学びとふり返りの一体化を重視した国語科カリキュ ラム
著者 折川 司
雑誌名 金沢大学教育学部紀要.教育科学編
巻 55
ページ 31‑41
発行年 2006‑02‑28
URL http://hdl.handle.net/2297/6269
学び とふ り返 りの一体化を重視 した国語科カ リキュラム
折 川
TheDe v e l o pme nto fJa pa ne s ● eLang ua g eCur r i c ul umt ha ti mpr o ve s Re l a t ions hi pbe t we e nLe a r nl ngAc t iv i t i e sandLe a r ne r ' sRe f l e c t i ons
Ts u ka s aORI KAWA
1
は じめに
評価規準の公示 を受け,学習指導 と評価の関 係 を見直 していこうとい う試みが各校 において 積み重ね られている。学習指導 と評価 を一対の 関連あるものとして位置づけ,実践 していこう とする,いわゆる 「 指導 と評価の一体化」 と言 われるものである。
この 「 指導 と評価の一体化
」は,指導 と評価 との間に連動性や循環性を持たせてい くとい う 点において大変重要な営みであるが, 自立 した 学習者を育ててい くためには,学習者 自身によ る 「 学び とふ り返 りの一体化」 とい う道筋も忘 れてはならない。教師だけが学習活動を組み立 てた り,学習者の学びを一方的に評価 した りす るのではなく,学習者個々が自らの学びに能動 的に参画 し,学びの成果を受けて次の学習活動 を築き上げていくような姿が求められている。
本稿においては,学習者による 「 学び とふ り 返 りの一体化
」の実現に向けて,学習者 自身が 自らの学びを評価 し,それを生か して次の学習 計画を構想するための支援 システムとして,「 次 の学びを引き出すふ り返 り活動」を提案 し,そ れを活用 した国語科カ リキュラムの有効性を事 例分析によって考察 してい く。
2
「 学びとふ り返 りの一体化
」の重要性
(I)学習プロセスを継続的に循環 させ る学習 ( 指導)過程をごく単純化す ると,①学 習の計画
(Plan),②学習の実践
くDo),③学習
の評価
(see)とい う流れになる。
高木展郎は,こうした一連のプロセスそのも のを 「 カ リキュラム
」と定義 した上で,カ リキュ ラムを学習の外側 に固定化 されて存在する枠組 み としてではな く,学びの中に位置づき,柔軟 に変容できるものとして とらえてい く必要性を 次のよ うに述べている。
しか し,今 日の学びにおいては,経験そのも のが意味を持つ ようになってきた。学びが学 び手の経験の質や内容によって変わっていく ことは,事前の計画では想定することができ ないこともある。そ こで,学び とい う経験の 中にカ リキュラムそのものが存在 し,柔軟に 変化や成長す ることが行われなければ,硬直 化 した学び となって しま う。 1 )
高木展郎は,学習活動が学習者の経験の質や 内容による偶然性や逸脱性を抱えてお り,計画 時には想定 もしなかった複雑な状況に応 じてプ ロセス全体を,つま りカ リキュラムを修正 して いく必要があることを示 している。学習活動を 計画 し,それに基づいて実際に授業を展開 し, 学習過程や成果を評価す る。 しか しそれだけで 終わるのではなく,評価 した内容をふまえて次 の活動計画を見直 し,新たな実践に結びつけて い く柔軟 さ求めているのである。
これはつま り,
「Plan‑Do‑Se
e」とい うプロ セスを一回限 りで終わ らせ るのではな く,
「See」平成
17年
9月
30日受 理のステ ップを
「plan」のステ ップ と連動 させ, プロセス全体を継続的に循環 させるカ リキュラ ムの実践を意味 している。
いわゆる 「 指導 と評価の一体化
」は,教師が, 状況に対 して柔軟な対応 を繰 り返す ことによっ てプロセスが継続的に循環 し,大枠 としてのカ リキュラム自体が変化 ・成長 していく過程であ るといえる。
(2)
プロセスを学習者 自身に循環 させる 自立 した学習者を育てていくためには,こう した
「plan‑
Do‑See」とい うプロセスの意味の ある循環を,教師だけでなく学習者 自身も経験 できるように しなければならない。
加藤幸次は,従来の一斉授業が教師のコン ト ロールのもとで進行 してお り,学習者 自身が学 びを 自分のもの として意識す ることができな かった とい うことを指摘 し,次のように述べて いる。
「 原因感覚」 とは 「 自分が原因でものごとが 決ま り,動いていく」 とい う感覚で,学習意 欲はこのことに密接にかかわっている。 自分 が常に学習活動の 「 全体
」に気を配 り,学習 活動の結果を見すえて, 自分で必要なデータ を収集 し,自分で必要に応 じて教師や友だち に聞き,自分で学習課題 を追求 していく。そ うした 「自分
」に気づき,自分を自分でコン トロール していくのである。 自分の認知行為 に対する 「 メタ認知
」を含んだ感覚である。
学習活動に対する主体性 ・創造性はこのよ うに原因感覚によって育て られるものにちが いない。
