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多重債務者救済のための新 たな相談体制 について

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(1)

多重債務者救済のための新 たな相談体制 について

宮 永 文 雄

(

キー ワー ド :多重債務, ク レジ ッ トカケンセ リング,ADR

l

は じめに'

近年.多重債務 とこれ をめ ぐる紛争処理 に関す る環境 は激変 してい る。 まず 挙 げ られるのが.貸金業法等 の改正 (平成

1 8

1 2

2 0

日法律 第

1 1 5

号)であ り, その大 きな柱が,いわゆるグ レーゾ丁 ン金利の解消が決 まった ことやあ る。 こ れ以外 に も,司法改革の流 れに よる紛争処理手段 の多様化,後述の法 テ ラスに 代表 される 相談窓口の開設の影響がある。〜

従来か ら激 しく議論 されて きた多重債務 問題であ るが.■ここに来て具体 的 に 前進 し始めた感がある。,消 費者団体 その他の市民 団体 や.業界 を初 め と した経 済界,学界 における動 きだけではな く∴政府 において も多重債務者対策本部 を 設置す るな ど, この問題 に対す る政策が推進 されつつあ る。

本稿 では,実務が大 きく変化 を遂 げ ようとt てい るこの時期 に,現状 を確 認 し,若干の考察 を試みてお きたい。以下,多重債務者対策 に関す る議論の現況 を概観

し 〔 2 〕

,それ を踏 まえた うえで,相談機関の現況 について考察す ること にす る

〔 3

。相談機関は,後述の 「多重債務者問題改善 プログラム」で も言及 された財 団法 人 日本 ク レジ ッ トカ ウンセ リング協 会 を中心 に検討 す る こ とと し,その概要 と近年の相談状況,相談体制の拡充 に関す る議論 と動向,法 テ ラ ス との関係,今後の実務運用の方向な どについて検討す る。最後 に,若干 の コ メ ン トを付 して,むす びにか えることとす る

〔 4

〕。

‑2 2 7 (3 4 3)

(2)

2

‑多重債 務 者 対 策 本 部 に お け る議 論

貸金業法等 の改正 をめ ぐる議論 は記憶 に新 しい ところであ る。議論 の結果, 従来か ら批判の大 きか った利息制限法第 1条 による貸 出金利の上 限 と出資法第

5

条 に よる処罰の対象 となる金利 の差 に よって生 じる,いわゆるグ レーゾー ン 金利が撤廃 され.従来の利息制 限法の定める金利 に統一す る形で,新 たな貸 出 金利 の上 限 を定めることとなった。

これに よって,期待 で きることは,返済能力 を超 えた高金利 に よる多重債務 の深刻化 を防止す ること,貸金側の審査 の強化 によ り返済能力 を超 えた債務者 へ の貸付が制限 され ること, な どである。 これ らは,与信 を断 られた債務者が ヤ ミ金へ流れる等 を理 由 と した反対 〔後述

( 2)

参照〕に よ り,実現で きていなかっ た ことであ る。 しか しなが ら.貸金業法等改正の成立 に よ り, この施行 を待 た ず に,貸 出金利 を引 き下 げる傾 向が 出て きてお り,その効果が期待 され る。

また,政府 において も多重債務者対 策本部 を立 ち上 げ (平成

1 8

1 2

2 2

日間議決走),有識 者会議 を開催 してい るほか,相 談会 な ど も実施 してい る。

有識者 会議 における議論 を踏 まえ,平成

1 9

4

月 には対策本部が 「多重債務 者問題改善 プログラム」 (以下 「改善 プログラム

」 )

を策定 している 1

(1)相談窓口の整備 ・強化に関 して

多重債務問題 の解決 について,上述の 「改善 プログラム」では,大 きく分 け

4

つの カテゴリーで対策 を示 している。す なわち, 1.丁寧 に事情 を聞い てア ドバ イス を行 う相 談窓口の整備 ・強化,2 借 りられ な くなった人 に対 す る顔 の見 えるセ‑ フテ ィネ ッ ト貸付 の提供

,3

多重債務者発生予 防の ための 金融経済教育の強化,4 ヤ ミ金の撲滅 に向けた取締 りの強化‑ である

2。

改善 プログラム」1における大 きな柱が,地方 自治体の役割の強調である。

特 に,住民 との接触機会が多い官公署である市町村 に対 して,対応の強化が求 め られている。現状 では,多重債務者 は解決の方法や相 談窓口の在 り処 さえ分

‑ 2 2 8(3 4 4

)‑

(3)

か らず悩 んでいることが想定 され,早 めに相談すれば解決可能 な事案で も.放 置 していたために経済状態が悪化 し,生活 に行 き詰 まってい ることが憂慮 され る。

このため 「改善 プログラム」では,多重債務 を直接扱 う部署 だけでな く,他 の部署で も,多重債務者 を発見 した場合 には,相談窓口に直接連絡 して誘導す ることを要請 してい る

3

。 ただ,市 町村 の規模 が まちまちで,体制 に も差が あ る こ とか ら, その規模 に応 じて対応 を要 請 してい る 4。都 道府 県 に対 して は, 消費生活セ ンター等 の 自らの相談窓口における相談体制 ・内容の充実 をは じめ, 市 町村 の業務 の補完 ・市 町村 に対 す る助言 な どを求めてい る

5

。 さらに,市 町 村が専 門機 関 と円滑 に連携で きるように,弁護士 ・司法書士,関係 団体 のネ ッ トワー クの構築等 を支援 ・指導す ることを要請 してお り,各都道府県 において, 都道府県庁 の関係部署,都道府県警察,域 内の弁護士会 ・司法書士会,多重債 務者支援 団体,その他 関係 団体で

