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評価基準表の活用

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Academic year: 2021

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(1)

評価基準表の活用

教員の 資質・ 能力に 関する評 価を、 どのような場面 で、ど の よ う に実施し 、それによって 教 員がどのように 成長していくかという 課題は 、今後、 ま す ま す重要 になってくる。

前章において 、校長対象のア ン ケ ー ト調査 の結果か ら、学習指導場面における知 識・理解 ・ 技能や実 施・対 応の能力及び感受性を 高めていく必要 が示された。 これらの 結果を 基に、本 章 では、評 価 基 準 表の授業場面における 具体的 な活用例 を示す 。周知 の通り、 授業は 、教員の 資 質・能力 を評価 する中心的な場 面で あ り、教員自身が 自らの 課題を 比 較 的把 握しやすい場面 で あると考 え ら れ る。ま た、人 事 考 課 制 度の導 入をきっかけとして校 長を は じ め と す る管理職 に よってもその評 価が行 わ れてい る。

以下で は、本 章で示 す活用例 をより 効果的 なものにするために、 校長が実 際に教 員を ど の よ うに評価 しているか、 「日頃、 よく行 っ て い る情 報 収 集の方 法」「 効果的と 思わ れ る指導」

「必要とする力 量」に 関して、 先に示 した校長対象ア ン ケ ー ト調査 の結果か ら、そ の全体像 を つかんでみたい 。

1 資質 ・能力育成の 方法〜ア ン ケ ー ト調査結果から 〜

① 日頃 よく行 っ て い る情 報 収 集の方 法

下図は 、校長 として 、教員の 資質・ 能力を 把握するために 、日頃 よく行っている 情報収集 の 方法を尋 ねた結 果(選択肢から 三つ ま で選択 )である 。

まず全校種において 、(1)の「本 人の日 頃の取り 組み を よ く み る」、(5)の 「教頭 ・副校長 か ら情報を 得る」 、(2)の「本 人との 面接を 活用する 」等が 上位を 占め て い る。とりわけ 、(1)の

「本人の 日頃の 取り組 みをよくみる」 は、盲 ・ろう・ 養 護 学 校を除 いて80% を超え る数値の 回 答である 。また 、高等学校、盲 ・ろう ・養護学校では 、(5)の「 教頭・副校長か ら情報 を得る」

が70%を 超えており、 (2)の 「本人 との面 接を活用 する」 の50% 台と と も に特色 を表している。

小・中学校で は、これらに代 わって 、 (4)の「と も に具 体 的な指 導にかかわりながらみる 」 が20〜30%と な っ て い る。校長 による 直接的 な場面を 通し て の評価 の割合が 高くなっている 。

日 頃 よ く 行 っ て い る 情 報 収 集 の 方 法

( 1 ) 8 8 . 8

( 1 ) 8 3 . 0

( 1 ) 8 0 . 2

( 1 ) 7 2 . 3

( 5 ) 5 4 . 6

( 5 ) 5 4 . 0

( 5 ) 7 0 . 4

( 5 ) 7 0 . 2

( 2 ) 4 2 . 9

( 2 ) 4 3 . 0

( 2 ) 5 5 . 6

( 2 ) 5 7 . 4

( 4 ) 3 1 . 1

( 4 ) 2 6 . 0

( 6 ) 2 7 . 0

0 . 0 5 0 . 0 1 0 0 . 0 1 5 0 . 0 2 0 0 . 0 2 5 0 . 0 3 0 0 . 0 3 5 0 . 0 小 学 校

中 学 校

高 等 学 校

盲 ・ ろ う ・ 養 護 学 校

( 1) 本 人 の 日 頃 の 取 り 組 み を よ く み る

( 5) 教 頭 ・ 副 校 長 か ら 情 報 を 得 る

( 2) 本 人 と の 面 接 を 活 用 す

( 4) と も に 具 体 的 な 指 導 に か か わ り な が ら み る ( 6) 各 分 掌 の 主 任 か ら 情 報 を 得 る

( 3) 本 人 の 作 成 し た 文 書 を 見 る

( 10) 保 護 者 ・ 地 域 住 民 か ら 情 報 を 得 る

( 7) 他 の 教 員 か ら 情 報 を 得

( 9) 児 童 ・ 生 徒 か ら 情 報 を 得 る

( 8) そ の 他 の 学 校 職 員 か ら 情 報 を 得 る

( 11) そ の 他

(2)

② 効 果 的と思 われる 指導

下図は 、教員 の資質 ・能力を 高めるための 効果的な 指導について 尋ねた結 果で あ る。

まず、 す べ て の校種 において 、上位 4位までは、(5)の 「校内 の研究・ 研修を 活性化 する」、

(7)の「教員 の指導 の成果を 評価し 、そのよさを具体的に 伝え、 課題が分 かるように指 導する」 、 (1)の「校務分掌において、 達成すべき課 題を明確 にする 」、(6)の 「人 事 考 課・業績評価な ど の現在の 評価システム を活用す る」等 が上位 を占めている。 その中 でも、小学校、 盲・ろう ・ 養護学校 では、 (5)の「校内 の研究 ・研修 を活性化 する」 が60% 前後で第 1位の 回答となり、中 学校は (7)の「 教員の 指導の成 果を評 価し、 そ のよさ を具 体 的に伝 え、課題 が分かるように 指 導する」 が53.0%で第 1位、高等学校 は (1)の「校務分掌において 、達成すべき課 題を明確 に する」が 65.0% (他の 校種では 30%台 )となっている 。都立学校ではさまざまな教育改革が 進 展し、校 長は、 課題を 明確に し て学校経営を 行っていることがうかがえる。

