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ふく射伝熱方式熱電変換技術の開発 Development of Thermoelectric Conversion Technology Using Radiation Heat Transfer 徳良晋技術開発本部基盤技術研究所応用理学研究部太田稔智技術開発本部知的財産部主査茂垣康弘産業システムセ

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Academic year: 2021

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1. 緒    言  産業界における未利用熱から電気としてエネルギーを回 収する熱電変換技術の開発は,地球温暖化防止策の一環と して,特に開発が遅れている小規模分散型装置における省 エネ技術として注目されている.この技術の特長は,可動 部がなく静かで小型・軽量であること,また効率が処理エ ネルギーの規模に依存しないことである.しかし,まだ熱 電素子の熱電変換効率が十分とはいえず,さらに装置化し た場合の効率低下が課題とされ,実用にはほとんど至って いない.  この装置化における効率低下問題の解決策として,熱源 が比較的高温の場合にはより有効となる,高温熱源から熱 電変換素子への熱の授受を,ふく射によって非接触で行う 熱電変換方式を考案した ( 1 ).これをふく射伝熱方式熱電 変換技術と呼び,当社製品である抵抗加熱式真空熱処理炉 へ適用するため,技術実証および解析技術の開発を進め てきた.その成果を紹介する. 2. ふく射伝熱方式の熱電発電  2. 1 熱電変換素子・モジュール  ある物質に温度差を与えると,その両端に熱起電圧が発 生する.これはゼーベック効果と呼ばれ,熱電対による温 度計測はこの原理を活用している.このゼーベック効果を 利用すると,第 1 図に示すように配置した半導体 ( 熱電 変換素子 ) に温度差をつけることによって,そこから電力 を取り出すことができる.これが熱電発電である.

ふく射伝熱方式熱電変換技術の開発

Development of Thermoelectric Conversion Technology Using Radiation Heat Transfer

徳 良   晋 技術開発本部基盤技術研究所応用理学研究部 太 田 稔 智 技術開発本部知的財産部 主査 茂 垣 康 弘 産業システムセクター薄膜・表面処理プロジェクト部 部長 博士(工学) 上 松 和 夫 技術開発本部 技監 工学博士 熱電変換モジュールを使った廃熱回収システムを,抵抗加熱式真空熱処理炉適用の省エネ技術として検討してき た.水冷された外壁の内面に電極が露出した熱電変換モジュールを配置する.内部の高温壁からのふく射廃熱は, モジュール表面に直接,伝導伝熱ではなく,非接触でふく射伝熱させる.これによってモジュール両端の温度差が 大きくなり,結果として高いシステム変換効率と効果的な廃熱回収が期待できる.本稿では,この新規ふく射伝熱 方式熱電変換技術の技術実証試験および適用検討の成果を紹介する.

A waste-heat recovery system using a thermoelectric module was examined as an energy-saving technology for industrial vacuum furnaces of the electric-heating type. The thermoelectric module of a skeleton type was installed on the inner surface of water-cooled wall for testing. The waste heat from the internal high temperature wall reached at the surface of the module by the radiation heat transfer, not by the conduction heat transfer. In the tests, the difference of temperature at module ends became large. Consequently, high conversion efficiency and effective waste heat collection were expected. The results of technical demonstration and the application examinations are described.

冷 却 出力電流 熱電変換素子 ( 半導体 ) 電 極 N型 P型 負荷電気回路 低温熱源 高温熱源 加 熱 第 1 図 熱電発電のしくみ Fig. 1 Principle of thermoelectric conversion

