空隙の可視化によるコンクリートの強度発現メカニズムの研究 [ PDF
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(2) 30.0. 60.0. 材齢1日. 材齢28 日. 50.0 2 圧縮強度 (N/mm ). 総細孔量 (vol%). 25.0 材齢7日 20.0 15.0 10.0. 材齢28日. GP1200. 5.0. 40.0 材齢7日. 30.0 20.0. GP1200 FA4000. 材齢3 日. 10.0. FA4000. 材齢1日. 0.0. 0.0. 0. 332 148. 粉体外割混合が総細孔量に及ぼす影響. 図-3. この時期には石炭灰のポゾラン反応はほとんど進行 しないことは明らかであり,硬化体組織の緻密化は粉 体の混合による物理的な作用に起因するものと考え られる。 3.0 W/P=206% W/P=78% FA4000 GP1200. 細孔量 (vol%) 細孔量 (vol%). 2.5 2.0. 粉体外割混合が強度発現性状に及ぼす影響 W/P=206% W/C=65%. 50.0 50. W/P=145% W/P=50%. 40.0 40. W/P=127% W/P=45%. 30.0 30. W/P=78% W/P=30%. 20.0 20 -0.1x -0.1p Sy==62.3e 62.3e. 10 10.0. R = 0.96 r =0.96. 0 0.0. 0.0 1.5. 図-4. 1.0. 10.0 20.0 30.0 50nm以上の細孔量 (vol%) 50nm以上の細孔量 p (vol%). 50nm 以上の細孔量と圧縮強度の関係. さない砕石粉を用いた場合でも同様であり,粉体を外 割混合したコンクリートの強度発現はこれらの粉体. 0.5 0 1. 10. 100. 1000. 10. 4. 10. の空隙形成特性に依存し粉体の反応性とは無関係で. 5. 細孔径 (nm). 図-2. 38 126 56 332 148 85 単位粉体量 (l/m 単位粉体量 (kg/m33)). 60.0 60 2. 図-1. 38 85 126 56 3 3 単位粉体量 (kg/m (l/m 単位粉体量 )). (N/mm 圧縮強度 圧縮強度 S (N/mm)2). 0. あることが明らかである。 3. SEM による空隙構造の可視化. 粉体外割混合が細孔径分布に及ぼす影響. 2.4.2 粉体外割混合が強度発現性状に及ぼす影響. 3.1 実験概要 本章では,走査型電子顕微鏡(以下 SEM と称す). 図-3 に,各調合ならびに各材齢における圧縮強度と 単位粉体量の関係を示す。単位粉体量の増加に伴い,. によりコンクリート硬化体の空隙構造を目視により 観察し,画像解析から空隙率を算出した。なお,使用. 初期材齢から圧縮強度が大きくなっていることがわ かる。図-4 に 50nm 以上の細孔量と圧縮強度の関係を. 材料,調合および試験体の作製方法に関しては 2.3.1 と同様である。. 示す。種々の細孔径において強度との相関を検討した 結果,既往の文献 2)と同様,圧縮強度は 50nm 以上の. 3.2 SEM による画像解析 供試体を厚さ 5mm にコンクリートカッターで切り. 空隙量と最も高い相関を示した。先に示したように石 炭灰を外割混合することによりポルトランドセメン. 出し,アセトンで水和を停止させ,精密平面研削盤で 研磨を行い,1日真空乾燥したものを試料とした。そ. ト単味の場合と比較して 50nm 以上の空隙量が材齢初 期から減少するため,石炭灰外割混合コンクリートは,. の試料を分解能 3.5nm の SEM によって,倍率 50,100, 500,1,000,5,000 および 10,000 の 6 種類の倍率で撮. ポゾラン反応のほとんど進行しない初期材齢から高い強. 影し,画像解析を行った。空隙率の算定方法は,SEM. 度を発現することが確認された。このことは反応性を有. 画像 1 枚の総ピクセル数に対する空隙の総ピクセル. 50-2.
