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職員の賠償責任に関する監査について(平成13年度分)

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(1)

岡山市監査委員報告第27号

平 成 1 6 年 6 月 3 0 日

岡山市長 萩 原 誠 司 様

岡山市監査委員 服 部 輝 正

同 松 井 健 二

同 髙 月 由起枝

同 安 井 聰

職員の賠償責任に関する監査の結果等について(報告)

地方自治法(昭和22年 法律第67号)第243条の2第3項の規定に基づき,平成

16年5月19日付け岡総第212号で監査請求のあった損害賠償責任の有無及び賠償額

, 。

の決定について 平成13年度に係るものについて監査した結果を下記のとおり報告する

なお,平成13年度に係るものについては,地方自治法附則(平成14年3月30日法

律第4号)第5条の規定により除斥期間が3年とされていることに鑑み監査請求を受けた

もののうち最優先事項として監査を行ったものであり,平成14年度及び平成15年度に

係るものについては現在なお監査中であることを申し添える。

第1 監査請求の要旨

下記記載の契約の締結について,専決権又は代決権を有する岡山市保健福祉局保健部

生活衛生課職員が,入札手続を経て締結すべきであるにもかかわらず,実際は,適正な

入札手続を経ず,随意契約手続で締結した結果,実際の契約締結金額と入札が行われて

いたならば形成されていたはずの入札価格との差額相当分の損害が本市に生じたと認め

られるので,責任の有無及び賠償額の決定をすることを地方自治法第243条の2第3

項の規定により求める。

保健部長(平成13年度当時)は,平成13年度の市営墓地内ごみ処理業務委託契約

に係る支出負担行為を行う専決権限を有している者である。当該職員は,当該契約の締

結方法について入札によることとする事務決裁がなされていることは知っており,決裁

内容に沿って,適正な契約事務を処理すべき立場にあった。しかし,入札執行担当課に

おける入札状況,結果等について,入札執行者に対する確認や書類上の検査を行うこと

により,不適正な契約手続を容易に避けることができたにもかかわらず,契約締結に係

る事務処理を漫然と進め,決裁内容と異なる方法により契約締結を行った。この結果,

随意契約方法による実際の契約金額と決裁内容に従って適正に入札が行われていたなら

ば形成されていたと考えられる契約金額との差額相当分の損害を岡山市に生ぜしめた。

(2)

を行う専決権限(下記業務委託のうち,②,③,④)又は代決権限(下記業務委託のう

ち①)を有し,かつ下位の職位(係長)の者に対し,入札執行者の委任を行った者であ

る。当該職員は,当該契約の締結方法について,入札によることとする事務決裁がなさ

れていることは知っており,決裁内容に沿って,適正に契約事務を処理すべき立場にあ

った。また,入札執行の状況について容易に知り得る立場にあった。しかし,当課にお

ける入札状況,結果等について,入札執行者に対する確認や書類上の検査をなんら行わ

, , 。

ず 契約締結に係る事務処理を漫然と進め 決裁内容と異なる方法で契約締結を行った

この結果,随意契約方法による実際の契約金額と決裁内容に従って適正に入札が行われ

ていたならば形成されていたと考えられる契約金額との差額相当分の損害を岡山市に生

ぜしめた。

( ) , ( ,

衛生主幹 平成13年度当時 は 平成13年度の委託契約 下記業務委託のうち①

③,④)に係る支出負担行為を行う代決権限を有している者である。当該職員は,当該

契約の締結方法について,入札によることとする事務決裁がなされていることは知って

おり,決裁内容に沿って適正に契約事務が処理されるよう十分な注意を払うべき立場に

あった。また,入札執行の状況について容易に知り得る立場にあった。しかし,当課に

おける入札状況,結果等について,入札執行者に対する確認や書類上の検査をなんら行

わず,契約締結に係る事務処理を漫然と進め,決裁内容と異なる方法により契約締結を

行った。この結果,随意契約方法による実際の契約金額と決裁内容に従って適正に入札

が行われていたならば形成されていたと考えられる契約金額との差額相当分の損害を岡

山市に生ぜしめた。

墓地管理係長(平成13年度当時)は,平成13年度の委託契約(下記業務委託①∼

④)に係る支出負担行為を行う代決権限を有し,かつ当該契約に係る入札執行者の委任

を課長から受けた者である。当該職員は,当該契約の締結方法について,入札によるこ

ととする事務決裁がなされていることを知っていた。しかし,決裁内容に反して入札を

執行せず,随意契約の方法により契約締結を行った。この結果,随意契約方法による実

際の契約金額と決裁内容に従って適正に入札が行われていたならば形成されていたと考

えられる契約金額との差額相当分の損害を岡山市に生ぜしめた。

① 市営墓地内ごみ処理業務委託(単価契約)

