• 検索結果がありません。

平成 27 年度地域部会講演要旨 Abstracts of Papers Presented at the Division Meeting of the Phytopathological Society of Japan, 2015 関東部会講演要旨 栃木県宇都宮市宇都宮大学峰キャンパス ( 平

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "平成 27 年度地域部会講演要旨 Abstracts of Papers Presented at the Division Meeting of the Phytopathological Society of Japan, 2015 関東部会講演要旨 栃木県宇都宮市宇都宮大学峰キャンパス ( 平"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Abstracts of Papers Presented at the Division Meeting of the

Phytopathological Society of Japan, 2015

関 東 部 会 講 演 要 旨 

栃木県宇都宮市 宇都宮大学峰キャンパス(平成

27 年 9 月 10 日~11 日)

Abstracts Presented at the Meeting of the Kanto Division,

Tochigi, September 10–11, 2015

(1) 加藤 寛 1 ・福田 充 2 ・西川尚志 1 ・夏秋知英 1  

LAMP 法によるイチゴ炭疽病菌の早期検出法の確立 

Katoh, H., Fukuda, T., Nishigawa, H. and Natsuaki, T.: Estab-lishment of loop-mediated amplification method for detection of strawberry anthracnose. イチゴの重要病害である炭疽 病菌Colletotrichum gloeosporioides は感染後しばらく病徴を 誘起せず,健全苗との区別が困難である.苗生産現場や圃 場で潜伏苗による病害発生の連鎖・拡大を防ぐため,早期 検出が求められている.そこでloop-mediated amplification (LAMP 法)を用いたイチゴ炭疽病菌の検出法の確立を試 みた.ITS 領域で loop プライマーを含む 6 本のプライマー をデザインし,データベース上のイチゴ炭疽病菌25 菌株 の該当領域での保存性を確認した.PDA 培地上の菌体か ら抽出したDNA を鋳型として濁度測定器 LT-16 で条件検 討した結果,最適処理温度は63°C であり 10 fg の鋳型も 検出できることから従来のPCR 法より高感度であること が示唆された.実用化を目指し病徴が顕在化していない接種 苗の外葉の葉柄基部0.1 g から DNeasy Plant Mini kit(Qiagen) で抽出したDNA から検出に成功した.また栃木県内 34 地点で分離された71 菌株について培養菌糸が鋳型でも陽 性反応を示した.さらなる省時間化とコスト削減のため, 外葉の葉柄基部0.02 g と多糖類吸着用の polyclar VT 数 mg を含む滅菌蒸留水100 ml を電子レンジで 500 W 1 分間処理 して得た鋳型も本法で検出できた. ( 1 宇都宮大農・ 2 栃木農試) (2) 石田浩也 1 ・保科くるみ 1 ・橋本歩美 1 ・岡部廣之進 2 ・ 山澤里奈 2 ・石川成寿 1  ニンジン炭疽病菌の宿主範囲およ び品種間の発病差異 Ishida, H., Hoshina, K., Hashimoto, A., Okabe, H., Yamasawa, R. and Ishikawa, S.: Host range and

varietal resistance of carrot to anthracnose (a member of Colletotrichum gloeosporioides species complex). ニンジン炭 疽病は,2013 年 9 月に栃木農試のニンジン(愛紅)の栽 培圃場において初めて発生が確認された.ニンジンは重要 品目であり,本病菌の宿主範囲および品種間の発病差異を 明らかにすることは防除上重要である.そこで,宿主範囲 を明らかにするため,14 科 35 種の植物を供し,本病菌 CUK-01,02 菌株の分生子懸濁液(10 5 個/ml)を有傷・無 傷噴霧接種により検討した.その結果,イチゴ(とちおと め,アスカウェイブ),シュンギク(大葉シュンギク)お よびキンセンカ(カレンジュラ)に発病が認められ,接種 菌が再分離された.次に,ポット栽培(10 × 10×13 cm, 18 株/品種,無作為配置)のニンジン 34 品種を供し,本 病菌CUK-01 菌株の分生子懸濁液(10 5 個/ml)を無傷噴 霧接種により,品種間の発病差異を検討した.その結果, 彩誉(発病度23.9)および,愛紅(21.1)では,葉柄の折 損などが観察され発病程度が高かった.一方,馬込三寸 (0.3)およびパープルスティック(0.8)では葉柄の病斑が 拡大せず,発病程度が極めて低かった. ( 1 法政大植物医科・ 2 元法政大植物医科) (3) 中田菜々子 1 ・Pamela Gan 2 ・鈴木 健 1 ・鐘ヶ江良彦 3 ・ 熊倉直祐 2 ・白須 賢 2  千葉県のイチゴから分離された Colletotrichum gloeosporioides 種複合体の同定とイチ

ゴ 品 種 に 対 す る 病 原 力 Nakata, N., Gan, P., Suzuki, T., Kanegae, Y., Kumakura, N. and Shirasu, K.: Identification of the Colletotrichum gloeosporioides species complex isolated from strawberry in Chiba Prefecture and its virulence against strawberry cultivars. 本研究グループは,国内のイチゴか ら分離したColletotrichum gloeosporioides 種複合体を Weir et

(2)

al.(2012)の分類に基づいて解析し,少なくとも 3 種(C. fructicola, C. siamense, C. aenigma)が存在することを報告

した(日本植物病理学会平成27 年度大会).これら 3 種を 判別するDNA マーカーを用いて千葉県のイチゴから分離 された菌株を調査した結果,強毒株ではC. fructicola が優 占し,弱毒株ではC. siamense および C. aenigma の割合が 高かった.3 種の菌のイチゴ品種(とちおとめ,ふさの香, 章姫,紅ほっぺ,さがほのか)に対する病原力を調査した 結果,各菌種の病原力と品種の間に関係は見出されなかっ た.また,これらの菌株の殺菌剤に対する感受性を調査し た結果,ベノミル耐性のC. fructicola および C. siamense と, QoI 剤耐性の C. fructicola が認められた.本研究の一部は 総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノ ベーション創造プログラム)「次世代農林水産業創造技術」 (管理法人:農研機構生物系特定産業技術研究支援セン ター)の支援を受けて行った. ( 1 千葉農林総研・ 2 理研CSRS・ 3 千葉農林総研暖地) (4) 市之瀨玲美 1 ・近藤まり 1 ・菅原優司 2 ・小野 剛 2 ・ 星 秀男 3 ・竹内 純 3 ・鍵和田聡 1 ・石川成寿 1 ・廣岡裕吏 1 ・ 堀江博道 1  アラビアンジャスミンおよびグミ類交配種

Elaeagnus × ebbingei に発生した炭疽病(新称) Ichinose,

R., Kondou, M., Sugawara, Y., Ono, T., Hoshi, H., Takeuchi, J., Kagiwada, S., Ishikawa, S., Hirooka, Y. and Horie, H.: First report of anthracnose on Arabian jasmine and Elaeagnus ×

ebbingei in Japan. 2013 年 9 月,東京都小笠原村母島のア

ラビアンジャスミン(Jasminum sambac)に,2011 年 11 月,

東京都立川市のグミ類交配種‘ギルトエッジ’(Elaeagnus

×ebbingei cv. Gilt Edge)に,いずれも葉に円形~不整形の

斑点症状および葉枯れ症状が認められた.病斑上には淡褐 色~黒色の分生子層が多数形成され,分離菌株の分生子は いずれも無色,単胞,円柱形~長楕円形,両先端部に丸み を有し,アラビアンジャスミン分離菌株は大きさ11~17.8 ×3.6~8.1 mm,グミ分離菌株は 12.5~17.5×3.2~5.4 mm であった.菌糸上の付着器は両菌株とも茶褐色~暗褐色, 棍棒状~時に不規則形であり,大きさは6.1~14×3.7~ 8.1 mm であった.これら形態的特徴に加え rDNA-ITS, ACT,CAL および TUB 領域を用いた系統解析の結果,ア ラビアンジャスミン分離菌株はColletotrichum tropicale,グ ミ分離菌株はC. siamense と同定した.両分離菌株を用い た接種試験の結果,各植物に原病徴が再現され,接種菌が 再分離された.両症状は本邦未記録であり,それぞれ炭疽 病(anthracnose)と命名したい. ( 1 法政大植物医科・ 2 東京小笠原亜熱帯農セ・ 3 東京農総研) (5) 野澤俊介 1 ・勝又会理 2 ・渡辺京子 1 , 2 , 3  アセビお よびカノコユリにおけるPestalotiopsis 属菌による葉枯病