2)加藤は学習者の主体性や創造性 を育てるとい う意味において,学習者 自身が学びのプロセス に主体的に関与 し,学びをコン トロール してい くことが重要であるとい う認識 を示 している。
教師が提供するカ リキュラムに漫然 と浸 り,知 識を享受するとい う受動的な学習者ではなく, メタ認知することによって自らの学びを意識化
し,それに能動的に取 り組む学習者に育ててい くことを求めている。
また奈須正裕は,学びの方向性 を学習者が自 己決定できない現状を指摘 し,「 いつ, どこで, 何を, どんなや り方で学ぶのかに関す る決定の すべて,あるいは,そのいくらかでも子 どもた ち自身に委ね られなければならない」 と述べて いる。そ して,「 自分 自身で何をどのように追究 したいのか明確に言語化でき,さらに自力で計 画を立て,遂行 し,評価できる」力を計画的 ・ 組織的に育成 してい くことを求めている
3)。奈 須 もまた,教師にほとん どを依存 していた学び のプロセスの循環を学習者に委ね,経験 させ,
「 学び とふ り返 りの一体化」を実現 させ る力を 育てていく必要性 を示 している。
(3)
ふ り返 りのステ ップの重要性
学習者に任せていく一連のプロセスにおいて, 特に重要なステ ップがある。それは,「 ふ り返 り
」の過程である。
広瀬節夫は,自立 した学習者になるためには, 学習行為を省察 ・調整する 「自己評価力」を身 に付ける必要があるとい う見解を示 している。
そ して,「 学習者 自身が,問題を発見 し,学習を 計画 し, 展開 していく場を設定 して
,『自己評価』
がおのずか ら必要 となるような学習 ( 言語)宿 動を組織することが大切である
。」と述べている
4)0
従来は教師主導が当た り前であった状況の認 識や学習計画,そ して評価 とい うステ ップにも 学習者が主体的に取 り組まざるを得ない必然的 な状況をつ くり出 し,実際に学習者を関わらせ ていく必要性 を示 しているのである。
またウイル ソンとジャン
(Wilson,J&
Jan,
L.W) は,「 振 り返 りとメタ認知のスキル と方法を
身につけることによって,生徒が自らの学びの
責任を担 う能力は飛躍的に向上する。逆に言え
ば, 自分の学びに責任をもっことは振 り返 りと
メタ認知能力を向上することにもなる
。」と述べ,
学習者が学習活動を自分のもの として意識化 し,
その学びに対 して責任をもって主体的に関わっ
ていくようにするためには,ふ り返 りの力,メ タ認知の力を育てていく必要があるとい うこと を示 している
5)。
授業‑の具体的取 り組みを 「自分の学び 」 と して意識化 した り,一連のプロセスを循環 させ て次の学びの像を引き出 し,それに主体的に関 与 した りする契機 として,学習活動のふ り返 り が重要なのである。
次に,「 学びとふ り返 りの一体化
」の核 となる
「 ふ り返 り活動 ( 自己評価) 」のモデルを提示 し, そ うした活動を効果的に実現す るために必要 と なる支援について考察を行 う。
3
学習者一人ひとりが自らの学びをふ り返る
(1)自らの学びをふ り返った り設計 した りでき ない学習者
A.S.の事例
1999
年に静岡県内の小学校
5年生に対 して実 験的に行ったふ り返 り活動の事例 ( 図
1)があ
る。教科は国語科である
6)。
図
1は,対象クラスが初めて取 り組んだとき のふ り返 りカー ドである。 このクラスにおいて は,文学的文章教材 「 おみやげ
」6)の読みを, 学習者一人ひとりが個別に立てた読みの視点に 沿って深めていく学習が展開 された。
r 榊 1 ] ふ り 返り カ ード
7 月1 日木 曜 日1 5
番 名前 A.Sう で し た か? ) 1今 日 の 撃 野 地を ふ り 畢 っ て み 手 し よ
う.蕪 し か っ た .し っ か り で き た お も し ろ い
なJと①だ れ の 考 え で し た か ? な し
◎ど ん な 考 え で し た か ?
それを聞いて.どう感じました
か?3あなた比次の噂町こどの上旦血ことをしなければならな
い と 思 い ま す
か? 次蛸和にどのよう
な
ことをし 悪
霊 \
なけ仙 まなら
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J : ラ
?1 はなしか 埴する. できた.M.Yさん
と は
なし合った.
2 3
# 次蛸町こ あなた
がr
bり組まなl仙 まならないことJr規 えてき たかな?
学習者
A.S.は,国語科の学習に対する関心 が 比較的高く,物語の読解の授業においては,
叙 述を押 さえた丁寧な読みを行 う児童である。
国 語科の学習に関 しては,能力的には高い学習
者 であったと言える。 しか し,カー ドを一 目見
た だけで分かるよ うに, 自己の思考の過程をメ
タ 認知する力やそれを生か して次の学びを設
計す る力が豊かに身に付いているとは言い難い。
A.S.
の場合, A 欄が 「 楽 しかった。 しっか り できた。」と極めて簡潔で抽象的な記述 となっ
て いる。また,話 し合い活動を行っているにも関 わ らず,
B欄は未記入になってお り,他者 と
の 交流に対 してさして関心をもっていない様子が うかがえる。 これでは,A.
