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斜面住宅地における高齢単身世帯の不在住化と住宅継承 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)   斜面住宅地における高齢単身世帯の不在住化と住宅継承.                                          冨永 裕美 1 . 研究の背景と目的. 85歳 以 上 80- 84.  人口減少や高齢化が進行するわが国において、. 75- 79. 高度経済成長期に開発された郊外住宅地では、世. 70- 74. 帯の高齢化や不在住化による住宅ストックの管理. 65- 69 60- 64. 停滞が住環境の悪化を招き、二次的な人口流出を. 55- 59. もたらすことが懸念される。本研究で対象とする. 50- 54 45- 49. 斜面住宅地では、産業構造の変化と生活利便性の. 40- 44. 相対的低下から住宅需要が減退し、高齢化の進行. 35- 39. と空家や空宅地の増加が顕著となっている。. 30- 34 25- 29.  既往研究では、斜面住宅地に居住する持家の高. 20- 24. 齢世帯は定住意識が高く、不便な環境でも可能な. 15- 19 10- 14. 限り住み続ける傾向にあること、しかしながら突. 5-. 然の入院や死亡などで不在住化すると事後の住宅. 平 成 17年 9月 末 平 成 12年 9月 末. 9. 平 成 7年 9月 末. 5歳 未 満. 継承や住宅管理は円滑に進まないことなどが明ら. 0. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 350. 450 ( 人). 400. ※住民基本台帳より山王 1 ∼ 4 丁目、上本町 1 ∼ 3 丁目  (当地区とほぼ重なる町丁 範囲)を集計。. かとなった。このため、高齢世帯の居住支援とと もに世帯の不在住化後の住宅・宅地ストックの保. 図 1  枝光南地区における人口構成の推移( 平成 7 ∼ 1 7 年). 全の仕組みづくりが求められる。. 表 1  調査の概要. 行する斜面住宅地を対象に高齢単身世帯の居住動. 情報提供者 または資料. 考察することを目的とする。 2 . 研究概要. 世帯、高齢化率 3 3 . 2 % ) は、旧八幡製鉄所に近接す る斜面住宅地であり、製鉄所の移転に加え、道路基 盤の脆弱さによる利便性の低下から高齢化と世帯減 少が顕著となっている(図 1 )。その一方で、民生委 員や自治区会が中心となり要支援高齢者の見守り 活動に早くから取り組むなど、地縁を活かした独. H17.11. H17.10中∼11末. H17.12. 町会内の 単身高齢 個別事例 単身高齢 者の居住 の詳細や 者の居住 動向につ 土地利用 調査内容 と空家・空 いて昨年 への意向 地に関す 度調査の について る聞き取り 追加聞き 聞き取り調 調査。 取り調査。 査。. 支援サービスと住宅・宅地管理のあり方について. 光南地区(平成 1 7 年人口:3 , 7 2 5 人、世帯数:1 , 8 0 1. 資料収集. 民生委員 地域住民 H7∼H17 高齢者名簿 H7∼H17 つどい名簿 データ ゼンリン地図 5名 4名. 町会長 19名. 調査時期 H17.10前半. 態及び不在住化後の住宅継承の実態を捉え、居住.  本研究の調査対象地区である北九州市八幡東区枝. ヒアリング調査. 調査方法.  以上の問題意識より、本研究は、居住収縮の進. H17. H7∼H17. つどい名簿 高齢者名簿 ※1の入 データ※ 手。(毎年 1(H15.3.31 10月調査) 付)をもとに 67∼69歳の 高齢単身者 の確認。. 利用の経緯. H17. H7∼H17. ゼンリン地図 表記をもとに 不在住化後の 従前住宅の利 用状況を確 認。 H7∼H17. 