の発生(新称) Nozawa, S., Katsumata, E. and Watanabe, K.: Pestalotiopsis leaf rot caused by Pestalotiopsis spp. on Pieris

japonica and Lilium speciosum in Japan. 2008 年 10 月に東京

都町田市のカノコユリで葉に生じた褐変が葉脈に沿って紡 錘型に拡大し,中心が淡褐色で縁が褐色,周囲に黄色のハ ローを生じる症状が,2009 年 8 月に東京都町田市,神奈 川県箱根町のアセビで葉に褐色の小斑点が生じ不整形に拡 大 し て 淡 褐 色 と な る 症 状 が 発 生 し た. 両 罹 病 部 で は, Pestalotiopsis 属の分生子が観察された.両罹病部からの単 胞子分離株を各宿主の健全葉に有傷接種すると原病徴が再 現され,接種菌が再分離された.カノコユリ菌の分生子は 平均20.8 × 6.1 mm,有色 3 細胞 13.9 mm(Length),頂部 付 属 糸12.6 mm(L) で 3 本, ア セ ビ 菌 は 25.5×7.5 mm, 有色3 細胞 15.7 mm(L),頂部付属糸 14.5 mm(L)で 2~ 3 本であった.両菌の有色 3 細胞は淡褐色,色調は同色で あった.ITS + BT + EF の分子系統樹で両菌株は Pestalo-tiopsis 属菌に所属した.アセビ分離菌は,形態的特徴と分 子系統解析からP. chamaeropis と同定した.ユリ分離菌は, 種の同定には至らなかった.本属菌による両宿主への病害 の記録はなく,各病害をカノコユリ葉枯病,アセビ葉枯病 と称することを提案する. ( 1 玉川大院農・ 2 玉川大農・ 3 玉川大菌学応用) (6) 柴田 葵 1 ・廣岡裕吏 1 ・福田達男 2 ・吉澤祐太朗 1 ・ 蓑島綾華 1 ・荒金眞佐子 3 ・佐藤豊三 4 ・堀江博道 1  薬用植物 サジオモダカに発生した白絹病およびさび斑病(新称)  Shibata, A., Hirooka, Y., Fukuda, T., Yoshizawa, Y., Minoshima, A., Aragane, M., Sato, T. and Horie, H.: First records of south-ern blight and leaf spot on Alisma plantago-aquatica var.

orien-tale in Japan. 2015 年 4 月,沖縄県八重山諸島の水田で栽

培中のサジオモダカ(Alisma plantago-aquatica var. orientale)

に株枯れ症状が発生した.水面上の罹病葉柄に白色菌糸が 這い,その周辺に褐色の菌核が多数浮遊した.分離菌株の 菌糸は無色,有隔壁,主軸菌糸幅は(3.3~)4.0~10.8 mm, かすがい連結を生じ,PDA 上の菌核は直径 0.6~1.4 mm, 生育適温は32.5°C であった.以上より,本菌は Sclerotium rolfsii と同定した.また,2015 年 5 月,東京都小平市にお いて,同種植物の葉に褐色,数mm 大の楕円状斑点を多 数生じ,のち葉枯れを起こす症状を確認した.分離菌株の 分生子は無色,楕円形~鎌形,隔壁を0~1 個有し,11.9 ~18.1 × 1.6~2.5 mm,厚壁胞子は連鎖し,無色,球形~楕 円形,7.1~14.9 × 5.5~9.1 mm.生育適温は 30°C であった. これら特徴に加え,複数領域を用いた遺伝子解析から,本

(3)

菌をPlectosphaerella alismatis と同定した.これら 2 種菌株 を健全なサジオモダカに接種し,原病徴が再現され,接種 菌が再分離された.今回の2 症状は本邦初記録であり,そ れぞれ白絹病,さび斑病と命名したい. ( 1 法政大植物医科・ 2 北里大薬学部・ 3 東京健安研セ・ 4 生物研) (7) 廣岡裕吏 1 ・竹内 純 2 ・柴田 葵 1 ・堀江博道 1 ・佐藤 豊三 3  我が国における植物寄生性Plectosphaerella 様

菌類の分子系統解析 Hirooka, Y., Takeuchi, J., Shibata, A., Horie, H. and Sato, T.: Molecular phylogenetic analyses of plant parasitic Plectosphaerella-like fungi in

Japan. Plecto-sphaerella 様菌類(アナモルフ:Plectosporium 属菌等)は, 多様な植物に寄生する重要な病原菌である.我々は,農業 生物資源ジーンバンク所蔵のPlectosphaerella 様菌類 3 種 47 菌株について,複数遺伝子領域に基づく分子系統解析 を行ない,その所属を再検討した.その結果,鹿児島産カ ボチャ由来菌株とオモダカ由来菌株は,どの既知種とも系 統的に一致しなかった.バナナ由来菌株A は P. oligotrophi-ca と近縁であり,バナナ由来菌株 B は P. plurivora と同一 系統となった.神奈川産ダイコン由来菌株,茨城産カボチャ 由来菌株,イネ由来菌株およびハナキンポウゲ由来菌株は, P. pauciseptata および P. plurivora と近縁であったが,独立 クレードを形成した.分類学的所属の変更が指摘されるク ルクマ由来菌株はP. delsorboi と,ハナトリカブト分離菌株P. oratosquillae と,トマト由来菌株は P. pauciseptata と同 じクレードに含まれた.今回の解析から,P. cucumerina と Gibellulopsis chrysanthemi と同定された 28 菌株は学名が変 わらず,残り19 菌株は 7 既知種と 3 未知種に再同定され る可能性が明らかとなった. ( 1 法政大植物医科・ 2 東京農総研・ 3 生物研) (8) 山本賢一郎 1 ・石川成寿 1 ・廣岡裕吏 1 ・山城 都 2 ・ 堀江博道 1  Neopestalotiopsis protearum によるイチゴ

ペ ス タ ロ チ ア 病 Yamamoto, K., Ishikawa, S., Hirooka, Y., Yamashiro, M. and Horie, H.: Pestalotia disease of strawberry (Fragaria × ananassa) caused by Neopestalotiopsis protearum in Japan. 2013 年 3 月,栃木農試保存のイチゴ(アスカウェ イブ)に葉柄,葉が赤紫色変し,のちに中心部がやや窪み 黒褐変する症状が発生した.2015 年 4 月,栃木県南部で 品種とちおとめに同様の症状が認められた.分離菌株の分 生子懸濁液を噴霧接種したところ,有傷接種株に原病徴が 再現され,病斑部から接種菌が再分離された.果実では無 傷噴霧接種で発病した.分離菌株(STO-03)の分生子は 楕円形,倒卵形で4 隔壁,両端細胞は無色,中央上部 2 細 胞は褐色,下部細胞は淡褐色,有色部(13.2–)14–16(–17.5) ×(5.6–)5.9–7.1(–8.3)mm,基部細胞(2.7–)3.6–5.6(–6) ×(3.3–)3.7–4.3(–4.4)mm,第 2 細胞(3.7–)4.5–5.5(–5.7) mm,第 3 細胞(3.9–)4.6–5.4(–6.1)mm,第 4 細胞(3.5–) 3.8–5(–5.5)mm,頂部細胞(2.8–)3.1–4.3(–5.2)×(3.3–) 3.6–4.4(–5)mm.頂部付属糸は 2–4(主に 3)本,(18.2–) 20–26(–29.6)mm,基部付属糸は 1 本,(3.1–)3.4–4.2(–8.6) mm.以上に加え,ITS,Tub,Tef1 領域の各塩基配列を用 いた系統解析結果から,本菌をNeopestalotiopsis protearum とした.国内初発生のため本病害をイチゴペスタロチア病 と呼称したい. ( 1 法政大植物医科・ 2 栃木農試) (9) 菅原優司 1 ・星 秀男 2 ・廣岡裕吏 3 ・森田琴子 3 ・ 柴田 葵 3 ・小野 剛 1 ・鍵和田聡 3 ・石川成寿 3 ・堀江博道 3   小笠原諸島におけるパッションフルーツ萎凋病の発生  Sugawara, Y., Hoshi, H., Hirooka, Y., Morita, K., Shibata, A., Ono, T., Kagiwada, S., Ishikawa, S. and Horie, H.: Occurrence of Passiflora wilt in Ogasawara (Bonin) Islands. 2014 年 6 月,小笠原諸島母島の施設栽培パッションフルーツ( Passi-flora edulis sims × PassiPassi-flora edulis f. flavicarpa;台農 1 号)

で,本諸島未確認の萎凋・枯死症状を認めた.罹病株は地 際部に黒褐色の病斑を生じ,その病斑上には赤褐色の子嚢 殻を多数形成した.単子嚢胞子分離菌株はPDA 培地上で 完全世代と不完全世代を形成し,子嚢殻は亜球形で大きさ 118~355 × 115~340 mm,子嚢は棍棒状で 42.5~65.0× 6.3~7.5 mm,子嚢胞子は 11.3~12.5×4.5~5.0 mm であっ た.また,大分生子は3~5 隔壁で真直~やや湾曲し,33~ 52.6 × 3.3~5.7 mm(5 隔壁),小分生子は擬頭状に形成さ れた.以上の症状と菌体の特徴は廣岡ら(2003)による萎 凋病の症状およびHaematonectria ipomoeae(不完全世代: Fusarium striatum)の記載と一致した.また,分離菌の接種 により原病徴が再現されたことから,本病を萎凋病と結論 した.小笠原諸島での本病の発生は初確認である.本病は 全島25 圃場中 5 圃場で確認され,発病株は 2 年生以上の 株が73.3%を占めた.パッションフルーツ 5 品種への接種 では,いずれも感受性が高く品種間での差異は認められな かった. ( 1 東京小笠原亜熱帯農セ・ 2 東京農総研・ 3 法政大植物医科) (10) 植松清次 1 ・Mohammad Ziaur Rahman 2 ・田中千華 3 ・ 海老原克介 1 ・鐘ヶ江良彦 1 ・景山幸二 2  キンセンカ( Ca-lendula officinalis)に発生した 3 種 Pythium 属菌によ

る 根 腐 病(新 称) Uematsu, S., Rahman, M.Z., Tanaka, C., Ebihara, Y., Kanegae, Y. and Kageyama, K.: Occurrence of damping-off of pot marigold (Calendula officinalis) caused by

Pythium spp. in Japan. 2014 年 10~11 月に千葉県南部で栽

(4)

