みずほ米国経済情報
2017年10月号
◆ トピック
迫るFRB議長指名、税制改革は財源探しに移行
FRB議長指名が迫っている。賭け市場ではパウエル理事
が独走している。税制改革については、10年間で1.5兆ド
ルの税収減に抑えるべく、財源探しが本格化している。
◆ 景気判断
堅調さを維持する米国経済
ハリケーンによる影響が経済指標に表れているが、米国経
済の堅調さは崩れていない。一方、コア・インフレ率は低
いままである。
1 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号)
1.トピック:迫るFRB議長指名、税制改革は財源探しに移行
近づくFRB議長指名 トランプ大統領のアジア歴訪を前に、連邦準備制度理事会(FRB)議長 の指名公表が近づいている。トランプ大統領は 9 月下旬、「2、3 週間のうちに」 発表する意向を示していたが、様々な思惑が絡み合い、発表は後ずれしてき たようだ。 賭け市場ではパウエル FRB理事が独走 プレディクトイットによれば、賭け市場ではパウエルFRB理事の独走と なっている(図表 1)。イエレン議長(再任)、ウォーシュ元FRB理事、テイ ラー教授(スタンフォード大)が2位争いをしている状況で、コーン国家経 済会議(NEC)委員長はほとんど蚊帳の外である。コーン委員長は、8 月バ ージニア州シャーロッツビルで起きた人種差別主義集団と反対派との衝突事 件への対応に関してトランプ大統領を批判したことにより、FRB議長レー スから外れたとみられていたが、候補者リストに残ってきた。 議会共和党に受けが良 いウォーシュ元FRB 理事とテイラー教授 ウォーシュ元FRB理事とテイラー教授は議会共和党の受けが良く、その 点ではイエレン議長やパウエル理事よりも議長指名の可能性が高い。 ウォーシュ元FRB理事は、かつてバーナンキ議長の再任問題が起きた際、 「この先上院の共和党員から支持を取り付けられるように計らってあげよう」 とバーナンキ議長に申し出るほど「共和党の議員に強いコネ」を持っている とされる(バーナンキ議長回顧録『危機と決断』より)。ウォーシュ氏は、ト ランプ大統領の友人を義父に持つことも周知の事実である。 議長指名と金融政策の レジーム・シフト 一方、金融市場にとって重要なポイントは、次の議長指名が「利上げや資 産縮小ペースの加速」に直結するのかどうかである。イエレン議長の再任や パウエル理事の議長昇格なら、経済指標に急激な変化がない限り、金融政策 の先行きにも当面、大きな変更はない。一方、テイラー教授が指名された場 合、金融市場が長期金利の急上昇と株価の大幅下落などのショックに見舞わ れる恐れがある。金融市場参加者の多くがテイラー教授をタカ派と見ており、 金融政策のレジーム・シフトを予想すると思われるためである。なお、ウォ ーシュ元理事が指名された場合、相対的に傷は浅いだろうが、金融政策に不 確実性が高まるとみられる。※ウォーシュ氏については、小野亮『ポスト・イエレンの考察~ウ ォーシュ氏指名がもたらす不確実性に注意~』みずほインサイト、2017 年 10 月 6 日を参照されたい。 イエレン路線継承を示 唆するテイラー教授 量的緩和という非伝統的手段をテイラー教授自身が批判してきたことや、 テイラー・ルールから導かれる政策金利と比較して現在の政策金利が低過ぎ るというのは確かである。しかし、イエレン議長が 10 月から開始した資産縮 小計画や、イエレン議長が様々な金融政策ルールを比較衡量し、政策決定へ のインプリケーションについて公の場で発言していることに対し、テイラー 教授は最近の講演で高く評価している(図表 2)。これは、テイラー教授が議 長指名された場合でも、イエレン路線が継承されることを示唆しよう。 10 年間で 1.5 兆ドルの 減税を定めた予算決議 議会では、上院(10/19)、下院(10/26)で予算決議が採択され 10 年間で 1.5 兆ドルのネット減税が決まった。ライアン下院議長は 11 月 23 日の感謝祭 の祝日までに、税制改革案の下院通過を目指しているという(10/24)。 こうした中、財源探しを巡るさや当てが激しくなっているようだ。