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徳 良   晋 技術開発本部基盤技術研究所応用理学研究部 太 田 稔 智 技術開発本部知的財産部 主査 茂 垣 康 弘 産業システムセクター薄膜・表面処理プロジェクト部 部長 博士(工学) 上 松 和 夫 技術開発本部 技監 工学博士  熱電変換素子の起電圧は極めて低く,このため実用に おいては複数個の素子が直列接続されて,絶縁性のセラ ミックス板上で一体となった構造の熱電変換モジュール が使われる.さらに,幅広い温度領域にわたり発電特性 が優れた素子材料はないため,数百度を超える高温の場 合は,数種の素子列を重ね合わせたカスケード型熱電変 換モジュールが製作され,実際に約 600℃までの温度域 での応用開発が行われている.これらモジュールの熱電 変換効率は温度が高いほど,そして温度差が大きいほど 高くなる特性がある ( 2 )  2. 2 ふく射伝熱方式の特長  市販の熱電変換モジュールは,汎用性をもたせるために セラミックス板で覆われている.適用に際しては,さらに 受・放熱用のフィンなどが圧接で組み合わされ,熱抵抗が 次第に大きくなる.このため利用可能な熱源温度差に対し て,この熱抵抗分の温度差が発電に寄与しなくなり,効率 が低下する.一般に,装置化した場合の変換効率はモジュ ールの半分といわれてきた.  そこで当社の改善策として,適用は比較的高温の装置に 絞られてくるが,ふく射によって非接触で熱の授受を行う 形態を考案した.第 1 図において,低温熱源とはセラミ ックス板を介して圧接するが,高温側は電極を露出させ, ふく射によって直接伝熱する方式である.高温側のセラミ ックス板と集熱系が省かれるため,その分の熱抵抗損失が 軽減され,より高い温度差を熱電変換素子材料に付加で き,変換効率の大幅な改善が期待される.さらに,モジュ ール高温部は圧接力から開放されて片持ち梁構造となるた めに,従来課題とされていた温度差に起因した熱応力ひず み問題も軽減され,取り付けにおける汎用性の拡大と信頼 性向上にも効果が期待できる. 3. 実 証 試 験  3. 1 モジュールの試作  技術実証のために,ここではふく射体の温度を約 600 ~ 700℃,モジュール高温部の動作温度を約 400℃と設定し て,モジュール製作メーカ ( 4 ) の協力を得て,第 2 図に示 す二段カスケード型熱電モジュール ( 30 ¥ 30 ¥ 10 mm ) を 試作した.低温側はビスマス-テルル ( Bi-Te ) 系,高温 側はコバルト-アンチモン ( Co-Sb ) 系の熱電変換素子, それぞれ 17 組が直列接続されてセラミックス板に接着さ れている.第 2 図 - ( a ) の低温側には同じくセラミック ス板が接着され,高温側は電極が露出した,ハーフスケル トン型と呼ばれる構造である.  ふく射伝熱に対する伝熱効率を高める目的で,露出され ている高温側電極表面を塗膜処理した.高温部材からのふ く射に対する吸収率が高く,高温で使用可能な塗膜材料を, 電極材試験片を用いて調査した.第 3 図に塗膜処理前後 の様子の一例および幾つかの候補材料についてふく射率の 計測結果を示す.目標とする温度域においては炭化シリコ ン系の塗膜によって高い吸収率を確保できることが分かっ た.  塗膜の存在は熱抵抗の増加になるが,金属性電極表面の 低い吸収率と比較して,変換効率を高めるために必要であ る.ここで,塗膜が熱サイクルを受けた場合,母材との間 で生じる熱膨張差に起因した脱離が懸念される.そこで本 開発では,第 5 章で述べられるバッチ式の抵抗加熱式工 業炉への適用を想定した,塗膜の健全性評価試験を行った. この結果,この炭化シリコン系塗膜は長期間にわたって安 定したふく射伝熱を実現できることが分かった ( 3 )  3. 2 熱電性能評価  伝熱面を塗膜処理した熱電変換モジュールの熱電変 換効率を,本開発において試作した熱電性能評価装置 を使って実施した( 第 4 図 ).モジュールの低温側セラ ミックス板を,伝熱を促進させる目的で市販のシートを挟 セラミックス板 電流リード 熱電変換 モジュール ( Bi-Te ) 熱電変換 モジュール ( Co-Sb ) セラミックス板 第 2 図 二段カスケード型熱電変換モジュール Fig. 2 Thermoelectric conversion module of two-stage cascade type

