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地中レーダーによる探査(2) 埋蔵文化財センター

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Academic year: 2021

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地中レーダーによる探査(2)

埋蔵文化財センター 遺跡探査に応用される方法のうち地中レーダー探査は、立木など障害物がある場合にはアンテナ走 査ができないため使用は制限されるが、測定が迅速であるところから採用される機会の多いものであ る。この探査では、通常「断面」画像を得て、それに基づいて土層変化や遺構、遺物を判断する。し かし、考古学探査で求めるのは、これらの規模や形態などの詳細であるので、断面画像を整理して、

「 平面̲ I 図として提示する方法(図−1)が、有効であることを報告したことがある(奈良国立文化財 研究所年報1991、p, 62〜63) 。

ところが、この平面図作成の方法は、地表面が平坦であるときには地下遺構の実際を反映できるが、

地面に起伏がある際には正確に提示できないという欠陥があった。すなわち、遺構は平坦な旧地形に 沿って構築されているが、現在の地表面が傾斜していたり凹凸があるという場合には、地表から等し い深さのデータを取り出す通常の方法では、遺構とは関係のない部分も含めて表現してしまう ( 図−2) 。そこで、地形に合わせてデータを取り出し、遺構の現実に近い形で表現できる方法を開発

した。

それは、断面画像をまず地形にあわせて変形して、それをもとに平面図をつくるものである。平面 図を作る際に断面画像をある一定の時間幅で区切り、それぞれの時間幅における電波の反射強度をと りだして、平面図をつくるのは通常の方法と同じである。この方法を応用した飾東1号古墳(兵庫 県・姫路市)における試みを、一例として取り上げ紹介する。

飾東1号古墳は横穴式の石室をもつ直径約1 3 m、高さ3mほどの小円墳で、石室は既に開口してい るため、内部から構造や規模を観察できる。ここでは、石室基底面は当然ながら水平な旧地表面上に 構築されているが、もし、墳丘上から探査すると、通常のレーダー平面図は墳丘の表面に沿った一定 の深さにおけるデータを取り出すので、異なる高さにある石材を表現してしまう。基底面と同じ水平 なデータでなければ、石室の実際は求められないのである。

なお、この古墳は石室が羨道に対して横長方向にあり、全体がT字形を呈するところから、兵庫県 内でも古くより知られていた。

ここでの実験的測定の目的は、正確な石室の形態を求めることにあったが、それにより石室を構成 する石材がどの程度背後へ及んでいるか、すなわち石材の厚みを明らかにできると考えたのもである。

石材は石室内部から観察できるが、石がどれほど後方へ控えられているかは知ることができない。墳 丘の上から地中レーダー探査により、墳丘内での石の存在状況を推定することを試みたのである。

測定にあたっては、アンテナを南北方向に1mの測線間隔で走査した。すなわち、対・ 象範囲は1m の間隔でくまなく測定した。アンテナ走査の方向はT字形石室の長辺に対して直角となる。使用した 装置はアメリカG、 S 、 S , 1 . 社製のS I R ‑ 2 型で、アンテナは3 0 0 MHzである。

測定の結果である地形補正による平面図を見ると、上層の5 0 c mまで位の深さでは、石室上部におけ る電波の反射・ が弱い。すなわち、石は存在しないように表現されている。しかしながら、現地での探 査中の観察や石室の実際を考慮すると、地表下5 0 c mまでには天井石は存在するように思われたので、

表現できていないのは不審である。もしかすると、天井石は扇平かもしれないと推定した。

50c m〜1m程度の深さとなると、天井を構成する石からと思われる反射が顕著である。探査結果か らは天井石は2石からなると判断される。しかし、これは石室内部から観察できる実際とは異なる。

もしかすると、天井石上面が凹凸に富んでいるのかもしれない。

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(2)

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1m〜1 . 5 mくらいの深さ、すなわち石室の基

底面にある石材・ を表現していると思われる部分に なると、羨門の袖石の形状や石室を構成する石材 背後の状況がよくわかる。全体としてみると、奥 壁の背後で若干突出したようにみえる箇所を除く

と、石室の両側壁と奥壁はあまり後ろへ控えられ ておらず、均質な厚みをもって榊築されていると 推定できる。羨門をつくる石は予想以上に厚く大

きいと見ることができるが、それでも一石からな るのか、固定するための裏込めも含めた表現とな っているのかは判断できない。

なお、石室中央の部分では空洞であるにもかか わらず、そこでもつよい反射があり打などがある ような表示となっている。これは、天井石や空間 のように大きな反射をもたらす原因があると、そ れがエコーとなって下部すなわち遅い時間帯にま で及んだ結果であり、遺構の実際を表すものでは ない。パルスレーダーシステムにおける特徴であ

り限界でもある。

ここでの初歩的実験では、石室の構造を盛り上 がった墳丘表面からでも推定できたと考えている。

しかしながら、データを取り出す幅すなわち時間 幅が大きく、50c m単位では石材の詳細を十分に表 現できていないようである。石の大きさに合わせ

た 幅 が 必 要 と 思 わ れ る 。 ( 西 村 康 ) 図−3地形補正による平面図の作成

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図‑ 1地中レーダー探査「平面図作成の要領,

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図 ‑ 2 通 常 の 平 面 図 作 成

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59

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地形補正による平面図・ 作成例兵庫リ ! ↓ 飾束1号・ 境

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参照

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