ジョージ・ジェイ・アレクサンダー「早期の検認 : 高齢者のための後見制度に関する新たな展望」
著者 志村 武
雑誌名 静岡大学法政研究
巻 1
号 1
ページ 481‑509
発行年 1996‑09‑30
出版者 静岡大学人文学部
URL http://doi.org/10.14945/00008806
ジ ョ ー ジ oジ イエ
・ア レ ク サ ン ダ ー
﹁早 期 の検 認
︱ 高 齢 者 たの め の後 見 制 度 に 関 す る 新 た な 展 望
﹂
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士心 村
武 訳
訳 者解 題 存 の後 見制 度 に内 在す る欠 陥 特︑ に本 人 の希 望 がな いが ろし 本稿 早﹁ 期 の検 認
︱ 高 齢者 のた め の後 見制 度 関に す る新 にさ れ てし うま こと を︑ 無能 力宣 告︑ 本人 と申 立 人と の利 益 た な展
﹂望 は︑ ジ ーョ ジ ンム イェ
・ア クレ サ ンダ ー サ ンタ 相 反︑ デ ュー
・プ ロセ ス の限 界 の観 点 か ら詳 細 論に じ て い ク ララ 大 学教 授 によ てっ スタ ンフ ーオ ド
・ロ ー
・レ ビ ーユ の る︒ そ の上 で︑ この よう な 既存 の後 見制 度 内に 在す る欠 陥を 一九 七九 年七 月号 に掲 載 され た論 文 あで る ︒ 克 服す るた め の方 策と てし 遺︑ 言が 遺言 者 の意 思を 実現 きで 本稿 は︑ まず 意︑ 思能 力を 欠く 知的
・精 神的 障害 者な か で る制 度 であ るこ とか ら︑ 被後 見人 の意 思を 実現 す るた め に遺 も 高齢 者 の財 産管 理 ヨ︵ ロ 品o日 oュ R
﹁o 00二 し に関 す る既 一言 関に する 手続 あで る検 認手 続を 後見 手続 の代 わり に利 用す 早期 の検 認︱ 高 齢者 のた め の後 見制 度 関に す る新 たな 展望 四 八 一
法 政 研 究 一巻 一号
︵一 九 九 六年
︶ る こと を 提 案 す る
︒ す な わ ち
︑ 本 人 自 ら が 能 力 あ る段 階 で︑ 将 来 訪 れ る あで ろう 無 能 力 に備 え て自 分 の財 産 管 理
︒身 上 監 護 を 指 示 し てお く 文 書 であ る
﹁リ ヴ ィ ング
・ウ ィ
﹂ル を 作 成 し て お け ば
︑ そ も そ も そ こ で指 示 さ れ て るい と お り に
︵本 稿 で は は きっ り と は 述 べら れ て ない いが
︑ 必 要 に応 じ て指 名 さ れ た 任 意 代 理 人 に よ てっ
︶財 産 管 理
︒身 上監 護 が な さ れ る こ と に よ り
︑ 多 く の場 合 に後 見 人任 命 の必 要 性 は なく な る︒ ま た 仮 に後 見 人 が 必 要 と さ れ ても 後 見 人 は そ の文 書 に拘 束 さ れ 後︑ 見 人 の任 命 に つ いて も リ ヴ ィ ング
・ウ ィ ル よに てっ 自 分 の希 望 を 裁 判 所 に伝 え る こ と が でき 自︑ 分 が 望ま な よい う な 後 見 人 が 付 さ れ る こと を 予 防 でき る こと にな る
︒ さ ら に
︑ 身 上 監 護
︵ョ ロ 品 o日 8 一R 汀
︐ 巴 お
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︐ o出 o闘 C に つ いて も 自︑ 己 決 定 や自 律 性 の見 地 か ら 強︑ 制的 な 施 設 収 容 や治 療 は後 見 人 や医 師 の判 断 で はな く 本 人 の発 病 以 前 の 真﹁ の﹂ 意 思 にし た が って の み正 当 化 さ れ る の あで る か ら 意︑ 思 表 示 の手 段 と し て リ ヴ ィ ング
・ウ ィ ルを 利 用 す る こ と の重 要 性 が 指 摘 さ れ て るい
︒ 本 稿 の 題 名
︱
﹁早 期 の検 認
﹂︱ は︑ 本 来 死 亡 よに てっ 発 効 す る遺 言 に 関す る 制度 であ る検 認 制 度 を 時︑ 期 尚 早 では あ る
