Japanese Association for Tibetan Studies
NII-Electronic Library Service Japanese Assoclat 二lon for 工lbetan St二udles
古
チ
ベ
ッ
ト
語
サ イ
コロ
占
い
文書
の
研究
西 田
愛
1
は
じ
め
に
20
世 紀 初 頭に、 フラン ス・
イ ギ リス・
ドイツ・
ロ シ ァ・
日本
の各探検隊
が中央
アジア より
将来
して き た古
チベ ッ ト語文献 中
に は占
いに関す
る多様な文書
が含
ま れてい る。代
表
的 な もの として、 サイコ ロ占
い、銅銭 占
い、烏
の声
に よ る占
い 、 な ど がある。 そのう
ちの大部
分は敦 煌 石窟
より出
土し た紙文書
で あ るが、 西 域 南道
コー
タン地 域の マ ザー
ル ター
グ遺 跡、 西 域 北 道の トル ファン盆 地 か ら も数 点の紙
文書
が出 土 してい る。更
に西域 南
道の ミー
ラー
ン遺跡
か ら はチ ペ ッ ト文
が記
されたト骨
1
点
と、骨 占
い に関連
す る木 簡2
点 が 出 土 してお り、
他にも関
連 する 木 簡 が 数 点 ある(
武 内・
西 田2004
)
。 本論文
で は、占
い文書
の中
で も最
も残存数
の多
い サ イコ ロ占
い文書
に焦点
を当
てたい。
ところで
、
これ らの古 チベ ッ ト語
占い 文書
の文面
は、極
めて難解
で ある。辞書等
に見
られな
い単語や、古典文法
で は説明
で き ない語法
な ど古
チベ ッ ト語文
献
に共 通 した難解
さ に加 えて、占
い文書
、特
に韻文特 有
の表現
や言
い 回し がある か らで あ る。 また、各
文 書 を個 別に研 究 して い て は反っ て意味
を取 り違
えて しまい か ねない という
問題
も あ る。
そこで、
筆 者の占い文書
の 研 究にあたっ ては、
既に包 括 的 研 究のな されている手紙
文書
や契約文書
の研
究 と同
じく、 で き るだ けパ ラ レルな表現
や書
式を見
つ け出
し、慎重
に意味決定
を進
めて い くとい う方 法 をと るこ とに した。本論
文で は、一
見 した ところ 内 容 も表
現 も極
め て多彩
で不統
一
なサ イ コ ロ占
い文書
を、書式
を中
心に詳
しく分析
し、
そこか ら得
られた共
通性
を もと に文書
の機 能 や 性 格につ い て考 察 を 試 み るこ とにす る。
2
サ イ
コ ロ
占
い
文 書
リ
ス
トと
書誌情 報
2
.
1
サ
イ
コ ロ占
い文書
リス ト
筆者
が これ まで の調査
に よっ て確認
し たサ イコ ロ 占い文 書は、20
点 存 在 する。 まず20
点の文書
につ いて所 蔵 先、 文書
番 号、 出 土 地、 形状
な どの基本情報
を リス ト に し て提
示 したい(
次頁表 1)
。各文書
に は便宜
上の テキス ト番 号 を 付 し、 以降
はこ の番号
を用
い ること にする。
一
63
一
N工 工一
Electronlc Llbrary一
古 チベ ッ ト語 サ イコ ロ 占い文書の研 究 (表 1) サ イコ ロ占い文 書 リス ト テ キ ス ト番 号 所蔵 1 文 献 番号 出土 地 形 状 状 態 残 存 行 数 1 ロ ン ドン ITJ7382 敦煌 巻 子 首 尾 欠 合 計285行2
ITJ−
739 敦 煌 冊 子 尾 欠 8_
14行× 17葉 3 ITJ−
740 敦 煌 巻子 完 本 359行 4 ITJ−
743 敦 煌 巻子 首 尾 欠 30行 5 Od5000167 マザー
ルター
グ 断 片 首 尾 欠12
行6
0エ 15000176 マザー
ルター
グ 断片 首 尾 欠 9行7
Or
82101S155
敦 煌 巻子 尾 欠 192行 8 パ リ Pt−
1043 敦 煌 巻子 首 欠 100行 9 Pt−1046B
敦 煌 巻 子 首 尾欠41
行 10 Pt−
1051 敦 煌 巻子 首 尾 欠73
行 11 Pt_
1052 敦 煌 巻 子 首 尾 欠 272行 12 ベル リン TAUBE 31 トル ファン 断 片 首 尾 欠 11行 13 TAUBE 32 トルフ ァ ン 断片 首尾欠 14行 14 TAUBE 33 トル ファ ン 断 片 首 尾 欠 ll行 15 工AUBE 34 トル ファ ン 断 片 首 尾 欠9
行 16 TAUBE 35 トル ファ ン 断 片 首 尾 欠 5行 17 サン ク トペテ ルスブルグ SIO−
145 敦 煌 断 片 首 尾欠 14行 18 SIP−
56a 敦 煌 断 片 首 尾 欠 7行 19 京都 (龍 谷 大 学) 6004 トル ファ ン 断片 首尾 欠 5行 ?20
京都 (京 都大 学) 不 明 不 明 巻 子 首欠 87行2
.
