lj万災干斗一!1壮術総〜1片究榊; 、・ 机26り・ 1971牛3川
550.3121550,341(522.7!.8)
えびの・吉松地区地震地域の 重力異常について
淋谷 {青
1舳い」入一γ坤 1 1舳地 デ1教宇
小川健三
地11て洲〜i斤物ユ=l1蝋パlil
On the Bouguer Anomalies in the Ebino−Yoshimatsu Earthquake Area
ByKiyoshi Seya
1)卯州刎州・ブEαγ〃S・1θπ㎝,Fα・汕〃・ブS〜η・ε,0んWα肌ασ沽ε・∫吻
and Kenzo 09awa
Gθ・1・ψαlSαγtW・ブノαραη,τ・んリ・
Abstract
Gravity surveys were carried out in the Ebino a11d Yoshimatsu district,
where a swarm of shallow earthquakes occurred early in February1968.As the result of the surveys,areas of remarkabIy low gravity were found in both of the basins Kakuto and Kobayashi.After severa1considerations,de−
pressioIl topography of tl1e basement was presumed under the area of low gravity,and particularly the existence of a ca1dera was presumed in the Kakuto Basin where the epicentral region is involved.
1.はじめに
1968年2月上旬以降霧島火山群の北山剖に位
置するカロ久藤盆地内で連続的に地震が発生し,え ぴの町・吉松町等に相当の被害を与えた. 旨地域 に拾いては過去にも1913年および1961年に地 震の発生を見ており,とくに後考の震源分布ば今 回のものと酷似している苧去たこれらの地違と霧 島火山群中の新燃岳付近に発生した地震群との密 接な関係,さらにぱ同時期に発生した日向灘地凄との関連が注目される.
地震発生の場である加久離盆地部には,カルデ ラ,いわゆる加久藤カルデラ(有出,1957〕,
の存在が推定されているが,その規模,形状,内 部構造などの詳細ば未だ明確ではない. ㍉地域の 地質ば新第三紀中新世〜鮮新世の火山岩と一讐、われ る古期安山岩類(真幸変朽安山六・加久機安山む 類)・四万十層群を基盤岩類とし,その1二にシシ ス類を主とする地属(加久藤層群)拾よひ霧亮火 江2/
山新期溶岩類その他が分布している.このような 地質状況からみてもし推定されているようなカル
テソが㍍在するとすれぱ,かなり強い負の重力異 常が観測される可能性が大きく,重力狽1」定によっ てカルデラの規模・形状などにっいて有用な知見 が得られることが期待される.
1!,婁源がこの推定カルデラ内に策中して分布して いることにょり,このカルデラの存在を明確化す ること.ユ,えびの・占松地区地震の性格を究明す るトで重要な意義を有するものと思われる.
そこでこの推定ヵルデラを含む広範囲の地下構 造の解明・はあくを目的として重力調査を行なっ
た.
なお・,この調査は科学技術庁特別研究促進調整 費によって行なったものであり,測定(標高測定 を含む)ふ・よび補正計算などば筆者らの指示によ り作鉱コノサルタノト(株)が行なった.こ\に 記しての感謝の意を表したい。
2.重力探査について
2.1.測定
今回のえびの地震の震央分布は図一1に示され
一47一
えぴの・吉松地区地震に関する特別研究 防災科学技術総合研究報告 第26号 1971
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図一1 えびの・吉松地区地震震源分布(水上.1968による)
F i g・1・ Di s t r i bu t i o n o f h ypo c en t e r s o f t he Eb i no−Yo s h i ma t s u Ea r t h−
quakes(af ter Minakami,1968ジ
ているように極めて限定された小範囲に集中して するために,調査地域は加久藤盆地周辺の山地部 いる.しかしいわゆる 加久藤カルデラ を解明 およぴ小林盆地を含む面積約550km2に及ぶ範囲
一48一
えぴの・吉松地区地震地域の重力巽常について一瀬谷・小」ll
であり,測点問隔は測定路線上に500〜1Ω00mに なるようにとり,とくに盆地内の構造をはあくす るため,平地部に多くの測点を高密度(多い所で 4、点■km2)に配置した.測点数は基準点(後述)
2Ω点,基点13点を含む総計587点である.
