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総合制中等学校(I) : イギリスにおけるエリート層選抜法批判と中等教育再編成の方向を主題に

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(1)

(225)

総 合 制 中 等 学 校

(工

)

―一 イギ リスにお けるエ リー ト層選抜法

批 判 と中等教育再編成 の方 向を主題 に一―

私 が ここで と りあげ るテーマは

,中

等教育制度再編成 の問題 である。 それ は

,中

等教育 が

,各

国 の教育制度改革 の重要な対象であ った

,と

い う理 由か らである。各 国の教育改革の 目標 と背景 につ いては

,す

で に他 の個所(1)で述 べて おいたので

,特

にふれない。 ここでのテーマは

,そ

の一 つ の 目標で あ った

,高

等教 育 の拡充・ 整 備 と義務教育年 限の延長 とに 関連す る。即ち

,

この 目標 によ って 中等教育 は

,一

つ には

,高

等教育進学者 の 母集団

,一

つ には国 民 の教育水準上昇のにない手

,と

い う二つの重要な役割があたえ られ

,し

か も

,こ

の両者を

,い

か に均衡の とれた形 で制度的に再編成 す るかが

,各

国の教育改革 を成 功 させ るか否かの

,カ

ギ ともな っていたか らで ある。 ことに

,高

等 教育進学者 の母集団 と して の役割 は

,高

等教育拡充の基本的前 提 であ り

,ま

た その役割 は

,義

務教育年限延長 にともな う教育機会の拡大 と

,そ

の実質的均等化を 基礎 として達成 され ると考 え られていた。 私 は

,イ

ギ リス中等教育再編成 の動 向を

,総

合 制学校 の導入 に視点をあわせ

,教

育の機会均等, 能 力群の選別 と確 保

,

コース分 化と進路指導の問題が

,総

合 制学校構 想の中に

,ど

のよ うに消化 さ れ て行 ったかを

,論

及課題 に したい と考 えるのである。

4.イ

ギ リス の 中等 教 育 制 度(り

(1)現

・ 現行のイギ リス中等教育制度が,″万人に中等教育を´とい う理想を盛 りこんで完成 し た の は, 1944年の教育法

(Butlcr法

)に

よってである。 この教育法が意図 したものの中に

,初

等教育と中 等教育の殷階的接続 と

, 5∼

15歳 の初等 。中等教育の義務化があ った。 しか し

,伝

統的な複線型的 教育観か ら

,政

府は

,

`国民全員に対 し

,各

人の年齢

,能

,適

性 にふ さわ しい学校 の 設置 を 決 意″ した。中等教育はこれによ り

,教

育 目標

,教

育課程

!水

準の異なる三種の コースを

,別

個の学 校類型にわけて設置することが原jllと された。その三種のコースとは

,①

大学進学準備を目標に , 伝統的なアカデ ミックな教育課程を持つグラマー ●スクール

(Grammcr School),

②中級技術 者 の養成を目標 とす るテクニカル ●スクール

(TcchniCal School),

①完成教育を主 目標に

,実

也 誠 藤 後

(2)

(226) 用教科 の比重 を増 した

,実

務 コー ス と して のモダー ン ●ス クール

(MOdcrn school)で

あ る。 これ らの コースヘの進学 は

,初

等教育最終学年 (11歳 時

)に

行 なわれ る

,11歳

試験(3)の結果 で決 定 され る。地域 によ って各 コー スの定 員比率 は異 な るが

,平

均 す る と

,試

験成 績最上位

20%が

グラ マー ●ス クールに

,次

5%が

テ クニ カル ●ス クー ル に

,残

りの

75%が

モダー ン ●ス クールに進ヤ して い る。 この ことは

,高

等教 育進学者 の母 集団 と して は

,該

当年 齢層 の20∼

25%が

最 適規 模で あ る ことを示す ものであ った。 それ以外 の者 は

,社

会 的 に有用 な能 力で はない ことを意 味す る もので もあ った。 いわゆ る残 り

75%の

教育を担 当す るモダー ン ●ス クールヘの教育費配分 は

,常

にあとまわ しにさ れ

,施

設・ 設 備

,教

員 の質 な ども

,

しば しば問題 とされ るほ ど劣 っていた 。(4)こ の中で生徒 は

,11歳

試 験 の敗 北感 と不十 分 な教育環境で

,義

務教育 を終 えな けれ ばな らなか った。名 目上 は

,大

学進学資格試験 の受験 が認 め られていたが

,教

育 課 程が

,そ

の 目標 のために編成 されて いない ことか ら

,ほ

と ん どの生徒 は

,義

務教育期間終了 と同時 に学校 を離 れて しま ってい た。 他方

,グ

ラマー ●スクール に も問題 があ った。 その定員数 は

,地

域 の能 力分布 に応ず るもので な く

,学

校数 と収 容力 と で きめ られ た。地域 によ って

,同

一水準 の能力で も

,進

学 が で きた りで きなか った りした。 グ ラマー ●スクール進学者 の 質 は

,地

域 によ って大 きな赤異 がでて いたのであ る(5)。 有効 な能力群 と しての20∼

25%も

,そ

の 中には選抜 の誤差 と能力 の ロス とを合んでいたので ある。 義務教育年限の延長 は

,国

民 の教育水準の上昇 と教育機会 の拡大 とを 目標 に

,1966∼

67学 年度 中等学校入学者 か ら

,実

施 され る ことにな った。現行 10年 を11年 に延長す る決定 が, 1964年 は じめにな されたので あ る。 この問題 は,1944T・ 教育法 に附 帯条項 と して

,政

府 に義務 づ け られた時か らの懸案で あ った。 その後

,1959年

の ク ラウザー報告

(6),1%5年

のニ ューザ ム報告g)の 再勧告 が 出され

,1964年

の決定 とな った ものである。 121 制度再編成への問題点一一 エ リー ト層選抜 に関連 して一一 1965年 7月 12日

,イ

ギ リス教育科学省は

,各

地方教育当局あてに

,中

等学校の再編成 に関する通 達 10/65を 発 した。 これによ り

,イ

ギ リスの中等教育再編成は

,具

体的な方 向が指示 さ れ る こ と にな った。 この通達のね らいは

,能

力によるコース分化を基礎 とする

,

現行 の 中等学校分離主義

(SCparぁ

tism)を ,す

べて総合制

(COmprChCns

c)の

方向に改革することにあ った。

也 誠 藤 後

繁乳

〉→点XX\ 産J7x試験

0000人

半資格試験 図

1

学 校 系 統 図 学 年 ︲6 一 ︲5 一 ︲4 大 学

大 学 ︲3 ︼ ︲2 一 ユ 一 Ю 一 9 一 8 一 7 総 合 制 中 等 学 校 グ ラ マ ー ・ ス ク ー ル

ハブ

ッ彩

ク .︲

!L   テ ク ニ カ ル ・ ス ク ー ル 9 8 7 6 6 一 5 一 4 一 3 一 2 一 1 (初級学校) (功見学校)

小 

w´

(3)

総 合 制 中 等 学 校

(I)

(227) 総合制 中等学校 は

,す

で に1940年 代 の終 りか ら

,い

くつか の地域で実験 的 に設 置 されて いた。 し か し

,あ

くまで 中等学校類型 と しては

,原

則外 の もので あ った。 中等教育再編成 の直接の契機 は,公立初等教育機関修了時 に,将来 の社会指導者 層 とな る才能 を, 特定 の学校類型 に選抜入学 させ るとい う制度が