発生した.罹病株から3 種のPythium 属菌が高頻度で分離 された.分離株(CH14S11,CH14CS11,CH14CPY1)を キンセンカ苗にそれぞれ接種すると原病徴が再現され,接 種菌が再分離された.分離株はいずれも球状胞子のうを形 成した.CH14S11 の造卵器は平滑で 1~2 本の突起を有し, 平均直径は17 mm であった.CH14CS11 の造卵器は平滑 で,平均直径22 mm であった.CH14CPY1 の造卵器は多 数の乳頭状の突起を有し,平均直径42 mm であった.cox1 領域の塩基配列は,CH14S11 では既往文献の P. irregulare と99.9%,CH14CS11 では同様に P. ultimum var. ultimum と100%一致した.また,CH14CPY1 では昨年ヒマワリか ら分離されたPythium 属菌(海老原ら,2015 日植病大会 講要)と99.9%一致した.以上の結果から,上記 Pythium 属菌3 種が根腐れ症状に関与することが明らかになった. 本邦ではこれらの病原菌による病害報告はないので,「根 腐病」と呼称することを提案する. ( 1 千葉農林総研暖地・ 2 岐阜大流域研セ・ 3 安房農業事務所) (11) 蓑島綾華 1 ・廣岡裕吏 1 ・竹内 純 2 ・小野 剛 3 ・ 鍵和田聡 1 ・堀江博道 1  Phytophthora drechsleri による

ワサビ疫病(新称) Minoshima, A., Hirooka, Y., Takeuchi, J., Ono, T., Kagiwada, S. and Horie, H.: First report of Phytoph-thora rot on Wasabia japonica caused by PhytophPhytoph-thora drechsleri in Japan. 2014 年 9 月,東京都奥多摩町のワサビ田におい て,ワサビ(Wasabia japonica)の茎基部や根茎が水浸状 に褐変し,株枯れに至る激しい被害が発生した.罹病部か らの分離菌を健全なワサビに接種したところ,原病徴が再 現され,接種菌が再分離された.分離菌株の菌糸は無隔壁 で,膨張があり,遊走子嚢は卵形~倒洋梨形,無色,非脱落 性で乳頭状突起はなく,大きさ23.4~44.8×19.4~35.1 mm であった.また,菌叢生育温度は,10~37.5°C,最適生育 温 度 は30°C 付近であった.分離菌の rDNA-ITS および COI 領域の塩基配列から系統樹を作成したところ,分離菌は

Phytophthora drechsleri の Neotype から分離された ATCC46724

と同クレードに含まれた.以上の形態的特徴と分子系統解 析結果から,病原菌をPhytophthora drechsleri と同定した. 本菌は同種の宿主として記録されたトマト,また,同属菌 の宿主であるエンドウマメ,ナス,ニチニチソウに病原性 を示した.ワサビにおいて,本菌による病害はわが国未 記録であることから,「疫病(Phytophthora rot)」と命名 したい. ( 1 法政大植物医科・ 2 東京農総研・ 3 東京小笠原亜熱帯農セ) (12) 後藤浩子・菅野智成・日山東子・平川崇史・中西 義成・平田隆司・迫田琢也 輸入検疫で発見されたシャク ナゲ類疫病(新称) Goto, H., Kanno, T., Hiyama, T., Hirakawa,

T., Nakanishi, Y., Hirata, T. and Sakoda, T.: Ramorum blight of

Rhododendron sp. (cv. Loch Lomond) caused by Phytophthora ramorum intercepted in plant quarantine inspection in Japan.

 2015 年 2 月,英国から国際郵便で輸入されたセイヨウ シャクナゲの検査で,葉が暗褐変し,葉裏に菌叢のある苗 を発見した.被害部位よりPhytophthora 属菌が高率に分離

され,含菌寒天による有傷接種で原病徴を再現し,再分離 された.また,無傷噴霧接種でアセビの新葉や新梢に病原 性を示した.分離菌はCarrot piece agar で厚壁胞子を豊富 に生じ,遊走子のう柄は仮軸状,遊走子のうは楕円形~紡 錘形でL/B 比は 1.7–2.3(av. 1.9),脱落性で柄は短く,乳 頭突起は不明瞭.P. cryptogea A2 株との交配により有性器 官を生じ,造卵器は球形で造精器は底着性,卵胞子は充満 性. 大 き さ は, 遊 走 子 の う30–73 × 18–34(av. 54×28) mm,厚壁胞子 38–73(av. 56)mm,造卵器 33–43(av. 38) mm,造精器 9–18 × 10–18(av. 13×15)mm,卵胞子 28–40(av. 34)mm.生育適温は 20°C(菌糸生長 3.2 mm/ 日),30°C では生育しない.以上からWerres et al.(2001)に基づき, 本菌をP. ramorum と同定した.本結果は,rDNA–ITS 遺 伝子領域の塩基配列から支持された.本病は我が国未報告 のため,病名に疫病(Ramorum blight)を提案する. (横浜植防) (13) 吉澤祐太朗 1 ・廣岡裕吏 1 ・柴田 葵 1 ・荒金眞佐子 2 ・ 堀江博道 1  Burkholderia andropogonis によるドイツ

ス ズ ラ ン 赤 斑 細 菌 病(新 称) Yoshizawa, Y., Hirooka, Y., Shibata, A., Aragane, M. and Horie, H.: Bacterial red leaf spot of Convallaria majalis caused by Burkholderia andropogonis.  2014 年 9 月,埼玉県滑川町で花壇植栽のドイツスズラン (Convallaria majalis)の葉に,初め中心部が赤色で周縁部 水浸状,長径2~3 mm の楕円状斑点が多数形成され,病 斑が融合すると葉枯れを起こす症状が認められた.同症状 は2015 年 4 月,東京都調布市,小平市でも確認され,両 所での継続的な発病調査から本症状は梅雨時に感染が拡大 することが示唆された.罹病部切片からは細菌が噴出し, 希釈平板法により比較的生育の遅い粘凋性乳白色コロニー が多数出現した.本菌を噴霧接種すると原病徴が再現され, 同様の細菌が再分離された.簡易同定96-API 法では,本 菌のAPI プロフィールは 0267041 となり Burkholderia

an-dropogonis と一致,また 16S rDNA の塩基配列の相同性が B. andropogonis と 99%であり他種候補は検索できないこ とから本菌をB. andropogonis と同定した.本菌はカーネー ション,ストレリチア,チューリップ,トウモロコシ,イ カダバルスカス,ブーゲンビレアにも病原性を有した.本 症状は本邦未記録であり,初期病徴から赤斑細菌病と呼称

(5)

したい. ( 1 法政大植物医科・ 2 東京健安研セ) (14) 折原紀子 1 ・篠原弘亮 2 ・三神和彦 1 ・上原娘香 1 ・ 圓城寺香織 1 ・岡本昌広 1 ・植草秀敏 1  コマツナ黒斑細菌 病(新称)の発生 Orihara, N., Shinohara, H., Mikami, K., Uehara, Y., Enjyouji, K., Okamoto, M. and Uekusa, H.: Occur-rence of bacterial leaf spot on Brassica rapa (Komatsuna) caused by Pseudomonas cannabina pv. alisalensis. 2014 年 4 月~2015 年 3 月に,神奈川県湘南地域のコマツナ栽培ほ 場において未記録の病害が多発した.葉に初期やや黒みを 帯び,やや凹んだ直径1 mm 以下の小斑点を生じ,のちに 大小不整形の病斑を形成する.顕微鏡下で罹病部からは細 菌の漏出が認められ,イーストエキス・ペプトン寒天培地 で病原細菌の分離を試みたところ,白色,円形,中高,全 縁で湿光を帯びたコロニーが優占的に出現した.噴霧接種 によりコマツナに原病徴が再現され,罹病部から接種菌が 再分離され,分離株の病原性を確認した.分離株は簡易同 定96API では PI が 0047441 等となり,16S rDNA の塩基配 列において広義のPseudomonas syringae 群と 99%の相同性 を示し,キャベツなどアブラナ科植物以外にエンバクなど に も 病 原 性 を 示 し た こ と か らP. cannabina pv. alisalensis

(Cintas et al., 2000) Bull et al., 2010 と同定した.以上から, 本病をP. c. pv. alisalensis

によるコマツナ黒斑細菌病(bacte-rial leaf spot)とすることを提案する.

