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熊大教育実践研究第

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(1)

熊大教育実践研究第

9

号 ,

87‑92

, 

1992 

資 料

精神発達遅滞児におけるコミュニケーション行動 に視点をおいた指導実践

池 部 義 信 * ・ 森 芳輝*・甲斐原巌*

E d u c a t i o n a l  A c t i o n  R e s e a r c h  from t h e  s t a n d p o i n t  o f  Communicative  B e h a v i o r  i n  a  m e n t a l  R e t a r d e d  C h i l d  

Yoshinobu IKEBE

, 

Yoshiteru MORI and Iwao KAIBARA  (Received October 3

, 

1991) 

は じ め に

我々が「障害」ということを考える時に,器官レ ベルの病変(インペアメント),個人レベルの能力低 下(ディスアピリティ),社会人レベルの不利(ハン ディキャップ)の

3

つの側面を区別して理解するこ との重要性がいわれている.このようなことから,

ハンデイキャップのある人を単に障害者のみとして 捉 え る の で は な く , そ の よ う な 状 況 に あ る 様 々 な 人々を指し示して,広く社会全体の問題として考え

られつつある.

一方,梅津(1

974)

は「障害とは,ある生体の生 命過程において,現におこっているつまづきゃとど こおりをさす」とし,さらに「障害者側のつまづき ゃとどこおりということだ付ではない.そういう人 たちに対面するわれわれ自身が,この現場でとまど ったり,つまづいたり,いきづまったりすることが あるなら,これを私は障害といいたい(相互障害状 況

)J

そして「相互障害状況に対してわれわれがつと めることは何か,つまり対処する特性は何かという と,それはお互いの障害状況からお互いがたちなお る.また,それを可能にするような行動体制をひき だすよう,積極的な働きかげや状況づくりをして,

生命活動をそれぞれにふさわしい仕方で充実拡大す ること,これを輔げ合う(相互輔生関係)というこ とにしておきたい」と述べている.

このようなことから,筆者らは,さまざまな障害 状況にある子供達との教育的な係わり合いを持つと きには,子供達と係わり手である我々[以下

rAJ

(= 

'附属養護学校

Assistance

を準備する側)と記す]とが, ともに生 命活動の調整を自らの力で創造的に高めていくよう に相互に輔け合うことを,教育現場における実践研 究の目標としている.

すなわち,子供達と A との係わり合いが実効ある ものになるにはどうすべきかということ,またそこ に生じるさまざまな滞りを解消することによって生 命活動の調整の様子を明かにしていくこと,さらに そのような視点から交信(コミュニケーション)行 動について考えていくことが大切であると考えてい る.

ここでは,主に自成信号系によるコミュニケーシ ョン行動を進めているいわゆる「精神発達遅滞児」

との係わり合いの経過からいくつかの状況を取り出 して,

A

の働きかけや本児の行動の「調整度

J

,r 指 導の目安」について検討を加えることにする.

事 例

1.

事例

Y. N.

( 1

978

3

月生,女児,

1990

12

月 現在

12

歳 9 か月)

2.

生育歴

・家族:父,母,姉,本児,妹

・自然分娩,生下時体重

2550g

,脳性マヒ rつつ ぽつであお向きで頭をすりながら移動して,手を髪 に持っていって緊張していた

J

(母親の話).首の座 り

3

か月,寝返り

2

歳,お座り

3

歳,つかまり立ち 4 歳,ひとり歩き 5 歳,てんかん発作の薬を朝夕服 用中で

90

3

月に初めてはっきりした発作がみられ た.家族性の高コレステロール血症で疲れやすく,

食事療法(卵や肉をとらない)を続砂ている(学校 での食事や運動の制限はない).

‑ 87‑

(2)

池部義信・森芳輝・甲斐原巌

3.

行動の状況(1

990

7

月現在) (  1  )コミュニケーション行動

元気な本児の好きな声掛け「ゃったじゃないか,

よし

J

rよーしh はい」等で行動がスムーズになる一 方,強い口調では身体が硬くなりがちである.

朝の会や給食等でのあいさつなどいくらかでき,

こちらからの簡単な指示に応じられることもある.

生活の流れの手がかりとして,各課題(例えば,

登校,衣服の着脱,掃除,各学習場面,給食等)ご との写真,身振り,話しことば等を利用したが,い くらか受信して行動に移せる.また,帰りの会では 連絡帳配りの係で,写真と友達を合わせて配ること

も徐々にできつつある.