また、(6)の 「人事考課・業績評価 など現 在の評価 シ ス テ ムを活 用する」 は、各校種とも 30

〜40%の 数値を 示し、 現在の評 価システムを 有効に活 用して 、教員 の資質・ 能力の 向上を図 っ ていることも推 察で き る。

さらに 、小 学 校では 、(4)の「週 案を通 しての指 導」が 成果を 上げ て い る実態 が示さ れ、盲・

ろう・養護学校 では、 (8)の 「教員 のラ イ フ ス テ ー ジに合 わ せ て の指導」 が成果 を上げているの が特徴的 である 。

全体的 に見て 、(5)の「校 内の研 究・研 修を活 性 化する 」を第 1位と し た小 学 校や盲 ・ろう・

養護学校 では、 一 人 一 人の教員 の資質 ・能力 を組織の 中で育 てようとしていることが推察で き、

中学校や 高 等 学 校の第 1位は、 (7)の「教 員の指導 の成果 を評価 し、そのよさを 具体的 に伝え、

課題が分 かるように指 導する」 や (1)の「校務分掌において 、達成 すべき課 題を明 確にする 」 であり、 個別や グ ル ー プを単位 として 、教員 の資質・ 能力を 高めることが効果的で あ る と と ら えていることがうかがえる。

効果的と思われる指導

(5) 64.6

(5) 39.0

(5) 41.3

(5) 58.7

(7) 4 9 . 2

(7) 5 3 . 0

(7) 4 8 . 8

(7) 4 5 . 7

(1) 30.8

(1) 37.0

(1) 65.0

(1) 32.6

(6) 35.4

(6) 40.0

(6) 36.3

(6) 37.0

(2) 20.5

(2) 26.0

(2) 28.8

(9) 28.3

(9) 25.0

(8) 41.3

(4) 25.1

0 . 0 5 0 . 0 1 0 0 . 0 1 5 0 . 0 200.0 2 5 0 . 0 3 0 0 . 0 3 5 0 . 0

小学校

中学校

高等学校

盲・ろう・養護学校

( 5) 校内の研究・研修を活性化する。

( 7) 教員の指導の成果を評価し、そのよさを具体的に伝 え、課題が分かるように指導する。

( 1) 校務分掌において、達成すべき課題を明確にする。

( 6) 人事考課・業績評価など現在の評価システムを活用す る。

( 2) 日々、他の教員から具体的な指導が受けられるよう、

学年組織等の分掌配置を工夫する。

( 9) 各種研究会や教育会などの対外的な研究組織への参加 の機会をつくる。

( 10) 都・区市町村の研究員・調査員などへ推薦するなど、

各種研修会の機会を生かす。

( 8) 教員のライフステージに合わせ、伸ばす職能の方向や 研修課題について支援する。

( 3) 起案文書作成時に、校長としての考えを指導し、協議 して起案させるようにする。

( 4) 週案を通して、指導のあり方や方法について指導を充 実させる。

( 11) その他

(3)

③ 力量 を発揮 する教 員

下図は 、学校 に と っ て必要であると 考える 教員の力 量について尋 ねた結果 である 。

ま ず全体として、 (4)の「学 校 経 営 方 針を理 解し、管理職と 教員の パイプ役 となっている」 、 (1)の「教材研究に 熱心で、 学 習 指 導の指導技術に 定評がある」 、(7)の「分掌等で 中心的な 役 割を果た し、リーダーシップを 発揮している 」が上位 となっている 。その中 で、(4)の 「学校経 営方針を 理解し 、管 理 職と教員 のパ イ プ役と な っ て い る」は 、中 学 校だけ49.0%で 他より低 く なっ て いる。中学校は 、他の項 目も重 視されており、 全体に 散らばりが見られるが 、(2)の「児 童・生徒 の悩み 等を よ く聞き、 信頼が 厚い」 が48.0% と多くなっているのが 特色である。

高 等 学 校では 、(7)の「分掌等で 中心的 な役割を 果たし 、リ ー ダ ー シ ッ プを発 揮している」が 75.9%を 示し、 他の校 種と異な る と こ ろ で あ る。また 、盲・ ろう・ 養護学校 では、 (1)の「教材 研究に熱 心で、 学 習 指 導の指導技術に 定評がある」が 78.3% であり 、児童・ 生徒の 学力向上 の ための学習指導 の充実 を求めていることがうかがえる 。

(6)の「児 童・生 徒が生き 生きと 活動で き る よ う に、学級経営 に工夫を 凝らしている 」や(2) の「児童 ・生徒 の悩み 等をよく 聞き、 信頼が 厚い」等 も、校 種を問 わず、学 校にとって必要 な 教員の力 量と思 われる 数値を示 し て い る。

ここで 、(4)の「 学校経営方針を 理解し 、管理職 と教員 のパ イ プ役と な っ て い る」、 (7)の

「分掌等 で中 心 的な役 割を果た し、リーダーシップを 発揮している 」、(8)の「 地域の 行事にも よく参加 し、地域住民 や保護者 との関 係づくりが上手 である 」を学校運営上 の資質 ・能力と し、

(1)の「教材研究に 熱心で、 学 習 指 導の指導技術に 定評がある」 、(6)の「児 童・生 徒が生き 生 きと活動 できるように 、学 級 経 営に工 夫を凝 ら してい る」、 (2)の「児童 ・生徒 の悩み 等をよく 聞き、信 頼が厚 い」を 直接児童 ・生徒 にかかわる指 導 上の資 質・能 力として 、全体 を100%に集 計し直し て み る と、次 表の よ う な結果 と な っ た。

力量を発揮する教員

(4) 71.8

(4) 49.0

(4) 72.2

(4) 69.6

(1) 63.6

(1) 56.0

(1) 57.0

(1) 78.3

(7) 54.9

(7) 55.0

(7) 75.9

(7) 56.5

(6) 45.1

(6) 35.0

(6) 26.6

(6) 50.0

(2) 31.3

(2) 48.0

(2) 27.8

(8) 20.0

(8) 22.0

(3) 25.3

0 . 0 50.0 100.0 150.0 200.0 250.0 300.0 350.0

小学校

中学校

高等学校

盲・ろう・養護学校

(4)学校経営方針を理解し、管理職と教員のパイプ 役となっている。

(1)教材研究に熱心で、学習指導の指導技術に定評 がある。

(7)分掌等で中心的な役割を果たし、リーダーシップ を発揮している。

(6)児童・生徒が生き生きと活動できるように、学級 経営に工夫を凝らしている。

(2)児童・生徒の悩み等をよく聞き、信頼が厚い。

(8)地域の行事にもよく参加し、地域住民や保護者と の関係づくりが上手である。

(3)部活動や課外活動を、中心となって指導してい る。

(5)コンピュータ等の機器について詳しく、まわりから 信頼させている。

(9)その他

(4)