タック2 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号) ス・ポリシー・センターによれば、9 月下旬に政権・議会共和党指導部が発表 した税制改革の規模は 10 年間で 2.4 兆ドルである(図表 3)。予算決議の金額 と比べて大きく、その分だけ、減税措置を小さくするか、より大きな財源を 探してくる必要がある。※税制改革の概要・焦点については、安井明彦『米税制改革の議会審議が 本格化へ~最初の関門は予算決議の策定~』みずほインサイト、2017 年 9 月 28 日を参照されたい。 財源探しに移行 最近注目されている財源としては、35%を超える個人所得税の最高税率の 設定、確定拠出年金(401(k))の優遇制度の大幅削減、州・地方税の所得控 除の縮小等である。前二者についてはすでにトランプ大統領による制度維持 を求める口先介入や関連業界・州からの反発がみられる。 図表 1 FRB議長指名レース(賭け市場の場合) (%) (月/日) (資料)プレディクトイットより、みずほ総合研究所作成 図表 2 テイラー教授講演のポイント 図表 3 減税措置と財源探し ・ルールと裁量は、実際には程度の差しかない ・2014 年 9 月に公表されたバランスシート正常化計画 は、(バーナンキ時代と比べて)「ルールに基づく金融 政策」的なものに近づいた(=高評価) ・イエレン議長は、政策金利を変化させる要因、金利の 変化の方向性に(きちんと)言及し、物価安定目標、 自然失業率、長期の中立的政策金利という重要なパラ メーターの数値を提示(=高評価) ・FOMC が政策ルールをどう活用しているか、イエレン議 長が明らかにしたのは良いこと ・「ルールに基づく金融政策」が法案化されているが、 FRB に戦略(ルール)の選択肢があり、(テイラール ールのように)機械的である必要もない(=緩やかな 利上げシナリオ維持の可能性残す) (注)2017 年 10 月 13 日付け論文。丸括弧はみずほ総合研究所の注釈。 (資料)テイラー教授HPより、みずほ総合研究所作成 (資料)議会資料等より、みずほ総合研究所作成 0 10 20 30 40 50 60 70 9/11 9/18 9/25 10/2 10/9 10/16 10/23 パウエル ウォーシュ テイラー イエレン コーン 個人所得税 法人税 最高税率の引き下げ 最高税率の引き下げ ブラケットの簡素化 パススルー収益の税 率引き下げ AMT廃止 AMT廃止 基礎控除倍増 設備投資の即時償却 児童税額控除拡大 遺産税廃止 項目別控除の整理 利払費控除の制限 扶養控除の整理等 海外留保利益の一括 低率課税等 減 税 財 源
3 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号)
2.経済指標解説
(1)業況 :ハリケーンによるサプライチェーンへの影響を除き、堅調
製造業ISM指数は一 段と上昇。ハリケーン によるサプライチェー ンへの打撃が指数を押 し上げた側面もあるが、 業況は堅調との判断は 変わらず 9 月の製造業ISM指数は 60.8(前月:58.8)と 2 カ月連続で上昇し、2004 年以来の高水準となった。 指数改善の一因には、入荷遅延指数が 64.4(前月:57.1)と急上昇したこ とが挙げられる。また、生産指数が 62.2(前月:61.0)、新規受注指数が 64.6 (前月:60.3)、雇用指数が 60.3(前月:59.9)と主要指数のいずれも上昇し ている。入荷遅延指数の動きは、8 月末から 9 月上旬にかけてテキサス州・フ ロリダ州を襲ったハリケーンによってサプライチェーンが打撃を受け、入荷 が遅れる事例が増えたことを映じているとみられる。他の主要指標もハリケ ーンの影響を受けている可能性があるが、製造業の業況は改善基調にあると 考えて大きな間違いはないだろう。 補助項目の一つである輸出受注指数は 57.0(前月:55.5)と、3 カ月ぶり に前月から上昇した。輸出受注の拡大が継続している。業種別にみると、18 業種中 17 業種と幅広い業種で業況が改善した(前月:14 業種)。業況が悪化 した業種は家具・関連製品のみである。 