,

多重債務者対策本部 (又 は同協 議会)」 を 設立 し,都道府県内の多重債務者対策推進のための必要 な協議 を行 うこと等 を 要請 している

6。

実際.すで に実績 を上 げてい る事例 もあ り,盛 岡市 の取 り組み

7

や奄美市 の 例 Sな どが関心 を集めている。

( 2 )

多重債務予防に関す る施策

本稿では,概要のみ に とどめるが.多重債務者の救済だけでな く, これ を予 防す る こ とも施策 の重要 な柱 であ る。「改善 プログラム」 において も

,2

以下

i

で言及 されている。

その例 と して,セー フテ ィネ ッ ト貸付がある。 グ レーゾー ン金利の弼廃 に よ り,高金利が抑制 され る結果,貸金業者 も利息制 限法の枠 内での貸付が求め ら れることにな り,一部の業者では,法改正施行 を先取 りして,新規 の貸付金利

を利息制 限法 の枠 内に とどめ る例 も出現 してい る

9

。 この ことは、,多重債務者 に対す る過剰 な貸付 を防止 して,多重債務 の悪化 を防 ぐとい う意味で は効果が

‑2 2 9(3 4 5)‑

(4)

期待 され る

他方,業者か らみれば,上限金利の引 き下 げは貸出 リス クの増大 を意味す る ものであ る. リス クを,回避す るために,従来は貸 出の対象であった信用力の低 い借 り手 に対 して,新 たな融 資 を断 った り

,

貸 し剥が し」が起 こった りす る

ことが想定 され,実際 にその ような傾 向が硯 れ始めている

1 0。

本来,高 リス クな利用者 に対 して高金利で貸 し付 けることは,一時 しの ぎに 過 ぎず,遅かれ早かれ経済的に破綻す ることが多 いはずであ り, なん ら根本的 な解決 になっていなか った と思われ る。 だが,法改正後, これ らの債務者が貸 付 を断 られた ことを きっかけに,何 らかの債務整理や法的整理 に臨めば ともか く,その ような措置 を取 らず に,ヤ ミ金の利用 に流 れて, これ らか らの貸付 を 受 けるケースが増 えることも懸念 される。

この ような懸念 を未然 に防 ぐため,「改善 プ ログラム」4で言及 されてい る ようにヤ ミ金 に対す る取締 りの強化が必要であ るが, このほか に も

,2

で取 り 上 げてい るように,当座の資金需要 を満 たす ための措置が必要である。

従来 ,多重債務 に対す る政策 は,相談業務が 中心 であったが,以上の ような 債務者の資金需要 に対応 して,低利での貸付 の実現が必要 なことは 「改善 プロ

グラム」で も指摘 されてい る

1L 。

この点では,民 間の取 り組みに も注 目が集 まってい る。行政での活動 として 盛 岡市 の例 を挙 げたが,同地 に拠点 を持つ 「信用生協 」が

2 0

年近 くにわたって.

多重債務 の解 消 を 目的 と した 「ス イ ッチ ロー ン」 を提供 してお り

1 2 ,

改 善 プ ログラム」で も. これ を参考 に した システムの構築が提唱 されるまでになって

i いる

1 3

。行政 だけでな く,金融機 関,弁護士会 と連携 してい るの を初 め,.司法 書士 や

NPO

法 人 な どとも協力体 制 を築 いて この問題 に対処 してい ることが注

目されてい る。

改善 プログラム」での要請 は.一部での実績 はあ る ものの,現状 では多重 債務 問題 に関す る機 関 ごとの連携が必ず しも十分 に機 能 していない ことの反映

‑2 3 0(3 4 6

)‑

(5)

とい える。す なわ ち,多重債務 者の掘 り起 しが可能 な最前線 にい る人 々か ら, 適切 な相談窓口への紹介 ・誘導が十分 に行 われていない とい うことになる。そ の意味で,行政 において,対 内的 ・対外的に多重債務 に関す る業務 の連携 を深 め, さらには.弁護士会や司法書士会,その他の支援 団体 まで含めて対策 を立 て ようとす る試みは評価 で きよう。

次章で は

,

「改善 プログラム」で も対応の強化が言及 されてい る相 談機 関に ついて述べ たい。特 に, ク レジ ッ.トカウンセ リングについて検討す る ことで, 相談機 関が抱 える問題 についでの視座 を得 ることと したい。

3

相談機関の現況 と方向性

多重債務 問題 の解 決の大 きな柱 と して,潜在 的 な多重債務者 の掘 り起 こ し, あるいは,相談機 関 ・窓口の整備がある。従来,弁護士会や行政の窓口,市民 団体, また業界の側 で もそれぞれの取 り組みが な されて きたが,十分 な連携や 窓口へ のアクセスが確保 されて きた とは言い難い。 この間題 に も総合 的 に対処 すべ く, ようや く真剣 な取 り組みが な され るようになって きた。

ここでは

,

改善 プログラム」で も言及 されてい る財 団法人 日本 ク レジ ッ ト カウンセ リング協会 を中心 に現状 と課題 を確 認 してお くことと したい

1 40

(1)財 団法人 日本 ク レジッ トカウンセ リング協会 と開設の経緯

1 5

財 団法人 日本 クレジ ッ トカウンセ リング協会 (以下

,

協会」)は, ク レジ シ トの利用 によ り多重債務 に陥 った消費者 を救済す るために, ク レジ ッ ト業 界が 中心 となって昭和̲62年 に設立 された もの である。

当初 は, グレジ ッ ト業者か らの債務 を負わない債務者 については,業務 の対 象外 であった。 しか し 日本経済が長期の不況 に陥 る中,多重債務者が さらに 増加す るに及んで, ク レジ ッ トのほか,貸金,お よび銀行 に関わる債務 につい て も,本格 的 に取扱 うことが必要 となった。 そ こで,\平成

1 4

年 に関係業界 の

‑2 3 1 (3 4

7)‑

(6)

参画 を得 て組織改変 を行 い,取扱対象 をクレジ ッ トのほか,貸金業者や銀行 に 対す る債務 に も拡大 し.現在 に至 っている。財源 は.各業界か らの拠 出に よるが.