( 1 神奈川農技セ・ 2 東京農大農) (15) 岩渕 望・鯉沼宏章・根津 修・宮﨑彰雄・姫野 未紗子・二條貴通・岡野夕香里・前島健作・難波成任 

Direct Tissue Stamp 法を用いた簡易高感度なファイトプ

ラズマ感染植物組織内分布可視化技術の開発 Iwabuchi, N., Koinuma, H., Netsu, O., Miyazaki, A., Himeno, M., Nijo, T., Okano, Y., Maejima, K. and Namba, S.: Development of a simple and sensitive method for visualization of phytoplasma distribution in plant tissue using Direct Tissue Stamp Assay.  ファイトプラズマは篩部局在性の植物病原微小細菌であ り,植物組織内所在の解析には電子顕微鏡観察等,煩雑な 作業を要する.そこで,簡便かつ高感度な可視化技術を開 発する目的で,感染組織の切断面をスタンプしたメンブレ ンから直接ファイトプラズマの検出を試みた.まず,タマ ネ ギ 萎 黄 病 フ ァ イ ト プ ラ ズ マ(Phytoplasma asteris, OY strain)感染シュンギクの組織切断面をメンブレンに直接 スタンプしたのち,DIG 標識 DNA プローブを用いて核酸 の検出を行った.その結果,感染シュンギクの維管束に特 異的な強いシグナルが検出された.また,ファイトプラズ マのタンパク質の検出可能性について調べる目的で,同様 の手法によりスタンプしたメンブレンを抗体と反応させて 検出を試みた.その結果,ファイトプラズマの膜タンパク 質や分泌タンパク質に対する抗体により,同様に維管束特 異的な強いシグナルが検出された.以上より,本法はファ イトプラズマの核酸およびタンパク質を高感度に検出し, 感染組織内分布を簡便に可視化するのに有効な手法である ことが示された. (東大院農) (16) 鯉沼宏章・岩渕 望・根津 修・宮﨑彰雄・岡野 夕香里・姫野未紗子・前島健作・難波成任 FTA カード を用いたLAMP 検出用の効率的ファイトプラズマ DNA

調整法 Koinuma, H., Iwabuchi, N., Netsu, O., Miyazaki, A., Okano, Y., Himeno, M., Maejima, K. and Namba, S.: Efficient DNA preparation method for loop-mediated isothermal ampli-fication using FTA card to detect phytoplasmas from plant tis-sue. ファイトプラズマは絶対寄生性の篩部局在微小細菌 であり,野外における感染植物の採集では,試料の劣化 防止と運搬手段が大きな障壁である.FTA カード(GE Healthcare)は植物磨砕液中の核酸を吸着・安定化する濾 紙であり,室温での運搬と長期保存が可能である.そこで, FTA カードを用いてファイトプラズマ感染植物からの効 率的なDNA 調整法の検討を行った.まず,タマネギ萎黄 病ファイトプラズマ(Phytoplasma asteris, OY strain)感染

シュンギクの汁液を常法によりFTA カードに吸着・風乾 した.次いで,カードから切り出した径2 mm のディスク を洗浄し,PCR 反応液に直接添加しファイトプラズマの 検出を試みた結果,遺伝子増幅が確認された.さらに, LAMP 法(ファイトプラズマ検出キット,ニッポンジーン) を用いた場合も,同様に感染植物特異的な陽性反応が確認 された.以上より,現場ではより低濃度感染が一般的であ るファイトプラズマDNA に対して,FTA カードにより LAMP 検出法に適した効率的な試料調整が可能であり,国 外での試料採取にも有効であることが示唆された. (東大院農) (17) Fujikawa, T. Diagnosis of Candidatus Liberi­

bacter solanacearum using conventional PCR method. 

Candidatus Liberibacter solanacearum (Lso), which is a closely

related species of citrus greening (HLB) pathogens, has brought severe damage to the production of potato and carrot seed overseas. Also, there has never been reported about the damage by Lso in Japan. Therefore the invasion of this patho-gen to Japan is feared. To date, the real-time PCR method is mainly used to diagnose Lso infection. However, if positive reaction was detected by the method, we have no other method for validating the truth of the result. Here, author developed the detection method of Lso DNA by the

(6)

conven-tional PCR. At first, Lso specific sequences were found by aligning various bacterial 16S rDNA sequences, and Lso specific primers for conventional PCR were designed. The conventional PCR using these primers succeeded the amplifi-cation of Lso DNA only. Moreover, when DNA mixtures of carrot seed and Lso were used as template, Lso DNA was also detected sufficiently. Consequently, it was suggested that conventional PCR method can be used as easy diagnosis of Lso infection. (NARO Inst. Fruit Tree Sci.)

(18) 横澤志織 1 ・上松 寛 2 ・西口 徹 2 ・近藤賢一 1  

Xanthomonas arboricola によるクルミ黒斑細菌病の

国内での発生 Yokosawa, S., Uematsu, H., Nishiguchi, T. and Kondo, K.: The first record of walnut blight caused by

Xan-thomonas arboricola in Japan. 2014 年に長野県内のクルミ

栽培圃場において,果実や葉に黒褐色の病斑を生じる病害 の発生を確認した.果実でははじめ外果皮に周辺が水浸状 の微細な病斑が生じ,果実の肥大に伴い病斑は拡大,癒合 して内部に亀裂が生じた.葉では1 mm 程度の病斑が生じ, 淡黄色のハローを伴う場合もあった.病斑部からはキング B 培地上で黄色を示す細菌が優占的に分離され,本分離菌 株をクルミ幼果に噴霧接種したところ,接種10 日後に黒 褐色の病斑の形成を確認し,病斑からは接種菌が再分離さ れた.また本分離菌株の所属について検討を行い,細菌学 的性質とgyrB 遺伝子塩基配列等の分子遺伝学的形質から X. arboricola であると推察した.本菌によるクルミ病害の 国内での発生は未報告であるが,国外では同様の病徴を示 す病害としてX. arboricola pv. juglandis による walnut blight

が報告されている.以上から本病害をX. arboricola による 黒斑細菌病(blight)として提案する.なお本菌の病原型 については現在検討中である.( 1 長野県果試・ 2 横浜植防) (19) 根岸明日香・キム オッキョン・根岸寛光・篠原 弘亮 農業生物資源ジーンバンクに保存されているイネ褐 条病菌およびイネ苗立枯細菌病菌の各種薬剤に対する感受 性 Negishi, A., Kim, O.-K., Negishi, H. and Shinohara, H.: Drug sensitivities of Acidovorax avenae subsp. avenae and

Burkholderia plantarii stored at NIAS Genebank. ジーンバ

ンクに保存されている79 菌株のAcidovorax avenae,10 菌

株のA. avenae subsp. avenae,6 菌株の A. avenae subsp. cat-tleyae および 74 菌株の Burkholderia plantarii の合計 169 菌

株を供試し,オキソリニック酸(OA),カスガマイシン一 塩酸塩(KSM),ストレプトマイシン硫酸塩(SM)およ び硫酸銅(II)・5 水和物(Cu)に対する感受性を調査した. 各種薬剤を所定の濃度で混和したPPGA 平板培地に,各 菌株の細菌懸濁液(約10 8 cfu/ml)を塗布し,25°C で 3 日 間培養して最小生育阻止濃度(MIC)を調査した.OA に対 するMIC は多くの菌株で 3.9 ppm 以下であったが,MIC が 200 ppm 超 を 示 し た 菌 株 は A. avenae で 9 菌 株 お よ び A. avenae subsp. avenae で 5 菌株であった.SM に対する MICAcidovorax 属では 62.5 ppm 前後であったが,B. plantarii

では7.8 ppm 以下であり,MIC が 2000 ppm 超を示した菌株 はA. avenae subsp. cattleyae で 6 菌株および A. avenae で 1 菌

株 で あ っ た. 供 試 し た 全 菌 株 のKSM に 対 す る MIC は 179.7 ppm 以下,Cu に対する MIC は 1200 ppm 以下であった.

(東京農大農) (20) 酒井和彦・庄司俊彦・植竹恒夫 金属銀水和剤に よる種子消毒はコムギ黒節病の病徴抑制に有効である  Sakai, K., Shoji, T. and Uetake, T.: Seed disinfection of wheat by silver wettable powder, these methods are effective to suppress symptoms of bacterial black nod. ムギ類黒節病に 対する有効な種子消毒剤について知見の蓄積が進められて おり,金属銀水和剤による種子消毒は保菌粒率低減効果が 高く,ほ場適応性も有することが報告されている(森ら, 酒井ら,2014 年大会).2014 年 11 月下旬播種において, コムギ「さとのそら」の,来歴の異なる3 ロットの種子(冬 作試験用種子,2013 年所内採種,2014 年所内採種,保菌 粒率84~95%)に対し金属銀水和剤による種子消毒を行 い,ほ場適応性および病徴抑制効果を検討した.20 倍液 10 分間浸漬,200 倍液 24 時間浸漬および乾燥種子重量の 1%量湿粉衣の 3 種の処理法いずれも,ほ場における出芽 率は80%以上が確保され,その後の生育経過は良好であっ た.出穂期約3 週間後の 5 月中旬に各区任意の 200 茎につ いて発病調査を行った結果,無処理区における病茎率が 9.2~15.0%の中発生~多発生のもと,各処理法における防 除価は72.2~91.1(病茎率 0.8~4.2%)で,高い病徴抑制 効果が認められた.このほ場試験で採種した種子の保菌粒 率は今後検定の予定である. (埼玉農技研) (21) 鮎 川 侑 1 ・ 柏 毅 2 ・ 小 松 健 3 , 4 ・ 寺 岡 徹 3 ・ 有江 力 3  キャベツ萎黄病菌は生存に必須でない複数の 小型染色体を保持する Ayukawa, Y., Kashiwa, T., Komatsu, K., Teraoka, T. and Arie, T.: Dispensable small chromosomes in Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans. キャベツ萎黄病Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans(Foc)の病原性関

連遺伝子FocSIX4 は約 1.4 Mb の小型染色体に座乗する.