鉱工業生産指数はハリ ケーンの下押しから部 分的ながらも持ち直し 9 月の鉱工業生産指数は前月比+0.3%(前月:同▲0.7%)と前月から持ち 直した。内訳をみると、公益(電力・ガス)が前月比+1.5%(前月:同▲4.9%) とハリケーンによる下押しから部分的ながら持ち直した。製造業も同+0.1% (前月:同▲0.2%)と回復は限定的である。製造業の内訳をみると、耐久財 が前月比+1.0%(前月:同+0.2%)と大幅に上昇したが、化学(同▲2.6%) や石油・石炭製品(同▲1.7%)の悪化が続き、製造業全体としての指数の上 昇が抑えられる結果となった。 一方、鉱業は同+0.4%(前月:同▲0.2%)と大きく上昇した。FRBの 推計によれば、2 つのハリケーンの影響が残存しており、鉱工業生産指数を 0.25%Pt 押し下げたという。 非製造業ISM指数も 急上昇 9 月の非製造業ISM指数は 59.8(前月:55.3)と、2005 年 8 月以来の水 準に急上昇した。製造業と同様、入荷遅延指数が 58.0(前月:50.5)と急上 昇したほか、事業活動指数が 61.3(前月:57.5)、新規受注指数が 63.0(前 月:57.1)、雇用指数が 56.8(前月:56.2)と、主要項目はいずれも上昇して いる。 業種別では、18 業種中 15 業種と引き続き幅広い業種で業況が改善(前月: 15 業種)しており、業況悪化は余暇・娯楽、鉱業の 2 業種のみである。 宿泊・外食、専門サービス、小売の各業種ではハリケーンによる事業の停 滞などが言及されている。4 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号) 図表 4 実質GDP成長率 (資料)米国商務省、アトランタ連銀(直近見込み)より、 みずほ総合研究所作成 図表 5 製造業ISM指数 (資料)ISMより、みずほ総合研究所作成 図表 6 生産指数(製造業) (資料)FRBより、みずほ総合研究所作成 図表 7 非製造業ISM指数 (資料)ISMより、みずほ総合研究所作成 図表 8 景気の全体感を示す主要統計 (資料)米国商務省、ISM、FRB、各地区連銀等より、みずほ総合研究所作成 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 1-3 4-6 7-9 10-12 1-3 4-6 7-9 2016 2017 政府支出 純輸出 在庫投資 設備投資 住宅投資 個人消費 (年/四半期) (前期比年率、%) 48 50 52 54 56 58 60 62 64 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 新規受注 生産 雇用 入荷遅延 在庫 総合指数 (年/月) 101 102 103 104 105 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 (2012=100) (年/月) 48 50 52 54 56 58 60 62 64 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 新規受注 事業活動 雇用 入荷遅延 総合指数 (年/月) 2016 Q3 2016 Q4 2017 Q1 2017 Q2 2017/5 2017/6 2017/7 2017/8 2017/9 2017/10
成長率 実質GDP成長率 前期比年率、% 2.8 1.8 1.2 3.1 n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. n.a.
個人消費 前期比年率、% 2.8 2.9 1.9 3.3 n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. n.a.
住宅投資 前期比年率、% ▲ 4.5 7.1 11.1 ▲ 7.3 n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. n.a.
設備投資 前期比年率、% 3.4 0.2 7.2 6.7 n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. n.a.