運営や カウンセ リングの中立 を保つ観点か ら,企業か ら直接拠 出 を受 けるので はな く,賛助会員 となってい る業界 団体が拠 出す る形式 を採用 している

1 6。

協会 では,事業の大 きな柱 として,多重債務者 に対す るカウンセ リングを行 っ てい る。 内容 は,債務整理のほか,家計 についての相談 な どであるが,その手 法 は‑一章)利息 については,利息制限法の上限 を越 える ものは.法の限度内に 引 きなおす。②原則 と して,分割払いで

3

年以内 に返済で きるように計画 を立 案す る。③基本的 に,元本の減免は行 わない。④ 家計簿 をつけるな どの 日常生 活 について も相談 に応 じる。⑤ 自己破 産や個人再生手続 の利用が望 ま しい と思 われ る事案 については,協会では扱 わず.弁護士 会の相談セ ンターな どを紹介 す る‑ な どを特徴 としてい る。相談者 は無料 で利用 で きる

1 7。

カ ウ ンセ リングは,弁護士 の カウ ンセ ラー と消 費生活 ア ドバ イザ ーの 資格 を持つ カ ウ ンセ ラー との二人一組 で担 当 してい る。 カ ウ ンセ ラー となる弁護 士 につ いて は,人選 の 中立性 の観 点か ら‑協会 が特 定 の弁護士 個 人 には直接 依 頼せず.弁護士会 (東京 の場合 は東 京≡会) か らの推薦 に基づ いて任ぜ ら れている

1 8。

相談件数の推移 であるが,東京 ・名古屋 ・福 岡にある

3

箇所 の相談 セ ンター の合計では増加傾 向にある。 ただ し. これは支部 開設 による相談需要 の掘 り起 こ しの影響 に よる部分 も考 え られ,従来か ら相談業務 を実施 してい る東京 セ ン ターに限っていえば.平成

1 4

年度以降

1 7

年度 まで電話 に よる問い合 わせ相 談 件数 ・新規 カウンセ リング件数 ともに減少傾 向にあ った 19

多重債務の原因であるが,東京 セ ンター を例 に取 る と.男性 の場合,遊興 ・ 飲食 ・交際,ギ ャンブル,収入減少 ・失業,生活費の順 となってお り.女性 の 場合 .収入減少 ・失業,生活費,賛沢品 ・収入以上の買い物 な どが これに次い でい る 20

留意 しなければな らないのは, これ らの統計が.社会の多重債務 の状 況 と必

‑2 3 2(3 4 8)‑

(7)

ず Lも連動 してい るわけではない とい うことである 21。相 談窓口が限 られてい ることもあるが,負債額が大 き く任意整理 によ り解決が困難 な事案 は, 自己破 産や個人再生 な どの法的手続 を申立て るのが望 ま しく.そのための適当な窓口 が紹介 され ることになっているか らである。協会で扱 うものは,多重債務 に陥 っ ているが ,任意整理や債務者 自身の消費生活の改善 によ り返済が可能 な事例 に 限 られている。

(2)改善 プログラム」における増設要請

以上が協会 の概 要であるが

,

改善 プログラム」 では,多重債務者 に対す る 相 談体 制 拡 充策 の ひ とつ と して,協 会 の拠 点 を増 設 し,全 国 の各 ブ ロ ック

1

1箇所 に設置す るよう要請 している

2 2

。 この経緯 について簡単 に触 れてお く。

多重債務者対策本部有識者会議 において,府県 を越 えての相談体制の整備 を 考 える流れで,その第

3

回会議 において,協会 について言及 されてい る。協会 の窓口が全国

3

箇所 に しか設置 されていない現状 を踏 まえ, カウンセ リングを 行 う機 関 を 「公的 な関与があ る機 関 として都道府県 ごとに設 ける

23ことの必 要性 を訴 える主張が出 され,それ を受けて既存 の機 関 を活用す ることの意義 を 強調す る発言 も出 された

2 40

その後の議論では,拠点増設 に関 して,協会が業界 の資金拠 出に よ り設立 さ れた団体であ ることを捉 え,単 なる債権 回収機関 に陥 ることを危倶 し.強 く反 対す る意見が示 された

2 5

。逆 に,多重債務 問題の責任の一端 は業界 にあ るのだ か ら,む しろ業界の責任 と して, 自ら資金 を拠 出 して この よ うな団体 を設 け,

これ を増設す る意義がある とい う趣 旨の意見 も複数あった

2 6。

最終的には,増設 を求め る意見が採用 された ことになるが,その趣 旨は.覗 在活動 してい る枠組み を最大 限活用す ることと,業界側 の責任 と して多重債務 問題 にあたることを求めた もの といえる

2 7。

‑ 2 3 3(3 4 9)

(8)

( 3 )

相談窓 口の拡充について

改善 プログラム」 で要請 された窓口の拡充 につ いて,設立以来の経過 は以 下 の ような ものであ る。協会 は,設立当初,常時相談 を受 け付 けるのは東京 の 本部 でのみであ り,それ以外 の地域へ は地方 カウンセ リングとして年 に数回の 出張相談会 を実施す るのみであった。 しか し, これではカウンセ リングの対象 が実質的に関東地方在住 の多重債務者 に限 られることか ら,窓口の拡充が必要

