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スクリーニング検査について

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Academic year: 2021

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(1)

の摂取量推定

-規制のbefore & after-

国立医薬品食品衛生研究所

松田りえ子

(2)

有害物質摂取量推定の目的

施策決定の根拠となるデータを収集する

ある化学物質による健康危害が起こる可能性は

その化学物質の毒性だけではなく、実際に摂取さ

れているかも重要。

施策の有効性の根拠となるデータを収集する

施策の実施により、化学物質の摂取量が減少して

いるか?

より有効な施策の実施の必要性があるか?

(3)

有害物質摂取量推定の方法

3

➢トータルダイエットスタディー

マーケットバスケット方式

小売店などで食品を購入。調理後、食品摂取量 に従っ

て採取したのち、食品の性質に基づき分類された群ごと

に混合・均一化して試料とする。

陰膳方式

1日分の食事を実際に作る(集める)。これを混合・均一

化して試料とする。

➢個別食品分析

食品を個別に分析する。得られた分析値(の分布)とそ

の食品の摂取量や流通量を加味して有害物質摂取量

を推定する。

(4)

マーケットバスケット方式

1.個々の食品の平均的摂取量を算出する。

国民健康・栄養調査結果の特別集計結果を利用

2.食品をその性質ごとに分類する。

国民健康・栄養調査では17の大分類、33の中分類、

そして98の小分類。食品部で行っている調査では

14分類を採用。

(5)

食品分類

5 食 品 名 1群 米、米加工品 米、米加工品 3群 砂糖・菓子類 砂糖・甘味料、和菓子類、ケーキ・ペストリー類、ビスケット類、 キャンデー類、その他菓子類 4群 油脂類 バター、マーガリン、植物性油脂、動物性油脂、その他の油脂 5群 豆・豆加工品 大豆・加工品、 豆腐、油揚げ類、納豆、その他大豆加工品、 その他豆加工品 6群 果実類 いちご、柑橘類、バナナ、りんご、その他の果実、 ジャム、 果汁・果汁飲料 7群 有色野菜 トマト、にんじん、ほうれん草、ピーマン、その他の緑黄色野菜、 野菜ジュース 食 品 群 名 2群 穀類、いも類、種実 類 小麦粉類、パン類、うどん、中華めん類、即席中華めん、 パスタ、そば・加工品、とうもろこし・加工品、いも・いも加工品、 でんぷん・加工品、種実類

(6)

12群 乳・乳製品 牛乳、チーズ、発酵乳・乳酸菌飲料、その他の乳製品、 その他の乳類 13群 調味料・その他 ソース、しょうゆ、塩、マヨネーズ、味噌、その他の調味料、 香辛料その他 14群 水 水道水 8群 10群 魚介類 11群 肉・卵類 その他野菜・海草 ・きのこ類 嗜好飲料 9群 あじ・鰯類、さけ・ます、たい・カレイ類、まぐろ・かじき類、その他 生魚、貝類、いか・たこ類、えび・かに類、魚介塩蔵・生干し・ 乾物、魚介缶詰、魚介佃煮、魚肉ハム・ソーセージ 牛肉、豚肉、ハム・ソーセージ類、その他の畜肉、鶏肉、 その他の鳥類、肉類内臓、鯨肉、その他の肉加工品、卵類 キャベツ、きゅうり、大根、たまねぎ、はくさい、その他の 淡色野菜、葉類漬物、たくあん・その他漬物、きのこ類、海草類 日本酒、ビール、洋酒・その他、茶、コーヒー・ココア、 その他の嗜好飲料

(7)

7

食品の購入

調理・秤量

分析

混合・均一化

(8)

陰膳方式

1日分を混合・均一化し試料とする。

どちらの方式でも

分析によって得られた有害物質濃度 (µg/g)と食事

重量(g)から、1日摂取量を求める。

(9)

マーケットバスケット法式と陰膳方式

9

➢マーケットバスケット方式

摂取量の平均値しか求められない。(標準偏差等の分

布パラメータは分からない)

