未利用植物性バイオマスのリデュース型有用資源化 方法の開発と応用
著者 淺田 元子
著者別名 Asada, Motoko
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科
巻 平成19年3月
ページ 19‑25
発行年 2007‑03‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/14581
氏名学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目 論文審査委員(主査)
論文審査委員I副査1
淺田元子 博士(工学)
博甲第753号 平成17年9月30日
課程博士(学位規則第4条第1項)
未利用植物性バイオマスのリデュース型有用資源化方法の開発と応用
中村嘉利(自然科学研究科・助教授)
清水宣明(自然計測応用研究センター・教授),~
中本義章(自然科学研究科・教授),瀧本昭(自然科学研究科・教授),
渡辺隆司(京都大学・教授)
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従来まで未利用植物性バイオマスの多くは焼却処理または埋立処理されてきたが、それらの処理はCO2 の発生を伴い地球温暖化の要因となるだけでなく、末利用資源の有効利用の面からも望ましい方法ではな い''2)。未利用植物性バイオマスを無駄なく完全に有用物質あるいは製品に変換する技術すなわち、リ デュース型資源化方法は廃ガス、廃水、固形廃棄物等を発生しないので、人体や環境に優しい(悪影響を 与えない)技術、すなわちグリーンテクノロジーとしても非常に期待される方法である。未利用植物性バ イオマスのリデュース型贋源化方法に関する研究は国内ではほとんどないが、マレーシアでは油脂資源で あるオイルパーム(油ヤシ)から搾油した後の廃棄物からの木質ボードの製造が行われている3)。しかし ながら、木質ボー隙の用途は少なく、他の有用資源化法の開発が急がれている。また、アメリカやカナダ では水蒸気爆砕を用いて残材(主にポプラ)を分解・低分子化し、得られた爆砕生成物を家畜の飼料とし て用いる研究が行われてきたが、飼料の市場は狭く、高付加価値を持つ製品への転換が求められているの。
本研究では、水蒸気爆砕、抽出分離操作と種々の変換操作を用いて廃材、廃竹、バガス(砂糖黍の絞り 粕)などの未利用植物性バイオマスを無駄なく完全に有用製品化するためのリデュース型資源化方法を開 発した。次に、リデュース型資源化方法の(1)廃水の発生を抑制した新規パルプ製造と(2)ファイトレメ デイエーシヨン(植物利用による環境修復技術)に用いられた植物体の有用資源化への応用について検討した。
2.実験 2.1試料
末利用植物性バイオマス試料として孟宗竹UZ2PaノブesenIDSりbamboo)、パルプ製造原料としてユーカリ (EizCaZ〃、伽gZo6ZUUS)とファイトレメディエーション後の植物体としてヘピノネコザ(AthJn伽
ynADs℃alzse)を用いた。試料は長径2~3cm、短径1~2cmのチップ状に切断した後、実験に用いた。
2.2水蒸気爆砕・
水蒸気爆砕装置(日本化学機械会社、大阪、日本)は水蒸気発生装置、高圧反応器、受器、消音作用を もった凝縮器から成る句。反応器に入れられた約1009の試料が水蒸気蒸煮された後、反応器下部のポー ルバルブの瞬間的な開放によって急激に減圧される。爆砕された固液物は反応器と受器の間のサイクロン 中に回収される。水蒸気爆砕は水蒸気圧力(蒸気温度)をL57MPa(1970C)、2.061VPa(2110℃)、2.55 Mpa(2250C)、3.041IPa(2350℃)とa531Pa(2430℃)で蒸煮時間1~20minで行った。パルプ製造ではユ ーカリチップを室温で1.種々の濃度(0~209/L)のNaOHに浸した後、蒸留水で洗浄せずに水蒸気爆砕 を行った。