近年,複数の病原菌が生存に必須でない病原性関連の小型 染色体を持つことが報告されている.Foc の小型染色体の

機能や,それが生存に必須であるかどうかを明らかにする ことを目的として本研究を行った.Van Etten et al.(1998) に従って,小型染色体にハイグロマイシンB 耐性遺伝子

(7)

を組込んだFoc(Kashiwa et al., 2013)の小型染色体の喪失 を促した.その結果,ハイグロマイシンB 感受性株 5 株 を得た.これらの株の核型解析の結果,1.4 Mb に加え 2.2 Mb の染色体が観察されない1 株を認めた.この株の DNA を 鋳型に,それぞれの小型染色体に座乗する遺伝子をPCR で増幅したところ増幅産物が確認されず,この株が2 本の 小型染色体を喪失したこと,この2 本の小型染色体がFoc の生存に必須でないことが示唆された. ( 1 農工大院連農・ 2 理研CSRS・ 3 農工大院農・ 4 農工大テニュアトラック機構) (22) 増中 章 1 ・月星隆雄 1 ・竹中重仁 2  生物防除微 生物Pythium oligandrum の固形培地培養における胞子

形成 Masunaka, A., Tsukiboshi, T. and Takenaka, S.: Oospore formation of a biocontrol agent Pythium oligandrum in solid culture. これまでに生物防除微生物 Pythium oligandrum (PO)の細胞壁からエリシタータンパク質を見出し,本タ ンパク質が広範囲の植物種に対し抵抗性を誘導することに よって様々な病害を抑制することを報告してきた.特にト マトでは,PO 卵胞子の前接種によりシグナル伝達系遺伝 子の発現が亢進され,青枯病菌の感染拡大が抑制されるな ど,PO の病害抑制機構の解明を行ってきた.今後,本菌 を実用化するためにはPO 卵胞子の低コスト大量培養技術 が必要になる.そこで本研究では,卵胞子形成に適した固 形培地成分の検討を行った.既存のPythium 培養用の培地 を考慮して,オオムギ粒またはデントコーン粒を用いた培 養試験を行った.その結果,オオムギ粒では培養2 週間後 で卵胞子形成がほとんど見られなかったが,デントコーン 粒では1.65 × 10 4 個/g 確認できた.さらに,Pythium 属菌 は卵胞子形成においてコレステロール要求性であるため, 培地に肥料用魚粉または煮干し粉末(0.5~3.5% w/w)を 添加した結果,形成卵胞子数が約9.6~25.4 倍に増加し, 大量培養用の固形培地としての有用性が示唆された. ( 1 畜産草地研・ 2 近中四農研) (23) 佐藤 衛・福田直子 水耕栽培におけるトルコギ キ ョ ウ 根 腐 病 の 農 薬 に よ る 防 除 の 試 み Satou, M. and Fukuta, N.: Tests of control of root rot of russell prairie gentian on hydroponic culture by an agricultural chemical.  2011 年 3 月の東日本大震災以降,復興を目的として福島 県いわき市において,2014 年 8 月から 13 a のプラスチッ クハウスでの水耕栽培によるトルコギキョウの周年栽培が 開始されている.トルコギキョウは,出荷までの栽培期間 が長期にわたるため,病害発生のリスクも高いことが予想 され,Pythium 属菌による根腐病が周年安定生産のための 第一の阻害要因になると考えられた.しかし,水耕栽培に おける農薬の登録は,野菜類でオクトクロスの1 件のみで あることから,トルコギキョウの水耕栽培(NFT 式循環型) の安定生産を目的とし,病害の発生を抑えるとともに栽培 終了時の処理薬剤の養液内における薬効成分が農薬の登録 保留基準を下回るような施用方法の検討・試験を行った. その結果,ユニフォーム®粒剤0.25 g/ 株を定植時株元散 布することにより,根腐病の発生を抑制することが可能で あり,なおかつ栽培終了時の養液で,農薬の登録保留基準 値を下回る薬効成分の検出に留まったことから,水耕栽培 におけるトルコギキョウ根腐病のための適用拡大へ向けた 結果が得られた. (花き研) (24) 齋藤まどか・中島雅己・阿久津克己 L­ メチオ ニンによるトマトうどんこ病の抑制効果について Saito, M., Nakajima, M. and Akutsu, K.: Inhibitory effect of L-methionine on tomato powdery mildew. 当研究室では L- メチオニン処 理が植物にもたらす抵抗性誘導効果について研究を行って いる.これまでにトマト葉へのL- メチオニン処理がプラ イミング効果によって防御関連遺伝子を活性化し, Fusar-ium oxysporum f. sp. lycopersici が引き起こすトマト萎凋病

の症状を抑制することを明らかにしている(平成27 年度 植物病理学会大会).本研究ではトマトうどんこ病に対す るL- メチオニンの抑制効果について調査を行った.トマ トの子葉に100 ppm の L- メチオニンを浸漬処理し,2 日 後にうどんこ病罹病葉に形成された分生子を絵の具筆で第 一葉に塗布することで接種した.7 日後に病徴を観察した ところ,L- メチオニン処理区ではコントロールと比較し て菌叢の形成が顕著に抑制されることが確認された.そこ で,接種葉を固定して光学顕微鏡を用いて観察したところ, L- メチオニン処理区の菌叢は薄く,分生子柄の形成数も 有意に少ないことが明らかとなった.現在は感染時の防御 関連遺伝子の発現解析を行い,L- メチオニンによる抑制 効果の要因を調べている. (茨城大農) (25) 加司山大樹・中島雅己・阿久津克己 Botrytis tu-lipae 接種葉におけるチューリップおよび他の植物の応答

反応 Kajiyama, D., Nakajima, M. and Akutsu, K.: The response reaction in leaves of tulip and other plants inoculated with

Botrytis tulipae. Botrytis tulipae はチューリップ褐色斑点病

を引き起こす病原糸状菌である.本研究では,本菌による 病害の報告があるチューリップおよびタマネギ,宿主植物 ではないキュウリおよびトマトの切葉を用いて,本菌に対 する植物細胞の応答反応を組織化学的に調査した.その結 果,チューリップ葉では接種8 時間後から本菌の角皮侵入 が見られた.そして葉肉細胞において,接種12 時間後か ら活性酸素種(ROS)の一種である O2-の蓄積と細胞死が

(8)

認められ,その後褐変化が生じ,接種24 時間後には褐色 斑点病斑が形成された.一方,キュウリ,トマトおよびタ マネギ葉では接種8 時間後から付着器直下の表皮細胞壁で ROS の一種である H2O2の蓄積が認められ,その後キュウ リ葉では表皮細胞において顕著なH2O2の蓄積が見られ た.タマネギ葉では接種48 時間後から表皮細胞の顆粒化 が観察され,小さな白色の斑点が肉眼で確認できた.以上 より,本菌接種時のチューリップと他の植物の応答反応に おいてROS の蓄積に違いがあることが明らかとなった. (茨城大農) (26) 山崎亜純 1 ・林 敬子 2 ・芦澤武人 2 ・有江 力 3 ・ 井村喜之 1 ・藤田佳克 1  青色光によるオオムギおよびイ ネ の い も ち 病 菌 の 侵 入 抑 制 Yamasaki, A., Hayashi, K., Ashizawa, T., Arie, T., Imura, Y. and Fujita, Y.: Blue light inhib-its the penetration of rice blast fungus in barley and rice leaves. 青色光を照射したイネではいもち病抵抗性が誘導 され,発病が著しく抑制されることを報告した.そこで, 本実験ではいもち病菌の侵入と侵入菌糸伸展に対する青色 光照射の影響を調べた.オオムギでは,いもち病菌:青 92-06-2(レース 377.1)を接種し 48 時間暗黒または青色 光下に静置した時の侵入と菌糸伸展度を調べた.その結果, 48 時 間 後 の 侵 入 率 お よ び 菌 糸 伸 展 度 は, 暗 黒 下 で は 48.7%および 1.07 であったのに対し,青色光下では 21.3% および0.91 であった.次にイネ品種:キヌヒカリに GFP を導入したいもち病菌:稲86-137(レース 007)を接種し, 72 時間暗黒または青色光照射条件下に静置した時の侵入 を観察した.その結果,72 時間後の侵入率は暗黒下では 16.4%であったのに対し,青色光下では 2.1%であった. 以上から,青色光を照射されたオオムギおよびイネではい もち病菌の侵入が強く抑制され,このことが発病抑制の主 要因になっていると考える. ( 1 日大生物資源・ 2 中央農研・ 3 東京農工大) (27) 金子洋平 千葉県におけるナシ疫病予察モデルの 作成 Kaneko, Y.: Development of a model for forecasting Phytophthora rot of Japanese pear in Chiba Prefecture. ナシ 疫病(Phytophthora cactorum)は数年~数十年に一度,多 発生する.多発した場合は他のナシ主要病害との同時防除 は難しいことから,多発生年を当年の5 月の初頭までに予 測する技術が求められている.そこで,ジャガイモ疫病(P. infestans)の発生予察モデル(FLABS:Forecasting Late-Blight System)を参考にアメダスデータを用いたナシ疫病 の予察法を検討した.モデルは,病原菌の生育温度や性質 等に基づき,日毎の気温,降雨量,日照時間から設定した 感染好適指数を1 月 1 日から 5 月 1 日まで累積し,累積感 染好適指数を求めるものとした.このモデルについて,過 去48 か年のアメダスデータ(千葉観測所)から算出した 累積感染好適指数を説明変数,千葉県における多発生の有 無を目的変数としたロジスティック回帰分析を行ったとこ ろ,この値が高いほど多発生の確率が有意に上昇すること を確認したので(P = 5.48 × 10- 5 ),千葉県における「ナ シ疫病予察モデル」として報告する. (千葉農林総研) (28) 國友映理子 1 ・武田 藍 1 ・山本幸洋 1 ・原田浩司 1 ・ 小原裕三 2 ・横山とも子 1  黒ボク土露地畑におけるガスバ リア性フィルム適用によるクロルピクリン処理量削減の可 能 性 Kunitomo, E., Takeda, A., Yamamoto, Y., Harada, K., Kobara, Y. and Yokoyama, T.: Reduction of chloropicrin appli-cation rate by covering with a gas-barrier film on Andosol up-land field. 黒ボク土露地畑におけるガスバリア性フィルム 被覆によるクロルピクリン(以下CP)処理量削減の可能 性を土壌病原菌に対する薬効から検証した.CP 処理量を 3,2,1 及び 0 ml/ 穴とし,ガスバリア性フィルムまたは 慣行フィルム(農ポリ)で被覆する8 区 3 反復を設けた. 各区における薬効を評価するため,トマト萎凋病菌とホモ プシス根腐病菌の培養菌体及びサツマイモ立枯病菌の汚染 土を不織布袋に詰め,CP 潅注前に区中央の地表下 20 cm に埋設し,くん蒸終了後に回収して各菌の生存状況を検定 した.その結果,CP を処理した全ての区において,トマ ト萎凋病菌の生存菌数(CFU/g 乾土)及びサツマイモ立枯 病の発病株率(%)が0 となった.慣行フィルム 2,1 ml/ 穴区のホモプシス根腐病の発病株率は6.3%であり,慣行 フィルム3 ml/ 穴区及び CP を処理した全てのガスバリア 性フィルム区の0%と比べて高かった.以上のように,ガ スバリア性フィルムで被覆することによりCP 処理量を削 減できる可能性が示された.本課題は環境研究総合推進費 (5-1303)により実施した. ( 1 千葉農林総研・ 2 農環研) (29) 鍵和田聡 1 ・酒井純平 1 ・宇賀博之 2 ・藤田恵梨香 3 ・ 川崎雄介 3 ・彌冨 仁 3  Convolutional Neural Networks