( 2 

)感覚

音に敏感で,嫌な音や声がすると今していること を止めてでも耳を塞ごうとするが,好きな歌や口調 はよく口ずさんだり歌ったりする.また,床の小さ な砂を口に入れようとする.

机上の課題学習場面で r よーしりの声掛けに対し て自ら「ハイ」と答えて取り組む様子が見られる.

しかし,途中で「たんぽぽのうた」を歌ったり,棒 などを落とすことが見られる リングベル抜きや差 しの課題では,目がそれたまま操作することもある が,全体的によくペルや棒を見て,ベルを抜いて箱 に入れたり,箱をのぞき込んでベルを取り出して差 したりする.乾電池(ペグ)入れの課題では,徐々 に穴のある位置(上,前,横)をのぞき込んで確か めるようになり,スムーズに入れるととができる.

プロック差しー乾電池入れの課題では,提示された 物を見て,すぐに入れようとすることが多しなか なか差す棒と入れる乾電池を見比べることは少ない.

(  3  )移動

マヒがあるが,身体が左右に揺れながらも歩くこ とはかなりでき,横に付いていると少し走ることが できる.時々,一人で校舎外に行くことがある.

)日常生活基本動作

衣服の着脱では,前後を確かめて広げて置いてや ると手や足を通したり,言葉掛けによりホ・ックをは ずしてスカートを脱いだり,シャツを脱いだりする.

ボタンをはずすことはできない.排池では,しゃが みこんで瞥部が床についてしまうが,足の位置を整 えてやるといくらか瞥部が上がっている.後始末で は,言葉掛けでティッシュを取ったり,股間部を拭 いたり水を流したりできる.給食では,嫌いなもの や食べたくないものには r いや』の身振りをして手 を出さない.スプーンで食べるが,左手を皿に添え

て右手ですくう動作が徐々にスムーズになってきて いる.びんをゆっくり両手でかかえて牛乳を飲むが,

ほとんどこぼさない

分析の実際

1.

状況

本指導実践は,本校中学部の時間割の中で国語・

数学の教科の時間(原則的に週 3 ' " " ' 4回 1回4 0分 , 実際には諸行事のため回数も時間も減少)の中で行 った.

3

名の生徒に

2

名の教官

A

がつき,本事例に は

Ak

l

1

でついた.

本状況は,上述の指導実践のうち r自の使い方と 手の動かし方の調整力を高める初期学習

J

に関する 乾電池入れ,輪差し,選択

A:

乾電池を箱か棒のど ちらかを選んで入れる,選択 B: 輪を棒か箱のどち らかを選んで差す状況の一部である.

2.

分析の方法

指導実践の記録を, VTR や写真(毎回の自由記 述)によって行った.次に,それらを基に,行動経 過に沿って,状況条件,子供の行動,教師(子供) の行動,信号素材,子供からみた受・発信の別を記 録したものが表 1である.すなわち,どういう状況 のもとで(状況条件),どんな子供(教師)の行動の 様子が見られるか,何を信号として交信行動を行っ ているか(信号素材),そして子供の発信が教師に受 信されているか,また子供が教師の発信を受信でき ているか(子供からみた受・発信の別)という観点 から記録した.

それらの記録をもとに,状況・子供の行動,調整 度;教師の働きかけ,指導の目安を分析して記録し たものが図

1

である.すなわち,.まず,上述の

4

つ の課題状況においてそれぞれ多く見られる行動を,

「その時々に発現する行動体制」という視点、から,子 供の行動の発現の順に①②・・・と記録した.次に,

それらの子供の行動を「その個体のその時々の調整 過程の調整の度合」という視点、から,高低の一元に 敢えてまとめた

5

つの行動体制群(高次行動体制,

同次行動体制,回帰行動体制,緩衝行動体制,救急 行動体制)に分けて行動図に記録した.