② 三門墓地移転補償費積算業務委託

③ 東山墓地無縁跡地管理業務委託

④ 轟南墓地植栽管理業務委託

第2 関係職員の事情聴取

平成16年6月7日及び8日に,関係職員からの事情聴取を行った。

賠償命令側職員

総務局長

保健福祉局長

保健福祉局局次長

生活衛生課長

(3)

保健部長(平成13年度当時)

生活衛生課長(平成13年度当時)

衛生主幹(平成13年度当時)

墓地管理係長(平成13年度当時)

賠償命令参考職員

墓地管理係主任(平成13年度当時 第1−①監督員)

墓地管理係技師(平成13年度当時 第1−②,③,④監督員)

事情聴取において,総務局長,保健福祉局長ともに,今回の賠償命令の対象となる行

為は入札が行われていないことにより損害を与えた行為だけであり,その他に損害を与

えた行為はないと述べた。

第3 監査の実施

平成13年度における委託関係書類を調査し,また,関係職員の事情聴取を行い,合

議により監査した。

第4 監査の結果及び判断

(1)市営墓地内ごみ処理業務委託(単価契約)

① 設計金額等

内 容 備 考

設計金額 4tまで20,261円

許容金額 4tまで20,260円

契約金額 4tまで20,055円 限度額 7,080,050円

② 支出日等

支 出 日 支 払 金 額 備 考

平成13年11月14日 2,500,835円 7, 8月分

平成14年 1月15日 796,505円 9,10月分

平成14年 3月 4日 1,804,605円 11,12月分

平成14年 5月14日 1,227,600円 1, 2月分

平成14年 5月14日 750,505円 3月分

合 計 7,080,050円

③ 決裁ライン(専決権者,代決権者)

専決権者 代決権者

保健部長 生活衛生課長

なお,衛生主幹については,代決権を有する者とされているが,岡山市事務決裁規

程によると代決権を与えられていない。

④ 支出負担行為日

(4)