2.3抽出分離操作
爆砕生成物の抽出分離成分はFig.1に示すようなWaymanの方法6)に基づく抽出分離法により分離し、成 分量を測定した。爆砕生成物は抽出物1(水可溶性物働、抽出物2メタノール可溶性リグニン)と残i査 物2(ホロセルロースと高分子量リグニン)に分離された後、残澄物2はさらに硫酸を用いて熱分解され た後、液状物質(ホロセルロースの分解物)と残淫鋤3(K1asonリグニン)に分けられた。
2.4変換操作
爆砕生成物から抽出分離された各成分を有用物質または有用 製品に変換するためにメイセルラーゼを用いた酵素糖化、ニジ マスの有機糞から分離した低温細菌RrlO2株を用いた抗菌性紫 色素生産、LactohacmUSpZamaZm21NBRC3070株を用いた乳 酸発酵、エピクロルヒドリンを用いたエポキシ樹脂化や実験用 電気炉を用いた炭化等を行った。また、パルプ製造はセルロー ス成分である残潅Hl勿2を乾燥後、PFIミルによってピーティン グして行った。
2.5分析
菌体濃度は培養液3mに等量のエタノールを添加した後、4℃
で遠心分離(15000rpm,3min)を行った後の沈殿物の乾燥重 量から求めた。紫色素濃度は遠心分離後の上澄液(紫色素含有 閥から紫色素を抽出分離して求めた。グルコース濃度はムタ ロターゼGOD法、乳酸濃度はL-乳酸UV法(ベーリンガーマン ハイム製、BioAnalysia/FoodanalySis)によって測定した。NaOH で前処理されたユーカリチップの爆砕生成物から抽出分離され た紙の原料となるセルロース成分(残澄物2)の重合度(グル コースの個数)はセルロース成分をカドキセン溶液に溶解させ た時の粘度を測定し、BroWnとWikstromの式、を用いて推算し た。セルロース成分から製造された紙の物理的特性を評価する ために破裂強さ、引裂強さ、引張強さ等をJIS法に基づいて測 定した8)。
竺雪型=i2鵲剛伽
ErhvDctl
(VMateトsoIublen圏tenaI)
R0劃duel
(HoIocelIuIoseandlkInin)
'MethanoIextraction
RBSjdue2 (HoIoceIIuIoseand KlasonIignin)
E城mact2
(MemanoLsoIubIeIignin)
Sulfuricacidtreatment
Re劇due3
(KlasonIignin) Deg垣dedmatenaI (HoloceIIuIose)
Fig.1ExtractionandseparatiOnmelhod 1
864200000[‐]旨曾冒昌貝ご単。。『急函
3.結果と考察
3.1リデュース型有用】震源化方法の開発
Fig.2は水蒸気圧3.53Waで種々の蒸煮時間処理された爆砕 孟宗竹の乾燥重量に対する各抽出成分の乾燥重量の比を示す6 水可溶性量は蒸煮時間にかかわらず、ほぼ一定値のままであっ た。ホロセルロース、メタノール可溶性リグニンおよびK1ason リグニンの量は蒸煮時間とともに著しく変化した。ホロセルロ ース量は蒸煮時間の増加とともに徐々に減少して10minで0.42 に達した後、蒸煮時間に関係せずにほとんど一定値になった。
051015z0
Steamingtime[、m]
Fig2RatioofextraCt1vecomponent
o,holoceUUlose;□,water-sohlblematerial;
△,meIhanol-solUblelignin;◇,K1asonlignm
メタノール可溶性リグニンの量は蒸煮時間の増加とともに増加 し、5minで最大値0.21に達した後、わずかに減少した。K1ason リグニンの量はメタノールリグニン量の増加とともに急激に減 少し、5minで最ソ」値0.13に達した後、増加した。K1asonリグ ニン量が5mm以上で増加した理由はK1asonリグニンとホロセ ルロースの分解物やメタノール可溶性リグニンとの再結合によ るものと思われる。結果として爆砕生成物はFig.1に示したよ うなWayInanの方法に基づく抽出分離法により比較的容易に各 抽出成分に分離されることがわかった。