,現

実 の社会発展 に即応 しな くな った こ と で あ っ た 。 よ り具体的 には

,現

行制度 が

,少

数者 を早期 に選抜 して

,第

2エ リー ト層 を決定 し

,そ

の過程 の 中で

,階

級間の教育機会の不均等 を拡大・ 強化 してい るとい う批判 と

,更

,選

抜方法 自体妥当 な ものではない とい う批判を

,背

景 に した もので あ った。 その批判の 中には

,改

革 案 と して

,総

合 制学校構想が合まれていたのであ る。 このよ うな批判 の底 には

,庶

民 のた めの初歩教育 とエ リー ト層のための中等・ 高等教育 とが

,ま

った く別系統 の教育系列 として発足 し

,中

・ 高等教育 は主 と して私立教育機 関

,初

歩 教育 は公教育 機 関 と して発達 して きた

,と

い う歴 史的条件 があ った。 その後

,20世

紀初頭 において

,国

民教育制 度の拡充 とい う目標で

,両

系列 は制度的な単線化へ と変化 したが

,上

述 の歴史的条件 とそ こにひそ む 階級的教育観 は

,中

等教育が公教育制度 として位 置づ け られたあとも

,ず

っと温存 されて きたの で ある。)。 イギ リスの教育体系を

,私

,公

立 の両系列か ら成 る新複線型 と して 維持 して き た の

,こ

うした歴史的条件 と階級的教育観で あ った。両系列 は

,義

務教育入学時 よ り

,明

確 に区分 さ れ

,学

校段 階区分 も異 な った ものであ る。 その上

,私

立 教育系列は

,パ

ブ リック・ ス クール (15∼ 18歳

)→

オ クス フ ォー ド・ ケ ムブ リッジとい うルー トを確立 し

,該

当年齢層 の

4%と

い う少数 の上 流 階級子弟 を集め

,社

会 の第1エ リー ト層養成 を

,教

育 の主 目標 としてい る。 この意 味で

,私

立 と 公立両 系列 は

,階

級分化の機能 を果 して きた と言 え る。 このよ うな機能 は

,公

教育系列 内で も表面 化 して いた。 それ は

,第

2エ リー ト層 の選抜 と教育 が

,公

教育の一つの役割 と して認識 されていた か らである。 もち ろん

,社

会 階級 が

,中

等教育 コース分 化 の基準 とは されて いない。 しか し

,能

力 の 型 と水準 とによ って

,異

な る教育をあたえよ うとい う考 え方 が

,社

会 階級 によ る コー ス分化 を合 理 化 していた ことはた しかであ った。上流階 級 は私立学校へ進学 し

,中

流 階級 は恵 まれ た教育環境 を 背景 に

,グ

ラマー ●ス クール に多数進学 し

,下

層階級

,労

働者 階級 は

,能

力 があ りな が らも

.モ

ダー ン ●ス クー ル に進学 させ られ る場合 が多か ったか らである。 中等教育段階 において

,い

くつ かの コースが複線型的 に用意 され

,個

々の子 どもが

,そ

の能力 に よ って

,い

ずれ か の コースにふ りわ け られ る方式 は

,

ヨー ロ ッパ型 の教育制度の特色で あ った。 こ の ふ りわけは

,高

等教育進学 コースに

,一

定 量 の子 ど もを選抜 す る ことを中心 に行 なわ れて きた。 この選抜 は

,い

わ ば高等教育進学者 の母集団量の限定を意味 していた。一度決定 された コースは固 定 され

,

コース変更 は実際上不可能であ った。従 って

,選

抜試験の結果 は

,子

ど もの将来 を

,選

抜 時 において ほぼ決定す るとい う意 味を持 って いた。 イギ リスの場合 も例外で はない。 ヨー ロ ッパ諸国の教育改革

,

ことに中等教育の再編成 は

,教

育機会 の実質 的均等 の 実凱 を 目標 に

,単

線化へ の志 向を著 しく強めて きた。科学・ 技術 の著 しい進歩 と高度成長 を 目標 とす る経済 と

(4)

(228) を支 えてゆ くため

,現

代 社会 は

,多

量 の

,

しか も良質 の能力を必要 と している。 この面か ら

,従

来 の よ うな

,高

等教育進学者母集団の早期決定 および量的限定 は

,こ

うした現代 の要請 に対 し

,明

ら か に非能率的な ものにな っていた。単線化への志 向は

,多

量 の能力確保のために

,母

集団量 を拡大 す るもの と して

,必

然的な適応策 と言 えた。 中等教育 において

,高

等教育進学者母集団の量の拡大 と決定の時期 を

,い

か に解決す るかが

,イ

ギ リスにおける再編成 の重要な課題 とされたの も

,こ

の よ うな事情か らで あ った。 この課題解決の一接近方法が

,義

務 教育年 限の延長措置を活用す る こと であ った。つ ま り

,よ

り長 期 の共 通基礎教育をあたえ

,そ

の過程で有用 な能力群を発見 し

,高

等教 育進学者 母 集団 に加 えてゆ くことであ った。 イギ リスにおいて

,中

等教育再編成 に関す る問題 は

,次

のよ うな ものであ り

,実

際の再編成方 向 は

,そ

れ らの点 を考慮 した もので あ った。即 ち①選抜 が初等教育修了時 (11歳

)に

行 なわれ るの は

,あ

ま りに早す ぎないか。②早期選抜 は良質 の能力 の発見 と育成 に

,阻

害 の条件 とはな らないか。 ③従 って

,高

等 教育への進学者母集団を決定す る選抜 は

,子

ど もの能力・ 適性 の十分 な開花を待つ ため に

,多

少 あ とに延 ばすべ きで はないか。① 国民 の広 い層 か ら能 力群 を発見 し確保す るための, 最善 の中等学校 のあ り方 は何 か とい うもので あ った。 1964年 において は

,こ

の よ うな状況の中で

,異

な った二つの方 向が示 されていた。一 つ は

,11歳

遇抜 を廃 止 して総合 制学校 を導入 す る

,と

い う労働党の政策で あ り

,一

つ は

,現

行制度 の枠 内で の 改善方法 を考慮す る

,と

い う保守党の政策であ った。 イギ リスの教育改革 に関 して は

,保

,労

働 両 党 とも

,教

育 機会 の拡大

,義

務教育年限の延長

,高

等教育の拡充

,理

工系教育の振興 とい う4目 標 につ いて

,共

通 の理解 と政策を持 っていた(9)。 しか し

,中

等教育再編成 について は

,ま

った く対 立 した政策 を持 っていたのであ る。 保守党 は

,11歳

ふ りわ けの維持 を原則 に

,モ

ダー ン ●ス クールの組織を改善す ることで

,社

会 的 要請 に こたえ るのが最善で あ る(10)とす る。 モダー ン ●ス クール も

,義

務教育年 限の延長 とい う措 置 によ って

,大

学進学 コー スの導入 が可能 とな る。 この改善で社会的要請 に こたえ うるとい うもので あ る。従 って グ ラマー ●ス クール の廃止 も

,労

働党 が提 唱 しは じめた

,パ

ブ リック・ ス クール等 の 私立学校の公教育制度への組み入 れ(11)も

,保

守党 と して は うけ入れ られない ものであ った。 労働党 は

,11歳

試験 を合む現行制度の抜本的改革 を最優先 の教育政策 と し

,こ

れ によ って

,現

在 の階級的教育制度を

,徹

底 的 に改革 しよ うとい うのである。 グラマー ●スクールをは じめ

,選

抜入 学 に基礎 を置 く学 校の廃止 は

,教

育の階級性 を根絶 し

,教

育機会 の拡大 を真 の意味で実現す るもの と考 えたのであ る。11歳 試験 の廃止 は

,そ

の前提条件 で あると考 えたのである。 注

(D

川野辺敏

,後

隊誠也編 :新 しい教育への道,1965, I新しい教育の目標 (2)こ こでイギ リスという場合は,イ ングランドとウキールズを指 し,スコットランド,】ヒァイルランドは含 まれない。同様に,こ こで言う中等学校制度とは公立学校系列を指す。 也 誠 藤 後

(5)

総 合 制 中 等 学 校

(I)

(229)

13)Elcvc■ Plus ExaminatiOnと 称され

,将

来のエ リー ト層選抜の手段である。

T.Burgcss i A Guide tO English SchOOls, 1964, P Plo5-108 P.E.VernOn (cd.)デ ScCOndary SchOOl sclectiOn, 1957, P P45∼ 54