ここで,革生的行動体制とは「生命活動の補強,革 新に役立つところの調整度の高い行動体制」をさし,

高次,同次,回帰の

3

つに分けられる.高次行動体 制とは「これまで使っていなかった条件を取り入れ たり,新たに数段の信号変換操作を経て,内外の状 態変化の大小の変動に応じて新たに発現させる行動 体制

J

,また,同次行動体制とは「新しい状況におい

‑ 88

(3)

00 

~

状 況 条 件

〈乾篭池入れ一輪差し〉

子 供 の 行 動

‑教舗を見て「はーいJ

表 1 子供の行動の状況

教 師 ( 子 供 ) の 行 動

信 号 素 材

‑ ‑ ‑ 参 I•

rう ー ん . 上 手 だ っ た よ ・ 音 声 輸を手掌の中に握り込んだ左手を下向き

1 1

・手

に し て , 生 徒 の 前 に 出 す は い 1¥・音声j

‑右手で輸を取り,見る.

rはい」教師の左手を見て「よーい,はいJ

‑手掌を上向きにして.輸を提示する.

‑斜め下を見る. 一一一一一り・箱を机にトントンと当てる.

‑箱を示して「今度は入れるかなJ

‑身を乗り出して.箱を見る I r 1̲・箱を示して r入れるかなJ.棒を示して

「差すかなJrどっちかな,ゆOさIvJ

‑箱を見る.

‑棒台を机にトントンと当てる.

‑俸に右手を伸ばす. 〆一一一一→│・棒を引くどっちかな」と箱を前に示

/ 1

す.

~

J・続げて,棒を示す.

‑箱を見る.

・棒を見るが,また箱を見る.

rうん,上手,上手Jrこっちかな」棒

・教師を見て「うんうん」 ι

一戸戸て 7 1

を撮る.

‑棒を見て「はーいJ輸を差す.〆一一ーーーー+レ・「はい.はーい、差した』

-生徒に合わせて手拍子した後「よ -~J

平成21211

子供からみた受・発信の別 発信(+)注目、音声

受信(+) 発信(+)音声、手

見 て

取 見 見

} ) ) ) ) ) ) ) ) )  

+ + 一 + + + + + + +

( ( ( ( ( ( ( ( ( (  

E E

E J

E E

F SJ

}

E E

••

︐︑

E E' E

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11

I

t

︐ ︑

lr

︐ ︑

E

lrJ

It

s

J

ItithtivItkpthtI

受信(+) 発信(+)籍を見る

・受信(+) 発信(+) 受信(+) 発信(+)注目,音声 受信(+) 発信(+) 受信(+)

u

仰 い い 守

lw¥UV¥

命 幽 桂 内 描

h河市勧

r

‑音声

汁跡指湘溺

ρ手拍子 発信(+)

・生徒の右手首を握って r差したよJ.

1¥・音声 1受信(一) に触れさせて上下にすべらせる「ほら.上1,"触(手首を握る,榛に触れJ

手,上手 11 させる

・「はい,上手でしたJ棒 と 箱 討1<'1¥・音声 }→│受信(+)

ぴ生徒を見る 11・ 音 声 発 信 ( + )

ト動作}

1・注目 '1受信(+) 発信(+)注目,音声

‑教師を見て「えへんJ

(4)

〈選択

>B

⑪ 輪 を 取 る .

⑫ 

うつ向く.

⑬  棒を選んで差す.

⑪  うつ向く.

く選択

A>

③ 乾 電 池 を 取 る .

⑨ 

箱を選んで入れる.

⑬  うつ向く.

O D 1 3  

く輪差し〉

④ 輸 を 入 れ る .

⑤ 耳 を 塞 ぎ , 歌 う .

⑥  容器の中を確かめる.

⑦  うつ向く.

く乾電池入れ〉

① 乾 電 池 を 入 れ る .

② 

うつ向く.

③ 隣 室 の 声 を 聞 く . (行動が止まる)

状 況

・ 子 供 の 行 動

荏 叩 山 由 州 附 副

・ 剃 抑

⑨ 回

j

主 < t ⑬ 回

¥ / ¥ / ¥ /

斗金~ ¥⑫十台

企 ム

コ ず 一 一

A

④く》

⑥ 回 回

¥‑gf¥  2/l

⑦ 

① 圃 皇 ① 

│ /   ¥ 

l i

② / ¥ /  

│ ム ¥ ⑤j

&&~

生 次 次 帰 衛 急 革 高 岡 田 緩 救 調 整

ヰ漬・司糊凋

顕 回

AA

A

く》他生徒の声が聞こえ る.

血 箱 を 机 に コ ン コ ン と 当てる.

右手を握って棒を触 れさせる.

