別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 甲第 3088 号 氏 名 猪狩 雄蔵
論文審査担当者
主査 相良 博典 教授 副査 内田 直樹 教授
副査 稲垣 克記 教授
(論文審査の要旨)
Peficitinib は, 関 節 リ ウ マ チ(RA)の 治 療 薬 と し て 開 発 さ れ た JAK 阻 害 薬 で あ る.
Peficitinibは臨床試験において, その有用性が示唆されているが, RA の炎症病態に対す
る機序の解明はいまだ不十分である.
今回の研究では, RA滑膜線維芽細胞(FLS)における peficitinibの影響を検討した. RA 滑 膜組織は患者の関節形成術より分離・培養された. RA滑膜組織および RA FLS の免疫染色 に て JAK1, JAK2, JAK3 が 発 現 し て い る こ と を 確 認 し た. ま た, western blot 法 に て, peficitinibは IL-6, IL-6Rで刺激された RA FLSの STAT1, STAT3, STAT5のリン酸化を濃 度依存性に抑制したことを確認した. さらに, peficitinibによる RA FLSの機能解析を行 った. RA FLS を用いた proliferation assay において, peficitinib による RA FLS の増 殖能の抑制が認められた. RA FLS 上清に対する THP-1 および PBMC を用いた chemotaxis assayにおいて, peficitinibを添加したRA FLS上清は単核球細胞の遊走能を低下させた.
最 後 に RA FLS 上 清 中 の サ イ ト カ イ ン 濃 度 を ELISA 法 に て 測 定 し た. RA FLS 上 清 中 の MCP-1/CCL2 は peficitinib により減少した. 今回の研究では, peficitinib は RA FLS の
JAK-STAT 経路を抑制し, RA FLS の増殖能, 炎症性サイトカインの抑制を介した単核球細
胞の走化性の抑制に関与し いることが明らかになった. 本論文が新しい 知見を得ており, 関 節 リ ウ マ チ の 基 礎 研 究 に お い て 有 意 義 な も の で あ り, 学 術 上 貢 献 す る と こ ろ が 多 く, 学位授与に値するものと考える.
論文題名:Peficitinib Inhibits the Chemotactic Activity of Monocytes via Proi nflammatory Cytokine Production in Rheumatoid Arthritis Fibroblast-Like Synoviocytes
(Peficitinibの関節リウマチ滑膜線維芽細胞に対する影響の検討)
掲載雑誌名:Cells Vol.8 No.6 2019 年
(主査が記載、500字以内)