〒 3 8 0- 0 8 3 7 長 野 市 大 字 南 長 野 字 幅 下 667-6 長 野 県 土 木 セ ン タ ー 内 電 話 026-235-3510 F A X 026-235-3583 平成29年度第2回普及技術検討会(2月28日開催) で、植物防疫に関して20課題の技術が普及に移され る予定となった(普及技術、試行技術が各1課題、 技術情報、農薬情報が各9課題)。本稿では、普及 技術、試行技術、技術情報の要約と、農薬情報につ いては技術の概略を紹介する。詳細は長野県公式 ホームページ(http://www.pref.nagano.lg.jp/nogi/ sangyo/nogyo/gijutsu/fukyugijutsutop.html)あるい は農業関係試験場公式ホームページ(https://www. agries-nagano.jp/)に掲載されるので確認していた だきたい。 1 普及技術 ■キャベツ、はくさいの黒斑細菌病に対する無機銅 剤と微生物農薬マスタピース水和剤による効果的な 防除体系 (要約)キャベツ黒斑細菌病およびハクサイ黒斑細 菌病の防除にマスタピース水和剤の1,000倍液を散 布する。マスタピース水和剤は、無機銅剤との体系 防除に用いるとより効果的に黒斑細菌病を防除でき る。 2 試行技術 ■カーネーションのハダニ類防除にUV-B照射が有 効である ( 要 約 )UV-B電 球 形 蛍 光 灯( パ ナ ソ ニ ッ ク 製 SPWD24UB1PB)を用いたUV-B照射は、カーネー ションのハダニ類防除に有効である。カーネーショ ンの草丈や節数がやや減少し、出蕾および開花時期 が若干早まるが、葉焼け等の生理障害は発生せず、 切り花品質に重要な影響は認められない。 3 技術情報 ■水稲「あきたこまち」のいもち病(葉いもち)に 対する感受性の高まる葉色の目安 (要約)水稲「あきたこまち」のいもち病(葉いも ち)に対する感受性はカラースケール値で4.5前後、 葉緑素計SPAD値では40前後を境に高まる傾向が見 られる。「あきたこまち」は「コシヒカリ」より、 いもち病(葉いもち)の感受性が高まる葉色が濃い。 ■長野県におけるリンゴ黒星病に対するDMI剤の防 除効果 (要約)リンゴ黒星病防除に使用されている主な DMI剤の防除効果は現時点(平成29年)で低下して おらず、従来と同様の高い効果が得られている。 DMI剤の一つであるフェナリモルに対しては感受性 低下の兆候が認められるため、感受性低下が進行し ないよう、DMI剤の使用を年2回以内とする。 ■総降水量・降雨強度が殺菌剤の防除効果に及ぼす 影響 (要約)総降水量・降雨強度の増加に伴い、殺菌剤 の防除効果が低下する。気象変動によって集中豪雨 の出現頻度が高まった場合、農薬の防除効果が不安 定になることが危惧される。 ■草生管理がりんご樹におけるナミハダニの発生に 及ぼす影響 (要約)全面草生管理にすると、りんご樹のナミハ ダニの密度が抑制される傾向がある。 ■ももに発生するアザミウマ類の種および果実上で の発生時期 (要約)もも園内で飛翔するアザミウマおよび新梢、 果実に寄生するアザミウマは多種存在するが、果実 に寄生する種はミカンキイロアザミウマが主体であ る。果実上でのミカンキイロアザミウマは、無袋栽 培では成虫が着色始期頃から果実へ寄生し、収穫期 にかけて幼虫が増加する。有袋栽培では除袋後に成 虫の寄生が認められる。 ■輪作によるレタスすそ枯病の発病軽減 (要約)秋作におけるレタスすそ枯病は、春作にレ タスを連作すると発生も増加し、ニンジン、マリー ◇新しく普及に移す見込みの農業技術 1 ◇話題の病害虫(ブドウ黒とう病) 4 ◇話題の病害虫(モモうどんこ病) 5 ◇話題の病害虫(クビアカツヤカミキリ) 6 ◇話題の病害虫 (畑わさびの病害虫(ナトビハムシ、墨入病)) 7 ◇話題の農薬 「畦畔管理に利用できるダイロン+ザクサ液剤」 8 ◇話題の農薬「ゾーベニックエニケード」 9 ◇植防短信10 ◇地域情報11 ◇協会だより12 目 次 一般社団法人
長野県植物防疫協会
新しく普及に移す
見込みの農業技術