( a ) モジュール外観

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み低温熱源に固定する.効率は冷却水の水量と昇温量 ( 素 子を通過する熱流束 ) および発電量から算出される.精度 を高めるために次のような注意をした.  ヒータからの放射熱は黒体化処理を施した肉厚のニッケ ル板を経由して,垂直かつ均一にモジュールに射出させた. この均一性は,埋め込まれた熱電対による温度評価から確 認した.モジュールの側面は断熱材で囲い,放射熱が低温 部へ直接入射しない構造とした.  さらに,同様の目的でモジュールの素子間のすき間も, 絶縁性のあるセラミックスを充てんした.熱対流の影響 を避けるため,評価試験は約 1 Pa 以下の高真空下で実 施した.発電量,つまり温度差はヒータ電流で調整した. 処理前 塗膜処理後 試料温度 ( K ) ふく射率 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 273 373 473 573 673 773 873 :SiC :NiO ( Li ) :SnO2-Sb2O3 :NiO :Si3N4 :Al2O3 :AlN 第 3 図 受熱面のふく射率 Fig. 3 Radiation rate of heat input surface

断熱材 ヒータ 水冷部 ( 真空雰囲気 ) 熱電変換 モジュール ニッケル製 プレート 真空容器 第 4 図 性能評価装置

Fig. 4 Thermoelectric performance evaluation device

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二段カスケードモジュール両端電極 ( 穴を開け,直径 0.5 mmのシース熱電対を挿入して固定 ) および各セラ ミックス板表面の温度モニタを行った.評価試験におけ るモジュール各部の温度変化の一例を第 5 図に示す.な お,冷却水の入口温度は約 50℃になるよう温度調整され ている.  第 6 図は,このようにして実施されたふく射伝熱方 式による熱電発電の電力評価データ例である.外部負 荷抵抗を変えて負荷電流を調整する.負荷電流の変動 時に出力 ( 起電圧 ¥ 電流 ) は微少に変動するが,これ はペルチエ効果に由来する温度分布の変動によるもので あり,時間経過とともに温度は安定し,出力も安定化する. このように電流値を微少に変化させながら出力が最大に なる点を求める.この操作をまずモジュール低温側 ( Bi-Te ) について行い,次に高温側 ( Co-Sb ) を,とい うようにこれらの操作を何度か繰り返して,モジュール としての温度差に対する最大発電量 P を得た.これらの データから熱電変換効率 ( h = P/( Q + P ) ) を評価し た.結果を第 7 図に示す.第 5 図の結果と合せて,変 第 5 図 モジュール各部の温度変化

Fig. 5 Temperature changes in various parts of thermoelectric module

300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 200 250 300 350 400 450 500 受熱部と水冷部表面の温度差 %T ( K ) 温   度 T ( K ) :受熱部温度 :中間基板温度 :低温側基板温度 :水冷板表面温度 測定時刻 ( h : m : s ) 出 力 電 流 I ( A ) 発電量 P ( W ) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 14:09:36 14:24:00 14:38:24 14:52:48 15:07:12 15:21:36 15:36:00 15:50:24 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 :低温モジュール部の出力 :低温モジュール部の電流 :高温モジュール部の電流 :高温モジュール部の出力 第 6 図 発電電力評価試験のデータ例 Fig. 6 Data example of power generation tests

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 200 250 300 350 400 450 500 受熱部と水冷部の温度差 %T ( K ) 熱電変換効率 η ( % ) 第 7 図 熱電変換効率 Fig. 7 Thermoelectric conversion efficiency