Fig.3は水蒸気圧3.531匹a、蒸煮時間5minで爆砕された 孟宗竹チップから抽出分離された残i査物2を温度50℃で酵 素糖化した時に生成するグルコース濃度の経時変化を示す。
ここで、初期基質(残i査物2)濃度を5,10と209/Lとし た。グルコース濃度は培養時間の増加とともに急激に増加し て約20時間後に最大値に達した。酵素糖化速度は基質濃度 の増加とともに増加したが、グルコース収率(基質濃度に対 する生成グルコース濃度の比)は基質濃度にかかわらずほぼ 一定値(0.62)であった。この値(0.62)はバガスの値(0.65)
よりはわずかに小さかったが、カラマツの値(0.40)よりも 大変大きかった(データは示していない)。これは孟宗竹が 水蒸気爆砕と酵素糖化を用いてグルコースに効率よく変換
され得る植物資源であることを示唆する。
Fig.4は爆砕孟宗竹から抽出分離された残i査物2の酵素糖 化液とグルコース溶液を基質として用いた時の低温細菌 RT102株による抗菌性紫色素生産の経時変化を示す。ここで、
初期グルコース濃度は109/Lに調整し、pH6,温度25℃、溶 存酸素濃度0.5ppmで培養を行った。菌はグルコースの減少と
ともに急激に轍Uし、グルコースが消滅する培養時間20hで最 大値約159/Lに達した。紫色素(ピオラセインとデオキシピオ ラセインの混合物)は培養時間14hで初めて観察され、菌の増 殖停止後も増加して培養時間30hで最大値3.59/Lに達した。
紫色素の生産が菌の増殖停止後も見られたことから、紫色素は 菌の二次代謝物であることがわかった。培養時間30h後の培養 液は生産された紫色素によって濃い青紫色に着色された。また、
酵素糖化液とグルコース溶液の微生物増殖の経時変化がほぼ一 致したことから、本菌は酵素糖化液中に含まれるリグニンの阻 害の影響を受けないことがわかった。
次に、水蒸気圧3.53Wa、蒸煮時間5minで爆砕された孟宗 竹チップから抽出分離された抽出物2(メタノール可溶性リグ ニン)からのエポキシ樹脂(エポキシ化リグニン)の特性を評 価した。Fig.5は種々の温度におけるエポキシ化リグニンと市 販のピスフエノールAジグリシジルエーテルのゲル化時間を示 すbここで、ゲル化時間はジエチレントリアミンを添加後の硬
505011[曰団]ロ○一葛ロ【5月【。。の、。。畠①
0102030405060 Incubationtime[h]
Fig3En鞆'matichydmlysisofresidueZ O,59/L;□,109/Lj△,zOgL
20 1 0 [曰団][冨冨菖耐ogo曽閏円副圓芯で{ン
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01{自前】【ご穂昌5.員乙③閏呂『o[曰功]g冨昌5日5.『『⑫9
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IncUbationtime[h】
Fig4Productionofantibacterialvioletpigment.
200
量''0の
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Telnpemture[。C]
Fig5Comparisonofgelationtime O,epoxidizedlignin;□,biSphenolA.
化反応の初期段階においてゾル状からゲル状に変化するまでに
Bamboo(1000)
要する時間である。エポキシ化リグニンとピス フェノールAジグリシジルエーテルのゲル化 時間は温度の上昇とともに急激に短くなった。
エポキシ化リグニンのゲル化時間はピスフェ ノールAジグリシジルエーテルのゲル化時間 よりも長くなったが、80℃以上では10mm 以下でゲル化したので、代替接着剤としての利 用が確認された。
