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大学生のライフスキルと運動習慣に関する 中日比較研究

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Academic year: 2021

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(1)

区 分 課 程 ( 論 文 様 式 )

大 学 生 の ラ イ フ ス キ ル と 運 動 習 慣 に 関 す る 中 日 比 較 研 究

ス ポ ー ツ 科 学 研 究 科 ス ポ ー ツ 科 学 専 攻

学 籍 番 号 2 1 3 D 0 5 氏 名 陳 昱 龍

研 究 指 導 土 屋 裕 睦 教 授

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目 次

第 1 章 序 章 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 . 1 . 中 国 と 日 本 に お け る 大 学 生 の 現 状 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 1 . 2 . ラ イ フ ス キ ル の 定 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 1 . 3 . ラ イ フ ス キ ル と ス ポ ー ツ に 関 す る 先 行 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ 4 1 . 4 . 本 研 究 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 1 . 4 . 1 . 研 究 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 1 . 4 . 2 . 研 究 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7 1 . 5 . 本 研 究 の 構 成 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7

第 2 章 中 国 語 版 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 の 作 成 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0

2 . 1 . は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 0 2 . 1 . 1 . ラ イ フ ス キ ル と 中 国 に お け る 体 育 政 策 ・ ・ ・ 1 0 2 . 1 . 2 . こ れ ま で の ラ イ フ ス キ ル 尺 度 に 関 す る 研 究 ・ 1 1 2 . 1 . 3 . 中 日 比 較 の 背 景 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 2 . 2 . 尺 度 の 信 頼 性 と 妥 当 性 の 検 討 ( 研 究 1 ) ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 2 . 2 . 1 . 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 2 . 2 . 2 . 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 2 . 2 . 2 . 1 . 調 査 対 象 ・ 期 間 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 2 . 2 . 2 . 2 . 尺 度 の 翻 訳 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 3 2 . 2 . 2 . 3 . 質 問 項 目 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 6 2 . 2 . 2 . 4 . 手 続 き ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 6

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2 . 2 . 3 . 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 6 2 . 2 . 3 . 1 . 妥 当 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 6 2 . 2 . 3 . 2 . 信 頼 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0 2 . 3 . 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 0

第 3 章 過 去 の 運 動 経 験 が ラ イ フ ス キ ル に 与 え る 影 響

- 中 日 比 較 を 通 し て の 検 討 -・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 2

3 . 1 . は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 2 3 . 2 . 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 3 . 2 . 1 . 調 査 対 象 ・ 期 間 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 3 . 2 . 2 . 質 問 項 目 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 3 . 2 . 2 . 1 . 大 学 生 の 属 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 4 3 . 2 . 2 . 2 . 倫 理 的 配 慮 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 5 3 . 2 . 2 . 3 . ラ イ フ ス キ ル の 測 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 5 3 . 2 . 2 . 4 . 統 計 処 理 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 5 3 . 3 . 結 果 と 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 6 3 . 3 . 1 . 運 動 経 験 と ラ イ フ ス キ ル に つ い て 中 日 間 の 比 較 と の 関 連 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 6 3 . 3 . 2 . 運 動 経 験 と ラ イ フ ス キ ル と の 関 連 ・ ・ ・ ・ ・ 2 9 3 . 4 . ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 2

第 4 章 ラ イ フ ス キ ル と ス ポ ー ツ 参 加 動 機 の 関 連 ・ ・ ・3 3

4 . 1 . は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 3 4 . 2 . 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4 4 . 2 . 1 . 調 査 対 象 ・ 期 間 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4 4 . 2 . 2 . 質 問 項 目 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4

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4 . 2 . 2 . 1 . 大 学 生 の 属 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 4 4 . 2 . 2 . 2 . ラ イ フ ス キ ル を 測 る 尺 度 ・ ・ ・ ・ ・ 3 4 4 . 2 . 2 . 3 . 運 動 へ の 参 加 動 機 を 測 る 尺 度 ・ ・ ・ 3 5 4 . 2 . 2 . 4 . 手 続 き ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 5 4 . 3 . 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 6 4 . 3 . 1 . 平 均 値 の 比 較 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 6 4 . 3 . 2 . 運 動 参 加 動 機 の ラ イ フ ス キ ル へ の 影 響 ・ ・ ・ 3 8 4 . 3 . 2 . 1 . 相 関 分 析 の 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 8 4 . 3 . 2 . 2 . 多 重 共 線 性 の 発 生 の 有 無 ・ ・ ・ ・ ・ 3 8 4 . 3 . 2 . 3 . 重 回 帰 分 析 の 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 1 4 . 4 . 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 5

第 5 章 総 括 と 展 望 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7 5 . 1 . 本 研 究 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 7 5 . 2 . 中 国 語 版 尺 度 作 成 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 9 5 . 3 . 影 響 検 討 過 程 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 9 5 . 4 . 今 後 の 課 題 と 展 望 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 3 5 . 4 . 1 . サ ン プ リ ン グ 方 法 ・ 工 夫 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 3 5 . 4 . 2 . 縦 断 調 査 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 3 5 . 4 . 3 . 発 達 段 階 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 3 謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 5 引 用 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 8 博 士 論 文 に 関 す る 研 究 業 績 一 覧 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 5 資 料 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 7

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第 1 章 序 章

1 . 1 . 中 国 と 日 本 に お け る 大 学 生 の 現 状

近 年 , 大 学 生 の 不 登 校 や ひ き こ も り の 問 題 が 深 刻 な 社 会 問 題 と な っ て い る . 2 0 0 8 年 末 に 日 本 の 厚 生 労 働 省 に よ り 行 わ れ た 報 告 で は , 全 国 の 大 学 生 約 3 0 0 万 人 に 近 い ほ ど , 不 登 校 は 約 3 % に 当 た る 約 8 万 人 で , そ の う ち 約 3 人 が ひ き こ も り の 可 能 性 が あ る と 指 摘 さ れ て い る .

中 国 に お い て も , 新 し い 生 活 環 境 に 馴 染 み , 大 学 生 生 活 が 楽 し い と 実 感 し て い る 大 学 生 は 2 0 % に 至 ら ず , そ の ほ か 8 0 % の 大 学 生 は 対 人 関 係 が 軽 視 で 孤 独 と 感 じ て お り , さ ら に そ の 中 の 約 2 0 % が 他 者 と の 関 係 , 学 業 , 恋 愛 , 就 職 等 に つ い て , 精 神 焦 慮 や 抑 う つ , 神 経 衰 弱 を 訴 え , 強 迫 性 障 害 と い う 心 理 的 問 題 を 抱 え て い る こ と が 指 摘 さ れ て い る

( 朱 , 2 0 0 6 ) .

日 本 で は 学 生 が 不 適 応 行 動 や 問 題 行 動 を 受 け て ,「 生 き る 力 」を よ り い っ そ う 育 む こ と の 必 要 性 が 指 摘 さ れ て い る ( 中 央 教 育 審 議 会 , 1 9 9 6 ) . 大 学 の 学 生 の カ ウ ン セ リ ン グ な ど に 寄 せ ら れ る 相 談 件 数 も 日 本 各 地 に 増 え る 傾 向 に あ り , 相 談 内 容 も 人 間 関 係 の ト ラ ブ ル や 心 理 的 な 不 安 と い っ た 事 例 が 毎 年 増 え て き て い る ( 池 田 ・ 吉 武 , 2 0 0 3 ) .