調査対象者 単身高齢者 単身高齢者 に詳しい住 単身高齢者 67∼69歳 単身高齢者 単身高齢者 民・所有者 ①単身高 ①不在住 ①不在住 ①H7∼17 ①世帯型 ①住宅表記名 齢者の居 化または 化後の住 間の単身 ②基本属性 ②除却後の宅 住状況 地の状況 呼び寄せ 宅利用の 高齢者の ※2 ②地域福 同居など 経緯 居住動向 祉の現状 ②H7∼17 の経緯 ②土地利 調査項目 ③空家空 ②住宅の 用への意 単身高齢 地の確認 利用状況 向 者の基本 ④所有関 ③所有関 属性※2 係 係 ※1 つどい名簿は、H7∼13年は65歳以上、H14年以降は70歳以上の単身者が対象となっ ているため、H16∼17年の65∼69歳に関する情報は、高齢者名簿データからの確認で補っ た。一方、高齢者名簿データは民生委員が住民基本台帳をもとに作成。65歳以上の全高 齢者が対象であるため、聞き取り調査から高齢単身世帯のみを抽出した。H17時の69歳未 満は事実上の67∼69歳のみが対象となる。 ※2 基本属性は氏名・住所・生年月日・性別など. 自の地域福祉活動が展開される地区でもある。. 表 2  高齢単身世帯の住宅属性(平成 1 7 年在住世帯) 宅地内まで 車両進入可. 前面道路まで 車両進入可. 車両進入 不可.  表 1 に調査概要 を示す。本研究は枝光南地区社会. 住宅形式. 福祉協議会が実施している行事「ひとり暮らし地域. 戸建て住宅. 28. 19.2%. 51. 34.9%. 67. 45.9%. 146. 交歓のつどい」の平成 7 年から平成 1 7 年の名簿( 基. 長屋住宅. 4. 7.7%. 20. 38.5%. 28. 53.8%. 52. 100.0%. 共同住宅. 31. 75.6%. 8. 19.5%. 2. 4.9%. 41. 100.0%. 計. 63. 26.4%. 79. 33.1%. 97. 40.6%. 239. 100.0%. 準日 1 0 月 3 1 日。以下、つどい名簿) を基礎資料と. 計 100.0%. ( 単位:世帯). し、独自調査で得た各世帯の住宅属性や居住歴な. ※平成17年度「つどい名簿」集計。. どを加えて分析用データを作成した。. 世帯の住宅属性を分析する。( 表 2 )住宅形式では全. 3 . 高齢単身世帯の居住概要. 高齢単身世帯 2 3 9 世帯のうち 1 4 6 世帯( 6 1 . 1 %) が戸.  まず、平成 1 7 年時点で地区に居住する高齢単身. 建て住宅に居住しており、長屋住宅、共同住宅がこ. 34-1.

(2) れに続く。しかし、宅地の車両アクセス条件を見る. H7∼H17 単身経験あり :470. と、車両が進入できない住宅の割合は戸建て住宅. 地域内に不在住 (=不在住化) :202. 居 住 世 帯 あ り. 不在住化理由. が最も高く、立地条件の悪い戸建て住宅に多くの. 死亡:79 入所・入院:47. 高齢単身世帯が居住していることがわかる。. 居 住 世 帯 な し. 地区外転居:70 不明:6.  次に、高齢単身世帯の平成 7 年から平成 1 7 年ま. 単身かつ 地域内に現住 :239. での 1 0 年間の居住動態について分析する(図 2 )。 当 期間中に地区内に在住した高齢単身世帯の延 べ 数. 入居・親族以外. 入居・親族. 空家・利用なし. 空家・他利用. 地区内転居経験 地区内転居 経験なし:232. は 4 7 0 世帯、このうち全期間を通じて在住し、かつ世. 駐車場. 地区内転居 経験あり:7. 帯型も変化しなかった世帯は 6 7 世帯(地区内転居を 行なった 4 世帯を含む)、期間中に不在住化した世帯. 除 却. 呼び寄せ同居 :26 高齢者本人. は 2 0 2 世帯、呼び寄せ同居で世帯型が変化した世帯は. 未利用地. 菜園. 高齢者の親族. 2 6 世帯、同居目的で地区内転居を行なった世帯は 3. 地区内転居 (同居目的) :3. 第三者. 新築. 世帯であった。ここで、不在住化した高齢単身世 【H7∼H17 居住動態】. 帯(女性のみ)について年齢階級別の不在住化理 由を時期別に見ると( 表 3 ) 、後期高齢期で不在住化 する世帯の数と割合が増加傾向にあり、不在住化. 図 2  高齢単身世帯の居住動態(平成 7 ∼ 1 7 年) 表 3  不在住化年齢別の不在住化の理由( 女性のみ) ( 単位:世帯). 理由別では 8 5 歳以上の増加によって入所・入院の 不在住化し た時期. 