A

課題の見やすい・分 かりやすい状況を作 る.

A

課題に応じた話しこ とばを入れる.

箱をコンコンと叩 く.

。 他 生 徒 の 声 が 聞 こ え る

O

A

教師が立つ.

(状況変換)

A

戸を閉める.

(状況変換) 左腕にトントンと触れ

る.

左手首を握って棒を触 らせる.

回 回 左腕にトントンと触

れる.

左手首を取って箱の 穴に触れさせる.

「入れるよ」

「はい」

「どうぞ」

回 度

f m

AH阿H

生徒の要求が出てか ら信号素材を提示す る.

g.

e

選択状況を作り,生

徒に提示する.

信号素材に接近しや すい状況を作る.

e

f  行動を終止させるた

めの話しことばを入 れる.

状況信号を変換する.

d. 

b  行動を切り替えるた

めの話しことばを入 れる.

行動を始めるための 話しことばを入る.

a

カ=

~t

と教師の働きかけ

状 況 ・ 子 供 の 行 動 ( 調 整 度 )

図 1

(5)

コミュニケーション行動に視点をおいた指導実践

ても,すでに形成されている行動体制と同じ信号変 換操作を経て,状況の変動に対応するいわゆる応用 の行動体制

J

,さらに,回帰行動体制とは「すでに形 成されている諸行動体制の中から,状況の必要に応 じて発現し,生体系内が安定した周期的変化の状態 にあり,また生体系外にも変化が乏しい場合にもっ とも起こりやすい行動体制」のことである.緩衝行 動体制とは「内外の変化に十分対応しきれないとき に,生命活動の調整過程がこうむる衝撃を緩和する 調整度の低い行動体制」で,その時直面している状 況の対処には結び付かないが,衝撃を和らげ調整度 を回復するのに役立つ.救急行動体制とは「内外の 急激な変化に対応しきれず,生命活動の調整度が著 しく低下したときに発現する粗大な調整の行動体 制」で,調整度の低下に応急の歯止めをかける働き かけをもっ.

そして,教師の働きかけを子供の行動の調整度か ら見極め,それに対して「生命活動が停滞している 時にはその回復を,そして回復したときにはその補 強や革新を図る」という視点から分析した.そして,

教師の働きかけが子供の生命活動の回復や補強,革 新を図るときには&&…と,また逆に動揺や混乱 を起こすときには囚図…と記録した.ことで,生命 活動とは「人にかぎらず,およそ生きものが生きて いるかぎりはその個体と周囲との聞には,なんらか の秩序をもった相互交渉が進行していなければなら ない.この相互交渉の進行につれて,個体内の状態 も変化するし,周囲の状況もそれにつれて,および,

それ以外の原因で変化が起こる.個体においては,

刻々と生じる身体内の変化および周囲の変化を感性 信号として取り組み,分解・概括・抽出・代替の処 理に関係する信号変換処理過程を中継ぎとして行動 の方向・量の調整に統合しながら,それらに応じた 秩序の立て直しゃ,その個体にとってあたらしい秩 序の構成によって相互交渉が続けられる.しかし,

生命活動の調整過程は,常に円滑に進む時ばかりで はない.その個体にとって,内外の変化が非常に大 きかったり,また急激に起こったりすると,あたら しい秩序を構成するにしても,調整過程の動揺や混 乱が一時的あるいは永続的におこるときがある」と

される.

さらに,指導の目安として,子供の行動を調整度 から見極め,それに対する A の働きかげを分析して (お互いの行動の読み取りを確かめて), r障害状況に おげる子どもたちとの係わりにおいては,彼らとの 間で,行動の相互調整関係を進展させていく中で,

そこで機能する信号系活動の促進および/または形 成をすすめつつ,信号系活動が彼らの行動の自己調 整機能を支えていくようにはかっていく」という視 点から分析して

a. b.

…と記録した.

3.

分析の結果と考察

図 1は,事例の国語・数学での「目の使い方と手 の動かし方の調整力を高める初期学習」に関する状 況において,各状況で多く見られる行動を調整度の 別により表記し,またその状況で特に行った教師の 働きかけとその観点も表記した.そのような分析を もとに r 指導の目安」という観点から考察を加え た.