また,上記精査域の東部拾よぴ南部に概査路線を 設け,カルデラおよぴ地域一帯の構造概要のはあ くに資すること㌧した.この概査測点は後出の重 力図に見られるように29点である,標高はすぺ て水準測量により求めたが,概査点はポーリン気 圧高度計を使用して求めた.
使用機器は重力測定にはウオルドン重力計rブ ロスペクタ型)を,水準測量にはチルテング5型
(重要路線のみ)拾よぴ自動レベルを用いた.
測定に際しては,調査地域の中心部が震源域に 当っていることを考慮して,地域内に図一2に示 すように基準点を設け(◎印,ローマ数字の測点)
地殻変動に起因する重力値の変化を監視すること とした1この基準点芒1」定は・調査開雛・終了時 およぴ概査の際と合計3回行なった.基点測定は 図2に○印,漢数字で示されているように,13 点の基点にっいて行ない,2往復以上の損1」定によ ってその値を確定した・この基点測定は第2次調 注4、
査に際しても再ぴ行ない,測定精度の向上を期し
注4)
た.
一般源1」定は上記基点拾よぴ一部基準点を利用し て行なった・測定値はすぺて1回の測定により求 めた.測定に際してはその閉そく時問は通常2時 間以内になるよう配慮した.
これらの測定ば前後2回にわたって行をった.
すなわち,第1次調査は昭和43年9月,第2次 調査は同年12月である.概査は第1次調査の結 果を考慮して,第2次調査に拾いて実施した.
2.2.補 正
測定値には次の補正を行なった.
1) ドリフト補正拾よび潮汐補正
2)高度補正
3)緯度補正 4)地形補正
これらのうち,高度補正は自由大気の補正およ ぴブーゲ補正を合せたものであり,次式によった.
(O−3Ω86一Ω.04190)H (mga1)
ここで,σはg■cm3で表わしたブーゲ補正のた めの密度であり,Hはm単位で表わした測点の 標高である.σの値を如何に仮走するかは,重力
探査に倉いては常に問題となるが,ここでば次の 如くしてきめられた・すなわち,図一3a)拾よ ぴb)は調査域をそれぞれ南北釦よぴ東西に2分 する線上,あるいは,その近傍に分布する測点の ブーゲ異常をσを変化させて求めて図示したもの で,a)図は東西方向に配列する測点辞について 作成され,b)図は南北方向に配列する測点群を 用いて作成された.これらを検討すると,測点の 標高変化と重力値との間にはσ二2.0をいし2,4
g■cm3の間で最も相関性が希薄になることが わかる.・また.図一4a)およぴb)は測定値に 高度補正を除く他のすべての補正を行なった値
rこれを9*で表わす)を縦軸に,測点の標高H を横軸にとったものである.もし,地下の密度分 布が一様であれば,この関係(9*一H関係と名 付ける)は直線となるはずであり,その勾配は 一 Ω.3086−O.0419 σ)
を示してくる.a)拾よぴb)に示した例では,
かくして求めたσの値はいずれも2,19/cm3 より大となっている。しかし,図例の標高の高い 点は後出の重力分布図に拾いて高重力域に属して 拾り,この事を考慮すれぱ仮定すぺきσの値とし ては2.1g■cm3 より小さな値をとるべきよう に考えられる.本報ではこれらProfi1e法およ びg*一H関係法の結果を考慮して,σの値とし
て2.og■cm3拾よぴ2.4g■cm3を仮定し,
重力異常を計算した.そして,一応前者によるも 注5)
のを基準とし,後考を参考に用いた.
緯度補正には1930年の国際重力公式を用いた.
地形補正は測点より62kmまでの地形にっき,
その影響を算出した.この際算出範囲を次の如く 5段階に分割し,高精度を期した。
Ω〜2Ωm,〜1050m,〜2600m,〜]5
km,〜62km
これは,いわゆる,地質調査所方式である.