純輸出 寄与度、%Pt 0.4 ▲ 1.6 0.2 0.2 n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. 在庫投資 寄与度、%Pt 0.2 1.1 ▲ 1.5 0.1 n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. n.a. 企業業況 製造業ISM指数 DI(基準=50) 51.1 53.3 57.0 55.8 54.9 57.8 56.3 58.8 60.8 n.a. 非製造業ISM指数 DI(基準=50) 54.4 55.8 56.4 57.3 56.9 57.4 53.9 55.3 59.8 n.a. ニューヨーク(NY)連銀/現状 DI(基準=0) ▲ 1.6 1.4 13.9 8.0 ▲ 1.0 19.8 9.8 25.2 24.4 30.2 フィラデルフィア(PHL)連銀/現状 DI(基準=0) 5.0 13.2 33.2 29.5 38.8 27.6 19.5 18.9 23.8 27.9 生産活動 鉱工業生産指数 前期比、% 0.2 0.2 0.4 1.3 0.0 0.2 ▲ 0.1 ▲ 0.7 0.3 n.a. 石油・ガス掘削 2012年=100 26.1 30.4 38.6 48.4 47.9 51.2 50.7 48.8 47.5 n.a. ハイテク製造業 2012年=100 131.4 135.5 133.4 135.3 135.5 135.2 133.1 133.6 135.8 n.a. 自動車(組立台数ベース) 年率、百万台 12.13 12.11 11.60 11.42 11.44 11.07 10.14 10.65 10.85 n.a. 他の製造業 2012年=100 99.1 99.4 100.3 100.9 100.6 100.8 101.0 100.3 100.5 n.a.
5 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号)
(2)家計部門:ハリケーンの影響みられるが、労働市場は一段と逼迫
雇用は 10 年ぶりの減少 も、失業率は一段と低 下するなど、労働市場 は一段と逼迫 9 月の非農業部門雇用者数は前月差▲3.3 万人と、10 年ぶりの減少となった。 前月差の 3 カ月平均値は+同 9.1 万人と1ケタ台に低下した。 ハリケーンの影響が最も顕著に表れた業種は外食サービスで、10.5 万人の 減少となった。また州・地域別雇用統計(暫定値)によれば、9 月に非農業部 門雇用者数が大きく減少した州はフロリダ州の 12.7 万人で、被害が大きかっ たとみられるヒューストン・エリアは 2.5 万人の減少、テキサス州全体では 7 千人の減少となった。フロリダ州では外食サービスの 4.7 万人を中心にサー ビス産業の雇用減が目立つ。 全米ベースの失業率は 4.2%と前月(4.4%)から大きく低下した。労働参 加率が 0.2%Pt、就業率が 0.3%Pt と共に大きく上昇し、労働市場の健全さを 示している。広義失業率(U-6)も 8.3%と 0.3%Pt 低下した。 賃金上昇率は加速 時間当たり賃金は、前月比+0.5%(前月:同+0.1%)と伸びが大きく加 速した。賃金が相対的に低いサービス業従事者の雇用減が、「コンポジット効 果」となって賃金上昇率を押し上げたとみられるが(+0.1%Pt 程度)、その 影響を除いてもやや高い上昇である。 小売売上高は大幅増。 自動車とガソリンがけ ん引役でいずれもハリ ケーンの影響 9 月の小売売上高は、前月比+1.6%と大幅に増加した。メキシコ湾岸地域 の製油所がハリケーンで一時閉鎖され、ガソリン価格が上昇したことと、水 没した自動車の買い替え需要が主因である。 9 月の国内自動車販売台数は年率 1,857 万台(オートデータ社)と急増し、 ヒューストン地域では前年の 2 倍以上の販売となった模様である(エドモン ド社)。高額のトラックやSUVが売れたといい、被災地の所得・資産水準の 高さが救いとなったようだ。米自動車市場では、2015・2016 年の需要先食い による反動に見舞われてきたが、買い替え需要の急増は、在庫・生産調整圧 力の軽減に大きく寄与したとみられる。 消費者信頼感指数は大 幅上昇 10 月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は、前月差+6.0 ポイン トの 101.1(前月確報値:95.1)と大幅に上昇した。同指数の水準は、2004 年 1 月以来、13 年ぶりの高さであり、足元の消費者マインドが非常に良好で あることを示している。内訳をみると、現状指数が 116.4(前月確報値:111.7)、 期待指数が 91.3(前月確報値:84.4)と、ともに上昇した。同指数の調査担 当者は、今回の結果について、「消費者信頼感指数は、年齢層、所得階層、党 派を問わず、幅広く改善した」と指摘している。 