となっていた。

以前 よ り支部開設の検討お よび関係 団体 との交渉が行 われて きたが,近年 に なって徐 々に開設が進 んでいる。平成

1 5

年度 には福 岡支部が,翌平成

1 6

年度 には.名古屋支部が 開設 されて,現在 は全 国

3

箇所で常時 カウンセ リング業務 にあたっている。ただ,従来か ら懸案 となってい る関西地 区については,現在

も支部 開設 には至 っていない。

改 善 プログラム」 における要 請 とも関連す るが,今後 は全 国の よ り広 い地 域 をカバ ーす る観点か ら, ブロ ック単位で支部が 開設 されていない箇所 につい ての対応が優先 され ることになろ う。す なわち,札幌,仙台 な どが有力 と思 わ れ る。 ただ し,窓口の分布 と多 くの相談需要の発生す る分布 は必ず しも一致 し ているわけではないので,相談者数ベースでの需要 を満 たす ことを優先す るな らば. ブロックの枠 にこだわ らずに窓口の開設 を推進すべ きところであろ う

0

支部 開設 にあたっては,業務 にあたる人員の確保が重要であ る。例 えば相談 にあたる弁護士 は,弁護士会 (東京の場合 は,東京三会)の推薦 に基づいてお り,協会独 自に弁護士個人に依頼す ることはない。 これは.協会 におけるカウ ンセ リングの中立性 を担保す るためであ るが,逆 に言 えば,新規 に開設す る場 合 で も現地の弁護士会の理解 と協力が欠かせ ない とい うことになる。

上述 の よ うに

,

改善 プログラム」 は,協会 に対 しては,相談 窓口を全 国の ブ ロ ック

1

1箇所 に拡充す る ように要請 してい る。 しか し, これにつ いての財 政的裏づ けについては言及 されていない。前節 で示 した ように,有識者会議の 議論 は, ク レジ ッ ト ・貸金 ・銀行業界の業務 に関わる責任 として資金 を拠 出す

‑ 2 3 4(35 0)‑

(9)

ることを示唆 しているので.窓口増設のために必要 な賛助会費の増額 な どを暗 に求めていると考 えるべ きである。ただ し.現在 ある

3

箇所 の窓口を

3

倍以上 に増設す るには人的 ・組織 的に現状 をはるか に超 える資源が必要である。 ひ と まず,協会の窓口の設置 を地道 に進めつつ, これ を補 うかたちで 自治体 その他 の団体 との連携 を推進 してい くことになろ うか。

( 4)

法テラス との連携 について

相談機 関の連携 を考 える上では,′法 テラスに言及 してお く必要があろ う。国 民 に対す る司法の ワンス トップサー ビス を実現す る 目的で,総合法律支援法が 制定 され (平成

1 6

6

2日法律 第 7 4

号), これ に基づ いて, 日本 司法支援 セ ンター,通称 ・法 テ ラスが,平成

1 8

1

0月 よ り運用 を開始 してい る。法テ ラスの業務 と しては,①情報提供業務,②民事法律扶助業務,③犯罪被 害者支 援業務,(も司法過疎対策業務,⑤ 国選弁護 関連業務 ,等が掲 げ られてい る (

3 0

条)28。 この中で,多重債務 問題 と関連が深 いの は,① 情報提供業務,② 民 事法律扶助業務,(彰司法過疎対策業務であろ う。特 に①情報提供業務 に関連 し て.多重債務の状態 に置かれているが適当な相談窓口を認知 していない債務者 が.法テ ラスに相談 を寄せ,その紹介 によって,協会 を初め とす る相談機 関に アクセスす る とい うのが, ひとつの理想 であ る。

しか し,連用が始 まってみ ると,様 々な問題が噴 出 してい る。 まず.法 テラ スその もの利用件数の少 な さであ る。 当初想定 されていた件数の

4

分の 1程度 の相談 しか な く,十分 に浸透 していないのが現状 であ る 29

この要 因 と しては. まず,認知度が高 まっていないことが考 え られ るが,棉 談窓口の紹介 を受 けたあ との連携の拙 さも考慮 に入れてお く必要が あろう。現 在 の運用 では,適切 な窓口を紹介 して も.それに よって法 テ ラスか ら直接相談 機 関‑ の詳細 な相 談 内容 の引継 ぎや フ ォローア ップ を行 ってい るわけで はな く,相談者 は,相談機 関 との交渉や調整 を再度‑か らや り直 さなければな らな い。 これは,心理的に も経 済的 に も追い詰め られている相談者 に とっては決 し

‑ 2 3 5(3 5

1)一

(10)

て低 いハ ー ドルではない。業務量が当初の見込み を下 回っている現状 を考 えれ ば,現在 の相談機 関の紹介 に限 らず,仲介斡旋等への業務 の拡大 も考 える余地 があろ う。

相談機 関の視点では.相談者の奪い合 い とい う側面 もある。多重債務者 の救 済 と自らが運営す る手続 の活用 を考 えて,多 くの相談機関が 自己の窓口へ の誘 導 を期待す るのは当然であろ う。 ただ. これ らの相談の受 け皿が地域的 ・内容 的 に偏在 している とい う現実がある。上述の ように,協会 の場合,東京 ・名古 屋 ・福 岡にのみ常設の窓口がある。 これ らの地域 の居住者 に対 しては,常時サー ビス を提供で きるが, これ以外 の地域の居住者 に提供 で きるサー ビスは限 られ てい る。