学校に と っ て は、さまざまな 力量をもつ教 員が必要 と さ れ る中で 、その資 質・能 力を「学 校 運営上の 資質・ 能力」 と「指 導 上の資 質・能 力」とに 大別し て み る と、その 割合は 、い ず れ の 校種に お い て も お お よ そ半々であった 。学校 に あって は、常 にこの 両者の必要性が 求め ら れ て いる こ とが、あ ら た め て確認できる。

学校に と っ て 必要と考 える教員の力量

小 学 校 中 学 校 高等学校 盲・ろ う・養護

学 校 運 営 上の 資質 ・能 力 5 1.7 % 44 .1% 53. 7% 46.8 %

指導上の資 質・能 力 48.3% 55.9% 46.3% 53.2%

以上、 校長が 教員を 評価す る に あ た り、「 日頃、よ く行っている 情報収集 の方法 」「効 果 的 と思わ れ る指導 」「必 要とする 力量」 に関し て、先に 示した 校 長 対 象アンケート調 査の結果 を 検討した 。全体 としてここからは、校 長に よ る教員と の直 接 的な場 面を通しての評 価の割合 が 高くなっていることや 、校内の 研究・ 研修を 活性化し 、教員 が行っ た指導の 成果についての 校 長の考え を具 体 的に伝 え、課題 が分か る よ う に指導するといった方 策が効 果 的で あ る と い う こ とが明らかとなった。

(5)

2 評価基準表 を用い た授 業 観 察 (1) 評価基準表活用の 意義

授 業 観 察は、 教員の 資質・能 力に関 する評 価を実施 する上 で基 本 的に重要 な場面 である。 し かし、や り方 次 第では 教員の資 質・能 力を十 分に把握 で き な いケ ー スが い く つ か あ る。こ こ で はその中 の二つ のケ ー スに つ い て述べ 、評 価 基 準 表 活 用の意 義を明 らかにしたい。

その一 つは、 目的が 教員の資 質・能 力を把 握し、それを一層向上 させるための研修課題を 見 いだすことにあることを明確にしないまま授業観察を 行ったために 、指 導 方 法や教 材の工夫 の 是非に論 点が集 中してしまうケースである。 授業は指導法や 教 材 開 発を目的 に行わ れ る こ と も あるので 、授業観察を 行う場合 は、最 初に目 的を明確 にしておくことが重要 である 。

二つ目 として 、授業観察の目 的が明 確になっているにもかかわらず、観察 が表 面 的な も の に 終わってしまう ケース がある。 この場 合の原 因と し て は、授業実施 に必要とされる 教員の資 質

・能力に 関する 観察者 のとらえ 方があいまいであったことが 考えられる。

このどちらの ケース に ついて も、評 価 基 準 表を用い る こ と で問 題 点を解消 することができる。

一つ目の ケース では、 評 価基準 表を用 いることで授業観察の 観点が 明確に な り、論 点が拡散 す ることを 防ぐことができる。二 つ目の ケース では、評 価 基 準 表を用 い る こと で、授 業の表 面 的 な教師の 「実施 ・対応 」能力だ け で な く、そ の背景で 重要な 役割を 果たしている能 力にまで 注 意が払わ れ る こ と に な り、教員 の資質 ・能力 をより深 く分析 することが可能 となる 。

評価基準表か ら、授 業に お け る教師 の行 動 一つ一つ に つ い て、そ の背景で は「知 識・理解 ・ 技能」「 分析」 「統合 」等の資 質・能 力が重 要な役割 を果たしていることが 分かる 。観察者 が この よ うな認識 を も っ て授業を 観察し 、授 業 後に観察結果について 意見を交 換することは、 授 業観察の 質だけでなく 、観察者 の観 察 力を高 めることにもなる。

と こ ろ で、Ⅱ 章2① に示した アンケート調 査の結果 に よ れ ば、回答者(校 長)は 、教員に 身 に付い て い な い と感じ る資質・ 能力として、 学習指導 の「知 識・理 解・技能 」「実 施・対応 」 の二つをあげていて、 「分析」 「統合 」についてはおおむね 良好としている 。「分 析」「統 合」は、 教 材 研 究や指導案作成 の際に 特に発 揮される 能力であるが 、実はそれだけではなく 、 学習指導場面に お い て も重要な 役割を 果たしている。 す な わ ち、学 習 指 導 場 面で、 刻々と変 化 する児童 ・生徒 の学習状況を教 師が把 握し( 分析)、 指導案 に書か れ て い な い指導 ・援助の 内 容を必要 に応じ て考え 出し(統 合)、 それを 実際に児 童・生 徒に伝 えている (実施 ・対応) 。 この よ うに、学習指導 では「実 施・対 応」の 裏付けとしての 「分析 」「統合 」の能 力が重要 な 役割を果 たしている。 新しい学力観に 立ち、 一人一人 の学習状況に 適切に応 じつつ 授業を実 施 する能力 が重要 になっている現 在、学習指導場面における「 分析」 「統合」 の二つ の能力は 今 まで以上 に重視 すべき 能力であると言 うことができる 。

また、 前述の アンケート調査 では、 学習指導場面の 「感 受 性」が 十分に身 に付い て い な い と の結果も 出て い る。学習指導で は「分 析」「 統合」の 能力だ け で な く、「感受性」 を は じめ と する「情 意」面 の資質 ・能力が 重要な 役割を 果たしている。