農業技術課 副主任専門技術員 近藤賢一ゴールド等を輪作すると発生が軽減される。輪作作 物によっても発病軽減効果に差がある。 ■施設栽培カラーピーマンにおける高輝度LED防除 器(レピガードシャイン)の設置によるオオタバコ ガの被害軽減効果 (要約)栽培施設カラーピーマンにおいて、高輝度 LED防除器(レピガードシャイン)を全ての頂芽部 が2ルクス以上になるよう設置(100㎡当たり3~ 4灯)し、オオタバコガ成虫発生期の日没前から日 の出後まで点灯すると、オオタバコガ幼虫による被 害を軽減できる。 ■不織布を用いたレタスの被覆栽培によるチョウ目 害虫の被害軽減効果 (要約)レタス定植直後から収穫2週間前まで、春 作レタスでは不織布のべたがけ(じかがけ)被覆、 夏秋作レタスでは支柱を用いた浮きがけ被覆を行う ことで、チョウ目害虫による被害を軽減できる。 ■露地ぶどう棚の上部に約2.5m間隔で黒色極細ス テンレスワイヤ(カラスハイレマ線)を格子状に張 ることでカラスの被害が防止できる (要約)露地ぶどう棚の上部の枝や葉に触れない高 さにグラスファイバー製のポール(管径10.5㎜)を 使用し、約2.5、m間隔で格子状に黒色極細ステン レスワイヤ(線径0.3㎜)を張ることでカラスの被 害が防止できる。 4 農薬情報 【殺菌剤関係】 ■イネいもち病(穂いもち)防除にトルプロカルブ 粒剤が有効である 現在、イネいもち病に対する防除は苗箱施薬剤処 理を基本とし、多発時には本田で追加防除を行うこ ととしている。今回、本田での追加防除薬剤として、 新規有効成分トルプロカルブを含む水面施薬剤の効 果を検討し、有効性が認められたことから農薬情報 とした。 ○いもち病(穂いもち)を対象として、トルプロカ ルブ粒剤を出穂15日前頃に10aあたり3kg散布す る。葉いもちの上位葉への進展抑制効果もある。 ◯作用機構を示すFRACコードは「16.3」注1)。 ・トルプロカルブ粒剤には、サンブラス粒剤とゴウ ケツ粒剤がある。 ・耐性菌の出現を回避するため、種子生産ほ場での 使用は控える。またトルプロカルブを含む薬剤の 使用は年1回とし、体系防除を行う場合は作用機 作の異なる薬剤を用いる。 ・本剤の処理は、湛水状態(水深3~5㎝)で均一 に散布し、散布後は少なくとも4~5日は湛水状 態を保ち、田面を露出させない。また散布後7日 間は落水およびかけ流しをしない。 ■イネ紋枯病防除にフラメトピル含有箱粒剤、チフ ルザミド含有箱粒剤が有効である 近年、県内ではイネ紋枯病の発生が増加しており、 減収や品質低下の一因となっていると考えられる。 従来、本病の防除は本田処理剤が中心であり、散布 労力がかかることが課題であった。近年、紋枯病を 対象とした苗箱施薬剤が開発されており、2種薬剤 の効果を検討し、有効性が認められたことから農薬 情報とした。 ◯フラメトピル含有箱粒剤またはチフルザミド含有 箱粒剤を移植当日に箱あたり50g散布する。 ◯作用機構を示すFRACコードは、フラメトピル、 チフルザミドとも「7」。 ・育苗箱の上から均一に散布し、葉に付着した薬剤 を払い落とし、軽く散水して田植機にかける。 ・フラメトピルまたはチフルザミドを含有し、紋枯 病に登録があり移植当日処理が可能な薬剤として それぞれ複数の商品がある。 ■イネ苗立枯病(ピシウム菌)防除にナエファイン フロアブル、ナエファイン粉剤が有効である 本県では、育苗期が低温の時期にあたる場合が多 く、低温によって発生が助長される苗立枯病(ピシ ウム菌)が重要病害になっている。本病の基幹防除 薬剤であるタチガレエース液剤、粉剤の有効成分で あるメタラキシルMに対する薬剤耐性菌が県下で確 認され、防除効果が低下する事例がみられている。 そこで新規有効成分薬剤の効果を検討し、有効性が 認められたことから農薬情報とした。 ◯ナエファインフロアブルの2,000倍液を箱あたり 1L播種時に潅注する。または、ナエファイン粉剤 を箱あたり8g、播種前に育苗箱土壌に混和する。 ○作用機構を示すFRACコードは、「U17」。 ・イネ苗立枯病は、糸状菌が関与する育苗期の苗立 ち枯れ症状の総称である。県内ではピシウム菌に よる緑化期以降の急性萎凋症状が主に問題になっ ている。 ・ピシウム菌による苗立枯病は、本葉1~2葉期に 発生しやすく、7℃以下の低温に遭遇すると発生 が助長される。 ■アスパラガス茎枯病防除にムッシュボルドー DF が有効である アスパラガス茎枯病は露地アスパラガス栽培にお ける重要病害である。本病の防除では、保護殺菌剤 を主体に種々の作用機構の薬剤によりローテーショ ンで防除を行うことが基本となっている。保護殺菌 剤である銅水和剤の一つムッシュボルドー DFにつ いて防除効果を検討し、有効性が認められたことか ら農薬情報とした。 ○ムッシュボルドー DFの500倍液を散布する。 ◯作用機構を示すFRACコードは、「M1」。 ・連用すると薬害を生じる恐れがある。薬害軽減の ためクレフノン200倍を加用する。 ・水産動植物(魚類)に対する影響あり注2)。