な拾,損1」定ぱ比較測定であるので,熊本県人吉 市に存在する1等水準点BM284一券よびBM2848 に拾ける国土地理院の重力測定結果と結んだ一こ れら水準点と結んだ測点ば人吉一加久藤問の道路 上,人吉市柴笠に設けた基準点NoXX皿であり,
2往復測定によりその値を求めた.表一1にはこ れらの点の位置,標高,重力値などを示す.
3.結果およぴその解釈
凶一5拾よび図一6にば,それそれ,σ:2.0
一49一
えぴの・吉松地区地震に関する特別研究 防災科学枝術総合研究報告 第26号 1971
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図一2.
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基点・基準点分布
Distributionof reference stations and junction stations.
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えぴの.吉松地区地震地域の重力異常について一獺谷.!
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えぴの・占松地区地震に関する特別研究 防災科学技術総今研究搬讐 第26号 1971
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種々のブーゲ密度に対する重力変化(南北方向)
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reduction rN S d i rec t ion)
9■cm3およぴ2.4g■cm3と仮定して求め
られたブーゲ異常の分布が示されている戦た,
ブーゲ異常を基にして,瀬谷(1959)の方式に よる余剰重力(正規構造)を計算した.両者に拾 いて局部的な重力異常の有無,異常の形状,その 強さなどに多少の相違が見られるが,大局的な傾 向に拾いては極めて類似的である.すなわち,加 久藤盆地拾よぴそれに連続する小林盆地部に低重 力域が存在して拾り,北部・南部の山地部では著 しく重力値を増している.この事実は図一7に示 されている重力断面を見れば明らかである.図一 7は図一5に記されているほゾ南北およぴ東西方 向にとられた5本の直線上の重力値の変化を示し たものであるが,これら重力断面に見られる地域 の重力分布の特徴は通常考え得るブーゲ補正の密 度σの値の如何にか㌧わらず同様であり,両盆地
部地下に…箸しい質量欠損が存在することを示唆し て拾り,直観的にはここに東西方向に延びる地こ う状構造の存在が想像されるものである・すでに 述ぺたように,地域の基盤岩類として真幸変朽安 山岩・加久藤安山岩類拾よび四万十層群の砂岩・
けつ岩類が考えられるが,これら地層の岩石試料 の密度は表一2に見られるように,ほ㌧2・6g■cm3 出)前後である.これらの基盤岩類は地域北部・西部
の山地部に広く分布しているが,盆地部では新期 たい積物により,地域南部では霧島火山の噴出物 により覆われて拾り,その分布状況は不明である・
盆地部に分布する新期たい積物は第三紀末〜更新 世のシラス類からなる加久藤層群拾よぴその上位 層であり,これらの地層の岩石試料の密度はすぺ て小さく,表一2に見られるように・ほ∫1・8
g■cm3前後である.そこで低重力域と一致する
一52一
えぴの・吉松地区地震地域の重力異常につレ・て 瀬谷・小川
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H一一・ l00 ZO0 300 伽 500岬)
ω H一 図・4. g*一∬関係図 (b)
Fi g.4. Gra v i t y anoma l y a f t e r t e r r a i n c o r re c t i on 〆ve r s us he i gh t re1a t i Ons h i p.
表 1 Table1.
