長崎市監査公表第 6 号
地方自治法第 199 条第 7 項の規定に基づき監査を実施したので、同条第 9 項の規定によ り、その結果に関する報告を公表します。
平成 26 年 3 月 17 日
平成 25 年度
監
査
報
告
財政援助団体等監査
長崎市老人クラブ連合会
市民局福祉部高齢者すこやか支援課
一般財団法人
長崎市勤労者サービスセンター
経済局商工部産業雇用政策課
株式会社 長崎高島水産センター
経済局水産農林部水産センター
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第1 監査の種類
財政援助団体等監査
第2 監査の対象
団体名称 所管部局 所管課
長崎市老人クラブ連合会 市民局福祉部 高齢者すこやか支援課 一般財団法人 長崎市勤労者サービスセンター 経済局商工部 産業雇用政策課 株式会社 長崎高島水産センター 経済局水産農林部 水産センター
第3 監査の期間
平成 25 年 10 月 21 日から平成 26 年 2 月 19 日まで
第4 監査の範囲
平成 24 年度及び平成 25 年 4 月から 9 月までの財政援助等に係る出納その他の事務
第5 監査の方法
出納及び出納に関連した事務が適正に行われているかについて、関係書類を抽出に より検査照合するとともに、関係職員から説明を聴取し、現地調査を行った。
第6 監査の結果
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長崎市老人クラブ連合会
1 団体の概要
( 1) 設立及び目的について
長崎市老人クラブ連合会(以下「連合会」という。)は、昭和 40 年 4 月に任意団 体として発足している。
連合会は、仲間づくりを通じて、生きがいと健康づくり、生活を豊かにする活動 を推進するとともに、世代交流をはかり、地域社会との共同活動に取り組み、もっ て老人クラブの発展並びに保健福祉の向上に努めることを目的としている。
( 2) 事業について
連合会規約第 4 条に定める事業は、次のとおりである。 ア 老人クラブの活動の企画運営及び実践に関すること。 イ 老人クラブの相互の連絡、調整に関すること。
ウ 老人クラブの育成、指導及び活動支援に関すること。 エ 老人クラブ指導者の育成及び研修に関すること。
オ 友愛活動及び社会活動奉仕並びに介護予防活動の推進に関すること。 カ 高齢者保健福祉に関する調査研究及び提言、提案に関すること。 キ 広報、啓発に関すること。
ク その他連合会の目的を達成するために必要なこと。
( 3) 組織について
連合会の組織は次のとおりである。(平成 25 年 4 月 1 日現在)
事務局(2人) ・事務局長(1人) ・嘱託 (1人) 監事
(3人)
役員会(11人) ・会長(1人) ・副会長(3人) ・専門部長(7人) 総会(375人)
・単位老人クラブ会長(337人) ・理事(38人)
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( 4) 経営状況について
平成 24 年度一般会計決算においては、収入総額が 21, 098, 474 円、支出総額が 19, 870, 807 円で、差引残額が 1, 227, 667 円となっている。
なお、平成 24 年度末現在の単位老人クラブ数は 337 クラブで、その会員数は 18, 735 人となっている。
2 財政援助の内容
長崎市は、平成 24 年度に長崎市老人クラブ連合会補助金として 12, 867, 434 円を 交付している。
3 監査の結果
出納その他の事務については、おおむね適正に執行されているものと認められた が、次のとおり改善を要する事項が見受けられた。
なお、軽微な事項については、口頭で指導したので記述を省略した。
⑴ 会計・経理の手続きについて
連合会事務局規程において、事務局長は会長の命を受け事務局の事務を掌理す ることとなっており、その分掌事務の一つとして「会計・経理に関すること」が 定められている。経理事務の現状は、全ての収入・支出伺を会長承認(決裁)と しているものの、会長が非常勤であることから、会長が承認(決裁)する前に事 務局が処理をしていた事例が多く見受けられた。事後承認(決裁)が恒常的に行 われているのは適当ではないことから、事務局長に決裁権限を分与するなどの規 程を作り、実情に合った会計・経理事務を行われたい。
4 監査委員の意見
監査の結果に関する報告に添えて、監査委員として次のとおり意見を述べる。
⑴ 連合会活動の活性化に向けた取組みについて
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長崎市老人クラブ連合会補助金等の推移 (単位:円・人・クラブ) 事項名 21年度 22年度 23年度 24年度
60歳以上の人口 140,617 145,105 148,665 151,825
連合会加盟老人クラブ数 384 377 356 348
連合会加盟の会員総数 23,233 22,041 20,576 19,730 長崎市老人クラブ連合会
補助金
13,597,600 13,098,300 13,563,000 12,867,434
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一般財団法人長崎市勤労者サービスセンター
1 団体の概要
( 1) 設立及び目的について
一般財団法人長崎市勤労者サービスセンター(以下「センター」という。)は、 平成 2 年 8 月、任意団体「長崎市中小企業勤労者福祉サービスセンター」として発 足し、平成 7 年 12 月に長崎市からの出捐金 1 億円をもとに財団法人化され、さら に平成 23 年 8 月に公益法人制度改革に伴い一般財団法人化された。