住宅着工はハリケーン 被害に遭った南部を中 心に減少 9 月の住宅着工件数は年率 112.7 万件(前月:118.3 万件)と前月から減少 した。地域別では南部が 5.4 万件減少しており、ハリケーンが影響した可能 性を示唆している。着工の先行指標である許可件数は年率 121.5 万件(前月: 127.2 万件)で、2 カ月ぶりに減少した。 一方、9 月の新築販売件数は年率 66.7 万件(前月:56.1 万件)と急増した。 南部での顕著な増加や未着工物件の急増がみられ、ハリケーン被害による復 興需要が示唆される。6 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号) 図表 9 雇用統計 (資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成 図表 10 時間当たり賃金 (資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成 図表 11 小売売上高 (資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成 図表 12 住宅着工件数 (資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成 図表 13 家計部門の主要統計 (資料)米国労働省、米国商務省、Autodata、ミシガン大、カンファレンスボード、NAR、NAHB よりみずほ総合研究所作成 3.6 3.8 4.0 4.2 4.4 4.6 4.8 5.0 ▲5 0 5 10 15 20 25 30 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 非農業部門雇用者数 失業率(右目盛) (%) (前月差、万人) (年/月) 2.2 2.4 2.6 2.8 3.0 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 (前年比、%) (年/月) ▲0.4 ▲0.20.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 コア 自動車・建材・ガソリン・外食 (前月比、%) (年/月) 100 110 120 130 140 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 (年率、万件) (年/月) 2016 Q3 2016 Q4 2017 Q1 2017 Q2 2017/5 2017/6 2017/7 2017/8 2017/9 2017/10 雇用環境 非農業部門雇用者数 前期差、千人 235 170 182 161 145 210 138 169 ▲ 33 n.a. 失業率 % 4.9 4.7 4.7 4.4 4.3 4.4 4.3 4.4 4.2 n.a. 代替的失業率(U6) % 9.7 9.3 9.2 8.5 8.4 8.6 8.6 8.6 8.3 n.a. 時間当たり賃金 前期比、% 0.7 0.7 0.6 0.5 0.2 0.2 0.5 0.2 0.5 n.a. 前年比、% 2.7 2.7 2.7 2.5 2.5 2.5 2.6 2.7 2.9 n.a. 個人消費 小売売上高 前期比、% 0.9 1.5 1.0 0.3 0.0 ▲ 0.1 0.5 ▲ 0.1 1.6 n.a. コア小売 前期比、% 0.3 0.7 0.9 1.0 0.0 ▲ 0.2 0.7 ▲ 0.0 0.4 n.a. 新車自動車販売台数 年率、百万台 17.59 17.91 17.24 16.85 16.79 16.70 16.77 16.14 18.57 n.a. 実質個人消費 前期比年率、前月比% 2.8 2.9 1.9 3.3 0.3 0.1 0.2 ▲ 0.1 n.a. n.a. ミシガン大消費者信頼感 1966年Q1=100 90.3 93.1 97.2 96.4 97.1 95.1 93.4 96.8 95.1 101.1 カンファレンスボード消費者信頼感 1985年=100 100.7 107.8 117.5 118.1 117.6 117.3 120.0 120.4 119.8 n.a. 住宅市場 住宅着工件数 年率、千戸 1,150 1,248 1,238 1,167 1,129 1,217 1,185 1,183 1,127 n.a. 住宅着工許可件数 年率、千戸 1,215 1,269 1,260 1,224 1,168 1,275 1,230 1,272 1,215 n.a. 新築住宅販売件数 年率、千戸 588 568 617 605 606 619 582 561 667 n.a. 中古住宅販売件数 年率、千戸 5,380 5,547 5,620 5,563 5,620 5,510 5,440 5,350 5,390 n.a.