S.がC欄 において , 自分の必要 とする次の学びを具体的にイメージ することは難 しく,
「 学び とふ り返 りの一体化
」は期待できない
。
こうした実態か らは,過去に経験 した学習 活 動において学習設計や評価の力を定着 させる
こ とができなかった とい うことが読み とれる。 し か し,こうした実態は
A.S.のみの特例ではなく,
1999年
7月の時点に
おいては調査対象全員に該 当す るものであった。
(2)学習者が必
要な リソースを自力で引き出 し てい くための支援
A.S.
のクラスの学習者たちのように,学習 設 計力や学習評価力が不足 している場合,教師
は どのように指導を展開 していけばよいか。それ を検討す る際に,「リソース
(resource)の引
き出 しを助ける」 とい うスタンスが重要になる
。 このスタンスは,熟達者である教師が トッ
プ ダウンで知識や方向性 を押 しつけるとい うも
の ではなく,学習者の内面に眠っている様々な
リ ソースを学習者 自身が自力で引き出 していけ
る ように手助け していくとい う姿勢である。 こ
う した姿勢は,特に,カ ウンセラー としての教師 の役割
や ソクラテス的対応
(socratic),コーチ
ング
(co前項において示 した 1 9 99年のふ り返 り実践 の場合, リソースの引き出 しを学習者一人ひ と りが実現できるように大きく二種類の支援を試 みている。一つは 「 自己評価内容を次の学びの 設計に活かせ るふ り返 りカー ドを活用す るこ と 」 であ り,もう一つは 「 問いかけや提案によっ て学習者の認識を活性化 させた り選択を促 した
りすること 」 である。
こうした二つの支援によって学習者の リソー スを引き出 し,プロセスの循環,つま り 「 学び とふ り返 りの一体化
」の過程を学習者 臼に身繰 り返 し踏ませていこうと計画 したのである。
4
リソースの引き出 しを助ける間接的な支援
(1)自己評価内容を次の学びの設計に活かせ るふ り返 りカー ドを活用する
学習者
A.S.たちが今までふ り返 り活動に取 り 組んで こなかったか といえばそ うではない。
A.S.
たちは,学習態度や充実度をアルファベ ッ トや◎○△な どで評価す る記号式のふ り返 り カー ドを用いて学びの自己評価を繰 り返 してき た。記号式のふ り返 りは多 くの学校で導入 され ている自己評価法であるが,欠点 も多 く,活用 にあたっては注意を払 う必要がある。
それは,記号式のふ り返 りが,「 学習者にとっ て敷居が低 く,取 り組みやすい
」「 短時間で終わ らせ ることができ,効率がよい
」「 回収後,教師 が確認 しやすい」 とい う利点をもってはいるも のの,「自己の実態を主体的に見つめようとい う 意識 を誘発 しない 」 「 学びを具体的に把握できな い」 「 ふ り返ったことを次の学びに生か しに く い」 とい う無視できない欠点を抱えているか ら である。実際,
A.S.たちは 「 学習者 自身が学び のプロセスを循環 させる
」とい う自己評価の意 味を深 く考えることができないまま記号式のふ り返 りに取 り組んできた とい う経験を口に して いる。
私たちの行動は,直面する様々な状況に規定 されてお り,頭の中に思い描いたことがすべて 狂いなく,イメージ通 りに実行 されるとい うこ
とは,行動の内容が教科学習のように複雑なも のになるほど困難である。具体的に行動を起こ すことによって新たな問題が浮き上がった り, 物事の本質や 自分が何を求めていたのかとい う
ことが明確になった りすることも多い
7)。その ため,最初に立てた学習計画が単元の最後まで 変更なく原型を保 ち続け,その計画に沿って整 然 と学びが遂行 されるとい うことは,実は非常 に難 しいことである。直面する様々な状況に合 わせて計画を常にチェックし,必要に応 じて修 正変更 していくことは避けられない。 こうした 局面を学習者に任せていくには,記号式の簡便 なふ り返 りではなく,自己の学びの状態を具体 的に把握でき,把握 したことか ら次の学びの像 を引き出 していくことができる新たなふ り返 り 活動の導入が必要 となる。
そこで,改善策 として,前頁に示 したような 新 しいタイプのふ り返 りカー ドを考案 し,1 99 9 年
7月に実験的に活用 したのである。
新 しく導入 したふ り返 りカー ド ( 図 1)は, 記入を行 うことによって学習者一人ひ とりが一 単位時間ごとに直面する学習状況を認識するこ とができ,また,認識 した内容を次の学びの計 画に即座に,尚かつ具体的に反映できる構造に なっている。つま り, 学習者の内面にあるリソー スの引き出 しと,その リソースの,状況‑の活 用の仕方を考える場が提供 され るのである。状 況か ら影響を受けるだけでなく, リソースを活 用 して状況‑働 きかける道筋をつ くり出す とい う意味において,学びの循環を実現す るシステ ムであるといえる。
カー ド上段のA欄は学習態度について,中段
の
B欄は他者 との交流の様子 と自分に対する影
響についてメタ認知する場 となっている。また,
下段の
C欄には,前時のカー ドの
D欄 ( 前時に
立てた 「 本時の 目標
」に対する自己評価) と
AB両欄の内容をふまえて次時の学習設計を行え
るような仕組みになっている。 このカー ドを活
用 したふ り返 りを複数回繰 り返すことによって
学習者は,
「Plan‑
Do‑See」とい うプロセスの
循環を経験することになるのである。
重要な点は,こうした循環が教師による 「 指 導 と評価の一体化 」 として実践 されているので はなく,「 学びとふ り返 りの一体化
」として,学 習者の学びに寄 り添って進められていることで ある。
(2)A.S.