このように、 学 習 指 導は「分 析」「 統合」 「感受性 」を含 め、八 つの資質 ・能力 が相互に 関 連し合ってそれぞれの 役割を果 たし成 り立っているのであり 、授業観察では 、評価基準表を 活 用してこれらの 資質・ 能力を総合的に とらえ ら れるよ う に する こ とが重要な 課題である。

(6)

(2) 授業分析表

授 業 観 察を通 して教 員の資質 ・能力 を総 合 的にとらえられるようにするため、評価基準表 を 基に次に 示す授 業 分 析 表を作成 した。 授業分析表は、 指導案分析用 と授 業 過 程 分 析 用の2種 類 を作成し た。

① 指 導 案の分 析

指導案 では見 ることができない「実 施・対 応」以外 の七つ のカテゴリーの 資質・ 能力を、 次 の分析表 に示し た観点 に基づ い て3段 階で評 価する。

表中に 各カテゴリー ごとに示 した観 点は、 指導案か ら得られる情 報の種類 と、10〜11ペ ー ジ の評価基準表に 示した 各カテゴリーの 着眼点 の内容を 関連づ け、経験豊富な 教員が こ れ ま で の 経験に基 づいて 作成したものである。

各項目 に つ い て、他 の模範となる優 れたレベルに あ る場合 は◎( 優れ て い る)、 改善す べ き 点が特に 見あたらない 場合は○ (普通 )、改 善すべき 点があると判 断できる 場合は △(改 善 点 がある) の欄に チ ェ ッ クする。

② 指導過程の 分析

次のページに 、実際 の授業を 分析するのに 用いる授 業 分 析 表(授業過程分析用) を示した 。 指導案用 と同様 に、各項目に し た が っ て3段 階で評価 する。

授 業 過 程で直接観察 で きるの は、「 実施・ 対応」にあたる 教師の 行動、児 童・生 徒の行動 、 さらに授 業のために用 意された 教材の 三つが 主で あ る が、そ の内容 やつながりから 、教師の

「実施・ 対応」 の背景 で重要な 役割を 果たしている「 分析」 「統合 」等の能 力や、 「感受性 」 等の情意 も見るようにする。このようにすることで、 教員の 資質・ 能力を表 面に見 える「実 施

・対応」 の内容 だけでなく、そ の背景 で重要 な役割を 果たしている 資質・能 力を含 め、総 合 的 にとらえることができるようになる。

◎優れている ○普通 △改善点がある 授業分析表(指導案用)

資 質 評 価

◎ ○ △ 能 力

統 合 教科目標や教材の特性 児童・生徒の実態等とのかかわりを考えて 授業のねらいを適切に設定している

授業のねらいや児童・生徒の実態 指導の工夫等とのかかわりを考えて 学習展開を適切に計画している 教材の構成要素や構造を適切に把握している。

分 析

授業のねらいや学習展開等の裏づけとなる児童・生徒の実態を適切に把握している。

学習指導、教科等についての専門的知識や技能が身に付いている。

知 識

評価の観点が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

評 価

評価の方法が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

児童・生徒の実態に応じた指導上の配慮が感じられる。

感受性

よりよい指導案を作成するための創意工夫や意欲が感じられる。

価値づけ

授業の実施に向けて、教員としての責任と自覚が感じられる。

自 覚 (備考)

※「知識」とは 「知識・理解・技能」のカテゴリーの能力のことである。

※備考欄には評価のまとめや上記の項目以外の観察事項を記入する。

(7)

授 業 過 程では 、児童 ・生徒の 学 習 状 況を把 握する→ どのように対 応したらよいか 、案を考 え 出す→児 童・生 徒に対 して説明 、指示 、指導 ・援助等 を行うという 教師の行 動が繰 り返さ れ る と推定さ れ、こ の過程 は「分析 」「統 合」「 実施・対 応」の 能力が 観察がしやすい 場面で あ る と考えられる。 そこで 、授業分析表( 授業過程分析用 )は、 便宜上 、次のような三 つの評 価 場 面を特に 設定し 、それぞれの場 面で「 分析」 「統合」 「実施 ・対応 」の能力 を評価 し、その 他 の五つの カテゴリーの 資質・能 力については 、そ れ ら の場面 を含む 授業全体 を通し て評価す る ように考 えて作 成した 。

場面 A 主な 発問や指 示をしている 場面

場面 B 児童 ・生徒が ね ら い に沿っ て活動を し て い る場面 場面 C 児童 ・生徒が ね ら い に沿っ て活動をしていない場 面

授業分析表( 授業過程分析用 )の記入方法 は、24ページ以 降の授業分析表 の活 用 例で示し た ように、 授業を 観察しながら授業分析補助表 を最初に 作成し 、その 内容を整 理した 結果を基 に 記入する 。授業分析補助表の代 わりに 簡単な メモを作 成し、 代用することも 可能である。

◎優れている ○普通 △改善点がある 授業分析表(授業過程分析用)

◎ ○ △

場面A A-1実施 学習展開の節目となる発問や指示等を 実態に応じて 適時に適切な手段で行っている 主な発問や指示 A-2統合 授業のねらい、学習の流れ、教材の特性を理解した上で、発問や指示等を行っている。

をしている場面 A-3分析 学習展開の節目となる発問や指示等を 児童・生徒がどのように受け止めたか把握している

場面B B-1実施 より意欲的・主体的な活動になるよう 実態に応じて 適時に適切な手段で指導・援助している 児童・生徒の学習状況に応じた指導・援助を考え出している。

B-2統合

B-3分析 発言 表情 行動から 学習が進んでいる子や遅れ気味な子の学習状況についても把握している

場面C C-1実施 ねらいに沿った学習活動にするため 実態に応じて 適時に適切な手段で指導・援助している 児童・生徒の学習状況に応じた指導・援助を考え出している。

C-2統合

C-3分析 発言、表情、行動から 児童・生徒の学習状況や学習がねらい通りに進まない原因を把握している 学習指導、教科等についての専門的知識や技能をもち、使っている。