2
書誌情報
リス トに
挙 げ
た文書
に関
し て情報
の記され た カ タロ グ、 及 び 写 真・
テキス トの掲
載された主
な先行研
究は以下
の通り
である。 テキス ト1 ・2 ・3 ・
4 テキス ト1・
2・
3 テ キス ト1
テキス ト5 ・6
テ キ ス ト5 ・13 ・14
テ キ ス ト7
テキス ト8 ・9 ・10 ・11
テキス ト9
テ キス ト1・2 ・3 ・8 ・9 ・10 ・11
テ キス ト12 ・13 ・14 ・15 ・16
テキス ト12 ・15 ・16
テ キ ス ト19
Va16e Poussin,L .1962
Thomas , F.
W .1957
王堯・
陳践1988
Takeuchi,
T.1998
Franckc, A.
H.
1924Giles,
L .1957
Lalou,
M
,
1939
Macdonald
A ・
1にda, Y.
1979 王堯・
Wt
践1986
王 堯・
陳 践1987
1maeda,
Y .
{amdTakeuchi,
T.
etal.
2007Taube,
M .1980
Francke
,
A.
H,
1928Takeuchi
, T,
1990bJapanese Association for Tibetan Studies
NII-Electronic Library Service Japanese Assoc ⊥at ⊥on for 工⊥betan Studles
古チベ ッ ト語サ イコ ロ 占い文書の研 究
一
ト帝国支配
期(
8 世紀後半
〜9 世紀
前半〉
の もの と考
え られ る 。一
方 冊子本
は 、書体
か ら判 断 して10
世
紀に属
する可 能性
が高
い(
Takeuchi
2008
)
。 年 代にっ い ては別の機 会に論じ たい 。 さて、
サ イコ ロ 占い 文 書の本 文の行 頭には、1
つ か ら4
つ を一
組 とした小 円が3
組 描かれて い る。 そ れ らは1
〜
4
の目
を持
つ サ イ コ ロ を3
回振
っ た 結 果 を 表 してい る。 そ の下に は2
〜10
行 程 度の文 章 が 続 き、
行 頭の目の組 み 合 わせ に対 す る解 説、
吉 凶 を述
べ て いる(3)(
図 版1)
。 (図版 1)Pt−
1046B (テ キス ト9
) 鋼 塾 聾また
、
サイ コ ロ の 目と解説 ・吉
凶 とい っ た本文
以外
に前文 ・
奥書
のつ い た 文書
が それ ぞ れ一
点 ずつ ある。
前 文は テキス ト2
にみ られ、
59
行か ら成
る6
音節
の韻文
で構成
さ れて おり、 内
容
や本文
へ の繋
がり
方か ら見て も占
い文書
の一
部
で ある事
は明 らか である。 テ キス ト3
中
の奥書
につ いて は、占
い との関係
を5
章
で詳しく検討
する。 しか し殆
どの文書
は前文
や奥書
が本来
無
い か、欠
損 して い る文書
である。 次にサイコ ロ の形 状につ いて述べ たい。
こ こ で用い られてい るサ イコ ロ とい うの は長 方 形のも
の であり
、面積
の広い4
面
に1
つ か ら4
つ の小 円が それ ぞ れ 描かれてい る。
実 際に東 トル キ ス タンか らはその よ う な サ イコ ロが 出 土して い る(
図 版2
)
。 (図 版2 )
麟
難
訟
餓
灘
霪
Serindia
L .
B .
IV
V
OO34
Ancient
Khotan
Pl.
LXXIV
N .
004
一
65 一
一
古 チベ ッ ト語 サ イコ ロ 占い文書の研 究一
4
文
書
の
書
式
4
.