⑤ 事実の概要

委託施行,契約方法伺によると,指名競争入札によることとされ,保健福祉局事務

事業委託等審査委員会の議を経て保健部長により本件受託業者外4業者の計5業者が

指名されている。また,入札記録においても平成13年7月13日午前10時30分

に保健福祉会館7階休養室に5業者が集まり,入札が執行されたこととなっている。

しかしながら,墓地管理係において話し合いが行われ,衛生主幹にも相談したうえ

, , ,

で 業務委託という特殊性 以前から本件受託業者に本業務を依頼していたので現場

作業内容に精通していることを考慮し,契約方法について指名競争入札ではなく随意

契約によることを墓地管理係長が決定した。そして,契約方法伺では指名競争入札に

よることとする決裁を受けるが,実際には指名競争入札に付することなく,単独随意

契約を行うこと,また,指名競争入札の形式を整えることとされた。このような相談

ないし意思決定は生活衛生課内で行われたのであるから,殊更に生活衛生課長に秘密

にして行われたのであればともかくとして,生活衛生課長はそのことに気付くべきで

あり,適切に指揮監督権を行使すべきであるにもかかわらず,「時期的には遅れ気味

であるが,事務作業をよくやってくれている。」と思い,特別の注意を払うこともな

く漫然と見過ごしてしまった。そして,担当者は,「指名されたので,見積をして入

札に参加するように」との通知を5業者すべてに対して行わず,本件受託業者のみに

通知をした。この通知内容の詳細については誰も覚えていないというのであるが,こ

れにより入札書と称する見積書がともかくも集められ,本件受託業者から生活衛生課

宛てに提出された。生活衛生課では,この見積書により各業者の見積金額を比較し,

予定どおり本件受託業者を落札業者に決定した。このようにして指名競争入札が行わ

れたこととする書類が形式上整えられ,保健部長により専決処分され契約の締結に至

った。

⑥ 責任の有無

まず,責任を問われるべき職員とは何かについて判断する。故意又は重過失により

違法に支出負担負担行為をしたことにより市に損害を与えたところの支出負担行為を

する権限を有する職員又はその権限に属する事務を直接補助する職員で市の規則で指

定した者である。当市においては,「地方自治法第243条の2の規定により賠償責

任を有する職員の範囲を定める規則第1号」により専決権又は代決権を有する職員が

指定されている。専決権又は代決権を有する職員がその範囲に入ることは明白である

が,専決権又は代決権を行使し違法な支出負担行為をしたということが直接補助した

ということになり,専決権を行使した職員が存在する場合には,代決権を有する職員

は決裁に関与したとしても代決権を行使したということにはならないと解される。し

たがって,本件においては,保健部長が専決権を行使したのであるから,課長以下の

代決権をもっているにすぎない職員は賠償命令の対象とはなり得ない。

平成13年度市営墓地内ごみ処理業務委託においては,保健部長が専決権を行使し

専決処分を行っている。形式的には入札が行われたことを前提として関係書類は作成

されており,これを一見しただけでは指名競争入札が実際に行われたかどうかまでは

(5)

状が添えられている場合が多いのであるが,これが添付されていないこと,契約保証

人は入札参加者以外の者が好ましいとされているが,本件においては入札参加者が契

約保証人になっていること,予定価格を保管した封筒では,入札日時において,平成

13年7月と年月のみが記載されており,日時についての記載がないこと,入札場所

が財政局財務部調達課と事前に印刷されたままになっており,保健福祉会館7階休養

室と訂正されていないこと,各指名業者宛ての通知書が作成されていないことが認め

られる。このような事項について,同部長が,疑問を投げかけ適切な対応をしていれ

ば,その過程において指名競争入札が実際には執行されていないという事実を容易に

知り得たものというべきであり,自らに与えられた権限行使を怠り,課せられた職務

上の注意義務を尽くさず,漫然と決裁していたことが認められる。同部長には重大な

過失があったものといわざるをえない。したがって,同部長には責任があるものと認

める。

⑦ 賠償額の算定

本件においては,指名競争入札することとされているにもかかわらず,本件受託業

者と随意契約を締結することをどの 時点で墓地管理係長 が決定したかは不明である

が,遅くとも保健福祉局事務事業委託等審査委員会からの結果通知書を受けた時には

既に決定していたものと認められる。そのゆえに,担当者は指名競争入札に際して指

, ( ) 。

名業者への通知及び指示を本件受託業者のみに行い 入札書 見積書 を集めている

このような状況では,指名業者間でどのような話し合いが行われたかは定かではない

というものの,本件受託業者が自らの入札価格(見積価格)を下回る入札価格(見積

価格)の記入された他業者の入札書(見積書)を集めてくることは予想もできず,全

く期待もできない。実質としては,見積合わせによる随意契約ということもできず,

市と本件受託業者間で単独随意契約がなされ,指名競争入札に期待される公平な競争

性は失われているものというべきである。

現実の落札価格と想定落札価格との差額が損害額となるが,種々の不確定要素があ

り想定落札価格の算定が極めて困難であるところから,正確な損害額は算定できない

というべきであり,そのような中で賠償責任を負わせる以上は責任を負う者に対し,

賠償させるのであるから,社会通念上相当と考えられる額をもって損害額とすべきも

のと解される。その際,まず考えられる手法としては,本市が現実に指名競争入札を

経て契約した業務委託を集計しその平均値と比較するという手法があるが,委託とい

う手段を用いている業務分野は非常に広く,当市における全委託契約における落札率

等を統計的に集計したとしても,その母集団には本件業務と異なるものが多数含まれ

ることとなるのは明白であるので,比較対照することができず,この手法は採り得な

い。本件においては,入札における公平な競争性を失わせたことにより現実の落札価

格が想定落札価格よりも高額となり損害を与えたという点が原因であるため,この点

では同様であると判断される入札談合に関する判例を通覧するに,契約金額の5%か

ら10%を損害額と認定している事例が多い。最小のものでは契約金額の3%,最大

のものでは契約金額の27%という事例もあるが,これらは,それぞれの事件におけ

(6)