測 点
BM2847 BM2848 XX皿
緯 度 32.l1 Ω9 32012 06 32o07 50 *
経 度
130.46 02 130.45 07 130り9 16 *
標高 m) 重力値(mgal)
128.53 979,478.22 104.21 979・482,54 3Ω9.41 979,447.53
(*:5万分の1地形図を用い算出)
表2 岩石試料密度
Tab1e 2.Den s i ty v a l ue s o f r o ck samp l e s。
岩 石 自然乾燥密度 湿潤密度
9■・m3 9■。mJ
四万十層群 砂岩1
2.57 2.59
〃 2
2.52 2.61
〃 3
2.64 2.65 貫岩1 2.56 2.58
〃 2
2.53 2.60
(単純平均値)
2.56 2.61
真幸変朽安山岩 2.7Ω
2,76
刀口久藤安山岩 2.54*
2,60
加久藤層群 1.70** 】、77
*新鮮な試料 15個の平均値
** 12個の平均値
盆地地下の構造を推察するために基盤岩類と上部 地層の密度差が一様にΩ.8g■cm3であり,2層
構造であると仮定し、図一5のB−B 拾よぴD
−D1について断面計算を行なった.これらの結 果ば図一8a)倉よびb)に示されている・もっ ともこれらは単なる解析結果図ではなく,解釈結 果図ともいうぺきものである.すなわち,基盤面 に急激な傾斜が存在し,それが等重力線上で連続 していると考えられる場合には等重力線の特徴。
余剰重力の変化などを参照してそこに断層の存在 を推定している.したがってたとえ小規模で徴弱 在変化でも,それに対応した構造を地下浅所に想
定している個所もある・たとえぱB−B1断面の
北部,D−D 断面の西部に想定されている断層 などである.これらの結果を見ると,盆地境界付 近で基盤面に階段状の落差を生じて券り,盆地中一53一
えぴの・吉松地区地篶に関すろ特別研究 防災科学技術総合研究中舳 ξ禽26■号 197
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えぴの・.盲松地区地震に関する特別研究 防災科学技術総合研究報佑 第26号 1971
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図一7 重力断面
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心部.(急激にその深度を増し,中心部では地表面 下約90Ωmに達していることが分る.解析に拾い ては地域の地質の特殊性から密度差を極めて大き
く仮定して拾り,この推定値は過小の値であると も考えられる.実際の基盤深度はより大きく。最 深部では1Ω00m以上に達することも充分考えら れる、な拾,b)図に見られるように,加久藤・
小林の両盆地は構造的に分離できるようであり,
両盆地の中問,飯野町中原ヨヨ付近・C点との交点 前後で基盤面が急、激に隆起している.このことは
この基盤隆起部直.上に位置し,ほ㌧南北に連なる 八幡丘陵が加久藤安山岩類より成っている事実と 注8、
照合するとき極めて興味深いものと言える.
すなわち,簡単な仮定に基づく解析結果では基 盤面は地表面に達していないが,加久藤安山岩類 から成る八幡丘陵が両盆地を分離するように存在
一56一
えひの・吉松地区地震地域の璽力異常につし・て一瀬谷・小川
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図一8 a) B−B 断面地下構造解析図
F i g・ 8・8) Es t ima ted un d e r gro un d s t r u c t u r e a1on g the Hn e B−Bク in Fig.5.
していることは,この部位で両盆地の構造の境界 のである.
