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枠組壁工法開口壁における面材形状によるせん断性能の変化

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2017 年 2 月 1 日

枠組壁工法開口壁における面材形状によるせん断性能の変化

環境資源学専攻 森林資源科学講座 木材工学 佐野 晃基

1.はじめに

枠組壁工法は在来軸組工法と並び,普及が進んでいる住宅工法である。規格化された断面寸法の 材を主に使用し,継手は突き付け,仕口は胴付きでそれぞれ釘打ちする。枠材に面材を釘打ちする ことで床構面や壁構面を構成し,そのせん断性能の推定にはいくつかの計算モデルが提案されてい る。しかし,壁構面において簡便な計算モデルが用いられるのは長方形の面材を釘打ちした耐力壁 が主である。一方で枠材に打ち付ける面材の形状を変化させることによって開口壁の性能の向上も 見込めるが,任意の形状の面材に対して簡便な計算モデルが与えられる例は少ない。本研究では,

面材に切欠き加工を施した開口壁のせん断性能の変化を調べ,計算モデルを構築することを目的と した。

2.方法

試験体は壁高 2730mm,壁長 1820mm,開口高さ 1000mm の開口壁とした。枠材には 38mm×89mm の SPF 材を,まぐさには 38mm×140mm の SPF 材を,面材には 9mm 厚のカラマツ合板を用いた。枠材同 士の木口打ちには CN90 を,平打ちには CN75 を用いた。面材と枠材との接合は CN50 を用い,外周 100mm,その他 200mm 間隔で釘打ちした。

面材の形状について,長方形面材を 4 枚張ったもの(以下「4 枚張り」)と開口部分を切り欠いた 面材を 2 枚張ったもの(以下「2 枚張り」)の 2 種類の開口壁を作成した。各種 6 体ずつ柱脚固定式 の繰り返し加力でせん断試験を行った。試験はみかけのせん断変形角で正負繰り返しを行い,試験 では荷重,縦枠の水平変位と鉛直変位,枠材と面材間の相対変位を測定した。

3.結果と考察

2 枚張りと 4 枚張りの試験体の荷重-変形角関係を比較すると,前者は荷重が大きく,後者は終局 変形角が大きくなる傾向がみられた。初期剛性に有意な差がみられ,2 枚張りが 4 枚張りよりも約 30%高くなった。

開口壁のせん断性能を推定するため,3 種類の計算モデルを検討した。モデルⅠは面材の回転角 を面材寸法と縦枠の変形角から求めた。モデルⅡは面材の回転角を最小エネルギーから求め,面材 のせん断変形を考慮した。モデルⅢは既存の簡易計算モデルである Tuomi のモデルを用いた。

初期変形性能に着目し,縦枠の変形角が 1/300,1/200,1/150,1/100rad 時の吸収エネルギーの 実験値と計算値を比較した。2 枚張りにおいてはモデルⅠで実験値よりも 5~34%小さい値を示した が,モデルⅡではその差が小さくなり,いずれの変形角においてもモデルⅡの方が適合度は高かっ た。4 枚張りにおいてはモデルⅠで 59~74%,モデルⅢで 26~54%小さい値を示したが,モデルⅡで は+8~-32%の差となった。全てのモデルに共通して,1/300rad 時に比べ 1/100rad 時の差が小さく,

変形角が増大するにしたがって推測の精度が高くなった。また,モデルⅠは 2 枚張りに比べ 4 枚張 りで大きく精度を落としたが,モデルⅡは 2 枚張りと 4 枚張りで精度に大きな差はなかった。以上 より、本研究ではモデルⅡの適合度と適用範囲の広さが確認された。

参照

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