(4)Halr our ruturc_― A rcport Of thc Ccntral AdvisOry cOuncil fOr EducatiOn(NcwsOm Rcport),19 65, P P10--26, P P98-― 刊08

脩)1954年においては

,各

地方教育当局 ごとのグラマー ●スクール定員の

,該

当年齢層 中 に 占 め る割合 は

,

Gatcsheadの ワ

%を

最低に

,WcstmOrlandの

42%ま での開きがあった。また,WcstRidingにおいては

,

同一地方教育当局内で も

,地

域によって15∼40%の 開きがあった。この比率は最近まで変 らず

,

む しろ 出

生数の増加で

,低

下 しているとも言われている。

P.E.VcrnOn (cd.)i ScCondary SchoOI SclcctiOn, 判957, P17

(6)15to18-A rcport Of thc ccntral AdvisOry Council fOr Education(CrOwthcr Rcport),v。 l11959,vol l1960

(7)Half Our Futurc(NcwsOm Report), 1965

)「

後藤誠也;初等教育制度の変遷」―川野辺敏

,新

井郁男編 :世 界の初等教育

,1966

私 はこの中で,ヨ

ーロッパ諸国の学校体系の変化の過程についてのモデル的な考えを出しておいた。それは

,公

教育制度 の 発展 とい う枠組み内でのモデルであ り,その中での複線的要素の残存形態である。

(9)L。 ■dOn Times 29 Apri1 1964

t0 1%5年

のニ ューザム報告に示されている見解である。その見解と改善への勧告は

,次

の考え方に 基づいて いる。この報告は,15∼16歳の平均および平均以下の能力の生徒の教育のあるべき姿についての文相諮問 に対する答申である。「 これ ら平均以下の能力の生徒も

,機

会 さえあたえれば

,急

速に発展する経済 の要 請にこたえて くれ るであろう。イギ リスは将来

,産

業の発展に従 って

,現

在よ りもっと大きな才能の 供給 を必要とす る。少な くとも平均および平均以下の能力の生徒の大部分は

,教

育如何によって,こ れ ら才能 の供給源とな りうるものである。……」

10

労働党が1964年の選挙の公約として

,「

私立学校であるパ ブ リック・ スクールを

,公

教育制度の中に 導入 する方策を考慮する」 とい う政策を一つかかげた。その後,1965年 に「パブリック・ スクール委員会」 が 発足 したが

,具

体的組み入れ策はまだ決定されていない。

2.11歳

選 抜 試 験 ―― エ リー ト層 選 抜 法 ―一

(1)選

抜 の 手 続 き 公立 中等教育制度の再編成をめ ぐって問題 とな っている

,11歳

試 験 について少 しふれてお くこと にす る。 11歳試験 は

,多

くの場合

,初

等教育最終学年で行なわれ る筆 記試験 か ら成 って い る。 試 験科 目

,知

能検査 と国語

,算

数 の学力検査で あ り

,そ

の成績 の合計得 点 の順位 によ って

,グ

ラマー ●ス クール進学者 を選抜す る

,と

い う手続 きにな っている。 1944年 教育法 においては

,初

等・ 中等両教 育段 階の年齢区分 を

11+歳

と しているのみで

,原

則 と しての タテ割 り制 中等学校へ のふ りわ け方法 につ いて は

,別

段 の規 定 を行な っていない。11歳 試験 は

,一

つ には

,1944年

以前 に行 な わ れ て い た

,旧

制 グ ラマー ●ス クール入学者 に対す る奨学金試験 の継承であ り

,一

つ には

,1944年

教育法成 立 の基礎 にな った

,能

力・ 適性 の型 と水準 に応 じて

,異

な った教育を行 な うため に

,そ

れ らを測艘

(6)

(250) す べ きで あ るとい う方針の具体化 と考 え られ る。 選抜 の具体的方法 は

,各

地方教育 当局 の 自由に委ね られてい る。いま

,一

般 的な選抜 の過程 をあ げれ ば次のよ うにな る。 まず選抜資刈 として は

,前

記三種 の検査の合計得点 による成績順位 が最 も重視 され る。 この試験 は

,多

くの場合

,初

等教育最終学年 の二月か二月 (学年末 は七月

)に

一 回のみ一 日で終 る。形式 は 筆 記試験 。受験者 の年齢幅 は10歳

6ケ

月 か ら41歳

5ケ

月未満。地方教育 当局管下 の公立学校在学 の 当該年齢児童は

,こ

の試験 に出席す る ことが義務づ け られている。欠席者 には後 日同様 の試験 が課 され る。試験 の運営 は

,各

地方教育 当局 が単位 とな って行な う。実際の試験実施

,採

j粗

点 の標 準 化作業等 は

,児

童 の担任教 師が行 ない

,そ

の結果 を地方教育 当局 に送 る。 そ こで採点の審査 と修 正 が加 え られ

,三

種 の検査の合計得点が算 出され

,そ

の結果

,成

績順位表 が作成 され る。 この順 位 表 によ って

,中

等教育委員会の下部組織で ある試験委員会が

,選

抜 にあた る。 まず無条件 で グ ラマ ー ●ス クール に進学 を許可す る子 どもを決定す る。 これ は

,順

位表 に境界線 を引 くことによ って き め られ る。 この境界線 は通常 グ ラマー ●ス クール定員数 よ り多少少 なめの と ころに引かれ る。 この 境 界 線の順 位 以上 は無条件 で あ る。境 界線順 位 と定 員数 との差 の

2倍

の児童 は

,

境界児童 と 呼 ば れ

,そ

の半数 が

,さ

らに別 の資料 の検討を経た上で

,進

学 が許可 され る。 それ らの資料 とは

,小

学 校 の校長 か ら提 出 された

,当

該学年 の全児童 につ いて の 内申書

,児

童 の学習 ノー トな どがあ り

,場

合 によ って は

,当

該児童 の在学す る学校の他の児童 との比較がで きるよ うな

,特

別 の報告書 の提 出 が

,小

学校長 に求 め られた りす る。 また

,論

文 テス トを合む追試験 が課 された り

,面

接 が行 なわれ た りす る場合 もある。 14歳試験 は本来

,中

等教育段階に進学す る児童の要求 や

,知

能 水準

,適

性 の型等 を把握 して

,最

も適 した型 の中等学校を選 ばせ る手段であ った。 しか し

,知

能 および学力検査 の成績 順位を重視 し す ぎた ことと

,順

位 の最上位 か ら無暴件 で グ ラマー ●ス クール に進学 を許可 して きた こと とで

,グ

ラマー ●ス クール進学者 を選抜す る手段 と見な され るに至 ったのである。 121 11歳 試験への批判

(a) I.Q.十

会階級 と教育 の機会一― 一般に,刊1歳試験の知能検査で

,I.Q.120以

上であれば

.無

条件でグラマー ●スクールヘの進学 資格があるとされている。 このように

,エ

リー ト層選抜を

,I.Q.を

基礎に して行な うことの 公 正 さ

,正

確 さへの信頼は

,C.Burt等

の心理学者の主張を背景 とするものだ った。(り `知能検査 は人間の生来の能力を測定するものである。生来の能力は

,個

人にとって固定的であ り不変 で あ る。従 って

,測

定された知能には信頼性がある。

"1920年

代か ら

,旧

制度の中等学校だった グラマ ー・ スクール入学試験に

,知

能検査が導入 されたのも

,こ

うした考え方に基づ くものだ った。 11歳試験批判は

,選

抜の資料

,方

法の妥当性に関する研究か らはじまったが

,そ

の過程で

, I.

QIの

解釈 と社会的意味づけが

,特

に問題 とされたのである。 也 誠 藤 後

(7)

総 合 制 中 等 学 校

(I)

(%1)

1955年

,B,Simonに

よ って

,C,Burt等

以来 の

,11歳

生来知能測定可能説 に批判 がな された 。 そ してそれ は,I。

9_.を

基礎 に

,子

ど もの能力の型 と水準を分類 し

,

それ に対応 して異 な った学 校類型 に分化 させ ることへの疑義を提示 した ものだ った。(2)知 能検査その ものは

,選

抜 の資料 とし て妥当性は低 くないが

,生

来の能力を測定するものではない し

,

結果 としての

I.Q.の

性格に , 考慮すべき問題点があるというものだ った。

.