子供の行動の調整度に応じた「行動を開始・展開・

終止・確認・切り替えさせるための,また課題に応 じた話しことばを入れる

J

働きかけは,本生徒にと って実効あるものであり,それは子供のこころの動 きに応じた働きかけであった.

また,混乱を引き起こした状況を見極め,そこか ら立ち直らせる手だての l つとして「状況信号を変 換する」働きかげが,本事例にとって実効あるもの であった.

同様に,「選択状況を作って提示する」とともに「子 供の要求が出てから信号素材を提示」し信号素材 に接近しやすい状況を作る」働きかけ(わかる状況 づくり)が,本事例にとって実効あるものであった.

ただ,この状況では,腕に触れたり,手首を握って 箱の穴や棒に触れさせる触覚的・直接的な働きかけ は,本事例の行動を乱すものであった.

さらに,上述のようなわかる状況づくりができ,

本事例が課題に向かつて行動を起こし始めたときに は ,

A

はその行動を見守り調整度を見極めて,それ に応じた働きかけをすることが必要である.

このようなことから,選択状況において,選択し やすい空間を設定するために箱や棒をお盆に乗せた り,見本項をはっきりさせるために透明箱を用いる こと,また差す棒の先と入れる箱の穴を見やすいよ うに提示する等の「わかる状況づくり」が実効ある ものになるであろう.

以上のようなことをまとめると,以下の

2

点が明 かになった.

子供との行動の相互調整関係(教育的係わり合い) を進展させていく中で,そこで役に立つ信号系活動 の促進・形成を進めてきたが,信号系活動が行動の 自己調整機能を支えていくことが明かになった.

また,子供への働きかけが実効あるものであった かどうかは,子供の行動の調整度の変化の現れから

‑ 91‑

(6)

池 部 義 信 ・ 森 芳 輝 ・ 甲 斐 原 巌

判断でき,それらからいくらかの「指導の目安」が 明かになった.今後は,本実践研究で明かになった 上記のいくつかのことがらについて,様々な教育的 係わり合いにおいて積極的に取り入れ,さらに高次 のものに発展させていきたい.それと同時に,本事 例に限らず他の子供にも同様の取り組みを行い,子 供の理解を深めながら指導実践を進めていきたい.

お わ り に

本実践研究を進めるに際し,

Y.N.

さんと

6

名の子 供達並びに先生方とはともに教育的係わり合いを進 めることができた.記して,感謝致します.尚,写 真の掲載については

Y.N.

さんの御両親の許可を受 けた.

また,本研究は池部,森,甲斐原の

3

名で進めた が,本文は甲斐原の責任においてまとめた.

文 献

1)梅津八三:言語行動の系譜,東京大学公開講座 9 ,言語,

49.......82

, 

1967. 

2) Umezu

,  H . :  F

ormation of Verbal Behavior of deaf b

I i

nd children.  Proceedings of The Twentieth Interna.  tional Congress'of Psychology

, 

58‑74

, 

Science Council 

of ]apan

, 

1974. 

3)

梅津八三:心理学的行動図,重複樟害教育研究所,創刊 号.

1976. 

)梅樟八三:各種障害事例におげる自成信号系活動の促進 と構成信号系活動の形成に関する研究ーとくに盲ろう二重 障害事例についてー,教育心理学年報,

17

1978.  5) Umezu

, 

H.: The Organization of Behavior and sign 

system activity: The use of psychological assistance  for the formation of verbal sign system of the deaf blind.  Proceedings of the First International Congress  for the Child Language.  Univ. Press of America

, 

455  .......475

, 

198

1 .  

6)

中津恵江他. r 交信行動に視点をおいた指導実践」への 補足資料一行動体制と信号系活動についてー,国立久里浜 養護学校開校

10

周年記念重度・重複障害児教育実践研究協 議会補足資料,

1984. 

7)中海恵江:重度・重複障害児がよりよく生きるためのコ ミュニケーション,重度・重複障害教育シンポジウム一理 論と実践を照らし合わせて一,

59‑64

, 

1986. 

)土谷良巳,中津恵江,藤島省太:行動調整の促進と言語 信号系活動,心身障害児の言語行動の形成と評価に関する 研究,

15‑17

, 

1989. 

)平良英二,松井智,杉山政敏. r交信行動に視点をおい た指導実践」への補足資料.

1‑30

,国立久里浜養護学校重 度・重複障害児教育研究協議会補足資料,

1985. 

‑ 92

参照

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