Fig.6は水蒸気爆砕とWaymanの方法に基づ く抽出分離方法によって孟宗竹から抽出分離 された各成分、すなわち、抽出物1(水可溶性 物働、抽出物2(メタノーノレ可溶性リグニン)、
残i査物2(ホロセルロースとK1asonリグニン)
等からの有用物質(抗菌性紫色素、季し酸、メタ ン、オリゴ糖、環境ホルqEン活性を持たないエ
wme「毛oIubIe n面③巾I(189)
M⑥IhanoトsoIubね 駒、、(219)
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ポキシ樹脂および活性炭等)の生産および製造
を種々の変換操作を用いて行った時の物質収Fig6Wastereductionsystemnoonsistedofsteamexplosion,
支を示す。水蒸気爆砕(水蒸気圧3.53肥a、extractionmdseparatioMndvariousconversionmethods 蒸煮時間5min、消費熱量約40kcal)によって処理された孟宗竹1009は水とメタノールを用いて抽出 分離され、(1)水可溶性物質(189)、(2)ホロセルロース(489)とクラソンリグニン(139)、(3)メ タノール可溶性リグニン(219)に分けられた。水可溶性物質は単糖類19(グルコース0.79、キシロ ース0.19、マンノース0.19、ガラクトース0.19)とオリゴ糖類179を含んだ(デL一夕は示してい ない)。オリゴ糖は生理機能性食品の素材として用いることができると思われる功。ホロセルロースと K1asonリグニンは酵素加水分解と濾過の後、グルコース(389)を含む酵素加水分解物(439)と不溶 残淫B物(189)に分離された。酵素加水分解物は低温細菌RT102株や乳酸菌LpZaノブ飽伽等を用いた微 生物変換により、抗菌性紫色素(139)や乳酸(209)に変換された。また、不溶残i査物(主にmason リグニン)は活性炭(99)に炭化された。さらに、データは示していないが、1009の乾燥爆砕孟宗竹 から約204kcalのメタンガス(21.5L)が得られ、水蒸気爆砕に要する熱量約40kcalよりも大きいの で、ホロセルロース成分をメタンガスに変換する場合にはエネルギー生産も可能であることがわかった。
桑原ら'0)は種々の処理を行ったエゾマツ価ceaノ鋤ansi召Carr.)樹皮木粉のメタン発酵を行い、109/L の亜塩素酸を用いて樹皮木粉を100℃で30min間処理した場合にメタン収率が約50%の最大値に達す ることを報告した。亜塩素酸処理が塩化物の後処理を必要とすることから、本資源化方法は末利用植物 性バイオマスからのメタン生産に関して効果的であるというだけではなく、環境に対しても優しい方法 である。メタノール可溶性リグニンについては樹脂合成のための原料として用いられ、環境ホノ舵ン活 性を示さないエポキシ樹脂(219)が得られた。本資源化方法では水、メタノールや培養等が成分抽出 と変換過程で用いられ、一部は廃棄物として排出されるが、孟宗竹の構成成分はほぼ完全に乳酸、抗菌 性紫色素、メタンガス、単糖少糖類、エポキシ樹脂やi舌性炭等の有用物質に変換された。結果として、
本研究で提案したリデュース型有用資源化方法は孟宗竹の総合的有効利用のために効果的とわかった。
'本システムは孟宗竹だけではなく、木材の切り屑、樹皮、稲わら、麦わら、バガスやスウィートソルガ ム等の末利用櫓物バイオマスについても有効な資源化方法と思われる。今後の研究課題はコスト、エネ ルギーや環境負荷等をさらに詳細に検討することにより本資源化方法の最適条件を決定することである。
3.2リデユース型有用資源化方法の応用