1950年代の後半 になると

,こ

れに従 って

,い

くつかの研究結果が公表 された。それ らをまとめる と次のようになる。 ①生来の潜在的能力は測定不可能である。 もし

,測

定可能 としても

,一

般的能力であ って

,個

人 に特有の才能・ 適性等は把握不可能である。 ②生来の能力 と学習結果 としての能力 とを

,明

確 に区別

,測

定することは不可能である。 ①学習結果 としての能力 も

,個

人をとりま く教育的環境

,従

って家庭の社会的・ 経済的条件の差 によ り

,開

花・ 結実の程度が異なる。 ①

I.Q.は

,生

来の能力 として測定 されず

,む

しろ学習結果および練習の 効果 として 測定 され る傾向が強い。従 って

,学

習への動機づけ

,学

習への援助を豊富にうける中流階級に高 く

,そ

れ ら の少ない労jul者階級 。下層階級に低 く表現 される。 ③学力検査は

,学

習量

,練

習量の影響を

,I.q.ょ

り強 くうける。 ①学習量

,練

習量という要因を消去 したあとでも

,エ

リー ト層選抜には

,社

会経済的条件がか ら んで くる。児童の総合評価に階級的要因が持ちこまれる。 ① 結果 として11歳試験は

,恵

まれた教育的環境を有す る中流階級の

,グ

ラマー ●スクール進学 をよ り有利 に しているc ①

I.9_.は

階級差を拡大せずむ しろ平均化の機能を持つにもかかわ らず

,

それを合む11歳 験 は

,階

級分化を拡大する機能を果 している。選抜が

,教

育的条件のみの考慮か らでな く

,社

会経 済的要因を持ち こんだ上でなされているのである。 1944年教育法施行以来

,労

働者階級か らのグラマー ●スクール進学者は順調に増加 して き て お り

,そ

の点では

,労

働者階級に対する教育機会は

,逐

次拡大の度合を高めてきたと 言われ て は い る。(3)しか し

,ま

だ現行の選抜の実態は

,労

働者階級に比べ

,中

流階級に不逆に有利であると見 ら れている。知能検査が

,労

働者階級の能力を低 く評価 しがちであるという条件を除去 して も

,

な お

,中

流階級に有利な選抜が行なわれているのである。

Vcrnon等

の調査研究は

,次

のよ うな例証 をあげている。(1)現行では

,該

当年齢層の

20%が

グラマー ●スクールに進学可能 と仮定 した時

,中

流階級の うちの

59%が ,ま

た労働者階級の うちの

15%の

みが

,そ

の トップ

20%の

群 に入 ることにな る。 これは

,I.Q.ト

ップ

20%の

中で

,中

流階級は

,約

40%を

占め

,労

働者階級は約

60%を

占め ることを意味する。 この意味は

,も

,純

粋に I.Q・ のみを基礎 とした選抜が行なわれると

,グ

ラマー ●スクール定員の

60%は

,労

働者階級出身児童で 占め られるはずだということで ぁ る。 ま

(8)

(252) た

,中

流 階級 と労働 者 階級 との構成比率 は

20%:80%と

な ってい る。 ここか らは

,も

し労働者 階級 が グ ラマー ●ス クー ル定員の

60%を

占めた と して も

,全

体構成 比か らは

,低

く押 さえ られて い るこ とも言える。 このよ うな事実 が

,現

実の選抜結果 にあ らわれていないのは

,階

級的要因が, I・ Q・ へ の影響以上 に

,選

抜 の過程 に影 響を及ば している と考 え られ るか らである。

J.F10udに

よれ ば

,グ

ラマ ー ●ス クール の教育を うける機会の多寡 は

,児

童 の父親 の社会的地位 の高低 に依存 して いる とい う。(5)こ の ことは

,労

働者 階級 の子弟の多 くが

,グ

ラマー ●ス クールヘ の奨励 を家庭 か らうけていない ことか ら

,選

抜試験 に対 す る適 応性 の弱 さを示 して いよ う。 もち ろ ん

,労

働者 階級 の学校教育へ の期待 と社会的上昇への意欲 の弱 さが

,教

育機会を 自ら閉 ざ して い る で あ ろう。更 に経済 的条件 が早期就職の強要 と社会的上昇への基盤 の欠如 で実質酌 に不可能 な こと が

,教

育機会 の利 用 に

,

自 ら制限を加えてい るであ ろう。 しか し

,学

校 教育 が

,

ともすれば

,中

流 階級 の行動様式 と価値体系をよ り重視 し

,そ

れ に合致 してい る ものに

,高

い評価 をあたえる傾 向の 強 い こともた しかで あ る。 この行動様式 と価値体系 に適応で きない者 は

,従

って低い評価 をあたえ られ る ことにな る。 しか も

,こ

れ が

,潜

在 的能 力 とは無 関係な次元 で行 なわれ る場合が多 いのであ る。子 どもに対す る教fRlのこう したバ イアスは

,労

働者 階級 に必然的 に学習への意欲

,学

習 の到 達 度を

,低

く押 さえつ けることにもな っている。 この結果 は

,14歳

試験 における境界児童判定 の際の I伺申書 と

,11歳

試験 の予備選抜段階 といわれ るス トリー ム

(Strcam―

能 力別編成

)組

織 に具体的 lfあ らわれ る。選抜資料 あるいは境界児童判定のための教団fの内申書 は

,I.Q・

と同程度の妥 当性 を持つ もの とされて きた。 しか し

,

こ ゝに記載 された評価 は

,前

述 のバ イアスを 合む もの で あ っ た。 中流階級 は

,態

,ふ

るまい

,言

葉づ かい

,服

装等 によ って

,能

力以上 の見 かけの高 い評価 を あたえ られ がちで あ った。 これが

,境

界児童 の中か ら中流 階級 出身者 が多 く選抜 され る傾 向を生 み 出す ので ある。 ス トリー ム組織 は

,小

学校後期

(JuniOr schoo1 7∼

14歳

)か

らは じめ られ る能 力別編成 で

,グ

ラマー ●ス クール選抜 の予備段階 と言われて きたc(6)こ の組織 は

,教

師 によ る評価 と国語・ 算数 のテス ト結果で形成 され る。 この時の教師の判断 に

,先

のバ イアスが持ち こまれ るの で ある。 トップ レベルの

Aス

トー リムは

,11歳

試験 の成 功 を保証 され る性格 を持 って いた。 し か も

,一

度 どれ か のス トリー ムに組み入 れ られ ると

,ス

トリー ム間の移動 は不可能 であ った。多 くの 場合

,Aス

トリー ムには

,中

流階級 の子弟 が順次組み入 れ られてゆ くのであ った。 こうした階級差 による見か け上 の評価 の差 と教育的環境差 とが

,階

級 によ る教育機会 の拡大 と制 限 とを生 み 出 して いた。 もち ろん地域的にみれば

,そ

の 地域の階級構成 の時間的変化

,階

級構成 比 の差

,経

済状勢 の変化等 が

,労

働者 階級のグ ラマー ●ス クール進学者数 を増減 させていたの も事実 で ぁ った 。(7)し か し

,こ

う した個 々の地域 の特殊性を捨象 した時

,一

般 的 には

,社

会階級 の差 が, 学 校教育 の シス テ ムの中で

,労

働者 階級のグ ラマー ●ス クール教育への機会 に制限を加 えていのた で ある。 教育機会 の拡大 は

,こ

うした中で

,単

な る斉一性

,同

じ教育 を うけることで と らえ られず

,個

人 也 誠 後

(9)

総 合 制 中 等 学 校

(1)