そ の 問 題 点 の 一 つ と し て は , 高 校 生 と 大 学 生 で は お か れ る 環 境 が 別 格 な も の に な る か ら で は な い か と 考 え ら れ る . 高 校 生 に な る ま で は ク ラ ス と い う 自 分 の 居 場 所 が 恵 ま れ る の に 対 し , 大 学 で は 自 分 の 居 場 所 は 自 分 自 身 で 築 か な け れ ば な ら な い . ま た , ク ラ ス 担 任 の 先 生

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が い な い こ と も , 高 校 生 が 大 学 に 進 学 し た 際 に 戸 惑 う 理 由 の 一 つ で あ ろ う . そ の う え , 大 学 で は 提 出 物 へ の 評 価 が 学 生 に フ ィ ー ド バ ッ ク さ れ る 機 会 も 少 な く , 自 分 の 受 け て い る 評 価 が わ か り に く い . 中 国 で も , 日 本 と 同 じ 進 学 制 度 ( 義 務 教 育 9 年 , 高 校 3 年 , 大 学 4 年 . 地 方 に よ っ て 異 な る 場 合 も あ る ) で 大 学 1 年 生 は 新 し い 大 学 生 活 面 や 専 攻 面 に お け る 問 題 , 2 年 生 は 周 り と の 人 間 関 係 や 恋 愛 に お け る 問 題 , 3 年 生 は イ ン タ ー ン シ ッ プ や 恋 愛 に お け る 問 題 , 四 年 生 は 就 職 活 動 を 始 め , 将 来 に 対 す る 考 え に つ い て 様 々 な 悩 み を 抱 え て い る こ と が 報 告 さ れ て お り , 特 に 対 人 関 係 の ト ラ ブ ル に つ い て は 大 学 生 活 全 般 に 関 わ る こ と が 明 ら か と な っ て い る ( 朱 , 2 0 0 6 ) . 聶 ら ( 2 0 0 6 ) は , 人 と 話 し 合 う ス キ ル , 友 だ ち づ く り , 人 や 物 事 に 接 す る 態 度 , 異 性 と の 付 き 合 い 方 と い う 四 つ の 側 面 か ら ア ン ケ ー ト で 調 査 を 行 っ た . そ の 結 果 , 約 4 0 % の 中 国 人 大 学 生 は , 友 だ ち づ く り が 苦 手 , 周 囲 と の 関 係 が 順 調 に い か な い と 言 う 問 題 が あ る と 回 答 し , 全 体 的 な 傾 向 と し て も 大 学 生 の 円 滑 な 人 間 関 係 を 形 成 す る ス キ ル は 低 い こ と が 示 さ れ た . 具 体 的 に は , 他 人 と 深 く コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が で き な い こ と で , 親 し み に あ る 関 係 の 友 人 や 挫 け そ う な と き の 相 談 相 手 を つ く る こ と が で き ず , 他 者 へ の 関 係 が 希 薄 と な り , 孤 独 感 が 生 じ る こ と が 見 出 さ れ て い る . ま た , 家 庭 の 経 済 力 や ス キ ル の 低 さ を 自 分 の 欠 点 と 思 う 大 学 生 は , 劣 等 感 を 抱 え , 他 者 か ら の 評 価 を 気 に し , 対 人 関 係 に お け る 不 安 , あ が り , 恐 怖 , 焦 慮 と い う 症 状 の 生 起 頻 度 の 高 い こ と が 示 さ れ た . 中 国 人 大 学 生 の 悩 み の 相 談 事 例 に つ い て は , 対 人 関 係 上 の ト ラ ブ ル や ひ き こ も り , 心 理 的 な 不 振 と い っ た 悩 み を 訴 え る も の が 増 え て き て い る こ と も 指 摘 さ れ て い る ( 楊 , 2 0 0 9 ) . こ う し た 大 学 の 生 活 環 境 か ら 不 適 応 に 陥 る 学 生 も 珍 し く な い と 考 え ら れ る . 果 た し て , 問 題 行 動 に 対 処 で き る 学 生 と , 不 適 応 行 動 に 陥 る 学 生 と の 間 に は ど の よ う な 相

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違 が あ る の で あ ろ う か . そ の 一 つ の 原 因 と し て は , 大 学 生 活 で 生 じ る 様 々 な 出 来 事 を い か に 適 切 に 対 処 可 能 か と い う , い わ ゆ る 「 ス キ ル 」 と の 関 係 が あ る の で は な い か と 予 想 さ れ る . 数 多 く あ る デ ー タ の な か か ら 自 分 自 身 が 必 要 で あ る 情 報 を ピ ッ ク ア ッ プ で き る 人 や , 自 尊 感 情 の 強 い 人 , 誰 と で も 良 好 的 に 関 わ れ る よ う な 社 交 性 の あ る 人 , 感 受 性 の 豊 か な 人 た ち は 大 学 生 活 を 楽 し み , 充 実 し た 日 々 を 過 ご し て い る よ う に 思 わ れ る . こ の よ う な 「 ス キ ル 」 は , ラ イ フ ス キ ル に 包 括 さ れ る 社 会 的 ス キ ル と 深 い 関 係 が あ る と 考 え ら れ て い る . 思 春 期 の さ ま ざ ま な 不 適 応 な ト ラ ブ ル の 根 底 に は , 共 通 原 因 と し て ラ イ フ ス キ ル の 欠 如 が 存 在 し て お り , そ の 形 成 を 促 進 す る こ と に よ っ て , 多 く の 問 題 行 動 を 防 止 す る こ と が 可 能 で あ る と 考 え ら れ る よ う に な っ て き て い る . す な わ ち , ラ イ フ ス キ ル の 向 上 が 青 少 年 の 健 全 な 人 格 形 成 に つ な が る と 思 わ れ る ( E v a n s a a n d P o o l e , 1 9 8 7 ) .

1 . 2 . ラ イ フ ス キ ル の 定 義

ラ イ フ ス キ ル と は , 「 効 果 的 に 日 常 生 活 を 過 ご す た め に 必 要 な 学 習 さ れ た 行 動 」 ( B r o o k s , 1 9 8 4 ) , 「 日 常 生 活 で 生 じ る さ ま ざ ま な 問 題 や 要 求 に 対 し て , 建 設 的 か つ 効 果 的 に 対 処 す る た め に 必 要 な 能 力 」 ( W H O , 1 9 9 7 ) 等 と 定 義 さ れ る も の で あ り , さ ま ざ ま な 不 適 応 行 動 の 改 善 や 解 決 に 応 用 可 能 な 社 会 的 ス キ ル で あ る と さ れ て い る . ま た , 「 複 雑 で 困 難 な 課 題 に 満 ち た 社 会 の 中 で 成 功 し , 直 面 す る 多 く の 問 題 を 効 果 的 に 取 り 扱 う の に 必 要 と さ れ る 一 般 的 な 個 人 及 び 社 会 的 ス キ ル 」 ( B o t v i n a n d W i l l i a m s , 1 9 8 0 ) や 「 人 々 が 現 在 の 生 活 を 自 ら 管 理 ・ 統 制 し , 将 来 の ラ イ フ イ ベ ン ト を う ま く 乗 り 切 る た め に 必 要 な 能 力 」 ( H a a g , 1 9 8 7 ) の よ う な 定 義 も あ る .

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本 研 究 で は 島 本 ・ 石 井 ( 2 0 0 6 ) の 「 効 果 的 に 日 常 生 活 を 過 ご す た め に 必 要 な 学 習 さ れ た 行 動 や 内 面 的 な 心 の 働 き 」 と い う 定 義 を 採 用 し た . こ の 定 義 の も と に 島 本 ・ 石 井 ( 2 0 0 6 ) は 「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 」 ( 大 学 生 版 ) を 開 発 し , ラ イ フ ス キ ル を 親 和 性 , 計 画 性 , リ ー ダ ー シ ッ プ , 情 報 要 約 力 , 自 尊 心 , 感 受 性 , 前 向 き な 思 考 , 対 人 マ ナ ー か ら 構 成 さ れ る ス キ ル と し て い る .