Fig.7は木材チップを種々のNa側濃度で処理した後、水蒸気圧2.55と3.531IPaで蒸煮時間5minの 処理をされた爆砕生成物から分離されたセルロース成分(残i査物2)のグルコース重合度(DGP)とpH値 の変化を示すbNaOH未処理の木材チップ〈すなわち水蒸気爆砕のみの処理しかされていない木材チップ の場合、DGPは水蒸気圧2.5と3.5MPaの時それぞ>''’約100と70であった。また、pH値は水蒸気圧2.55 と3.53脚aの時そオTぞ>れ約2.8と2.6であった。爆砕生成物のpH値が3.0以下であった理由はおそら く水蒸気加水分解によって木材チップ中のヘミセルロースアセテートからの酢酸等の有機酸生成に起因
すると思われるdoNaOH処理の木材チップの場合、、DGPとpH値はNaOH濃度の増加と急激に増加した。
また、水蒸気圧2.55MPaでは109/LのNaOH濃度以上でDGPは
最大値約500に達した。これは、水蒸気加水分解によって生j司屈旦一 最大値約500に達した。これは、水蒸気加水分解によって生成
された有機酸がアルカリ性であるMHにより中和された結果、
pH債の増加とセルロース成分の脱重合が抑制されたと思われる。
高品質パルプのためには高いDGPが望まれるので、木材チップ を109/LのNaOHで処理し、水蒸気圧2.551Paで蒸煮時間5mm の爆砕で得られた生成物から抽出分離したセルロース成分がパ ルプ化のために最も適した1章MSIといえる。結果として水蒸気爆 砕を水蒸気圧2.55MPaよりもさらに低い条件で行うこどが高い DGP値を得るためには効果的であると思われるが、そのような 低水蒸気圧下では木材チップ中のリグニンとヘミセルロースを ほとんど除去できず(データは示してない)、パルプ強度が弱ま るため適切でないと思われる。この点については今後の研究課 題である。
Fig.8はセルロース成分から製造されたパルプの物理的性状 に及ぼすNaOHi震度の影響を示す。パルプの破裂強さ、引裂強さ と引張強さはNaOH濃度の増加とともに増加し、109/LのNaOH 濃度以上でそれぞれほぼ一定値2.4kPa.、:/9,7.211i(・m2/gと 31N・I、/gに達した。市販の広葉樹パルプの引裂強さと引張強
(畠肉頁目)口○画句N眉⑪ロ垣写○国①moo昌國]。 1000 800
600 〒】困邑
400
200
;,
0 Ⅱ ]uNaOH[g/L]
Fig7EftectofNaOHconcentrationondegree ofglucosepolymerization(DGP)andpH ofceUulosecomponent、OPGPat2、55MPa;
●,DGPHt3・s3MPa;ロ,pHat255MPa;
■,pHat3S3MPa.
[蟄日・Z且灘・冒冨・P
】
金属濃度を測定した。一株のヘピノネゴザにおける地上部分のNaOmg/L]
乾燥重量は約209、地下部分の乾燥重量は約509であった。
浄化される前の汚染士壌の重金属濃度はi争化後の重金属量にへFig8EffectofNaOHconcentrationonphysical
pmpertiesofpulpfiomcellulosecomponent・
ピノネゴザが吸収した金属量を加えることによって算出された。 。,bumtindex;ロ,te8rindex;△,tensileindex
土壌の重金属除去効率向上のためには、ヘピノネゴザを用いた
数回に渡る潮上やヘピノネゴザ以外の植物種に関しても検討する必要があると考えられる.植物体の水蒸 気爆砕とWaymanの抽出法で分離された各抽出成分は重金属を多量に含む成分とほとんど含まない成分に 分けられたので、重金属を含む成分については燃焼等による金属回収、重金属を含まない成分については 有用物質への変換のために利用可能と思われる。すなわち、本研究で提案した新規回収方法はCO2の発生量 の低減化だけでなく、植物資源の有効利用の面でも効果的といえる。
Fig.9AmountofcopperandironmcontaminatedsoUandM1ym"ワIy0Aosce"DB.