(255) が 持 ってい る能力 を

,十

分 に開花で きる教育 を平等 にあたえる ことの意味にと らえ られて きた。現 令 の11歳 選抜 は

,こ

の意 味での教育機会 が

,社

会 階級 によ って不平等 に しかあたえ られていない, と考 え られて きたので あ る。

(b)選

抜 の妥 当性十一早 期学業放葉者 と能力の浪費―一 上述 のよ うな研究 と同時 に

,選

抜 後の追跡研究 は

,異

な っ面 か ら

,14歳

エ リー ト選抜 に対す る間 題 点を明 らか に して きた。 い くつかの研究調査 は

,11歳

選抜 の誤差 が

,10∼ 14%に

ものば る ことを明 らか に した 。(3)グ ラマ ー ●スクール進学者20名 の うち

, 6∼

7名はグ ラマー ●ス クール教育 を うけるに適切でない能力の 持 主で あ り

,そ

の反面

,モ

ダー ン ●ス クール進学者 の中の同数 の者 は

,当

然 グ ラマー ●スクール に 選 抜 され るべ きものであ った ことを示す といえた。 また

,11歳

試験 の順位 と

,16∼

18歳 にお ける

,大

学入学資格試験 であ る

G,C.B試

験(。)合 格結 果 との相関を検証 した調査 もあ る。(10)グラマー ●スクール入学者 を 順位 に よ って

5群

に 分 け た 時

,14歳

試験 トップ群で

,16∼

48歳時

G.C.E.試

験 失敗者 は

26%に

のば り

,逆

, 11歳

時最下 位合格者群で

G.C.E.試

験 に好結果 を得 た者 は

51%と

い う結果 にな っていた。 これ らの結果 は

,11歳

時測定 の能力 は

,年

齢 が進む に従 って形 を変 え

,個

々の子 どもの港在的能 力 が開花 して くる ことを示 している。そ して また

,14歳

時 の能 力把握 は

,十

分 な予測的妥当性 を持 っていない こと

,11歳

時 エ リー ト層 選抜 は早期 にす ぎることを も示 して いる。 もち ろん

,こ

の よ うな学業 の到達度が,階級 によ る影 響を うけてい る ことも,見逃 す ことがで きな い。せ っか くグラマー ●スクールに進学 して も

,労

働者 階級の子弟 は

,学

業成績 評価 は低 く

,義

務 教 育年 限終了 とともに学校を離れ

,何

らの資格 もとらず に社会 に出てゆ く者 が非常 に多か った。(11) 義務教育終了15歳 時 に学業 を放棄 し

,G.C.E.試

験受験 を あ き らめ る生徒 の比 率 は

,

中 流 階 級 で は当該年 齢層 の

25%で

あ るのに対 し

,熟

練労働者 で は

78%,半

熟練 労働者で は

85%,非

熟練労 働者では

92%に

ものば る。彼 らは

,学

問的能力 の欠如 で成績が あが らず 学業 を終結 す る の で は な く

,潜

在 的能力 の発 現 へ の奨励

,援

助 が

,グ

ラマー ●ス クール の中で

,十

分 に行 なわれなか った た めで ある(12)とぃ ぅ。 これ に対 し一つの証拠 がある。 イギ リス陸軍 の徴兵 の際に

,推

,

技能

,

,言

語 の領域 を合 む客観 テス トが行 なわれ た。 その結果に よ って能力 を

6段

階 に分 けた。 トップ

lo%を

I群

,次

20%(最

上位 よ り19∼ 50パ ーセ ンタイル

)を

1群

と した時

,16歳

まで に学業 を終 結 した者 は

, I群

42%, 1群

で は実 に

87%に

達 していた。 しか も

,そ

れ ら16歳 学業終結者 の多 く は労働者階級 出身者で あ った。3)とぃ ぅ。

I群

は当然大学教育 を うける可能性を 有す る 能力 の 持主 で あ った。 この ことは

,手

段 を講ずれば

,開

発 されて社会のために寄与で きたはず の能力 を

,無

為 に放置 していた ことを意 味 していた。将来 の社会 に

,大

きな寄与をなすべ き能力 を教育 すべ き目標 を持つ グラマー ●ス クールが

,目

標達成 に必要な措置 と教育 とを

,行

な っていなか った と考 え られ るので ある。労働者 階級 の早期学業放棄者 の多 くが

,そ

の よ うに行動 した ことに悔 いを示 していな

(10)

(254) い ことも

,グ

ラマー ●ス クール の中に

,労

働者 階級 出身者 の要求 を満た し

,

しか も

,彼

らに学業継 続 の魅力 を感 じさせ るものがなか った ことも

,ま

たた しかな ことと考 え られ るのである。 グ ラマー ●ス クール教育 は

,第

2エ

リー ト層養成を重視す るあま り

,進

学者全 員 に対 す る能 力開 発 が十分でな く

,む

しろ能力の浪費を多量化す るとい う形で

,階

級洵汰 の機能 を果 して きた とい え る。 このよ うに

,中

等学校 の分離 主 義 は,ηl歳試験 で能力の第一次浪費を行ない

,量

を限定 した グ ラ マー ●スクールにおいて

j第

二 次の能力浪費 と二克の ロスを重ね

,そ

の過程 で労働者 階級 出身者 を 淘汰 してい るもの と言 えよ う。 その意 味で

,イ

ギ リスの能力開発 と確保 は

,特

定 社会 階級 のみを母 集団 と し

,

自 ら

,活

用で きるはず の能 力 を放置す るよ うな教育 体系 を保持 して きたので あ る。 この 面 か らも

,制

度改革 の必要 があ ったので あ る。

(3)改

善への方 向 以上 の よ うな研究結果 や調査事実 は

,11歳

試験 とそれ に ともな う二課 程制 の中等学校 の あ り 方 に

,何

らか の改革を必要 とす るとい う機起 を

,教

育行 政関係者 や世論 の中にな き起 して ゆ く得とに な った。

Vernon等

,彼

らの研究結果 の しめ くくりとして

,①

能 力の型や水準 によ って

,子

ど もたちを 正確 にそ して完全 に分離す ることは

,11歳

時 で は不可能 で ある。 ま して

7歳

時で は論外 で あ る。 そ れ故

,子

ど もの能力

,興

味のち がいや

,次

第 に表面 化す る能力

,興

味 に見合 うよ うな

,柔

軟 な コー ス分化を考慮せねばな らない。②あま りに早期の

,

しか も厳密な コース分化を避けるためにも

,学

級内の個別指導

,小

集団指導の一層の発展を望み

,多

数の親たちに歓迎 されるよ うな

,グ

ラマー ● スクール的な多様な中等教育 コースが

,拡

充 されることが望ま しい。③現行制度を 維持 す る 場合 は

,

コース間の移行が容易であることが必要である。①ll歳時児童に対 して と同時に

,12歳

∼16歳 生徒に対 して も

,診

断的な手段 として

,道

性・ 学力等を広範に開発 し

,結

実 させ るための研究が必 要である

,等

の意見を出し,(14)中等教育改善の一方向として

,

総合制中等学校の設置

,

発展を 示 唆 している。$5)も ちろん

,総

合制中等学校においても

,生

徒の進路に対する 診断と指導が必要 で あることを強調 してはいるが。

VCrnOn等

の提案に見 られるように

,①

児童の進路決定の時期 としては

,11歳

はあま り に も 早 すぎる。②ただ一回の試験で

,個

人の将来を決定 して しまうのは不当である

,と

い う点は

,今

日に おいては

,教

育関係者の共通の考え方にな っている。それに加えて

,実

質的な教育の機会均等が実 現 されないのは

,凱

行中等学校のあ り方に起因するとい う考え方 も

,世

論の中に深 く浸透 しはじめ ている。 このような状況か ら

,各

地方教育当局では

,1960年

代 に入 って各種の改善 に努めよう と して い る。それ らは次の二つの方向にまとめ られよう。①現行制度は維持する。ふ りわけの方法に改善を 加えて選抜の妥当性を高めるようにする。②現行制度は維持する。モダー ン ●スクールにも大学進 ´ 誠 藤

(11)

総 合 制 中 等 学 校

(I)

(%5)

学 コースを設置する。③畳行制度を改革 し

,11歳

選抜試験の廃止を合む

,総

合制中等学校制度を採 用する。 全国教育研究財団

(N.F.E.R.)の

1964年 1月の調査 に(16)ょれば

,

現行制度改革を考慮 して

1.