し直した金額を想定落札価格と認定した等の特殊性が考慮されたものである。本件に

おいては,墓地が斜面上にあるのが通常の形態であり,そのごみ集積場所もその付近

にあり,道路の幅員も狭小で作業車の乗り入れも困難な場所では手押し車によらなけ

ればならない場所も少なからず含まれているため指名を希望する業者も実際には少数

に止まるであろうから,さほどの競争は期待できないことを勘案し,損害額を委託料

の3%と認めるを相当とする。したがって,平成13年11月14日支出分について

は75,025円,平成14年1月15日支出分については23,895円,平成1

4年3月4日支出分については54,138円,平成14年5月14日支出分につい

ては59,343円を損害額と認め,それぞれの委託料支出日から賠償がなされる日

までの法定利息年5%を加算した額を賠償額と認定する。

(2)三門墓地移転補償費積算業務委託

① 設計金額等

設計金額 許容金額 契約金額

864,150円 843,150円 759,150円

② 支出日等

支出日 支出金額

平成14年4月10日 759,150円

③ 決裁ライン(専決権者,代決権者)

専決権者 代決権者

生活衛生課長 墓地管理係長

④ 支出負担行為日

平成14年3月18日

⑤ 事実の概要

委託施行,契約方法伺によると,指名競争入札によることとされ,保健福祉局事務

事業委託等審査委員会の議を経て生活衛生課長により本件受託業者外3業者の計4業

者が指名されている。また,入札記録においても平成14年3月18日午前9時に生

活衛生課に4業者が集まり,入札が執行されたこととされている。

本件について,墓地管理係内での相談の結果,墓地管理係長は,当初から本件受託

業者と単独随意契約を締結依頼することを意思決定していたが,形式的には指名競争

入札によることとして契約方法伺の決裁を受けたものである。そして,指名された4

業者全部に通知することなく,本件受託業者だけに通知をし,入札書と称する見積書

を取りまとめて提出させている。生活衛生課では,このようにして集めた見積書を基

に金額を比較し本件受託業者を落札業者に決定した。入札記録によると入札場所が生

(7)

われたかどうかを容易に知り得る立場にありながら,自分の管理監督する課内で指名

競争入札が行われたかどうかに不審すら覚えず,何ら指揮監督権を行使しなかった。

このようにして指名競争入札が行われたこととする書類が形式的に整えられ,生活衛

生課長により専決処分され契約の締結に至った。

⑥ 責任の有無

平成13年度三門墓地移転補償費積算業務委託においては,生活衛生課長が専決権

を行使し専決処分を行っている。同業務における指名競争入札は生活衛生課内で執行

されたこととなっているにもかかわらず,同課長は指名競争入札が実際には執行され

ていないことを容易に知り得る立場にありながらこれを漫然と見過ごした。このよう

なことが行われれば指名競争入札における競争の公平性が害されることは容易に予見

でき,また適切な権限行使によりその結果を回避することも容易であったにもかかわ

らず,注意義務を尽くさず決裁してしまったことは,重大な過失があったものといわ

ざるをえない。したがって,同課長には責任があるものと認める。

⑦ 賠償額の算定

本件においては,当初から本件受託業者と単独随意契約を締結することを前提とし

て,担当者は指名競争入札に際して指名業者への通知及び指示を本件受託業者のみに

行い,入札書(見積書)が集められている。このような状況では,指名業者間でどの

ような話し合いが行われたかは定かではないというものの,本件受託業者が自らの入

札価格(見積価格)を下回る入札価格(見積価格)の記入された他業者の入札書(見

積書)を集めてくることは全く期待できず,実質としては市と本件受託業者間で単独

随意契約がなされ,指名競争入札に期待される公平な競争性は失われているものとい

うべきである。

本件については,契約金額も少額であり,そのため利益も少なく,実際に指名競争

入札を行ったとしても,想定落札価格が大きく下がるものとは認められず,損害額を

委託料の5%と認めるを相当とする。したがって,37,957円を損害額と認め,

当該委託料支出日である平成14年4月10日から賠償がなされる日までの法定利息

年5%を加算した額を賠償額と認定する。

(3)東山墓地無縁跡地管理業務委託

① 設計金額等(当初)

設計金額 許容金額 契約金額

4,232,550円 4,232,550円 4,200,000円

変更契約後金額

5,393,850円

② 支出日等

支出日 支出金額

(8)

③ 当初決裁ライン(専決権者,代決権者)