D-4知識

全体を通して D-5評価 学習指導の結果をとらえ 児童・生徒の達成状況や自らの指導の改善点を判断している 児童・生徒の学習状況を積極的に把握しようと努めている。

D-6

児童・生徒に対して共感的態度で接し、信頼関係づくりに努めている。

感受性

実態に応じて、発問や指示、指導・援助、学習展開を工夫しようとしている。

D-7価値づけ

授業に臨む姿勢から、教員としての責任と自覚が感じられる。

D-8自覚 (備考)

※表中の資質・能力のカテゴリーを示す「実施」は「実施・対応「知識」は「知識・理解・技能」を意味する。

※授業から判断できない項目については、斜線を引く。

※備考欄には、評価のまとめや上記の項目以外の観察事項を記入する。また、本表を、自己評価表として用いる 場合は、自己評価のまとめを記入する。

児童・生徒がね らいに沿って活 動している場面

児童・生徒がねら いに沿って活動し ていない場面

(8)

(2) 授業分析表 の活 用 例

前項で 述べた 授業分析表を用 いて、 授 業 観 察を試み た。こ の授業観察では 、授業 を見な が ら 直接授業分析表 に記入 するのではなく 、各活用例の中 に示し た よ う に、先に 授業分析補助表 を 作成し、 その内 容を整 理した後 に授業分析表 に記入す る方法 を と っ た。

今 回 実 施した 授 業 観 察の中か ら、次 の三つ の分 析 事 例を紹 介する 。各事例 とも指導案の分 析 例も含め て掲載 したが 、指導案 については省 略した。

〈事例1 〉 小学校体育科(6学年 )「 走り高 跳び」

次の表 は、こ の授業 の指導案 の分 析 例で あ る。

授 業 展 開は、 次の授業分析補助表に 示す通 り であっ た。

本授業は 「リズミカルな助走 「力強い踏み切り」など、より高く跳ぶための技能ポイントを身 に付けさせることがねらいである 。さらに、その過程で、児童自らの課題達成への取り組みを指導

・援助し、児童が記録向上の喜びを十分に味わえるようにすることを目指している。

本時は、6時間扱いの5時間目で、取り組む段階に入って3時間目である。

まず初めに、準備運動や予備運動をした後、今もっている力で楽しみながら、四つの練習の場で 技能ポイントを意識して走り高跳びができる時間を設定する。次に、友達と動きを見合い、教え合

いながら自分の課題達成に向けて練習し 記録の向上をめざす時間を設定する 本時のまとめでは 練習を振り返って、自分や友達のよさを発表させ、次時の記録会に向けて課題を整理する。

◎優れている ○普通 △改善点がある 授業分析表(指導案用)

資 質 評 価

◎ ○ △ 能 力

? 統 合 教科目標や教材の特性 児童・生徒の実態等とのかかわりを考えて 授業のねらいを適切に設定している

? 授業のねらいや児童・生徒の実態 指導の工夫等とのかかわりを考えて 学習展開を適切に計画している

? 分 析 教材の構成要素や構造を適切に把握している。

? 授業のねらいや学習展開等の裏づけとなる児童・生徒の実態を適切に把握している。

? 知 識 学習指導、教科等についての専門的知識や技能が身に付いている。

? 評 価 評価の観点が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

? 評価の方法が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

? 感受性 児童・生徒の実態に応じた指導上の配慮が感じられる。

? 価値づけ よりよい指導案を作成するための創意工夫や意欲が感じられる。

? 自 覚 授業の実施に向けて、教員としての責任と自覚が感じられる。

(備考)

ねらいが明確であり、学習展開、教材の工夫との関連づけもよく工夫されている。指導の手だてが、深い教 材分析と走り高跳びの技能に関する児童の実態把握に裏付けられており、専門性が高いことがうかがえる。評 価については、その観点や方法は明確に示されているものの、指導の流れの中での位置づけがやや不明確であ り、改善を要する。情意面については、実態把握の記述から、子どものよさを引き出したいという強い意欲が 感じられ、教員としての責任感と自覚が感じとれる。

(9)

分析補助表に 記述された各カ テ ゴ リ ーご と の評価をまとめると、 次のようになる 。 授業分析補助表

取り上げた事実 場面A・B・C 全体を通して

(実施、統合、分析) (知識、評価、感受性、価値づけ、自覚) 該当する場面の記号を書き添える

〈準備運動をする〉 A‑3分析◎

①「よく頑張っているね。前よりやわらかく 指示をよく聞いて懸命に柔 なったね 。〜までできるようになるといい 軟運動をしている児童のよ

ね。」など、準備運動の様子を見て声かけをし い点を把握しているので 、

ている。 (場面A) 「分析」の能力が高いとい

える。

〈グループごとに走り高跳びをする〉 A‑1実施◎

②教師からの少ない指示で、素早く行動し役 学習の流れが児童に身につ 割分担して学習している。 いていることから、今まで

(場面A)

の学習で児童の実態に合わ せた指導ができていたこと が分かる。

D‑6感受性△

③支柱にぶつかりそうな跳び方をしている児

童もいたが特別な注意をしていない。 安全への配慮がやや不足して いる。

(場面C)

B‑3分析◎・B‑2統合◎ D‑7価値づけ◎

④自分に合った踏み切りができないでいる児

童に対して、時間をおいてから再度指導・援 一単位時間での、児童の学 よくなった点と改善点を一緒 助していた。 習状況の変容を的確に分析 に言う等、児童が主体的に学

「さっき言ったことはかなりできようになっ し、それに応じた適切な指 習を進めるための指導・援助 たね 次は〜を心がけてごらん。 (場面B) 導・援助を考え出している を工夫している。

B‑1実施◎ D‑6感受性◎

⑤教師から離れた場所で活動している児童の

課題(助走にリズム)を見つけ指導・援助し 体育館全体に目を向けて、 自分から離れた場所にいる児 ている。 (場面B) 児童の課題に対して適時に 童の様子にも気を配り、学習