中等教育再編成の動向(1964年

)

ぃない 地方教育当局数は

,約

50%に

すぎ

1県

の 総 数

145(1000)

2

改革を計画中

1 52(224)

5

裏要七

Xを

ヘンシブ

・スク

1

(65,9)

4

コ ンプ リヘ ン シブ・ ス クールの設 置 を

1 29(200)

;I FT

5

レスが シャ・ プ ラ ンをすで に採用 した

1 3(55)

る レスがシャ・ プランの採用を計画

1 28(19,5)

7

lr}す

)る

1 42(29,0) な い (■

)時

事通信内外教育版,呂イイ和59年10月 50日号による ない。 そのほかは

,す

で に総合制を実施 し て い るか

,あ

るいは計画 中の ものであ る。 1964年 は じめまで に

,14歳

試験 を管下全域 にわた って廃止 しているの は,Anglcscyと B radfordで ぁ ったが

, L ondon力

式, 1965 年 か らこの仲間入 りを した。全 国教育研 究 財団 で は

,

この結果

,

この調査 報 告書 の投 後 で次の よ うな意味を述べて い る。 「1960 年 の調 査報告書 には

,11歳

試験 が廃止 され るか

,根

本的 に改革 され る見通 しはほ とん どない と述べていたが

,…

…凱在では

,多

くの地方教育 当局 が

,11歳

試験 の必要がな くな る形での 中 等教育制度に改革 しよ うとしている。今 なお多 くの地方教育 当局 は

,11歳

試験 の存続 を考 えてい る。 これ らの地方教育 当局の多 くは

,ふ

りわ けの方法を改め る こと

,面

接 のよ うな方 法 や学 カ テス トを廃止す ることで

,小 ¥校

教育への望 ま しくない影響を除去 しよ うとしてい る。 しか し

,凱

状 で は

,ふ

りわ けの方法 を改善す るだけでな く

,ふ

りわ けを必要 と して きた教育制度その もの を

,改

革 しよ うと考慮 してい る地方教育当局が多 くな って きてい るのであ る。」 と。 現在 において は

,11歳

試験 の廃止

,ふ

りわ けの廃止 が

,グ

ラマー ●ス クール進学者退抜 の最良の 方 法 で あ り, これ に基づいた中等教育 制度 に再編成 し直す ことが

,教

育 の機会均箸 を実質 的 に実現 す るため に も

,将

来 の能 力開発の効率化を1/E進す るために も

,最

良 の方法 であ ることが

,当

然 の こ と として考 え られ るよ うにな ってい るので あ る。 注

(1) P. E. VcrnOn (cd.)i SCCOndary School SclcctiOn, 1957, P42 (2) B, SiFnOn,Intcnigcncc Tcsting and thc Comprehcnsivc SchOol, 1955 (3)D.V.Glass(Cd,);SOCial Mobility in Britain,1954

J. Floud ct al.; Social Class and Educationa1 0pPortunity, 1956 B. JaCkSOn and D. Marsdcn ; Education and thc,Vorking Class, 1962

(4)P, E. VcrnOn(cd.);Ibid,PPlo9--110

(5)D. V。 (}lass(Cd.);Ibid. chaptcr 5`Thc Educational Expcricncc of thc Adult Population as atJuly 1949' by J.F10ud

(12)

(256)

R.Pcdlcy ; Thc COmprchcnsivc SchOOl, 1%4, PP17-18

F.Campbcll ; Elcvcn Plus and All That― ―Thc GrattHner SchOOl in a Changing Society, 1956 `EnvirOnmcnt and COmprchcnsives' by J.EgglcstOn, EducatiOn 28」 anuary 1966

15to18(CrOwthCr RcPOrt),V。 lI, 1959, P72 P,E.Vcrn。■(cd,),I bid, PP75-76

D.A.PigcOn and A.Yatcs i AdH ssion tO Cranimcr Schools, 1957

Gcncral Ccrtificatc of Education(一般教育修 了証

)試

験 と呼ばれ る。この試 験 は, 中等教育修 了試験

で あ ると同時 に大学入学資格 をあたえ る試験で もあ る。 これ には

,上

級 (Advanccd一

A)レ

ベル と 普 通 (Ordinary―

O)レ

ベルの二種類 があ り

,教

,科

目を選択 して受験 す る。前者 は18歳時

,後

者 は16歳時 に受験 す るのが一般 的で あ る。大学入学 のためには

,合

計5∼ 6澪目以上,う ち2科目以上 はAレベル 合 格 で あることが最低要件 とな ってい る。同時 に就職 資格 と して も高 い評価を うけてい る。 この試験 が対象 としてい るものは

,

トップ約2o%の能力の生徒で あ って

,程

度 はかな り高 い と言 われてい る。 さて

,本

論で好成績 と表現 した群 は,16∼18歳で

,す

で に

G.G.E.Aレ

ベルを最低2科国は合格 し てい るか

,Oレ

ベルで5科目以上合格 し

,学

業を終 えた者 を指 し

,失

敗者 とは

,0レ

ベルで2科目以下 し か合格 しなか った者,もしくは

,全

然取得せ ず に学業を断念 して しま った者 を指 す。

Early Lcaving― ―A rcport Ofthc Central AdvisOry Council fOr EducatiOn,19剛 PP18-19,TablC7.P7″

具体例 につ いて の検討 は

,R,Pcdley:Thc COmprehens

c SchO019 1964,PP95工 1081こあ る。

15to18(CrOwthCr Report)vol I Tablc4 P9, volI TablC la Pl18 Early Lcaving PP88-94

Crowthcr RcPort volⅡ PP22-55, PP154--157

Crowthcr Rcport vol I PP8 9, P l19

P.E.Vcrnon(cd.);Ibid.P169 1bid P49 時事通信一 内外教育版 第1600号 昭和59年10月50日によ る。

5.総

合 制 学 校 へ の 再 編 成

(1)総

合制学校 の発足 総合制 中等学校 は

,1945年

以後

,イ

ギ リス中等学校の一類型 として発足 した。 当初 この類型 は, 生徒数

,既

存校舎 の利用等 の地域 的条件 によ って

,1944年

教育法 に示 された三種 の学校類型を設置 す ることが

,経

済 ベー スに乗 らない時の便法 として考 え られたよ うだ。 しか し

,そ

れ とは別 に

,

こ の便法類型 に

,新

しい教育実験 の可能性を も合ませて

,発

足 させ よ うとした地域 も あ った の で あ る。 現行 の中等教育三本建て制度は,1926年 のハ ドー報告

(HadOW RcpOrt)の

勧告 に従 った中等教育 移行年 齢11歳 と

,そ

の後の1958年 のスペ ンス報告

(SpcnS Rcport)ぉ

ょび, 1945年の ノー ウ ッ ド 報 告

(Norwood Rcport)の

二課程制勧告 に沿 ってで きあが った と見 られてい る。スペ ンス報告 は

,異

な った適性 と異 な った知能水準を持つ子 どもたちのために

,

三種 の学校類型

(accadcmic,

tcchnical,general)を

設置す る ことが望 ま しい

,と

い う意志 を公表 した。 この考 え方 はノー ウ ッ 也 側 ⑫   硼 側 的 田

(13)

総 合 制 中 等 学 校

(I)