専決権者 代決権者

生活衛生課長 墓地管理係長

変更決裁ライン(専決権者,代決権者)

専決権者 代決権者 代決権者

保健部長 保健部次長 生活衛生課長

④ 支出負担行為日等

支出負担行為日 平成13年7月26日

支出負担行為変更日 平成14年3月 4日

⑤ 事実の概要

委託施行,契約方法伺によると,指名競争入札によることとされ,保健福祉局事務

事業委託等審査委員会の議を経て生活衛生課長により本件受託業者外4業者の計5業

者が指名されている。また,入札記録においても平成13年7月26日午前9時30

分に生活衛生課に5業者が集まり,入札が執行されたこととされている。

しかしながら,本件受託業者が現場及び作業内容に精通していることが考慮され,

事前に本件受託業者を落札業者とすることが決定されていた。しかるに,指名競争入

札の形式を整えるため,契約方法伺では,指名競争入札によることとされ,保健福祉

局事務事業委託等審査委員会の議を経て生活衛生課長は指名競争入札が行われるもの

として指名業者を5業者に決定した。しかし,事前に本件受託業者を落札業者とする

ことは決定されていたのであるから,指名競争入札が実際に行われることはなく,指

名競争入札が行われたこととするための形式が書類上整えられたものにすぎない。こ

の形式を整える書類のうち入札記録では,入札場所が生活衛生課と記載されているに

もかかわらず,生活衛生課長はこの事実の有無を容易に知り得る立場にありながら,

自分の管理監督する課内で入札が行われていないことに不審すら覚えず,何らの指揮

監督権を行使していない。このようにして指名競争入札が行われたこととする書類が

形式的に整えられ,生活衛生課長により専決処分され契約の締結に至った。

なお,本件では,後の平成14年3月4日に変更契約が行われているが,この変更

時点では再度の指名競争入札は行われる必要もないことであり,この時点では,損害

, ,

を新たに発生させたものではなく 単に損害額が増加したものにすぎないのであるが

この時点において保健部長が注意義務を尽くしていれば,損害の拡大を阻止すること

は可能であった。

⑥ 責任の有無

平成13年度東山墓地無縁跡地管理業務委託のうち,当初契約は生活衛生課長が専

決権を行使し専決処分を行っている。同業務における指名競争入札は生活衛生課内で

執行されたこととなっているにもかかわらず,指名競争入札が実際には執行されてい

(9)

ことが行われれば指名競争入札における公平な競争性が害されることは容易に予見で

き,また適切な権限行使によりその結果を回避することも容易であったにもかかわら

ず,注意義務を尽くさず決裁してしまったことは,重大な過失があったものといわざ

るをえない。したがって,同課長には責任があるものと認める。なお,同課長には当

初契約に係る部分について責任があるものと認める。

保健部長は,変更契約において専決権を行使し専決処分を行った。当該変更時点に

おいては,改めて指名競争入札を行う必要はないとはいうものの,業務対象面積が約

3,000㎡も増えるという重大な変更であるのであるから,同部長としては,不審

に思い説明を求めるべきであり,その過程において本件における不適切な処理を発見

し,契約解除等の方法を採ることができたにもかかわらず,これを漫然と見過ごして

しまい被害を増加させたことについては重大な過失があるものと認められる。したが

って,増額変更分については,同部長に責任があるものと認める。

⑦ 賠償額の算定

本件においては,当初から本件受託業者と単独随意契約を締結することを前提とし

て,担当者は指名競争入札に際して指名業者への通知及び指示を本件受託業者のみに

行い,入札書(見積書)が集められている。このような状況では,指名業者間でどの

ような話し合いが行われたかは定かではないというものの,本件受託業者が自らの入

札価格(見積価格)を下回る入札価格(見積価格)の記入された他業者の入札書(見

積書)を集めてくることは全く期待できず,実質としては市と本件受託業者間で単独

随意契約がなされ,指名競争入札に期待される公平な競争性は失われているものとい

うべきである。

東山墓地は斜面にあり,管理道もなく,既存墓地と複雑に入り組んでおり,作業に

は困難性を伴う箇所が多いため指名を希望する業者も少なく,競争性はあまり期待で

きないことを勘案し,生活衛生課長による損害額を委託料の3%と認めるを相当とす

る。したがって,126,000円を損害額と認め,当該委託料支出日である平成1

4年4月8日から賠償がなされる日までの法定利息年5%を加算した額を賠償額と認

定する。また,保健部長による損害を委託料の3%と認めるを相当とする。したがっ

て,35,815円を損害額と認め,当該委託料支出日である平成14年4月8日か

ら賠償がなされる日までの法定利息年5%を加算した額を賠償額と認定する。

(4)轟南墓地植栽管理業務委託

① 設計金額等

設計金額 許容価格 契約金額

903,000円 892,500円 871,500円

② 支出日等

支出日 支出金額

(10)