7 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号)
(3)企業投資・外需:機械投資は堅調、貿易赤字は縮小傾向
掘削投資は緩やかに減 少。建設投資は悪化傾 向 石油・天然ガス等のリグ稼働数は緩やかな減少傾向にある。8 月の民間建設 投資(住宅以外)は前月から増加したが、減少基調を脱するほどの強さはな い。ここ数カ月は、製造施設(製造業とは限らない)の減少が顕著である。 機械関連投資は堅調 機械関連投資の動向をみる上で重要なコア資本財(国防・航空機を除く資 本財)出荷額と新規受注は堅調である。9 月の出荷額は前月比+0.7%、新規 受注は同+1.3%の増加である。新規受注のけん引役はコンピューター・電子 機器製造業である。IoTやAIなど最新の技術革新に対する企業経営者の 関心の強まりを映じているのかどうか、材料不足で明確なことは言えないが、 こうした投資の拡大が続けば、生産性の伸びが高まり、長期停滞への不安解 消に貢献するだろう。 貿易赤字は縮小傾向 8 月の貿易収支は 424 億ドルの赤字となり(前月:436 億ドルの赤字)、今 年 4 月以降、赤字幅は縮小傾向にある。 8 月の内訳をみると、輸出額が前月比+0.4%(前月:同▲0.2%)と 2 カ月 ぶりに増加した一方、輸入額が同▲0.1%(前月:同▲0.2%)と 4 カ月連続 で減少した。 財輸出額では、医薬品などの消費財が前月比+6.4%と増加し、全体を押し 上げた。また、資本財(同+0.9%)が通信設備、半導体、航空機部品などを 中心に 3 カ月連続で増加した。一方、石油製品や原油などの産業用資材(同 ▲2.5%)、とうもろこし、小麦などの食料品(同▲3.4%)が減少した。 財輸入額では、自動車関連(前月比+2.3%)が増加した一方、産業用資材 (同▲1.3%)が金属関連を中心に減少したほか、資本財(同▲0.9%)では コンピュータ周辺機器、航空機などが落ち込み、財輸入額全体を下押しした。 相手国別の貿易赤字額をみると、対中国が 297 億ドル、前月比▲6.5%とな り、3 カ月ぶりに赤字額が縮小した。対ドイツも 48 億ドル、同▲9.6%となり、 2 カ月連続で縮小した。一方、対日本は 63 億ドル、同+15.5%、対メキシコ が 58 億ドル、同+8.5%と増加した。2017 年 1-8 月の赤字累計額は、1 中国、 2 メキシコ、3 日本、4 ドイツの順で変わらない。8 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号) 図表 14 非住宅建設投資とリグ稼働数 (資料)米国商務省、ベイカー・ヒューズより、 みずほ総合研究所作成 図表 15 資本財出荷・新規受注 (資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成 図表 16 財輸出・輸入(名目) (資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成 図表 17 連邦財政収支(10 月からの累積) (資料)米国財務省より、みずほ総合研究所作成 図表 18 企業投資・外需部門等の主要統計 (資料)各地区連銀、米国商務省、米国財務省よりみずほ総合研究所作成 (2016年=100) (基) 400 500 600 700 800 900 1000 98 99 100 101 102 103 104 105 16/10 17/1 17/4 17/7 17/10 民間建設支出 稼働リグ数(右目盛) (年/月) (2016年=100) 96 98 100 102 104 106 108 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 コア資本財新規受注 コア資本財出荷 (年/月) (2016年=100) 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 16/8 16/11 17/2 17/5 17/8 財輸出 財輸入 (年/月) ▲8.0 ▲7.0 ▲6.0 ▲5.0 ▲4.0 ▲3.0 ▲2.0 ▲1.0 0.0 10 12 02 04 06 08 2016年度 2017年度 (千億ドル) (月) 2016 Q3 2016 Q4 2017 Q1 2017 Q2 2017/5 2017/6 2017/7 2017/8 2017/9 2017/10 設備投資 コア資本財 受注金額 前期比、% 2.4 ▲ 0.1 1.7 0.8 0.8 ▲ 0.1 1.3 1.3 1.3 n.a. コア資本財 出荷金額 前期比、% ▲ 0.6 1.0 1.7 1.2 0.3 0.6 1.0 1.2 0.7 n.a. 