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ASurveyofPeriod・forlntegratedStudyinMunicipalElementarySchoolsinNagasakiCityRegion 長崎市域の市立小学校における「総合的な学習の時間」の実態調査

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全文

(1)

長崎市域の市立小学校 における

「 総合的な学習の時間」の実態調査 富 山 哲 之*

(平成17年3月15日受理)

A Sur v e yofPe r i od・ f orl nt e gr at e dSt udy i nMuni c i palEl e me nt ar ySc hoo l s

i nNagas akiCi t yRe gi on

Nor i yukiTOMI YAMA*

(ReceivedMarch 15,2005)

1. は じめに

現代 は,国際化 や情報化 に伴 う社会 ・経済 ・文化 の急激 な変化,地球規模 の環境変化等 の諸問題が複雑化,深刻化 してお り, これ らの課題 に対 して緊急 な対応 を迫 られている。

そ して次世代 を担 う子供達 にとって避 けて通れない生活課題 であ る。

新学習指導要領 に基づ いて,2002年 (平成14年)度か ら相次 いで完全実施 された小 ・中 学校,及 び高等学校 の教育課程 は 「生 きる力」 を教育課程全般 において培 われ る力 と して いる。学習指導要領総則1・2)で は,新設 された 「総合的な学習 の時間」 (以下,「総合的学 習」 と記す) において も自 ら学 び自 ら考 え る力等 の 「生 きる力」 を育 む との方 向性が示 さ れた。 また,総合的学習 の学習活動 の内容項 目と して,国際理解,情報,環境,福祉 ・健 康 等 の横断的 ・総合的な課題,児童 の興味 ・関心、に基づ く課題,地域 や学校 の特色 に応 じ

た課題等 に取 り組 む ことを推奨 している。

これ までに,本県 内の学校 において も,総合的学習 の趣 旨やね らいに即 して各学校で は 地域 の教育資源 を活用 した授業実践が精力的 に行われている。多様 な追求方法が考 え られ るが,多 くの学校 で は総合的学習 は今 なお手探 りの状態 にあるよ うに思 われ る。授業 の成 功例 と同 じく失敗例やその問題点 につ いてはこれまで十分 に把握 されていないよ うである

本稿 で は,長崎市域 の市立小学校 において実施 されている総合的学習 の実態 の概要 を述 べ,分析 と検討 を行 った。

*長崎大学教育学部理科

(2)

32 長崎大学教育学部紀要 教科教育 No.45(2005)

2.

調査の目的

調査の目的は,長崎市域の市立小学校 における総合的学習の実施状況 について,総合的 学習の目的,学習活動の内容,および活動時間 という視点か ら明 らかにすることである

3.

調査の方法

長崎市 は2005年 (平成17年)1月4日に周辺の6町を編入合併 して新 「長崎市」を発足 させた。 これに伴 い市内の市立小学校総数 は56校か ら

7

1校 に増加 した。本稿では,旧 「長 崎市

の平成14年度〜16年度の 「総合的な学習の時間

全体計画書3・4)に基づいて各小学 校の第

3

学年か ら第

6

学年 までの総合的学習の名称,及 び目的,活動内容,実施時間等 に ついて調査分析 した。標準授業時間数 は,第3学年 と第4学年 は年間105単位時間,第5 学年 と第

6

学年が年間

1 1 0

単位時間がそれぞれ配当 されている。前出の資料において,紘 合的学習の授業時間数を詳細 に表示 した学校25校 について調査分析 した。 また,総合的学 習の名称,学習単元の名称,活動内容 については旧市域の学校56校について調査分析 した。

4.

調査結果

4・1 長崎市の各市立小学校 における総合的学習の内容項 目と実施時間

調査 した学校25校 において,総合的学習 に配当で きる授業実施可能 な年間総時間数 は 10750単位時間である。 この うち学習活動 に配当 された時間 は10076単位時間 (93.7%)で ある 残 りの6.3%の時間 は,予備 の時間または使途不明な時間である 表1に,平成16 年度 における学習活動の各内容項 目に対する学年別の配当時間 (93.7%)の内訳 を示す。