(257) ド報告で も再確認 され

,同

年 の教育院 (文 部省 の前身

)の

教育 白書 に大 きな影響 をあたえた。(1)白 書 は

,中

等教育 の原則 的学校を

,三

種分立 の型 にすべ きことを提示 したのである。 1945年 になると労働党 の内閣 が組織 された。 この時

,中

等教育 が

,異

な った 目標 と異 な った教育 期 間の二種の学校類型 を持 ち

,子

どもは能力の型 と水準 とによ って

,そ

のいずれかにふ りわ け られ る制度が推進 され よ うと してい た。 このよ うな制度に対 し

,平

等 を テーゼ とす る社会主義政党の身 働 党 は

,必

らず疑間を持 ち

,是

正 のための措置を行な うであろうと一般か ら期待 されたのである。 しか し

,こ

の制度 に対 し

,党

内で も疑間をいだ く者 はご く少数 で あ った。党幹部で

,

この問題の重 要性 に気づ く者 はなか った。 とい うよ り

,問

題 とす る必要性がない と考 え る者 が 多か った の で あ る。14歳 試験 の廃止を合む中等教育の再編成 が

,労

働党の教育政策 の中にと り入 れ られ るには

,19

55年 の総選挙まで待 たねばな らなか ったのであ る。(2)1945年 当時 においては

,保

,労

働両党の 教

育政策はまだ

,大

改革だと言われた

1944年

教育法の目的実現のために

,教

育体制を整備 してゆく方

策を考慮 していた

,と

いう点で共通なものであった。

1945年

,労

働党内閣時代

,文

部省か ら出され

た資料

(国

民の学校)に おいても

,ま

た同年

12月

?通達においても,中 等学校の新組織に関する政

府 の見解 として

,三

本建 て方式を原則 とす ることが主張 されていたのであ った。 こうした状況 の中で も

,1945,46年

には

,す

で に

London,westHa m,Montgomcryshirc,

Man島

等 の一 部地域 には

,総

合制学校 が発足 して いた。また

,そ

れ よ り

2∼ 5年

後 に な る と ,

LOndonの

他 の地域

,Middlescx,cOvcntry,WcstRiding等

の地方教育 当局では

,近

い将来 , 総合制学校を設置す る方針を決定 していたのである。 これ らの地方教育 当局 は

,教

育 の機会均等の 実凱を明確なね らい と して

,総

合制学校の設置を考慮す るところにきていた。 これ らの地域は

,比

較 的労働党の勢力の強い地域であ ったためで もあろうが

,1944年

教育法 に示 された中等学校のあ り 方 に対 し

,早

くか ら疑問を持 っていた地域で もあ った。 その具体的な解決案が

,総

合 制学校 によ る 教育 とな ってあ らわれ

,実

験 的 に採用 しよ うとい う姿勢 を と らせ るに至 ったのであ る。 1946年 以後

,保

守党政府 の政策 によ って

,11歳

試験 の強化を合む

,三

本 建 て制度の原則 が推進 され よ うと し て いた。 このよ うな状況 の中で

,前

記 の地方教育当局 は

,実

際 に総合制学校を発足 させ ることによ って

,確

立 されてゆ く三本建て制度への批判を

,実

証 的 に行なお うと していたのであ る。1948年 に 公表 された

WcstRidingの

発展計画 は

,次

のよ うに述べてい る。(3) `敦育委員会は,,… …これまで諸種の報告書や文部省通達に示され

,意

味づけられてきたい くつかの示唆を , うけ入れることができないと判断した。たとえば11歳児童は

,一

般に承認されている三つの知能類型に区分 し 得るし,それぞれ,その知能の型に対応するグラマー,テクニカル,モダーンの三つの型の学校にふりわけら れねばならない。…………それらの学校のいずれかに行 くべき児童数は

,地

方教育当局の事情によって,当局が 任意にきめた比率で■りわけ決定すべきである。…………11歳児童は

,彼

らがふ りわけられるべき中等学校の型 に

,適

切だと信 じうるだけの適性を示すに足る年齢に達 している。これ らの点については

,同

意 しがたいもの と判断した。 このよ うに

,総

合 制学校 は

,発

足 の当初か ら

,学

校類型 として も

,設

置 の 目標か らも

,1944年

(14)

(258) 育法 の精神への批判 とい う形態を示 していた とい うことがで きる。

WcStRidingの

計 画 に も明 らか な よ うに

,総

合 制学校 は

,理

論 的根拠 を持 った11歳 試験 批判 が公表 され る前 か ら

,11歳

時能 力判定 の時期 尚早

,お

よび能力を三種の学校類型 に従 って分類す ることの不可能事 を認識 した上 で

,計

画 されて いた とい うことがで きる。 それ故

,1950年

の後半 において

,11歳

試験 批判 の底 に常 に総合 制 学 校 の イメー ジが あ ったのだ

,と

言 い うるのであ る。

(2)総

合制 中等学校の教育9) 総合制学校 は

,1950年

代 に入 ると

,急

速 にその数 を増加 して きた。総合制学校 は

,①

一定 の通学 区か ら

,②

あ らゆ る能 力・ 適性・ 要求 を持つ 11∼ 18歳 年 齢層 の子 どもたちを

,一

つ の学校 に集めて

,③

それぞれの子 どもたちの能力・ 適性・ 要求 にかな った教育 をあたえ

,①

それ らを

,個

人 ごとに 十分 な程 度 にまで仲 ば してや ることを 目標 と してい る。従 って

,総

合 制学校進学 には選抜 試験 はな い。小学校修了者 は

,

自動的 に通学 区 内の総合 制学校 に進学す るとい う方式 にな る。 11歳 で総合制学校 に進学 した者 には

,多

くの場合

,最

初 の

2∼

5年

間 は基礎課 程 と して

,共

通 な 教 育課程 があたえ られ る。通常その教科 目は

,国

,数

,歴

,地

,芸

,利

,体

,音

楽 技能 科 (男

),家

庭科 (女

),宗

,

フ ランス語等の外国語

,場

合 によ って は第

2外

国語 が課せ ら れ ることもあ る。最 も能 力の高 い生徒群 に は

,特

別 に ラテ ン語 が教育 され る。

VcrnOn等

によ って批判 されていた ス トリー ム組織 は

,総

合制学校 の中で も行 なわれて い る。 し か し

,そ

の扱 いは

,従

来 の型 の学 校 におけ るよ り柔軟性 があ る。 ス トリー ム編成 の基準 は

,小

ヤ校 在 学 中の学業成 績 に求 め られ るが

,ス

トリー ムは固定 されず

,最

大 限

1年

とい う翔j間を も って編成 替 え されてゆ く。教育 内容 は

,そ

れぞ れの ス トリー ムに適 した形で

,質

の高低

,量

の多寡 が多少 と も加減 されてい る。 これは

,そ

れぞれ の能力の生徒 に最 も適 した内容 と教授方法 を採用 して

,そ

れ に よ り

,個

々の生徒 が

,

自己のペースで能 力 を高 めて ゆ くことを期待 して い るか らで あ る。 このス トリー ム組織の柔軟性 は

,セ

ツテ ィング (sctting)の 導入 を可能 と した。 これ は

,

教浴│ ご とによ り発揮 され る能力を集めて

,等

質 的な組編成 を行 な う方式で

,ス

トリー ムの学級単位能 力 別編成 に対 し

,教

科単位能力別編成 で あ る。平 均以上 の能 力 の持主を封象 に,数学,外国語

,国

語, 科学 の

4教

科で

,ス

トリームを科 日ごとの能力別編成 に変 え る方式 である。 この方式 は

,総

合待も学 校 の よ うに大規 模な

,教

員数 の多い学校 で よ り容易 とな る。 生徒 は

,年

齢 が進む につれて

,そ

れぞ れ個有 の能力・ 適性 を分化 させ

,明

確 に示 す よ うにな る。 これ ら個 々の生徒 の要求 に適 した教育 をあたえ るために

,必

然尚 に コースを多様 に用意す る必要が 起 る。 これ を実現 させ るため に2つの段 階を考 える。 第一段 階 は

,15な

い し14歳 か ら16歳 までの年齢段階であ る。 ここでは

,初

期 の基礎課 程 で の 教 科

,教

育方法 が継続 され るが

,教

科 の比重 が変 え られて くる。 これ は

,発

達 して きた個 々の生徒 の 特 殊 な孝能 や適性 に応ず るためで

,新

しい技能科の科 目が導入 された り

,科

目の組み合わせ方 が少 しずつ異な るコースが多様 に分化 し

,用

意 され る。 誠 藤

(15)