を示し地下深部に連続していることを恩わせるも 小林盆地部の重力分布はその一部がとらえられ
一57一
えびの・吉松地区地定に関する特別研究 防災科学技術総合研究報告 第26号 1971
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図・一8 b) D−D 断面地下構造解析図
j・i、.・.・)・sti。。t。・m…。・・・・・・・…t・…1…t・・1i…一・ i・・i・5・
ただけで全ぼうは不明であるが,概査による補助測 さいのが通例である・今の場合基盤上部にたい積 点での結果を考慮するときは,恐らく図の破線で した火山噴出物の平均密度に関しては全く不明で 示したように,その低重力域は更に東に延ぴて存 ある.しかし盆地部に分布するソラス類や新期た 在するものと思われる. い積物より高密度であることは疑いない.したが 地域.菊部は霧島火山溶岩類に覆われているため って基盤深度としてば一応解析結果より深めに想 に麟析結果を北部と同等に考えることは出来ない・定すべきものと考えられる・しかし概査結果をみ 多くの場合,溶岩試料自体の密度は一般に大なる ると,南部に重力値がかなり高まる傾向が明りエ 値を示すが,火山体としての平均密度はかな1小 うに看取され・上記の考慮を払っても・測定地域
一58一
えひの・吉松地区地震地域の重力異常について 一 源谷・小川
内で充分基盤深度は浅くなるものと思われる.こ の意味でB−B 断面に右いて飯野牧場北部で急 激に,むしろ不連続的に基盤面が上昇していると 推定されることは地敏の構造を考える上で極めて 示唆的ヂある・もっともこの南部区域の高重力域 が単に基盤の上昇のみを反醍しているのか,また は,その下都に貫入岩体の存在をも想定すぺきか は今回の調査結果からだけではなんとも言えない、
解析結果・重力分布の特徴・地質状況などを総合 するとき,加久藤盆地部κは基盤の著しい陥没構 造が存在オることぱ確かなようであり,その北部 券よぴ西部境界はそれぞれ盆地の北部拾よび西部 境界付近に推定される.またその東縁は八幡匠陵 付近に,言た,その南縁はかなり不分明であるが 一応飯野牧場一飯盛山付忠,少なくとも甑岳一栗 野岳を結ぶ炉らるいはその内部に想定出来るよ うである.なおこの加久藤盆地に隣凄して東部の 小林盆地部にもより深い陥没構造の存在が推定さ れるが,得られた重力異常はその一部であり,こ の推定される陥没構造の全ぼうをはあくするに至
つていない.
上述の加久藤盆地部に重力異常によって推定さ れる陥没構造が地質学的に推定されているo加久 藤カルデラ (有田r1957),荒牧r1968))と ほ㌧一致していることは極めて興味深い,しかし,
小林盆地の地下構造については地質学的な知見は 未だ殆んど得られておらず,ここにどのような陥 没構造の存在を想定し得るかは不明である.観測 された重力異常のみの考察からは,両盆地に存在 する低重力域は連続して拾り,すでに述ぺたよう に,ここに狭長な地こう状の陥没溝造を想定する ことも可能であわ,言た両者を併せ,南部山地を 含む,より大型のヵルデラの存在を予想すること も出来る.小林盆地の成因,その地下構造の解明 は今後の課題となるものである.
以上は最水簡単な2;蓄繕造,2次元仮定に基づ く解析結果について述ぺたものである.実際には 多層構造,3次元的であるため,細かい点では解 析結果と実際の地下構造とでは異なっているであ ろう.たとえば,止3−B 断.苗に拾ける中心部拾 よび飯野牧場付近の基盤形状,董た,D−D 断 箇の岡元付近釦よぴC線との交点付近の基盤形状 などは実際とはかなり相違していることも考えら れる.しかし大局的には前述の所見はあまり変ら 攻いものと思われる.
なお,地域には陥没構造との関連で注目される 異常が大口市(L3)合よび栗野市(L4)に存在し ているが,いずれも異常の一部が認められただけ であり,これらの究明は今後に残された問鐙であ
る.
図一gには図一5より格子間隔S:500mと
注10)
して求められた余剰重力r正規構造)の分布が示 されている.これを見ると,加久藤盆地周辺に止 異常が分布しているが,北部,西部に広がる正域 は基盤岩類の分布に対応するものとして理解出来 る.地域南部に現われる正異常はこれらの形態・
強度からみて注目すべきものである.これらが何 を反映しているかを適確に推定することぱ困難で あるが,新期溶岩類の分布があまり重力値に反映 していないことより,ここに基盤岩類の上昇,あ るいは貫入岩体の存在を想定し得る可能性がある.
この意味で甑岳北部の正異常に連結して八幡丘陵 部に微弱底がら正異常が存在していることは注目 される.
