静 電 場
この章では静電気とそれがつくる電場に ついて学ぶ.場という概念は物理学で一番 基本的なものの一つであり,それをしっか り理解することは不可欠で ある.クーロンの法則を,電場の概念を 使って一般化したものがガウスの法則である.流体の流れの場との 類推は,正しく把握すれば電場の理解に大いに役立つはずである. 導体と誘電休のちがいも大切である.キャパシター(コンデンサー)
も,接続したものの容量がどうなるという公式を暗記するような勉 強の仕方ではなしこの程度の公式ならすぐ自分で出せるようにし ておくのが正しい学び方である.
9 1. 1 電 場
1
ナイロンの衣類やビニール製品が摩擦で、帯電しやすいのは日常よく経験す るところである.電気には正負の二種があり,異種の絶縁体を摩擦すると一 方は正に,他方は負に帯電する.同種の電気(正と正,または負と負)は互 いに反発し,異種の電気(正と負)は引き合う.このカを定量的に調べたの はクーロンで,帯電した 2つの小さい物体一一理想的には大きさを無視でき る点電荷一一ーの問にはたらく力の大きさは, 2物体聞の距離の2乗に逆比例 し,それらがもっ電気量の積に比例することを見出した.式 で 記 せ ば
Fα
与
(F> 0斥力 ,F< 0引力)『電磁気学物理学[分冊版]~ (小出昭一郎著/裳華房)
2 1 . 静 電 場
となる.これをクーロンの法則という.比例係数は用いる単位によって異な
る.SI単位系(MKSA有理単位系)では,力Fにニュートン(N= kg.mfs2),
距離rにメートル (m),電気量にはクーロン (Cと記す*)を用いるが,そ のとき
F=
右 手
(1.1)と書いて Eoを真空の誘電率とよぶ.その値は 107 円フ ヲ
Eo =一一τ 一一三τ =8.8541878 x 10-~ 育てごす (1. 2) 生πc抗忌・111
である.cは真空中の光の速さである.ε。はよく 4πEoとして現れるので,そ の値を記すと
107 ̲ 1 11 " 1A‑IO C2
4πEo=ZT=1.11×10 百7
五 " 2
(1.2)'である.
CGS単位系では ,Fをdyne= g・cm/s2,rをcmで測り
F=
与
としてこれによって電気量の単位 (CGSesuという)を定義する.1 C = 2. 9979 x 109 esuである.
上の定義は2つ の 点 電 荷 が 真 空 中 に 置 か れ て 孤 立 し て い る 場 合 に 正 し い が,空気中でもほとんど同じである.
電荷は一般には線,面,あるいは広がった空間に三次元的に分布している.
そのようなときには,それを微小部分に分割してクーロンの法則を適用し,
得られたカをベクトルとして合成すればよい.
帯 電 体A (1個でなくてもよい)のそばへ別の帯電体Pを近づけると,相
* SI単位系では, 真空中で1mの間隔に置かれた無限に長い2本の平行な導線に等し い電流を流し,それらの聞にはたらくカが1mにつき 2x 1O‑7Nであったとき,これら の電流の強きを1アンペア(lA)と定め,このとき導線の一つの断面を毎秒通過する電 気量を 1Cとする (lC= 1A.s).
H.l電 場 3
互の聞に静電気力がはたらしいま, Aの帯電の仕方がどうなっているのか をPによって調べる場合を考える.Pのもつ電気量(電荷)があまり大きい とそれからの反作用でAの電荷分布に変化を生じてしまうから, Pのもつ電 荷 qoは十分に小さいものとする.またその広がりも十分小さくて,点電荷と みなしてよいものとする.この点電荷PによってAの帯電状態を調べるに は, PをAの近くのいろいろな場所へもっていって, Aから受けるカをjJ{1Jれ ばよい. Aが一つの点電荷ならクーロンの法則を確かめることになる. Aが もっと複雑な電荷分布のときには,クーロンの法則にしたがうカの合成にな る.しかしいずれにしても,同じ場所でPが受ける力はそれがもっ電気量qo に比例する.そこでこの力をのEと記すと,ベクトルEは場所によってき まる,つまり位置 rの関数になる.あるいはEの3成分がrの関数として Ex(r), Ey(r), Ez(r)のようにきまる, といってもよい.