1
書
式 の分
類
サ イコ ロ占い
文書
リス ト(
表1
)
に挙げ
た う ち、
現 物 調 査 を 行っ た文 書に加 えて、
写 真 や先
行研
究に より書
式の分類
が可能
な文書
11
点
を考察対象
に書式
を分類
し て み る と、各
々のサ イ コ ロ の目に対 する解 説 部 分に6
音 節の韻 文 を もつ もの と、
散 文のみ で構 成 されてい るもの とに大
別で き る事
が わ かっ た。 そこ で こ の2
っ を区
別して、
前者
をType − 1 文書、後者
をIYpe−
2
文 書 と呼ぶ事に する。
また、TYpe − 1
文 書の 中に は吉 凶の判 断の示 されて いない2
文書 (
テキ ス ト5
,6
)
と サ イコ ロの 目が記
さ れて い ない1 文書 (
テ キス ト10
)
が存在
する。 そこで、 サイコ ロ の 目
、
本 文、
吉 凶の揃っ てい るTYpe− 1
文書
をTYpe− 1A 、
吉 凶のない文書
を[rYpe− 1B 、
サ イコ ロ の目のない文書
をType
−
IC
と呼
ぶ事
にする(
表
2
)
。(
表2
> 野pe−1
(6
音節の韻文あり) 陬pe−IA
(サ イコ ロ の 目、 吉凶 あり)Type−1B
(吉凶なし)Type−1C
(サ イコ ロ の目 な し)Type
−2
(6
音節の韻 文なし)で は、
TYpe− 1
,2
両 文 書か ら一
点 ずつ 例 を 挙げ
、 テキス トが どの様 な 要 素によって構成
さ れ ている か書
式 を 分 類 して み る ことにする(4)。 参 考 まで に韻 文 箇 所 以 外には訳 も付 ける。
Type−IA
(テ キス ト13v
U,27−31
) 1 @ @ @ @〆@1
@ @ @ @1
(5) サイコ ロ の 目2
3
4T
5
10
kye
byang
rl nI phang pung na !!dngos
gl
nlphung
rkorko /!gser
gl
nI sbamdang
凋aldga
’yIs nl tvag
kyIs
blangs
1
!snaln
phrag
tu surgis
sts皿1
/韻文
7891011121314mo
’
dI
nlyIm
phya
dang
srogphya
la
btab
na 〃nor ched po zhig myed pa’
dra
ba
’aM 〃grog
chedpo
zhIgdang
P
adpar
’
ong !!de
mayln
na nyeba
drung
po
zhigdang
phrad
pa
’
ong 〃gsol shags zhig
byas
nagnang
11
’
dron
po
la
btab
na ,ong !!gnyen
zhigbyed
na’
phrod
!!tshong zhig
byed
nakhe
phyln
〆!個別 事例
Japanese Association for Tibetan Studies
NII-Electronic Library Service Japanese Assoclat 二lon for 工lbetan St二udles
一
古チベ ッ ト語サ イコ ロ 占い文書の研 究一
1
41114
サ イコ ロの目2
〜6
(省 略) 韻文O
1
2弓
ρ4
78911111
この卦は家 運 と命 運にっ いて占ったの であ れ ぼ 大 金 を 得 るのと同 じであ るか 偉 大な友人 と知り会 うようになる。
そうでなけれ ば近し い者と出会 うようになる。 訴訟 を す れ ば叶 う。
旅人 (客人)につ い て占っ たの で あ れ ば 、 現れる。 結 婚 を す れ ば 適 してい る。 商 売 を す れ ば儲 か る。 個別事例15
こ の卦は何につ いて占っ た として も 良い。
吉 凶TYpe− 1A 文書
の例
を構成
要 素 別に見ると、 サ イコ ロの 目(
1
行 目)
、韻
文(
2
〜6
行 目)
、個
別事
例(
7
〜
14
行 目)
、吉
凶(
15
行 目)
に分
ける事
ができ る。
ま たこ の
例
に は該当す
る箇所
は無
い が、韻文
と個別事例
の間
に 「〜gyi
mola
bab
te
」(
〜 の 卦に落
ちて)
という
形で、 卦の名
称 を記 して い る ものや、
次に見 る[IYpe−2
の例 と 同 じ く吉 凶 の前に指
示が示さ れ る場合
も ある。 [[Ype
−2
(テ キス ト311.5−9
)1
@ @ @ @1
@1
@ @ @ @ サ イコロの目2
$:〃lam
Iha
’I
zhal nas 尊 格3
4マ
气ソ
myl
yod
lhas
山ugs 1ゴegzIgste
!zhal ces
btab
na yang !thar!tshong
bya
nayang
tshong rgya11卦 の説 明
1
個別事 例6
7
snylhg
la
bdag
’dzangs
snyam ma sempa
「lha
la
phyag
’
tshol[dang
?】指 示
8
9
snylng 正a
bsam
ba’bzhIn’
ongste mobz
跏go
1
吉 凶14
/114
サイコロの目21
】ha
のお告 げ。
尊格3
4
5
人である お前は、 神が思し召し下さっ て 判決が下っ て も、
自由で ある。
商売を し て も成功 する。
卦の説 明1
個別 事例 ! 0 7 心で は 自分 を 賢い とは思 わ ずに 神に礼拝せ よ。
指 示8
0
ノ
心に思 うま まになっ て 吉である。
吉凶一
方、TYpe
−
2
文書
は、 サ イコ ロ の目 (
1 行
目)
、尊格 (
2
行 目)
、
卦の説 明 ない し個
別事
例(
3
〜5
行 目)
(7)、指示
(
6
〜7 行
目)
、吉
凶(
8
〜9
行 目)
という構成
にな っ てい る。「〜 の お告
げ
」 という
形で尊格 ・神格
を占
い の出所
と して明 示 してい る 点が、Type −2
文 書 の特徴
の一
つ で ある。尊
格に は かな りのバ リエー
シ ョ ン があり
、殆
ど の場合
一
致
するものは見一
67 一
N工 工一
Electronlc Llbrary古 チベ ッ ト語 サ イコ ロ 占い文書の研 究
一
当
た らない。名称
か ら明 らか にチベッ ト土着
の土 地神
であるとわ かるものや、
イン ド系の神 だ と思 わ れるものがある。
さ らに
、
卦の説 明 や 個 別 事 例 を 示 す 際に 「神 が 思 し召 し下 さっ て 」 とい うフレー
ズがみう
け られ るの もType −2 文書
の特徴
で あ る。 こ の前後
に は大抵
の場
合 「神
に礼拝
せ よ 」 ま たは 「神 を(
供物
を捧
げ
て)敬
え」 とい うフ レー
ズが登 場し、 礼 拝 すれば 良い結果
が得
ら れ、
しなけ れ ば悪
い結
果に陥
る よう
で ある。
一
方、
同 じ指
示で もTlype−
1
に み ら れ るものに は 「神
に礼拝
せ よ」 という
フ レー
ズは見当
た らず
、代
わり
に 「儀
式(
cho
ga)・
法要 (
rimgro
)
を行 え」 という類い の指 示 が 示 さ れてい る。 こ の様 な 指 示 が 示 さ れて い る場 合に は、 吉 凶が記さ れて い ない
場
合
で も、文脈
か ら悪卦
である こ とが予 想で きる。
4
.