■ハクサイ白さび病防除にシグナムWDGが有効で ある 本県の夏秋期のハクサイ栽培において、白さび病 の発生が問題になっている。防除薬剤を拡充するた めシグナムWDGの効果を検討し、有効性が認めら れたことから農薬情報とした。 ◯シグナムWDGの1,500倍液を散布する。 ◯本剤は混合剤であり、作用機構を示すFRACコー ドは、ピラクロストロビンが「11」、ボスカリドが「7」。 ・発病前からの予防的散布を徹底する。 ・薬剤耐性菌の出現を回避するため、連用は避け、 異なる作用機作の薬剤をローテーションで使用す る。 ・水産動植物(魚類、甲殻類、藻類)、蚕に対する 影響あり。 ■ハクサイベと病防除にピシロックフロアブルが有 効である ハクサイべと病は、本県の初夏~夏季におけるハ クサイ生産の生産阻害要因になっている。防除薬剤 を拡充するため、新規有効成分剤であるピシロック フロアブルの効果を検討し、有効性が認められたこ とから農薬情報とした。 ○ピシロックフロアブルの1,000倍液を散布する。 ◯作用機構を示すFRACコードは「U17」。 ・はくさいの黄芯系品種では本病にかかりやすいも のがある。耕種的対策として品種選定も重要であ る。 ・発病前からの予防的散布を徹底する。 ・薬剤耐性菌の出現を回避するため、連用は避け、 異なる作用機構の薬剤をローテーションで使用す る。 ■ブロッコリー黒腐病防除にオリゼメート顆粒水和 剤が有効である ブロッコリー黒腐病は外葉形成期に発生し、出荷 部位の花雷にも発病するため、重要病害となってい る。本病は細菌性病害であり、防除薬剤の拡充が求 められている。抵抗性誘導剤であるオリゼメート顆 粒水和剤の効果を検討し、有効性が認められたこと から農薬情報とした。 ○オリゼメート顆粒水和剤の100倍液を定植時にセ ルトレイ1枚あたり0.5Lの割合で潅注処理する。 ○作用機構を示すIRACコードは、「P02」。 ・本剤の有効成分は直接的な殺菌作用を示さない。 本剤は、植物体の病害抵抗性を誘導する作用機構 を持つ。 ・有効成分を培土に十分吸収させるため、薬剤処理 直前および直後の潅水は避ける。 ・水産動植物(魚類、甲殻類、藻類)、蚕に対する 影響あり。 ■レタスまたは非結球レタスのべと病防除にピシロ ックフロアブルまたはレーバスフロアブルが有効で ある 近年、県内の主要レタス産地においてべと病の発 生が増加傾向にあり問題になっている。非結球レタ スにおいては登録薬剤が少なく、また、本病は薬剤 耐性菌の出現リスクが高いことから、作用機構の異 なる薬剤が求められている。ピシロックフロアブル およびレーバスフロアブルの効果を検討し、有効性 が認められたことから農薬情報とした。 ○レタスまたは非結球レタスのべと病防除にピシロ ックフロアブルの1,000倍液またはレーバスフロア ブルの2,000倍液を散布する。 ○ 作 用 機 構 を 示 すIRACコ ー ド は、 ピ シ ロ ッ ク が 「U17」、レーバスが「40」。 ・レタスべと病に対して、品種の感受性差異が認め られている(平成26年度第2回、平成28年度第2 回技術情報)。耕種的防除法として品種選定も重 要である。 ・発病前からの予防的散布を徹底する。 ・薬剤耐性菌の出現を回避するため、連用は避け、 異なる作用機構の薬剤をローテーションで使用す る。 【殺虫剤関係】 ■キャベツのアブラムシ類防除にトランスフォーム フロアブルが有効である キャベツ栽培においてアブラムシ類は、出荷物へ の異物(虫体)混入、すす病の発生の原因となるた め重要害虫となっている。また、薬剤抵抗性の発達 が問題になることから、効果が高く、従来剤とは作 用機構の異なる薬剤の拡充が求められている。新規 有効成分剤であるトランスフォームフロアブルの効 果を検討し、有効性が認められたことから農薬情報 とした。 ◯トランスフォームフロアブルの2,000倍液を散布 する。 ◯作用機構を示すFRACコードは「4」。 ・本剤の効果は即効的であり、アブラムシ類は速や かに死亡する。 ・蚕、ミツバチに対する影響あり。 注 1) 本 文 中 のFRACコ ー ド、IRACコ ー ド と は FRAC(殺菌剤耐性菌対策委員会)またはIRAC (殺虫剤抵抗性対策委員会)が定める殺菌剤ま たは殺虫剤の作用機構による分類である。殺菌 剤、殺虫剤それぞれの中での同じコードは、同 じ作用機構を示す。詳しくは長野県病害虫・雑 草防除基準または農薬工業会のウェブサイトを 参照する。 注2)紙面の都合上、薬剤の蚕、水産動植物、ミツ バチ等に対する注意事項は省略して記載した。 使用にあたっては農薬ラベル等を十分確認する こと。
