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松代群発地震地域における重力調査概報

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Academic year: 2021

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(1)

防災科学技術俺合研究速報 第5号 1967年3月

       550,512二550.8511550,541(521.52)

松代群発地震地域における重力調査概報

瀬 谷  清

地質調査所物理探査部

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       By        K.SEYA

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    The酔avity survey waS carried out in order to presume the underground structures in the Matsushiro earthquake area,and moreover to investigate the

re1ation between the underground structures presumed and the ch趾acteristics

of the earthquake.

    The Bougu−er anoma1y map obtained is shown in Fig.1. Fig.3and Fig.4show the distribution of the normaユresiduaユ㎝oma1ies and the noise residua1anoma−

1ies ca1cu1ated by the writer s method respective1y.

    The resuユts of the consideration on the gravity anoma1ies are as fo11ows:

(1)The mountainous part of the area is the upheavaユpart of the basement,and on the contrary the basin part is the depression area.

〈2) The existence of the tectonic1ine near1y paraユ1e1to the Chikuma river is pre sul=αed in the boundary between the rnountain◎us a.rea and the basin area.

(3)P1us anomaユies caユcu1ated are main1y caused by the intrusions of i駅eous rocks, e.g. quartz diorite, porphyrite and so on, but s carce1y affecte d by 1ava f1ows.

(4〉Earthqu出es occur in the upheava1part of the basement,particuユar1y in the three1ow gravity zone found in the area.

(5)The directions of aユignments of p1us and minus anoma1ies of normaユstruc−

ture,i.e.NW−SE and NE−SW direction,coincide those of the noda11ines of push−

pu11distribution of initia1motion of the Mlatsushiro earthquakes.

  1.はじめに

  1965年8月以降松代地域に発生した群発地震 に関しては,地震発生以来現在一までに多くの大学,

国立研究機関による各分野での多面的な言た,継 続的な調査研究がなされて拾り,これらの調査研 究によって今回の群発地震の全ぼう,特徴,また

(2)

松代詳発地震に関する特別研究 防災科学技術聡合研究速報 第5号 196?

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松代詳発地口地填に沿ける亘力調査概報一瀬谷

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図一2a A練上の重力断面

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図一2b B線上の重力断面

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(4)

松代詳発地口に関する特別研究 防災.科学技術鴛合研究速竈 第5号 1967

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図一2c C線上の重力断面

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 図一2d D線上の重力断面

Gravity profi1e aユong D1ine.

(5)

松代詳発地竈地域に沿ける重力調査概報一瀬谷

9(血gal〕

一5

皆 神

図一2e E線上の重力断面

Gravity profユe aユong E1ine.

その随伴あるいは関違現象などが徐々に明らかと 在りつつある.その結果,松代地震は

(1〕中野より上田に至る千曲川流域に生じている 広範な地殻変動と密接な関係がある.

(2〕 しかし,その震域は,初期には,皆神山を中 心とするきわめて局限された範囲であった.

(3) この震域は目を追って拡大しつつあり,松代 町に隣接ナる若穏町,更埴市にも地震が多発ナる

ように庄つた.

(4) これらの地震の深度はいずれもきわめて浅く,

多くは4km前後である.

(5)そのP波初動分布は象限型であり,過去に新 潟県南部や長野県北部に発生した地震のそれに酷 似している.

ことなどが明らかとなっている.これらの事実は 松代地震がこの地域の地殻上眉部の特異な構造に 起因して生じているのではないかとの疑いを生ぜ

しめるものである.

 昭和40年度には,松代群発地震の発生に密接な 関連を有ナるものと思われる,地域の地下構造の 概要をはあくするための予備調査として,重力概 査を実施したが,今回科学技術庁の特別研究促進 調整費を得ることができたので,前回調査の成果 に基づき,地域の地下構造め概要をはあくするこ と、局部的な異常構造の存在を明らかにすること,

地域の構造特性と地震との関連を究明すること在 どを目的としてやや精細な調査計画を立て,実施

した.

 計画は前回の調査範囲,すなわち,震域をほぼ 完全に含む地域の全般的在重力分布を明らかとす ること,歩よぴ前回の概査によってその存在が指 摘された皆神山部分の重力異常の形態,その規模,

異常の強さを明確にすることを主眼として立てら れた.なお実施は住鉱コンサルタント㈱が請負い,

水準測量,重力測定ともに行なつた.

 2.成果の慨要について

 調査の結果はブーゲ異常図(図一1)としてま とめられ,またこれに基づいて2種類の余剰重力 図,正規構造図(図一3)およぴノイズ構造図(図 一4)が作成された.以下に現在までになされた,

これらの結果図の考察より得られた知見のうち主 な事項を述ぺることとする.