2
構成
要
素
4
.
1
の例 と同様 に、 本 論 文で考 察の対 象 と した11
文 書の全て につ い て構成要素別
にテキス トを分 類 してみた ところ、要素
は概
ね8
っ に分類
で き た。 即 ち、 サ イコ ロ の目
、韻文
、尊格
、卦
の名称
、 卦の説
明、個
別事
例、 指 示、 吉 凶の8
要 素である。
これ らの要 素は文書
ご と に異な る組
み合
わ せで構成
さ れて おり
(8)、
テ キス トが どの要素
か ら成る かを 知るこ とに よっ て、
文書
の特 徴 を把 握 す るこ とがで き る。各
文 書 を 要 素 別に分 類・整
理 し たのが下
の表
であ
る(
表
3
)
。 (表3) 構成 要素 別分類表 文書 番号 (テ キス ト番 号) サイコ ロの目 韻文 尊格 卦の名 称 卦の説 明 個 別 事例 指 示 吉凶 τシpe−
1ITJ−
738 (1) ○・
驢鑼 醒 嬲 ○ ○ ○ ○ ITJ−
739 (2> ○ ○ ○ ○ ○ OL 15000!67(5
) ○げ
OL 15000!76 (6) ○、
血_
1051 (10)饕
、 ○ ○ ○ ○ ○ Pt−
1052 (ll
) ○ ○ ○ ○ ○ ○ Iype−
2ITJ−
740 (3) ○耐
肖
○O
○ ○R −1043
(8
) ○ ○ △ Pt−
1046B (9) ○ ○ ○ ○ ○ ○ SIO−
145 (17) ○ ○ ○ ○ ○ 京大 文書 (20) ○ ○ ○ ○ ○初
め に、構成要素
の内の個
別 事 例につ いて紹 介 し よ う。
個
別事例
の中
で は、 「病
人 」 「怪我
」 「友人
」 「獲物
」 「敵
」 「出 会 うか 出 会 わ ない か」 「旅」 「妻
」 「利 益 」 「失
せ もの」 などに関
して、 各々 の吉 凶 判 断が下
さ れて い る。
「病
人 」 を例に とっ て個々 の事 例 を みてみ る と次の通 り
で あ る。Japanese Association for Tibetan Studies
NII-Electronic Library Service Japanese Assoclat 二lon for 工lbetan St二udles
一
古 チベ ット語 サ イコ ロ 占い文書の研究一
nadpa
la
btab
na(
病
人にっ い て占
え ぼ)
ngan nobzang
ngo SOSmyu 「sosgdon
chedpo
yod
’
dre
che
bon
po
’I
ngostsl sman myl
dgos
(
悪
い)
(
良
い)
(
治る)
(
す ぐに治
る)
(
大 き なgdon
がいる)
(
’dre
が大
きい)
(
ボンポ
の兆 し)
(
滋養薬
は必 要 ない)
「
病
人 」 の例
に も見 られるよう
に、占
い文
書
に は 「尊
格
」 以外
の場
面
で も神
格
、鬼神
などの名
前が み られ る。 その中
で も 「gdon
」 「’dre
」 「srin」 など が登場
する と、悪
い結果
を導
く事
が 多い。
次に、吉
凶の代表
的 な ものを提
示し て お く。 mobzang
rab mobzang
mo ’bring
las
bzang
mo ’bring
mo ’b
ゴngtsam
mo ,bring
smad mo ngan mo ngan ’bring
mo ngan rab(
大吉)
(
吉
)
(
中
より良
い)
(
中)
(
中級)
(
中
の下)
(
凶)
(
凶の中)
(
大 凶)
さて、
表
3
に おい て構成
要 素の組 み 合 わせ の現 れ 方 を み る と、TYpe −
1
の韻 文 とType
−
2
の尊 格が相補
分布
を な して い る事がわか る。 こ こか ら、
韻 文 と尊 格 が 各 タ イ プの文 書 中で果 た す 役 割 が 同 じで ある、 という事 が 推 定できる。 そこ で、韻文
、尊格
にっ い て詳 し く検討
し て み よう
。ま
ず
、IYpe
−
1
文書
に現
れ る韻文
を比較
してみた ところ、共通
す る韻文
を多
数 みつ け るこ と ができた(lo)。
また、
韻 文 が 同 じ(
また は同 じ韻
文のバ リエー
ショ ン である と考
え られる)卦
であ
れば、吉
凶の判断 も概
ね一
致
する事
がわか っ た。
しか し、
サ イコ ロ の 目は一
組 を 除いて(11) 異 なっ て い た。
共 通 する韻 文 を 対 照 させ た 例 が 次の表
である(
表
4
)
。一69 一
N工 工一
Electronlc Llbrary一
古チペ ッ ト語サ イコロ 占い文書の研 究(表4)韻 文 対 照 表
テ キス ト1011
.