このとき PはAの電荷からの力を直接に感じると考えず,つぎのように考 える.Aの電荷はその周りの空間を変化させて一種の緊張状態 たとえ ばひずんで応力を生じている弾性体の内部のょっな状態 をつくり出し ており,それを表すのがこの E(r)というベクトルである.Pを点rにもっ ていくと,その点での「緊張JE(r)を感じ,それが力qoE(r)となって現れ る.このような空間のことを電場あるいは電界といい,ベクトルE(r)を電 場の強さまたは単に電場とよぶ.
このような一見まわりくどいように思われる考え方はファラデーが最初に 導入したものであるが,電場の実在性は電波の存在などによって今では動か
しがたいものになっている.
[例] 点(a,b, c)にある電気量Qの点電荷のつくる電場.(x, y, z)との距離は /(x‑a)2+ (y‑b)2+ (Z‑C)2であるから,電場の強さ E(x,y,z)の大きさ は
E QI
4πε
。
{(x‑a)2+(y‑b)2+ (Z‑C)2}4 1. 静 電 場 である.方向まで考えてベクトルで表すと
となる.
Q{(x‑a)i+ (y‑b)j+ (z‑c)k}
(l.3) 4πEO{ (x ‑a)2 + (y ‑b)2 + (z ‑C)2}312
電場内では各点ごとにベクトルEが定義されるので,これは一種のベクト ル場であって,各点ごとに流速の定義される流速の場と似ている.そうする と,流速の場合の流線と閉じものを電場についても考えたくなる.そのよう な曲線一一各点における接線がその点における Eの方向と一致するような 曲線一ーのことを電気力線とよぶ.電場の強き Eは単位正電荷にはたらく 力であるから,電気力線は正の電荷から発して負の電荷で終ることがわかる.
正電荷は電気力線の湧き出し口,負の電荷は電気力線の吸い込み口であると いえる.
1 ‑1図 簡 単な電場の例
[問] 正負の点電荷Qと‑QがJだけへだてて置かれている.これらを2頂点 とする正三角形のもうひとつの頂点の位置における電場を求めよ.
S 1.2 ガウスの法則
いま考えているのは時間的には変化しない静電場であるが,これは流体の
~1.2 7fウ ス の 法 則 5
定 常 流 に 対 応 し て い る * n 流速の場との類似がもっと
/ 一 一 一 ¥
I D
~E緊密なものであることを示 すのがつぎに述べるガウス
の法則である. 、、
、
、‑ーー『膚.‑'
,
まず,1個の点電荷qが
三 じ 費
ある場合に,これを内部に 含むようなかつてな閉曲面
dS'
Sを考える.
s
を細分して 1‑2図 ガウスの法則その一つの小片dSをとり,そのdSに立てた外向きの法線を n,点電荷qが このdSのところにつくっている電場を E,このEとnとの聞の角を θ q から dSまでの距離を γとする.いま ,qとdSの周縁を通る直線群のつくる 錐面がqを中心とした半径1の球から切りとる面積を dQとするとき,この dQのことを qがdSを見こむ立体角という.料dSのところで錐面を垂直に 切った切口の断面積を dS'とすると ,dS'
=
r2dQ=
cos () dSである(()はdSとdS'の聞の角に等しい)から
dQ =.Jすr‑cosθ dS
となる.そこで,いま Ecos () dSという量を考えてみると ,E
=
q/4επor2 であるからE cos () dS = τ~ .J, 471Eo r‑cos () dSニ τ4lL‑dQεπ
。
Ecos θはEのn方向の成分であるからこれを Enと書くこともできるの で,
d i仇
E
* 対応しているのは流速 Vと電場Eであって,電気の流れがあるわけではない.静電 場をつくっているもとになる電荷はすべて静止している.
判 速くの星より近くの月の方が大きく見えるのは立体角が大きいからである.
6 1 静 電 場
となる.これをS全体について合計すると
I
En dS = τ~ /dQJs 471'εo J
となるが,右辺の積分は単位球の表面積であるから 4πに等しい.したがって
となることカぎわかる.
つぎに,点電荷qが 閉 曲 面Sの 外 部 に あ
るときを考える.1‑3
図 でq >0の と き に は,dS1のところでは
En dS1 > 0で、あるカミ dS2の と こ ろ で は En
が負のイ直になるので
イ
En必 二 q1‑3図 ガウスの法則
nl El
En dS2 < 0である.ところが,大きさはどちらも qdQ/4πε。に等しい.した がってこの2つは互いに相殺する.
s
全体についての和はすべてこのような 組に分けられるので,結局1
En dS=
0となる.