食品群別の濃度・摂取量が分かる。

➢陰膳方式

十分に多数の試料があれば、摂取量の分布パラメータ

が推定できる。

どのような食品から摂取しているかを知るには、詳細な

データと高度な解析が必要。

(10)

モンテカルロ法

個別食品の摂取量の分布

食品に含まれる有害物質の分布

が得られていれば、両者を掛け合わせることにより、

摂取量の分布を求められる。

0 2000 4000 6000 8000 10000 0 40 80 12 0 16 0 20 0 24 0 28 0 32 0 36 0 40 0 44 0 48 0 52 0 56 0 60 0 64 0 68 0 摂取量(g) 0 50 100 150 200 0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 4. 0 5. 0 6. 0 7. 0 8. 0 9. 0 10 .0 14 .0 18 .0 22 .0 DX類濃度(pg/g) 食品摂取量 有害物質濃度 0 2000 4000 6000 8000 10000 0 40 80 12 0 16 0 20 0 24 0 28 0 32 0 36 0 40 0 44 0 48 0 52 0 DX類摂取量(pg/man/day) 有害物質摂取量分布

(11)

食品部で実施している有害物質摂取量推定

11

➢1977年より継続している事業

Global Environmental Monitoring System(GEMS)の一環として開

始された。

現在は、都道府県等の衛生研究所や大学など10機関の協力に

より実施している。

対象とする有害物質

有機塩素系農薬(HCH、DDT類等)、有機リン系農薬、金属

(鉛、カドミウム、総水銀、総ヒ素等)、PCB類

➢ダイオキシン類

➢放射性物質

(12)

有機塩素系化合物

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 19 77-78 19 82 19 86 19 90 19 94 19 98 20 02 20 06 20 10 μ g/ man/d ay year α-HCH β-HCH γ-HCH δ-HCH Total-HCH 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 19 77-78 19 82 19 86 19 90 19 94 19 98 20 02 20 06 20 10 μ g/m an /da y year p,p'-DDT p,p'-DDE p,p'-DDD o,p'-DDT Total-DDT HCH類 DDT類 1971年12月30日に登録失効 1971年5月1日に登録失効 1981年に化審法第1種特定化学物質に指定 摂取量割合 2011年 有色野菜 魚介類 肉・卵 魚介類 有色野菜 肉・卵 乳・乳製品

(13)

PCBs

13 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 19 77-78 19 82 19 86 19 90 19 94 19 98 20 02 20 06 20 10 μ g/m an /da y year PCB 1973年3月 製造と開放系での使用を中止 1975年『第1種特定化学物質』に第1号として指定。 魚介類 肉・卵

(14)

金属類 鉛、カドミウム

魚介類 麦・雑穀 果実 有色野菜 淡色野菜 嗜好品 肉・卵 乳・乳製品 調味料 0 20 40 60 80 100 120 19 77-78 19 82 19 86 19 90 19 94 19 98 20 02 20 06 20 10 μ g/m an /da y year カドミウム 麦・雑穀 有色野菜 淡色野菜 魚介類 調味料 鉛 カドミウム

(15)

金属類 総水銀、総ヒ素

15 0 10 20 30 40 19 77-78 19 82 19 86 19 90 19 94 19 98 20 02 20 06 20 10 μ g/m an /da y year 総水銀 0 100 200 300 400 19 77-78 19 82 19 86 19 90 19 94 19 98 20 02 20 06 20 10 μ g/m an /da y year 総ヒ素 総水銀 総ヒ素 魚介類 魚介類 淡色野菜・海藻

(16)

推定摂取量の評価

ADI (許容一日摂取量):Acceptable Daily Intake

人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても、安全

性に問題のない量 (食品添加物、農薬)

TDI (耐容一日摂取量):Tolerable Daily Intake

人が生涯にわたって摂取しても健康に対する 有害な

影響が現れないと判断される量 (重金属、環境汚染物)

推定された有害物質摂取量を、国際的な枠組み

の中で毒性等を考慮して決められたADIやPTWIま

た、TDI等の数値と比較し、評価する。

(17)

ADI・TDIと平均一日摂取量 (2009)