38−
44 テキス ト1111,
r43−
r49 テキス ト111.
3v27−
3v31 テキス ト211.
8r9−
8r14$
11
:1
:ノ1
@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ ノ@ノ@ @ @ @1
@ @ @!@ @ @ @1
@ @ @1
byang
rI ni phangbung
la
/1
byang
ri ni phang P皿ngla1kye
byang
rl nI phangpung na 〃
kye
bya
rog nl phangphung
la
!dgQs kyls nl kho皿gs
bskyos na
11
gtos gyi ni sa bskQr na
1dngos
gl nl phung rkQrko !1
dgos
kyis
ni na rgo rko1
gser
kyis nl sbramd
9
’
dza1〃 〃
gser
d
ni sbrdang
珥jal
1gser
gl
nl sbamdang
両詛9
[s】ergi
ni sbrang dang両al
1
rom
po
ni巾 ra na〃 rompo nI匍ara 皿a1gor la nI bcod btab na
11gor
la nl gtsod’
debs’
debs gor ma ni brtsed b直sed na1
nu myen ni
’
phra zhigmyed 〃 [n1?]myen ni sbr zhig myed
1
nu men ni pragbzh
血ma ! gs訂1a
ni g.
yus spras z ng 〃 gser sb ni g.
yu spras zhIng 飄鑼 勲 攤 戀飆 墾 蕪鰹 醐’
od bzangs皿 lamse lams1
〆 攫
’
odbzangs ni 止a me lham
〆
bzang ngo
1
ノ 無表 記 bzang〃bzang
rabbo
11
ノまた
、
同様にTYpe −2
文 書 中にわず
か に存
在 す る同一
尊格
をもっ 卦につ い て も比較
して み た とこ ろ、
同じ尊格
を持
っ 卦は ほぼ 同じ吉
凶 を導
いていた。 た だ し、
この場 合 もサ イコ ロ の目 は 異 なっ て いた。
まと めると
、
文 書 中に記 された韻 文 また は尊 格と吉 凶は基
本 的に一
致
する。
即ち両者
の関係
は固
定 的であるという
こ とが で きる。 しか し、 サイコ ロ の 目の組み合 わ せ と吉 凶(
一
韻 文・
尊格
)
は文書
ご とに異
なる。
つ まり、
同じ サ イ コ ロ の 目で も依拠
する文書
に よっ て は正 反 対の吉 凶を導 く
こ と があ
るのであ
る。 だとす
れば、 そ の違い は どこか ら くる の であろう
か。 次章
で は、 この問
題につ いてサ イコ ロ 占い の機 能 と性 格か ら考 察 したい。
5
サ イ
コ ロ
占
い の
機能
と
性格
5
.
1
占
いの
方
法
サ イコ ロ
占
い に は、 上掲
の四っ目
の サイコ ロが用
い られる。文書 中
に は1
〜4
つ を一組
と し た 小 円が3
組
描 か れてお り、 そ れ らの順 序には 区 別 が あ る。
例 え ば3
!
211
と31112
、
21311
と は 書 き分 け られて い る。 こ こか ら、1
つ のサ イコ ロ を3
回振
っ た という事
が考
え られ、最
大64
通り
の結果
が存在
する事
になる。 しか しなが ら、
実 際に は3
回 サ イコ ロ を振 るという行為
を3
度繰 り
返 す事
に よっ て、最終的
な吉
凶を判断
し てい たの で はないか とい うことが 次の資 料から 読み取 れる。
Japanese Association for Tibetan Studies
NII-Electronic Library Service Japanese Assoclat 二lon for 工lbetan St二udles
一
古 チベ ッ ト語 サ イコ ロ 占い 文書の研究一
(
テキス ト2
の前文
より)
サ イコ ロ が 吉3
つ であ れ ば、 良いの で繰 り返 し を求 め ない。 吉2
つ、
凶1
つ であ れ ば、中
であ るので平
と せよ。
凶2
つ 、吉
1
つ に は1
度 だ け 繰 り返 して占っ た。 サイコ ロ が凶3
つ であ れば
、繰 り
返
して も益
はない。 占 え ば(
以 降 本 文)
こ こ で い
う
「吉 3
つ 」 という
の は、
サイ コ ロ を3 回振
っ て吉
を導
く事
が3 回続
いた場合
を指
して い るだろう。 つ まり
、 サイコ ロ を3
回振
っ て吉 凶 を 判 断 するという
行為
を3
度
繰 り
返
すこ とによっ て、運勢
を総合的
に判断
し、 その結
果次第
で は さらに もう
一
度吉
凶を占
っ た という事
が考
え られる。 し か し、 全て のサ イコ ロ占
いに於いて、 合計
9
回
サ イコ ロ を振
っ ていたのか どう
か は定
か で はない。
5
.