ことわらずに上の議論では q >0のように仮定したが,q < 0の場合でも
Enの符号を正しく考えれば全く同じことになるし,Sの形がもっと複雑で・錐 面がSを3回以上切るようなときでも,結果に変りはない.結局,点電荷q のつくる電場について,次の式の成り立っていることがわかる.
I (q (qがSの中にあるとき)
ε
。
/EndS={ (l.4)JS l 0 (qがSの外にあるとき)
点電荷がいくつもあるときには,それらを q,Jq2,…とすると, 全体がつく
~ l. 2ガウスの法則 7 る電場Eは,これらが単独に存在したときにできる電場EhE2,…のベクト ル和である.
E(r) = El (r)
+
E2(r)+
…したがって,勝手な閉曲面Sを考え,その上の微小部分dSにおける Eの法 線成分Enは,閉じ場所における EhE2,…の法線成分の和に等しい.ところ で,そのおのおのについては(1.4)式が成り立つ.つまり ,j
=
1,2,…に対 して4 ι n 必= ( : (qjがSの中にあるとき)
(qjがSの外にあるとき) であるから,これをjについて合計すれば
ε
0 1
En必 二 (Sの中にある電荷の和 (1.5)が得られる.右辺の和はもちろん代数和である.この式の表している内容を ガウスの法則という.以上では電荷は点状に散在するかのように考えたが,
(1.5)式は電荷が連続的に分布するときにも正しい.
カ、、ウスの法則を用いると,対称、性のよい場合に,電場を求めることが非常 に容易になる.
[例1J面密度(単位面積当りの電気量)σで一様に分布 した無限に広い平面状の正電荷がつくる電場は,対称性か ら考えてこの平面に垂直で、1‑4図のようになる.電荷を サンドイ ツチのようにはさむ,面積Sのうすい平板を包む 面にガウスの法則を適用すると,側面ではEnがOなので
εof En必 =2eoES = dS から
σ一h
E 一 一
(1.6) が得られる.
σ 1‑4図
8 l. 静 電 場
[例2J半径がαの球内に一様な密度ρで電荷が分布しているときの電場を考 える.対称性から考えて同心球面上ではすべて電場の大ききは一定て1 その方向は 球面に垂直で, ρが正なら外向き(負なら内向き)である.その大きさは球の半径 rだけの関数であるから E(r)とする.この球面をSとしてガウスの法則を適用す ると,
s
上ではE(r)がそのまま Enであり,しかも大きさは一定なのでε
0 1
En必 =εoEω 1
dS=εoE(川 r2となる.一方,(l. 5)式の右辺は
r 4π ヌ
I
‑了 fρ r<α S内の電荷の平日=~I 4π 叉
l
‑了 a‑p r>α であるから,これらを等しいと置いた式からγ<α
I ‑‑s‑‑‑‑r
E(r) = ~ (l. 7 a)
I 1 2 5 7
r>αが得られる.全電荷Q= (4π/3) a3ρを用いれば
r ̲
皇 rI 4Jrεo a' E(r) = ~
I̲Q̲
l 4πEor2
r<a r>a
(l. 7 b)
となることがわかる.第2式は,球外にでき ている電場が,球の中心におかれた点電荷 Qによるものと一致することを示してい
E(γ)
1‑5図一様な球状電荷
る.こ の (l.7)のE(r)をグラフにすれば O a
1 ‑6図のようになる. 1‑6図 ー械な球状電荷の電場
γ
流体のときに流管を考えたのと全く同様に電気力管というものを考えるこ と が で き る . 細 い 電 気 力 管 を 考 え , そ の2つの断面(垂直に切る)の面積を
SA, 5Bとし,そこにおける電場の強さを EA,EBとする.いま,このSAと5B
91.3電 位 9
で切りとられたカ管の表面に対してカゃウスの法則を適用すると,側面では電 場の法線成分はOであるから(1.5)式の左辺は ε
。
(EsSs‑EASA)となる.た だし,電場の向きはA→Bとした.したがって,この力管内に電荷がなけれ ばEASA
=
EsSsが成り立つ.これは縮まない流体の場合の連続の式と全く同じ形になってい る.