ブドウ黒とう病の発生は、主要品種の「巨峰」や 「ピオーネ」で少ないため、長野県内では近年問題 となっていなかった。しかし近年栽培面積が急増し ている「シャインマスカット」や欧州系ブドウ品種 は本病に弱く、昨年は7月上中旬に「シャインマス カット」栽培圃場でブドウ黒とう病の発生が散見さ れ、問題となった。昨年は梅雨期が冷涼多雨で、こ れにより本病が感染好適となり発生を助長したと推 察される。 1 発生生態 ブドウ黒とう病はカビの一種Elsinoë ampelinaに よって引き起こされる病害である。果粒をはじめ(図 1、2)、穂柄、穂軸、葉(図3)、若い枝(図4)、 巻ひげ(図5)など、若い組織であればほとんどの 部位に発病する。葉での病斑はつる割病と類似する が、つる割病の病斑はやや小さく、条線状に隆起す る一方、黒とう病の病斑は主脈や葉脈部に沿って発 生することと、中心部に亀裂を生じて穴があくこと で区別できる。病原菌は枝や巻きひげなどの病斑内 で越冬しており、翌春に降雨があると病斑上に多量
ブドウ黒とう病
長野県果樹試験場 横澤志織話題の病害虫
話題の病害虫
図1 果粒での初期の発病 図2 果粒での発病 図3 葉での発病 図4 若い枝での発病 の胞子を形成・飛散 し、新梢や果房など に感染する。枝病斑 は3年以上伝染源と して機能する。春季 の多雨と、梅雨期の 冷涼多雨によって多 発しやすい。夏の高 温乾燥期以降はぶど うの抵抗性が増加す るため、新たな発病 はみられなくなる。 2 防除対策 新植する際は無病 苗を定植する。伝染 源となる枝病斑や巻ひげは見つけ次第必ずせん除す る。重要防除時期は発芽前から開花直前で、発芽前 の防除薬剤ではデランフロアブルの効果が高い。他 県ではベンレート水和剤に対する薬剤耐性菌の発生 が報告されているため、薬剤選択には注意が必要で ある。また、展葉2~3枚頃にも薬剤散布を実施す ると防除効果が高いことが報告されている。落花期 以降は慣行防除で対応できるため、散布間隔があき すぎないように注意する。 注 :記載されている農薬は平成30年2月22日現在の 登録条件によるので、使用にあたってはその時点 での登録内容を必ず確認して使用する。 図5 巻きひげでの発病ら、主要な伝染源はうどんこ病発生りんご樹である と推察される。平成29年の試験では、うどんこ病発 生りんご樹から約200mの距離まで、ももに本症状 が発生が認められた。 2 防除対策 重要防除時期は果実への感染が生じる落花期~落 花20日後で、特に落花10日後に治療効果の高い殺菌 剤を散布すると高い防除効果が得られる。平成28・ 29年の試験の結果、ストロビードライフロアブルと ナリアWDGの効果が落花10日後1回の散布でも十 分高かったことから、この2剤を県防除基準に採用 した。ストロビードライフロアブルはQoI剤(FRAC コ ー ド11)、 ナ リ アWDGはQoI剤 とSDHI剤(FRAC コード7)の混合剤である。ももの主要病害に対す る耐性菌の出現を防ぐために、モモうどんこ病対 象のQoI剤の使用は1回とし、ももの作期を通じて QoI剤、SDHI剤の使用は年2回以内に留める。 前述の通り、本症状の主要な伝染源はうどんこ病 発生りんご樹であると考えられることから、本症状 の発生が多い地域ではリンゴうどんこ病防除の徹底 をお願いしたい。 注:記載されている農薬は平成30年2月22日現在の 登録条件によるので、使用にあたってはその時点 での登録内容を必ず確認して使用する。 従来、日本国内のモモうどんこ病の病原菌として は、果実に白色病斑を生じるP. pannosa (Wallroth) de Baryと、葉に寄生するP. tridactyla (Wallroth) de Baryの2種が報告されていた。しかし平成28年に、 長野県内のもも産地で問題となっていたもも果実の 褐色斑点症状(通称:毛じ障害)が、リンゴうどん こ病の病原菌でもあるPodosphaera leucotricha (Ellis & Everhart) E.S. Salmon(以下リンゴうどんこ病菌) によって引き起こされることが明らかとなり、平成 29年に本菌がモモうどんこ病の病原として追加され た。これにより、モモうどんこ病に既登録の薬剤が 本症状に対しても使用可能となったことから、高い 防除効果が認められた2剤を県防除基準に採用し た。本稿では、このリンゴうどんこ病菌によるモモ うどんこ病の発生生態と防除対策について記載する。 1 発生生態 果実へは落花期~落花20日後頃に感染し、それ以 降の感染はみられない。約2週間の潜伏期間の後に 発病し、初期感染では褐色で大型の病斑を生じるが (図1)、後期感染では淡褐色の病斑となりあまり 目立たない(図2)。発病は落花15日後頃より認め られ、落花50日後(袋かけ時)以降は新たな発病は 少ない。収穫期には着色によってほとんど目立たな くなるものもある一方、毛じが脱落しサビ症状を呈 するものもある(図3)。 本症状の発生には品種間差異があり、「なつっこ」、 「あかつき」で特に発生が多く、「あぶくま」、「なつき」 でも発病する。「白鳳」、「川中島白桃」、「紅晩夏」、 「だて白桃」、「白根白桃」ではほとんど発病しない。 本症状はモモ病斑上に分生子を形成しないこと と、うどんこ病発生りんご園に隣接するもも園で特 に被害が深刻であること、長野県や福島県など、も もとりんごが混在する地域に発生が限られることか