17

*1:JMPR (Joint Meeting on Pesticide Residues)で定めたPTDI *2:暫定的摂取許容量 (PTDI: Provisional Tolerable Daily Intake)

*3:WHOで定めた PTWI (Provisional Tolerable Weekly Intake)から算出したPTDI

 µg/人/日  µg/kg体重/日 総HCH 12.5 0.016 0.0003 0.003 総DDT 5.0 0.364 0.007 0.15 Dieldrin 0.10 0.012 0.0002 0.24 Heptachlor epoxide 0.10 0.031 0.001 0.62 PCB 5.0 0.472 0.009 0.19 Malathion 20.0 0.062 0.001 0.01 Fenitrothion 5.0 - - -Diazinon 2.0 - - -鉛 3.6 12.3 0.246 6.8 カドミウム 1.0 23.5 0.470 47.0 総水銀 0.71 8.0 0.160 22.5500 1028 20.6 4.1 化合物名 1日摂取許容量(ADI) µg/kg体重/日 日本人の平均摂取量 (2009) 摂取量のADIに対する割合 (%) *1 *2 *3 *3 *3

(18)

ダイオキシン類

1998年より継続

全国7地域でマーケットバスケット試料を作製

摂取量はTEQとして表し、計算には2005年のTEFを使用。

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 ダイオ キ シ ン 類 摂取量( pg T E Q / kg / 日) 平均 最小 最大 2011年度のダイオキシン類の一日摂取量は、 平均0.68 pgTEQ/kg bw/dayであり、日本にお けるTDI(4 pgTEQ/kg bw/day )の約17%で あった。

90%以上が魚介の群から摂取されている。ま た、ダイオキシン類摂取量の70%はCo-PCBs によるものであった。

(19)

ダイオキシン類 モンテカルロ法による推定

19 魚介類摂取量 平成15-19年度国民健康・栄養調査結果の 魚介類を13区分(アジ・イワシ、サケ・マス、タ イ・カレイ、マグロ・カジキ、その他の生魚、イ カ・タコ、エビ・カニ、貝類、魚介乾物、魚介缶 詰、魚介佃煮、魚介練り製品、魚肉ハム・ソー セージ)して集計した。 分布をあてはめず実際の分布を使用した。 ダイオキシン類濃度 平成10~22年度の調査結果(約650試料) を用いた。13区分に分類したダイオキシン類 濃度に対数正規分布をあてはめた。 計算 それぞれの分布に従う乱数を発生させ、区分 毎にダイオキシン類摂取量を求め、それらの 総和を魚介類からのダイオキシン類摂取量と した。シミュレーションの試行回数は20,000回 とした。 0 2000 4000 6000 8000 10000 0 40 80 12 0 16 0 20 0 24 0 28 0 32 0 36 0 40 0 44 0 48 0 52 0 56 0 60 0 64 0 68 0 摂取量(g) 魚介類摂取量分布 0 50 100 150 200 0. 0 1. 0 2. 0 3. 0 4. 0 5. 0 6. 0 7. 0 8. 0 9. 0 10 .0 14 .0 18 .0 22 .0 DX類濃度(pg/g) ダイオキシン類濃度 分布

(20)

0 2000 4000 6000 8000 10000 0. 8 1. 6 2. 4 3. 2 4. 0 4. 8 5. 6 6. 4 7. 2 8. 0 8. 8 9. 6 10 .4 DX類摂取量(pg/kg bw/day)

結果

平均値:1.3 pg TEQ/kg/日 中央値:0.36 pg TEQ/kg/日 90%タイル値:2.9 pg TEQ/kg/日 95%タイル値:4.9 pg TEQ/kg/日 魚介類からのダイオキシン類摂 取量分布 TDI 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 DX 類摂取量平均値 (p g/ kg b w /d ay) 魚介類13区分からのダイオキシン類摂取量 モンテカルロ法推定値1.3 pgTEQ/kg/dayは、マーケットバス ケット法による推定値0.68 pgTEQ/kg/dayより高い結果となっ た。過去の魚介類のダイオキシン類汚染データを使用してい るため、現在よりもダイオキシン類濃度の高いデータが含ま れている事が考えられる。

(21)