がプ ロセ ス を循環 させ る力 をつ けて いった
2年間の履歴
(1999.7‑2000.6)学習者
A.S.たちが,こうしたふ り返 りを今ま でに経験 していないことか ら,新 しいカー ドを 使用 しても自己の学びを うまくメタ認知できず ( たとえ認知できていたとしても表出すること ができず), 次の学びの姿をイメージす ることに 結びつけられなかったとい うことは既に図 1を 用いて示 した。 しか し,このふ り返 りを三度, 四度 と繰 り返 していくにつれ,学習者たちは次 第に自らの置かれている状況を把握 し,次にど のような学習活動が必要であるか, とい うこと をイメージできるようになっていく。
次貢の図
2‑1と2‑2は,学習者A.S.が,1
999年
7月
5日以降の学びにおいて,どのような成長を示 したかを表 し,図
3‑1,2は,翌2000年に も継続 して行ったふ り返 りが
A.S.にどのような 影響を与えたかを示 している。 どちらも抜粋 し た資料ではあるが,
1999年
7月
1日に実施 した
‑回 目のふ り返 り ( 図
1)と比べると,
A.S.の 成長を各欄の記述に見ることができる。
例えば,
1999年
7月
5日のカー ド (図
2‑1:2回 目に実施 したカー ド)を見ると,「どうしてフ ロル星人は地球に宝物を送ったのか, とい うこ とについて考える
。」7月
8日には 「フロル星人 は人類が核兵器でタマゴ形の容器をこわ して し ま うのを分かっていたのでは。二人に聞いてみ たい。」と取 り組む内容や疑問,伝え合いの相手 を具体的に書き表すことができるようになって きている。
さらに
2000年にな り,
6年生に進級 した学習 者
A.S.は,
6月に 「 ガラパゴスの自然 と生物」
8)の学習においてふ り返 り活動に取 り組んでいる
( 図
3‑I,2)。彼女は
6月
12日のカー ドに,「 ペ ンギンがガラパ ゴス諸島で暮 らしていくために, どのような進化をしてきたのか。 このペンギン はガラパゴス諸島で暮 らしてい くのに全 く問題 はないのか
。」と記述 してお り,伝え合いに関 し てかな り具体的な記述を行 うことができるよう になっている。また,伝 え合いにおいて興味を もった事柄 を 「 パ ソコンで調べてみたい
。」と計 画 し,伝えあったことを次の学習の計画に結び つけることができるよ うにもなっている。
5
リソースの引き出 しを助ける直接的な支援
(1)問いかけや提案によって学習者の認識 を活性化 させた り選択を促 した りす る
学びのプロセスが連動 し,循環できるふ り返 りカー ドを導入 しても,その活角が最初から完 全に学習者任せになって しまうと,十分な効果 は期待できない。
当然のことなが ら,直面する状況に初めか ら 自力で対応できる学習者ばか りではない。多 く の場合, 学習者たちに,「 様々な状況をどう捉え, その状況に どう対応 していくか」 ●とい うことを 考えさせてい くために,教師による直接的な働 きかけが必要になる。支援策の三つ 目,「 問いか けや提案によって学習者の認識 を活性化させた
り選択を促 した りすること
」である。
(2)学習者に対す る問いかけの事例
1999
年
7月
5日の事例では,カー ド‑の記述 が前時 と同 じように抽象的で簡潔になっている 学習者
A.S.に対 して,教師は
A.S.のメタ認知を 助ける役割を果た している。 口頭でのや りとり の一部を示す と,次のよ うになる。
Tは教師,
Cは
A.S.を指 している。
【 発話事例
1】T l:どう?うまくできた ?
C1:うん,結構楽 しかった。
T 2 : ①今 日は何 が楽 しかった?
C 2 :M . Y . さんと一緒にや ったこと。
図
2‑か ? の 時 冊 Lど の よ う
なこと1を で き ま し た か ? し な け れ ば な ら く れ ヽ で し
ょう?( 次 の 時 何 に 雷 く ) フ ロ ル 星 人 は . 人 掛 噸
兵辞でクマ
をわかっていた棚 ヽをの刊も こわし
てしまうのふたりに できブた ヒお も し ろ か つ た .
くさんポス トイ
ッ ト
l批
2 3
図
2‑2B ' r ガラパゴスの自 然と 坐軌ふり 返り
カード2000 年 6 月 12日月
嘱目 (14)手 名前 A.S2 r なる ほどJr へ
え おもしろL也 と感じるようW ='ちの考えに
今日出会 いまし
た
か?② ど ん
な考え
でしたか? く自分の考えをひろげたり.