③ 決裁ライン(専決権者,代決権者)

専決権者 代決権者

生活衛生課長 墓地管理係長

④ 支出負担行為日

平成14年2月25日

⑤ 事実の概要

委託施行,契約方法伺によると,指名競争入札によることとされ,保健福祉局事務

事業委託等審査委員会の議を経て生活衛生課長により本件受託業者外3業者の計4業

者が指名されている。また,入札記録においても平成14年2月25日午前9時30

分に生活衛生課に4業者が集まり,入札が執行されたこととされている。

しかしながら,本件受託業者が現場及び作業内容に精通していることが考慮され,

事前に本件受託業者を落札業者とすることは決定されていた。事前に本件受託業者を

落札業者にすることは決定されていたのであるから,指名競争入札は実際に行われる

ことはなく,その形式が書類上整えられたものにすぎない。この形式を整える書類の

うち入札記録では,入札場所が生活衛生課と記載されているにもかかわらず,生活衛

生課長はこの事実の有無を容易に知り得る立場にありながら,自分の管理監督する課

内で入札が行われていないかどうか不審すら覚えず,何らの指揮監督権を行使してい

ない。このようにして指名競争入札が行われたこととする書類が形式的に整えられ,

生活衛生課長により専決処分され契約の締結に至った。

⑥ 責任の有無

平成13年度轟南墓地植栽管理業務委託については,生活衛生課長が専決権を行使

し専決処分を行っている。同業務における指名競争入札は生活衛生課内で執行された

こととなっているにもかかわらず,指名競争入札が実際には執行されていないことを

容易に知り得る立場にある同課長はこれを漫然と見過ごした。このようなことが行わ

れれば指名競争入札における公平な競争性が害されることは容易に予見でき,また適

切な権限行使によりその結果を回避することも容易であったにもかかわらず,注意義

, 。

務を尽くさず決裁してしまったことは 重大な過失があったものといわざるをえない

したがって,同課長には責任があるものと認める。

⑦ 賠償額の算定

本件においては,当初から本件受託業者と単独随意契約を締結することを前提とし

ていたかどうかは不明であるが,遅くとも保健福祉局事務事業委託等審査委員会から

の通知を受けた時点においては,墓地管理係では単独随意契約とすることを決定して

いたため,担当者は指名競争入札に際して指名業者への通知及び指示を本件受託業者

のみに行い,入札書(見積書)を集めている。このような状況では,指名業者間でど

のような話し合いが行われたかは定かではないというものの,本件受託業者が自らの

(11)

積書)を集めてくることは全く期待できず,実質としては市と本件受託業者間で単独

随意契約がなされ,指名競争入札に期待される公平な競争性は失われているものとい

うべきである。

本件においては,植栽管理は特殊な作業でもなく,造園業者であればどこの業者で

も可能なものであり,指名を希望する業者が特に少なくなるというような事情は認め

られないが,契約金額も少額であり,利益も小さいことから,実際に指名競争入札を

行ったとしても,想定落札価格が大きく下がることはないものと認められる。したが

って,本件については,損害額を委託料の5%と認めるを相当とする。43,575

円を損害額と認め,当該委託料支出日である平成14年4月5日から賠償がなされる

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第12条第3項 事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他 人に委託する場合には、その運搬については・ ・ ・

(※1)当該業務の内容を熟知した職員のうち当該業務の責任者としてあらかじめ指定した者をいうものであ り、当該職員の責務等については省令第 97

2. 本区分表において、Aは発注者監督員、Bは受託者監督員(補助監督員)の担当業務区分とする。.

(注)本報告書に掲載している数値は端数を四捨五入しているため、表中の数値の合計が表に示されている合計

「PTA聖書を学ぶ会」の通常例会の出席者数の平均は 2011 年度は 43 名だったのに対して、2012 年度は 61 名となり約 1.5