1 . 3 . ラ イ フ ス キ ル と ス ポ ー ツ に 関 す る 先 行 研 究

運 動 活 動 を 生 涯 に 渡 っ て 継 続 す る こ と は , 不 正 な 生 活 習 慣 で 生 起 す る 病 や 悩 み 関 連 疾 病 の 予 防 に , ま た 豊 か な ラ イ フ ス キ ル と ス ポ ー ツ と の 関 係 に 焦 点 を 当 て た 先 行 研 究 は 数 多 く 行 わ れ て い る .

ま ず , ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 を 目 指 し た 実 践 的 な 内 容 を 記 録 し た 研 究 に つ い て 述 べ る と , L a n d m a n ( 1 9 8 0 ) は 指 導 者 が 直 接 に 教 え る 子 供 を 対 象 と し た 野 外 教 育 で の 活 動 に お い て , 社 会 的 ス キ ル と し て 要 求 す る 力 お よ び 拒 否 す る 力 に 焦 点 を 当 て て 指 導 し て い る . そ し て 野 外 教 育 の 中 に は 頻 繁 に 生 じ る 参 加 者 間 の 様 々 な 難 題 の 解 決 を 通 じ て 上 記 ス キ ル を 獲 得 さ せ る プ ロ グ ラ ム を 行 っ て い る . ま た P i c k l e s i m e r a n d M i l l e r( 1 9 9 8 )は 小 学 生 か ら 高 校 生 を 対 象 に , ア イ ス ホ ッ ケ ー を 利 用 し て ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 を 目 指 す 活 動 に つ い て 報 告 し て い る . そ し て 日 本 で は 石 倉 ( 1 9 9 9 , 2 0 0 0 , 2 0 0 1 ) が , 運 動 実 技 に 参 加 し て い る 大 学 1 年 生 を 対 象 と し た 縦 断 研 究 を 通 じ て , 社 会 的 ス キ ル の 獲 得 と 孤 独 感 の 関 係 に つ い て 検 討 し て い る . 結 果 は ラ イ フ ス キ ル に 含 ま れ た 社 会 的 ス キ ル に 正 の 影 響 を 与 え る こ と を 示 し て い る .

ま た , 小 林 ・ 小 柴( 2 0 0 5 )は 1 8 日 間 に わ た る 長 期 的 野 外 教 育 体 験 に 参 加 し た 小 学 生 と 中 学 生 を 対 象 に , 野 外 教 育 が 実 践 前 後 の 社 会 的 ス キ ル に つ い て 調 査 を 行 い , 共 感 ・ 援 助 的 関 わ り に つ い て , 野 外 教 育 初

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日 と 比 較 し て 最 終 日 , 1 ヶ 月 後 の 得 点 が 高 い こ と を 報 告 し て い る . さ ら に 飯 塚 ( 2 0 0 6 ) は 中 学 生 を 対 象 に 行 わ れ た 野 外 教 育 活 動 の 前 後 に お け る 社 会 的 ス キ ル に つ い て 調 査 を 行 っ て い る . そ の 結 果 , 共 感 ・ 援 助 的 関 わ り が 増 加 し , 妨 害 的 な 関 わ り が 減 少 し た こ と を 報 告 し て い る .

こ の 他 , 体 育 の 授 業 に ス キ ル の 向 上 を 目 的 と し た プ ロ グ ラ ム を 含 め た 実 践 例 も 認 め ら れ る . B o t v i n( 1 9 8 0 )は 地 方 で 行 わ れ る 祭 り を ヒ ン ト に , 雪 遊 び や 雪 競 技 を 模 し た 活 動 の 計 画 ・ 実 践 過 程 を 通 じ て , 目 標 設 定 ス キ ル や 社 会 的 ス キ ル , ス ポ ー ツ マ ン シ ッ プ の 向 上 を 促 進 し た 活 動 を 実 施 し て い る . こ れ ら の ス ポ ー ツ と ラ イ フ ス キ ル と の 関 係 に フ ォ カ ス を 当 て た 先 行 研 究 を 概 観 し た が , 一 般 的 に 体 育 授 業 に お け る ス ポ ー ツ 活 動 や 運 動 部 活 動 は , 生 徒 の ラ イ フ ス キ ル に 正 の 影 響 を 与 え て い る と 示 し て い る . ま た , 上 記 の よ う に 区 別 さ れ た 先 行 研 究 と は 異 な り , 指 導 理 論 や こ れ ま で の 先 行 研 究 か ら 得 た 知 見 に 基 づ い て 構 成 さ れ た ス ポ ー ツ 活 動 を 実 践 し , ス ポ ー ツ 経 験 を 通 じ た ス キ ル 獲 得 モ デ ル の 解 釈 を 可 能 と す る 実 践 例 も 見 受 け ら れ る . た と え ば , 池 田 ( 2 0 0 5 ) は 体 育 授 業 に お い て 社 会 的 ス キ ル と し て 信 頼 , 援 助 , 問 題 解 決 , 身 体 へ の 気 づ き を 取 り 上 げ , 長 期 に わ た っ て こ れ ら の ス キ ル に 注 目 し た ス ポ ー ツ 活 動 を 実 施 し て い る . 次 に , ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 と ス ポ ー ツ 経 験 の 関 係 を 検 討 し た 調 査 に 基 づ い た 実 証 研 究 に つ い て 概 観 す る と , 分 析 に あ た っ て は , 学 校 授 業 に 参 加 し て い な い 学 生 競 技 者 を 統 制 群 と し て 設 定 し て い る . 研 究 の 結 果 , 自 尊 心 及 び ス ポ ー ツ に お け る 自 信 に つ い て , プ ロ グ ラ ム 参 加 者 に の み 向 上 が 認 め ら れ て い る . ま た , 上 野 ・ 中 込 ( 1 9 9 8 ) は , 学 校 の 運 動 部 活 動 に 参 加 し て い る 生 徒 は 全 く 運 動 部 活 動 に 参 加 し て い な い 生 徒 と 比 較 し て , 運 動 場 面 で 必 要 と

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さ れ る ラ イ フ ス キ ル は , 指 導 者 か ら の 適 切 な 働 き か け が 関 係 す る こ と を 明 ら か に し て い る .

こ の よ う に , 近 年 で は ,「 ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 」は , ス ポ ー ツ に よ る 学 生 の 人 間 教 育 や 人 間 形 成 に 関 す る 先 行 研 究 が 日 本 で は 進 め ら れ つ つ あ る . 「 こ の ス ポ ー ツ に よ る ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 は , 一 見 ス ポ ー ツ の 付 加 価 値 的 な も の と し て の 印 象 を 受 け る が , ス ポ ー ツ が 青 少 年 の 望 ま し い 発 達 に 貢 献 す る た め に は 必 要 不 可 欠 な 側 面 と し て 位 置 づ け ら れ る ほ ど , 今 日 に お い て は ス ポ ー ツ の 重 要 な 役 割 の 一 つ と し て 認 識 さ れ つ つ あ る 」 ( D a n i s h , 2 0 0 2 ) .

1 . 4 . 本 研 究 の 目 的 1 . 4 . 1 . 研 究 目 的

本 研 究 は , 運 動 習 慣 と ラ イ フ ス キ ル の 関 連 に つ い て 新 た な 視 点 を 提 示 す る た め , 中 日 大 学 生 の ラ イ フ ス キ ル の 比 較 , ス ポ ー ツ 経 験 の ラ イ フ ス キ ル に 及 ぼ す 影 響 の 比 較 を 目 的 と す る . そ の た め に , 以 下 の 検 討 を 行 う .

第 1 に , 日 本 で 作 ら れ た 「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 」 ( 大 学 生 版 ) の 中 国 語 版 尺 度 を 作 成 し , 妥 当 性 ・ 信 頼 性 を 検 証 す る .