利用できそうですか ペンギンがガラパゴス
?)鹿島で辞らしていくために.どのよう磁潔めたりするの 軸ヒをしてきたのれ ( 体を小さくして .
楓を発散させている)していくのに全く両 哨欄にどのようなこと
をし
なー 仙 ま
なら
ないと思
しヽますか
?I ̲
.
のようなこ
とをけ仙ま
なら
ないでしょう
? で(脚 ̲に暮く)′ < ソコンを放っ
て調べたい.
パソコンでも歩判 こな る は始檎あった 中学生からもらった rどんな環境カ しているのか 璃ベ I一〇
2
3
淡次の時間に.キミがr取り組まな
け
仙ね らないことJが見えてきたかな?図
3‑1rガラ′(ゴスの
自然と盤軌ふ り猛 りカー ド
2000
年 8月13
F] 畑 El (14)
♯ 名前 A
.S
日の筆触 をふ り立ってみましょう。r r
みんな「蜘 隅べていてとても良かっも
2
rなる ほ ど J r 人 え . お も し ろ い な J と
感じるような友だちの考えに今
日出虫 い ま し た か ?
◎ どんな考えでしたか? 伯分の脅えを
ひ ろ げ た り .
深めたりする利用でペンギさそうですか?ンにIも 本当l
) 出払肋 如S L叫、
のlけ C , あ た た か
い所でもうに脚 化させたのI
C.あたたか
い所 で も 暮 ら し
3
自分の考えをさ
し な
I仙 まならないと思いますか? こど
のようなことをド まならないで 苛こときし ? しょう? (次の時間に轟く)
l′
〟 まず.ポストイットや資料から.ど できた !ほかのグル
の情鞭を使うかを持し合う. ー
(前にもらった意見)の人 のポス トイットも使っ
て.
使えそう棚 報を典
2 苛んかを決める.だ :例にする
払 次の時
T 3: そう。よかったねえ。②どんなことを M . Y さんとやったんだ ?
C 3 : 「 どうしてプロル星人が誰もいない地矧 こ 宝物を贈ったのか ?」 とか,
M.Yさんが 「 そ れっていらないん じゃないの ?」 とか。
T 4 : ふうん,そうか。③その話 し合いは二人に と⊇ヱ重要なんだな。それで明E] は何をす る必要があるの ?教えてよ。
C 4 : また話 し合いを した方がいいと患 う。
T 5 : 誰と?
C5:M.Y.
さんと。だって,まだ途中だもん。考 えをもう少 し増や したい。
T 6: そ うか。 じゃ,今日の課題をもう少 し考え ていくということだね。次にやることが ちゃんと見えてるじゃない。それをふ リ返 りカー ドに整理 したらどう?
この会話においては,
A.S.に リソースを発見 させるための支援を教師が 「 問いかけ」によっ て行っている。 リソースを顕在化する過程で, 下線部③ 「 その話 し合いは二人にとって重要な んだな
。」と
A.S.の営みの価値を認め,受容 し た り,下線部① 「 今 日は何が楽 しかった ?」 や 下線部② 「どんなことを
M. Y. さんとやったん だ ?」 とチャンクを分解 し,より具体的でかみ 砕いた言葉を求めた りしているのである。
もう一例提示 したい。次の事例は,
2000年に 教師 と学習者Kによって,ふ り返 りの際にや り とりされたものの一部である。
Kは,A.S.と違っ て,
2000年になって初めて 「 次の学びを引き出 すふ り返 り
」を経験 した学習者である。なお, 事例中の方言については,論者の判断で共通語 の記述に変換 した。
【 発話事例 2I
Tl
:今 日はどうだった?
C1
: ちょっと話 しちやったね。( 隣の学習者に 同意を求める)
T2
:うん ?無駄話が多かったのか?
C2: え,まあ,そんな多かったってはどじゃ
ないけど ‑ ・。
T3
:思わず ?
C3:
( 二人で顔を見合わせて笑いながら)思わ ず。
T4
:次の時間はどうする?
C4: ちゃんとや らないとまずい。進まない。
丁5
:そうだよな。で,何をやろうか?
C5:
うーん。
丁6
:今追求 しようと しているのは?
C6: 例になるよ うな生き物を探 してる。あと 一個なんだよな‑。
T7
:それは見つかった ?
C7: 見つかんない。
丁8
:じゃあ,それの続きをやるのかな。
C8: でも,ないもん。
T9: コバネウのときは見つけられた じゃない。
①あのときはどうや ったの ?
C9: どうや ったっけ?わかんない。なんか, なんとなく見つかったよね。( また同意を 求める)
TI
O:② つけたのはだれ ?