法 テラスの側で も,その点 は当然考慮 して紹介す るこ とになる。 その場合 , 相 談窓口のある地域 では協会 に,それ以外 の地域 では消費生活セ ンターな どに, といった振 り分け も可能 なはず だが,同種 の機 関で も設立主体が異 なれば.莱 務 内容 には差異があ る。例 えば,全 国にある程度普遍的に存在す る消費生活 セ ンターで も,多重債務 の相談受付体制 はセ ンター ごとに まちまちであ る。地域 の受 入体制 に応 じて,最適の機 関を紹介 して もよいはずだが,運用の効率化の 観点か らは紹介先が定型化 され るの も致 し方 ないのであろ うか。現状 では,法 テ ラスの地方事務所 に誘導す るほか.都道府県 レベルでは普遍的に存在 し,か つ.一定 レベルの対応が期待 で きる相談窓口 として,弁護士会 な どを紹介す る

ことが多 くなっている 30

以上の ように,背景事情の存在 は考 え られるが,法テ ラス と協会 との連携 に 限 って言 えば,現段 階では順調 に進 んでいる とは言 い難 い。相談機 関の側で も, 法 テ ラスの運用改善 を待つ前 に相互の連携や窓口の整備 といった対応が欠かせ ない といえ よう。貸 し手 において も.協会や法 テラスな どの相談窓口の所在 を, 利用者 に対す る貸付 の際 に必ず周知す る といった対応が求め られ よう。

‑ 2 3 6(3 5 2)‑

(11)

(5)運用の見直 しについて

貸金業法.その他の法令の改正 に よって,協会の実務 も大 き く影響 を受 ける ことは確実である。完全施行 まで問があ ることか ら,具体的 な議論 の進展 には 至 っていないが.現段 階で筆者が想定す る問題 について, ひとつだけ言及 して お きたい。

貸金業法等 の改正 に よって,貸金関係の制度が大 き く変 わる こととなった。

その 目玉の一つが,いわゆるグレーゾー ン金利の撤廃 である。 これが完全施行 されるまで には

2

年余 りあるが,上述の ように一部の クレジ ッ ト ・消費者金融 業者 な どでは,すでにこの流れ を先取 りして,新規 の契約か ら貸 出金利 を利息 制限法の定める範囲に収めるようになっている。 これに よ り,高金利の借入 れ による負債額の増大 に歯止めがかか り.多重債務問題の改善 に大 き く道 を開 く ことが期待 され る

だが.協会が実施す る債務整理の要領 との関係で は留意すべ き点 もある。現 在 の協会の運用では‑債務整理 を行 うに当たって,債務の繰 り延べや分割弁済 といった方法 は認めているが.元本の減免 は行 わないのが原則であ る。 しか し, 約定金利 については‑利息制限法 を越 える部分 について, これ を法定金利 まで 引 きなおす ことになっている。現在 は, これに よる圧縮分が債務総額の減少 に 大 きく寄与 している。

以前 よ り, グ レーゾ‑ ン金利の存在 によって問題 となる,いわゆる過払いの 利息の扱 いについては激 しい議論が交 わ されて きた ところであ るが,近時の相 次 ぐ最高裁判決

31

に よ り,貸金業法43条の適用 に関す る厳格 な態度が明確 に なった。現在では,利息制限法 に定め る利率 を超 える弁済の過払い分 について は, これ を債務者 に返還 を命ず る流れが定着 してい る。今 回の貸金業法改正 に ち, この流れが大 きく影響 している。

過払い問題が クローズア ップされ る前 は,協会の運用 は多 くの相談チ ャネル の中で も秀でてい る部類 に属す る ものであ ったO だが, グレー ゾー ン金利が撤 廃 された後 は,利息制 限法 を越 える約定金利での貸 出その ものがで きな くなる

‑2 3 7(3 5 3)‑

(12)

のであ るか ら, これ を引 きなお して債務総額 を減 らす方法は,徐 々に使 える余 地が狭 くなってゆ く。現在 の実務 の要領 を踏襲す る限 り,債務整理 は弁済の繰 り延べ と分割払いによるはかな く,相談者が抱 える多重債務 の状況が劇的に好 転す ることは望み に くくな・る。

もちろん,利息制限法 を越 える高金利での貸付 が な くな り,その効果 と して 多重債務者の総数が減少すれば,相談者の数 も減少す るはずであ るか ら,相談 機 関で対応 しなければな らない債務者の絶対数 は減 るであろ う。 しか し,法改 正 に伴 って.協 会の債務整理では多重債務の状況 に劇的な改善が望め ない とい

/

うことになる と. これに期待 で きる部分が減 る とい うことであ り,別の意味で 問題 であ ると言 わ ざるを得 ないO グレーゾー ン金利の撤廃 に よって,多重債務 者が減 ることはあって も,ゼ ロになることは考 え られないのであ る。

今後 は,貸金業法等 の改正が完全施行 される約

2

年後 に向けて,運用の見直 しが必要 になろ う。す なわち,今 回の法改正 を機会 に,現在基本的には行 われ ていない元本や利息制限法の定める枠 内にあ る利息の減免 に立 ち入 った内容 も 検討すべ き時期ではないか. と筆者 は考 えるのであ る。ただ し,協会 において は,貸金業法等の改正 に伴 う実務の要領の改訂 に関 して,現在 の ところ,具体 的 な議論 は行 われていない ようであ る。

以上,改善 プログラム」 に示 された拠点増設の要請,法 テ ラスな どとの連携, 運用 の見直 しの必要性等 を概観 した。 コメ ン トは次章 に譲 るが

,

改善 プログ ラム」の内容 は,批判的な意見は残 っている ものの,協会の活動 について一定 の評価が与 えられてい ることの証左 であ り,その実績 に基づいての要請であ る とい える。ただ,改善 プログラム」では,現状 の業務取扱体 制 をはるか に超 える レベ ルの ものが期待 されてお り.実現 にあたっては,十分 な援助 ・連携体 制が必要である。