各内容項 目について上段 は配当された単位時間数,下段 は当該学年 における各項 目の配当 時間の占有率を示す。末尾 は第

3

学年か ら第

6

学年 までの全学年の実施率である

表 1 長崎市立小学校の総合的学習に対す る内容項 目別 ・学年別の授業配当時間 3学年 4学年 5学年 6学年 平均(%) 実施率(%)

①国際理解 31740.1 31225.4 31844.0 52608.7 15.3 92

②情 206 216 186 262 53 7.8 8.2 6.8 9.5 8.1

③環 341 328 383 214 35 13.0 12.5 13..9 7.8 ll.8

④福祉.健康 166 513 296 216 32 6.3 19.5 10.8 7.9 ll.1

⑤地域.学校 1159 697 623 965 69 44.2 26.6 22.7 35.1 32.0

⑥人権.平和 1768.8 1765.7 57220.8 1456.3 10.0 38

⑦興味.関心 310.1 310.1 625.4 1142.1 2.2 9 (砂生きか生き 100.38 100.38 100.36 413.6 0.68 5

⑨食 21 58 86 74 10

0.8 2.2 3.1 2.7 2.2

⑩各教科等関連 10 7 ll 10 5

(3)

4・2

総合的学習の名称

2

に,長崎市の各小学校 における総合的学習の名称 と代表的な単元名称を示す。各名' 称 は,前出の平成14年度〜平成16年度の資料を参照 している表中の空白部分 は名称が不 明である。

表2 長崎市立小学校の総合的学習の名称 と単元名柿 学校名 総 合 的 学 習 の 名 称 ‑ かがや きタイム 3年 「めざせ !い も名人」

きらきらタイム ‑ 3年 「花 と野菜の ジュニア‑農業」

現 川 分校

5年 「メダカ博士 古手なろ う」

伊 良 称 ゆ うか りタイム . 6年 「中島川の環境作 りを しよ う」

諏訪学習 5年 「みんな諏訪 つ子、 エコエコ大作戦」

上 長 崎 上小 タイム 4年 「探検 .発見 .上長崎」

さ くらライフ学習 ′ 3‑ 6年 「お くん ちづ くり」

西かがや きタイム 3‑ 6年 「英語 で楽 しもう」

3‑ 6年 「ビワ栽培」

カ ッパ タイム 4年 「伝 え合お う,わた したちのJL、 ひ.びさの時間 3年 「発見 !たん けん !たち̲ばなの海」.

えの き学習 6年 「わた したち、式見小歴史探検隊」

手熊 つ子の時間. 5年 「われ ら手熊川調査団」

福 タイム 6年 「思 い出に残 る修学旅行 に ∴ ..」

3年 「自然 を大切 に しよ■う」

千船 タイム 5年 「伝統産業〜長崎の髄甲細工

〜」

さわやか タイム 5年 「朝 日 ピ‑ス大作戦」

稲佐 チ ャレンジタイム 3年 「稲佐 じまん再発見」

平和学習 6年 「平和 は城山か ら」

西 .城 山 5年 「平和 はわ̲た したち.か ら

西 3年 「ア ジアの国の仲間たち」

しおさい 5年 「お魚大辞典 を作 ろう」

小 江 原 いきいきタイム 5年 「環境問題,わた したちにで きること !

晴 見 台 6年 「考えよ う, これか らの街づ くり !

桜 が 丘 さ くら学習 3年 「小江原の○博士 になろ う !

FOR

ゆ うタイム 6年 「発信 !小島か ら」

わ くわ く総合 3年 「‑ 夕か らはてな」

長崎発見 3年 「見つ けよ う !茂木の じまん」

南 フロンテ ィアスクール 3年 「日本一 ビワの町か ら」

くす.の木 タイム 5年 「平和 は長崎か ら」

四つ葉 タイム 4年 「長崎名物探 し」

北 大 浦 5年 「自分のよさ ..周 りの人のよさを知 ろう」

南 大 浦 かなえ タイム 5年 「地域の先輩 に学 ぼ う」

なみ つ子 タイム 5年 「藍 .愛がい っぱい」

くすの き夕.イム 4年 「戸町あるある大事典」

小 ケ 倉 4年 「小 ケ倉水園を調べよ う」

大 山分校

(4)

3 4

長崎大学教育学部紀要 教科教育 No.45(2005)