対応している。 状況の把握に努めている。

D‑8自覚◎

⑥試技が失敗した原因を考えている児童に対

して、そのそばでじっと待っていて、その原 自らをよく見つめて学習に取 因が言えたらほめている。 (場面B) り組ませたいという教師とし ての強い責任と自覚が感じら れる。

C‑3分析◎・C‑2統合◎

⑦友達へのアドバイスの内容に困っている児

童に、具体的に見る視点を聞いたり教えたり アドバイスができない原因

している。 を分析し、教え合いが活発

「○○君、踏み切り位置どこだった?」 になるようにさまざまな 手

「この場所で跳び方を見てあげて。」 だてを考え出している。

(場面C)

「○○さんは〜を見てあげて。」

C‑1実施◎

⑧助走のリズムがつかめない児童といっしょ

に、リズムをとって助走している。(場面C) 助走リズムがつかめない 児 童を見つけ、適切に指導・

援助している。

D‑8自覚△

⑨教師が意図する方向でのみ、学習させてい

るきらいがある (場面B) 児童の思考や活動をさらに広

げさせ、主体性をより引き出 すところまではねらっていな い。

〈本時のまとめをする〉 D‑6感受性○

⑩児童の感想から、さらに具体的な言葉を引 学習状況を把握し、児童に学

き出すような言葉かけがない。 習成果をより確かに感じさせ

ようとする意識がもう少しほ (場面B)

しいと感じられる。

D‑5評価◎

⑪「今日は、自分に合った踏み切り地点まで

の助走のリズム を意識して学習を進めたか 前時の課題を踏まえて、本時 ら、記録が伸びた人が増えたね」と最後にま の学習を展開し、そのねらい

とめている (場面B) の達成状況を、児童の記録か

ら適切に評価している。

(10)

A‑1実施・ 対応 ◎、A‑3分析 ◎、 B‑1実施・対 応 ◎ 、B‑2統合 ◎、B‑3分 析 ◎ C‑1実施・ 対応 ◎、C‑2統合 ◎、 C‑3分析◎、 D‑5評価 ◎、D‑6感 受 性 △◎○

D‑7価値づ け ◎ 、D‑8自覚 ◎△

この集計結果 から、 評価が分 かれているカテゴリー はD‑6とD‑8の 二つ で あ る こ と が分かる 。 は項目が 二つに 分かれているが 、総合 してそれぞれ○ ◎と す る。また 、 は○ と判断し 、

D‑6 D‑8

上記にあるその 他のカテゴリー は◎とする。 さらに、A‑2統合、D‑4知識については 、上記に は ないものの◎と 判断す る の が そ の他の カテゴリーの評価結果 から考 えて妥当 で あ る と判断で き る。

このような検 討を経 て、授業分析表 (授 業 過 程 分 析 用)に 次のように記入 する。

授業分析表(授業過程分析用) ◎優れている ○普通 △改善点がある

◎ ○ △

? 場面A A-1実施 学習展開の節目となる発問や指示等を 実態に応じて 適時に適切な手段で行っている

? 主な発問や指示 A-2統合 授業のねらい、学習の流れ、教材の特性を理解した上で、発問や指示等を行っている。

? をしている場面 A-3分析 学習展開の節目となる発問や指示等を 児童・生徒がどのように受け止めたか把握している

? 場面B B-1実施 より意欲的・主体的な活動になるよう 実態に応じて 適時に適切な手段で指導・援助している

B-2統合 児童・生徒の学習状況に応じた指導・援助を考え出している。 ?

B-3分析 発言 表情 行動から 学習が進んでいる子や遅れ気味な子の学習状況についても把握している ?

? 場面C C-1実施 ねらいに沿った学習活動にするため 実態に応じて 適時に適切な手段で指導・援助している

C-2統合 児童・生徒の学習状況に応じた指導・援助を考え出している。 ?

C-3分析 発言、表情、行動から 児童・生徒の学習状況や学習がねらい通りに進まない原因を把握している ? D-4知識 学習指導、教科等についての専門的知識や技能をもち、使っている。 ?

? 全体を通して D-5評価 学習指導の結果をとらえ 児童・生徒の達成状況や自らの指導の改善点を判断している

D-6 児童・生徒の学習状況を積極的に把握しようと努めている。 ?

? 感受性 児童・生徒に対して共感的態度で接し、信頼関係づくりに努めている。

D-7価値づけ 実態に応じて、発問や指示、指導・援助、学習展開を工夫しようとしている。 ? D-8自覚 授業に臨む姿勢から、教員としての責任と自覚が感じられる。 ?

(備考)

学習活動が手際よく進められ、授業者が全体に目を行き届かせて授業をしていることが分かる。また、個に応じ た手だても優れており、瞬時に児童の課題を分析し、適切な指導・援助の内容を考え出している。さらに、児童の 言葉を引き出し、課題に気付かせるような言葉かけをするなど、指導・援助の仕方を工夫している。

レベルの高い授業であったが、危険を伴う場面での対応がやや弱い点、まとめの場面で児童の感想を十分に引き 出そうとしない点など、授業者の意図する方向でのみ児童の学習状況を把握し、指導・援助しようとする傾向が若 干見られる。児童の思考や活動をさらに広げ、主体性をより引き出す意識を高めることが今後望まれる。

※表中の資質・能力のカテゴリーを示す「実施」は「実施・対応「知識」は「知識・理解・技能」を意味する。

※授業から判断できない項目については、斜線を引く。

※備考欄には、評価のまとめや上記の項目以外の観察事項を記入する。また、本表を、自己評価表として用いる 場合は、自己評価のまとめを記入する。

児童・生徒がね らいに沿って活 動している場面

児童・生徒がねら いに沿って活動し ていない場面

(11)