(3) 数で空隙率を算出した(以下 SEM 空隙率と称す)。各 倍率による画像の撮り方は,試料の中心部とその点か. 20. 倍率. 2. 圧縮強度 S (N/mm ). ら最も遠い 2 点の 3 点を選択した。 3.3 実験結果および考察 3.3.1 SEM 空隙率と水銀圧入法による細孔量 の対応 図-5 に SEM 空隙率と水銀圧入法による細孔量の対 応を示す。同図より,両者には相関がみられる。. 50+1000 100+1000 50+500. 15. S=10.0e S=10.7e S=11.3e. -0.006p -0.008p -0.04p. r =0.74 r =0.83 r =0.85. 10. 5.0. 30 × 50 × 500 ×1000. 0. SEMによる空隙率 Ps(%). 25. 0. Ps=0.70Pp (r=0.53). 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 40. S E M 空隙率 p (%). 20. 図-6. SEM 空隙と強度との関係. 1000. 5000. 15. (3∼ 55nm). 10. 0.001. 0.01. 50. (15∼266nm ). (292∼9193nm). 細孔径(μm) 1 0.1. 10. 100. 3.0. 5. W/C=65% ● W/P=206% 2.5. 図-5. 5 10 15 20 25 ポロシメーターによる空隙率 Pp(%). 30. 細孔量 (vol%) 細孔量(vol%). 0 0. SEM 空隙率と水銀圧入法による細孔量 の対応. 3.3.1 SEM 空隙率と強度との関係 SEM 空隙率を求め強度との関係を求めたものを図-6. W/P=78% W/P=30% □ FA4000 FA4000 ◆ GP1200 GP1200. 2.0. 1.5. 1.0. 0.5 0. に示す。この図に示されているSEM空隙率は 2 つの倍. 1. 10. 500 (28∼528n m ). く異なった。(図省略)次に,水銀圧入式ポロシメータ の空隙範囲を SEMの倍率で表したものを図-7 に示す。. よってもコンクリート硬化体中の空隙率を算定するこ とが可能である。. 1000. 10. 4. 5. 10. 細孔径 (nm). 率の空隙率を足し合わせたものであるが,6 つの各倍率 と強度との相関を調べたところ各倍率によって大き. 水銀圧入式ポロシメータと同様に空隙率と強度には相 関があることが認められる。これらのことから可視化に. 100. 10000. 100. (135∼3559nm). (2∼3 0nm). 図-7. SEM の空隙範囲と水銀圧入法の細孔範囲. 混合したものも同様であった。 これは,石炭灰の混合により,相対的にセメント粒 子の割合が減少したためであると推察される。. 3.3.2. 水和生成物の観察. 図-8 に材齢 1 日,倍率 5000 倍のポルトランドセメ ント単味のコンクリートと W/P=78%(単位石炭灰量. 4.空隙構造モデル 以上の検討から,ポルトランドセメント単味のコンク. 148 l/m3)混合したコンクリートの SEM 画像を示す。 ポルトランドセメント単味と比較して石炭灰を外割. リートと石炭灰を外割混合したコンクリートにおける 空隙構造モデルについて検討した。空隙構造モデルを図. 混合した場合の SEM 画像は,エトリンガイトの生成. -9 に示す。このモデルはモルタル中の細骨材粒子1個に. があまり認められない。この傾向はその他の石炭灰を. 対応する空間において,細骨材およびその周囲の空間を. 50-3.
(4) 埋めるセメントや石炭灰などの粉体粒子,およびこれら の空隙で構成される。構成粒子は,球形で,それぞれの. やすいことを意味する。その結果,石炭灰外割混合コン クリートの強度がポルトランドセメント単味のコンクリ. 粒子は平均径に相当する単一の大きさを有するものと 仮定する。図-9 (a)は,ポルトランドセメント単味(W/P. ートよりも初期材齢から高くなることが説明できる。 (a) W/P=206 % (ポルトランドセメント単味) 空隙(半径:0.414r c). 細骨材. 2μm. セメント粒子. L. W/P=206 %(石炭灰無混入). rc 拡大図. (b) W/P=60 % (石炭灰外割混合) 空隙 (半径:0.155 rc ). 細骨材. rc 2μm. セメントおよび石炭灰粒子. 1.15L. 図-8. W/P=78 %(単位石炭灰量:148 l/m3 ) SEM 画像(材齢 1 日,倍率:5000). 図-9. 拡大図. 空隙構造モデル. =206 %)の場合で,細骨材以外の空間はセメント粒子が. 5.結論 (1)石炭灰を外割混合したコンクリートの総細孔量は,. 占めている。残りの空隙は水が占めており,セメントの 水和生成物により埋められていくことになる。調合から. 単位粉体量にかかわらずほぼ同程度となる。一方,細 孔径分布は単位粉体量の増加とともに 50nm 以下の微. 算定される構成粒子の体積とそれぞれの粒子径から求. 細な空隙が増加する傾向を示す。. められる粒子数に整合させてセメント粒子を配置する と,空隙は図-9 (a)右側の拡大図のようにしか配列できな. (2)圧縮強度は50nm以上の空隙量と明瞭な相関を示し, これが少ないほど高い強度を示す。. い。内接円の半径すなわち空隙径は,セメント粒子の半 径を rC とすると,0.414 rC となる。次に,石炭灰を外割. (3)硬化体を SEM で可視化し,画像解析で求めた SEM 空隙率と強度の相関はよく,この手法を用いて空隙を. で混合した場合(W/P=60%),ポルトランドセメント単 味のコンクリートと比較して,石炭灰に置換した体積分. 算出することが可能である。 (4)物理的な空隙の細分化により,初期材齢からコンク. だけ細骨材量が減少するため,細骨材1 個に対応する空 間は相対的に大きくなる。この空間を埋めるのは,セメ. リート硬化体中の水和生成物が埋める空隙径が小さ くなり,粉体を混合したコンクリートは,ポルトラン. ントおよび石炭灰粒子である。これら粒子の総体積が 増加したため配列が密になり,セメントと石炭灰の平均. ドセメント単味のコンクリートに比べてより緻密な 組織をつくり初期から強度が高くなることを空隙の. 粒径が同程度の場合,図-9 (b)の拡大図のようになり,空 隙半径は 0.155 rCとなる。このモデルの特徴は,空隙の総. モデルにより明らかにした。. 量は単位水量に等しく,石炭灰混合の有無に関わらず総 細孔量は等しいことである。なお,石炭灰の有無による. 量使用する場合の調合則に関する研究”,セメント・コンクリー. 空隙径の違いは,練り混ぜ直後から成立するため,強度. セメントモルタル及びコンクリートの硬化体構造が強度発現性. 発現に関して,初期材齢から緻密な硬化体組織を構成し. 状に及ぼす影響”,セメント・コンクリート論文集 No.44,1990.. 50-4. 《参考文献》1)松藤泰典,小山智幸,“フライアッシュを外割大. ト論文集 No.51,1997.2)内川浩,羽原俊祐,沢木大介,“混合.
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