C10:それは僕だけど。
Tll
:③ じゃあ,見つける方法を知っているは 王だL
Cll
:え?どうや ったっけな。
S.Kくんに聞い て ‑ ・,先生が持 ってきた本がいいよっ て言われて ‑ ・,それを見たら載 って たんだったかな。
T1 2 :④ふーん,友達と交流 して情報をもらっ たのか。いいねえ。そ うやっで情報を増 や していく方法を K は知っているんだ。
C1 2 :そ っか,他の班に行 って,聞いてみ Uや いいんだ。
この事例においては,教師は下線部① 「 あの
ときはどうやったの ?」 と,学習者K自身が同
様の問題解決を過去に試みて成功 していること
に気づかせようとしている。そ して,下線部②
の 「 見つけたのはだれ ?」 や下線部③ 「じゃあ,
見つける方法を知っているはずだ
。」のように,
解決の糸 口を,実は
K自身が既 にもっていると い うことを認識 させ ようとしているのである。
さらに,下線部④の 「 友達 と交流 して情報をも らったのか 。」 のように,教師は
Kが引き出 した リソースを整理 し,
Kに返 してい くなかで
Kの メタ認知の介助を行っているのである。
こうい う過程を経て,学習者
Kは,他のグルー プの学習者 との交流によって課題 を解決できる 可能性があるとい うことに気づ き,それを次の 時間に取 り組む ことを決意す る。
提案 確路 説明 質問 強制 受容 否定 事例
1 1 20
50
3 0
事例
20
40
11 0 4
1
計
16
0
160
7 1提案 : 学習者 に対す る
内容や方法の提示
確認 : 学習者の発話内容の確認 と発言の主 旨をま とめ た発話
説 明 質問
強制 受容 否定 学習 内
容 についての説 明 学習内容や発話 内容 に
ついての問いかけ 学習内容や方
法につ いての強制 学習者 の発話内容 を肯定的
に受 け止 める反応 学習者 の発話内容 について
の否定的 コメン ト 2つの事例にみ られ る教師
の発話 を 7つの分 類項 目に則 してカテゴリー化す ると表 2
のよ う になる。 7つの分類項 目は,佐藤
公給 の発話 カテ ゴ リー コー ド
9)を参考に しつつ
,この発話場面を ふまえて独 自に立てた ものである
。「 質問」と「 受 容」のように,複数の項 目に
またがっている発 話については,それぞれにカ
ウン トしている。
項 目別の合計発話回数を見ると,
「 質問 」 が最 も 多 く 1 6,次の 「 受容」が 7,「 確
認
」が 6,「 提 案 」 と 「 否定 」 が各
1となっ
ている。学習内容 や方法などについての説明を
した り,何かを強 いた りす る
ことはなかった。
これ らの事例のポイン トは
,教師が 「 〜 しな
さい」 「 〜 するべきだ」と トップダウンで改善策 を提示 ・ 強制 した り,「 それはダメ
だ」「 そ うじゃ な くて
〜」と否定的なコメン
トを した りしてい ない とい うことである
10)。
教師の発言は 「 問 いかけ」や 「 受容」を中心に
構成 されてお り, 学習者の頭の中の交通整理を
して,学習者の置 かれている状況や 目標 とする
姿や打開す る方略 などを学習者 自身に考えさせ
,把握 させ る支援 を している。たった数往復の
小 さなや りとりで はあるが,その中にもこ うした特徴 を見る
こと ができる。 つま り,教師の関与は,自
分がもっている リ ソースを学習者の意思に関係
な く,学習者の学 びに適応 させ よ うとして押 し
つけるものではな い。学習に必要な リソースは
学習者の内面にあ り,それを価値あるもの とし
て尊重 しなが ら, 学習者 自身が発見 してい く手伝いを行 うとい う
スタンスである。
A.S.の場合,教師 とのこ う
したや りとりを経 てふ り返 りカー ドの書き直 しを
行い,図
2‑2に 掲げた 7月 5日のカー ドを書
き上げる。残念な が ら伝 え合いの最 中に出会っ
た友達の意見につ いてのコメン トはなく,教師q
)問いかけによっ てメタ認知 したものが反映 さ
れてはいないが,
「M.Yさん としっか りできた
。
」と他者 を意識 し た書き込みや 「どうしてフロ
ル星人は,地球に 宝物 をお くったのか, とい う
ことについて考え る。」と次時の学習計画をかな
り明確に立てるこ とができるよ うになっているこ
とが うかがえる。
教師が,問いかけを中心 と
した発話 を行い, 学習者が行 うリソースの引き
出 しを支援す る。
そ してその繰 り返 しが,
2000年
6月の事例 ( 図
3‑3)に見 られ るよ うな学習者
自身による自力で の リソースの引き出 しに結びつき
,「 学び とふ り 返 りの一体化」 を実現
させ るのである。
6
中期的なスパ ンで学習者が学習活動 を 立 案 ・修正する
(I)ふ り返 った ことを単元
計画に反映 させ る ふ り返 りによって浮かび上
がった内容は,吹
の時間のめあてを明 らかにす
をもっているのではない。
1999年や
2000年の 事例のよ うな