じようやま 5年 「平和 は深堀か ら」

ふれあいタイム 6年 「長崎よか とこー探検隊」

開成分校

南 長 崎 4年 「私 たちにで きる リサイクル

西 西北 タイム 4年 「ハ ッピーまちづ くり企画

3年 「さん さん 3年 ! 龍踊 りの巻

おおぞのタイム 4年 「私 たちにで きること」

西 浦 上 4年 「ふれあい交流会を しよう」

かわひ ら 4年 「ホタルプロジェク ト」

4年 「美 しい高尾の町」

かがや き学習 4年 「平和学習〜永井博士〜」

3年 「三原小や三原地区の秘密をさぐろう」

4年 「わた したちの地球」

女 の 都 6年 「女の都伝説」

Sタイム 4年 「横尾だん じりをまなぼ う」

虹 が 丘 3年 「岩屋山の自然 とふれあお う」

西 山 台 5年 「西山台か ら発信 しよう

5年 「平和 は坂本か ら」

GoGoタイム

鳴 見 台 鳴見 タイム 6年 「考えよう、 これか らの街づ くり

4・3・新 「長崎市」に合併編入 された西彼杵郡各町の小学校15校 の名柿 (旧 「外海町」) 神浦,池 島, 出津,黒崎東 (旧 「香焼町」) 香焼 (旧 「三和町」) 蚊焼,晴見台,為石,川原 (旧 「伊王島町」)伊王 島 (旧丁 野母崎町」)高浜,野母,脇岬,樺島 (旧 「高 島町」) 高 島

5.

調査 の分析 と考察 5・1

総合的学習 の学習 内容 は各学校 において適切 に定 め ることがで きるのであ るが,小学校 の大多数 は,学習指導要領 に例示 された 「国際理解」, 「情報」,「環境」,「福祉 ・健康」,

「地域 ・学校」

,

「人権 ・平和」等 をキー ワー ドに したスキル学習活動 に取 り組 んで いるこ とが分か る これ らは学年平均10‑20単位時間で各学年 または中高学年別 に実施 されてい る。 テーマ学習 につ いて は,各学年,20‑40単位時間で複数 の単元 で行 われて いる

項 目(》国際理解

1

に示す よ うに第

6

学年で は国際理解 に関す る学習活動 の時間 占有率20.7%を 占め る。各内容項 目の中で第

3

学年か ら第

6

学年 までの学年実施率92%は最大値 を示す。各 学校 で は,ALT (外国語指導教員) を活用す ることか ら国際理解学習 (‑ ローイ ング

リッシュ)が展開 されている。

項 目②情報

各学年 の学習活動 の時間 占有率 は平均約

8%

を 占め る。学年実施率 は

5 3 %

であ る。パ ソコンの基本操作の習得,活用を中心 とす る学習である。実際 は他の学習活動でイ ンター ネ ッ トによる調べ学習が行 われて いるので児童がパ ソコ ンに接す る機会 はかな り多 い も の と推測 され る。

(5)

項 目③環境

環境関連 の学習活動 の時間 占有率 は平均約

1 2 %

を占める学年実施率 は

3 5 %

であ る。

各学校 で取 り扱 われ る学習題材 は,地域 の 自然環境 や環境問題,地球環境問題等 の広範 囲 に亘 る。

項 目④福祉 ・健康

学習活動 の時間 占有率 は平均

1 1 %

を占め る学年実施率 は

3 2 %

である ともに前項 の 環境 と同程度 であ る バ リアフ リーの町づ くり, キ ャップ‑ ンデ ィ体験,高齢者 との交 流活動等 を学習題材 に している

項 目⑤地域 ・学校

学習活動 の時間 占有率 は

3 2 . 0 %

で最大値 を示す。学年実施率

6 9 %

は前 出の国際理解 に 次 いで いる。各学校 は,学校,校 区,港町 ・長崎のよさを調 べ る学習活動 に取 り組んで い る。歴史 ・文化都市 ・長崎 は素材 の豊富 さで は他 に引 けを と らない。児童 の格好 の活 動舞台である

項 目⑥人権 ・平和

学習活動 の時間 占有率

1 0 %

を占める。学年実施率

3 8 %

であ る。前 出の環境 と同程度で あ る被爆都市 ・長崎 において,各学校 で長 い間全市 的 に行 われて きた平和学習 は,覗 在 は総合的学習 の活動 の一環 であ る。爆心地か ら離 れた学校 において も調査活動 や情報 発信活動が盛 ん に行 われている。