第 2 に , 中 日 の 大 学 生 を 対 象 に , ス ポ ー ツ に お け る 運 動 経 験 お よ び ラ イ ス ス キ ル を 検 討 し , そ の 関 係 性 を 検 証 す る と 共 に , 中 日 に お け る ラ イ ス ス キ ル の 差 異 を 明 ら か に す る .

第 3 に , 中 日 の 大 学 生 の ス ポ ー ツ に お け る ラ イ フ ス キ ル と 運 動 活 動 へ の 参 加 動 機 の 関 係 に つ い て 分 析 し , そ の 差 異 を 明 ら か に す る . な お , 本 研 究 で い る ス ポ ー ツ と は , 校 内 , 校 外 に お い て 運 動 と し て 行 う 活 動 全 体 を 意 味 し , 競 技 や レ ク リ エ ー シ ョ ン を 含 ん で い る .

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1 . 4 . 2 . 研 究 方 法

本 研 究 で は , 比 較 文 化 心 理 学 の 方 法 論 を 踏 ま え な が ら , 心 理 評 価 尺 度 ( 質 問 紙 ) を 用 い て 実 証 的 に 検 討 す る . 特 に , 評 価 尺 度 の 内 容 や 文 法 ・ 意 味 が 等 し い か ど う か に 関 し て , 訳 し 戻 し 法 ( バ ッ ク ト ラ ン ス レ ー シ ョ ン ) を 用 い る こ と に よ り 言 語 的 等 価 性 を 保 証 し , 因 子 的 妥 当 性 や 信 頼 性 な ど の 観 点 か ら 等 価 性 を 検 証 す る . 研 究 対 象 者 は , 大 学 に お け る 全 日 制 授 業 を 受 講 し た 一 般 学 生 と す る . ま た , 本 研 究 で は ス ポ ー ツ 場 面 で の 運 動 へ の 参 加 動 機 に 関 係 す る と 思 わ れ る 要 因 ( 性 , 運 動 経 験 , 運 動 回 数 ) に つ い て , 統 制 要 因 お よ び 分 析 要 因 と し て 取 り 上 げ , 分 析 を 行 う .

1 . 5 . 本 研 究 の 構 成

本 研 究 の 目 的 を 達 成 す る た め に , 論 文 は 以 下 の よ う に 構 成 さ れ る . 第 1 章 の 序 論 で は , 中 国 と 日 本 に お け る 現 代 大 学 生 が 抱 え る 問 題 に つ い て 概 観 的 に 触 れ ,「 ラ イ フ ス キ ル 」に 言 及 し た . そ し て , ラ イ フ ス キ ル の 構 成 要 素 を 明 確 的 に 示 し , ス ポ ー ツ と ラ イ フ ス キ ル に 関 す る 各 国 の 先 行 研 究 を 概 観 す る . ま た , 最 後 に , 大 人 と し た 社 会 人 へ 向 け た 最 終 の 準 備 期 間 ( 田 中 , 1 9 9 5 ) で あ り , ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 が 特 に 重 要 な 発 育 発 達 段 階 で あ る と 考 え ら れ る 大 学 生 を 対 象 と し て 研 究 を 行 う 意 義 を 示 し て い る . 第 2 章 で は「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 」大 学 生 版 ( 中 国 語 版 ) を 作 成 す る . ラ イ フ ス キ ル の 概 念 を 紹 介 し て , 中 国 と 日 本 で 実 施 さ れ た ア ン ケ ー ト 調 査 で 得 ら れ た デ ー タ 及 び 先 行 研 究 か ら 評 価 尺 度 を 作 成 し , そ の 信 頼 性 と 妥 当 性 を 検 証 す る . 第 3 章 で は , 運 動 経 験 が ラ イ フ ス キ ル に 与 え る 影 響 を 明 ら か に し , 中 日 比 較 を 行 う . 運 動 活 動 を 分 類 し , 「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 」 ( 大 学 生 版 ) を 用 い , 中 日 の 大 学 生 の 比 較 を 行 い , 両 国 の 相 違 を 明 ら か に す る . 中 日 と い う 文 化 要

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因 の ほ か に , 性 別 , 競 技 種 目 を 独 立 変 数 と し て 分 析 を 行 う . こ れ ら か ら , ス ポ ー ツ に お け る ラ イ フ ス キ ル の 文 化 的 差 異 を 明 ら か に し て 考 察 す る .

第 4 章 で は , ス ポ ー ツ に お け る 運 動 活 動 へ の 参 加 動 機 と ラ イ フ ス キ ル の 関 係 に つ い て の 中 日 比 較 を 行 う . 初 め に , ス ポ ー ツ に お け る 運 動 活 動 へ の 参 加 動 機 尺 度 お よ び ス ポ ー ツ に お け る 「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 」 ( 大 学 生 版 ) を 用 い , 中 日 の 大 学 生 の 比 較 を 行 い , 両 国 の 相 違 を 明 ら か に す る . そ し て , 運 動 活 動 へ の 参 加 動 機 と ラ イ フ ス キ ル の 関 係 に つ い て 中 日 の 相 違 を 明 ら か に す る .

第 5 章 で は , 総 括 を 行 う . 本 研 究 で 得 ら れ た 知 見 を 整 理 し , そ れ に 基 づ い て 総 合 的 考 察 を 行 い , 今 度 の 課 題 に つ い て 示 す . な お , 本 論 文 の 構 成 を 図 1 . 1 に 示 す .

(13)

図 1 . 1 . 本 論 文 の 構 成

2

大 学 生 に お け る ラ イ フ ス キ ル に 関 す る 中 国 と 日 本 の 国 際 比 較

- 中 国 語 版 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 の 作 成 -

第 5 章 総 括 第 3 章

過 去 の 運 動 経 験 が 大 学 生 の ラ イ フ ス キ ル に 与 え る 影 響

中 日 比 較 を 通 し て の 検 討

4

中 国 と 日 本 の 大 学 生 に お け る ラ イ フ ス キ ル と ス ポ ー ツ 参 加 動 機 の 関 連

1 章 序 章

(14)

第 2 章

中 国 語 版 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 の 作 成

2 . 1 . は じ め に

2 . 1 . 1 . ラ イ フ ス キ ル と 中 国 に お け る 体 育 政 策

近 年 , 学 生 の 人 間 形 成 を 促 進 す る 一 つ の 指 標 と し て ラ イ フ ス キ ル が 注 目 さ れ る よ う に な っ て き た ( 島 本 ・ 石 井 , 2 0 0 6 ) .

中 国 で は 急 激 な 経 済 成 長 が 教 育 を 過 熱 し ,「 勉 強 さ え で き れ ば よ く , 他 人 へ の 思 い や り に 欠 け , 優 し く 豊 か な 心 を 持 た な い 子 が 多 く な っ た 」( 楊 , 2 0 0 9 )と い う 問 題 や , 他 の 国 と 同 様 に , 電 子 製 品 の 普 及 に よ る 若 者 間 の I T 媒 体 を 介 し た 間 接 的 な 交 流 の 増 加 , 仮 想 的 世 界 へ の 没 頭 に よ る 現 実 の 人 間 関 係 を 軽 視 す る 若 者 の 増 加 と い っ た 問 題 も 指 摘 さ れ て い る ( 毛 ・ 大 坊 , 2 0 1 2 ) . こ の よ う に 中 国 で は 若 者 の ラ イ フ ス キ ル の 低 下 が 懸 念 さ れ て お り , そ の 改 善 策 を 提 案 す る こ と が 重 要 な 課 題 と い え よ う .

