   を給わったこと,研究費の一部は文部省科学研究費に は定性的には円管の場合とほぼ同じである。       よったことなど併せて謝意を表したい。

 〔2}熱伝達係数比をロックハルトパラメータにより整       文     献

理する方法は個々の管に対してはよくまとまるが,縦横   1)勝原,安田.第12回日本伝熱シンポジウム講液晶文集(昭 比が異なる管に対する統一的表現はむつかしい。      50−5)・125・

{3酬対流形式による臓行った結果.式〔6}を得:濃、驚名二蒜鷲慧籔%三〔鵠:封1

た。また,これときわめて近似する式(7)も得た。      2.

      4)中里見ほか3名,日本機械学会九州支部講浪歯文集,No,

      758−1 (ll召50−3), 69,

 本研究中・ボイド率の剛定には九大世古ロ教授の開発   5)佐膳.学位描文(昭49_12).

された点電極法を使用した。使用に際しては同教授より   6)世古ロ.機械の研究,21−1{昭44−1).140.

種々御厚意を給わ!〕,また,熊大佐藤助教授からは使用   7)植田・日本機械学会誌・74−6四(ll凸46−5)・523・

      8)勝原,九工大研究報告.31{昭50−9),35,

上の注意もいただき深謝します。実験にあた!}矢治正剛,

梅ケ谷実行両君の協力を得たこと,増岡助教授より討論

参照

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