を用いたキュウリウイルス病の画像診断システムの開発  Kagiwada, S., Sakai, J., Uga, H., Fujita, E., Kawasaki, Y. and Iyatomi, H.: Development of image diagnosis system for virus diseases on cucumber using Convolutional Neural Networks.  画像による診断支援は人間の医療分野において開発が進め られ,一部実用化されているが,植物病の診断目的ではほ とんどなされていない.今回,深層学習器として注目され るConvolutional Neural Networks を用いた植物の葉の画像 解析による病害診断システムの開発を試みた.まず材料と してキュウリを用い,メロン黄化えそウイルスに感染した キュウリ黄化えそ病の葉の画像,および健全株の葉の画像

(9)

をそれぞれ235 および 797 枚撮影し,これを訓練データと して導入してシステムを構築し,4-fold cross-validation に よって評価したところ,識別率88.7%を得た.次いで,ズッ キーニ黄斑モザイクウイルス,キュウリモザイクウイルス (以上モザイク病),ウリ類退緑黄化ウイルス(退緑黄化病) に感染したキュウリの葉の画像も加えて5 クラス分類によ る診断を行ったところ,識別率の平均として90.7%を得 た.今後は,異なった環境で育成したキュウリのウイルス 病徴で同程度に診断が可能かを確かめるとともに,菌類病 や細菌病にも応用が可能であるか確認する予定である. ( 1 法政大植物医科・ 2 埼玉県農技研セ・ 3 法政大応用情報) (30) 上村兼輔 1 ・松原聖斗 1 ・田守 秋 1 ・蝶名林春香 1 ・ 遠藤三千雄 1 ・前野絵里子 1 ・川合 昭 1 ・勝木俊雄 2 ・西尾  健 1  ウメ輪紋ウイルスに感染したサクラ苗の経過観察お よ び‘染 井 吉 野’ のPPV 感 受 性 調 査 Kamimura, K.,

Matsubara, K., Tamori, A., Chonabayashi, H., Endo, M., Maeno, E., Kawai, A., Katsuki, T. and Nishio, T.: Follow-up obser-vation of flowering cherry seedlings infected PPV and investi-gation on PPV susceptibility of Cerasuas × yedoensis ‘Somei-yoshino’. 2013 年および 2014 年にアブラムシ接種し,接 種葉にPPV の感染が確認されたサクラ 10 種 36 株を供試 して,2015 年春に展開した新梢および新葉から PPV の検 出を試みた.PPV の検出はサクラの茎や葉から昆虫針を 用いてRNA を採取し,Nested RT-PCR によって行った. 供試サクラは,接種後の冬期は隔離網室内の自然条件下で 栽培管理し,落葉,休眠を1 回または 2 回経過したもので ある.検定の結果,7 種 12 株のサクラの茎から PPV が検 出された.このうちオオシマザクラ1 株(冬期 1 回経過) では,新葉14 枚中 5 枚から PPV が検出され,一部の葉で は退緑輪紋症状が観察された.さらに,この病徴が認めら れた葉を接種源として,モモアカアブラムシを用いてウメ 実生苗に戻し接種を行ったところ,感染が確認された.ま た,‘染井吉野’はPPV 感受性であることが確認された. ( 1 法政大植物医科・ 2 森林総研) (31) 清水健太・前野絵里子・川合 昭・西尾 健 

Helleborus net necrosis virus の人工接種とクリスマス

ローズ植栽地の発生調査 Shimizu, K., Maeno, E., Kawai, A. and Nishio, T.: Artificial inoculation and field survey for

Helleborus net necrosis virus. クリスマスローズ黒死病の病

原ウイルスとされるHelleborus net necrosis virus(HeNNV)

は,汁液伝染の報告はなく,アブラムシにより媒介される と考えられているが実証はされていない.HeNNV 感染ク リスマスローズ葉を接種源とし,数種の検定植物に0.1 M リン酸緩衝液pH 7.0 を用いて汁液接種を行ったところ,

Chenopodium quinoa,C. amaranticolor の接種葉に退緑斑点

症状を生じた.これをELISA 及び RT-PCR で検定したと ころ,HeNNV が検出された.モモアカアブラムシを用い て,75 株のクリスマスローズ実生苗に接種を行い,接種 2ヶ月後に 2 株で感染が確認された.また,東京都調布市 内の公園の一区画に植栽されているクリスマスローズ全株 (581 株)を ELISA で検定したところ,76 株で感染が確認 された.この公園において自然伝搬した可能性が考えられ たことから,2015 年 6 月~7 月に,この植栽地に黄色粘着 板を設置し,捕獲したアブラムシをミトコンドリアCOI 領域の塩基配列により同定したところ,13 種のアブラム シが確認された. (法政大植物医科) (32) 井上創太 1 ・遠藤 恵 1 ・神崎明花 1 ・小野 剛 2 ・ 星 秀男 3 ・鍵和田聡 1  トルコギキョウから分離されたア イリス黄斑ウイルス東京分離株の全塩基配列 Inoue, S., Endo, K., Kanzaki, H., Ono, T., Hoshi, H. and Kagiwada, S.: Complete nucleotide sequence of Iris yellow spot virus, Tokyo islolate on lisianthus, Eustoma grandiflorum. アイリス黄斑 ウイルス(Iris yellow spot virus; IYSV)は近年世界および日

本各地に感染を広げているトスポウイルス属のウイルスで ある.IYSV ゲノムの S,M および L の各分節の塩基配列は, 海外においてそれぞれ1~2 件のみしか報告されておら ず,ひとつの分離株の全塩基配列のセットは報告されてい ないことから,今回,東京で栽培されたトルコギキョウか ら分離された分離株について3 分節の全塩基配列を決定す ることとした.その結果,各ORF の既知の配列との相同 性(塩基配列/アミノ酸配列)は,S 分節において,オラ ンダ株とNSs で 90% / 98%,N で 89% / 89%であった.M 分節において,NSm ではアメリカ株と 98% / 99%,オラン ダ株と89% / 94%,Gn/Gc ではアメリカ株と 98% / 99%, オランダ株と89% / 92%であり,アメリカ株の方が比較 的高い相同性であった.L 分節の RdRp ではアメリカ株と 96% / 98%の相同性であった.また,N 遺伝子の塩基配列 による系統解析から,IYSV 系統は IYSVBRとIYSVNLに大 別されるが,東京株はIYSVBRに属することが明らかと なった. ( 1 法政大植物医科・ 2 東京小笠原亜熱帯農セ・ 3 東京農総研) (33) 長岡(中薗)栄子 1 ・藤川貴史 1 ・岩波 徹 2  高 知県ヒュウガナツより検出したリンゴステムグルービング ウイルスのゲノムRNA の塩基配列 Nakazono-Nagaoka,

E., Fujikawa, T. and Iwanami, T.: Nucleotide sequence of the genomic RNA of Apple stem grooving virus isolate from Citrus

tamurana in Kochi Prefecture. 高知県のヒュウガナツにお

(10)