5・2

学習指導要領 によれば総合的学習 の名称 は各学校で適切 に定 めることを推奨 して いる

2

に示す よ うに,総合的学習 の趣 旨が児童 や地域 の人 々によ く分か り,親 しみのあるよ うな名称 を付 けているのが よ く分か る。 また,各学年 のテーマ ・各単元 の名称 か ら各学校 の具体的 な学習 内容が推測で きる中学年 は総合的学習 の入門期であ るか ら,各学校 は低 学年 の教科 「生活科」 においてその下地づ くりを行 っている。

(1

)国際理解教育

国際理解 に関す る学習 の一環 と して,学校 に派遣 され るALT (外国語指導教員)̲制度 を利用 したネイテ ィブス ピーカーによる英会話 (‑ ローイ ング リッシュ) の授業が取 り入 れ られている 担任 とALTとのTT指導が行 われている場合 もある し,・また,ALtTの 存在 は現職教員の校内研修 に も役立 っているよ うである英語活動 の他 に,異文化 (歴史) 理解, 自国文化 (歴史)理解, を柱 に,交流活動 に結 び付 けて学習活動 を行 っている学校

も見受 け られ る 英語遊 び,‑ ローイ ング リッシュ活動 と関連 して,児童が外国語 に触れ た り外国の生活 ・文化 に慣 れ親 しむよ うな学習活動が取 り入れ られている小学校低学年 か らの取 り組 みが見 られ る。簡単 なあいさつの仕方,数 の数 え方,人体各部 の名称 や動物 の名称, ゲームや言葉遊 び等 を通 して英語 に親 しむ学習である 中 ・高学年 で は, あいさ つや 自己紹介 の仕方,簡単 な英会話がで きることを 目指 して いる

西坂小学校 は,平成9年度か ら,特設 の 「英語 の時間」 を中心 と しなが ら国際理解教育 につ いて研究 を行 っている。 その研究 の成果 は総合的学習 の中に受 け継がれている英語 の日常化を図るための 「‑ ローイ ング リッシュ」,及び生 きた英語を学ぶ 「グロ⊥パル ビュー」, そ して様 々な異文化体験 の場 と して市 内のALTとの交流 や西坂ハ ロウィン,市 内留学生

(6)

36 長崎大学教育学部紀要 教科教育 No.45(2005)

との交流,国際観光船 との交流等の 「交流活動」がある この

3

つの柱を中心 として,児 童 の表現力の育成や国際感覚 を磨 くための教育研究が行われている

3

学年

〜 6

学年 ま での総合的学習 の総時間数

4 3 0

時間の うち国際理解関連 の時間 は約

8 0%

を占めている 国 際理解教育 と英語教育 との関連 を深 めた内容構成を取 っているよ うである。同校 は長崎駅 や長崎港近 くに位置 してお り,学習活動を行 う上で有利な立地条件を生か していると言える。

(2

)情報教育

学校教育 においてパ ソコンの普及率 はかな り高 くな っているもの と思 われ る。パ ソコン 基本操作の習得を中心 として,様 々な情報 の収集,整理,発信の手段 として活用す るため の技能習得の時間 と して単元の中に必要 に応 じて位置付 け られている。小学校低学年か ら 児童 にパ ソコンにふれ させ,使用の際, してはいけない こと (パ ソコン遊 び) を教 える教 育が行われている。 中学年 においては, ローマ字入力習得等 (基本操作)が中心であ り, 高学年ではメール, ホームペー ジ等,パ ソコンを活用す る学習である.

深掘小学校 は,地域教育 に次 いで情報教育 に も比較的多 くの活動時間を割 り振 っている

同校 で は,第

3

学年か ら第

6

学年 まで情報関連 の学習活動 の時間 は

1 0 0

時間であ り約

2 3%

を占めている他校 と比べて情報 の学習活動の時間比率 は最 も高 い。次 いで南陽小,飽浦 小が

9 0

時間を越えている

(3

)環境教育

21

世紀 は,環境の世紀だ と言われている 地球温暖化問題や森林破壊, オゾン層破壊等 地球規模 の問題が顕現化 している し,身近 な環境問題 まで避 けては通れない課題が山積 し ている レイチェル ・カーソン5)は環境悪化 による人類 の危機 を四十年 も前 にいち早 く指 摘 して いる 自然(保護)教育 は ̀̀senseofWonder6)'',環境問題 は "ThinkGlobally ActLocally"と言 われ るよ うに身近 な取 り組みが必要であ る 環境学習 に取 り組んで い る学校では,校区内を流れ る川の調査,川の美化, ホタルの幼虫の飼育や放流等,海 に面 した校区であれば海岸 の美化計画,漂着 ごみの分別,海岸で取れ る魚 の図鑑作 り等 の活動 が行 われている