モモうどんこ病
長野県果樹試験場 横澤志織 図1 落花期~落花5日後の暴露により生じた病斑 (平成28年5月31日撮影(落花39日後)果樹試験場) 図3 収穫前の果実における発病 (平成29年7月26日撮影、果樹試験場) 図2 落花14~20日後の暴露により生じた病斑 (平成28年5月31日撮影(落花39日後)果樹試験場)クビアカツヤカミキリは中国大陸原産の外来種 で、ドイツ、イタリア、中国、日本、韓国、北朝鮮、 モンゴル、台湾、ベトナム等で被害の報告があるよ うです。 中国では、主要な寄主植物としてサクラ属植物(モ モ、アンズ、セイヨウスモモ、セイヨウミザクラ) などが記載されています。 国内では平成24年に初めて愛知県で被害が確認さ れました。昨年までに7都府県のサクラ、ウメ、モ モ、スモモで被害が確認されています。 1 被害と生態 長野県での発生は、確認されていませんが(平成 29年8月現在)、幼虫がサクラ、ウメ、モモ、スモ モなどの生木に穿孔・加害し、枯死させます。被害 木は次第に樹勢が衰え、枯死にいたるた め、果樹農家にとって脅威となります。 幼虫は食入口の外に荒挽きの挽肉状につ ながったフラス(木屑と糞が混ざったも の)を大量に排出するので(図1)、幼 虫の加害木を探す時の目印になります。 コスカシバのフラスはクビアカツヤカ ミキリのものに比べ量が少ない上、糞の 割合が多く、全般に赤黒く見えるので識 別は容易です。 クビアカツヤカミキリの成虫の体長 は、約23~37mm。全体的に光沢のある 黒色で、首(前胸背)が赤く目立つので、 他のカミキリ類との区別は比較的容易で す(図2)。 2 発生生態 ⑴ 卵 幹や主枝の樹皮の割れ目などに産卵さ れます。色は白色で、形は長径約6~7 ミリの楕円形です。産卵から8~9日後 にふ化します。 ⑵ 幼虫・蛹 幼虫は、樹木内で2~4年かけて成長
クビアカツヤカミキリ
病害虫防除所 嵯峨裕之 して蛹になります。関東地方での観察例では夏から 秋にかけて老熟幼虫が、脱出孔を作った後で木の内 部に蛹室を作り、その中で蛹になります。 ⑶ 成虫 蛹になった翌年の6月中旬~8月上旬頃、成虫が 羽化します。成虫の活動は特に午後、活発になるこ とが観察されています。成虫は樹上をすばやく動き、 交尾産卵します。 3 その他 ウメ、モモ、スモモなどでクビアカツヤカミキリ らしい成虫やフラスが出ている木を見つけたら、最 寄りの普及センターか病害虫防除所に相談してくだ さい。 なお、農業に悪影響を与える恐れがある国外由来 の種であるため、昨年11月21日に「特定外来生物」 に指定されました。この昆虫を生きたまま発生場所 から移動することはできません。 図1 被害木(サクラ)の根元にたまったフラス 図2 クビアカツヤカミキリ成虫畑わさびは、夏に冷涼で湿気の多い畑地で栽培さ れ、県内では長野市西部の西山地域や大北地域にお いて生産振興が図られている品目である。マイナー 品目であることから、登録農薬が少なく、防除に苦慮 する場面もみられる。本稿では、畑わさびの主要病 害虫であるナトビハムシと墨入病について紹介する。
1 ナトビハムシ(ハムシ科)
野菜花き試験場環境部 金子政夫 ナトビハムシの幼虫は茎葉部に食入して加害(写 真1)し、成虫は葉を食害するため(写真2)、一 旦発生すると被害が甚大となる害虫である。 ナトビハムシは成虫態で越冬し、成虫は春先と夏 の年2回発生する。成虫は春先の雪解け後に活動を 開始し、花茎や葉柄に産卵するとされる。ふ化幼虫 は速やかに茎内に食入し、黒色で線状の食害痕が生 じるため商品化率が著しく低下する。春先の産卵期 (越冬成虫発生期)の防除が重要と推測されるが、畑わさびの病害虫
成虫の発生期間が長いため、1回の薬剤散布で被害 を完全に抑えることは困難と考えられる。現在、登 録薬剤の効果的な散布時期について検討しており、 防除適期が明らかとなり次第、情報を提供したい。2 墨入病