中 国 で は 1 9 9 5 年 6 月 に 「 全 民 健 身 計 画 要 綱 」 が 提 出 さ れ , 近 年 で は 2 0 1 1 年 か ら 2 0 1 5 年 に か け て 全 国 民 の 健 康 向 上 に 目 標 を 定 め た 新 た な 5 ヶ 年 計 画 が 始 ま っ て い る . 実 際 の 学 校 現 場 で は , 小 学 校 か ら 中 学 校 ま で の 9 年 間 ( 義 務 教 育 ) に お け る 週 当 た り の 体 育 授 業 実 施 が 週 2 , 3 時 間 と 規 定 さ れ , 2 0 0 1 年 か ら 高 校 の 教 育 部 ・ 教 育 課 程 に 限 っ て , 体 育 授 業 を 週 6 時 間 , 年 間 1 9 2 時 間 実 施 す る と い う 新 し い 基 準 が 発 表 さ れ た . こ う し た 体 育 授 業 時 間 の 増 加 は , 「 中 国 全 土 で 展 開 さ れ て い る 受 験 に 偏 重 し た「 応 試 教 育 」に よ る 詰 め 込 み 式 の 教 育 か ら 脱 却 し , 生 徒 の 徳 ・ 知 ・ 体 の 全 面 発 達 を 目 指 し た 「 素 質 教 育 」 へ の 転 換 が 図

(15)

ら れ た た め で あ り ま す . 「 素 質 教 育 」 と は , 国 民 の 素 質 向 上 を 趣 旨 と す る も の で , 学 生 ( 児 童 , 生 徒 を 含 む ) の 創 造 精 神 と 実 践 能 力 の 育 成 に 力 点 を 置 く 教 育 で あ り ま す . 具 体 的 に は , 学 習 の 自 主 学 習 , 探 求 精 神 , 情 報 収 集 能 力 お よ び コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 重 視 , さ ら に は , 生 涯 学 習 に 求 め ら れ る 基 礎 知 識 と 技 能 の 習 得 な ど が 求 め ら れ た . 」

( 楊 , 2 0 0 9 ) .

こ の よ う に 「 素 質 教 育 」 の 中 核 に は , 「 思 考 力 」 , 「 学 習 意 欲 」 ,

「 態 度 」 ,「 自 立 能 力 」 ,「 自 己 管 理 能 力 」 等 が 含 ま れ て い る が , ラ イ フ ス キ ル の 構 成 要 素 と 比 較 し て み る と ,「 自 己 認 識 ・ 共 感 性 」「 創 造 的 思 考 ・ 批 判 的 思 考 」「 感 情 対 処 ・ ス ト レ ス 対 処 」 に つ い て は ,「 素 質 教 育 」 で は 考 慮 さ れ て い な い . 日 本 の ラ イ フ ス キ ル 教 育 に お け る

「 日 常 生 活 で 必 要 と さ れ る 能 力 」の 内 容 は , 中 国 が「 素 質 教 育 」で 目 指 す 学 生 の 能 力 開 発 に 非 常 に 参 照 で き る も の と 思 わ れ る . 体 育 授 業 数 の 増 加 を 活 用 し , 日 本 で 実 施 さ れ る ラ イ フ ス キ ル 教 育 を 推 進 さ せ る こ と で , 中 国 が 目 指 す 素 質 教 育 の 発 展 に も つ な が る こ と が 期 待 さ れ る .

2 . 1 . 2 . こ れ ま で の ラ イ フ ス キ ル 尺 度 に 関 す る 研 究

ラ イ フ ス キ ル の 測 定 手 段 と し て , こ れ ま で 中 国 で は 独 自 の 尺 度 が 作 成 さ れ て い な い が , 中 国 以 外 の 諸 国 で は こ れ ま で に 多 く の 尺 度 が 開 発 さ れ て き た . 日 本 に お い て は , 「 人 々 が 現 在 の 生 活 を 自 ら 管 理 ・ 統 括 し , 将 来 ラ イ フ イ ベ ン ト を う ま く 乗 り 切 る た め に 必 要 な 能 力 」と い う 上 野( 2 0 0 1 )の ラ イ フ ス キ ル 尺 度 や , 飯 田 の 学 校 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 中 学 生 版 ) , 島 本 の 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 大 学 生 版 ) な ど が あ る . な か で も , 島 本 の 尺 度 は B r o o k s( 1 9 8 4 ) と W H O の ラ イ フ ス キ ル の 記 述 と , ラ イ フ ス キ ル に 内 包 さ れ る 社 会 的 ス キ ル の 既 成 の 尺 度 な ど を も と に

(16)

開 発 さ れ た も の で あ り ,「 効 果 的 に 日 常 生 活 を 過 ご す た め に 必 要 な 学 習 さ れ た 行 動 や 内 面 的 な 心 の 動 き 」と い う , 多 様 な 定 義 に 基 づ い た ラ イ フ ス キ ル を 様 々 な 側 面 か ら 測 定 で き る も の と な っ て い る . こ の 尺 度 は 信 頼 性・妥 当 性 が 確 保 さ れ て お り , 大 学 生 が 主 に 個 人 場 面 と 対 人 場 面 で 展 開 さ れ る 自 己 の 8 つ の ス キ ル を 客 観 的 に 評 価 す る 上 で 有 用 な も の で あ る と 言 え る .

2 . 1 . 3 . 中 日 比 較 の 背 景

日 本 と 欧 米 諸 国 の 文 化 背 景 や 生 活 様 式 の 相 違 と 比 較 し て , 日 本 と 中 国 は 地 理 的 に も 近 く , と も に ア ジ ア 文 化 圏 に 属 す る の で , ラ イ フ ス キ ル に は 共 通 す る 処 が 多 い と 考 え ら れ る . 例 え ば , H a l l ( 1 9 7 6 ) の 文 化 と コ ン テ キ ス ト に 関 す る 理 論 の 中 で は ,「 欧 米 諸 国 の 人 た ち は 低 コ ン テ キ ス ト 文 化 に 位 置 し , 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 手 段 に 高 く 依 存 す る . こ れ に 対 し て , 中 国 と 日 本 の 両 国 は ど ち ら も 高 コ ン テ キ ス ト 文 化 に 位 置 し , 相 互 作 用 状 況 や 相 手 の 非 言 語 的 行 動 に 内 在 す る 多 様 な 情 報 を 巧 み に 受 け 取 り , 言 葉 に よ ら な い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 得 意 と し て い る . 」

本 研 究 で は , ス ポ ー ツ に お け る ラ イ フ ス キ ル に つ い て 比 較 文 化 的 観 点 か ら 検 討 す る . そ の た め , 日 本 を 比 較 対 象 国 と し て 選 定 し た . そ の 理 由 と し て , 次 の 2 点 を 挙 げ る こ と が で き る .

1 . 日 本 で 運 動 や ス ポ ー ツ が ラ イ フ ス キ ル に 影 響 す る 先 行 研 究 が 多 数 存 在 し , そ こ で 指 摘 さ れ た 知 見 が 中 国 人 に 当 て は ま る か を 比 較 検 討 で き る こ と .

2 . 日 本 と 中 国 は 地 理 的 に も 近 く , と も に 東 洋 文 化 に 属 す る も の の , 社 会 的 概 念 な ど の 考 え 方 が 中 日 で 相 違 し , そ の こ と が 様 々 な ラ イ フ ス キ ル に 影 響 を 及 ぼ し て い る こ と が 指 摘 さ れ て い る こ と .

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以 上 , ス ポ ー ツ に お け る ラ イ フ ス キ ル を 評 価 す る 新 た な 視 点 を 提 示 し , 中 日 の 大 学 生 が 抱 く ラ イ フ ス キ ル を 比 較 す る こ と に よ っ て , 両 国 の 差 異 が 明 ら か に な り , そ の こ と が 中 国 人 の ラ イ フ ス キ ル の あ り 方 に 対 す る 理 解 を 深 め る こ と に 結 び つ く と 考 え ら れ る .