放射性物質

21

➢東京都世田谷区、宮城県仙台市、福島県福島市において、小売店で食材

を購入した。生鮮食品は、可能な限り地元県産を購入し、入手できない場

合には近県産、国産を優先して購入し、マーケットバスケット方式のトータ

ルダイエット試料を測定した。

➢測定はゲルマニウム半導体検出器ガンマ線スペクトロメータ(Canberra社

製、GC4019- 7915-30 -2002C)を使用し、試料約2 kgを2Lマリネリ容器

に入れ、24時間測定した。検出限界はCs-134及びCs-137が0.05 Bq/kg

程度、K-40が0.5 Bq/kg程度であった。

1日摂取量(Bq/day)= 濃度(Bq/g)×食品摂取量(g/day)

1年あたりの預託実効線量(Sv/year)

= 1日摂取量(Bq/day)×365(day/year)×実効線量換算係数(Sv/Bq)

(22)

放射性セシウム及び放射性カリウム濃度

群 Cs-134 Cs-137 K-40 Cs-134 Cs-137 K-40 Cs-134 Cs-137 K-40 1 0.00010 0.00010 0.0073 0.00023 0.00028 0.0063 0.00035 0.00044 0.0070 2 0.00008 0.00012 0.036 0.00059 0.00074 0.038 0.00081 0.00106 0.045 3 0.00021 0.040 0.00022 0.035 0.00005 0.00019 0.037 4 0.001 0.000 0.001 5 0.083 0.085 0.076 6 0.00015 0.00017 0.053 0.00166 0.00200 0.055 0.00561 0.00722 0.050 7 0.00014 0.00012 0.093 0.00071 0.00089 0.126 0.00155 0.00203 0.115 8 0.00013 0.00015 0.065 0.00063 0.00076 0.066 0.00010 0.00013 0.064 9 0.010 0.010 0.010 10 0.00053 0.00064 0.080 0.00382 0.00456 0.076 0.00179 0.00242 0.099 11 0.00006 0.070 0.00021 0.00025 0.077 0.00083 0.00108 0.082 12 0.00012 0.00018 0.047 0.00299 0.00371 0.049 0.00038 0.00060 0.049 13 0.080 0.091 0.077 14 宮 城 福 島 濃度 (Bq/g) 東 京 空欄は不検出(ND)を示す。

(23)

年間預託実効線量 (mSv/year)

23 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 東京 宮城 福島 m S v/ ye ar Cs-134+Cs-137 K-40 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 東京 宮城 福島 m S v/ ye ar Cs-134+Cs-137 K-40 ND=0 ND=LOD/2 東京 宮城 福島 Cs 0.002 0.017 0.019 K 0.17 0.20 0.19 東京 宮城 福島 Cs 0.002 0.018 0.019 K 0.18 0.21 0.19

(24)

推定摂取量の信頼性

NDとなった試料

ND=0とND=LOD/2の2種類の計算を行う。

これは、Global Environment Monitoring System (GEMS)の指示

であるが、NDとなった試料が全体の60%以下、全試料の分析を

通じて,検出下限(LOD)が一定と見なせることが前提。

NDとなる試料が大部分の場合、摂取量の信頼性

は低い。

分析法を性能を向上させ、LODを低くする。

ND=LOD/2としても、TDIに対する比が十分に低い摂取量が得ら

れた場合、調査を継続する意義は?

(25)

有害物質の摂取量推定の課題

25

いつまで調査を続けるのか?

規制等の措置がとられた化学物質の摂取量は、施策効果が大きいほど急

速に低下していく。特に、意図的に使用される化学物質の製造や使用が

規制された場合などは、検出すら難しくなる。

新しく調査しようとする化学物質の選択基準は?

摂取量を推定するために用いる分析法性能は?

検査に使用する分析法とは異なる性能が求められる。

真度:分析法によって測定値に偏りが生じては、推定が不正確になる。70

~120%程度の真度は必要。では、精度はどの程度が必要か?

定量限界:より低濃度のanalyteを定量できることが必要。食品摂取重量と

体重、ADI値から、最低限必要な性能の基準を設定できるか?

(26)

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