‑ 2 3 8(3 5 4)‑

(13)

4

むすびにかえて

現 時点で は

,

改善 プログラム」が策定 されて 日も浅 く,公布 か ら概 ね 3年 以内 を 目途 とされている貸金業法等 の全面施行 まで

2

年余 り残 ってい ることも あ り,法改正 に応 じた実務 の改善 につ いての議論 は緒 についたばか りである

現時点で方向性 を見出すのは難 しいが,若干 の コメ ン トを して総括 と したい。

まず, ここに至 って政府 において多重債務者対策の重要性が認識 された こと の重要性 である。多重債務 問題 は.単 なる経済問題や個人の資質 に関す る問題 の留 まらず.社会問題, と りわけ 「格差」の問題 ともいえるが,それに対応す る指針が示 された ことは率直 に歓迎すべ きものである。貸金業法見直 しの時期 になって,消費者金融各社 の不祥事が明 るみ に出た り,ヤ ミ全問題が クローズ ア ップ された りしたこLtも,多重債務者保護の方向を後押 しした格好 になった占

また

,

改善 プログラム」 においては,多重債務 問題 に対処す る先進的 な事 例が紹介 され, これ を基 に 自治体や相談機 関に新 たな枠組みの構築 を求めてい るが, これ も,従来 にな.く踏み込 んだ内容 となっていることに留意すべ きであ

o T .

多重債務者 に対す るカウンセ リングの必要性 を認識 した上で 「改善 プログラ ム」で言及 された,協 会 に対す る窓口増設の要請 もこれに呼応 した もの とい え よう。 ただ し,全 国

1

1箇所 に設置 を要請 されてい る ものの,一応各都道府県 に窓口のある法 テラス と違い,協会の拠点数が

3

箇所 に留 まる現状 と 「改善 プ ログラム」が掲 げる 目標 とは余 りに もかけ離れている。現状 を出発点 として具 体 的 な方策 を定め るのは容易ではないが,順 次拠点 を拡大 してい くほか ないで あろ う

協会が カウンセ リングを行 う意義 について も,議論 は積 み残 された ままであ る。多重債務者対策本部有識者会議での議論 や 「改善 プログラム」か らは, カ ウンセ リング窓口の充実のために,貸 し手の責任 と して,業界が拠 出す ること を前提 と してい ることが伺 える。 だが.将来 について は,有識者会議 におけ る

‑′ 2 3 9(3 5 5)

(14)

議論 において も, カウ ンセ リングの実施 を公 的機 関 と協 会の両輪で行 うのか, 現在 の協会 に 自治体 な どが関与す る形で一本化す るか. といった幾つかの方向 性 が垣 間見 えた。

とはい え,当面 は短期 的な施策 に絞 って対応せ ざるを得 まい。「改善 プログ ラム」 においては,増設の要請 と自治体 な どか らの相談案件 の誘導等 について 言及は されてい る ものの,多 くの 自治体 では多重債務 問題 に対す る対応 その も のが始 まったばか りである。一定の枠組み は示 されたが,支援のため には,第 一段階 として国に よる研修や予算措置の拡充が必要 となろ う。

以上のほか,本稿 で十分 に取 り上 げることがで きなか った論点 として, カウ

、ンセ リングと法的整理 との分担 のあ り方や, カウンセ リングとセーフテ ィネ ッ ト貸 出 との連携 のあ り方 な どがあ るが, これ らの点 については稿 を改 めて検討 したい。 いずれにせ よ,多重債務者対策についての方向性が固 まって きた硯各 施策の うち可能 な部分 か ら迅速 に着手 してい くことが必要であ り,早急 な対応 が期待 され る

提 出年月 日 :

2 0 0 7

9

1 8

‑2 4 0(3 5 6)

(15)

1

多 重 債 務 者 対 策 本 部 に.つ い て の概 要 及 び関連 資料 は. 首相 官 邸 ホ ー ムペ ー ジ

< ht t p: / / www. kant e i . g o. J p/ J P/ s i ng i/ s ai mu

>を参照. 対策本部 に設 け られてい る有 識 者会言

ま .

「多 重債 務 問題 の解 決 に向けた方策 につ いて (有識者会 議 にお け る意見取 りま とめ)」 (平 成

1 9

4

9

日) を公表 し, これ を受 けて,多重債務者対策本部 「多重債務 問題改善 プログラム」

(平成

1 9

年4月2

0日)が決定 されている。なお,

改善 プログラムの概要 についての解説 と して, 宇都宮健児 「多重債務問題改善 プログラムの策定 につ いて」消 費者法 ニュース

7 2

号82頁 (

1 9

年) を挙 げてお く。

2

改善 プ ログラム」前掲注

1・2

3 ・2頁。部署の具体例 と して,生活保護 を担 当す る福祉事務所.家庭 内暴力 ・児童虐待, 公営住 宅料 金徴収 の担 当部署等 を示 している。

4

・ 3

頁。 ここで は. イ 相談窓 口が整備 されてい る市町村 (多重債務問題 に対 して.