1単位時間ごとの学びの計画,実 践,ふ り返 りの循環だけではな く, も う少 し長 いスパンで学習活動 を学習者 に任せ ることがで きるのであれば,学習者は単元計画の よ うなも のを立案 した り,修正 した りす る行為 にも参加 できる。「 学び とふ り返 りの一体化」をふまえた, 学習者主体のカ リキュラムを実践す ることがで きる。つま り,高木展郎が必要性 を示唆 してい る 「 学び手 も参画す るカ リキュラム」の実践で ある
11)0(2)
「 学び とふ り返 りの一体化
」を単元 レベル で実現 させ るカ リキュラム
そ こで,ふ り返った ことを 「 単元 」 計画に反 映 させ ることができる国語科カ リキュラムを構 想 し,その有効性 を確認 してみた。
図
4‑1と
4‑2は,
2003年に,中学
1年生 を対象 とした実践事例の一部である 12) 0 U とい う学 習者が,ふ り返 った内容を自身が立案 した単元 計画の軌道修正に反映 していった履歴 を構造化 している。紙幅の関係上,ふ り返 りカー ドにつ いては下段のみを抜粋表示 した。
単元の内容は,学校行事であるスキー実習を 紹介する リーフレッ トをグループで作 ってい く とい うものである。広告を用いて行 ったメデ ィ ア リテラシーに関す る学習をふ まえて,学習者 たちは リーフレッ トに掲載す る紹介文 を作って いった。
学習者 によるプ ロセスの連動や循環 に焦点を 合わせて, この履歴 を読み解いてい くと,次の
よ うになる。
図
4‑1は,単元の最初に学習者 と教師が共同 で作った大まかな流れである。その中の太い枠 で囲んだ部分は学習者Uによって組み立て られ た内容である。 U は,この太枠の流れ に沿って 具体的な活動 を展開 してい く。
図
4‑2上段の
「A」が指 し示 している部分を見ると,学習者Uが
3月
3日に,本時の学びをどのよ うに反省 し,3 月
4日に取 り組むべ き学教師の提示した学習の大枠に沿って組み立てられた学習計醸
スキ一枚恵の紹介リ‑フレットを作ろう1年 ( )軌 学野計画の大体を決めよう
.
段階 学野括軌の内容
予 定 日 自 分 の 班 の 榔習
内容 1
慧軍「
蔓1脚 功 を伝えるための工夫 を見つけた.
2 ・ の‑ 杏
‑
… 12 イメージマップを作も3 紹介する内容を辞し合って決め4 書く場所 (で考える.ち.学習の大まかな赦 しレイアウトをグ′)を決レーブ め る.5 学酬 面を駄
a 呈 る 笛 。
漂 曇一′ 12 セ‑ヅレスポイントの紹介メモを3 下書きをする.たくさん書く.作る.紹介する人を決める.′4
5 柵書をする.文章を見批a 立を用倉する.二幸 3 包司用紙を切って廊下の掲示み1 ホ「ムページで写井をさが寸も2 良さそうな写共を印刷して.どれを旺うか辞し合う.たい
なイラストを作る.
4 台的こはる.
4リ を
‑ レ.撒 する./ト‑ 蔓 1 新l年生に改んでもらい,
助
を開く.
・ ′
図
4‑ 1
びをどのよ うに構想 しているかが うかがえ る。
この学習者は 「 スキー教室のことを思い出 すた めにイメージマ ップを作 ろ うとしたが,あ
んま りた くさん浮かばなかった。次の時間はグ
ルー プで協力 して もっ とた くさん出 し合わなければ な らない。」と, 次の時間の学習を計画 している
。 こ うした計画は,図
4‑2の左側 に示 したよ
うに 学
習の大枠に組み込まれ ,修正 されていくので ある
。
同様 に,図
4‑2の上か ら
2段 目や
3段 目 に示 された学びの計画 も,学習の大枠 に新たに
組み 込まれてい く。学習者
Uは次の学びの姿を明 ら かにす るだけではな く,単元全体を見通 し
て, その学習活動が
単元の どこに位置づ くのかを確 かめていってい
こ うしたことか ら,学習者Uがふ り返っ る。
た こ
とを
1単位時間先の学びの姿に反映 させ る
3月4日の学習計画 ※3月3日に妃入 3月3日に次の学習内容を干憩し 次時 (3月4日) の学習を計画している。
撃軌○大枠の修正
次の附 した学軌 掛 ま
じめにおいて組み立てた学習の大枠を依正して いく。(ゴシ・Jク体の帥 囁 正された紛
毎時間の
学
びをふり返る脚 定することに よって.学郷 地 えす自己の戦 〝相喝英 (太 枠の和訓 を恵簸L,自らの学習柵 こ応じて 鰍 こ修正を行うことができる。トを作ろう 1年 ( )級
白州 解約が弼酔好 1 融邑のみ力を伝えるための工夫を 見つけた。
1 学習の大まかな洗場 gTJレーチモ 考えも
2 イメージマ・/俄
3 将介する内容を鼓 し合って決め ち
4 書く場所 (レイアウト)を決める S 学甲計画を見批
1I t ‑ i・ L ‑ ‑ L J 響 P mを さ W.
2良さ そう な 写 衣を 印刷し て .ど
れ紺う か 藤し 合う 。
3色靴 切っ て 廊下 の拍 示 み た い な イラ スト を 作 る 。 担当 1 に 見て もら う .
1薪l 他 こ 績ん でも ら l \曲を 開く .