占める割合が高まっていることが注目される。 4 . 不在住化後の戸建て住宅の利用実態. 【H17 従前住宅の現況】. 年齢階級. 死亡. 不在住化理由 地区外転居 入所・ 転居(同 転居(そ 入院 居目的) の他). 計. 院では「現存・入居」は 2 戸(6 . 7 %)しかなく、空. 2 1 66.7% 33.3% 4 3 3 85∼89 57.1% 42.9% 42.9% 10 6 6 5 1 80∼84 45.5% 27.3% 27.3% 22.7% 4.5% 4 1 8 2 6 75∼79 30.8% 7.7% 61.5% 15.4% 46.2% H7年11月 2 6 6 ∼ 70∼74 25.0% 75.0% 75.0% H12年10月 3 7 3 4 65∼69 30.0% 70.0% 30.0% 40.0% 20 8 17 10 7 後期高齢期 44.4% 17.8% 37.8% 22.2% 15.6% 5 13 3 10 前期高齢期 27.8% 72.2% 16.7% 55.6% 25 8 30 13 17 合計 39.7% 12.7% 47.6% 20.6% 27.0% 4 5 1 1 90以上 40.0% 50.0% 10.0% 10.0% 7 11 5 5 85∼89 30.4% 47.8% 21.7% 21.7% 11 10 7 6 1 80∼84 39.3% 35.7% 25.0% 21.4% 3.6% 5 3 4 2 2 75∼79 41.7% 25.0% 33.3% 16.7% 16.7% H12年11月 7 3 8 7 1 ∼ 70∼74 38.9% 16.7% 44.4% 38.9% 5.6% H17年10月 4 1 1 1 65∼69 66.7% 16.7% 16.7% 16.7% 27 29 17 14 3 後期高齢期 37.0% 39.7% 23.3% 19.2% 4.1% 11 4 9 8 1 前期高齢期 45.8% 16.7% 37.5% 33.3% 4.2% 38 33 26 22 4 合計 39.2% 34.0% 26.8% 22.7% 4.1% ※H7∼12に不在住化した世帯で不在住化理由不明な4世帯は表から除外。. 家が 2 1 戸( 7 0 %) に上る。このうち 1 8 戸は現在も入. 表 4  不在住化理由別の従前戸建て住宅の現況.  以下では、高齢単身世帯が不在住化した後の住 宅継承の実態を明らかにするため、戸建て住宅を 取り上げて分析を行なう。不在住化した高齢単身 世帯 2 0 2 世帯のうち従前戸建て住宅に住んでいた 世帯は 1 2 3 世帯( 6 0 . 9 %) であった。これらについ てまず、平成 1 7 年 1 0 月時点の住宅・宅地の現況を 見ると( 表 4 ) 、「従前住宅あり・居住世帯あり( 以下、 現存・入居) 」が 2 6 . 0 %、「従前住宅あり・居住世 帯なし( 以下、現存・未入居) 」が 4 3 . 9 %、「除却」 が 3 0 . 1 %と、住宅ストックの継承が円滑に進んで いないことがわかる。  次に、不在住化の理由別に住宅の現況を分析す る 。 死 亡 と 地 区外転居では「現存・入居」「現存 ・ 未入居」がともに 3 割強を占める。一方、入所・入. 90以上. ( 単位:戸または筆). 所・入院中で家財道具も残されており、戻り入居を 不在住化の 理由. 見込んだ一時的な空家ともとれるが、民生委員の 見解では再入居が期待できないものも多い。  続いて、住宅の所有関係と世帯の定住傾向との 関連性を明らかにするため、所有関係別の不在住 化理由を分析する( 表 5 )。「死亡」の割合は、持地 持家、借地持家、借地の順に高く、「地区外転居」の 割合は逆の傾向を示す。住み続けた末の不在住化. 計. と言える「死亡」と「入所・入院」を併せた割合は、. 従前住宅あり(現存) 居住世帯あり( 入居) 居住世帯なし( 未入居) 親族 が入 居. 親族 以外 入居. 店舗 空家 のみ 利用. 16 7 9 17 14 32. 0%14. 0%18. 0%34. 0%28. 0% 2 1 1 23 21 入所・入院 6. 7% 3. 3% 3. 3%76. 7%70. 0% 14 1 13 13 12 地区外転居 34. 