消費生活セ ンター又は消費者問題の相談 窓口 を常設 し,かつ多重債務 間蓮 も扱 う消費者相 談 の専任者 を置いて対応Lしている市町村),ロ イに該 当す る市 町村 以外 の.消費生 活セ ンタ‑

を設置 している市.又 は,地域 で 中核 的 な役割 を果 た してい る人口規模 の大 きい市.ハ れ以外 の市 町村‑ に分類 し, イ ・ロにお いては

,

丁寧 な事情 の聴取 や具体 的 な解 決方 法 の検討 ・助言が出来 るよう,相 談体制 ・内容 の充実 を要請す るO」 と し,ハ においては

,

「多 重債務者 を発見 した場合 には,都道府県 な ど他の 自治体 や カウ ンセ リング主体‑ の適切 な紹 介 ・誘導 を行 うよ う要請す る

」 と している。

5

・3‑4

頁。

6 ・4頁。

7

盛 岡市市民部消費生活セ ンター 「

r

多重債務 に強い まち」を 目指 して」(平成

1 9

7

1 2

日) を参照。

8

自殺対策 ・多重債務救 済の 「奄美モデル」 について,頑久孝一 「自殺対策の鍵 を握 るの は 行政である

」<ht t p. / / www. 1 i f e l i nk. o r . j p/ hP / Li br a r y / amami , pd

f> (平成

1 8

年) を参照O ̲

9

消費者金融大 手4社 の 中で は,平成

1 9

8

月 まで に. ア コムお よびア イフルが,新規 契約

に限 り,約定金利 を利息制 限法の限度 内 に引 き下 げてい る。

1

0 日本経 済新聞「消費者金融.融 資の成約半数以下」平成

1 9

5

1 8

日1面 な と■参照O これは, ヤ ミ金の勢力拡大 の助長 と並 び,上限金利引下げ に反対す る理 由 とされた。例 えば,石井恒 男 「貸金業制度改革 の方向 と影響 につ いて‑ 貸金業協 会 の考 え方」 ジュ リス ト

1 31 9

2 2

頁 (平成

1 8

年) な ど。

l l

改善 プログラム」前掲注

1・7

頁O「日本版 グラ ミン銀行」 モデ ルの構築 を提言 してい る0

1 2

岩手県消 費者信用生 活協 同組合 は,昭和

44

年設立認可 を うけ.平成元年 か ら 「ス イ ッチ ロー ン」 (消費者救 済資金貸付 制度) を実 施 してい る。銀行 な どか ら融 資 を受 け られ ない債務者 に対 して,資金 を融資 して.生活の改善 に充て ることを 目的 と してい る。 これには. 自治体 や弁護士会 .地元の金融機 関 もこれに協 力 してい る。詳細 は,信用生協 ホー ムペ ージ *参照。

1 3

改善 プログラム」前掲注

1・7

頁。

1 4

本稿執筆 に当たって,協会 に対 して聞 き取 り調査 を実施 し,多 くの示唆 に富 む情報 を得 た。

心 か ら謝意 を表す る ものであ る。本 章 は この聞 き取 りに よる ところが大 きいが,特記 ない限

‑2 4 1(3 5 7)‑

(16)

り.見解 に渡 る部分 は筆者 自身の見解 であ ることをお断 りしてお く。

1 5

協会 につ いての論稿 と して,坂本信 三 「(財 )日本 ク レジ ノトカウンセ リング協会 における 現状 と課題」ジュ リス ト

1 2 07

95

頁 (平成

1 3

年)を挙 げてお くo また筆者が以前 に公表 した.

富永 文雄

「 ADR

と しての ク レジ ッ トカ ウンセ リングー 財 団法 人 日本 ク レジ ッ トカウ ンセ リ ング協会 を例 と して‑ 」 ク レシ ッ ト研 究

2 9

1 4 4

頁 (平成

1 5

年) も参照の こ と

1 6

詳細 は.坂本 ・前掲 注

1 5・9 8‑99

頁参照O賛助会員 につ いては,財 団法 人 日本 ク レジ ッ トカ ウ ンセ リング協 会 ホ‑ ムペ ー ジ 「賛助会 員

」<ht t p/ / wwwJ c c a‑ fo rJp/ I ndex̲1 6. ht ml >

の一覧 を参照の こと。 このほか, 日本 自転車振興会 の公益事業補助金 を受 けている。

1 7

詳細 は,財 団法 人 日本 ク レジ ノトカウ ンセ リング協 会 「多重債 務

Q&A

[三訂版

]

」 (平 成

1 9

年)

1 32‑1 35

頁 を参照。

1 8

カウンセ リングの詳細 は,坂本 ・前掲注

1 5・95‑9 8

頁参照。

1 9

財 団法人 日本 ク レジ ッ トカウ ンセ リング協会 「多重債務者 のための ク レジ ッ トカ ウンセ リ ングこの一年 間‑ 平成

1 8

年度 の カ ウ ンセ l)ング活動 」 (平 成

1 9

5

8

日)

1

頁 ・第 1回.

2

区は り。協 会 は, このほか平成

1 8

年度 は仙 台市 と熊 本市 で 「多重債務 者のための法律 ・ 家計相談会」 を開催 している。 同

11 4

頁。

2 0

・ 5

頁 ・第

9

表 よ り (複 数 回答)。 なお この統計 に関 して,「平 成

1 8

年 度 よ り質問表 と集 計分類 を変更 したため,上記の統計値 は従前 の統計 とは連続性 を欠いている」 との注記 があ

る。

21

司法統計年 報 に よれ ば, 自然 人の 自己破 産新 受事 件 数 につ いて は.平成

1 5

年 を ピー クに ー減少傾 向 にあ り,平 成

1 8

年 には約

1 6

6

千件 に まで減少 してい る。 この傾 向 を どう考 え る か であ るが.景気 の上 向 きや多重債務者対策 の進展 な どが要 因 と して挙 げ られ よう。 また.

