九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
病理所見から見た特発性の慢性蕁麻疹 : 皮下の炎症 細胞浸潤と治療反応性の相関について
伊藤, 絵里子
https://doi.org/10.15017/2556280
出版情報:Kyushu University, 2019, 博士(医学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
氏 名:伊藤 絵里子
論 文 名:Chronic spontaneous urticaria: Implications of subcutaneous inflammatory cell infiltration in an intractable clinical course
(病理所見から見た特発性の慢性蕁麻疹―皮下の炎症細胞浸潤と治療反応性の相関について―)
区 分:乙
論 文 内 容 の 要 旨
日 常 診 療 で は 蕁 麻 疹 の 組 織 学 的 検 査 を 行 う こ と は 少 な い 。 し か し 特 発 性 の 慢 性 蕁 麻 疹 に お い て は 、 蕁 麻 疹 様 の 臨 床 像 を 示 す 疾 患 の 鑑 別 や 病 態 を 考 慮 す る た め 、 組 織 学 的 検 索 が 有 用 な 場 合 が あ る 。 こ れ ま で 特 発 性 の 慢 性 蕁 麻 疹 の 治 療 反 応 性 と 病 理 所 見 と の 関 係 に つ い て は 検 討 さ れ て い な か っ た 。 そ こ で 、 皮 膚 生 検 を 施 行 し た 特 発 性 の 慢 性 蕁 麻 疹 36 例 に つ い て 、g oo d re sp o nd er ; 内 服 治 療 な し で 3 か 月 以 上 寛 解 状 態 を 維 持 で き て い る 症 例 、po o r r es p on d er ; 寛 解 し て も 3 か 月 未 満 で 再 燃 し て し ま う 症 例 や 寛 解 に 至 ら な い 症 例 と し て 、 治 療 反 応 性 の 良 悪 と 病 理 所 見 の 間 に 相 関 す る 項 目 が な い か を 研 究 し た 。
臨 床 所 見 の 項 目 は 、 年 齢 ・ 性 別 ・ 生 検 時 の 罹 病 期 間 ・ 合 併 症 の 有 無 ・ 前 治 療 【H 1 抗 ヒ ス タ ミ ン 剤 、ス テ ロ イ ド 内 服 、 特 に 治 療 な し 】・ 当 科 で の 治 療【H 1 抗 ヒ ス タ ミ ン 剤(通 常 量 で 単 剤 使 用 、高 容 量 で 多 剤 併 用)、抗 ロ イ コ ト リ エ ン 薬 、H2 抗 ヒ ス タ ミ ン 剤 、ス テ ロ イ ド 内 服 】と し て 、病 理 所 見 は 浮 腫 の 程 度【mi l d、s ev e re】・炎 症 細 胞 浸 潤 の 様 式【 血 管 周 囲 性 、 血 管 周 囲 + 間 質 】・ 炎 症 細 胞 浸 潤 の 範 囲 【 真 皮 内 の み 、 真 皮 + 皮 下 脂 肪 織 】
・ 好 中 球 数 【 ≥1 0/ H PF, < 10 / HP F】・ 好 酸 球 数 【 ≥1 0/ H PF ,< 1 0/ HP F】 と し た 。 こ れ ら の 項 目 と 治 療 反 応 性 と の 関 連 に つ い て 統 計 学 的 解 析 を 行 っ た と こ ろ 、 病 理 学 的 に 細 胞 浸 潤 が 真 皮 の み な ら ず 皮 下 に も 及 ん で い る 症 例 で は 、 治 療 反 応 性 が 乏 し い 傾 向 を 認 め た 。 組 織 学 的 に 細 胞 浸 潤 の 深 い 症 例 で は 、 標 準 的 な 治 療 へ の 反 応 性 が 乏 し い 可 能 性 が あ る と 考 え た 。