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換効率は受熱部温度の上昇につれて上がり,温度差とと もに増加することが分かった.また,温度差 400 K にお いて約 6.9%の変動効率を得ることができた.モジュ ール試作メーカで評価されたモジュール効率は 8.4% である ( 4 )  今回得られた値を装置化効率と定義し,また発現率を装 置化効率・モジュール効率と定義するならば,2. 2 節に 述べたように従来値 50%に対して,本方式では 83%とな り,装置化した場合の効率低減に対する格段の改善効果を 実証できた. 4. 熱電解析技術  実用化においては,装置本来の熱的機能に対する熱電モ ジュール挿入の影響について事前評価が必要である.同時 に,装置の熱特性や発電量に応じて適切な性能の熱電変換 モジュールを選定し,設計に反映する必要がある.この 目的に対して解析ツールの準備は不可欠である.このた め新たに,汎用の電磁場解析ソフト ( 5 ) JMAG( 株式会社 JSOL ) の熱解析と電流分布解析の基礎方程式にゼーベッ ク効果を考慮するための項を追加し,熱と電界との連成解 析を行った.  温度差 T において,ゼーベック係数 a の熱電材料に生 じる熱起電圧は -aT であり,電位ポテンシャルを f と すれば,電界強度は     E = - ( D f + a D T ) ……… ( 1 ) となり,電流密度 j は電気伝導率を s として,     j = s E = -s ( D f + a D T ) ……… ( 2 ) と表される.  電流分布解析では電位ポテンシャル f を未知数として いるため,熱起電力の効果を電流分布解析に組み込むため には,( 2 ) 式の両辺の発散をとり,      ・sD D f = - D ・s a D T ……… ( 3 ) として熱起電力の効果を荷重ベクトルに追加する.  熱方程式は,密度を r,比熱を C,熱伝導率を l として,     rC ( ∂T/∂t ) =      ・ ( lD D T ) - ( j・ D a ) T + ( j・j) /s …… ( 4 ) となる.右辺第 2 項と第 3 項の発熱は電流分布解析から 要素ごとに計算され,その結果を熱解析モジュールに取り 込めば,熱解析では内部発熱源がある場合の解析として実 行される.  このようにして得られた熱電モジュール温度分布と電位 分布の解析出力例を第 8 図に示す.ここでは高温炉壁を模 擬したふく射板からの一次元ふく射伝熱と,モジュール内 の三次元伝熱および電流分布解析が実行される.熱電変換 素子の物性値をモジュール製作メーカから入手して,実験 における各部の温度データや発電データとの合わせ込みか ら,熱および電気的な接触抵抗値を見積もった.第 9 図は, 6. 80000e+002 6. 60000e+002 6. 40000e+002 6. 20000e+002 6. 00000e+002 5. 80000e+002 5. 60000e+002 5. 40000e+002 5. 20000e+002 5. 00000e+002 4. 80000e+002 4. 60000e+002 4. 40000e+002 4. 20000e+002 4. 00000e+002 3. 80000e+002 3. 60000e+002 3. 40000e+002 3. 20000e+002 3. 00000e+002 1. 40000e−001 1. 25263e−001 1. 10526e−001 9. 57895e−002 8. 10526e−002 6. 63158e−002 5. 15789e−002 3. 58421e−002 2. 21053e−002 1. 36842e−003 1. 36842e−003 2. 21053e−002 3. 68421e−002 5. 15789e−002 6. 63158e−002 8. 10526e−002 9. 57895e−002 1. 10526e−001 1. 25263e−001 1. 40000e−001 第 8 図 モジュール解析出力例 Fig. 8 Simulation results

温 度 ( K )

電 位 ( V )

( a ) 温度分布

( b ) 電位分布

( Left : temperature distribution, Right : electric potential distribution ) ( 左:温度分布,右:電位分布 ) 出力電流 I ( A ) 発電量 P ( W ) 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 0 1 2 3 4 5 6 :解析結果( 低温側 ) :解析結果( 高温側 ) 第 9 図 解析による発電電力量の予測 Fig. 9 Analytical prediction of electric energy generated

(6)