センターは、長崎市及び時津町並びに長与町の中小企業勤労者等のための総合的 な福祉事業を行うことにより、中小企業勤労者等の福祉の向上を図るとともに、中 小企業の振興、地域社会の活性化に寄与することを目的としている。
( 2) 事業について
センター定款第 4 条に定める事業は、次のとおりである。 ア 中小企業勤労者等の生活安定に資する事業
イ 中小企業勤労者等の健康の維持増進に資する事業
ウ 中小企業勤労者等の自己啓発及び余暇活動に資する事業 エ 中小企業勤労者等の財産形成に資する事業
オ 中小企業勤労者等の老後生活の安定に資する事業 カ その他センターの目的を達成するために必要な事業
( 3) 組織について
センターの組織は次のとおりである。(平成 25 年 4 月 1 日現在)
監 事
( 2 人)
評議員会
( 14 人)
理事会( 11 人) ・理 事 長 ( 1 人) ・副理事長( 2 人) ・常務理事( 1 人) ・理 事( 7 人)
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( 4) 経営状況について
平成 24 年度決算においては、経常収益が 132, 896, 659 円、経常費用が 136, 100, 026 円で、当期経常増減額は△ 3, 203, 367 円、法人税等を控除した当期一般正味財産増 減額は△ 3, 274, 367 円となっている。また、平成 23 年 7 月末時点で保有していた 公益目的財産 257, 528, 304 円を一般財団法人化に伴い策定した公益目的支出計画 に基づいて、今後 26 年間(平成 49 年まで)でゼロにすることにしており、毎年度 10, 000, 000 円の支出超過(赤字)を予定している。
なお、平成 24 年度末現在の会員数は、11, 826 人、事業所数は 2, 312 事業所とな っている。
2 財政援助等の内容
センターの基本財産は、平成 25 年 3 月 31 日現在 1 億円で、全額長崎市が出捐し ている。
3 監査の結果
出納その他の事務については、おおむね適正に執行されているものと認められた が、次のとおり改善を要する事項が見受けられた。
なお、軽微な事項については、口頭で指導したので記述を省略した。
( 1) 事務決裁について
センター事務決裁規程等で、臨時職員の任用、定期預金の運用に関することは、 理事長決裁とされているが、事務局長決裁で処理されているので改められたい。
4 監査委員の意見
監査の結果に関する報告に添えて、監査委員として次のとおり意見を述べる。
( 1) 会員数の増加に向けた取組みについて
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株式会社長崎高島水産センター
1 団体の概要
( 1) 設立及び目的について
株式会社長崎高島水産センター(以下「センター」という。)は、平成 13 年 4 月、 株式会社高島町種苗生産センターとして設立され、平成 17 年 1 月の市町合併によ り株式会社長崎高島種苗生産センターに名称変更し、同年 8 月に現在の名称となっ ている。
センターは、漁業就業者及びその家族の就業機会確保並びに水産業を核とした地 域の活性化に寄与することを目的としている。
( 2) 事業について
センター定款第 2 条に定める事業は、次のとおりである。 ア 魚介類の養殖、加工及び販売
イ 水産種苗の生産及び販売
ウ 上記各号に附帯する一切の業務
( 3) 組織について
センターの組織は次のとおりである。(平成 25 年 4 月 1 日現在)
・事務担当職員 ( 1人)
・生産担当職員 ( 3人) 株主総会
高島事業所(8人)
牧島事業所(3人) ・代表取締役( 1人)
・生産担当職員 ( 7人) 取締役会 ( 3人)
・取締役( 2人)
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( 4) 経営状況について
平成 24 年度決算においては、営業収益が 122, 454, 315 円、営業費用が 119, 538, 870 円で、営業利益は 2, 915, 445 円、法人税等を控除した当期純利益は 2, 434, 611 円と なっている。
2 財政援助等の内容
センターの資本金は、平成 25 年 3 月 31 日現在 1, 000 万円で、そのうち長崎市の出 資金は 600 万円、出資比率は 60%である。
なお、長崎市は水産種苗等の生産・販売等の委託を行い、平成 24 年度は 101, 969, 083 円の委託料を支出している。
3 監査の結果
出納その他の事務については、おおむね適正に執行されているものと認められた が、次のとおり改善を要する事項が見受けられた。
なお、軽微な事項については、口頭で指導したので記述を省略した。
( 1) 経理事務について
平成 24 年度の財務諸表の内容において、次のような経理処理の誤りが認められ たので、財務諸表の重要性を認識し、適正・確実な事務処理を行うよう留意された い。
ア 廃車した自動車(2 台)を固定資産から除却する経理処理が行われておらず、 自動車 2, 148 円、自動車リサイクル料 12, 910 円が計上されたままとなっている もの
イ 飼料の購入代金 299, 670 円を誤って二重計上し、期末の買掛金残高が過大に計 上されているもの
4 監査委員の意見
監査の結果に関する報告に添えて、監査委員として次のとおり意見を述べる。
( 1) 未収金の回収について
長崎市がセンターに徴収を委託している種苗等売払金の未収金(過年度分)が、 平成 26 年 1 月末で 810 万円ある。当該未収金については、債務者の事業状況を加 味して、分割の支払協議に応じてきているが、債権保全等の対応が図られていない。