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論文内 容の要 旨

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Academic year: 2021

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(1)

氏名・(本 籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学術論文題目

論文審査委員

注 高 墓 昌呂

工  学  博  士

工博乙第  5  号 昭和59年 7 月23日 学位規則第5条第2項該当

(静岡県)

非晶質Seへの電極用Al及び Teのマイグレーション効果

(霊貝毒)野上 稔

教 授 島岡 五朗 教 授 助川 徳三 教 授 林  敏也

教 授 山田 祥二 教 授 藤安  洋

論文内 容の要 旨

本論文は非晶質Se(a−Se)へのAl及びTeの電極効果を調べるため,a−Se/Te接触におけ る電極材料のマイグレrショソ効果を研究したものである。4部から成る本論及び付録とで構成さ れている。

第1部では本研究の歴史的背景,研究の動機を述べた。a−SeにAlまたはTeを電極材料と して接触させて形成される障壁は,電極材料のSe内への添加により変化すると考えられる。製作 後まもないa−Se/Te接触及びa−Se/Al接触をもつ試料に104〜105V/cm程度の電界となる電圧

を加え,その電圧印加前後の障壁の変化を光起電力により調べた。その結果,電極に正電圧を印加 した後は,Te電極の試料では光起電力が小さくなり逆にAl電極の試料では光起電力が大きくな った。a−Se中へのこれらの電極材料のマイグレrショソが障壁を変化させていると考えられる。

そこで以後,これらのマイグレrショソ効果を詳しく調べた。

第2部ではa−Se/Al接触におけるAlのマイグレーション効果を論じた。ここではa−Se/Al 界面で化学反応が起きること,Alイオンのマイグレーションで構造的変化が生ずることなどを明

らかにした。

まずa−Se/Al接触を起電力特性から調べた。空気中に保存した場合,Al電極をもつ試料は顕 著な経日変化を示した。光起電力は非晶質Seの感光域でまず大きくなり次に結晶Seに対する感 光域が生じた。これと同時に暗状態でも起電力を示す作用が現われた。試料に対する電圧印加及び 飽和水蒸気の効果も経日変化と同じ起動力の変化を起こした。吸着した水分子により,Se/Al界面 に化学反応で,Al(OH)8層が生成され一種の電池が形成されるというモデルを提示した。そして

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Se障壁部の内蔵電界によりAlイオンのエレクトロマイグレーションが容易に起こることを示し た。

次にa−Se/Al接触を容量特性から調べた0空気中に保存した試料の容量は経日変化を示し,ま ず,a−Seを誘電体とする初期値から減少し,次に増加しやがて飽和した0増加に転ずると,Se/

Al界面に中間層の形成を示唆する付加容量が現われ,光容量効果も観測された。中間層の形成と 共に,実効的誘電率の変化などからa−Se層自体にも構造変化が生じたと考えられる。また,試 料を真空中,乾燥空気中,乾燥酸素中に保存した場合には容量特性に変化がないことから,空気中 の水分子が試料の特性変化の原因であることを明確にした。

そして試料のSe層が非晶質から結晶へ構造変化することを,短絡光電流特性,起電力特性及び 光容量特性の感光域から明らかにした。

以上の実験から考えられる構造的変化をオージェ電子分光分机Ⅹ線励起光電子分光分析,電子 線回折,Ⅹ線回折及びⅩ線マイクロアナライザrで解析確認した。Se/Al界面にはAl(OH)3の中 間層が形成され,Se層中には微量のマイグレrトしたAlが認められ,またSe層は多結晶に変 化していることが明らかになった。

以上の数多くの実験結果を総合してa−Se/Al接触のエネルギr帯構造を考察し,日時の経過と 共にその構造が変化し接触界面に障壁及び反応層が形成されていく様子を示した。このような変化 は,a−Se/Al接触特有のものである。

第2部の結論は次のように要約されるoAlを非晶質Seに電極として用いると,吸着した水分 子によりSe/Al界面でAl(OH)3を生ずる化学反応を起こす○そしてAlはイオン化してSe層 中にマイグレートLSeの結晶化を生ずる0これに伴い界面に大きな障壁が形成される。

第3部ではaqSe/Te接触におけるTeのマイグレrショソ効果を論じた。ここではTeを a−Seに電極として用いると,TeがSe中にマイグレrトして良好なオーム接触が形成されるこ

とを明らかにした。

まずSeにTeが添加されるとその性質がどの様に変わるかを知るため,a−Se卜ⅩTex膜の電 気的光学的特性を調べた。導電率の温度依存性や分光導電特性から,Teにa−Se添加されるとア クセブタの様な効果を示し,Te含有量の増加につれそのモビリティギャップが減少する合金効果 のあることを明らかにした。また光吸収特性から光学的ギャップも減少することを示した。以上か らa−Sel一XTexのエネルギr帯構造を考察し,Te含有量の増加と共にフェルミ準位と価電子帯 端とのエネルギr差が減少しP型傾向がより強くなることを明らかにした。a−Se/Te接触では,

拡散やェレクトロマイグレションによりTeがSe中にマイグVrトし,界面部に.千一Sel−ⅩTex 層を形成する0そのために試料製作時当初に存在した小さな障壁が打ち消されオrム接触になると 考えられる。

第3部の結論は次のように要約されるoTeは非晶質Seにマイグレrトするとフェルミ準位と 価電子帯端とのエネルギr差を減少させる0このためa−Se/Te接触は容易にオrム接触が形成

される。

第4部は本論文の結論である。電極材料の原子がa−Se中にマイグレrドすることにより,Al 電極はa−Seに対して特異な性質を示し大きな障壁を形成する電極となること,万一,Te電極は

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(3)

a−Seに対して良好なオーム接触電極となることを述べた。

なお,付録で,本研究の応用として,a−Se/Al接触を用いた光可変容量素子,a−Sel−ⅩTexを 用いたヘテロ接合素子についても研究した結果を説明した。

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参照

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