野菜花き試験場環境部 清水時哉 本病は糸状菌による病害で、島根県で初めて発 見され、昭和8年に病名を墨入病、学名をPhoma wasabiaeと命名されている。 病徴と診断:葉、葉柄、花軸、根茎、根と病気自 体は幅広い部位に発生するが、根茎に発生すると商 品価値が著しく低下するため大きな問題となる。根 茎では初め表面に不整形の黒色斑点ができ、やがて 黒変は根茎表面を取り巻く。この頃になると黒変は 内部の維管束に及ぶため、すり下ろすと黒変組織が 混ざるために商品価値が低下する。葉では黒褐色の 小斑点を形成し、次第に拡大して黒褐色をしたやや 丸みを帯びた不整形の病斑となり、多湿時には病斑 上に小粒点(柄子殻)を形成する。 発生生態:古くから認められている病害であるが、 その発生生態は不明な点が多い。水わさび、畑わ さびを問わず、全国のわさび栽培圃場ではごく普 通に発生していると考えられる。昨年も県内の水 わさびで秋に発生が認められた。根部表面に出来 た傷口から病原菌は侵入することが多いと考えら れ、病斑上に形成された柄子殻から雨水の飛沫等 により胞子が飛散し、葉や葉柄にも感染すると考 えられている。実生栽培では種子伝染し、株分け 苗の場合は、親株から感染することが多い。梅雨 期、秋雨期に発生は増加するが、根茎の被害は夏 季を経過すると急激に増加することが多い。なお、 病斑部が墨のように黒変するのは、病原菌が出す 酵素により植物組織内にメラニン色素が形成され るためと考えられている。 防除:畑わさびでは、ロブラール水和剤による定植 時の苗浸漬で唯一の登録がある。耕種的防除とし ては、無病の実生苗または培養苗を用いる。株分 け苗を用いる場合も、無病の親株から苗を取る。 収穫後は発病茎葉等残渣を残さないなどの圃場衛 生を徹底する。 本病についての詳しい情報は、島根県のホームペ ージ(http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/ gijutsu/nougyo_tech/byougaityuu/byougaityuu-index/wasabi/wa099.html)に病徴写真等掲載され ているので参照して欲しい。 写真1 ナトビハムシ幼虫による茎部の食害痕 写真2 ナトビハムシ成虫(体長3mm内外)と葉の食害痕1 はじめに 生産者の高齢化や規模拡大に伴い、畦畔管理の省 力化が求められています。本稿では土壌処理除草剤 ダイロンゾルと茎葉処理除草剤ザクサ液剤を用いた 省力的な畦畔管理技術についてご紹介します。 2 ダイロンゾルおよびザクサ液剤の特長 ⑴ ダイロンゾルの特長 ・土壌表層に処理層を形成し、広葉やイネ科の一年 生雑草の発生を長期間抑制します。 ・雑草発生前から雑草発生始期の処理により、高い 効果を発揮します。 ・ゾル化により水和剤と比較して薬剤の調製が容易 になり、且つ除草効果が向上しました。 ⑵ ザクサ液剤の特長 ・一年生および多年生の幅広い草種に対して速やか に効果を発揮する茎葉処理除草剤です。 ・雑草の茎葉部から吸収され、根までは枯らさない ため、畦畔を崩しにくい除草剤です。 ・速やかに植物体内に移行するので、散布1時間後 程度であれば降雨があっても除草効果に対する影 響はほとんどありません。 ⑶ 混用散布による相加効果 この2剤を混用散布することにより、1度の散布 で雑草を速やかに枯らし、長期にわたって雑草の発 生を抑制することが出来ます。 3 ダイロンゾル+ザクサ液剤のメリット ダイロンゾルとザクサ液剤を混用散布することに より以下のようなメリットが期待できます。 ① 除草作業回数および除草コストの低減 ダイロンゾルとザクサ液剤の混用散布により、雑 草の発生を長期間抑えることが出来ます。その結果、 畦畔を管理する上で必要な除草作業回数および除草 にかかる労力・費用の大幅な低減が可能です。 ② 斑点米カメムシ対策にも有効 斑点米カメムシ類の主要種となっているアカスジ カスミカメやアカヒゲホソミドリカスミカメは、主 に水田畦畔のイネ科雑草で増殖し、出穂期以降に成 虫が水田内に侵入、加害します。水田畦畔の雑草を 除草管理することで、畦畔での斑点米カメムシの増 殖を抑制し、水稲の斑点米被害を軽減することがで きると考えられます。 4 長野県での取り組み 現在、ダイロンゾルとザクサ液剤の混用散布によ る省力的な畦畔雑草の管理、および県内ダイズ連作 地域で問題となっている帰化アサガオ類防除の普及 適用性についても県関係機関で試験していただいて おります。 5 おわりに 本技術を通じて畦畔管理の省力化に貢献できれば 幸いです。最新の登録内容および詳しい使用方法に つきましては弊社ホームページの農薬事業ページを ご覧ください(下記URL)。 (https://www.hokkochem.co.jp/)