2
占
いの
機能
サ イ コ ロ
占
い の機能
と し て は、第
一
に個別事例
と し て記述
さ れ てい る旅
や病気
な どの 日常
生活
に関
わ る様
々な 問題
を 占っ てい た こ と が言 え る。
し か しなが ら、
それ以外
の機能
を持
っ て い た 事 もテキス ト3
の奥 書部
分 か ら読み取るこ とが できる。この奥 書は
121
行で構
成されて おり 「寅年
の(
神
の)
お言葉
であるサイ コ ロ と し て出
た ところの サ イ コ ロ の組
み合
わ せ に関す
る問 答。 宮 殿 よ り出 された もの 」 という
タイ トルか ら始
まっ て い る。内容
は、妻
が 生家
へ帰
った場合
の夫
へ の賠償
や、
貸し手 と借 り手
の論
争
、借 り手
に よっ て勝手
に又貸
し、横流
し され た貸
し付
けにつ い て、既婚
女性
が夫
か ら盗 まれた場合、寺 ・
僧侶
か らの貸
し付
け、
などll 項
目に関
して、
問題
の解決
をサ イコ ロ に 委 ねるか ど うか、 っ ま りサイコ ロ で決め る か ど うか、 につ いて の問
答 集である (12) 。 そ の中で、251
行
目か ら258
行
目に書
か れ てい る 「貸
し手と借 り
手の論争
」 を例
に とっ て み て み よう
。 例(
テキス ト31L251
−
58
)
「貸
し手 と借 り手の論
争に関 して 」Text
(
1)
bla
’
oglbu
londu
gyur
pe
’imams
shos myIgcado
zhesbyung
na !bu
lon
gyi
1
(
2
)
gyur
ded
pe
’1
mchid nas nlgyur
yang
bu
lon
shos mylgcad
pe
’i
nang ’du
’du
1
khrin
malags
(
3
)
pas
bka ’
shos mylgcad
par
gsol
ces mchl1
chagspe
’
i
gs
po
’
Imchld
nas nibla
(
4
)
’og
bu
lon
shos mylgcad
par
’byung
gis
1
gyur
shos myigcad
par
yang
myi ’byung
(
5
)
la
1
gyur
cesbgyi
ba ’bu
lon
dngos
sho malagste
1
sngarbu
lon
dusu
maphul
pe
’
i
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6
>
pe
’i
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par
gyur
pas
1
’dl
yang
nyes chephra
’dra
ba
ソ
chadpa
’gum
spyug man cad一71 一
一
古チペ ッ ト語サ イコ ロ 占い文 書の研究一
(
7)la
thugpa
! thugsdpag
mdzadpe
’
i
bka
’ shosgcad
par
gsol
ces ’byung
’ba
’di
mams
(
8
)
gang
ltar
’tshal!
kha
marlas
byung
ba
’shosgcad
par
’tshol
clg 〃訳
(
問い)
(
1
)上下
の負債
に おけ る 「2
倍 返しq3
) 」 な どはサ イコ ロ で決め ない こ とになれば(
1
−
3
)貸
し手の言葉
に よ る と、 「2
倍
返 し 」 もサ イコ ロ で決めない負債
の一
部
であり
、(
罪
に対 する
)処罰
で はない の で、 (
神
の)
お言葉
である サイコ ロで決
めないよ う お 願い 申 し上げ
ま す、
とあ る。
(3−
8
)借 り手の言葉
による と、 上 下の 負 債はサ イコ ロ で決めない と出
た が 「2
倍
返し 」 はサ イコロ で決めない と は
出
て い ない。
負 債 自体は サイコロ で決 め ない が、
「2
倍 返 し 」 という
の は以 前の
負債
を期日に返 さない とい う罪に対 する 「2 倍返
し」 で あるの で 、 これ も大 小の 過失に対 す る死 刑、 追 放に至る
罰
と同様
、 ご慈 悲をお与 え くだ さ る(
神
の)
お言葉
で ある サイコ ロ で決め るよ う お願い 申 し上
げ
ます、
と(
訴
え が)出
た の でこれ ら をど うすれば良
い で しょ うか ? (答 え )(
8
)〔
kha
mar よ り。〕 (
訴
えは)
サ イコ ロ で決める よ うに せ よ。こ の テ キス トは
1 行
目か ら8
行
目の半
ば まで の訴
状 (問い) と、
8
行 目半ば以 降の判決 (
答
え )に 二分で きる。
前 者はさ らに1
行 目か ら3
行
目の 「貸
し手
の主 張」 と3
行 目か ら8
行 目の 「借り
手の主 張 」 とに分 けるこ とが できる。
内容
を要約
する と、負債
に関
して は サ イコ ロ で決めない とい う点にっ い て は両者
と も意見
が一
致してい る が、
「2
倍返
し 」 につ い て は主 張が異 なる。
貸 し手 側は 「2 倍
返し 」 も負債
の一
部
であるか ら、
負 債 同様 サ イコ ロ で決 め ない よう
に と奏
上し、借 り手側
は 「2
倍 返 し 」 は あ くま で も期
日に返
さなかっ た違約
に対
する処 罰である、 とい う理由
か ら他
の罰
と同
じくサ イコ ロ で 決め るよ うに と訴
えて い る。 判 決で は借 り
手の主張
が通っ てい ることか ら、
「処 罰 」 であ る 「2
倍返
し」 は、
サ イコ ロ で決
め るこ と が で き、 サイコ ロ の結果次
第
で は罰
が軽減
される可 能 性が ある ことが予 想される。実 際
、 こ の 「2
倍返
し 」 は、古
チペ ッ ト語 契 約 文 書 中に も度々登 場 す る(
Takeuchi
;1995
.