[問] 電荷Qが,半径αの球面上に一様に分布しているとき,これのつくる電場 はどうなるか.
~ 1.3 電 位
位置の関数(スカラー ) U(r)から
了 、 oU oU
【 一 一 【 一‑
, • x ‑ ox' ' y ‑ oy' 'z 円 oUoz
によって力F(r)が導き出されるとき,この力を保存力といい ,U をそのポ テンシャルとよぶことは力学でよく知られている.いま
Q/471"6"0
V(r)二 2 (1.8) .; (x ‑a) 2
+
(y ‑b) 2+
(z ‑c)を微分してみれば
oV ~ x‑a
ox 4π6"0 {(x α)"
+
(y ‑b)"+
(z ‑C)"}3/2となることがわかる (y,zで微分したものも同様l.これは(1.3)式が示す ように,点 (α,b, c)にある点電荷Qのつくる電場を与える式である.つま り,万有引力と全く同様に,点電荷のつくる電場は保存力で,そのポテンシ ャ ル は (1.8) 式で与えられる.
きて,任意に配置された電荷のつくる静電場は,点電荷のつくる静電場を 合成したものと考えられる.したがって,点電荷のつくる(1.8)式のような
10 1 . 静 電 場
ポテンシャルを合成(和,積分)すれば,それが合成電場のポテンシャルを
与えることになる*つまり,静電場は常に保存力であって,静電ポテンシャ ル V(r)から
円。 v
【 ー ‑
.LJx ox
oV
.LJy oy
【 一‑oV
.LJZ oz
まとめて書けば
(l. 9)
E
= ‑
grad V (l. 9 a)のようにして得られる.静電ポテン シャルのことを電位と もいう.
電場の中に2点A,Bをとり,そ
1‑7図
実線は電気力線,破線は等電位面 (の切り口)を示す.
E
れらを結ぶかつてな曲線を考える.この曲線を細かく刻んだとして,そのう ちの1片 drを考えると,これは微小なベク トルであるから,成分を dx,dy, dzとする.この drの位置における電場Eとdrとのスカラー積をとって,
(l. 9) を入れると
E. dr
=
Ex dx+
Ey dy+
Ez dzとなるが,この最後の
(oV, , oV , , oV ¥
一 一 l¥ 一一ox ‑dxU . N 十 一 一, oy‑"d'Y 1/十, 一一oz"‑''d'z' lJ
)内は drの両端における Vの値の差 dV
=
V(r+
dr) ‑V(r)=
V(x + dx, y + dy, z+ dz) ‑V(x,y,z) にほかならない.そこで,このような差をAから Bまで合計すると* Q ,! Q2,…が単独につくる電場を E,! E2'…,そのポテンシャルをVi,凡 … と す
れ ば,E, = ‑grad V" E2 = ‑grad v", ..である.したがって ,E= ~Ej=
‑~ grad ~う= ‑grad (~V) となるから , E のポテンシャルは V= ~~ろである.
電荷が連続分布のときは和は積分になる.
~1.3電 位 11
l
BE改 =V(rA) ‑V(rB) (1.10)となる.この式は,単位正電荷が電場内で点Aから Bま で 動 い た と き に 電 場
の す る 仕 事 は,動いた経路に関係なく AとBにおける電位の差に等しい,と いう内容を表している.
途中の経路によらないということはAからBへ行く のに,たとえばA→C→Bと行っても, A→D→Bと たどっても同じだということである.たどり方を逆にす ればE'drの符号が各点で逆になる (drの向きが逆転 する)から
I E. dr = I E. dr = ‑I E. dr
J ACB J ADB JBDA
したカずって
L B
E改+ L A E
dr=0A
1‑8図 2つの経路
つまり,電場内で電荷が閉曲線をえがいて一周して元にもどったときに,電場がす る仕事はOになる.これを
ダ
E'dr= 0のように表す.もし電場が1‑9図のようになってい ると,この電気力線に沿って一周したときの仕事は明 らかにOではないから,1‑9図のような静電場は存在 しない.つまり,静電場はうずなしである.
静電場をつくるときには仕事が必要であるが,これ を保持するにはエネルギーを要しない.もし1‑9図 のような静電場が可能なら,この中に環状の導線を置 くだけで電流が得られ,エネルギー不要の発電機がつ
(1.10) ,
くれることになるから,エネルギーは不生不滅である 1‑9図 このような静電場 という熱力学の第1法則に反することになる. は存在しない.