大都市 圏に見 られ る傾 向 と して,弁護士 広告 の規制が大幅 に緩和 された ことに よ り,多重債 務 問題 を専 門に扱 う法律事務所 をPRす る手段 が増 え,相談 で きるチ ャネルが増加 ・多様化

してい る ことに も注 目すべ きであろ う。

22

「改善 プログラム」前掲 注

1・5

頁。

23

金融庁総務企画局 「第

3

回多重債務 者対 策本部有識者会議 〔議事録〕」(平成

1 9

2

22

日)

1 7

貢 〔山出発言〕。

2 4

・1 8

頁 〔境 (日本 司法書士 会連合 会理事 ) 発言〕 は,協会 が業 者寄 りであ る と問題視 す る意見がある ことを指摘 しつつ も 「‑やは り既存 の機 関 を活用 してい くとい うことで,お そ ら くそれ を活用 してい くこ とにな りますか ら,今の ところは弁護士 さんが カ ウンセ ラー と い うか,相 談員 に入ってお りますので.私 どもの方 もよその地域 で も対応 で きる ように, そ うい った もの に も積極 的に対応 し,単 に業者 の‑機 関 とい うものではな くて, きちん と した もの になる よ うに積極 的 に対応 してい くこと も考 えてお ります。」 と述べ て.司法書 士会 と して積極 的に協力 したい意向 を明 らか に した。

25

金融庁総務企画局 「第

6

回多重債務者対策本部有識者会議 〔議事録

」 (平成

1 9

4

6

日)

1 6

頁 〔本 多発言〕。 この ほかの 反対 理 由 と して,「庭 草の割 には, そん な に相 談件 数 も多 く はで きていな くて,実効性が少 ない とい う指摘 もあ った」 とい う理 由 を挙 げている。 この負 につ いては他 に,本多良男 「多重債務者対策本部 第

6

回有識者会議への提言 ・意見 ・質問」 (

1 9

4

6

日) 〔有識 者会議 資料

6‑ 3

〕参照。 なお, この発言 は,協 会 が今 後窓 口 を拡大す る過程 で,相談体制の 中立性 を維持 で きるか を危倶 した もの だが,弁護士 が関与 してい る現

‑2 42(3 5 8)‑

(17)

在の協 会の相談体制 につ いて中立性 を必ず しも否定 した もので はない ことには,留意すべ き であ る。

26

・ 2 2

頁 〔須 田発言〕 は,多重債務問題 に関す る 「原 因者負担」 を強調 すべ きと して.「 ・ 全 て とは言 わないけれ ど も,その 〔筆者注 ・責任の〕一端 が あ るわけですか ら,その コス ト 負担 とい う意味で も,業界 に対す る要求 とい うのは, きちん と盛 り込むべ きではないか。そJ の延長線 上 に立 てば, カウ ンセ リング協会 の必要性,必然性 とい うの も正 しく理解 していた だけ るのではない か と思 い ますo」 と述べ ている. これに同調す る意見 (

12 6‑27

頁 〔 橋 発言〕)の 中で も. 窓口が不足 している現状 を指摘 しつつ,増設 に賛成 してい る

27

最 終的 な提 言の趣 旨については,「改善 プ ログラム」前掲 注

1・5

頁の ほか.多重債務者対 策本部事務 局提 出資料 「多重債務問題 の解決 に向けた論 点 メモ (事務局案)」 (平成

1 9

3

2

日) 〔有識者会議 資料

4‑ 2〕2

頁 も参照。

2 8

そ の 他, 概 要 に つ い て は, 日本 司 法 支 援 セ ン タ ー 「法 テ ラ ス とは ?

」<ht t p. / / www.

hout er as u. o r . J p/ about . ht ml >

を参照。

2 9

日本 司法支援 セ ンター 「法 テ ラス コールセ ンターの受 電状 況 <平 成

1 9

8

月 >

」1( 2)

に よる と,平成

1 9

8

31

日までの電話 .メール受付 件数 は.業務 開始か ら約 11ケ月で

21

959 9

件 であ り.年 間で は, 当初想 定 され ていた件 数,約

1 00

万件 (日弁連新 聞

39 3

号 (

1 8

年) に よる)の

4

分の 1程度 に とどまるこ とになろ う。

30

・ 2 ( 3)

に よれば,紹介相 談機 関は,自身の地方事務所

( 354%

,但 し 「主 に法律扶助 関係」

との注記 があ る)のほか.弁護士会

( 226%)

,司法書士会

( 9, 7%)

が多 く,消費生活 セ ンタ‑

を含 む自治体 は

,1 0%

を超 える程度 と見 るべ きであ る。 なお.統計数字 に表 れていないのが, 協会 は

1%

未 満 と推 定 され るo多様 な相 談 を受 け入 れ る体 制 にあ る機 関が.優 先 的 に紹介 さ れてい るこ とが伺 われ る。 なお.同

・ 2

(1) によれば,相 談 内容 に 占め る 「金銭 の借 り入 れ」

の割合 は,全体 の

2164%

であ る。

31

例 えば,暴利平成

11

1

21

日民集

5 3

1号

9 8

頁,帝判平成

1 6

2

20

日民集

5 8

2

47 5

頁 な どが あ ったが, 最 判 平 成

1 8

1

1 3

日民 集

6 0

巻 1号 1頁,最 判平 成

1 8

年 1月

2 4

民集

6 0

巻 1号

31 9

頁等 に よって, この流れは‑層顕著 になった。本論点の最高裁判 決の流 れ を論 じた もの と して,小 野秀誠 「貸金業 に まつ わ る最 近の最 高裁判例 の法理」 ジ ュ リス ト

1 31 9

26

頁 (平成

1 8

年) を挙 げてお く。

*注

1 2

で掲 げ た信 用 生 協 ホ ー ムペ ー ジの

URL

は, 脱 稿 後, 平 成

1 9

9

27

日 よ り

<ht t p: / / www. l Wat e‑ C f c . o rj p>

に変更 された。

ー 243(359)‑

参照

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