4.緒言
本論文では、蒜11用h鋤性バイオマスの総合的有効未11用プロセスを構築するために水蒸気爆砕、Waynan の方法に基づく抽出分離操I乍と種々の変換操作から成るリデュース型資源化方法を開発した。水蒸気爆砕 は末禾I用櫨物性バイオマスの脱リグニンのために非常に効果的であり、爆砕生成物は水やメタノール等の 比較的環境負荷の小さW容媒を用いた抽出分寳圏桑作によって容易に各抽出分離成分に分離された。また、
抽出分離成分より種々の有用物質や有用製品が生産された。本リデュース型資源化方法はその資繍腿程 において廃ガス、廃水、固形廃棄物等の汚染物をほとんど排出しないので、環境負荷削減型の新規資源化 方法であることがわかった。次に、本リデュース型資l原化方法をパルプ製造とファイトレメデイエーショ
ン後の植物体からの有価金属の回収に)nii:用した結果、パルプ製造ではNaOH前処理を併用することにより 亜硫酸塩等を全く使用しない新規パルプ化法、植物体からの有価金属の回収では有価金属を含有する抽出 成分のみを分離して金属回収を行う新規分離・回収iiEを開発することができた。
5.31用文献
1)SaddleZJN:BjbcDmmeア53b"q'j5br巴団伽`L4gr7bzujiWm"qkmrRa5mdhJBsbppl11,BiotechnolOgyinAgmultulCNOgbCAB
IntemaUonalPi℃ss,Wmlin2山b、,Ⅸ(1卿)
2)KIassPL:BjDmzz団E/M3e7zewEz6jeEjl巴PR)lFiJeKMP2cノCHDG〃M9.pp2gL5qAcademicPress,SanDiegqUSA(1”8)
3)TbmimuIH,YandKKChoon:Manufhctul巳ofmediumdensityHbeHboaldsnlomMalaysimIubbelwoodandoilpalm,B2uZK
FbWW&FbFfPMRBMzs7b,3魂153-160(1990)
4)StakeTbchnolOgyLeadersinResoumeihlFeeding:ZlROCELL,ppl-15(1980)
5)N8kanmm,YandrSawadなEthanolpmductionH1omaltiHcialdomestichouSeholdwastesolubilizedbysteameXplosion,
BHDUzdi"DKBi上pFM》19,8,20兜ogCOO3)
6)Clma,MGSandMwByman:ChamcteIiz2ttionofamohydmb7sisaspen(、姥、"b鋤asウligninsPaItl,CtmJ【die"?.,罰,
1141-1149(1W9)
7)BIPwn,WandRWikstmm:Aviscosity色molecularweighmlationShipfbrcelluloseincadoxenandahydmdynamic
inteHpIdation,Eb"、〕0,M,1,1-10(1%5)
8)JaPaneseStandaldsAs劇〕ciationed.:jDMtM',。1ケ0M;H\】81.噸月`#)Ipp20M8,JapaneseStanda1dsAssociation,Tblq/0,
Japan(19W)
9)MtanabebmDevelopmentofphysio1ogicalfhnctionsofcellooligosacChaIideS,Cb伽α5℃Cb"z""u"'二91-97(1998)
10)KuwahalaM,rKagjmlm,andKThkngj:AnaembicfbmlentationofbaIklEHbctoft【eatmemofbalkwhhwhiteIutn1I喝i andchemicalsonthepmductionofmethaneM,AzK2zJiCtIljlmSソhiB狐769-776(1984)
11)SameshimユK:Kenafandothernon員woodpulpHb画usagedevelopmentfbrlhep[csewHdon,CセノZCbmmzm,1,2-5(1”5)
学位論文審査結果の要旨
本学位論文に関して各審査委員によって個別に審査を行うとともに平成17年7月27曰に口頭発表会と
論文審査委員会を開催し、以下のように判定した。
本論文では、廃材、廃竹やバガス等の未利用植物性バイオマスの総合的有効利用プロセスを構築するため に水蒸気爆砕、Waymanの方法に基づく抽出分離操作と種々の変換操作から成るリデュース型有用資源化 方法を開発した。水蒸気爆砕は未利用植物性バイオマスの脱リグニンのために大変効果的であり、抽出分離 成分から種々の有用物質(抗菌性紫色素、乳酸など)や有用製品(環境ホルモン作用を持たないリグニンエ ポキシ樹脂など)が生産された。本資源化方法はその資源化過程において廃ガス、廃水、固形廃棄物等の汚 染物をほとんど排出しないので、環境負荷削減型の新規有用資源化方法であることがわかった。次に、本資 源化方法をパルプ製造やファイトレメディェーション後の超集積植物からの重金属の回収に応用した結果、
NaOH前処理を併用することにより亜硫酸塩等を全く使用しない環境負荷削減型の新規パルプ化法や超集積 植物から重金属を含有する抽出成分のみを分離して重金属を高効率で回収する新規分離・回収法を開発する
ことができた。
以上のように、本論文は未利用植物性バイオマスのリデュース型有用資源化方法を開発しただけでなく、
関連分野への応用とともに実用化が待たれる高レベルの研究成果であることから、博士(工学)に値すると
判定した。