(1.10)式を AとBがきわめて接近しているときに使う と,Eは一 定 と み てよいから AB= orとして
E. or
=
V (r A) ‑V (rB) (1.11)12 l . 静 電 場
となる.きて ,V(r)はf立置ごとにイ直のきまったスカラーであるから,V(r)
= 一 定 を 満 た す rは一つの曲面をつくる.これを等電位面という.いま,
上の2点AとBが一つの等電位面上にあると,右辺はOであるから E.or
=
0 (or:等 電 位 面 上 ( l .12) となり,これは Eとδrが垂直であることを示す.つまり,電場ベクトル(し たがって電気力線)は等電位面に垂直である (1‑7図).そして E は電位の 減る方へ向いている.電位は(l.9), (l.10)式が示すように, (電場の強引 x(長さ)という単 位をもっ.I電場の強さJは(力)~ (電気量) ‑ SI単位系なら N/C と いう単位をもつから, (カ)x (長さ)が(仕事)になっていることを用いて
電位のSI単 位 =J/C
であることがわかる.J/Cのことをボルトとよぴ,Vまたはvoltなどと表す.
上の諸関係が示すように,電位はいつも 2点聞の電位差という形で現れる ので,付加定数だけ不定である.あるいは,適当な基準点を定めてそこの電 位をOときめてもよい.理論的な計算で
↑
E(γ)は通常無限遠点の電位をOにとることが 多く,実際の応用においては地球(アー ス,一つの導体とみてよい)の電位を Oと するのがふつうである.
[例] 半径αの球面上に一様に電荷Qが 分布しているときの電場は
酌 )=
1 ふ γ<α r>a (l.13)
である.電位も当然,球の中心からの距離r だけの関数であるが V(∞)= 0とすると (1.10)式から,
O
O
α V(γ)
α
ト 10図球殻状電荷のつくる 電場とその電位
γ
γ
~1. 4 導 体 13
r < a のとき
V(γ) = 1~ E(r)
= 1~4会JfV= 議z
(1.14 a)r>aのとき
附)=晶子
‑2dr= 品 子
(1.14 b)が得られる.r < a (球内)はE= 0, V =一定の等電位領域になっている(1‑ 10図).
[問] ~ 1.2 [例2](8ページ)のE(r)に対する電位はどうなるか.
~ 1.4 導 体
カ、、ラスやビニールのように電気を通しにくいものを絶縁体, 金属や電解質 溶液のように電気をよく通すものを導体という.物質は一般に正電気をもっ た粒子と負電気をもった粒子からできているが,金属などでは負電気をもっ た電子のうちの一部が金属内をほとんど自由に動けるので,これ(伝導電子
という)が電気を運ぶ役をする.電解質では正負のイオンが電荷の移動の担 い手になっている.
導体に帯電体を近づける一一つまり,電場をかけるーーと,これらの伝
導電子やイオン(担体またはキャ リアという)が動き,片側の表面が正に, 他 の側の表面が負に帯電する.これを静
電誘導という.この電荷の移動は導体 + + 内に電場があれば続くが,移動して上 +
+ 記 の よ う に 帯 電 し た 結 果 と し て 電 場 + 一一一外から帯電体などによって加え
た電場と静電誘導で生じた電荷のつく
: . :
+
1 ‑11図 静 電 誘 導
l . 静 電 場
る電場とを合成したものーーが(導体内で)0になればやむ.これはきわめ
て速やかに起こる.このため,静電場を扱つ限り,導体内はどこも E
=
0で, 全体を一つの等電位領域とみてよい.電荷が存在するのは表面だけで,内部 には電荷は存在しない. (もっと正確にいえば,内部では正負の電荷が等量だ け分布して互いに完全に打ち消し合っている.)導体は等電位領域であるからその表面は等電 位面である.したがって,導体のすぐ外側の電 場は導体表面に垂直である.いま,導体の表面 のところに,底面積がL1Sで厚きが薄い板状の 領域を考える.底面は導体表面に平行で、, 一方 の面は導体内部,他方の面は導体の外部にある ようにとる.側面は導体表面に垂直にとってお しこの領域を囲む面にガウスの法則を適用す
ト 12図 導 体 表面
る.電場は導体外にのみ存在し,導体面に垂直で、あり ,L1Sは十分小さくそこ でE の大きさは一定とみてよいから
したカずって
が得られる.