〈事例2 〉 中学校社会科(1学年 )「 都道府県規模の 地域を 調べる 」

指導案 の分析結果は 次の表のようになった 。

実際の 学 習 指 導の状 況を、授業分析補助表 を用いて 分析し た結果 は次のようになった。

本授業は、生徒の主体的な学習活動を通して、事例として選んだI県から、特色ある視点を取り

出し 地域的特色をとらえさせるとともに その視点や方法を身に付けさせることがねらいである 授業は図書室で行い、生徒は4人ずつ机に座り、個人、グループ、一斉授業の形態で文献による 調査活動を進める。まず、導入でI県の冬の様子を記録したビデオを視聴させ、生徒に興味と課題 をもたせる。次に一人一人が課題を考えて調査を行い、ノートにまとめていく。授業の終末では、

グループごとに画用紙に情報をまとめ、それを基に学級全体で発表し合う授業の流れである。

◎優れている ○普通 △改善点がある 授業分析表(指導案用)

資 質 評 価

◎ ○ △ 能 力

? 統 合 教科目標や教材の特性 児童・生徒の実態等とのかかわりを考えて 授業のねらいを適切に設定している

? 授業のねらいや児童・生徒の実態 指導の工夫等とのかかわりを考えて 学習展開を適切に計画している

? 分 析 教材の構成要素や構造を適切に把握している。

? 授業のねらいや学習展開等の裏づけとなる児童・生徒の実態を適切に把握している。

? 知 識 学習指導、教科等についての専門的知識や技能が身に付いている。

? 評 価 評価の観点が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

? 評価の方法が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

? 感受性 児童・生徒の実態に応じた指導上の配慮が感じられる。

? 価値づけ よりよい指導案を作成するための創意工夫や意欲が感じられる。

? 自 覚 授業の実施に向けて、教員としての責任と自覚が感じられる。

(備考)

単元のねらいは明確に書かれており、生徒は事前に学んだ調査の方法を生かして、I県についての調べ学習 を計画・実施する展開である。導入にビデオを活用し、生徒の意欲が高まるようにするとともに、調べ方を生 徒に考えさせるなど、生徒の主体的な学習を促す工夫が見られる。

その一方で、生徒の活動を指導過程で把握したり、授業終了時における変容をとらえる視点があいまいで、

評価については課題がある。

授業分析補助表

取り上げた事実 場面A ・B・C 全体を通して

該当する場面の記号を書き添える (実施、統合、分析) (知識、評価、感受性、価値づけ、自覚

〈ビデオの視聴〉 A‑1実施◎ D‑7価値づけ◎

①I県の特色がよく分かるビデオを視聴さ 授業のねらいと生徒の感想 ビデオがよく工夫されてお せ、それを見た生徒の感想と本日の授業のね を手際よく関係づけて説明 り、熱意が感じられた。

らいを関係づけて分かりやすく 説明してい しており、意欲を高めるの

(場面A) に効果的だった。

〈I県について調べ学習を行う〉

A‑1実施◎

②調べ学習は個人で行い、それをもとにグル

ープで考えをまとめ、その後学級全体で発表 活動の指示が明確で、生徒

会を行うという授業の流れを簡潔に説明して が活発に活動していた。

(場面A)

いた。

C‑1実施◎ D‑6感受性◎

③意欲的に取り組めない生徒も少数いたが、

生徒の調べたいことを聞き出し、図書室にあ 指導のタイミングが良く、 意欲的でない生徒にも共感 る本を紹介して意欲を高めていた場面C 意欲を高めていた。 的に接していた。

B‑3分析△ D‑6感受性△

④大部分のグループは意欲的に取り組んでい

たが、取り組んでいる内容は単に図に色を塗 意欲的に学習しているグル 意欲的な生徒については、

っているだけだったり、地域の特色に関係の ープの学習活動の課題を見 積極的に学習状況を把握し ないことを調べているだけのところが多かっ つけることが で きなか っ ようとする姿勢に欠けてい た。しかし、机間指導でその点を一度も注意 た。 た。

(場面B)

していなかった。

(12)

〈事例 1〉と 同様な 手順で作 成した 授業分析表(授業過程分析用 )は次の 通りである。

◎優れている ○普通 △改善点がある 授業分析表(授業過程分析用)

◎ ○ △

? 場面A A-1実施 学習展開の節目となる発問や指示等を 実態に応じて 適時に適切な手段で行っている

? 主な発問や指示 A-2統合 授業のねらい、学習の流れ、教材の特性を理解した上で、発問や指示等を行っている。

? をしている場面 A-3分析 学習展開の節目となる発問や指示等を 児童・生徒がどのように受け止めたか把握している

? 場面B B-1実施 より意欲的・主体的な活動になるよう 実態に応じて 適時に適切な手段で指導・援助している

B-2統合 児童・生徒の学習状況に応じた指導・援助を考え出している。 ?

B-3分析 発言 表情 行動から 学習が進んでいる子や遅れ気味な子の学習状況についても把握している ?

? 場面C C-1実施 ねらいに沿った学習活動にするため 実態に応じて 適時に適切な手段で指導・援助している

C-2統合 児童・生徒の学習状況に応じた指導・援助を考え出している。 ?

C-3分析 発言、表情、行動から 児童・生徒の学習状況や学習がねらい通りに進まない原因を把握している ? D-4知識 学習指導、教科等についての専門的知識や技能をもち、使っている。 ?

? 全体を通して D-5評価 学習指導の結果をとらえ 児童・生徒の達成状況や自らの指導の改善点を判断している

D-6 児童・生徒の学習状況を積極的に把握しようと努めている。 ?