Text13
,
18
,19,20.21 ,
23 ,26 ,27)。
そ れに よ る と、小麦
、 大 麦、 豆 な どの穀 物 や 紙 な ど を借 り て、期 日
まで に返
さな かっ た場合
は、
返済額
が2
倍になり、相 当分
の家財道具や
、衣類
、家畜
な ど全ての財 産 が 没 収 される上、 そ れに関
して訴
訟を起こす事
が で き ない と決められて い る。 こ こ で も、 「2
倍
返
し 」 は違約
に対す
る 「罰
」 で あり
、 先にみ た 奥書中
の 「貸
し手
と借 り手
の論
争
」 の記述
と一
致
す る。 「罰
」 に関す
るこ とであ れ ばサ イコ ロ に よっ て程度
が軽
減 さ れる事が あるとい うの は、
当 時の社 会、
法 律 を 知 る上で大 変
興味深
い。 こ の他の問答中
で も、 畑、 人、Japanese Association for Tibetan Studies
NII-Electronic Library Service Japanese Assoclat 二lon for 工lbetan St二udles
一
古チベ ット語サイコ ロ 占い文書の研 究一
る処 罰につ いては サ イコ ロ で決め ることができるとい うことが述
べ られて い る。
こ の奥 書か ら得 られ る
情報
は興味
深 く重要
な ものであ るので、詳
しい内容
につい て は改
め て論
じ る こ と に し、本論文
で は サ イコ ロ占
い と の関連性
という点
につ い て の み考察
するこ とに す る。
そこ で
、
「寅年
の(
神
の)
お言葉
で ある サ イコ ロ と して出
た と こ ろ の サ イコ ロ の組
み合
わせ に関
する間 答。
宮 殿 よ り出 さ れ た もの 」 とい うタ イ トル部 分に着 目 したい。
こ こで言 わ れて い る 「お言葉
で ある サイコ ロ(
bka ’
sho)
」や
厂サ イコ ロ の組
み合
わ せ(
sho tshigs)
」 の解釈
は大変難
しい もの である が、筆
者
はこの 「サイコ ロ の組
み合
わ せ(
shotshigs
)
」 こそ が、31212
、41113
と い っ た64
通 りの サ イコ ロ の 目の組 み 合 わせ で はないか と考 え る。
そ して、
そ れ を記
した もの が、本論文
で扱
っ て きたサ イコ ロ占
い文書
で あろう
。 そうす
る と、 「組
み合
わ せ 」 を記
した も のが 「寅 年 」 に 「宮 殿」 から 出 さ れ た。言
い換 えれ ば、
サ イコ ロ 占い 文書
は年 毎に中
央 政府
か ら出
され た という
こ とである。 た だし、奥書箇
所 に は 「寅年
」 と 「午年
」 の もの の み が見
られ るこ とか ら、文書
が4
年 また は8
年ごとに出 さ れた とい う可 能 性が あ る。
実 際、 占い の吉 凶で どの よ うに罰の程 度 を決め るのか、 とい っ た
具体
的 な 方 法につ い て は検
討
の余地
があ
る。
し か し、 チベ ッ ト社会
におい て 「神
のお言
葉
」が他
の何
よりも強
い決定力持
っ こ とがあっ た、 という
の は十分
に考
えう
るこ と であ ろう
。5
.
3
占
い の
性格
5
.