2 . 2 . 尺 度 の 信 頼 性 と 妥 当 性 の 検 討 ( 研 究 1 ) 2 . 2 . 1 目 的

島 本 ・ 石 井 ( 2 0 0 6 ) 「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 大 学 生 版 ) 」 に つ い て 中 国 語 版 を 翻 訳 し そ の 信 頼 性 と 妥 当 性 を 再 検 討 す る こ と を 目 的 と し た .

2 . 2 . 2 . 方 法

2 . 2 . 2 . 1 . 調 査 対 象 ・ 期 間

中 国 人 大 学 生 の デ ー タ を 収 集 す る た め に , 中 国 の 都 市 部 の 大 学 ( 北 京 市 の P 大 学 , 海 口 市 の K 大 学 お よ び K S 大 学 ) 3 校 に 在 籍 す る 大 学 生 ( 専 攻 問 わ ず ) 6 0 0 名 を 対 象 と し た 質 問 紙 調 査 を 行 っ た . 中 国 で は 地 域 差 が 大 き く , 多 民 族 構 成 と い う 実 態 が あ る が , 本 研 究 で 調 査 対 象 と し た 大 学 は 中 国 の 大 都 市 に あ り , 多 く が 漢 民 族 の 学 生 で あ る と い う 共 通 し た 特 徴 を 有 し た . そ の う ち 有 効 回 答 と み な さ れ た 数 は 5 9 8 名 ( 男 子 2 3 7 名 , 女 子 3 6 1 名;平 均 年 齢 2 0 . 3 ± 0 . 7 5 歳 ) で あ っ た . 調 査 は 2 0 1 3 年 1 2 月 に 実 施 さ れ た .

2 . 2 . 2 . 2 . 尺 度 の 翻 訳

島 本 ・ 石 井 ( 2 0 0 6 ) の 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 大 学 生 版 ) の 中 国 語 訳 に つ い て は , 原 著 者 の 許 可 を 得 て , 日 本 の 大 学 院 に 在 籍 し , 在 日 歴 4 年 以 上 , 日 本 語 学 歴 7 年 以 上 の 4 人 の 中 国 人 留 学 生 に よ っ て 行 わ れ た .

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標 準 中 国 語 に 相 当 す る 「 普 通 話 / 北 京 語 」 が 翻 訳 分 の 基 準 と さ れ た . と り わ け , 中 国 語 訳 に つ い て は ニ ュ ア ン ス に も 注 目 す る こ と で 極 力 日 本 語 の 原 文 と 同 等 に な る よ う 配 慮 さ れ た . ま た , 中 国 留 学 歴 が あ り , 中 国 語 検 定 ( H S K ) 最 高 級 を 持 つ 日 本 人 研 究 者 が バ ッ ク ト ラ ン ス レ ー シ ョ ン を 行 っ た 結 果 , 本 調 査 で 用 い た 翻 訳 尺 度 は 日 本 語 原 文 と 一 致 す る も の で あ る こ と が 確 認 さ れ た ( 表 2 . 1 . ) .

(19)

日本語中国語 1.困ったときに,友人らに気軽に相談することができ1.当遇到麻烦的时候,能够很轻松的和朋友商 7.先を見通して計画を立てることができ7.能够预测未来指定计 9.やるべきことをテキパキと片付けることができ9.该做的事情能够很麻利的处理 10.困っている人を見ると援助をしてあげたくな10.一见到有困难的人,就想伸出援助之 15.能够把很多的信息和自己的想法进行归纳总结 16.自分のことが好きであ16.喜欢自己 17.自分の今までの人生に満足している17.对于自己至今为止的人生很满足 18.自分の言動に対して自信を持ってい18.对于自己的言行有信心 19.嫌なことがあっても,いつまでもくよくよと考えない19.即使遇到厌烦的事情,无论到什么时候也不会耿耿于怀 22.目上の人の前では礼儀正しく振る舞うことができ22.能够在上司(长辈)面前做到彬彬有 23.年上の人に対しては敬語を使うことができる23.能够对年长的人使用尊敬的言语

6.根据自己举动行动,能都动员周围的人

2.1.(大)の 2.能请关系亲近的朋友们商 3.和朋友什么内容的话都可以敞开心扉交 4.在交换意见的时候,能把大家的意见统 5.集体行动的时候,能够站在最前头带领大家前行

2.親身になって友人らに相談に乗ってもらうことができる 3.どんな内容のことでも友人らと本音で話し合うことができる 4.話し合いのときにみんなの意見を1つにまとめることができ 5.集団で行動するときに先頭に立ってみんなを引っ張っていくことができる 6.自分が行動を起こすことによって,周りの人を動かすことができ 13.使用到手后的信息,创造出更有价值的东西(资料等) 14.在数量繁多的信息里面,能够真正的得到自己需要的信

11.他人の幸せを自分のことのように感じることができる 13.手に入れた情報を使って,より価値の高いもの(資料等)を生み出せる 24.初対面の人に対しては言葉遣い等に気を配ることができる

21.何かに失敗したときにすぐ自分はダメな人間だと思ってしまう

8.課題が出ると,(提出)期限を自ら決める等の工夫をしてやる気を引き出 12.悲しくて泣いている人を見ると,自分も悲しい気持ちにな

8.一有课题,想办法自己决定(提交)期限等会导出干 11.能把别人的幸福当作自己的幸福 12.一见到悲伤得哭泣的人,自己也会变得心情难 20.困ったときで何とかなるだろうと楽観的に考えることができる

15.多くの情報をもとに自分の考えをまとめることができ

14.数多くの情報の中から,本当に自分に必要な情報を手に入れられる 20.即使遇到困难,[总会有办法的]能够积极的思考 21.因为什么事情失败的时候,马上认为自己很无 24.面对初次见面的人会注意言语用

(20)

2 . 2 . 2 . 3 . 質 問 項 目

① 大 学 生 の 基 本 属 性 と し て , 性 別 , 年 齢 を 尋 ね た . ② ラ イ フ ス キ ル を 測 定 す る た め の 「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 大 学 生 版 ) 」 中 国 語 版 に 対 し て , 「 自 分 に ど れ だ け 当 て は ま る か を 答 え る 」 と い う 教 示 の も と で , 4 件 法 で の 回 答 を 求 め た .「 ま っ た く 当 て は ま ら な い 」を 1 点 ,「 非 常 に 当 て は ま る 」を 4 点 と し て 得 点 化 し た ( 得 点 が 高 い ほ ど ス キ ル が 高 い こ と を 意 味 す る ) . ま た , 逆 転 項 目 の 得 点 は 分 析 の 際 に 反 転 処 理 さ れ た .

2 . 2 . 2 . 4 . 手 続 き

質 問 紙 に よ る 無 記 名 式 の 集 団 一 斉 調 査 で あ っ た . 大 学 の 授 業 担 当 者 の 協 力 の も と , 授 業 開 始 時 に 調 査 用 紙 を 配 布 し , そ の 場 で 記 入 さ せ た 後 に 回 収 し た .

2 . 2 . 3 . 結 果

2 . 2 . 3 . 1 . 妥 当 性

尺 度 の 弁 別 妥 当 性 を 検 討 す る た め に G - P 分 析 を 行 っ た . 尺 度 の 総 得 点 で 被 験 者 を 2 グ ル ー プ ( 上 位 群 と 下 位 群 ) に 分 け , 群 ご と に 各 項 目 の 平 均 値 を 求 め ,t 検 定 に よ っ て そ れ ら の 得 点 間 の 比 較 を 行 っ た . そ の 結 果 , 表 2 . 2 . に 示 さ れ た よ う に , す べ て の 項 目 が 上 位 群 と 下 位 群 で 有 意 差 が 認 め ら れ た .