εoEL1S =σrLJS σは表面電荷密度)
E = ~
Eo (1.15)
[例] 前節の[例](12ページ)にあげた半径αの球面上に分布する電荷は,半 径αの導体球に電荷Qを与えた場合になっている.内部では電場はOであり,
(1.13)式が示すように球のすぐ外の電場の大きさは
E
= dE
であるが,球の表面積は47ra2であるから ,Q/47ra2は表面の電荷密、度 σにほかなら ない.したがってこれは (1.15)式の一つの場合になっている.
[問] 半径alの導体球とのの導体球に正の電荷を与えて同じ電位にしたとき,
~ l.4導 体 15 どちらの表面の電場の方が強いか.al>ぬとする.
※一様な静電場内に置かれた導体球
~ l. 2の[例 2J(8ページ)で半径aの球内に一様な密度ρで分布している電荷の つくる電場を求め(l.7)式を得た.ρ>0 (したがって Q
=
4πぷρ/3>0)として,このような球の中心をx =δ,y = z = Oにおくと,それがつくる電場は 王求内で EJ=τ宅一(x‑d) , Ey+
=
τ毛
‑y,J~ J~ E+=τε‑z
Jε
。
(a)球外で
3
長
︒
M
石
d h
) LU (
となる.
つぎに,同じ半径で密度が一ρの負電荷球の中心を原点x = y = z = Oに置い たとすると,それのつくる電場は
球内で Ex‑= τι‑x. Eu‑=一τε‑1/.
J ε j ε
ι
一= τ。 と
ιo‑z (c)E一 二二EZ‑71ヌ ー ア 「 y 3ε
。
(x2+ ylEx一 二旦空 x
3eO (x2 +
〆
+Z2)'日 │!
yτ
子戸吉 Iz
(d) 球外で
Ezー 二3ε
mi777 。
(x2+〆+「 z<)."となる.
この2つを重ね合せると,両球の重なる部分では (a) と (c) の和として Ex =子f!....d. Eu = Ez = 0
jeo
両球の外側では, δを微小量としてその2次以上を省略して*
(e)
ι = 最 ( ザ‑ ) 1 ,
Ey =新 与 ,
が得られる.
つぎに, 2つの電荷球を重ねたものが表す電荷分布を考える.大部分のところで Ez =
新 築 ω
* {(x ‑,W +〆 +Z2) }‑3/2与 (x2+ y2 + Z2 ‑2xδ)‑312 = r‑3(1 ‑2xa/γ2) ‑312 ーァー3(1+3x8/γ2) γ 2= x2 +
〆
+Z2)16 l . 静 電 場
±ρは打ち消し合って,残っているのは表面 y のところだけである.いま xy面内だけで考え
れば十分である.x軸の周りに回転対称性があ るからである.そうすると 1‑13図のP点付 近の正電荷層の厚さは(球面に垂直に測って) o cos θである.したがって,oが無限に小さい としてこれを厚さのない表面電荷とみたとき の面密度は
σ=ρδcos θ ( g)
Z
となる.x < 0の 負 電 荷 の 層 の と こ ろ で は ト 13図正負電荷球を少しずらせ
cos
e
< 0であるから,この式は全体について て重ねる.使える.
以上により,このようなδ→o(ただしρδは有限に保つ)の極限では, cos θに 比例した電荷が球の表面に分布し,球の内部にはこの電荷をつくる一様な ‑x方 向の電場 (e)が生じていることになる.
いま,導体球を一様な電場Eo(+ x方向とする)内に持ちこんだときを考えると,
静電誘導でちょうどこのような正負の電荷が現れ,それのつくる電場が導体球内で Eoを打ち消すようになるはずである.そこで,上に求めた球内の電場(e) (‑x方 向に強さ 一ρδ/3ε。の一様な電場)がちょうどE。を打ち消すようになっていれば,
つまり
Eo=
子
j立
eo (h) であれば,この分布は,導体球がそのように静電誘導を起こしている状態を表して いることになる.(h)から求めたpδ=3εoEoを (g)に入れればσ=3εoEo cos θ がこの場合の表面電荷密度である.
きて,8ペ ー ジ に 示したように,一様 な 球 状 電 荷 が そ の外 側に つ く る 電 場 (b), (d)は,その球の中心に全電荷:tQ