川平小学校 は,市街地 を貫流す る浦上川の上流域 に位置 し市街地化が進んでいるが,校 区周辺 は小高 い山に囲 まれて 自然 に恵 まれている。同校では,環境学習 に総合的学習の実 施時問の約

8 5 %

を配当 している各学年 のテーマは,第

3

学年 「生 き物 となかよ し川平 た ん けんたい」,第

4

学年 「平 ホタルプ ロジェク ト」,第

5

学年 「今,川平の川 は ・・

」, 第6学年 「森 は生 きている」である 学校 ビオ トープや校区を流れ る浦上川の源流 を取 り 巻 く自然 を対象 に した自然体験活動が行われている。

(4)

福祉 ・健康教育

わが国 は少子高齢化社会へ進んでお り,福祉 ・医療 ・介護の充実が求 め られている 坂 の多 い街 ・長崎で は,バ リアフ リー施設の設置等 の住環境整備が進 め られている。学校教 育 において も避 けては通れない課題である.食 と健康,福祉の精神,思 いや りの心等 に関 す る学習,高齢者や障害者 との交流, ボランテ ィア等 の社会体験学習が盛んに行われてい る

仁 田小学校 は,福祉 ・健康教育 に第

3

学年か ら第

4

学年 までの実施時間数

4 3 0

時間の う ち

2 8%

,畝刈小学校 は

31 %

を割 り当ててお り全体 と して最 も高 い。同校では,第

5

学年で

「心づかいと手助 けについて考えよ う」,第3学年 「みんなに優 しい町づ くり〜車椅子, ア

(7)

イマスク体験を通 して

〜」

に多 くの活動時間を割 り当てている。・

(5

)地域 ・学校教育

長崎 は

1 5 7

1年 (元亀

2

年) に開港,史的遺跡である出島は

1 6 3 5

年 (寛永

1

1年) に竣工, 寛永

1 8

年か ら阿蘭陀屋敷 と称 された。長崎開港以来

4 0 0

年余間に醸成 された歴史 ・文化環 境 は比類 のない ものである その外交史を飾 る花 は,長崎 に開いている諏訪神社 の大祭 (諏訪の祭 り),精霊流 し (盆祭 り),紙鳶揚 げ (はた揚 げ)であ り,古 くか ら長崎三大名 物 として広 く知 られている。

桜町小学校 は,最近都心部 にある小学校の統廃合 により新設 された。隣接す る諏訪神礼 の秋の大祭 「お くんち」 の頃になるとこの界隈 は賑わ う 同校では

,

「お くんち」 を総合 的学習の課題 として取 り上 げている。児童の実態 は,地域の伝統 ・文化を知 り,継承 して 行 こうとする意欲があると見ている 各学年の創意工夫に任せて,児童がやる気を持 って, 地域 と関わ り,活動を作 り上 げてい くことを目指 している。

愛宕小学校 は,児童 にとって身近 な家族や地域をベースに考えて地域教育 に取 り組んで いる。総合的学習の時間

8 0%

を地域学習 に配当 している。同校では,長崎の伝統工芸であ る 「‑ タ作 り」を学習題材 として全

7 5

単位時間 (約

1 7 %)

を割 り振 っている

3

学年の テーマは 「むか しのお もち ゃを,作 って,遊んで,名人 をめざそ う !」,単元 「‑ タか ら はてな学習」 に取 り組んでいる 同校 の校区内にある唐八景 (標高約

3 0 0 m)