(21)

表 2 . 2 . G - P 分 析 の 結 果 因 子 名 項 目

番 号

全 平 均 値 S D

上 位 群 下 位 群 G - P

平 均 値 平 均 値 分 析

S D S D t

親 和 性

( α = . 5 4 9 )

I t e m 1 2 . 7 5 . 7 2 3 . 0 9 . 6 8 2 . 2 9 . 7 0 1 0 . 6 4 I t e m 9 3 . 1 3 . 7 2 3 . 5 6 . 5 7 2 . 7 1 . 7 2 1 2 . 1 3 I t e m 1 7 2 . 9 4 . 7 9 3 . 3 5 . 6 9 2 . 4 7 . 7 5 1 1 . 3 7 リ ー ダ ー

シ ッ プ ( α = . 6 6 2 )

I t e m 2 2 . 7 5 . 6 5 3 . 1 7 . 5 9 2 . 3 0 . 6 1 1 3 . 4 2 I t e m 1 0 2 . 5 7 . 8 0 3 . 2 0 . 7 5 2 . 0 6 . 6 6 1 5 . 0 5 I t e m 1 8 2 . 7 7 . 7 2 3 . 2 7 . 6 4 2 . 2 7 . 6 3 1 4 . 5 7

感 受 性

( α = . 5 2 7 )

I t e m 4 2 . 8 9 . 7 4 3 . 2 7 . 7 4 2 . 4 5 . 6 9 1 0 . 5 9 i t e m 1 2 2 . 7 1 . 7 3 3 . 1 9 . 6 7 2 . 2 7 . 6 7 1 2 . 6 3 I t e m 2 0 2 . 7 0 . 8 3 3 . 1 2 . 8 1 2 . 3 2 . 7 9 9 . 3 1

対 人 マ ナ ー

( α = . 6 3 2 )

I t e m 8 3 . 1 1 . 7 0 3 . 5 7 . 5 4 2 . 7 2 . 7 2 1 2 . 3 4 I t e m 1 6 3 . 2 1 . 7 0 3 . 5 6 . 6 0 2 . 8 0 . 6 9 1 0 . 9 4 I t e m 2 4 3 . 2 0 . 6 7 3 . 5 9 . 5 5 2 . 8 9 . 7 4 9 . 8 7

計 画 性

( α = . 6 0 1 )

I t e m 3 2 . 5 6 . 7 4 3 . 0 9 . 6 6 2 . 1 1 . 6 5 1 3 . 9 1 I t e m 1 1 2 . 6 5 . 7 6 3 . 1 7 . 7 2 2 . 2 0 . 6 7 1 2 . 9 2 I t e m 1 9 2 . 7 7 . 7 5 3 . 2 9 . 6 6 2 . 3 7 . 6 9 1 2 . 6 6

情 報 要 約 力

( α = . 5 8 9 )

I t e m 5 2 . 8 6 . 6 9 3 . 3 0 . 6 3 2 . 4 7 . 6 8 1 1 . 7 8 I t e m 1 3 2 . 9 3 . 7 2 3 . 4 4 . 5 9 2 . 4 9 . 7 0 1 3 . 6 6 I t e m 2 1 2 . 7 8 . 7 2 3 . 3 1 . 6 2 2 . 3 0 . 6 2 1 5 . 0 1

自 尊 心

( α = . 5 7 6 )

I t e m 6 2 . 5 7 . 8 0 3 . 0 9 . 8 0 2 . 1 7 . 6 9 1 1 . 4 4 I t e m 1 4 2 . 6 2 . 8 2 3 . 0 8 . 7 8 2 . 1 5 . 7 6 1 1 . 1 1 I t e m 2 2 2 . 7 6 . 7 4 3 . 3 4 . 6 0 2 . 2 5 . 6 6 1 6 . 1 8

前 向 な 思 考

( α = . 5 3 3 )

I t e m 7 2 . 6 7 . 8 4 2 . 7 7 . 7 7 2 . 5 0 . 8 4 3 . 1 1 I t e m 1 5 2 . 9 3 . 7 9 3 . 0 6 . 7 9 2 . 8 2 . 8 0 2 . 7 9 I t e m 2 3 2 . 6 1 . 8 5 3 . 6 3 . 7 6 2 . 5 6 . 8 6 4 . 8 3

注 1 ) 色 付 き の 因 子 は 個 人 的 ス キ ル , そ う で な い 因 子 は 対 人 ス キ ル を 表 す . 注 2 ) G - P 分 析 の t 値 は , す べ て 有 意 で あ る (*p< . 0 5 )

(22)

次 に , 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 大 学 生 版 ) で 確 認 さ れ て い る 8 下 位 尺 度 が 成 り 立 つ か 否 か を 確 認 的 因 子 分 析 モ デ ル ( 8 因 子 ) で 検 討 し た . 項 目 の 得 点 分 布 に 大 き な 偏 り は 認 め ら れ な か っ た た め , 2 4 項 目 す べ て を 分 析 対 象 と し た . 適 合 度 指 標 に は G F I , A G F I , C F I , R M S E A を 用 い た . G F I , A G F I , C F I は と も に 0 か ら 1 ま で の 値 を と り , 1 に 近 づ く ほ ど 適 合 度 が 良 い と さ れ て い る . G F I は . 9 0 モ デ ル を 採 択 す る 基 準 と さ れ , A G F I が G F I に 比 べ て 著 し く 低 下 す る 場 合 は 良 い モ デ ル と は 言 え な い . ま た , R M S E A は 0 に 近 づ く ほ ど よ い モ デ ル と 判 断 さ れ , . 0 8 以 下 が モ デ ル を 採 択 す る 基 準 と さ れ て い る .

分 析 の 結 果 , 図 2 . 1 . に 示 さ れ た よ う に , モ デ ル と も に 適 合 度 は C F I で は や や 低 い ( < 0 . 9 ) が , G F I = . 9 0 , A G F I = . 8 7 , R M S E A = . 0 7 で は 基 準 を 満 た し て お り , 全 体 的 に は 許 容 さ れ る 範 囲 の 値 が 示 さ れ て い る と 考 え ら れ る . 因 子 ( 潜 在 変 数 ) か ら 項 目 ( 観 測 変 数 ) の パ ス に は . 4 6 か ら . 7 0 の 範 囲 の 因 子 負 荷 量 が 得 ら れ る と と も に , 日 本 語 版 と 同 様 の 因 子 と 項 目 と の 対 応 関 係 が 確 認 さ れ た . つ ま り , 対 人 ス キ ル で あ る

「 親 和 性 」 (和 力 ) ,「 リ ー ダ ー シ ッ プ 」 (领 导 权) ,「 感 受 性 」 ( 感 受 性 ) と「 対 人 マ ナ ー 」(人 礼) , そ し て , 個 人 的 ス キ ル で あ る「 計 画 性 」 (计划 性 ) , 「 情 報 要 約 力 」 ( 信 息 概 括 能 力 ) , 「 自 尊 心 」 ( 自 尊 心 ) と 「 前 向 き な 思 考 」 (积极 向 上 的 思 考 ) で あ っ た .

