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東医大誌 70(1): 1
-2, 2012
巻 頭 言
チーム医療における過去、現在、未来
国際医療福祉大学学長
北 島 政 樹 Masaki KITAJIMA
チーム医療の基本的理念は
1950
年代に米国で提唱され、当時は急性期医療の対応として施行されたが、その後、慢性期疾患や内科系、外科系を問わず治療後のケアが中心となった。本邦に於いてもチーム医療の 概念が徐々に普及し、従来の「病気を治す」という観点の医療から「人としての尊厳を保った生を営む」為 の医療、すなわち患者中心の医療に於いて心理的および経済的支援を含めた「チーム医療」の重要性が認識 されるに至った。
特に少子高齢社会のスピード化が進み、高齢者の疾患の多様性もさることながら、医療の先進高度化・医 療技術の進歩という時代背景に於いて、もはや医師だけで治療を行うのは困難となっている。
チーム医療は当初、米国テキサス大学の
MD
アンダーソンがんセンターやメイヨークリニックなどから がん緩和ケアを中心とした「チームオンコロジー」の概念に基づく医療活動が発信されてきた。このような 矢先に昨年10
月に 癌プロフェッショナルのプログラム でMD
アンダーソンのがん専門薬剤師ヒラリー・A.
プレスコット氏をお招きし、対談する機会があった。印象的な発言として、 大事なのは「患者が中心だ」ということ、患者にとって最善のケアをする為に私 達には何が出来るかということです 。これこそまさしくチーム医療の真髄として心の奥深くに残った。し かし、米国に於いても医師によってチーム医療の理念を理解していない場合もあり、学生の時から医療教育 の中でチーム医療を教えていく事が必要と強調された。そこで、国際医療福祉大学に於ける学生教育の中で 本学の「共に生きる社会」という建学の精神を具現化する為に
IPE
(Inter Professional Education
)が1999
年 より実施していることを説明した。すなわち各学科の学生が学科横断的に8〜9
人のグループを構成し、チューターの指導の下で、
3
年時には学生間の連携力を学ぶ為に連携ワーク(問題解決型学習)を学び、4
年時には臨床実習に移行し、成果を挙げてきている。このような教育基盤をもった学生を中心に本学が目指 す「チーム医療」は木目の細かい「日本型チーム医療」であり、従来の医師を頂点とした「垂直統合型」か ら各関連職種の専門職が「プロフェショナル」として参加し、それぞれが有機的に連携し合い、自律的に動 く「ネットワーク型」に転換していく必要がある。すなわち21
世紀には低侵襲・個別化医療がキーワード であり、実現の為には発病から社会復帰まで局面に応じた最適な複数の「医療チーム」の構築が必要不可欠 なのである。東 京 医 科 大 学 雑 誌
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第70
巻 第1
号( )
2
略 歴北島 政樹(きたじま まさき)
KITAJIMA, Masaki
生年月日1941
年8
月2
日慶應義塾大学医学部卒、Harvard Medical School & Massachusetts General Hospital(外科フェローとして
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年 間留学)、元足利赤十字病院外科部長、元杏林大学第一外科教授、元慶應義塾大学病院副院長、元慶應義塾 大学病院病院長、元慶應義塾大学医学部医学部長、慶應義塾大学医学部名誉教授、前国際医療福祉大学三 田病院病院長、国際医療福祉大学学長元日本がん治療学会理事長 前日本内視鏡外科学会理事長 日本コンピュータ外科学会理事長
英国・米国・ドイツ・イタリア・ハンガリー・ポーランド外科学会名誉会員 センメルワイス大学・ブロツワフ大学名誉医学博士
第
100
回日本外科学会会長第
3
・7
回国際センチネルノード学会会長 第6
回国際胃癌学会会長第
42
回万国外科学会会長 前国際消化器外科学会会長New England Journal of Medicine
編集委員World Journal of Surgery
編集委員元日本学術会議二部副部長 欧州科学アカデミー会員 ハンガリー十字騎士勲章受章
特定非営利活動法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」副理事長
以上