は今年 も伝 統の春のハ タ揚 げ シーズ ンに入 る

日見小学校が位置す る地域 は,元来, 自然環境,文化的歴史的環境等豊かな環境 に恵 ま れた地域であるが最近 は都市近郊のベ ッ ドタウンである人 口の流入 ・転出の割合が高 く 地域社会の崩壊が進みつつあると言われている 同校では 「地域 との共生」を課題 として, 地域の良 さを知 り,地域 に愛着を持 ち, よりよい地域 を創造 しようす る児童の育成 に努め ている。 このような傾向は他のベ ッ ドタウン地域 にある桜 ヶ丘小学校,小江原小学校,鳴 見台小学校 にも見 ることがで きる

地域学習では,有料施設を利用す ることが多 い。 シーボル ト記念館,長崎市立博物館等 は教育委員会, グラバー園,出島資料館,永井記念館等 は市の観光振興課へ減免申請を行 い経費負担を軽減す る措置が取 られている。

(6)人権 ・平和教育

被爆都市 ・長崎は

1 9 4 5

8

9

日の原子爆弾投下か ら

6 0

周年を迎える。 この節 目の年 に 当たり,長崎市 は,若 い世代が独 自の平和活動 に取 り組むようになる等,成果を上 げてい るとし, このような平和活動を継続的に充実 ・発展 させるために

,2 0 0 5

4

月か ら平和学 習の拠点 となる 「平和学習支援室 (仮称)」を新 たに設置す ることを明 らかに した。 これ までの平和教育 は,爆心地 に近 い城山小学校や山里小学校を中心 として長 い年月の流れの 中で育 まれてきた。

2 0 0 5

年 (平成

1 7

年)

2

9

日,城山小学校で第

6 4 3

回 目の平和祈念式 と恒例の平和学習 発表会が行われた。昭和

2 6

年以来,少年平和像の建立 に合わせてスター トした平和祈念式 は毎月

9

日に開かれており,原爆で犠牲になった同校の

1 4 0 0

人余の児童や教師を追悼する

児童 らは発表会の始 まる前 に 「子 らのみ魂 よ」そ 斉唱 し,校庭の端 にある 「原爆殉難者の 碑」 に黙祷 ・少年平和像 に拝礼 した後,教室や体育館等で この一年間に取 り組んで きた学 習の成果を学年末の この時期 に総 まとめとして披露す るのである

(8)

38 長崎大学教育学部紀要 教科教育 No.45(2005)

6年生 は体育館で 「国際平和 について」 を主題 に5つの グループに分かれて披露 した。

各学年 ごとのテーマは次 の通 りで あ る.

1

年生 は 「か よ こ桜 とい っ しょに」,

2

年生 は

「わた したちの少年平和像」,3年生 は 「平和 の木 々か ら発信 しよ う」,4年生 は 「永井坂 を世界のみんなに知 らせ よ う」,「か よ こ桜 と小鳥 たち」,

5

年生 は 「ピース ・ナ ビ」等で ある。図 1,図2に児童の学習発表の様子 を示す。

1

学習発表 「かよこ桜 と小鳥たち」の様子

2

学習発表 「放射線

の様子 (平和祈念館内)

原爆遺構 ・被爆校舎である 「城山小平和祈念館」 は

1 9 9 9

年 (平成

1

1年)

2

2 5

日の開館 か ら

7

年 目を迎える これまでに訪れた修学旅行生 は,現在

1 0

万人を越 えているとい う。

館内には当時の原爆の惨禍 を伝え る数多 くの古写真が展示 されてお り,原爆 の悲惨 さ,戟 争 の残酷 さを肌身で感 じた児童生徒達 の思 いが館内に備 え付 けてあるノーートに綴 られてい

る。

山里小学校 は,前述 の城 山小学校 と同 じく爆心地か ら

5 0 0 m

程 の所 にあ る最近接 の被爆 校である校庭の崖 には悲惨 な歴史 を刻む防空壕跡が残存す る また,付近 には永井隆博 士が居住 した如 己堂がある同校 はこれまで6年間に亙 り平和学習 に取 り組 んでいる の間の足跡や平和 に対す る思 いや学習 して きた ことは平和 ノー トに綴 られている本格化 した総合的学習 において も 「児童 にで きる平和活動」 に力点が置かれ,調査活動 を した り, 語 り受 け継 いでい くことを子供 たち自身の課題 と して捉えて被爆地か ら世界 に向けて情報

(9)