1% 2. 4%31. 7%31. 7%29. 3% 同居目 8 1 7 10 10 的 29. 6% 3. 7%25. 9%37. 0%37. 0% 6 6 3 2 その他 42. 9% 42. 9%21. 4%14. 3% 1 1 不明 50. 0%50. 0% 死亡. 5 . 住宅所有関係別の不在住化傾向と住宅利用実態. 3 100.0% 7 100.0% 22 100.0% 13 100.0% 8 100.0% 10 100.0% 45 100.0% 18 100.0% 63 100.0% 10 100.0% 23 100.0% 28 100.0% 12 100.0% 18 100.0% 6 100.0% 73 100.0% 24 100.0% 97 100.0%. 倉庫 に転 用. 従前住宅なし(除却) 菜園/ 駐車場 未利 用地. 2 1 17 7 7 4. 0% 2. 0%34. 0%14. 0%14. 0% 1 1 5 1 3 3. 3% 3. 3%16. 7% 3. 3%10. 0% 1 14 1 10 2. 4% 34. 1% 2. 4%24. 4% 9 1 6 33. 3% 3. 7%22. 2% 1 5 4 7. 1% 35. 7% 28. 6% 1 1 50. 0%50. 0%. 新築. 3 50 6. 0%100. 0% 1 30 3. 3%100. 0% 3 41 7. 3%100. 0% 2 27 7. 4%100. 0% 1 14 7. 1%100. 0% 2 100. 0%. 32 9 23 54 48 4 2 37 10 20 7 123 26. 0% 7. 3%18. 7%43. 9%39. 0% 3. 3% 1. 6%30. 1% 8. 1%16. 3% 5. 7%100. 0%. ※「死亡」の「新築」3戸のうち1戸は倉庫。その他の「新築」は従前居住世帯の親族以外が居住。. 34-2. 計.

(3) 持地持家が 7 4 . 6 %、借地持家が 7 1 . 9 %に対して、. 表 5  所有関係別の不在住化理由(戸建て住宅) ( 単位:世帯) 不在住化理由. 借家は 3 4 . 8 %しかないことから、持家世帯の定住. 入院・入所. 所有関係. 性の高さが認められる。. 福祉施設 に入所. 死亡.  次に、住宅の利用現況を見ると(表 6 )、「現存・. 持地持家. 入居」はいずれの所有関係でも 2 5 ∼ 3 0 % 程度であ. 借地持家. り、さらに親族が入居しているものは持家でも 1 割. 借家. 30. 5. 12. 11. 5. 63. 7. 9%. 19. 0%. 17. 5%. 7. 9%. 100. 0%. 12. 7. 4. 6. 2. 1. 32. 37. 5%. 21. 9%. 12. 5%. 18. 8%. 6. 3%. 3. 1%. 100. 0%. 6. 1. 1. 4. 3%. 4. 3%. 9.  逆に、空家は持地持家で 2 9 戸(4 6 . 0 % )、借地持 家でも 1 1 戸(3 4 . 4 % )に上り、このうち入所・入院. 23 100. 0%. 2. 20. 0%. 5. 40. 0%. 100. 0%. 50. 13. 17. 27. 14. 2. 123. 40. 7%. 10. 6%. 13. 8%. 22. 0%. 11. 4%. 1. 6%. 100. 0%. ( 単位:戸または筆). 従前住宅あり(現存) 居住世帯あり(入居) 居住世帯なし(未入居). 所有関係. 親族 が入 居. %)だったことから、借地型は入所・入院中の留保 による空家が 6 割以上を占め、その後死亡や地区外. 持地持家. 転居を契機に除却に至る割合が高いことがわかる。. 借地持家.  持家住宅の保全における問題点の一つは、住宅. 借家. や土地の維持・管理の担い手が居住者と同一であ. 不明. り、高齢単身世帯が不在住化することによって管. 計. 親族 以外 入居. 店舗 空家 のみ 利用. 従前住宅なし(除却) 菜園/ 駐車場 未利 用地. 倉庫 に転 用. 新築. 計. 16 6 10 32 29 2 1 15 7 5 3 63 25. 4% 9. 5%15. 9%50. 8%46. 0% 3. 2% 1. 