負域は盆地内に広がっているが飯盛山.東1部の負 異常と矢嶽山南西の負異常の存在が注目される、
4.震源域について
えぴの・吉松地区地震の震央分布は図一1に示 されているように京町・加久藤町の南部の小範囲 1て集中して券り,この範囲は またほじ加久藤低重 力異常Liの中心部と一致している.したがって 加久藤カルデラの範囲を前述したように考えると,
カルデラ中央部に震央が集中していることになる、
このことはえぴの・吉松地区地震の性格を考える 上で極めて示唆的である.また霧島火山群はある 幅をもってほ∫北西一南東の方向に分布している が,この配列の軸をカルデラ中央すなわち,えび の・吉松地区地震の中心部と新燃監を結ぶ線に想 定することも出来ることばすこぶろ暗ホ的である
ように思われる.
5.要約およぴ結言
えぴの・吉松地区地震の震央分布はカロ久藤.盆地 内の小範囲に集中して拾り,この加久藤盆他には 地質学的にはカルデラの存在が推定されている.
今回の重力探査ばこの加久藤盆地の地質構彦を解 明することを目的としてなされ、多くの所兇を得 ることが出来た.結果の主なものは次の通りであ
る.
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えぴの・吉松地区地震に関する特別研究 防災科学技術総合研究報告 套幕26→琴 197】
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えぴの・吉松地区地震地域の重力異常について 瀬谷・小川
(1〕加久藤盆地には陥没構造の存在が推定され その範囲は盆地北部・西部境界,八幡丘陵・甑岳・
栗野岳を結ぶ線あるいはその内側に考えられ,こ こに陥没ヵルデラの存在を推定することが出来る.
(2) 加久藤盆地内でぱ基盤の最大深度は1000 m内外と推定される.
(3〕 加久藤盆地の東の小林盆地にも強い低重力 域が連続して存在し,ここでは更に基盤深度を増
しているものと推定される.
(4) 両陥没構造の関係ぱ明らかではないが,両 者を併せた大型の陥没カルデラの存在を想定する
ことも可能である.
すでに述ぺたように,本地域に陥没構造の存在 することは疑い得ない.しかし地域に隣接する小 林地区・霧島地区・大口地区の重力分布の全ぼう が明らかとならない限り地域の地下の構造をもっ とくわしく理解することは出来ない.今後の調査 が待たれる所以である1
注1)本文κおける地震に関する記述はすぺて水
上(1968)拾よぴMinakamietal
(1968)によつた.
注2)本稿に拾ける地質に関する記述ぱすべて荒 牧(]968)によった.
注3) この結果についてば各回の測定値に有意の 差が認められないので本報ではふれないこと とする.
注4) この場合も前後の測定値に有意の差は認め られない.
注5) これは上記理由以外に盆地部の異常を重視 したことにょる.一部山地部ではむしろ後者
を基準とすぺきかも知れない、
注6)図中の南部測点群は概査潰1」点を示す.
注7)真幸変朽安山岩の試料は1個のみであり,
その密度の平均的な値は不明である.しかし 変朽安山岩の密度は一般に大きな値を示す事 が多く,測定例も大きな値であるので,拾そ らくは2,7g■cm3前後と思われる・
狂8)加久藤カルデラは加久藤安山岩類の噴出後 に形成されたものと考えられている.
注9)高密度仮定にたてぱ,陥没構造の範囲は図 一6によって看取されるように南にゃ㌧拡大 して考えられるが,その場合でもこの線を越 えることはないものと思われる.
注10)瀬谷(1959)の方法により求めた.図一 8の余剰重力も同様である.
参考文献
有田忠雄「1957):加久藤カルデラの提唱(演
旨),地質雑,63,443−444.
水上武「1968):えぴの地震に関する調査研究 概要.宮崎県.
Minakami,T・,Shimozuru・D・・Miyazaki,T・,
Hiraga,S・and Yamaguti,M.(1968):
The1959Erupti㎝of Shinme■dake
and t he 1961 I i mo r i−yama Ea r t hqu a−
ke Swarm・Bu1l・Ear thq.Res.Ins t、,46,
965−992.
荒牧重雄「1968):刀口久藤盆地の地質一えぴの 吉松地域の地震に関連して一震研彙報,46.
1325−1343.
瀬谷清(1959):重力探査に拾ける新解析法.
物理探鉱,第12巻.第2号.第4号.