話 題 の 農 薬
話 題 の 農 薬
畦畔管理に利用できる
ダイロンゾル+ザクサ液剤
北興化学工業株式会社東京支店 技術チーム 吉川 学 ₅00ml 5L ₅00ml ザクサ液剤の平成30年1月末日現在の登録内容(抜粋) 作物名 適用場所 適用雑草名 使用時期 使用量(/10a) 本剤の 使用回数 使用方法 グルホシネート及び グルホシネートPを含む 農薬の総使用回数 薬量 希釈水量 水田作物 (水田畦畔)水田畦畔 一年生雑草 多年生雑草 収穫7日前まで (雑 草生 育期: 草丈30cm以下) 500~1000ml 100~150L 2回以内 雑草茎葉散布 3回以内 図:混用のイメージゾーベックエニケードは、これまでの殺菌剤とは 病原菌に対する作用機構と作用部位が全く異なる有 効成分であるため、既存殺菌剤との交差耐性はあり ません。FRACコードは49です。 5 適用作物に対する安全性 これまでの委託試験や社内試験、現場での実際の 使用においても、薬害が認められた事例は無く、適 用作物に対する安全性は高いと考えております。 6 生物、周辺環境に対する安全性 ゾーベックエニケードは哺乳類、鳥類、魚類に対 する毒性は低いことが確かめられています。また、 ハチ等の有用昆虫に対する安全性も高く、周辺環境 に及ぼす影響は少ないと考えております。 ★ 使用上のポイント ゾーベックエニケードの使用すべきタイミングは 作物の種類及び作期により個別に判断する必要があ ります。しかし、共通しているのは気象条件(気温、 降雨)等の関係で疫病・べと病の発生が予想される 時期や、初期感染が懸念される時期に早めに(病徴 が発現する前に)ご使用いただくことが重要なポイ ントであるということです。ゾーベックエニケード の有効成分は病原菌への活性が非常に高いので、感 染前や感染初期のうちに使用することで植物中や圃 場全体の菌密度を低い状態に抑えることができま す。加えて、先にも述べたような上方移行性や葉面 浸透性などの優れた性質によって植物が保護される ため、菌密度が低いままそれ以降の防除につなげる ことができます。このような理由からゾーベックエ ニケードは病気の発生前に予防的に使用することを 推奨しています。そして、本剤は疫病・べと病以外 の病害には効果がありませんので、同時期にその他 の病害も防除する場合は他の有効薬剤と組み合わせ て使用して下さい。 また、ゾーベックエニケードを優れた疫病・べと 病殺菌剤として末永くご活用いただくために、耐性 菌管理という観点を踏まえた使用が非常に重要にな ります。耐性菌管理方針として次の4つをお願いし ております。 ●ラベル記載の薬量(希釈倍率)を守り、推奨する 散布間隔(7~10日)を守って使用してください。 ●栽培期間の序盤に使用することで本剤による保護 ゾーベックエニケード(有効成分:オキサチアピ プロリン10.2%)は米国デュポン社が開発した殺菌 剤であり、平成28年5月に発売されたばかりのまだ 新しい殺菌剤です。6作物(ばれいしょ、トマト、 きゅうり、はくさい、レタス、ぶどう)で使用する ことができます。ゾーベックエニケードの持つ特長 と使用上のポイントについてご紹介いたします。 1 上方移行性 ゾーベックエニケードは植物中での上方移行性に 優れています。散布時に展開中、あるいは未展開の 新葉にも有効成分が行き渡ります。新葉が次々に展 開する栄養成長期に本剤を使用することで、新葉を 病害から保護しその後の防除に効果的につなげるこ とができます。 2 葉面浸透性 葉の表に付着した有効成分の一部は葉裏にまで到 達し、葉裏に対しても保護作用を発揮します。生育 が進み、葉が重なり合って薬液を葉裏まで散布する ことが困難な状況であっても、浸透性によって散布 ムラをカバーすることができます。 3 耐雨性 散布後、有効成分の大部分は葉の表面のワックス 層へ素早く吸収され、優れた耐雨性を発揮します。 そのため、散布後(約1時間以降)に降雨があって も、防除効果に影響は出にくく、撒き直しの必要は ありません。 4 既存殺菌剤の耐性菌に対しても有効 ダイロンゾルの平成30年1月末日現在の登録内容(抜粋) 作物名 適用場所 適用雑草名 使用時期 使用量(/10a) 本剤の 使用回数 使用方法 適用地帯 DCMUを 含む農薬の 総使用回数 薬量 希釈水量 水田作物 (水田畦畔)水田畦畔 一年生雑草 雑草発生前 ~生育初期 (草丈15㎝以下) 200~250ml 100L 1回 雑草茎葉散布 又は 全面土壌散布 全域 (北海道、 九州を除く) 1回