6%23. 8%11. 1% 7. 9% 4. 8%100. 0% 8 2 6 12 11 1 12 1 9 2 32 25. 0% 6. 3%18. 8%37. 5%34. 4% 3. 1% 37. 5% 3. 1%28. 1% 6. 3%100. 0% 7 7 7 6 1 9 2 5 2 23 30. 4% 30. 4%30. 4%26. 1% 4. 3%39. 1% 8. 7%21. 7% 8. 7%100. 0% 1 1 3 2 1 1 1 5 20. 0%20. 0% 60. 0%40. 0%20. 0% 20. 0% 20. 0% 100. 0% 32 9 23 54 48 4 2 37 10 20 7 123 26. 0% 7. 3%18. 7%43. 9%39. 0% 3. 3% 1. 6%30. 1% 8. 1%16. 3% 5. 7%100. 0%. 表 7  従前戸建て住宅の現況別空家年数( 持地持家) ( 単位:戸または筆). び相続者の所在や管理意識によって管理のされ方. 住宅現況. は異なるが、私有財産のため共同管理の対象とな. 従 ︵前 現住 存宅 ︶あ り. りにくいことも課題である。個人の自主性に委ね てきた所有関係にある住宅にこそ、不在住化後の 活用や継承を促す働きかけが必要である。. 従 ︵前 除住 却宅 ︶な し. 6. 住宅所有関係別の不在住化後の空家年数  続いて、除却や他利用に至った住宅について、不在住 化からそれまでの空家期間を住宅地図表記をもとに算 出した。なお、分析対象は現在空家でない 75 戸から所. 1 4. 3%. 表 6  所有関係別の従前戸建て住宅の利用. 中による空家はそれぞれ 11 戸(37.9%)、7 戸(63.6. 理主体を失ってしまうことである。また、所有者及. 21. 7%. 1. 40. 0% 計. 5. 39. 1%. 2. 不明. いことが指摘できる。. 計 不明. 47. 6%. 26. 1%. に満たず、当地区における居住継承の停滞が著し. 地区外転居 転居(同 転居 居目的) (その他). 入院. 1年未満. 居 親族が 入居 あ住 り 世 親族以外 帯 入居. 1 20. 0%. な し. 1 50. 0% 1 14. 3% 1 20. 0%. 店舗/倉 庫利用 駐車場. 未利用地・ 菜園 新築. 4 12. 5%. 総計. 1年以上 2年以上 3年以上 4年以上 5年以上 2年未満 3年未満 4年未満 5年未満 9年未満 1 3 20. 0% 60. 0% 1 4 4 1 10. 0% 40. 0% 40. 0% 10. 0% 1 50. 0% 1 2 1 1 1 14. 3% 28. 6% 14. 3% 14. 3% 14. 3% 2 2 40. 0% 40. 0% 3 100. 0% 3 9. 4%. 12 37. 5%. 5 15. 6%. 6 18. 8%. 2 6. 2%. 計 5 100. 0% 10 100. 0% 2 100. 0% 7 100. 0% 5 100. 0% 3 100. 0% 32 100. 0%. 表 8  従前戸建て住宅の現況別空家年数( 借地持家). ( 単位:戸または筆). 有関係不明の 2 戸と入所・入院中に利用や入居に至った 住宅現況. 2戸及び親族の入居時期が定かでない 1戸除く70戸であ. 従 ︵前 現住 存宅 ︶あ り. る。また、入所・入院によって不在住化した世帯は、そ の後の死亡や地区外転居からの経年数を用いた(表 7∼ 9)。. 従 ︵前 除住 却宅 ︶な し.  まず全体として、倉庫・店舗利用及び駐車場以外 の用途では、概ね 2 年以上 3 年未満で次の利用や処 分される住宅が最も多いことがわかる。所有関係. 親族が 入居. 居 あ住 り 世 親族以外 帯 入居 な し. 店舗のみ 利用 駐車場. 未利用地・ 菜園 新築. 1年以上 2年以上 3年以上 4年以上 5年以上 2年未満 3年未満 4年未満 5年未満 9年未満 1 1 50. 0% 50. 0% 2 1 1 2 33. 3% 16. 7% 16. 7% 33. 3% 1 100. 0% 1 100. 0% 2 1 4 1 1 22. 2% 11. 1% 44. 4% 11. 