最高出力を与える動作点を求めるための変換効率評価試験 に対応した熱電変換量の解析結果である.ゼーベック効果 を考慮するための項を追加したことによって,解析手法の 改善を行うことができ,実験を良好に模擬できた.これら の解析結果は応力解析ツールと連携させることで,モジュ ールの電気的・熱的検討に加え,構造的評価にも役立てる ことができる. 5. 抵抗加熱式工業炉への適用  抵抗加熱式真空熱処理炉は熱電変換システムの適用にた いへん適した条件にある.その適用概念を第 10 図に示す.  現在普及している真空熱処理プロセスに用いられる炉の 多くはバッチ式である.断熱性能を高めれば運転時の熱損 失は軽減されるが,冷却時間が長くなり,炉の稼働率が低 下する.このため,ヒータを内蔵する中央部の高温断熱壁 の断熱性能には一定の制限を設けており,この断熱壁から のふく射熱は,真空炉外壁の水冷ジャケットを流れる冷却 水を介して排熱されている.このように,高温熱源と低温 熱源が真空域を介して二次元的に対向しており,炉外壁の 内面に,高温部電極を露出させたハーフスケルトン型の熱 電変換モジュール( 第 2 図 参照 )を取り付ければ,ふ く射伝熱方式の特長が発揮されて変換効率の大幅な改善が 十分に期待できる.  試算では,200 kW 高温炉からのふく射損失熱量は,処 理温度の上昇につれて高くなり,1 300℃ において抵抗加 熱電力の約 60%にも達する.この場合,実用的なモジュ ール効率 15%の熱電材料が開発されれば,発現率 80%以 上である本方式によって,6 kW を超える廃熱回収が可能 となる.この技術は新規の炉への適用はもとより,既存の 工業炉システムに対しても,熱電発電パネルとユニットを 事前に準備すれば,大きな改造を加えることなく適用が可 能である.そのほか,材料を積極的に冷却する連続式工業 炉の冷却部や,製鋼関連設備でのしゃく熱した材料に対す る防熱パネルなどに適用が考えられる.  回収される直流電力は,単独では炉制御用に,あるいは 盤内冷却や除湿電源などに活用が可能である.また,複数 の炉から回収した電力の集約による工場ユーティリティー としての利用,さらには停電時などの安全なシステムダウ ンのための補助電源として役立つと考えている.発電量は 多くないが,技術進展の目ざましい蓄電設備との組み合わ せによって,用途はさらに拡大するものと思われる.この ように,排熱回収の熱電変換システムを開発できれば,民 生や産業の各分野で大幅な省エネが達成できる. 6. 結    言  熱電変換材料の開発とモジュール効率の向上は多くの 研究機関で盛んに行われている.実用化・事業化におい ては,その高い性能を生かして,いかに高い装置化効率 を達成するかが大きな課題の一つとなる.ここに紹介し たふく射伝熱方式熱電変換技術は,この課題の克服に有 効であることが示された.さらに,モジュールの適正化 も含む熱電発電システムの解析技術を整備することがで きた.  なお,本稿における実証試験は,独立行政法人新エネル ギー・産業技術総合開発機構 ( NEDO ) の助成を受けて実 施( 2002 ~ 2006 年度 )された. 参 考 文 献 ( 1 ) 太田稔智:高効率熱電変換システムの開発 日 本熱電学会誌 Vol. 4 No. 2 2007 年 10 月  pp. 15 - 17 ( 2 ) 梶川武信 監修:熱電変換技術ハンドブック 株式会社エヌ・ティ・エス 2008 年 12 月 ( 3 ) 財団法人エンジニアリング振興協会:抵抗加熱 式工業炉用熱電変換システムの開発 熱電発電 フォーラム講演資料集 2006 年 10 月 ( 4 ) 財団法人エンジニアリング振興協会:カスケード モジュールの開発 ( 高温域 Co-Sb 系,低温域 Bi-Te 系材料 )  熱電発電フォーラム講演資料集 2005 年 10 月

( 5 ) C. Tokunaga, K. Fujita, T. Ota and J. Ochiai : Development of Thermoelectric Power Generation System in Industrial Furnace, Proc. 23th International Conference on Thermoelectrics ( 2004 ) 水冷ジャケット 熱電変換モジュール 断熱材 試 料 ヒータ 第 10 図 抵抗加熱式工業炉への適用概念

Fig. 4  Thermoelectric performance evaluation device
Fig. 5  Temperature changes in various parts of thermoelectric module
Fig. 10  Applied concept to industrial furnace of resistance-heating type

参照

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