ゾーベックエニケード
丸和バイオケミカル㈱ アグロ事業部 東京第2営業所 井手上ひろ植 防 短 信
植 防 短 信
長野県農薬卸商業協同組合総会開催される
長 野 県 農 薬 卸 商 業 協 同 組 合 平 成30年 度( 第72 期)通常総会が2月22日長野市鶴賀のメルパルク NAGANOに於いて会員、賛助会員及び来賓を迎え 盛大に開催されました。 総会に先立ち、長野県農業試験場の上杉壽和場長 により「これからの長野県農業」と題して解りやす く興味のある講演があり、引き続き総会が開催され、 平成29年度事業報告並びに決算の承認、平成30年度 事業計画並びに収支予算等が承認されました。 その後、総務委員を18年間務められた北村泰三氏 と、事務局長を16年間務められ昨年3月に退職され た浜田俊郎氏に対し、理事長感謝状を海野安彦理事 長から授与されました。 総会終了後、「信州の農業」600号発刊記念祝賀会 を開催し、50年間に亘る発刊を祝いました。 (長野県農薬卸商業協同組合 近藤弘利)落葉果樹・寒冷地果樹研究会に出席しました
(国研)農研機構果樹茶業部門主催の落葉果樹研 究会と寒冷地果樹研究会に出席しました。果樹は落 葉果樹、寒冷地果樹、常緑果樹の3つに区分され、 落葉果樹はぶどう、もも、日本なし、かき等、寒冷地 果樹はりんご、おうとう、西洋なし等が該当します。 それぞれの研究会で、さらに栽培分科会、病害分科 会、虫害分科会、土壌肥料分科会に分かれ、病害・ 虫害分科会ではシンポジウム形式の公開会議と、各 県の試験成績を検討する非公開会議があります。 落葉果樹研究会は1月30~31日につくば市で開催 されました。病害分科会には38都府県が参加し、公 開会議では「果樹病害における殺菌剤耐性の現状と 対策」と題し、本県を含む5県から話題提供があり ました。虫害分科会では「最近の果樹害虫の発生と 研究動向」と題し、各県で問題となっている害虫や 研究の状況が紹介されました。 寒冷地果樹試研究会は2月6~7日に盛岡市で開 催されました。病害分科会には16道県が参加し、「最 近発生動向が気になるリンゴ病害と防除対応」と題 し、黒星病とうどんこ病を中心に本県を含む4道県 から話題提供がありました。虫害分科会では「寒冷 地果樹害虫研究の現状と今後の研究方向」と題し、 本県を含む6県から害虫防除の状況や天敵利用の研 究について紹介がありました。 この研究会は他県で問題となっている病害虫や対 応に向けたアプローチ、研究手法などの情報収集だ けでなく、県をまたいで相互に助言や意見交換がな される場となっています。 (果樹試験場 江口直樹)防除技術基礎研修会開催について
長野県農協生産資材事業推進協議会肥料農薬専門 部会が主催する「防除技術基礎研修会」が、去る1 月11日に協友アグリ株式会社長野工場において開催 され、県下JAより総勢31名が参加した。 まずは、世界の農薬情勢や国内の農薬流通情勢、 JAグループが取り組むコスト低減策などの農薬事 業に関わる項目や農薬による防除の基礎的な技術に ついて、座学による研修を行った。参加者は、特に 普段なかなか聞くことが無い農薬業界に関わる話や ジェネリック農薬に関わる話に興味深い様子であっ た。午後には長野市富竹にある協友アグリ株式会社 の工場や研究所、さらに同社の子会社となる株式会 社エスコの施設見学を行った。参加者からは工場や 2018年2月現在 作物名 病害虫名適用 希釈倍数 使用液量 使用時期 本剤の使用回数 使用方法 を含む農薬の総使用回数オキサチアピプロリン ばれいしょ 疫病 5000倍 100~300L/10a 収穫7日前まで 2回以内 散布 2回以内 トマト 収穫前日まで きゅうり ベと病 はくさい レタス ぶどう 200~700L/10a 収穫14日前まで 効果を高めつつ病原菌が薬剤に暴露される機会を制 限することができます。 ●異なる作用機構を持つ疫病・べと病殺菌剤と体系 で使用してください。 ●病徴が発現する前に予防的に使用して下さい。(病 徴が発現してからの散布は、十分な効果が得られな いばかりか、耐性菌発現のリスクが急激に高まりま す。)研究所、株式会社エスコの分析機器などの見学が印 象に残ったとの意見が多く出された。また、見学の 際に説明された、農薬の開発や登録に関わる分析や データの蓄積に多くのコストと時間を要することへ の驚きの声が多かった。 この研修会全体を通して参加者からは概ね好評を 得ることができた。今後も農薬の適正使用や職員の 農薬に関わる知識向上に貢献するべく、引き続き来 年度もこの研修会を開催していく。 (JA 全農長野生産資材課 橋爪真一)