非住宅建設支出 前期比、% 3.8 0.1 ▲ 0.4 ▲ 1.0 1.9 ▲ 1.2 ▲ 1.4 0.5 n.a. n.a. NY連銀 6か月先設備投資判断 8.6 15.9 23.8 20.6 13.4 20.8 15.0 11.6 24.4 21.9 PHL連銀 6か月先設備投資判断 14.7 23.8 26.2 32.6 32.6 28.6 42.0 39.2 39.0 37.7 輸出入 貿易収支 10億ドル ▲ 121 ▲ 134 ▲ 138 ▲ 137 ▲ 46 ▲ 44 ▲ 44 ▲ 42 n.a. n.a. 輸出 10億ドル 561 560 576 579 192 195 195 195 n.a. n.a. 輸入 10億ドル 682 694 714 716 239 238 238 238 n.a. n.a. 実質財輸出 2015年=100 101.5 101.1 103.6 104.1 103.8 105.7 105.0 104.1 n.a. n.a. 実質財輸入 2015年=100 100.8 102.4 103.8 104.3 104.3 104.4 104.5 103.9 n.a. n.a. 財政 財政収支 10億ドル ▲ 186 ▲ 210 ▲ 317 4 ▲ 88 ▲ 90 ▲ 43 ▲ 108 8 n.a. 歳入 10億ドル 798 741 732 1,035 240 339 232 226 349 n.a. 歳出 10億ドル 984 951 1,049 1,031 329 429 275 334 341 n.a.
9 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号)
(4)物価動向:コアインフレ率は低迷
9 月CPIはガソリン 高を受けて加速 コアは低迷 9 月の消費者物価指数(CPI)は、前月比+0.5%(前月:同+0.4%)と 上昇ペースが加速した。 内訳では、エネルギー物価が前月比+6.1%(前月:同+2.8%)と大幅上 昇した。とりわけ、ガソリン物価が同+13.1%(前月:同+6.3%)と前月か ら一段と上昇しており、ハリケーンに伴うガソリン供給不足の影響が尾を引 いている。 一方、食品・エネルギーを除くコアCPIは、前月比+0.1%(前月:同+ 0.2%)と減速、市場予想(同+0.2%)も下回った。内訳では、コア財物価 は前月比▲0.2%(前月:同▲0.1%)と下落傾向が継続した。自動車(新車、 中古車とも)の下落傾向が継続するとともに、今月は医薬品が大きく下落し た。 コアサービス物価も前月比+0.2%(前月:同+0.4%)に減速しており、 シェアが大きい住居・宿泊費の上昇が鈍ったことが影響している。 前年比ベースでみたCPIは、+2.2%(前月:同+1.9%)と前月から加 速、市場予想(同+2.3%)はやや下回った。他方、コア CPI は前年比+1.7% (前月:同+1.7%)と前月と変わらない。インフレ圧力は引き続き弱い。 消費者のインフレ見通 し小幅低下 消費者のインフレ見通しは、1 年先が 2.3%(前月確報値:2.7%)、5 年先 が 2.4%(前月確報値:2.5%)と、いずれも低下した。消費者のインフレ期 待は依然低い。10 みずほ米国経済情報(2017 年 10 月号) 図表 19 CPI 図表 20 期待インフレ率(長期) (資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成 (資料)ミシガン大、FRBより、みずほ総合研究所作成 図表 21 原油価格 図表 22 ドルの名目実効レート (資料)セントルイス連銀より、みずほ総合研究所作成 (資料)セントルイス連銀より、みずほ総合研究所作成 図表 23 物価の主要統計 (注)原油価格とFRB名目実効レート(ドル)の直近月はデータベースへのアクセス時点で得られる直近値。 (資料)米国商務省、米国労働省、ダラス連銀、ミシガン大、FRB、セントルイス連銀より、みずほ総合研究所作成 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 16/9 16/12 17/3 17/6 17/9 総合 コア (前年比、%) (年/月) 1.5 2.0 2.5 3.0 16/10 17/1 17/4 17/7 17/10 消費者(ミシガン大、今後5年) 金融市場(BEI,5年先5年) (前年比、%) (年/月) 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 16/10 17/1 17/4 17/7 17/10 (ドル/バレル) (年/月) 112 114 116 118 120 122 124 126 128 130 16/10 17/1 17/4 17/7 17/10 (1997/1=100) (年/月) 2016 Q3 2016 Q4 2017 Q1 2017 Q2 2017/5 2017/6 2017/7 2017/8 2017/9 2017/10 消費者物価 消費者物価指数 前年比、% 1.12 1.80 2.54 1.90 1.87 1.63 1.73 1.94 2.23 n.a. コア消費者物価指数 前年比、% 2.24 2.15 2.17 1.77 1.73 1.70 1.69 1.68 1.69 n.a. PCEデフレーター 前年比、% 1.16 1.62 2.01 1.55 1.51 1.42 1.41 1.43 n.a. n.a. 前期比、% 0.43 0.49 0.55 0.07 ▲ 0.06 0.04 0.10 0.21 n.a. n.a. コアPCEデフレーター 前年比、% 1.84 1.87 1.79 1.52 1.48 1.50 1.42 1.29 n.a. n.a. 前期比、% 0.50 0.33 0.45 0.23 0.07 0.13 0.10 0.10 n.a. n.a. 刈込平均 PCEデフレーター 前年比、% 1.78 1.88 1.89 1.72 1.71 1.70 1.65 1.62 n.a. n.a. インフレ期待 ミシガン大(今後5年間) % 2.6 2.4 2.5 2.4 2.4 2.5 2.6 2.5 2.5 2.4 BEI(5年先5年) % 1.62 1.95 2.15 1.94 1.93 1.82 1.90 1.94 1.99 n.a. 雇用コスト 雇用コスト指数(除く業績連動 前年比、% 2.4 2.3 2.5 2.4 n.a n.a n.a n.a n.a n.a
時間当たり報酬 前年比、% 1.9 ▲ 0.3 1.9 1.1 n.a n.a n.a n.a n.a n.a
単位労働コスト 前年比、% 2.1 ▲ 1.2 0.7 ▲ 0.2 n.a n.a n.a n.a n.a n.a
その他の 原油価格(WTI) ドル/バレル 47.7 53.8 50.5 46.0 48.3 46.0 50.2 47.3 51.7 51.9 インフレ要因 FRB名目実効レート(ドル) 1997年1月=100 121.5 125.5 126.2 123.5 123.9 122.3 120.6 119.3 118.1 120.4
2 0 1 7年 1 0月 2 7日 発 行
欧 米 調 査 部 主 席 エ コ ノ ミ ス ト 小 野 亮
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+1- 212-282-4 321 ats ushi.niig ata@mizuh ocbus.com ニ ュ ー ヨ ー ク 事 務 所 主 任 エ コ ノ ミ ス ト 服 部 直 樹 +1- 212-282-3 532 nao ki.hattor i@mizuhoc bus.com
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