2
で見
たように 「中 央 政府
」 で 「年
ごと」 の占
い の規範
が決め ら れたとする と、
サ イ コ ロ の 目と吉
凶の対
応が文書
ごと に異
なるのは、年度
の違
い に よ る もので あり、反対
に そ れ ら が一
致
する文書
は同
じ年
の占
い文書
であっ た と考
え ること がで き る。
以 上の よ うに
考
えると、 サイコ ロの目
と吉
凶の関係
は説明
がつ く。 しか し、
Type
−
IA
,
B
,
C
,
TYpe
−
2
という書式
の違
い は どの様な過程
を経
て作
られたの であ ろう
か。
そ れにつ い ては次
のよ うな3
つ の仮 説 が成
り立っ 。ま
ず
、筆者
の推
測 と して は、 中央政府
で は年
ごと に各
サ イコ ロ の目
に対す
る吉
凶が決
定さ れ たの で は ない か。 そ れ を受
け取
っ た地 方で は、
吉 凶と固定的
な関係
を持
つ韻文
ない し尊格
を付
け加
えてType − IA
やType −2
の よう
な占
い文書
と し て完成
させ た。 この時Type
−
IC
の よう
な サ イ コ ロ の 目が
記
さ れて い ない文書
は、韻文
を付
け加
え る際
の用例集
であっ たのかも しれ ない。
2
つ 目の推測
として は、中央政府
で はサ イコ ロ の 目 と、
そ れに対応
す る韻文、
尊格
だ けが 決 定 され た、 という
こ とが考
え ら れる。 そ して、
地方
で は仮説
1
の場合
と同
じ く、用例集
を 参 考に占い文 書 として完成
させ た。
そ う すると、 中 央 政 府で決 定 され た こと を写 し た ものがType
−
1B
の よ うな 吉 凶の記
されてい ない文書
で ある と理解
で き る。最後
に、中央政府
で始
め か らType− IA 、
Type−
2
のよ うな 完成
した占
い文書
が作
られ、 地 方 へ送
られ た 。 その他
の書式
タ イ プに属
する文書
は未完成文書
であ る とい うのが3
番 目の推
測で あ る。一73 一
N工 工一
Electronlc Llbrary一
古チベ ッ ト語サ イコ ロ 占い文書の研究一
筆者
と し て は、
サ イ コ ロ の目と吉
凶という占
い の核
となる部
分 だ け を中央
で決定
し、簡潔 な
形
で地 方へ伝
え た とい う仮
説1
が妥 当性が高い と考 え る。
しか し現 存 してい る書式
のバ リエー
シ ョンを 説 明 する に は仮説
2
が最
も適し てい る。 た だしこの場
合、 中 央で作 られた と想定
され るType
−
IB
文 書に該 当 する文 書 は、
極 めて断 片 的であ り資 料としての決定力
に乏しい。従
っ て、
3
つ の仮 説の う ち、
どれが最 も妥
当である か結論
を出す
こ と は現 段 階で は難 しい だ ろ う。 し か し、書式
の違い は文書
の性格
の差を反 映 している とい う仮 説1,2
の ど ち らかの可能性
が 高い ので はない か と考 えてい る。
以 上が
、文書資料
か ら再構築
で き た古代
チベ ッ ト社 会に於 けるサ イコ ロ占
い の状況
である。
今後
の研究課題
と し て、古
チベ ッ ト語
で書
かれた他
の占
い に関
する文書
や、
同時代
の他言
語で 書 か れ た 占い文 書 との比 較 研究
を進めて い き たい。文献表
Dotson,
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ofDice
in
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‘
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Drei
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証tterdes
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ベ ル リン :Beriln
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Akademie
derWissenschaften
、サンク トペ テル ス プル グ:
Russian
Academy
of sciences,
the lnstituteof
Oricntal
Studies
,
St.
Petersburg
Branch
(
2
)rrl−
738
は738− 1、738−2、738−3
と3
つ に分か れて保 存 さ れ てい るが、
それ ら は も とも と一
つ の文書であっ た
。
従って こ こで はま とめてrrl−738
とい う文書 番号で表記する。
(3
)R −1051
中に はサ イコ ロ の目 を表 す 小 円が描かれてい ない。 こ の特徴 か ら考 え られ る文 書の機能 につ いて は第5
章で検討す る。
(4
)テ キス ト の 改 行は 筆 者に よ る もの で あ る。 ま た、
本テ キス トは σrDO
ウ ェ プ サ イ ト(http:〃otdo
.
aa.
tufs.
ac.
jp1
)に提示 しており、
今後も随時更 新する予 定である。 (5
)「@ 」 は文書 中で は小 円で描か れ た サ イコロ の 目 を表す記号である
。
(6
)dzangs
をmdzangs と解 釈した。 (7
)こ の例のように、 卦を概略 的に説 明 してい る箇 所と個 別 事例とは分類しが たい ことが あ る。
(8
)た だ し、
同一
文 書 中であっ て も、
サ イコ ロの 目が異な れ ば、 そ れに対 す る解説が 異 な る要 素で構 成される場 合がある。
(9
)こ の文書は全29 の卦の 中で2
つ に だ け吉凶 が述べ られてい る が、
その 内の一
つ は明らか に別の書 き 手 に よ る もの であ る。
(10) 断 片である テ キス ト5
と6
の2
文 書 は比 較の対象 外と した。
しかし、
テキス ト5
か らかろ う じて一
Japanese Association for Tibetan Studies
NII-Electronic Library Service Japanese Assoclat 二lon for 工lbetan St二udles
一
古チペ ッ ト語サ イ コ ロ 占い文書の研究一
(
ll
)テ キス ト11
とテ キス ト2
の21313
はサ イコロ の 目、
韻 文、
吉凶の全て が一
致 する。 しかし同じ様に韻 文と吉凶 が
一
致す る テ キス ト1
ではサイコロの目は213
!1
である。
(
12
)この奥書 箇所に関してはDotson
氏の研 究に詳しく述べ られてい る。
(Dotson
2007
)(13 )
gyur
に関 して は Takeuchi 1995 に詳し く述べ られて い る。
(Takeuchi
1995
,