総 合 制 中 等 学 校

(I)

(259)

第二 段 隋は16∼ 18歳 段階で

,第

六学年

(Thc SiXth FOrm)と

呼 ばれ る。 ここでは

,16歳

時 に取 得 した

G.c E.―

Oレ

ベルを基礎 に

,大

学入学資格である

G.C.E。

Aレ

ベル受験 の準備が,

や や専 門化 された形で行 なわれ る。 それぞれの生徒 は

,自

己の適性

,進

路 の方向

,大

学 の要求科 目 に応 じて

,そ

こで開設 され る20近 い講座

,科

目の 中か ら

,い

くつ か を選択 し専攻す る し く み と な る。 総合制学校 は

,以

上 でわか るよ うに

,

コー ス分化の時却jをこれ までの11歳 か ら14∼ 15歳 時 まで延 ば し

,三

本建 て制 度では不 可能であ った コース転換 を

,個

人 の特殊 な能力の開花 に即 して行 なわせ よ うとい うものである。 この学校類型 は

,R,Pcdicyの

言 うよ うに,(5), 初 等教育段階で行 なわ れて い る

,あ

らゆ る能力の子どもを集めて教育す る型 を

,中

等教育 に採用 した もので あ る。 こ れ は

,

コース分化の時期 までは

,あ

らゆ る能力 の者 が

,同

一 学校で相互 に刺戟 しあいなが ら学習を続 け ることによ って

,各

人 の能力の開花が十分 な形 とな ることを却l待してい るのであ る。

総合制 中等

¥校

に類似 した学校類型 に

,二

課 程学校

(Bilatcral schO01),多

課程学校

(Mult

ilatcral SchoOl)があ る。 これ らは

,同

一学校 内に

,グ

ラマー

,テ

クニカル

,

モダー ンの各 ロー スの うち

, 2∼

5の

コー スを持つ学校類型である。形 と しては総合制学校であるが

,入

学時 に11歳 試験 を基礎 に

,そ

れぞ れの コースヘふ りわ けを行 な って お くことが

,三

本建 て制の原則 を具現 して い るものである。 しか し

,同

一学校 内にい くつかの コースがあ るので

,

コース間移行 は

,比

較 的 円 滑 にゆ く利 点がある。総合制学校 は

,

この二・ 多課租学校での11歳 ふ りわ けを廃止 した型 とも言え る。 この二・ 多訪t程学校 は

,最

近 の似向と して

,11歳

ふ りわ けを廃止 し

,総

合制学校への脱皮 を行 ないつつ あ るとい う。 この意味で

,二

・ 多訪t程学校 は

,総

合制学校 の範疇に入 るもの と

,事

実上 は 考 え られて い る。 1964年 1月 現在

,総

合 制学校 は195校で

,二

・ 多課程 をあわせて

264校

,生

徒数 は約25万 で中等 学校生徒 中に 占め る比率 は約

8,7%で

あ る。1965年 1月 においては,総合 制学校のみで

262校

に増加 し

,該

当年齢屈の

8.5%に

増加 してい る。(7)従 って

,二

・ 多課程学校 を加 えれば

,ク

ラウザ ー委員 会 が

,1965年

において

,総

合 制中等学校生徒数 は

11%に

増加 す るだ ろ うと予測 した数 字 に近 い もの とな ろう。(8)

(3)総

合制学校の型 総合制学校 と総称 してい るこの学校類型 も

,

一 種 だ けではなく

,多

くの型 がある。 総合 制学校 は

,当

初 11∼ 18歳 年 齢層 を

,同

一 学校 内に収容 して教育す る型 を原則型 と して発足 した。 この型の 総合 制学校 には

,相

互 に矛盾す る性格の二つの問題 があ った。一 つ は

,規

模 が過大 にな りす ぎると い うものであ った。大学進学資格のための

G.C.E。

Aレ

ベル教育 を行 な う

,

最適規模 の 第六 学年 (16∼ 18歳

)を

設 置す るには

,1961年

当時の15歳 義務教育年限終 了での 進学率か ら 推算 す る

,総

合 制学校の望 ま しい規模 は約5′000とな った。義務教育年限が16歳 まで引 きあげ られた と し て も

,ま

だ1′000∼1′500を 必要 とす ると考 え られた。実際の学校規模 は500∼4′000が 標準規模 なの

(16)

(240) で

,こ

れ だけの母集団 を基礎 とす ると

,最

適規模 の第六学年 を設置す ることは

,経

済 的でない とさ れ て いた。 他 の一つ は

,イ

ギ リス教育 の伝統的な考 え方 として

,学

校規 模 は小 さい ほ うがよい とい う問題で あ った。校長 が

,児

,生

徒 のすべ てを個人的 に熟知 しうる程 度を

,学

校運 営上 の最適規模 として い たのである。総合制学校 は, 1′

000人

前後の生徒数 を収容す ることで

,

この考 え方 を根本的に く ず す もの と考 え られたのであ る。第六学年の最適規模 を中心 に

,総

合 制学校 の型 と規模 を 考 え る か

,学

校運営上 か ら

,第

六学年 の母集団 の規模を中心 に考 えるかで

,総

合 制学校 のあ り方 が異 な っ て くると考 え られたのであ る。 この二つの矛盾す る問題点 を

,両

者 の長所 を と り入 れ なが ら

,妥

協 的 に解 決す る方策 と して

,二

段 階接続方式 (tWO―

tiCr systcm)が

生 れて きた。 この二 段 階接続方式 は

,

段 階移行年 齢を何歳 にす るかで異 な った型 を示す よ うにな った。 このよ うに

,地

方 教育 当局 の実情 に応 じ

,ま

た問題解決の必要性 に即 して

,い

くつ かの変型 が生 ま れていた。1965年 現在 において は

,次

のよ うな

7型

があ ると言 われてい る。(9) ①ll∼ 18歳生徒を,同一学校内に収容 し

,教

育を行なう原則的 寄

12 13 14 15 16 17

な総合制学校。この型が最も多い。

②ll∼16歳の総合制学校 と,それに続 く16∼18歳 の 第六学年

(JuniOr c。 1lcgcまた は SiXth fOrmCOllcgc― ― 進 学 は 無

試験)とい う二段階接続方式。19Й年には じめてCrOydOn で実験が行なわれた型で

Croydon方

式あ るいは Cnd―On

typCと も 呼 ば れ る 。 こ の 型 は,StOkC―Oユ_Trcnt,Darling

tOn,Luto n等で採用 されている。 ③ll∼15または14歳の下級総合制学校 と,それに続 く15または 14歳∼18歳の上級総合制学校 とい う二段階方式。

DcvOnの

Kingsbridgcで 採用されている。この方式は

,総

合制を目的 とした学校を新設す ることな く

,既

存の学校を活用すること ができるとい う利点か ら,多くの地方教育当局に支持 されて いる型である。 ④l%4年か ら

,WCst Ridingで

採用 された三段階方式。(10) これは

,初

等教育

,中

等教育を一貫 して次のような三段階 と し,それぞれを総合制方式 とする型。即 ち

,5∼

9歳 を小学 校

99∼

15歳を中学校 (MiddlC SChool),15∼18歳を総合 制学校 とす る。 これは,初等教育か ら中等教育への移行年齢 を11歳とす る従来の法律が19割年に修正 され

,施

行された結 果考案された型である。 ③下級ハイ・ スクール (11∼ 15歳)と上級ハイ・ スクール (15 または14∼18歳)との接続並列型。最初すべての小学校修了

μ

[亜

亜 三 亜 賢 蜜 ア

=コ

者は

,下

級ハイ・ スクールに進学する。そこで2∼ 5年 間の学業を続ける。一部の生徒は,こ こで 義務教育 年限終了まで更に学業を続ける。両親および生徒自身が

,少

な くとも

%歳

までは

,学

業を継続 したい と希望 誠

[IttΞ

Ξ

7正

⑦ 〈注)番 号は本文説明と同じものである。 図

2

総合制中等学校の類型 (1965年) i 中学校 19歳より

参照

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