モザイク症状が観察され,またキノアへの汁液接種で局部 病斑が認められた.さらに,このヒュウガナツの原木では カラタチ台木の接木部異常が観察されたことより,リンゴ ステムグルービングウイルス(ASGV)の感染が考えられ た.ASGV 検出プライマーを用いた RT-PCR 法によりウイ ルス感染を確認した後,ASGV のゲノム全長について塩基 配列を決定した.得られた塩基配列を解析したところ,全 長は6946 塩基であり,2 つの ORF をコードしていた.全 塩基配列の相同性をASGV の既報系統と比べたところ, 台湾のポンカン由来株CTLV-Pk で 95%と最も高かった. リンゴから分離されたASGV 系統やユリから分離された CTLV-L との相同性は 83~84%と低かった.CP 領域のア ミノ酸配列についてはいずれの株も94%以上であった. 今回得られたヒュウガナツ由来ASGV 株の塩基配列は, 日本のカンキツ由来ASGV 株としてデータベースに登録 する予定である. ( 1 農研機構果樹研・ 2 農研機構果樹研リンゴ) (34) 髙橋真秀・佐藤侑美佳・中田菜々子 施設栽培に おけるトマト黄化葉巻病耐病性品種からのトマト黄化葉 巻ウイルスの伝搬 Takahashi, M., Sato, Y. and Nakata, N.: Transmission of Tomato yellow leaf curl virus from resistant tomato cultivar grown in a greenhouse. 近年,トマト黄化 葉巻病対策として千葉県では耐病性品種を導入する生産者 が増えつつある.トマト黄化葉巻ウイルスTomato yellow leaf curl virus(TYLCV)に感染した耐病性品種からタバコ

コナジラミBemisia tabaci が TYLCV を保毒,伝播するこ

とはすでに知られているが,国内で流通している品種につ いて実際の圃場において調査された例はほとんどない.そ こで,耐病性品種「桃太郎ピース」の促成栽培が行われて いる現地の加温施設において調査を行った.施設内で栽培 されているトマト葉の全DNA(mg)あたりの TYLCV の V1 遺伝子のコピー数は,10 の 7 乗から 9 乗程度あり,吸 汁したタバココナジラミが高率でTYLCV を保毒するウイ ルス濃度が確認された.また,施設内から採取したタバコ コナジラミの約86%が TYLCV を保毒しており,これらを 罹病性トマト(品種:「桃太郎」)の健全株に放飼したとこ ろトマト黄化葉巻病の発生が確認された.このことから, 国内で流通する耐病性品種も罹病性品種同様にTYLCV の 伝染源になる可能性が示唆された. (千葉農林総研) (35) 奥田 充 1 ・花田 薫 1 ・柴 卓也 1 ・平江雅宏 1 ・ 浅井元朗 2 ・小林浩幸 1  イネ縞葉枯ウイルスのイネ科雑草 及び牧草への感染性 Okuda, M., Hanada, K., Shiba, T., Hirae, M., Asai, M. and Kobayashi, H.: Susceptibility of Gramineous weeds and grasses to Rice stripe virus infection. イネ縞葉枯

ウイルス(RSV)の伝染環の解明を目的として,RSV 及び その媒介虫であるヒメトビウンカの越冬源であると考えら れている冬緑性イネ科雑草及びイネ科牧草のRSV 感受性 を調査した.中央農研保存のイネ科雑草種子を育苗ポット に播種後,恒温器内で育成し,RSV 保毒ヒメトビウンカ 幼虫をポットあたり30 頭 7 日間放飼した.殺虫剤により ヒメトビウンカを取り除き,ポットを温室に移して約3 週 間育成後,病徴の有無を観察するとともにリアルタイム RT-PCR によりウイルス感染を確認した.その結果,供試 した14 種のイネ科雑草のうちセトガヤ,カラスムギ,コ バンソウ,ナギナタガヤ,スズメノカタビラなど10 種で RSV の感染が確認された.しかし,新海(1962)により RSV の感染が報告されているスズメノテッポウについて は,本試験では感染が確認できなかった.イネ科牧草では, 供試した7 種のうち,イタリアンライグラスとペレニアル ライグラスでRSV の感染が確認された. ( 1 中央農研・ 2 東北農研) (36) 西田萩子・吉田哲也・笹野百花・煉谷裕太朗・薦田 (萩原)優香・岡野夕香里・橋本将典・山次康幸・難波 成任 Lolium latent virus のアグロイノキュレーション

用コンストラクトの構築 Nishida, S., Yoshida, T., Sasano, M., Neriya, Y., Hagiwara-Komoda, Y., Okano, Y., Hashimoto, M., Yamaji, Y. and Namba, S.: Construction of an agro- infectious cDNA clone of Lolium latent virus. Lolium latent

virus(LoLV)はプラス一本鎖 RNA ゲノムをもつ Alpha-flexiviridae 科 Lolavirus 属のタイプ種であり,ライグラスな

どに感染することが知られている.ヨーロッパやアメリカ において発生が知られており,アメリカ分離株の全ゲノム が解読されている(Vaira et al., 2008).本研究では,LoLV の性状解析のためアグロインフィルトレーション法による 効率的なLoLV 接種系の開発を試みた.LoLV 感染 Nicotiana

benthamiana から抽出した全 RNA を用いて LoLV 完全長

cDNA クローンを合成し,バイナリーベクターに導入した 後,アグロインフィルトレーション法によりN. benthamiana に接種したところ,上葉においてモザイク病徴が認められ た.病徴が認められた葉について電子顕微鏡観察を行った ところ,LoLV に特徴的なひも状の粒子が観察された.さ らにRT-PCR により LoLV の部分配列が増幅され,ウエス タンブロット解析によりLoLV の外被タンパク質も検出さ れたことから,LoLV の感染が確認された. (東大院農) (37) 濱田健太郎 1 ・福原敏行 1 ・寺岡 徹 1 ・有江 力 1 ・ 児玉基一朗 2 ・森山裕充 1  マイコウイルス感染Alternaria alternata における菌糸細胞破断法によるウイルスフリー

(11)

Kodama, M. and Moriyama, H.: Isolation of virus-free mycelial fragments from beads-beaten mycovirus-infected filamentous fungi, Alternaria alternata. Alternaria alternata EGS35-193 株(非病原性株)には,3' 末端に polyA 配列を有する 4 本 の2 本鎖 RNA(dsRNA)分節ゲノムを持つことを特徴と するAlternaria alternata virus1(AaV1)が感染している. AaV1 フリー化株の作出を目的として,YG 寒天プレート 培地で1 週間生育させた菌糸を,細胞破砕装置とビーズを 用いて破断した.ランダムサイズに破断された菌糸破断溶 液をYG 培地上に播いてシングルコロニーを得た後,ウイ ルスdsRNA 含量が低下したコロニーを選抜した.この dsRNA 低含量化株を培養して,再度細胞破断処理後に, マニピュレターを用いて約10 細胞からなる菌糸断片を単 離した.各単離株由来菌糸をYG 液体培地で培養後,EtBr 染色法とone step RT-PCR 法によって,dsRNA 不検出株 が見出されたため,ウイルスフリー化株の作出に成功した と考えられた. ( 1 農工大院農・ 2 鳥取連大) (38) 内田景子 1 ・高橋優実 2 ・岡田 亮 2 ・福原敏行 2 ・ 有江 力 2 ・寺岡 徹 2 ・植松清次 3 ・森山裕充 2  アスパラ ガス疫病菌から検出されたエンドルナウイルスの塩基配 列解析および宿主菌の薬剤感受性について Uchida, K., Takahashi, Y., Okada, R., Fukuhara, T., Arie, T., Teraoka, T., Uematsu, S. and Moriyama, H.: Molecular characterization of Endornavirus in asparagus Phytophthora rot fungus

(Phytoph-thora sp.) and its influence effects of fungicide sensitivity. 

15 kbp の dsRNA をゲノムとするエンドルナウイルスが感 染したアスパラガス疫病菌(Phytophthora sp.)は,非感染 菌株に比べて菌糸伸長の遅延などの生育不良を示す(内田 ら27 年度本大会).今回,塩基配列解析及び,エンドルナ ウイルス感染が疫病菌の薬剤感受性に及ぼす影響につい て,疫病防除用薬剤を添加したPDA 培地上での菌糸伸長 を指標に調査した.エンドルナウイルス感染株の菌糸伸長 阻害のMIC は,メタラキシル M・TPN 水和剤では 0.33 + 3.2 ppm(非感染株 MIC:33 + 320 ppm),TPN 水和剤で は4 ppm(非感染株 MIC:400 ppm),ベンチアバリカルブ イソプロピル・TPN 水和剤では 0.033 + 0.333 ppm(非感 染株MIC:0.33 + 3.33 ppm),マンゼブ・メタラキシル M 水和剤では64 + 3.8 ppm(非感染株 MIC:640 + 38 ppm) であり,それぞれ,非感染菌株の10~100 倍程度感受性が 高かった. ( 1 農工大院連農・ 2 農工大院農・ 3 千葉暖地) (39) 笹野百花 1 ・前島健作 1 ・西田萩子 1 ・遊佐 礼 1 ・ 北沢優悟 1 ・煉谷裕太朗 1 ・姫野未紗子 1 ・大島研郎 2 ・難波 成任 1  花葉化因子ファイロジェン「PHYL1」はシロイヌ ナ ズ ナ のclass E MADS 転写因子の分解を誘導する 