1% 11. 1% 1 1 50. 0% 50. 0%. 1年未満. 5 23. 8%. 総計. 4 19. 0%. 6 28. 6%. 4 19. 0%. 1 4. 8%. 別に空家年数を比較すると、借地持家と借家では 3. ※4年以上5年未満の新築は倉庫。. 年未満で 7 0 % 以上が次の利用に至るのに対して持. 表 9  従前戸建て住宅の現況別空家年数( 借家). 家は空家化しやすいだけでなく利用や処分も遅延 しやすいことがわかる。さらに持家のみについて 言えば、親族以外入居でも持地型では 1 年未満はな く 2 年以上 4 年未満が 8 0 . 0 % であるのに対して、借 地型では 1 年未満に 3 3 . 3 % が居住されているなど入 居時期でも借地型の方が早い。また、持地型では 4. 34-3. 2 100. 0% 6 100. 0% 1 100. 0% 1 100. 0% 9 100. 0% 2 100. 0% 21 100. 0%. ( 単位:戸または筆). 地持家では 6 0 %未満にとどまり、4 年以上 5 年未満 経過して除却・入居された住宅も 1 8 . 8 %と持地持. 1 4. 8%. 計. 住宅現況. 1年未満. 1年以上 2年以上 3年以上 4年以上 5年以上 2年未満 3年未満 4年未満 5年未満 9年未満. 従 ︵前 現住 存宅 ︶あ り. 居 あ住 り 世 親族以外 帯 入居. 従 ︵前 除住 却宅 ︶な し. 駐車場. な し. 倉庫に 転用. 未利用地・ 菜園. 1 14. 3% 1 100. 0% 1 50. 0% 1 20. 0%. 新築 総計. 計 0. 親族が 入居. 4 23. 5%. 1 14. 3%. 3 42. 9%. 2 40. 0% 1 50. 0%. 0. 0% 1 50. 0%. 4 23. 5%. 4 23. 5%. 1 14. 3%. 1 14. 3%. 0. 0%. 1 20. 0%. 0. 0%. 1 50. 0% 1 20. 0%. 2 11. 8%. 1 5. 9%. 2 11. 8%. 7 100. 0% 1 100. 0% 2 100. 0% 5 100. 0% 2 100. 0% 17 100. 0%.

(4) 年以上5年未満の期間を経て親族が入居する場合も多い. 3)持家世帯は定住性が高いが、不在住化後の空家の割. など、将来の入居を見越した留保があったと考えられ. 合は、持地持家、借地持家、借家の順に高く、除却とは. る。未利用地や菜園となった住宅も 3年未満で借地型が. 逆の傾向を示す。しかし、現在の借地持家の空家は63.6. 77.7%、持地型が 60.0%と借地型の方が除却時期は早. %が入所・入院中によるもので、その後、死亡や転居す. いことがわかる。. ると除却が進みやすい。. 7 .土地所有者の意向と住宅地保全の隘路. 4) いずれの所有関係でも不在住化後「2 年以上 3 年.  最後に、地区内に在住する借地経営者及び持地. 未満」が利用や処分の最も進む時期だが、持地持家. 型借家経営者へ行なったヒアリング調査の概要を. は除却や親族以外の入居も遅く、空家化が多いだ. 表 1 0 に示す。両者とも住環境に対する配慮がみら. けでなく利用や処分も遅延しやすい。. れるが、除却後の利用や将来への意向は異なる。前.  高齢単身世帯が安定した地域居住を送るために. 者は空宅地を近隣住民らと菜園に利用しており、. は、身体能力や気力の段階に応じたメニューの多. 子世帯に相続した後は売却する可能性が高いが、. 様化と情報化により選択性を高めること、親族と. 売地による土地の細分化や所有権の移転が将来の. の居住関係や社会的支援に役割分担と連携強化す. 宅地利用に変化を及ぼすことが考えられる。一方、. ることなどが挙げられる。一方、後期高齢者人口の. 後者は相続の予定だが、除却後の利用を踏みとど. 増加と入所・入院を含めた不在住化の増加には、住. まるなど経営意識は減退しつつある。利便性や住. 宅継承の円滑化と住環境の保全への方策整備が求. 宅需要の低下がその主な理由であり、所有者の高. められる。住宅地のストック活用問題を幅広く捉. 齢化を考慮すると、こうした斜面住宅地における. え、居住要求を踏まえた総合的な地域居住像の確. 