? 感受性 児童・生徒に対して共感的態度で接し、信頼関係づくりに努めている。

D-7価値づけ 実態に応じて、発問や指示、指導・援助、学習展開を工夫しようとしている。 ? 授業に臨む姿勢から、教員としての責任と自覚が感じられる。

D-8自覚 (備考)

導入のビデオ視聴、展開の調べ学習、まとめの話し合いに至る流れに関する指示は明確で、生徒は終始意欲的に 活動していた。また、一部で活動が停滞している生徒に対しても、活動のヒントを適時に示す等、授業は円滑に進 行していた。さらに、生徒となごやかな雰囲気で接し、人間関係作りも適切になされている様子がうかがえた。

しかし、活発に活動しているように見える生徒の学習内容に着目すると、地域の特色を観点にして調べ学習を深 めている例は少なく、図を単に写すだけだったり、色を使って見やすくする工夫に夢中になっているだけの生徒も 見られた。しかし、このことへの指導はほとんど見られなかった。

以上のことから、授業の運営や生徒の掌握の能力は優れているものの、授業のねらい達成に向けた指導に必要な 分析、統合の能力や評価の能力については課題があると言える。

※表中の資質・能力のカテゴリーを示す「実施」は「実施・対応「知識」は「知識・理解・技能」を意味する。

※授業から判断できない項目については、斜線を引く。

※備考欄には、評価のまとめや上記の項目以外の観察事項を記入する。また、本表を、自己評価表として用いる 場合は、自己評価のまとめを記入する。

児童・生徒がね らいに沿って活 動している場面

児童・生徒がねら いに沿って活動し ていない場面

B‑2統合△

⑤意欲的に取り組んでいるグループから相談

されたが 「思い切ってやってごらん」とい 生徒の課題に対応した指導 った対応のみで、適切なアドバイスができな ・援助を考え出すことがで

かった(場面B) きなかった。

〈グループごとに画用紙にまとめる〉

C‑2統合△

⑥なかなか画用紙にまとめることができない

グループに助言しようとするが、適切な助言 学習指導上の課題に対応し ができないままに時間切れで中途半端になっ た指導・援助を考え出すこ てしまった(場面C) とができなかった。

〈全体での発表会〉 D‑6感受性◎

⑦発表するグループの工夫を教師が積極的に 生徒に共感的に対応し、意 ほめるなど、温かい雰囲気で発表会が進行し 欲を高めていた。

(場面B)

た。

〈I県の特色をまとめる〉

⑧各グループの発表の工夫についてのコメン D‑5評価△

トはあったが、I県の特色をどれだけ調べる 生徒の達成状況を適切に把

ことができたかについては、ほとんど話題に 握していなかった。

(場面B)

されていなかった。

(13)

〈事例3 〉 高等学校外国語科 (英語 )(1学年)「英 語Ⅰ」

指導案 の分析結果は 次の表のようになった 。

実際の 学 習 指 導の状 況を、授業分析補助表 を用いて 分析し た結果 は次のようになった。

作家ビアトリックス・ポ タ ーが「ピーター・ラビット」を 書くに至っ た経緯等、 作品誕生 の 背景 についての 英文を 解釈 する授 業を 通して 、情 報や書 き手 の意向 な ど を理解 する 能力を 伸ばすとともに、作品を読んでみたいという意欲を高めることをねらいとしている。

本 時は 5時間計画 の第1 時 間 目で あ る。 こ こ で は、 新 出 単 語の理 解と発 音、本 文の 音読と 内 容の 理解が 主た る内容 であるが、 同時 に英語 で積 極 的 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図ろうとす る態 度を育成するため、生徒との英会話を 中心に授業を進めるようにしている 。

授 業は 、英 会 話に よ る あ い さ つ に 始 まり 、つ い で補助教材 として 用意し たカ ー ドや 訳文穴 う め と 新 出 単 語の 整理や 進ん だ学習 のためのプ リ ン ト、英 文の 間違い を探 させる プリントに よる 学習、最後に答え合わせを中心とするまとめの順で進行する。

授 業に 参加し て い る生徒 の英語学習 への 関心や 意欲 は必ず し も 高 くないため、 易か ら難へ の配 列を工夫して教材が用意されている。

◎優れている ○普通 △改善点がある 授業分析表(指導案用)

資 質 評 価

◎ ○ △ 能 力

? 統 合 教科目標や教材の特性 児童・生徒の実態等とのかかわりを考えて 授業のねらいを適切に設定している

? 授業のねらいや児童・生徒の実態 指導の工夫等とのかかわりを考えて 学習展開を適切に計画している

? 分 析 教材の構成要素や構造を適切に把握している。

? 授業のねらいや学習展開等の裏づけとなる児童・生徒の実態を適切に把握している。

? 知 識 学習指導、教科等についての専門的知識や技能が身に付いている。

? 評 価 評価の観点が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

? 評価の方法が明確で、指導の流れの中に的確に位置づけられている。

? 感受性 児童・生徒の実態に応じた指導上の配慮が感じられる。

? 価値づけ よりよい指導案を作成するための創意工夫や意欲が感じられる。

? 自 覚 授業の実施に向けて、教員としての責任と自覚が感じられる。

(備考)

授業のねらい達成に向けて展開や補助教材を工夫する等、意欲は感じられるものの、用意した学習内容が盛 りだくさんで学習展開には無理が感じられる。授業者は教員として採用されてからの年数がまだ少ないため、

学習指導に関する経験的知識が不足していることと、生徒の実態把握の能力がまだ十分に育っていないことが 考えられる。

授業分析補助表

取り上げた事実 場面A ・B・C 全体を通して

該当する場面の記号を書き添える (実施、統合、分析) (知識、評価、感受性、価値づけ、自覚 〈英会話による導入〉 A‑1実施◎

① 堂々と英語で質問し、タイミングも良か 発問や指示が分かりやすく ったために生徒の反応も良かった タイミングも良い。

(場面A)

〈新出単語の理解と発音〉

B‑1実施◎ D‑7価値づけ◎

②英語でピーター・ラビットの名前を知って

いるかと質問し、その後プリントを使って新 活動の指示が明確で、生徒 日本語での発問や説明は最

出単語の説明と確認をテキパキ と進めてい の意欲を引き出しつつ展開 小限度にし、英語のみで進

(場面B) していた。 めようと努力している。

C‑3分析△ D‑6感受性△

③単語と日本語訳をノートに書かせていた

が、数人取り組もうとしない生徒がいても何 取り組もうとしない理由を 生徒の学習状況を積極的に も対応しなかった(場面C) 把握できていない。 把握しようとする様子がな

い。

〈本文を音読させ、意味を確認する〉

B‑3分析△

④本文のテープや教師の音読に続いて、発音

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