(23)

図 2 . 1 . ラ イ フ ス キ ル の 因 子 分 析 モ デ ル の 検 証 結 果 ( n = 5 9 8 )

注 ) 潜 在 変 数 か ら 観 測 変 数 へ の パ ス 値 は , す べ て 有 意 で あ る (*p< . 0 5 )

親和性

リーダー シップ

前向きな思考 計画性

感受性

情報要約力

自尊心

対人マナー Item1

Item2

Item3

Item4

Item5

Item6

Item7

Item8 Item9

Item10

Item11

Item12

Item13

Item14

Item15

Item16 Item17

Item18

Item19

Item20

Item21

Item22

Item23

Item24

e1

e2 e3 e4

e5 e6

e7 e8

e9 e10 e11

e12 e13

e23 e24 e14 e15

e16 e17 e18

e19 e20

e21

e22

GFI=.90 AGFI=.87 CFI=.88 RMSEA=.07 .56

.54 .51

.62 .66

.63 .60 .54 .58 .53 .59 .43

.52 .57 .60 .52 .49 .65 .54 .55

.48 .70 .66 .46

(24)

2 . 2 . 3 . 2 . 信 頼 性

中 国 人 大 学 生 に 対 し て 実 施 し た 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 大 学 生 版 ) に つ い て の 信 頼 性 ( 内 的 整 合 性 ) を 検 討 し た と こ ろ ,「 親 和 性 」因 子 は α

= . 5 5 , 「 リ ー ダ ー シ ッ プ 」 因 子 は α = . 6 6 , 「 計 画 性 」 因 子 は α = . 6 0 ,

「 感 受 性 」 因 子 は α = . 5 3 , 「 情 報 要 約 力 」 因 子 は α = . 5 9 , 「 自 尊 心 」 因 子 は α = . 5 8 , 「 前 向 き な 思 考 」 因 子 は α = . 5 3 , 「 対 人 マ ナ ー 」 因 子 は α = . 6 3 で あ っ た . 「 日 常 生 活 ス キ ル 」 大 学 生 版 の 日 本 語 版 に お け る α 係 数 は . 7 2 ~ . 7 9 で あ っ た の に 対 し , 本 研 究 の 結 果 は α 係 数 の 低 さ が 懸 念 さ れ , こ の 点 に 関 し て は , α 係 数 の 値 は 時 に 不 当 に 低 く 見 積 も ら れ る 可 能 性 が あ る こ と と , 図 1 に 示 す 因 子 負 荷 量 の 値 か ら も , す べ て の 因 子 の 測 定 精 度 は 十 分 で あ る と い う 理 由 か ら , 全 体 的 に 概 ね . 6 0 前 後 の 内 的 一 貫 性 が 確 保 さ れ て い る た め , 本 研 究 に お い て は 許 容 の 範 囲 に あ る と 判 断 し , 特 に 問 題 視 し な い こ と に し た .

2 . 3 . 考 察

本 研 究 の よ う な 規 模 で , 中 国 に お い て 大 学 生 の 日 常 生 活 ス キ ル に 関 す る 調 査 が 実 施 さ れ た こ と は 初 め て の 試 み で あ っ た と 言 え る . 日 本 の 島 本 が 「 効 果 的 に 日 常 生 活 を 過 ご す た め に 必 要 な 学 習 さ れ た 行 動 や 内 面 的 な 心 の 働 き 」と い う 定 義 に 基 づ い て , 大 学 生 の ラ イ フ ス キ ル を 多 面 的 に 測 定 す る た め に 開 発 し た「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 ( 大 学 生 版 ) 」 を 中 国 語 版 に 翻 訳 し た こ と は , 中 国 の 若 者 の 社 会 生 活 に 必 要 な 能 力 を 客 観 的 に 測 定 す る た め の 一 助 と な る で あ ろ う .

本 研 究 で 作 成 し た 尺 度 は , 中 国 人 大 学 生 の 評 価 が 低 い , す な わ ち 特 に 高 め て い く 必 要 が あ る ス キ ル を 明 確 に し , そ れ ら を 教 育 す る た め の 指 針 を 示 す こ と に 役 立 て る こ と が で き る で あ ろ う . 中 国 で 実 施 さ れ た 本 尺 度 は デ ー タ 全 体 へ の 適 合 度 が よ く , 各 下 位 尺 度 と 尺 度 全 体

(25)

に も 許 容 範 囲 以 内 の 信 頼 性・妥 当 性 が 確 保 さ れ て お り , 中 国 人 大 学 生 の 個 人 場 面 と 対 人 場 面 で 展 開 さ れ る 8 つ の ス キ ル を 客 観 的 に 理 解 す る こ と を 促 し , よ り 良 い 学 校 生 活 の 促 進 と い う 点 で 役 に 立 つ も の で は な い か と 考 え ら れ る .

(26)

第 3 章

過 去 の 運 動 経 験 が ラ イ フ ス キ ル に 与 え る 影 響 - 中 日 比 較 を 通 し て の 検 討 -

3 . 1 . は じ め に

第 2 章 で は , ラ イ フ ス キ ル を 測 る 尺 度 で あ る「 日 常 生 活 ス キ ル 尺 度 」 大 学 生 版 の 中 国 語 版 を 作 成 し た . 第 3 章 で は 中 国 人 大 学 生 の 過 去 の 運 動 経 験 が ラ イ フ ス キ ル に 影 響 を 与 え る か 否 か 検 討 に 移 り , 前 章 ま で に 翻 訳 し た 尺 度 を 用 い て の 分 析 に つ い て 述 べ る . 具 体 的 に は , 「 運 動 頻 度 」 ( 1 週 間 当 た り 回 数 ) と い う 運 動 活 動 に お け る ス ポ ー ツ 経 験 の ,「 計 画 性 」 「 情 報 要 約 力 」 「 自 尊 心 」 「 前 向 き な 思 考 」 「 親 和 性 」 「 リ ー ダ ー シ ッ プ 」 「 感 受 性 」 「 対 人 マ ナ ー 」 と い う 学 生 の ラ イ フ ス キ ル へ の 影 響 に つ い て の 検 討 で あ る . 分 析 を 通 し て , ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 を 促 進 す る 具 体 的 な ス ポ ー ツ 経 験 が 明 ら か に さ れ る こ と が 期 待 さ れ る .

前 章 で 述 べ た と お り , 島 本 ・ 石 井 ( 2 0 0 6 ) に よ れ ば , ラ イ フ ス キ ル を

「 効 果 的 に 日 常 生 活 を 過 ご す た め に 必 要 な 学 習 さ れ た 行 動 や 内 面 的 な 心 の 動 き 」と 定 義 し た . ど の よ う な 経 験 が ラ イ フ ス キ ル の 獲 得 に 結 び つ く の か と い う テ ー マ は , 日 本 の ス ポ ー ツ 心 理 学 領 域 に お い て , こ れ ま で 数 多 く の 先 行 研 究 が な さ れ て き た . ラ イ フ ス キ ル は ス ポ ー ツ 活 動 を 通 じ て 獲 得 し , 高 め る こ と が で き る と 考 え ら れ て お り ( 杉 山 , 2 0 0 4 ) , 運 動 経 験 と の 関 連 を 示 唆 す る 先 行 研 究 は 多 数 見 ら れ る . た

表 2 . 2 . G - P 分 析 の 結 果   因 子 名   項 目     番 号     全 平 均 値    S D   上 位 群   下 位 群   G - P  平 均 値  平 均 値   分 析   S D   S D   t 値   親 和 性   ( α =
図 2 . 1 . ラ イ フ ス キ ル の 因 子 分 析 モ デ ル の 検 証 結 果 ( n = 5 9 8 )   注 ) 潜 在 変 数 か ら 観 測 変 数 へ の パ ス 値 は , す べ て 有 意 で あ る ( * p &lt;
表 3 . 1 . 中 日 両 国 に お け る 運 動 経 験 と ラ イ フ ス キ ル 得 点 の 平 均 値 の 比 較             国 別         中 国           日 本     t 値             項 目   平 均     S D     平 均     S D     運 動   回 数     小 学 校     2
表 2 . 過 去 の 運 動 経 験 と ラ イ フ ス キ ル 得 点 の 相 関 係 数 表   運 動 経 験   週 / 回     対 応 因 子     下 位 領 域     ラ イ フ   ス キ ル     合 計         親 和 性    リ ー  ダ ー   シ ッ プ     計 画 性     感 受 性     情 報        要 約 力     自 尊 心     前 向   き な     対 人   マ ナ ー   対 人     個 人    思 考
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参照

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