氏名・(本 籍)
学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件
学位論文題目
論文審査委員
モハツマド マデイ ヒアン
MOHAMMAD MADIHIAN 工 学 博 士
工博甲第 17 号 昭和58年3月26日
学位規則第5条第1項該当
(イラン)
電子科学研究科 電子応用工学専攻
Methods of Combining Solid State Devices for Incresed Microwave Power
(マイクロ波電力を増すための固体素子合成法)
(霊員霞)松本 欣二
教 授 水晶 静夫 教 授 助川 徳三 教 授 高崎 宏 助教授 岡本 尚道
論文内容の要 旨
最近のレrダrや衛星通信などの高性能マイクロ波システムは,マイクロ波周波数帯で1什−100 kW,ミリ波周波数帯で数百ワットの高電力を要求するようになってきている。しかしながら,こ れらの周波数でマグネトロン及び進行波管の代わりに発振及び増幅に使われる固体素子より使われ る固体素子より得られる最大電力は現在最も性能の高いFETやインパットダイオrドでもⅩバン
ドで10W/素子程度である。さらに,これらの素子から得られる最大電力は周波数の増加とともに 減少し,インパットダイオrドでは20GHzで5W,94GHzで900mW,そして255GHzで12mW が一素子から得られている最も高い電力レベルである。したがってシステムの要求する電力を固体 素子を用いて達成するためには,複数の素子からの電力を合成することが必要になる0本研究はマ イクロ波固体素子の電力合成法について研究し,マイクロ波帯及びミリ波帯で応用できる電力合成 技術を理論的,実験的に検討することである。
まず,多数の素子からの電力を一つのマイクロ波共振器の中で合成する新たな多素子発振器を開 発した。この回路では3M個の素子の出力を合成するために共振器内の磁界に結合する同軸線と電 界に結合するプローブを同時に用いている。固有関数法を使って発振器の動作原理を理論的に解析
した。理論解析の妥当性を調べるために,実験では18個までのガンダイオードを電力合成した0解 析により確立された手続きに従って,それぞれの素子からの最大電力の和が得られるように回路パ ラメrクーが調整された。発振器の動作は安定で,スプリアス発振,あるいはモrドジャンビング は見当らず,合成効率は96%以上であった。発振器の回路効率はKurokawa発振器のそれより3・7
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%高いことが実験結果から分かった。発振器の注入同期実験から,合成された素子の数を増すこと により,同期バンド幅が広くなることも分かった。
実際に一つの共振器を用いて電力合成できる素子の数は実用的な回路の大きさによって制限され る。素子の数をより増加させるためには,いくつかの多素子発振器をさらに別の方法で電力合成す ることが必要である。そのような方法の一つとして,3個の発振器と方向性結合器からなる合成器 を検討した。この方法では一つ発振器からの出力を注入信号として,他の二つの発振器を高レベル 注入同期することにより3つの発振器の電力の和が合成器より取り出される。発振器の非線形理論
と結合器の特性を用いて,合成回路の理論解析を行ない,最適動作条件を導いた。実験では,3dB
−Short−SloトCOuplerと3個の多素子発振器を用いて84素子合成回路をⅩ/ミソドで試作した0その結 果,1.72Wの出力電力を98.3%の合成効率で得た。合成器の注入同期バンド幅は16・3dBの利得で 28MHzであった。同様にして60素子及び36素子合成回路を試作し,それぞれ1.16W,0.85Wの出
力電力を97.8%,99.8%の合成効率で得た。3つの合成回路の動作はいずれも安定であった。実験 結果は理論的な計算結果と定量的によく一致した。
以上の研究結果より次の結論を得た。(i)3M素子発振器は小型で比較的広い/ミソド幅を持ち周波 数安定性がよい。また,発振周波数は空胴の共振周波数によって容易に調整することができる。(ii)
3発振器回路は簡単な構造で多数の素子を電力合成することができる。また,使われる発振器の特 性の違いが合成回路の動作に及ぼす影響は小さい。仙二つの合成方法を組み合せることにより,電 力合成される素子の数を10ひ−200個に増すことが可能である。
単一の固体素子より得られる最大電力は,近年の半導体技術の飛躍的な進歩にもかかわらず,よ く知られた法則に従って,周波数とともに減少する。その一方で,高電力の応用はミリ付帯及びサ ブミリ波帯で現在着実に拡張されている。本研究で検討した設計手順はこれらの周波数バンドでの 合成技術にも応用できるものと思われる。インパットダイオードのような高出力素子を用いて20−
100GHzで実験を行なうことが,興味深い今後の研究課題となろう。
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