3
月4
日の反省※3 月4
日に配人 前時( 3 月3
日)に立てた帥酎こ 沿っ
て柵こ4 日に学野L .その反省を捜搬 し
ている。
棚 こ学習しなければならないこと㈹
し ましよう 。※たくさ
も3つまでにuf 1 9
てくださlヽ
次の時恥も どのようなことをしなI甘
地 ら ないでしょう? できまし
たか?欲の相称こ
響く)スキ働 ことを.Stヽ出すために
イメージマッ プを作ろう
としたれ あんまりたくさん卿 よなか
っ た.棚 町ま gJ レ ー
チモ協力してもっとたくさん出し合わな
け 仙裁【 ち なL ヽ
今
日は
倉見をたくさん出し
合ったので.イメ
ージで・ / プ机ふくら
ん鑑これをもと に
して.文事糾 えて
いく.脚
に キミ がl 取り 組主なI . 付1 ほな
らt3月5日の学野晒 ※3月4日に
妃入
rEu d乱てふり返った4日の学習の
出来良創こ 応じて.
5日飲に取り租まなI仇 まならないことを干
獅 し ている。
こ学習しな(サーはならないこと㈹ しましょう. ※たくさんある批 3つ
棚 こ どのようなことをしなけれ肋 ら払 ヽでしょう? できましたか?脚 こ書く)
さをナも W .大鉢どんな轟佑 諸肌するかを奪えて.
gJレー知 人と相日け‑も その扱.すぐに下好さl鵜
なかなか進まなかった机 最初の2行 I畑 地 棚 こさびしくなってきた
のt.脚 捌 く。
できまし,ヒ 抑 こ合うデジカメ軸 .印刷してきたものの中か
ら温良
よl朝 を3枚くらl帆 脚 も キミが
3 脚 こ学野レ如棚 な抽 ヽことを稚 しまLJ:ラ.
次の唱和に どのようなことをLIPすればならないでLJ:ラ?
抱介文の下歩きをまだ2行しか齢ナてl叫か切T,gTJL‑ブ廿的 来した分蝕の半分以上をとにかく書く。グjL‑7m人に作文チ3LI/ クリストで轍 してもらう.鬼蛸 導してもらlヽ糊 の比加こ
・3ヽて指導してもらう.
州 もキミが r取り払まなJ
3月6日の学野帥野
※3
月5
日はた入3月5日の反
省
※3月
6別頚己 入
前時 (3
月4日 )に立て
た臓
こ 沿って爽恥こ 5
日に
学習し .その反省を
横
触 入する 。
ることによって,単元 とい う大 きなプ ロセスの 循環 に主体的に関わっていった ことが うかがえ よ う。
7
まとめ
本稿 においては,まず
「plan‑Do
‑See」というプ ロセスを学習者 自身が循環 させ,「 学び とふ り返 りの一体化」を実現 させ ることの重要性 を 導 き出 した。そ して,「 学び とふ り返 りの一体化
」を実現 させ るために,「自己評価 内容 を次の学び の設計に活かせ るふ り返 りカー ドを活用す るこ と
」と 「 問いかけや提案 によって学習者の認識
図
4‑2を活性化 させた り選択 を促 した りす ること
」と い う二つの支援策 を提案 し,それ らを組み入れ た国語科カ リキュラムの有効性 について考察 を 行 った。事例分析 をふまえた考察の結果,学習 者の実態か ら以下の ことが明 らかになった。
1)
次の学び を引 き出すふ り返 りカー ドの活用 や問いかけ ・提案 による口頭での支援 は,プ ロ セ スの循環 を学習者 が意識 した り,実際 に リ ソースを整理 して次の活用に結びつけた りす る ことができる。
2)
二つの支援策 を導入 し, 「 学び とふ り返 りの
一体化
」をある程度長いスパ ンで学習者 に任せ
ていくことができれば,高木が必要性 を主張す る 「 学び手も参画するカ リキュラム 」 を実現す ることができる。
以上のことか ら,「 次の学びを引き出すふ り返 り 」 を導入 した国語科カ リキュラムが 「 学び と ふ り返 りの一体化
」を実現するために有効であ るとい うことを確認することができた。国語教 室においては,その効果的導入を積極的に検討
していくことが求められよ う。
今後は,ふ り返 りのシステム自体の汎用性に ついて検討を進め,教師も学習者 も負担が少な く,かつ効果が期待できる新システムの考案に 目を向けていきたい と考えている。
注および引用 ・参考文献
1
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347, 日本 国語教育学 会編
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「
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8年度版国語教科書
(5年上) に所収。
7 ルー シー ・A ・サ ッチマ ン 『プランと状況的行為』
佐伯肺監 ・訳, 産業図書
,19998
伊藤秀三, 光村図書出版, 平成
8年度版 国語教科書 (6年上)に所収。
9 佐藤公治 『認知心理学か らみた読みの世界』北大 路書房
,1996,p16410
事例
2の 「コバネ ウの ときは見つけ られた じゃな い 。」 を否定的な コメン トしてカ ウン トした。 しか し これ は学 習者 の 自己否 定 的 な態度 に対 す る否 定 で あって,自身の営み を肯定的に見ることを求めた発話 となっている。
1