を発信 す る学習活動 が行 われて いる

爆心地 か ら遠 く離 れ た学校 にお いて も平和学習 に

1

学年 当た り

2 5 ‑3 5

単位時間 を配 当 し て体験活動,追及活動 が行 われて いる。土井首小学校,及 び深堀小学校 で は,爆心地公園 や原爆 資料館,被爆遺構,城 山 ・山里小学校 め ぐりの コースを設定 して い る

銭座小学校 は,総合的学習 の名称 を, 同校卒業生 の清水崖 に因 み 「カ ッパ タイム」 と称 して い る 同氏 が描 いた校舎 の壁画 「なか よ し」 は 「ふ うち ゃん ・たあち ゃん」 とい う河 童 が仲良 く遊 ぶ姿 で あ る 同校 で は,平和学習 を基軸 に人権総合学習 カ リキ ュラムを構成 して い るところに特徴 が あ る。 1学期 は 「平和 につ いて学習 しよ う」 とい うテーマで全学 年共通 の取 り組 みを行 い,平和祈念集会で学習成果が披露 され る。

2

学期 は,ゲス トテ ィー チ ャーを招聴 し舞踊 の指導 が行 われ る

「長 崎ぶ らぶ ら節」 の振 り付 けが行 われ

5・6

年 の児童 はぶ らぶ ら踊 りに習熟 す る。 その成果 は 「長 崎ぶ らぶ らフェス タ」 や福祉施設 で披 露 され る 3・4年,5・6年合 同で,高齢者 との交流 をテーマに取 り組 みその成果 は人 権集会 で披露 され る

3

学期 は

,

「この町大好 き」, 「異学年 ・異学校 との交流」等 ,各学 年 で テーマが決 め られて い る。

6.

まとめ

本調査 によ って,現在,長 崎市 の市立小学校 で実施 されて い る総合的学習 の現状 の一端 が明 らか にな った。

長崎市域 の市立小学校 で は,総合的学習 の内容項 目と して 「国際理解」

,

「情報」

,

「環境」,

「福祉 ・健康」

,

「地域 ・学校」

,

「人権 ・平和」 の

6

項 目に代表 され る。 この

6

項 目の配 当 時間が総合的学 習 の年 間総 時間数 に 占め る割合 は

8 8 . 3 %

であ る。 この中で時間 占有率 が最 も高 い内容項 目は 「地域 ・学校」 で あ る 学年実施率 は 「国際理解」 の内容項 目が最 も高 く, その次 に内容項 目 「地域 ・学校」 が続 いて い る。 「人権 ・平和教育」 関連 で は,被爆 都市 ・長崎 にお いて城 山小学校 または山里小学校等 は平和教育 を総合的学習 の基軸 と して い る 同校 で は,平和学習 は長 さに亘 り継承 されてお り,人権 ・平和教育 の一端 を担 う重 要 な活動 であ ることは言 うまで もないO この事例 のよ うに,幾 つか の学校 はテーマ学習 に 多 くの時間 を配 当 して,各教科,道徳,特別活動 との連携 ・協力 を図 りなが ら,学校独 自 のオ リジナ リテ ィを出す努力 を して いるのが分 か る。地域密着型 の大 きなテーマ と して実 施 す ることによ り,地域住民 との関わ りが緊密 にな り,学校 の存在意義 も高 め られて い る

よ うに思 われ る

今後, 「ゆ と り教育」 か ら 「学力重視教育」 へ の志 向が強 まる と考 え られ る中で,総合 的学習 を持続性 のあ る追求活動 と して い くためには教 師の力量 に負 うところが非常 に大 き いよ うに思 われ る

参 考 文 献

1)文部科学省編 :小学校学習指導要領解説 一総則編 ‑,(東京書籍,平成16)51.

2)村川雅弘ノJ林毅夫 :小学校学習指導要領の展開 一総合的学習編 一,(明治図書,1999)18.

3)長崎市中学校教育改革研究部会編 :平成14年度 「総合的な学習の時間」研究収録 4)長崎市小学校編 :長崎市小学校平成16年度 「総合的な学習の時間」全体計画書 5)Carson,RachelLH青樹築一訳 :沈黙 の春,(新潮社,2001)17.

6)Carson,RachelLH上達恵子訳 :セ ンス ・オブ ・ワンダー,(新潮社,1996)7.

参照

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