住環境保全は個人の管理責任だけでなく、住宅地. 立や行政や各団体方面との協働を図る必要がある。. 全体のストック活用問題として捉えなおすことが.  今後の研究課題としては、所有者の所在・管理意. 求められる。. 識と住宅継承の関連性および所有権の移転も含め. 8 .総括. た継承プロセスの解明などが挙げられる。. 1) 平成 7 ∼ 1 7 年の間に在住した高齢単身世帯 4 7 0. 謝辞. 世帯のうち、期間中に不在住化した世帯は 2 0 2 世帯. 本研究にあたり、枝光一区の民生委員、町会長ならびに枝光南まちづくり協議会の. で、近年では後期高齢者人口の増加に伴い、入所・ 入院の占める割合が高まりつつある。. 方々に多大なご協力を頂きました。ここに記して深謝いたします。 参考文献 1)NIRA研究報告書 高齢者はなぜふるさとを離れたのか . ㈱九州地域計画研究所. 2) 不在住化した戸建て住宅 1 2 3 戸は、平成 1 7 年 1 0. 2)斜面住宅地における高齢世帯の不在住化と住宅継承に関する研究 その1 ∼2 竹下. 月時点で「現存・入居」2 6 . 0 %、「現存・未入居」は. 輝和・志賀勉ほか 日本建築学会大会学術講演梗概集 2005. 4 3 . 9 %、「除却」は 3 0 . 1 %と居住継承が進んでおら. 3)斜面住宅地における定住環境形成に関する研究 その4∼5 竹下輝和・志賀勉 ほ か 日本建築 学会大会学術講演梗概集 1996. ず、持家でも親族より親族以外の入居が上回る。 表 1 0  所有者の意向 借地経営者. 土地所有者 の属性. 土地の 入手経緯 将来の意向. 利用実態. 持地型借家経営者. 単身高齢世帯、女性、 息子2人(東京)+娘1人(市内) 同居はせず、定住を希望。. 同居世帯(配偶者・子世帯)、男性. 終戦後に県外から移り住んだ際に購入。 借地経営のみ。 知人が住宅建設用に宅地の賃借を依頼。. 当地区における地主の一人。 親族から相続。 借地または持地借家を経営。. 子世帯に任せるが相続後に売却予定。. 相続予定。除却後に活用する予定はない。. 世帯が不在住化した後の住宅は、除却・転売など住宅所 有者側が処分するので、現在も空家はない。 除却後、趣味も兼ねて菜園に利用。 周辺住民が苗木を提供したり、孫から毎年苗木をプレゼ ントされるなど、コミュニケーション手段ともなっている。. 現在5区画程度が未利用地。 ①車輌進入不可、交通機関とのアクセスも悪い。 ②産業の衰退に伴い若年者層の流出。 →借り手がおらず経営意識も減退。  土地は新たな利用価値が見出せず、留保。. 土地所有の負 法面の修復や災害時の精神的・経済的負担が大きい。 担. 事例. 固定資産税の負担が大きい. 土地所有者 ・居住者(女性・高齢単身世帯・健常)が区内の息子宅へ  地区外転居。 ・除却費用を考え、借家持家を町会内の世帯へ譲渡。 ・新規入居世帯は50代夫婦+小学生以下の子供2人。 ・居住者の実弟が紹介。 ・話し合いは事前に成立。 転居 媒介 入居. 34-4. ・借家の老朽化  →瓦が道路に落ちて通行人に迷惑をかけないか懸念。 ・居住者(女性・高齢単身世帯)が外出困難。  →市内の息子のもとへ転居 ・所有者と借家人の息子が話し合い、女性転出後、住宅  はす ぐに除却された。 転居 ・現在も空宅地。. 土地所有者. 相談.

(5)

参照

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2 前項の規定は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 252 条の 19 第1項の指定都 市及び同法第 252 条の

1人暮らし 高齢者世帯 子世帯と同居 独身の子と同居 長期入所施設 一時施設 入院中 その他

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重点 再掲

購読層を 50以上に依存するようになった。「演説会参加」は,参加層自体 を 30.3%から

中学生 高校生 若年者 中高年 高齢者 0~5歳 6~15歳 16~18歳 19~39歳 40~65歳