Sasano, M., Maejima, K., Nishida, S., Yusa, A., Kitazawa, Y., Neriya, Y., Himeno, M., Oshima, K. and Namba, S.: The phy-toplasma phyllody-inducing factor PHYL1 induces degradation of four class E MADS-box transcription factors of Arabidopsis

thaliana. 植物の花器官分化は,ABCE クラスの MADS 転

写因子群(MTFs)の発現パターンにより決定される.シ ロイヌナズナのclass E の MTFs として SEP1, 2, 3, 4 の 4 種類が知られており,その機能は重複している.我々はファ イトプラズマが分泌する花の葉化誘導因子PHYL1 の標的 の1 つとして SEP3 を特定し,PHYL1 が SEP3 の分解を誘 導することを明らかにした(平成27 年度大会).しかし, PHYL1 が同様に SEP1, 2, 4 を標的としているかは不明で あった.そこでSEP1, 2, 3, 4 と YFP の融合タンパク質を PHYL1 と Nicotiana benthamiana 葉で共発現させ,YFP 蛍 光を観察した.その結果,SEP3 と同様に,SEP1, 2, 4 い ずれの試験区においてもPHYL1 共発現時に YFP 蛍光が消 失した.従ってPHYL1 はシロイヌナズナが持つ 4 種類の class E MTFs 全てを標的とすると考えられた.class E の MTFs は 被 子 植 物 に 高 度 に 保 存 さ れ て い る こ と か ら, PHYL1 は植物の class E の MTFs を同等に標的とする葉化 誘導因子であることが示唆された. ( 1 東大院農・ 2 法政大植物医科) (40) 柴田詩織 1 ・養田恵美子 2 ・梶 翔太 2 ・小倉里江子 2 ・ 尾形信一 2 ・平塚和之 2  多穴プレートを用いた発光レポー ター法による遊離サリチル酸定量 Shibata, S., Yoda, E., Kaji, S., Ogura, R., Ogata, S. and Hiratsuka, K.: Quantification of free salicylic acid by the bioluminescence reporter system using multiwell plate. 我々は,サリチル酸(SA)応答性 のタバコPR-1a 遺伝子プロモーターの挙動を指標とした ハイスループットスクリーニングにより,抵抗性誘導剤候 補化合物を複数選抜してきた.これら候補化合物の特徴付 けを目的として,形質転換アシネトバクター属菌 ADP-WH_lux を用いた遊離 SA の定量方法について検討した. ADPWH_lux はルシフェラーゼ発光レポーターによって遊 離SA 量に比例した発光を呈する.本研究では従来の破砕 抽出法,成熟個体を用いた方法よりも簡便かつ多検体処理 が可能な系の確立を目指し,多穴プレートとシロイヌナズ ナの芽生えを用いる方法について検討した.この方法を用 いることで,従来の発光レポーターによる化合物スクリー ニング系との比較検討が可能となる.今回は,既知の抵抗 性誘導剤であるプロベナゾール,サッカリン,アシベンゾ ラルS メチル処理による遊離 SA 量の比較と,抵抗性誘導 剤候補化合物の作用機序について考察した結果を報告する. ( 1 横浜国大理工・ 2 横浜国大院環境情報)

(12)

(41) 石田浩高・小倉里江子・平塚和之 ルシフェラー ゼ融合タンパク質を用いたジャスモン酸経路因子in planta

モニタリング Ishida, H., Ogura, R. and Hiratsuka, K.: The use of luciferase-fusion protein to monitor the jasmonate signaling pathway in planta. 我々の研究グループは,発光 レポーターと病害応答遺伝子プロモーターとの融合遺伝子 を導入した形質転換植物を利用し,各種病害応答遺伝子の 非破壊的・定量的遺伝子発現モニタリング系による生理活 性物質の探索等を行ってきた.しかし,この系では間接的 な遺伝子発現レベルの観察に止まり,タンパク質因子の動 態を観察することはできない.そこで本研究では,遺伝子 産物の生体内での連続モニタリングが可能な技術として, 発光レポーターと各種病害応答関連因子との融合タンパク 質を用いる方法について検討を行った.これまでに,遺伝 子銃による一過的遺伝子発現系を用いてジャスモン酸経路 因子であるシロイヌナズナJAZ1 とホタルルシフェラーゼ の融合タンパク質の分解過程のモニタリング等を試みてき た.今回は,形質転換シロイヌナズナを用いたin planta におけるJAZ1 分解の非破壊的かつ定量的な連続モニタリ ングについて検討した結果を報告する. (横浜国大院環境情報) (42) 石橋和大・石川雅之 出芽酵母におけるトマト黄 化えそウイルスRNA 複製機構の解析 Ishibashi, K. and

Ishikawa, M.: Analysis of Tomato spotted wilt virus RNA replication in Saccharomyces cerevisiae. 植物のマイナス鎖 RNA ウイルスは遺伝子操作ができないため,増殖機構に は未解明の点が多い.トマト黄化えそウイルス(TSWV) のRNA ポリメラーゼおよびヌクレオキャプシドタンパク 質を発現する出芽酵母細胞に,TSWV のゲノムのうち一番 短い分節であるS RNA(cRNA)を発現するプラスミドを さらに導入したところ,S RNA と同じ長さの RNA がノー ザン解析により検出された.このとき複製産物である相補 鎖RNA(vRNA)も検出され,出芽酵母細胞内で TSWV S RNA の複製が起きたと考えられた.複製の鋳型特異性を 調べるため,S cRNA の様々な領域を欠失させたところ, 5' あるいは 3' 非コード領域を欠失させたときに vRNA が 検出されなくなり,この領域に複製に必須なシス配列が存 在することが示唆された. (生物研) (43) 橋本将典 1 ・遊佐 礼 1 ・小松 健 2 ・桂馬拓也 1 ・ 石川一也 1 ・根津 修 1 ・薦田(萩原)優香 1 ・山次康幸 1 ・ 難波成任 1  植物ウイルスヘリカーゼの両親媒性ヘリック スにより誘導される膜変性と細胞死の解析 Hashimoto, M., Yusa, A., Komatsu, K., Keima, T., Ishikawa, K., Netsu, O., Hagiwara-Komoda, Y., Yamaji, Y. and Namba, S.: Analysis on

host membrane modification and cell death triggered by a amphipathic helix in a plant RNA virus helicase. ダイコンモ ザイクウイルス(Radish mosaic virus; RaMV)のヘリカー

ゼタンパク質(Hel)のうち,両親媒性ヘリックスを含む アミノ末端領域は,過敏感反応(HR)様細胞死のエリシター として機能する(橋本ら,2015 年本大会).一般に,両親 媒性ヘリックスがウイルスタンパク質の膜局在性に重要で ある点に着目し,Hel アミノ末端領域(nHel)による細胞 死との関連を調べた.まず,nHel を植物細胞内で発現さ せたところ,小胞体膜に変性が認められた.また,細胞死 を誘導しないnHel 変異体は膜変性を引き起こさないこと から,膜変性が細胞死誘導と相関することが示唆された. 一般にRaMV 等のウイルスの複製には,膜の新規合成を 伴う膜変性が不可欠である.そこで,RaMV の増殖を抑制 する効果を持つ膜合成阻害剤セルレニンを処理したとこ ろ,nHel による膜変性だけでなく細胞死も抑制された. これらのことから,両親媒性ヘリックスによるHR 様細胞 死は,複製に不可欠な膜変性が引き金となると考えられた. ( 1 東大院農・ 2 農工大院農) (44) 浅井秀太 1 ・Furzer, O.J. 2 ・Cevik, V. 2 ・Ishaque, N. 2 ・ 白須 賢 1 ・Jones, J.D.G. 2  べと病菌エフェクターATR4

は宿主細胞内局在変化により抵抗性遺伝子RPP4 による

認識を回避する Asai, S., Furzer, O.J., Cevik, V., Ishaque, N., Shirasu, K. and Jones, J.D.G.: ATR4, a downy mildew effector recognized by R gene RPP4, evades recognition by changing in planta subcellular localization. これまでに,シロイヌナ ズナの抵抗性遺伝子RPP4 により認識されるべと病菌エ

フェクターATR4 を同定しており,日本植物病理学会大会 にて報告した.RPP4 による認識を回避しているべと病菌

分離株Hind2 由来の ATR4 アレル(ATR4Hind 2 )において, 推定の核局在シグナル配列(NLS)内に一カ所の一塩基多 型が見つかった.実際に,GFP 結合 ATR4(GFP-ATR4) は植物細胞内において細胞質および核内,特に核小体にお いて局在が観察されるのに対して,GFP-ATR4Hind 2 は核小 体内の局在が顕著に減少していた.そこで,ATR4 および ATR4Hind 2 由来の推定NLS に GFP を結合したコンストラ クト(GFP-NLSATR 4 ,GFP-NLSHind 2 )を作製したところ, GFP-NLSATR 4 では核小体内での顕著なGFP 蛍光が観察さ れたが,GFP-NLSHind 2 では観察されなかった.以上の結 果より,ATR4Hind 2 は宿主細胞内局在を変化させる遺伝子 変異によりRPP4 による認識を回避していることが示唆さ

れた. ( 1 理研CSRS・ 2 The Sainsbury Laboratory, UK) (45) 熊倉直祐 1 ・Pamela Gan 1 ・津島綾子 1 ・浅井秀太 1 ・ 門田康弘 1 ・鳴坂真理 2 ・鳴坂義弘 2 ・高野義孝 3 ・白須 

参照

関連したドキュメント

「地方債に関する調査研究委員会」報告書の概要(昭和54年度~平成20年度) NO.1 調査研究項目委員長名要

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

地域 東京都 東京都 埼玉県 茨城県 茨城県 宮城県 東京都 大阪府 北海道 新潟県 愛知県 奈良県 その他の地域. 特別区 町田市 さいたま市 牛久市 水戸市 仙台市

As a result of the Time Transient Response Analysis utilizing the Design Basis Ground Motion (Ss), the shear strain generated in the seismic wall that remained on and below the

平成30年度

平成 31 年度アウトドアリーダー養成講習会 後援 秋田県キャンプ協会 キャンプインストラクター養成講習会 後援. (公財)日本教育科学研究所

株式会社イトーヨーカ堂 施設管理部 彦田 徹 東京都温暖化対策8.