四 人 三 が早 期 に本 人 の無 能 力 の段 階 で発 効 させ る こと を意 味 し て い る
︵第 I 章 第 C 節 の冒 頭 部 分 の第 三 文 お よ び 第 四文 参 照
︶︒ 期早 の検 認 を リ ヴ ィ ング
・ウ ィ ル よに って 可能 にし 後︑ 見 制 度を 回避 す る こと によ てっ
︑ 本 人 の自 己 決定 権 な いし は 自 分 自 身 に 対 し て責 任 を も つ権 利
︵一r 2 置 R F8 ュQ g F ざ 0σ
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︶ が 尊 重 さ れ る こ と に な る 点 を 本
稿 は 強 調 し て るい
︒ な お 一︑ 般 に
﹁リ ヴ ィ ン グ
・ウ ィ ル
﹂ と い う こ と ば は 一︑ 九 七 六 年 のク イ ン ラ ン事 件 以 来
︑ 末 期 状 態 に陥 たっ と き に生 命維 持 治療 の中 止 を 求 め る尊 厳死 の宣 言 書 の意 味 用で いら れ て いる が︑ 著 者 は自 著
﹃リ ヴ ィ ング
・ウ ィ ルを 書 く こ と︱ 持 続 的委 任 状 の利 用
﹄ 2 九 八 八年
︶
︵8´ξ コ冒 HZ の> rリ コZ のこ r≦ rC 燿a 鴫 E∪
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︶ョ の前 書 のな か で こ の よ う な 用 法 を
﹁狭 義 の リ ヴ ィ ン グ
・ウ ィ
﹂ル と呼 び
︑ 本 来 死 亡 にあ た てっ の広 範 な財 産 処分 様や 々な 指 示 用に いら れ る
﹁ウ ィ ル
︵遺 言 と と いう こと ば が こ のよ う な 限 定 的 な 意 味 で 用 いら れ る の は 不 適 切 だ と 述 べ︑ 自 分 は 財産 管 理
︒身 上 監 護 を 含 む持 続 的 委 任 状 C 日3 げ 02 お﹃ R 諄ざ 日0し の意 味 で リ﹁ ヴ ィ ング
・ウ ィ ル﹂
を 用 い て いる と 述 べ て いる ︒ と も に 作 成 し た
︒ 本 稿 の草 案 は 一九 七 九 年 月四 二 三 日と 二四 日 の両 日 に合 衆 日本 でも 本稿 が指 摘 す る のと 同様 の欠 点 を後 見 制 度 抱が え 国 下院 老 化 特 別委 員 会 が 開 催 たし 全 国 精 神 康健 高 齢 者 会 議 人 おて り 多︑ く の論 者 に よ てっ 本 人 の自 己 決 定権 尊 重 の見 地 か 権 擁 護 対 策委 員 会
︵議 長 は 著 者
︶で 回 覧 さ れ
︑ 同 対 策委 員 会 ら 成年 後 見 制度 整備 の必 要 性 が 強 く 指 摘 さ れ て いる 現 在
︑ ア は 能﹁ 力 が あ る段 階 で 無 能 力 の間 に な さ れ る身 上 監 護
︒財 産 メリ カ法 の整 備 にと てっ 一つ のき かっ け と な たっ こ の分 野 の 管 理を 司 る拘 束 力 あ る 文 書 を 提 出 す る本 人 の権 利 の立 法 的 実 代表 的 な専 門家 に よ てっ 執筆 さ れ た 本稿 の翻 訳 は 一参 考資 料 現 に つき 適 切 な 立 法 府 が 規 定 す る べき であ る﹂ と 提案 し
︑ こ と し て の存 在 意 義 を 持 つと 考 え る︒ の提 案 は 会 議 で満 場 一致 で 採 択 さ れ た ︒ な お
︑ 原 文 の脚 注 に つ い ては
︑ 判 例 の 出典 は 本 文 挿に 入 著 者 は
︑ 高 齢 者 に 関 す る法 の専 門 家 で法 学 博 士 イ︵ ーェ ル し
︑ そ の他 は割 愛 し た︒ ま た 原 文 中 で斜 体 で強 調 が な さ れ て 大 学
︑ 一九 六 九 年
︶ で あ り
︑ サ ン タ ク ラ ラ 大 学 法 学 部 長 いる 句語 は ゴ シ クッ 体 にし た
︒
︵一 九 七
〇年 か ら 一五 年 間
︶︑全 国高 齢 者 法 律 セ ン タ ー長
︑ ア 本稿 の翻 訳 に つ いて は ロ︑ ロ oaい g己 お﹃