 2.1 iカ分布の一般的傾向

 ブーゲ異常図およぴ図一2a)〜e)に示されてい る重力断面図より看取される地域の重力分布の特 徴は次のとおりである.

(1)重力値は南東に高く,北西に低い一般的傾向 が認められる.

(2〕地域北西部の平野部では重力値はほぼ一様に 変化し,等重力線に直角な方向の重力傾度は20且 U.前後であるが,山地部では等重力線は大きく 乱れてくる.しかし,東高西低の傾向は,微弱で はあるが,山地部でも認められる.

(3)山地部では高重力域と低重力域とが交互に配

(6)

松代群発地竈に関する特別研究 防災科学技術総合研究速報

第5号

1967

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(7)

松代群発地竈地域に歩ける重力調査概報一瀬谷

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松代群発地震に関する特別研究 防災科学技術儘合研究速箏 第5号  1%7

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       図一6 質量欠損補伽前後の各重力断面

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(9)

松代静書地口地域に汐ける貢力調査概報一洞谷

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 図一7 局部異常の配列

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列して拾り,その配列の方向はNW−SE方向であ

る.

(4)山地部では重力値と地形との間に相関的な関 係があるように見える.

(5)得られた重力分布は地域の地質状況ときわめ て調和的である.

 2.2 局部異常にっいて

(1〕平野部には顕著な局部異常は認められないが.

山地部では顕著在大小の異常が存在している

(図一3,図一4).

(2) これらの異雫のうち,正異常は火成岩の分布 に対応しているようである.

(3〕多数の異常のうち,震域中央部の皆神山部位 に現われる異常(皆神山低重力異常,図一5)は とくに注目される.解析の結界は1二こに短径800m 長径1500m,深度200m(仮定密慶差∠σ=0.5QG.

S.)ないし400m(〃=O・3C.G.S.)の構円形状 の陥没構造の存在が可能であることを示している

(図一6).

(4)局部異常の配列にも前記指摘のNW−SEの方 向の配列が認められる(図一7).

(5)言たこの方向にほぼ直交するNE−SWの配列 も認められる.

 2.5 地城の構造について

 地域の樽造性に関しては優勢な火成岩分布のた めに不明の点が多い.しかし,地質調査の成果や 他の重力資料(石油資源株式会社資料)を参照す ることによって有益な推定を行なうことができる.

考察の結果次の所見が得られた.

(1)千曲川沿いに河東山地(中央隆起帯)とその 西部の沈降帯をわかつ構造線の存在が推察される.

(2〕 これにほぼ直交するNW−SEの走向を有する 断層状構造の存在が西条の谷沿い,歩よぴ皆神山 南西麓の測点Q7と白石部落を結ぶ位置に推定さ

れる.

・(3〕上記二つの走向が重力異常の配列方向として すでに指摘されたそれらとそれぞれほぼ一致する

ことが重視される.

(10)

松代群発地竈に関する特別研究 防災科学技術総合研究遼竈 第5号 1967

(4)地域の構造拾よび火成活動に関して,lWトSE の方向性が重視され,副次的にこれにほぼ直交す る方向(推定構造線の走向方向)が注目される.

 2.4 竈力異常と地厘との関邊

 松代群発地震は経過から見て,現在一までに三つ の活動期にわけることができ,徐々にその震域が 拡大している.これを発生状況から見るとき皆神 山地震群,若穂地震群拾よび雨宮地震群の三つに わけることができるようである.これら地竈群の 多発範囲がそれぞれ河東山地に現われる三つの低 重力域であることはきわめて示唆的である.また 経過の全期間を通じて常に皆神山周辺が中心的で あり,また推定構造線の北西平野側に地震の発生 を見ない1二と,多くの地震のP波初動分布(象限 型)の節線方向とすでに指摘した構造方向とがほ ぼ 致していることが注目される.

 ろ. おわリに

今回の調査は種々の制約もあり,必ずしも万全

のものとはいいがたいが,少在くとも震域内の重 力分布の概要は明らかとなった.その結果多くの 知見を得ることができ、今回の群発地震の発生機 構に関して重要な寄与をなしえたものと恩われる.

ただ調査計画立案時に比ぺて,その後震域も拡大 し、また種々の情報も多く得られるようになった 現在では測点配置,測定範囲に関して大き在不満 が生じている.とくに,測定範囲は地域の構造特 性の解明のためには不充分であり,より広域の重 力分布を明らかにナる必要がある.また,重力異 常の解釈精度の向上を期するためには地質調査,

構造試錐,他の物理探査(電気,地震)による樽 造調査在どを可能なかぎり行をうことが必要であ る.この意味で,41隼度中に更に計画されている 第2次調査に大きな期待がもたれる.

 地域の重力分布に関する詳細な考察結果は,こ の第2次調査の成果を加え総括して,あらためて 発表される予定である..

参照

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