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虐待をする親の背景と理解 1

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Academic year: 2021

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厚生労働省の虐待死亡等の検証報告では0歳児が6割を占め、なかでも0日死亡は0歳児死亡の約半 数であり、多くは妊娠届出を行わず、妊婦健診も受けず、妊娠期から子どもの受容に問題があったと 考えられる。妊娠出産期は子どもを受容していても、家族が変わり虐待が起こることもある。演者 は虐待死を家族の背景から、 (1)母による突発的な乳児期早期の殺人、 (2)内縁・義理・同居者の男 性による衝動的身体的虐待、 (3)父と母による長時間の虐待、 (4)母によるネグレクト、 (5)代理によ るミュンヒハウゼン症候群(MSBP)と考えている。詳細は当日にゆずるとして、子どもの受容、孤立、

生育歴の問題を把握することが重要である。

子どもの受容には望まない妊娠かどうかが大きく影響している。そのような事態に陥ったときに、ま わりにこれまでどんなことでも受け止めてくれた人間がいないと一人で抱え込み、生まれた子どもの 泣き声が聞かれて困ると口をふさいで事件が起こる。我々は平成23年10月から大阪府の委託を受け、

メールと電話による思いがけない妊娠の相談窓口「にんしんSOS」を開始した。中高生がどうしても親 に言えない、パートナーの子どもでないかもしれない、乳児を抱え経済的に苦しい、風俗で働いてい るなど、市区町村への妊娠届出と母子健康手帳交付から始まる母子保健サービスの入り口にたどりつ けない相談が寄せられている。性行為と妊娠に偏見を持たず、どんなことでも受け止め相談者を受容 することの重要性を痛感している。

孤立は、人類が進化の過程では群れで子育てしていたことから、もっとも心に悪影響を及ぼす。また、

一人では子育てできないことは明白である。「人並み」でないことの排除が助けを求められない親を産 みだしかねない。社会が多様性を受容し、どのような親でも受け止める必要があり、ましてや支援者 は偏見を持たず親に寄り添って支援する必要がある。

平成22年の幼児健康度調査では、1歳から6歳の子どもの親の約1割が「子どもを虐待しているの ではないかと思う」と回答していた。少々子どもにきつくあたっても、子どもの成長発達や行動情緒、

親子関係に問題がなければ虐待ではない。子どもは親の行動を鏡として映し出すのであり、親子にか かわる関係者がしっかり子どもの様子を把握し、悩む親に適切なアドバイスをすることも重要である。

シンポジウム

1 座長:

秋山千枝子 

医療法人社団千実会 あきやま子どもクリニック

佐藤 拓代 

大阪府立母子保健総合医療センター 母子保健情報センター

虐待をする親の背景と理解

佐藤 拓代

大阪府立母子保健総合医療センター 母子保健情報センター

SY1-3

78 The 64th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health

シンポジウム

Presented by Medical*Online

参照

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