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︲ メ リ カ法 律 家 協 会 高 齢 者 法 律 問 題委 員会 委 員
︑ ア メ リ カ法 律 鍵oざ 8目 B I 四よ り 一九 九 六年 七 月 一日 付 で文 書 よに る 同 家 協 会 老 人 法 律 問 題 家 族 法 会 議 議 長
︵約 三
〇年 間
︶︑ カ リ 意 を受 け て いる
︒ フ オ ル ニア 法 律 家 協 会 老 人法 律 問 題家 族 法 会 議 初 代 議 長 を 歴 任
︒ 著 書 に前 掲 書 の他 に ト ラヴ ィ ス
・ル イ ンと の共 著
﹃老 人 と 代 理 人 に よ る 管 理 の必 要 性
﹄
■ 九 七 二年
︶
︵巧汀 ma>
I リ ヴ ィ ン グ
・ウ ィ とル 代 理 人 によ る財 産 管 理 警 Oz 8 0お
﹃F 日 品
︐ 8 営 品 0ョ 8
■
︶ が あ る
︒ ま た
︑ 合 衆 A
.現 行 後 見法 の欠 陥 国 初 の身 上 監 護 関に す る持 続 的委 任 法状 であ る 一九 八 三 年 の 一︒ 無 能 力 宣 告 カ リ フ ルオ ニア 法 の法 案 を カ リ フ ルォ ニア 法律 改 正委 員 会 と 一 被 後 見 人 の希 望と 利益 相 反 早 期 の検 認
︱ 高 齢 者 のた め の後 見 制 度 に 関 す る 新 た な 展望 四 人 三
法 政 研究 一巻 一号
︵一 九 九 六年
︶ B デ・ ーユ
・プ ロセ ス モ デ ル の限 界 一︒ 財産 剥奪 と し て の代 理 人 よに る管 理 二 生・ 命
・自 由 剥奪 と し て の代 理 人 よに る管 理 C 検・ 認 モ デ ル ー 後 見手 続 の代 わ り と し て の リ ヴ ィ ング ウ ィ ル 利の 用 一・ 遺 言 者 の意 思 を 表 明 す る検 認 の方 式 二 後・ 見 制 度 への 検 認 法 の適 用
︱ リヴ ィ ング
・ウ イ ル D リ・ ヴ イ ング
・ウ イ ル の作 成 と そ の執 行 一・ 方 式 二 後・ 見 人 の裁 量 三 リ・ ヴ ィ ング
・ウ イ ル に す対 る 異 議
Ⅱ リ ヴ ィ ング
・ウ ルィ と 代 理 人 に よ る身 上監 護 A 強・ 制 的 施 設 収 容 の根 拠 一・ 他 人 に対 す る 危 険 性 二 自・ 己 に対 す る危 険 性 B
.リ ヴ ィ ング
・ウ ィ ル の利 用
Ⅲ 結 論
四人四
早﹁ 期 検の 認
︱ 高 齢 者 の た め の後 見 制度 関に す る 新 た な展 望
﹂ 本 人 の身 上監 護 と 財 産 管 理 は︑ 大 部 分 が そ の裁 量 まに か さ れ て いる 法︒ は こ の領 城 にお いて
︑ ほと ん ど の人 必が 要な 意 思決 定 を す る 能 力 を 有 し て いる と 考 え て い る
︒ し か し な が ら︑ そ の多 く が高 齢 者 であ る こ のよ う な意 思 決 定 の能 力 を 欠 いて いる 人 に つ い ては
︑ 法 は後 見 制 度 な いし は そ れ に相 当 す る制 度 の形 態 に お い 代て 理 人 に よ る管 理 を 付 す る こと を 規 定 し て いる
︒ け れ ど も
︑ 被 後 見 人 の身 上 な いし 財は 産 にと てっ 何が 最 善 あで る のか と うい こ と に つ いて 後 見 人 の判 断を も っ て代 替 す る な らば
︑ そ こ 耐に え 難 い濫 用 の危 険 性 生が じ てし ま う の であ る︒ 後 見 人 は被 後 見 人 に代 わ てっ 被 後 見 人 の希 望 に 反す る身 上 監護 の決 定を す る場 合 が あ る
︒ たと え ば
︑ 後 見 人 は被 後 見 人 を か れ の 保﹁ 護
﹂ のた め に入 院 させ る こと が あ る 病︒ 院 では 電気 シ ョ クッ 療 法 な ど の被 後 見 人 が特 に恐 れ て いる よう な治 療 を う行 こと も あ る
︒ あ る いは 後︑ 見 人 が
︑ 被後 見人 に自 殺