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論 文 内 容 の 要 旨

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Academic year: 2021

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全文

(1)

氏名・(本籍)

学位の種類 学位記番号

学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

野  中     智(静岡県)

工  学  博  士

工博甲第  53  号 平成2年3月 2 3 日 学位規則第5条第1項該当

電子科学研究科 電子応用工学専攻

抵抗率および比誘電率,誘電正接の精密測定

明 夫 蔵

弘 達 健

田 川 辺

地 宮 波

長授 授 授

委教 教 教

飼 元 野

  柿

授   授 教   教

論 文 内 容 の 要 旨

本論文は,抵抗率および比誘電率,誘電正接測定の確度の向上,範囲の拡大,手順の簡素化のため に行った,測定方法の検討,測定器の開発およびその応用についてまとめたものである。

抵抗率は,直流電界中に置かれた物質中を流れる電流の大きさを定める量であり,比誘電率,誘電 正接は,交流電界中に置かれた物質中を流れる電流の大きさと位相を定める量である。これらは電界 中に置かれた物質の電気的振舞を示す最も基本的な量で,材料の特性を知り,物性を解明する上で有 力な手がかりになる。これらの量は古くから抵抗計およびインピーダンス測定器を用いて測定されて きたが,絶縁物,誘電体の特性が飛躍的に向上したにもかかわらず,測定器の特性は常に材料の発達 に遅れをとる状態が続いていた。この研究は,従来の抵抗率および比誘電率,誘電正接の測定方法を 検討して問題点を明らかにし,測定方法を改善すると共に,最近の高性能能動素子を用いて新しい測 定器を製作することによって,確度の向上,範囲の拡大,操作性の向上を計ったものである。

抵抗率測定については,低抵抗および高抵抗測定回路を回路的工夫によって一体化し,従来導体抵 抗計,絶縁抵抗計の2台を要した0.1〟畠から2Tnの広範囲の抵抗測定を1台で行う高確度抵抗計

(確度±0・2%+ldigit以上)を開発した。この抵抗計は,漏れ電流,残留抵抗,熱起電力の影響を 受けず,測定時における未知抵抗の消費電力は数mw以下である。測定は自動化されており,試料 を接続するのみで抵抗値が表示される。また,比較的低い体積抵抗率をもっ棒状,帯状の試料を測定 するための4端子電極,厚さが既知のシート状試料を測定する場合,その表面に押しっけるのみで体 積抵抗率が求められるスタンプ型4端子電極,および体積抵抗率が比較的高い板状試料を測定するた

−163−

(2)

めの3端子電極を製作し,製作した抵抗計を用いて,棒状あるいは帯状試料(最大厚6皿,最大幅2 0mm,長さ50mm以上)の体積抵抗率,および板状試料(最大厚5m,大きさ80×80m皿以上)の体 積抵抗率,表面抵抗率を簡単に測定できるようにした。この結果,導体から絶縁体に至る広い範囲の 物質の抵抗率が迅速容易に高確度で測定できるようになった。

比誘電率,誘電正接の測定については,1KHzから100MHzに至る極めて広い範囲において固体試 料を高い確度で測定できる液浸間隙変化法の改良とこの測定法に用いる広帯域誘電特性測定器の改良

を行なった。広帯域誘電特性測定器は,比誘電率2〜3,厚さ0.5〜1.5m皿の固体試片を,周波数帯 域1KHz〜100MHzにおいて,比誘電率±0.2%,誘電正接±3%±3FLradの高確度で測定できる 測定器であり,容量変化法を導入した間隙変化法,液体試料測定のための固体置換法にも使用できる。

改良点は,①比誘電率が10程度の高誘電率試料の高確度測定法の確立,②最低周波数1KHzを110H zへ拡張,③厚さ数〝mの薄膜1枚を測定するための電極間隔変化量の分解能を5mmに高めた電極 の製作,④測定を簡素化するための試片の平均厚測定機構を組込んだ電極の製作,⑤残留インピーダ

ンスが大きく,Qが不安定な可変空気キャパシタの代わりに用いる可変容量ダイオード補助キャパシ タの製作,である。この結果,110Hz〜100MHzの広い周波数帯域において,比誘電率2〜10,厚 さ0.5mm〜1.5mmの試料を,比誘電率±0.2%,誘電正接±3%(分解能は,110Hz,320Hzにおいて は15FLrad,1KHz〜100MHzにおいては7FLrad)の高確度で迅速,容易に測定できるようになっ た。また,厚さ5〟mの薄膜試料を,比誘電率±1%,誘電正接±3%(分解能は,110Hz,320Hz においては400LLrad,1KHz〜100MHzにおいては180JLrad)の高確度で測定できるようになっ た。さらに,可変容量ダイオードを用いることによって,摺動部の接触状態の変化に伴う損失の不安 定性が問題であった可変空気キャパシタが除かれ,電極の安定性,操作性が向上した。

誘電特性測定器の回路の応用については,広帯域誘電特性測定器の検出回路を用いて高安定容量型 距離センサを製作し,レーザー加工器の照射ノズルの高さ制御に利用することを試みた。センサの感 度,約0.2V/0.1皿,電源投入後から出力が安定するまでの時間30分以下,周囲温度を変化させた 時の出力変動0.03皿/℃以下の特性が得られ,市販の容量型距離センサに比較して安定度が約17dB 向上することが確かめられた。

ー164−

参照

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